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'''コントレイル'''([[英語|英]]:'''Contrail'''、[[2017年]][[4月1日]] - )<ref name="JBIS-コントレイル"/><ref name="netkeiba-コントレイル"/>は、[[日本]]の[[競走馬]]。日本競馬史上8頭目(無敗での達成は3頭目<ref group="注" name="無敗三冠"/>)の[[中央競馬クラシック三冠|クラシック三冠馬]]であり、父[[ディープインパクト_(競走馬)|ディープインパクト]]と親子での無敗クラシック三冠を達成した<ref name="gallopTemporarytriplecrown-kikkasho"/>。三冠競走以外の勝ち鞍は[[2019年]]の[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]]、[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]、[[2020年]]の[[神戸新聞杯]]<ref name="gallopTemporarytriplecrown-date"/>。 |
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== デビューまで == |
== デビューまで == |
2021年9月28日 (火) 17:57時点における版
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
コントレイル | |||||||||||||||||||||
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欧字表記 | Contrail[1] | ||||||||||||||||||||
品種 | サラブレッド[1][2] | ||||||||||||||||||||
性別 | 牡[1][2] | ||||||||||||||||||||
毛色 | 青鹿毛[1][2] | ||||||||||||||||||||
生誕 | 2017年4月1日(8歳)[1][2] | ||||||||||||||||||||
死没 | 現役競走馬 | ||||||||||||||||||||
父 | ディープインパクト[1][2] | ||||||||||||||||||||
母 | ロードクロサイト[1][2] | ||||||||||||||||||||
母の父 | Unbridled's Song[1][2] | ||||||||||||||||||||
生国 | 日本(北海道新冠町)[1][2] | ||||||||||||||||||||
生産者 | ノースヒルズ[1][2] | ||||||||||||||||||||
馬主 |
ノースヒルズ[3] →前田晋二[1][2] | ||||||||||||||||||||
調教師 | 矢作芳人(栗東)[1][2] | ||||||||||||||||||||
調教助手 | 金羅隆[4] | ||||||||||||||||||||
装蹄師 | 柿元裕望[5] | ||||||||||||||||||||
競走成績 | |||||||||||||||||||||
タイトル |
中央競馬クラシック三冠(2020年) JRA賞最優秀2歳牡馬(2019年) JRA賞最優秀3歳牡馬(2020年)[1] | ||||||||||||||||||||
生涯成績 | 9戦7勝[1][2] | ||||||||||||||||||||
獲得賞金 |
8億3051万2000円[1][2] (2020年11月29日現在) | ||||||||||||||||||||
|
コントレイル(英:Contrail、2017年4月1日 - )[1][2]は、日本の競走馬。日本競馬史上8頭目(無敗での達成は3頭目[注 1])のクラシック三冠馬であり、父ディープインパクトと親子での無敗クラシック三冠を達成した[6]。三冠競走以外の勝ち鞍は2019年のホープフルステークス、東京スポーツ杯2歳ステークス、2020年の神戸新聞杯[7]。
デビューまで
出生までの経緯
本馬の母・ロードクロサイトは2011年9月に開催されたキーンランド1歳馬セールに上場された際、日本からノースヒルズ代表・前田幸治の代理として参加していた調教師の矢作芳人とノースヒルズゼネラルマネージャーの福田洋志に良血を見込まれ、38万5000ドル(約3000万円)で落札された[8]。その後日本へ輸入され、2歳時に滋賀県・栗東トレーニングセンターの矢作厩舎へ入厩して中央競馬でデビューし、2歳時は4戦して2着2回、3着2回という戦績でシーズンを終えたが、3歳になると二桁着順での大敗を繰り返した[8]。地方競馬へ移籍させて再起を図るという選択肢も浮上したが、7月の中京競馬場での未勝利戦を最後に未勝利のまま現役を引退し、北海道新冠町のノースヒルズで繁殖牝馬となった[8]。
ロードクロサイトは繁殖入りした初年度はゴールドアリュールが種付けされ本馬の半兄バーンフライ[7]、2年目はダイワメジャーが種付けされ半姉アナスタシオ[7]を出産した。福田によると、この2頭をロードクロサイトに交配させたのは将来的にディープインパクトを交配させることを見据えたものであり、ディープインパクトの産駒は小柄な馬が生まれる傾向があったため、最初の2頭がしっかりした馬体を持つ仔を生むか確認した上でディープインパクトを交配させることを決めたという[9]。バーンフライ・アナスタシオの二頭は確かな馬体を持って生まれ[注 2]、アナスタシオを出産した2016年の繁殖シーズンにロードクロサイトは初めてディープインパクトと交配され、これを受胎した[9]。
生い立ち
2017年4月1日、ロードクロサイトは青鹿毛の牡馬、後のコントレイルを出産[10]。生後1週間ほど経った時に矢作から検分を受けたが[9]、矢作はその第一印象について「兄や姉とはタイプが異なり、"ディープを付けるとこんな馬ができるんだ"と思いました」と言い[11]、コンパクトにまとまった体型をしていた本馬を「ディープにそっくりだと思った」と振り返っている[12]。牧場関係者からも骨量豊かで柔らかさを備えた馬体や人間に対して従順な性格を評価され[8][10][13]、ノースヒルズでコンサルタントを務めるスティーブ・ジャクソンは、コントレイルを当世代の中でもトップクラスの馬として度々リストアップし、年4回行っている全頭チェックの中でも常に高評価を与え続けた[8][9][注 3]。しかし、関係者の多くは2013年の東京優駿優勝馬キズナとの比較において、生まれた当初からキズナに対して将来の活躍を嘱望する関係者が多かったのに対し、当時のコントレイルに対してはキズナ程の活躍を想像をすることはできなかったという声が多かった[8][9][14]。
離乳までの約半年間をノースヒルズで過ごし、その間に怪我や病気にかかることは一切無く成長した[8]。その後当時開場して間もなかった中期育成施設のノースヒルズ清畠に移動[9]。2018年9月に鳥取県の大山ヒルズに移動して育成調教を開始[9]。しかし、調教が本格的に開始してすぐに脚元に不安が見つかり、1歳の終わりから2歳の5月まで騎乗調教が控えられ、他馬との別メニューで引き運動やウォーキングマシンでの調整が行われたが[14]、騎乗調教が再開されてからは瞬く間に同期の2歳馬と同じメニューに対応するほどにまでに状態が良化した[14]。
2歳の8月中旬に栗東の矢作厩舎に入厩[14]。装蹄は1991年の二冠馬・トウカイテイオーの装蹄を担当した柿元純司の息子である柿元裕望が担当することとなった[5]。柿元はコントレイルの蹄について「いい意味でコンパクトな蹄」であり[5]、「歩様はトモ(後肢)が突っ込むことなく、前後の力のバランスが良い」と感じ取ったという[5]。
馬名の由来
馬名の意味は「飛行機雲」[2]。なお同名の競走馬が過去に中央競馬に存在していた[15][注 4]。
競走馬時代
2歳 (2019年)
2019年9月15日、阪神開催の新馬戦(芝1800メートル)で福永祐一を鞍上にデビュー。単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持され、大外枠から好スタートを切ると直線で抜け出し、2着に2馬身半差をつけて初勝利を挙げた[16]。福永は「センスが良く、勝ちっぷりも良くて言うことなし。スピードが勝っているタイプなので距離はやってみないとわからないが、とてもいい勝ち方ができた」とコメントした[16]。
次走の東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)[注 5]では、前週の競馬で福永が斜行しこの日から騎乗停止処分を受けていたため[18]、ライアン・ムーアが騎乗した[19]。単勝2.5倍の1番人気に支持されたが、レース前に輪乗りで暴れ、これで振り落とされたムーアが左肩を強打するアクシデントが起きた[19]。しかし、レースでは道中5番手に位置し、直線で外から並ぶ間もなく先頭に立ってムーアがゴーサインを出すと一気に加速して後続を突き放し、2着のアルジャンナに5馬身差をつけて芝1800メートルの2歳JRAレコードを1秒1更新する1分44秒5を記録して優勝した[19][注 6][注 7]。レース後にムーアは「強かった。いい位置で我慢できて最後も伸びてくれた。こんなトップクラスの馬に乗れてうれしい」とコメントし[19]、矢作は「ここまでとは思わなかった。こちらの想像を超えていた。正直、『1800メートルまでがギリギリかも』という気持ちもあったが、この内容なら少なくとも2000メートルは大丈夫でしょう。王道を歩んでいきたいし、2400メートルでもこちらの想像を超えてほしい」と語った[19][注 8]。(競走に関する詳細は第36回ホープフルステークス (中央競馬)#主な前哨戦の結果内の第24回東京スポーツ杯2歳ステークスを参照。)
その後はGI初出走となるホープフルステークスに出走[23]。鞍上には福永が復帰し、前走の内容が評価されて単勝オッズ2.0倍で1番人気に支持された[23]。スタートが切られるとコントレイルは前へ行きたがる素振りを見せたが、福永がなだめて道中は4番手につける[23]。3コーナー付近から前方へ進出し、最後の直線でレースを引っ張ったパンサラッサをかわして先頭に立ち、同馬に1馬身半差をつけてGI初勝利を挙げた[注 9]。
福永はこの勝利で2歳GI完全制覇を達成し[23]、「前走と求められる要素が全く違う舞台で、しっかり結果を出してくれた。とてもいい瞬発力を持っているが、好位からしのぎ切る脚もある。センスも良く、現状ではあまり言うことがない」とコメントし[23]、矢作は「育成段階で半年乗れずに休んでいたことを考えれば、とてつもないポテンシャル。これからクラシックを戦っていくために、馬体を15~20キロ増やして成長してほしい。負けていないということは、非常に夢を持てる」と語った[23]。ノースヒルズ代表の前田幸治は、「安心して見ていられた。欲を言えば5馬身ぐらいは突き放してほしかったね」と語り、ノースヒルズ生産のディープインパクト産駒のGI勝利が2013年の東京優駿でのキズナ以来となり、「向こう(キズナ)はナタの切れ味、こっち(コントレイル)はカミソリの切れ味がある。なかなか、これだけの馬は見当たらないよ」と評した[23]。(競走に関する詳細は第36回ホープフルステークスを参照。)
当年はこれで出走を終え、後日陣営から年明けに大山ヒルズへ放牧に出された後、クラシック初戦の皐月賞に直行することが明かされた[14]。2019年のJRA賞最優秀2歳牡馬を決定する投票では、同じく3戦無敗で朝日杯フューチュリティステークスを制したサリオスを抑えて最優秀2歳牡馬に選出された[23][注 11]。
3歳(2020年)
無敗での二冠達成
年明けに大山ヒルズへ放牧に出され、皐月賞までは3か月のレース間隔があったが、その間は筋肉が硬くならないようにほぐす調整が行われた[14]。3月18日に栗東に帰厩し[9]、4月19日に中央競馬クラシック三冠の初戦・皐月賞(GI)に出走[28][注 12]。出走メンバーにはコントレイルを含めて4頭の無敗馬が名を連ね[注 13]、コントレイルは単勝2.7倍の1番人気に支持された[28][注 14]。スタートが切られるとコントレイルは行き脚がつかず[29]、中団より後ろの12番手を追走[28]。しかし3コーナー手前で外に進路をとると馬なりで回り、4コーナーでは先団に取りつき、ここから一気に伸びて先頭に立った[28]。そこに内から立ち回って馬体を寄せてきたサリオスとの叩き合いとなったが、半馬身サリオスをしのいで先頭でゴール[28]。前年のサートゥルナーリアに続いて二年連続で無敗での皐月賞制覇を達成した[28][注 15]。
レース後に福永は「大変なレースになったと思ったが、僕にできるのは馬を信じることだけ。慌てず、自信を持って騎乗した」と語り[28]、矢作は「枠順とか道悪とか、いろいろ言われる中で"強い馬は強い"ということを見せたかった。証明できてうれしい」と感想を述べた[28]。ノースヒルズ生産馬の皐月賞勝利は2002年のノーリーズン以来18年ぶり[28][注 16]、矢作、福永は共に皐月賞初勝利となり[28]、福永はこの勝利でクラシック競走完全制覇を達成した[28][注 17]。(競走に関する詳細は第80回皐月賞を参照。)
その後は大山ヒルズへの短期放牧を挟み[14]、クラシック三冠の第2戦・東京優駿(GI)に出走。この年は戦時中だった1944年以来76年ぶりとなる無観客開催で行われた中[30]、コントレイルは単勝1.4倍で1番人気に支持された[注 18][注 19]。2005年の父と同じ3枠5番から好スタートを切り、道中は3番手の内側につけた。向こう正面では横山典弘が騎乗するマイラプソディが捲るように上がっていったが、福永は慌てることなく人馬のリズムを保つことを守ることに専念し、直線に入って福永が馬場の中ほどへ誘導してそこから追われるとコントレイルは鋭い末脚を繰り出し、2着のサリオスを3馬身突き離して1着でゴールし、父・ディープインパクト以来15年ぶり7頭目となる無敗での2冠を達成した[30][注 20][注 21][注 22]。父子での無敗の二冠達成はシンボリルドルフ・トウカイテイオー以来史上2組目の記録となった[33]。
2018年のワグネリアン(第85回東京優駿)以来となるダービー2勝目をあげた福永は、「どうしても遊んでしまうところがあるが、逆に考えると遊びながらダービーを勝ったわけだから相当優秀な馬。無敗馬で挑むダービーは初めての経験だったが、画面越しに見てくれている人たちのことを思いながら騎乗した。これでスターホースの仲間入りを果たしたと思うし、騎乗していたことを誇りに思う」とコメントした[30]。2012年のディープブリランテ以来となるダービー2勝目となった矢作は、「綺麗な横綱相撲だった。本当に強い。ファンの方がいなかったのは残念でたまらないが、馬を褒めてあげたい。疲れた。嬉しいというより、肩の荷が下りた」と語った[30]。前田幸治は2日前に航空自衛隊のブルーインパルスが医療従事者への感謝で空に飛行機雲を描いたことに触れて「コントレイルへのエールのように受け止めていた」と語り、矢作、福永、牧場関係者に感謝の気持ちを表した[30]。前田は同時に三冠達成がかかる菊花賞への出走を表明し、矢作は「底が知れない。一回一回、僕の想像を超えてくれる。終わるごとに距離への自身が深まっていくし、(菊花賞の3000mは)今日の折り合いを見ても大丈夫でしょう」とコメントした[30]。後日矢作から順調に調整が進めば9月27日の神戸新聞杯[注 23]で始動し、牡馬3冠の期待がかかる10月25日の菊花賞、古馬との初対戦となる11月29日のジャパンカップの3戦を予定していることを発表した[35]。(競走に関する詳細は第87回東京優駿を参照。)
6月4日には東京優駿のレーティングが発表され、コントレイルは東京優駿史上において最高の数値となる122を獲得した[36]。8月6日に日本中央競馬会が発表した上半期のJPNサラブレッドランキングでは、コントレイルは3歳牡馬としてトップとなる122ポンド[注 10]を獲得した[37]。
三冠達成 - ジャパンカップでの初黒星
東京優駿後は大山ヒルズへ放牧に出されて夏を超し、9月4日に栗東に帰厩[38]。菊花賞の前哨戦として出走した神戸新聞杯は同レース7年ぶりのフルゲートとなる18頭が出走し、コントレイルは単勝1.1倍と圧倒的な支持を受けた[38]。スタートが切られると道中は中団馬群の内側を追走し、3コーナーから前方へ進出を開始[38]。直線に入ってもしばらくは他馬に包まれた状態だったが、残り300m付近で前が空くと一気に先頭に立って後続を突き放し、2着のヴェルトライゼンデに2馬身差をつけて優勝[38]。福永は「いかに進路を見つけてストレスなく走らせることができるかが課題だった」といい、「慌てないことだけは肝に銘じて乗っていたが、瞬時に反応できる馬なので、慌てずに直線へ向くことができました」と語り[38]、矢作は「折り合い面も含め特に問題なかったし、前哨戦としては満点」と評し、菊花賞に向けて「京都が改修に入り、今の競馬場では最後の菊花賞。何とか(三冠を)成し遂げたい」と抱負を語った[38]。(競走に関する詳細は、第68回神戸新聞杯を参照。)
神戸新聞杯後、菊花賞が中3週で行われることからコントレイルは放牧に出されず、在厩調整を経て菊花賞当日を迎えた[6]。10月25日の競走当日は三冠達成の期待から単勝1.1倍の圧倒的な一番人気に支持された[6]。スタートが切られると、福永から軽く促されて中団のやや前目のポジションに付けた[6]。しかし馬群がばらついたこと、コントレイルが折り合いを欠いたことや、アリストテレス(クリストフ・ルメール騎乗)にマークされ続けた結果、「うまくリラックスして走らせてあげられなかった」(福永)状態でのレースを強いられ、最後の直線では先頭に躍り出るも、アリストテレスが外から並びかける状況となった[39]。しかし、コントレイルは200メートル近い叩き合いの中で粘りを見せて先頭を譲らず、クビ差でアリストテレスを振り切り1着でゴール[39]。史上8頭目となるクラシック三冠を無敗で達成した[6]。無敗での三冠達成は15年ぶり3頭目で[注 1]、親子達成は本馬が史上初[6]。福永は1983年にミスターシービーで三冠を制した吉永正人の42歳0カ月27日を更新する43歳10カ月17日での三冠達成となり、最年長の三冠ジョッキーとなった[6]。
レース後福永は「何とかしのいでくれという気持ちで追っていた。馬が答えてくれて最後まで抜かせなかった、改めてすごい馬だと思う。ディープインパクトに続き、その息子も無敗で3冠を達成したことは世界でも類を見ない、大変な偉業。その鞍上にいられたことを誇りに思う」と喜びを語り[6]、矢作は「こんなにつかれた経験は今までなかった。今日は一日、緊張していた。競馬の道を志した時から夢のまた夢だったので幸せ。やっぱり、負けないということは凄い。今まで手掛けたことのない、神様からの授かりものだと思っている」と語った[6]。前田幸治は「嬉しい。(2003年に牝馬三冠を達成した)スティルインラブの時とは、また全然違う。いつかこういう日が来るとは思っていたけど、牧場を開いて36年、良かった」と喜び、「初めての距離だから最初は少し掛かっているところがあった。直線もヒヤヒヤはしなかったけど、『迫られているな』と。だけど、しのぎ切るだろうと思って馬を信じていた。コロナ禍だが、皆さんに希望と元気を与えるような3冠馬が出てよかった」と語った[6]。生まれ故郷のノースヒルズがある北海道新冠町では、達成後に近くの生産者や装蹄師、農協組合職員らに加えて、鳴海修司町長などが集まり、福永と同じように三本指を立てて記念写真に納まった[40]。
コントレイルの三冠達成は世界各国でも報じられ[41]、アメリカの競馬メディア『bloodhorse.com』は、前の週に牝馬三冠を達成したデアリングタクトとともに「『トリプルクラウン・ダブル』の完成だ」と称賛し、「日本の牡馬三冠は仏G1凱旋門賞で2年連続2着だったオルフェーヴル以来の快挙だ」と報じた[41]。また、ブックメーカーの『Paddy Power』からは、翌2021年の凱旋門賞の前売りオッズでコントレイルを8倍タイの一番人気に据えられ、当年の凱旋門賞で有力視されながらも道悪を理由に回避したイギリスの二冠牝馬ラヴと同等の評価を受けた[41]。(競走に関する詳細は、第81回菊花賞を参照。)
菊花賞後、コントレイルはリフレッシュのため大山ヒルズへ放牧に出された[42]。次の出走競走について矢作は、ジャパンカップを考えていた[43]が、菊花賞のレース内容と距離適性から回避することを考えていた[43][注 24]。その後、矢作と福永がジャパンカップと有馬記念の出走に関する相談をした[43]。そこで、福永から有馬記念の出走はやめてほしいとの要望[43][注 25]があり、矢作自身も(有馬記念には)適性がないと考えた[注 26]ことから、ジャパンカップ出走→有馬記念回避を決断[43]、11月5日、正式にジャパンカップに出走することが陣営から発表された[44]。11月12日に栗東へ帰厩したが菊花賞での激戦の反動から疲れが抜け切らず、18日に行われた最終追い切りでは併せ馬で遅れてしまい、矢作が「(回避の)記者会見をしようかと思った」と明かすほどの状況であった[42]。しかし、福永が跨って併せ馬で追われたことで状態が上昇し、25日の最終追い切りでは軽快な動きを見せた[42]。この年のジャパンカップは1日の天皇賞(秋)で中央競馬のGI競走最多勝利記録となる8勝目を挙げてこのレースを引退レースと定めたアーモンドアイ、秋華賞で史上初の無敗での牝馬三冠を達成したデアリングタクトと、3頭の三冠馬が対決するということで大きな注目を集めた[45]。
ジャパンカップ当日は単勝オッズ2.2倍でアーモンドアイが1番人気に推され、コントレイル2.8倍、デアリングタクト3.7倍と続いた[45]。コントレイルは「若干、イラついていて。ゲートの中ではいつも以上にエキサイトしていた」(福永)[42]状態だったが好スタートを切り、大逃げを打ったキセキを深追いせず、5番手につけたアーモンドアイ、そのすぐ後ろにデアリングタクトよりも少し離れた中団を追走した[42]。4コーナーではデアリングタクトの背後に迫り、直線に向いて馬場の大外に持ち出し、出走馬中最速の上がり34秒3の末脚を繰り出して前へ詰め寄った[42]。しかし、先に抜け出したアーモンドアイをかわせず2着に敗れ、生涯初の敗戦を喫した[42]。レース後、福永は「今日は非常にタフな、バテあいのような感じになりましたからね。最後は苦しく名手左に持たれてしまいました。それでも最後まで一生懸命、諦めずに走ってくれたし、よく頑張ってくれました」と労い、矢作は「勝った馬が強いなと思いました。素直にリスペクトするしかありません。もう少し瞬発力、キレ味を活かせるようなレースになってくれた方がありがたかったけれど、条件は全馬一緒、言い訳にならない。とにかく今日は勝った馬が強かった。それにうちの馬もすごくよく頑張って走ってくれたと思います」と語った[42]。(競走に関する詳細は、第40回ジャパンカップを参照。)
以後、年内は休養に充て、翌年の大阪杯を目指すことが発表された[46]。2020年度のJRA賞最優秀3歳牡馬に記者投票満票で選出された[47]。なお、年度代表馬の記者投票ではアーモンドアイ(236票)に次ぐ2位(44票)であった[47]。
4歳(2021年)
当初の発表通り、始動戦は大阪杯となる事が決定。本レースはコントレイルのほか、スプリント(1200メートル)とマイル(1600メートル)と合わせてGIレース3階級制覇を狙う昨年のJRA賞最優秀短距離馬のグランアレグリア、3歳クラシックで2度コントレイルの2着となった好敵手サリオスの「3強」をはじめ5頭のGI馬のほか、5戦5勝無敗でGI初挑戦のレイパパレ等が出走する事で大きな注目を集め、2000メートルの経験がないグランアレグリアやコントレイルに一度も勝っていないサリオスらに比べて実績面がある事から、オッズでは圧倒的な1番人気に推された。
当日昼過ぎからの大雨により、重馬場の状態で始まったレースでは、レイパパレがハナを切り、コントレイルは中団後ろからレースを進める。前半1000メートルが59秒8と、馬場状態からするとハイペースになる中、3コーナーに差し掛かりかけたあたりで進出を図る。その途中でグランアレグリアに並んだ際、グランアレグリアも反応して同時に進出を図り、内ラチ沿いを進んでいたサリオスと共に3頭でレイパパレを追いかけて直線に突入。レイパパレを捕らえにかかるも、進出に脚を想定以上に使ったのと重馬場によりスタミナを奪われたのもあってグランアレグリア、サリオスと同じく末脚の伸びを欠き、逆にレイパパレに引き離されたうえ、ゴール直前で後ろから迫ってきたモズベッロにも差されて3着に敗れ、キャリア9戦目で初めて連を外す結果に終わった。陣営は敗因に馬場の悪化及び前半での出遅れを挙げていた[48]。
今後は放牧に出され、次走は宝塚記念を予定する事が発表された[49]。
出走予定であった宝塚記念を大阪杯出走による疲労が抜けていないことを理由に宝塚記念を回避することが発表された。また、同時に天皇賞・秋に出走したいと表明している[50]。
次走として宝塚記念出走を断念した際に発言していた天皇賞・秋への出走の意志を正式に固めた[51]。
なお、コントレイルは2021年内をもって引退し、種牡馬入りするとフランスギャロのホームページで発表された[52]。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.comの情報[53]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019. 9.15 | 阪神 | 2歳新馬 | 芝1800m(良) | 9 | 8 | 9 | 1.7(1人) | 1着 | 1:48.9(33.5) | -0.4 | 福永祐一 | 54 | (フレーヴォ) | 456 | |
11.16 | 東京 | 東京スポーツ杯2歳S | GIII | 芝1800m(良) | 8 | 6 | 6 | 2.5(1人) | 1着 | R1:44.5(33.1) | -0.8 | R.ムーア | 55 | (アルジャンナ) | 456 |
12.28 | 中山 | ホープフルS | GI | 芝2000m(良) | 13 | 2 | 2 | 2.0(1人) | 1着 | 2:01.4(35.8) | -0.2 | 福永祐一 | 55 | (ヴェルトライゼンデ) | 462 |
2020. 4.19 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(稍) | 18 | 1 | 1 | 2.7(1人) | 1着 | 2:00.7(34.9) | -0.1 | 福永祐一 | 57 | (サリオス) | 462 |
5.31 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 3 | 5 | 1.4(1人) | 1着 | 2:24.1(34.0) | -0.5 | 福永祐一 | 57 | (サリオス) | 460 |
9.27 | 中京 | 神戸新聞杯 | GII | 芝2200m(良) | 18 | 1 | 2 | 1.1(1人) | 1着 | 2:12.5(35.6) | -0.3 | 福永祐一 | 56 | (ヴェルトライゼンデ) | 460 |
10.25 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 2 | 3 | 1.1(1人) | 1着 | 3:05.5(35.2) | -0.0 | 福永祐一 | 57 | (アリストテレス) | 458 |
11.29 | 東京 | ジャパンカップ | GI | 芝2400m(良) | 15 | 4 | 6 | 2.8(2人) | 2着 | 2:23.2(34.3) | 0.2 | 福永祐一 | 55 | アーモンドアイ | 456 |
2021. 4.4 | 阪神 | 大阪杯 | GI | 芝2000m(重) | 13 | 5 | 7 | 1.8(1人) | 3着 | 2:02.5(37.4) | 0.9 | 福永祐一 | 57 | レイパパレ | 472 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す
- 競走成績は2021年4月4日現在
血統
血統背景
父のディープインパクトについては同馬の項を参照。ディープインパクトと母の父アンブライドルズソングの組み合わせでのGI勝ち馬には、2014年の朝日杯フューチュリティステークス優勝馬ダノンプラチナがいる[54]。その他のアンブライドルズソングを母の父に持つサンデーサイレンス系の種牡馬の産駒のGI勝ち馬にはトーホウジャッカル(2014年菊花賞、父スペシャルウィーク)、スワーヴリチャード(2018年大阪杯・2019年ジャパンカップ、父ハーツクライ)がいる[54]。また、本馬が曾祖母の父に持つストームキャットを父に持つ繁殖牝馬とディープインパクトの組み合わせはニックスとして知られ[54]、この組み合わせで8頭のGI勝ち馬が誕生している[54][注 27]。
母のロードクロサイトは未勝利のまま現役を引退したが、その母・フォークロアは、2005年のBCジュベナイルフィリーズ、メイトロンステークスの勝ち馬である[7][54]。4代父のCee's Tizzy(シーズティジー)の母テイズリーはキタサンブラックの曾祖母にあたり[54]、3代母・Contriveの半妹の仔に2020年ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル・ブリーダーズフューチュリティステークス・2021年ベルモントステークス・トラヴァーズステークス勝ち馬Essential Qualityがいる[7]。
血統表
コントレイルの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系(ヘイロー系) |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 2002年 鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986年 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘアWind in Her Hair 1991年 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 *ロードクロサイト 2010年 芦毛 |
Unbridled's Song 1993年 芦毛 |
Unbridled | Fappiano | |
Gana Facil | ||||
Trolley Song | Caro | |||
Lucky Spell | ||||
母の母 Folklore2003年 鹿毛 |
Tiznow | Cee's Tizzy | ||
Cee's Song | ||||
Contrive | Storm Cat | |||
Jeano | ||||
母系(F-No.) | 1号族(FN:1-s) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Fappiano 4×5(母内) | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
注釈
- ^ a b 1984年のシンボリルドルフ、2005年のディープインパクトに次ぐ[39]。
- ^ デビュー戦時の馬体重はバーンフライが478kg、アナスタシオが450kgである[10]。
- ^ 2017年5月29日の評価は「骨量豊かでしっかりしている。バランスがいい。ハイクラスで品がある。伸びがあり、素晴らしい牡馬」、2018年3月5日の評価は「目だっていい馬。胸が深い。前脚の動きが綺麗。立っていても、歩いても素晴らしい」というものである[9]。
- ^ 日本競馬においては、顕著な活躍(GI・JpnI級の競走優勝、あるいは主要国際競走優勝馬と同じ馬名)や種牡馬登録などによって保護された馬名以外は、登録抹消後に一定期間を経れば再利用することができる。競走馬#馬名登録のルールも参照のこと。
- ^ このレースから馬主名義が前田晋二 (個人名義)に変更された[17]。
- ^ 従来の東京競馬場の芝1800メートルの2歳コースレコードは2013年の東京スポーツ杯2歳ステークスでイスラボニータが記録した1分45秒9[19]、2歳芝1800メートルの日本レコードは2017年のシクラメン賞(阪神競馬場)でオブセッションが記録した1分45秒6[19]。
- ^ 2019年10月と11月の東京競馬場は、2歳戦が行われている全ての芝コース(1400メートル、1600メートル、1800メートル、2000メートル)でレコードタイムが更新された[20]。これについて武豊騎手は「硬いんだろうな、と思って入ってみたらそうじゃない。ほどよくクッションが効いて、とにかく走りやすい。馬が走りやすいと感じるから速い時計が出るわけで、馬場に文句はありません」と述べ[21]、日本特有と言われる硬い馬場は否定している。
- ^ 矢作によると、レース後にアルジャンナの管理調教師である池江泰寿から「ダービーは決まったね。(矢作)先生に全部取られた」と言われたが、これに対して矢作は「えー、そうかね」と思っただけだったという[22]。
- ^ JRAが施行するGI競走はクロノジェネシスが制した秋華賞(10月13日)から矢作が管理するリスグラシューが制した前週の有馬記念までノーザンファーム生産馬が10連勝を記録していたが、ノースヒルズ生産馬である本馬が今回のレースを勝利したことによりこの記録を止め[24]、さらに同場生産馬の2019年度のGI20勝目[25]を阻止した。
- ^ a b 1ポンドは約453グラムに相当する質量の単位[27]、記号lb。
- ^ コントレイル197票対サリオス77票[23]。阪神3歳ステークスが牝馬限定戦(阪神3歳牝馬ステークス、現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)になってから朝日杯フューチュリティステークス(2000年までは朝日杯3歳ステークス)勝ち馬以外の初の受賞となった[26]。一方で、JPNサラブレッドランキングにおいては、サリオスが世代トップとなる116ポンドを記録し、コントレイルは115ポンドでサリオスに続く2位となった[27][注 10]。
- ^ この年の皐月賞は第80回であり、前田幸治はキズナで制した東京優駿が今回のレースと同じ第80回だったため、「縁起がいいのかな…と実は思っていた」とレース後に語った[28]。
- ^ サリオス、サトノフラッグ(弥生賞ディープインパクト記念勝ち馬)、クリスタルブラック(京成杯勝ち馬)[28]。
- ^ 以下、サトノフラッグ3.6倍、サリオス3.8倍、ヴェルトライゼンデ13.0倍[28]。
- ^ 皐月賞において無敗馬が1、2着となったのは1984年のグレード制導入以降初のことであった[28]。
- ^ ノーリーズンはコントレイルと同じく前田晋二の所有馬である[28]。
- ^ 父の福永洋一も1977年のレースをハードバージで制しているため、武邦彦(1974年キタノカチドキ)・武豊(1993年ナリタタイシン、2000年エアシャカール、2005年ディープインパクト)に次いで史上2組目となる皐月賞父子制覇を達成した[28]。
- ^ この支持率は父・ディープインパクト(2005年)の1.1倍、ナリタブライアン(1994年)の1.2倍、シンボリルドルフ(1984年)の1.3倍に次いで、1984年以降の日本ダービーでは史上4位の低オッズとなった[31]。
- ^ コントレイルに次いでサリオスが4.4倍で2番人気[32]、3番人気のワーケアは12.8倍と差が開き、無敗でのダービー制覇を狙うコントレイルに再びサリオスが挑むという図式となった[11]。
- ^ 他の達成馬はトキノミノル(1951年)、コダマ(1964年)、シンボリルドルフ(1984年)、トウカイテイオー(1991年)、ミホノブルボン(1992年)[33]。
- ^ 皐月賞の1・2着馬が日本ダービーでも1・2着となったのは1983年のミスターシービー・メジロモンスニー以来37年ぶりのこととなり、1・2着入れ替わっての決着を含めても1995年のタヤスツヨシ・ジェニュイン以来25年ぶりのこととなった[31]。
- ^ 東京優駿の前週に行われた優駿牝馬(オークス)でもデアリングタクトが無敗での二冠を達成。2003年には牝馬クラシックではスティルインラブ、牡馬クラシックではネオユニヴァースが二冠を達成しているが、牡牝で無敗クラシック二冠馬が登場するのは史上初のことである[31]。
- ^ 通常は阪神競馬場芝外回り2400メートルのコースで行われるが、当年は中京競馬場の芝2200メートルで開催[34]。京都競馬場スタンド改築工事に伴い、7月の中京競馬と9・10月の阪神競馬を入れ替えたため、このコースとなった[34]。
- ^ これについては、2021年1月17日付け日刊スポーツ2面に掲載された、プロ野球セ・リーグ横浜DeNAベイスターズの監督に就任した三浦大輔との対談形式のインタビュー取材記事において、三浦からジャパンカップの出走について頭にあったのかと問われ、矢作は、「>ありましたけど、菊花賞のレースを見たらちょっと無理だなと。」語り、また、距離適正に関しては「>どこまでいっても彼のベストは1800~2000メートルと思っています。」と語っている[43]。
- ^ この時矢作は、福永から「先生、有馬記念はやめてほしい。有馬記念だと自信はない。」、「中山の2500メートルというのは東京の2400メートルと100メートルしか距離が変わらないのに、急に長距離レースになる。」、「菊花賞で苦戦したのは適性ではなかったからで、もうそういう長距離的なレースは使ってほしくない。」[43]との要望を受けたことを、2021年1月17日付け日刊スポーツの対談形式のインタビュー取材記事で明かしている[43]。
- ^ 2021年1月17日付け日刊スポーツの対談形式のインタビュー取材記事で矢作は、「>僕もあまり適性はないと思っていたので、100%なくなった。」と語った[43]。
- ^ アユサン(2013年桜花賞)、キズナ(2013年東京優駿)、ラキシス(2014年エリザベス女王杯)、サトノアラジン(2017年安田記念)、エイシンヒカリ(2015年香港カップ・2016年イスパーン賞)、リアルスティール(2016年ドバイターフ)、スタディオブマン(2018年ジョッケクルブ賞)、ラヴズオンリーユー(2019年優駿牝馬)。
出典
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