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第93回選抜高等学校野球大会(だい93かいせんばつこうとうがっこうやきゅうたいかい)は、2021年3月19日から4月1日まで阪神甲子園球場で行われた選抜高等学校野球大会である。
前年の第92回大会は新型コロナウイルス感染症の世界的流行により中止になったが、今大会は新型コロナウイルス感染症の流行が前年以来なおも続くなか、大会前から様々な感染防止対策(後述)を講じたうえで2年ぶりの開催となった。前々年の第91回大会は元号が令和になる前の開催であったため、令和となってから実際に開催された初めての選抜大会となる。
- 2020年
- 9月9日 - 第1回の大会運営委員会を開催し、出場校数と日程を定める[1]。
- 10月9日 - 神宮大会の開催中止を発表[2]。
- 11月16日 - 北海道を除く46都府県の21世紀枠候補校の推薦が出そろう[3]。
- 12月11日 - 9地区推薦の21世紀枠候補校が発表される[4]。
- 2021年
- 1月13日 - 入場行進曲が中止となった前回大会で使用予定だった『パプリカ』に決定した[5]。また同日の運営委員会では中止となった神宮枠を21世紀枠に補充。入場券も全席指定となり最高席の中央特別席で3900円、外野席も700円など改定。連券・当日券販売もなし。さらに開幕戦の開始時間も30分繰り上げ、交流試合同様試合間隔も40分とした。
- 1月29日 - 出場校選考委員会がオンラインで行われ出場32校が選出された[6]。
- 2月19日 - この日開催された日本高校野球連盟理事会に於いて、連盟主催の春夏甲子園大会及び各都道府県連盟の公式大会の決勝戦での延長戦タイブレーク方式を導入することを決定。この規定は本大会から適用されることとなった[7]。
- 2月23日 - オンラインで組み合わせ抽選会。なお抽選は同一県が2校の場合は決勝まで対戦しないよう考慮し、その他の学校はフリー抽選を行った。開会式での選手宣誓は開幕日に出場する6校の主将による抽選によって選ばれた。
- 3月19日 - 開会式と初日の3試合が予定通り行われた。選手宣誓は第2試合に登場する仙台育英の島貫丞主将、司会は中止となった前年第92回大会の閉会式司会に内定していた長崎日大の寳藏寺花映が務めた[8]。
- 3月21日 - 雨天中止[9]。
- 3月24日 - 第3試合の常総学院対敦賀気比戦は選抜大会では初のタイブレーク適用試合となった[10]。また、この試合では初の申告故意四球[注釈 2]も行われた[11][注釈 3]。
- 3月28日 - 雨天中止[13]。順延が2日間になったため、準決勝翌日に予定されていた休養日[注釈 2]がなくなった[14]。なお、3月27日に、準決勝翌日(中止がなければ3月31日)に甲子園球場で決勝出場2校の前日練習を行うことが発表されていたが、この中止による日程変更に伴い前日練習は行われないことが決まった。
- 3月30日 - 休養日。
- 4月1日 - 決勝戦および閉会式。東海大相模が3x-2のサヨナラで明豊を下し、2011年(第83回)以来10年ぶり3回目の優勝。
| 1回戦 | | 2回戦 | | 準々決勝 | | 準決勝 |
| | | | | | | | | | | | | | |
| 3月19日(1):延長10回 | | | | | | | | |
|
| 神戸国際大付 | 3x |
| 3月25日(2) |
| 北海 | 2
| |
| 神戸国際大付 | 5 |
| 3月19日(2) |
| | 仙台育英 | 13
| |
| 明徳義塾 | 0 |
| | 3月29日(1) |
| 仙台育英 | 1
| |
| 仙台育英 | 3 |
| 3月19日(3) |
| | 天理 | 10
| |
| 健大高崎 | 6 |
| 3月25日(3) | |
| 下関国際 | 2
| |
| 健大高崎 | 0 |
| 3月20日(1) |
| | 天理 | 4
| |
| 宮崎商 | 1 |
| | 3月31日(1) |
| 天理 | 7
| |
| 天理 | 0 |
| 3月20日(2) |
| | 東海大相模 | 2
|
| 三島南 | 2 |
| 3月26日(1) | |
| 鳥取城北 | 6
| |
| 鳥取城北 | 0 |
| 3月20日(3):延長11回 |
| | 東海大相模 | 1
| |
| 東海大相模 | 3 |
| | 3月29日(2) |
| 東海大甲府 | 1
| |
| 東海大相模 | 8 |
| 3月22日(1) |
| | 福岡大大濠 | 0
| |
| 具志川商 | 8 |
| 3月26日(2):延長11回 | |
| 八戸西 | 3
| |
| 具志川商 | 4 |
| 3月22日(2) |
| | 福岡大大濠 | 8
| |
| 福岡大大濠 | 2 |
| |
| 大崎 | 1
| |
|
| 1回戦 | | 2回戦 | | 準々決勝 | | 準決勝 |
| | | | | | | | | | | | | | |
| 3月22日(3):延長11回 | | | | | | | | |
|
| 明豊 | 10x |
| 3月26日(3) |
| 東播磨 | 9
| |
| 明豊 | 2 |
| 3月23日(1) |
| | 市和歌山 | 1
| |
| 市和歌山 | 1x |
| | 3月29日(3) |
| 県岐阜商 | 0
| |
| 明豊 | 6 |
| 3月23日(2) |
| | 智弁学園 | 4
| |
| 智弁学園 | 8 |
| 3月27日(1) | |
| 大阪桐蔭 | 6
| |
| 智弁学園 | 5 |
| 3月23日(3):延長12回 |
| | 広島新庄 | 2
| |
| 広島新庄 | 1x |
| | 3月31日(2) |
| 上田西 | 0
| |
| 明豊 | 5 |
| 3月24日(1) |
| | 中京大中京 | 4
|
| 東海大菅生 | 4 |
| 3月27日(2) | |
| 聖カタリナ | 3
| |
| 東海大菅生 | 5x |
| 3月24日(2):延長10回 |
| | 京都国際 | 4
| |
| 柴田 | 4 |
| | 3月29日(4) |
| 京都国際 | 5
| |
| 東海大菅生 | 0 |
| 3月24日(3):延長13回 TB |
| | 中京大中京 | 6
| |
| 常総学院 | 9 |
| 3月27日(3) | |
| 敦賀気比 | 5
| |
| 常総学院 | 5 |
| 3月25日(1) |
| | 中京大中京 | 15
| |
| 中京大中京 | 2 |
| |
| 専大松戸 | 0
| |
|
4月1日
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
明豊
| 1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
10 |
0 |
東海大相模
| 1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1x |
3 |
9 |
0 |
- (明):太田、京本 - 簑原
- (東):石川、求、石田 - 小島
- 審判
[球審]田中
[塁審]堅田・前坂・西貝 - 試合時間:2時間9分
明豊 |
打順 | 守備 | 選手
|
---|
1 | [遊] | 幸修也(3年) |
2 | [左] | 阿南心雄(3年) |
3 | [一] | 竹下聖人(2年) |
| 二 | 本多広人(3年) |
4 | [二]一 | 黒木日向(3年) |
5 | [三] | 米田友(3年) |
6 | [右] | 山本晃也(3年) |
7 | [中] | 原駿太(3年) |
8 | [捕] | 簑原英明(3年) |
9 | [投] | 太田虎次朗(3年) |
| 走 | 筒井翔太(3年) |
| 投 | 京本眞(3年) |
|
東海大相模 |
打順 | 守備 | 選手
|
---|
1 | [左] | 門馬功(3年) |
2 | [二] | 綛田小瑛(3年) |
3 | [捕] | 小島大河(3年) |
4 | [三] | 柴田疾(3年) |
5 | [一] | 百瀬和真(2年) |
6 | [中] | 佐藤優真(3年) |
7 | [右] | 小平直道(3年) |
8 | [遊] | 深谷謙志郎(2年) |
9 | [投] | 石川永稀(3年) |
| 投 | 求航太郎(2年) |
| 投 | 石田隼都(3年) |
|
- 1回戦
- 第1号:鈴木悠平(東海大菅生)
- 第2号:千田光一郎(東海大菅生)[注釈 4]
- 第3号:櫛田理貴(中京大中京)
- 2回戦
- 第4号:新川俊介(具志川商)
- 第5号:松尾光氣(福岡大大濠)
- 第6号:米田友(明豊)
- 準々決勝
- 第7号:八巻真也(仙台育英)
- 第8号:門馬功(東海大相模)
- 第9号:幸修也(明豊)
新型コロナウイルスヘの感染防止のため、次のような対策が行われた[15]。
- 観客の上限を1万人とする。アルプス席は学校関係者限定で、1000人を上限とする。ドリームシートは設置しない。
- 入場券は全席指定で前売り券のみ、当日券の販売は行わない。
- 大会前に選手とチーム関係者1057人と大会関係者216人全員に対しPCR検査を実施し、全員の陰性を確認。また1回戦勝利校は、試合翌日(最後に登場する2校は試合当日)に再度、PCR検査を受ける。
- 感染防止対策のため、相手チームとの握手や素手でのハイタッチを禁止。試合中は出場選手とベースコーチを除き原則マスク着用、球審はマスクかマスクシールドを着用する。
- 各試合終了後に、ベンチの消毒と応援団の入れ替えを行うため、試合の間隔を10分増の40分に変更する。
- 甲子園球場での事前練習は行われない。また、甲子園の土を集めることも禁止。出場校には後日甲子園の土が贈られる[16]。
- 開幕後、出場校から感染者が発生し、当該校が大会に参加できなくなった場合は、相手チームの不戦勝とする。
- 飛沫感染防止のため、ブラスバンドの演奏や大声での応援を禁止。応援は拍手や声援を基本とするが出場校はブラスバンドが事前に録音した音源を攻撃時に場内スピーカーで流すことが可能。この場合、打順かイニングごとに曲を指定し、10曲以内とする。録音が間に合わない場合は尼崎市立尼崎高等学校の吹奏楽部が演奏した音源を使用することができる。またチアリーダーはマスクを着用し発声をしなければ応援可能とする[17]。
- 開会式は初日に試合が組まれた6校のみの参加とし、入場行進もまず開会式に参加した6校が外野からマウンドに1校ずつ前進し、その後ほかの26校が事前に自校グラウンド等で収録した行進の映像をバックスクリーンのビジョンで放映した。また入場行進曲や大会歌「今ありて」の演奏は例年の警察音楽隊や西宮市高等学校吹奏楽連盟は参加せずCDが流れた。
- 大会初日以外の始球式は実施しない。
- 応援団賞は実施しない。
- 閉会式でのメダルの授与は各チームの代表者1名に全員分のメダルが授与される形式で行う。
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1920年代 | |
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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地方別成績 | |
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秋季大会 | |
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楽曲 | |
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関連項目 | |
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1942年から1946年は中断。取り消し線は開催中止。 |