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*[[ブレスレット#歴史]]…小説中、主人公が[[弥生時代]]製のガラス[[釧]](腕輪)の発見に接し、「考古学上最大の発見」と「昂奮」する描写があるが、本作発表当時、ガラス釧の発見例はきわめて稀少であった。 |
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※風景だけのシーンではなく、俳優参加のシーン。 |
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2021年12月14日 (火) 08:37時点における版
『内海の輪』(ないかいのわ)は、松本清張の小説。『週刊朝日』1968年2月16日号から10月25日号に、「黒の様式」第6話として連載され、1969年5月に中編集『内海の輪』収録の表題作として、光文社(カッパ・ノベルス)から刊行された。連載時のタイトルは「霧笛の町」。
1971年に松竹で映画化、また1975年(「愛の断崖」に改題)・1982年・2001年にテレビドラマ化されている。
あらすじ
東京のZ大学に勤務する考古学者・江村宗三は、愛媛県松山の洋品店主の妻である西田美奈子と不倫関係になっていた。14年前、美奈子は宗三の兄嫁であった。美奈子の現在の夫・慶太郎は不能な老人となって久しい。落ち合った宗三と美奈子は、広島県の尾道で宿泊したが、火の点いた美奈子は、自分が松山の家を出ることを主張し始める。スキャンダルで考古学会から葬られることを恐れる宗三。有馬温泉に移ると、美奈子は自分が身篭っていることを告げ、宗三の子を産むと宣言、絶望に落ちた宗三はついに思案を固める……。
関連項目
- 仙酔島、蓬萊峡、岩倉山 (兵庫県)…いずれも小説の舞台。
- ブレスレット#歴史…小説中、主人公が弥生時代製のガラス釧(腕輪)の発見に接し、「考古学上最大の発見」と「昂奮」する描写があるが、本作発表当時、ガラス釧の発見例はきわめて稀少であった。
映画
内海の輪 | |
---|---|
Shadow of Deception | |
監督 | 斎藤耕一 |
脚本 |
山田信夫 宮内婦貴子 |
製作 | 三嶋与四治 |
出演者 |
岩下志麻 中尾彬 |
音楽 | 服部克久 |
撮影 | 竹村博 |
編集 | 杉原よ志 |
製作会社 | 松竹 |
配給 | 松竹 |
公開 | 1971年2月10日 |
上映時間 | 103分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
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1971年2月10日に松竹系にて公開された。現在はDVD化されている。
- キャスト
- 岩下志麻(西田美奈子)
- 中尾彬(江村宗三)
- 三國連太郎(西田慶太郎)
- 滝沢修(江村宗三の義父)
- 富永美沙子(川北政代)
- 入川保則(江村寿夫)
- 水上竜子(寿夫の女)
- 加藤嘉(江村修造)
- 北城真記子(江村菊江)
- 赤座美代子(娘幸子)
- 夏八木勲(長谷記者)
- 高木信夫(番頭隅川)
- 高原駿雄(刑事)
他
- スタッフ
- 監督:斎藤耕一
- 製作:三嶋与四治
- 製作補:江夏浩一・織田明
- 脚本:山田信夫・宮内婦貴子
- 撮影:竹村博
- 音楽:服部克久
- 美術:芳野尹孝
- 編集:杉原よ志
- 録音:小林英男
- スチール:赤井博且
- 助監督:三村晴彦
- 照明:中川孝一
- 撮影協力:仙酔島・ニュー錦水国際ホテル、水上温泉・蒼海ホテル、尾道・ホテル金花園、瀬戸内海汽船、全日空、きもの東京呉裳会
- ロケ地
※風景だけのシーンではなく、俳優参加のシーン。
断崖のシーンはラストではないものの、全国の景勝地、恋愛がもつれ、主人公がエリートコースを守るため愛人を殺す設定など、後の2時間ドラマの基本フォーマットネタが使われる。 岩下志麻は1960年代からの人気女優であったが、中尾彬も当時テレビ、映画に引っ張りだこの人気俳優になっていた[1]。中尾は「毎日、思わぬ観光旅行ができるうえ、日本一の女優さん相手にラブシーンができるなんて」とロケを喜んだ[1]。
三國連太郎は妻(岩下志麻)の全身を撫でることしかできない性的不能者の役だが、三国は愛欲演技のリアリズムで定評があり岩下も覚悟を決めていた[2]。岩下の肩を噛むシーンがあり、三国が「本当に噛みついていいか?」と岩下に聞くので「OKです」と言ったら激しく噛みつき撮影中断[2]。さらに指を岩下の秘部に二度触れた[2]。三国は東映在籍時代の『越後つついし親不知』で佐久間良子の秘部に触り、佐久間は三国と一切口をきかなくなったといわれる常習犯だったが[2]、本作では三国の方が照れて有料試写会には姿を見せなかったという[2]。
テレビドラマ
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1982年版
松本清張の内海の輪 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『内海の輪』 |
脚本 | 中島丈博 |
監督 | 井上昭 |
出演者 |
滝田栄 宇津宮雅代 |
製作 | |
プロデューサー |
春日千春(大映テレビ) 小林重隆(大映テレビ) 樋口祐三(TBS) |
制作 | TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1982年4月17日 |
放送時間 | 21:02 - 22:53 |
放送枠 | ザ・サスペンス |
「松本清張の内海の輪」。1982年4月17日21:02-22:53、TBS系列の「ザ・サスペンス」枠にて放映。視聴率18.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。現在はDVD化されている。
- キャスト
- スタッフ
TBS系列 ザ・サスペンス | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
陽のあたる場所
(1982.4.10) |
松本清張の内海の輪
(1982.4.17) |
父殺しの報酬
(1982.4.24) |
2001年版
松本清張スペシャル 内海の輪 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『内海の輪』 |
脚本 | 那須真知子 |
監督 | 三村晴彦 |
出演者 |
中村雅俊 十朱幸代 |
エンディング | 工藤静香「深紅の花」 |
製作 | |
制作 | 日本テレビ |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2001年3月27日 |
放送時間 | 21:33 - 23:24 |
放送枠 | 火曜サスペンス劇場 |
特記事項: 火曜サスペンス劇場20周年記念スペシャル |
「松本清張スペシャル・内海の輪」。2001年3月27日21:33-23:24、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠にて放映。現在はDVD化されている。
ラストの犯行の決め手になる小道具が原作や映画版と異なる。
- キャスト
- 江村宗三:中村雅俊
- 西田美奈子:十朱幸代
- 江村侑子:紺野美沙子
- 西田啓太郎:石橋蓮司
- 江村寿夫:西田健
- 橋本警部補:塩見三省
- 矢部:丸岡奨詞
- 江村信治:野村昇史
- 江村佐和:柳川慶子
- 亀井義彦:廣田行生
- 川島部長:勝部演之
- 長谷記者:伊藤昌一
- 杉原刑事:小久保丈二
- 佐々木敏
- 丸野保
- 寉岡萌希
- 寉岡瑞希
- 藤田宗久
- 平野稔
- 元井須美子
- 高間智子
- 磯西真喜
- 浅倉里美
- 森下まひろ
- 長瀬健
- 藤野玉江
- 上田幸治
- 中村駿佑
- スタッフ
- 脚本:那須真知子
- 監督:三村晴彦
- 音楽:佐藤允彦
- 選曲:合田豊
- ロケ協力:神戸フィルムオフィス、明星大学、西日本旅客鉄道、芦原温泉、松山市、尾道市、福山市 ほか
- 資料提供:明治大学考古学博物館、西宮市立郷土博物館
- 技術協力:バル・エンタープライズ
- 編集・MA:ザ・チューブ
- 関西サイド制作協力:東映太秦映像
- スタジオ:TMC-1
- プロデュース:伊藤祥二、加藤教夫
- 企画協力:電通音楽出版
- 制作著作:C.A.L
- ロケ地
※風景だけのシーンではなく、俳優参加のシーン。
日本テレビ系列 火曜サスペンス劇場 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
救命救急センター2
(2001.3.20) |
松本清張スペシャル
内海の輪 (2001.3.27) |
脚注
外部リンク
- 内海の輪 - allcinema
- 内海の輪 - KINENOTE
- Shadow of Deception - IMDb
- 松本清張の「内海の輪」-1982年版テレビドラマの公式サイト。
- 小説『内海の輪』に読む考古学大津忠彦、筑紫女学園大学・筑紫女学園大学短期大学部紀要 4, 95-107, 2009