ポカ
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ポカ(ぽか)は、
以下、1.花札の遊戯について記載する。
概要
[編集]- 親とビキの二人で対戦し、手札を相手よりも早く出しきり、碁石5個を先取りした方が勝者となるスピーディな競技。内容が単純明快で、初心者でもわかりやすくできるのが特徴。
- 碁石5個で勝負が決まることから「五文勝負(ごもんしょうぶ)」とも呼ばれる。また、碁石3個で勝負を競う方法もあり、その場合は「三文勝負(さんもんしょうぶ)」と云われた。
- ポカ(もしくは大ポカ)は「失敗」「凡プレイ」といった意味があるが、花札における「ポカ」の由来は定かではない。
競技の流れ
[編集]- 使用道具
- 花札(1組48枚)、碁石などの点数表示が出来るもの
- 必要人数
- 基本的に2人(親とビキ)で行う。3人以上参加する場合は親を決める「めくり札」で上位者(月の若い札)2人が参加することになる。
競技方法
[編集]- 親とビキを決め、競技開始前に碁石を十数個用意し場の一隅へ置く。
- 互いに手札を6枚ずつ持つ。残りの36枚は山札とする。
- 山札の一番上をめくり、台札(だいふだ - 基準となる札)を決める。
- 台札を基準に、親から1月上がりの札を手札から出す。例えば、台札が藤(4月)なら、親は菖蒲(5月)を出す。桐(12月)からは松(1月)に続く。親が該当する札がなければビキに順番を交代する。ビキも該当する札がない場合、親がもう一枚山札をめくり、それを新しい台札とする。
- 台札に続く札を、連続する順序で複数所持している場合はまとめて一括で出せる。例えば、台札が菊(9月)で、手札に紅葉(10月)・柳(11月)・桐(12月)・松(1月)とある場合はそれらをまとめて出せる。ただし、二重する同じ月の札はまとめて出すことは出来ない。例えば、台札が菊(9月)で手札に紅葉(10月)を2枚以上所持していたとしても、出せるのは1枚に限定されている。
- 競技が途中まで進み、出せる手札がなくなった場合は、そのプレイヤーが山札をめくり、新たな台札とする(この際、山札は台札の予備を果たす)。
- 新しい台札を決めたプレイヤーは、相手に順番を回す。
- 先述の説明を繰り返し、先に手札を出し切ったプレイヤーは碁石1個を獲得する。その時点で競技は打ち切られ、先述から新たにやり直す。それを繰り返し、先に碁石を5個獲得したプレイヤーを勝者とする。
このほかにも、以下のような特殊ルールが存在する。
特殊ルール
[編集]- 一二つけ打ち(いちにつけうち)
- 場の台札が松(1月)で、(本来、梅(2月)から出さなければならないが)手札に松(1月)と梅(2月)があれば2枚まとめて出せる。
別のルールでは、 場の台札が松(1月)か、梅(2月)の場合、台札と同じ月の札を何枚でも出せる。この場合付け打ちとは、台札に便乗して打つことをいう。
- 化札(ばけふだ)
- 他の札の代用となる札のことで鬼札(おにふだ)ともいう。本項ではポカについての化札について説明する。
- 本競技では「松のタン」「松に鶴」「梅に鴬」の3枚が化札となる。ただし、同じ松や梅でもこれ以外の化札にはならない。
- 使用例は、台札が藤(4月)の場合、「松に鶴(1月)」を菖蒲(5月)の代わりに出すことができる。また、「梅に鴬(2月)」を牡丹(6月)の代わりとして出すことができる。さらに、2枚ともある場合は2枚とも出せる。といった具合である。
- 役と役代
- 以下の表が、ポカにおける役である。「総出し」以外はすべて手役。また、手役のみで碁石を5個獲得すれば、その時点で一回戦終了となる。
名称 | 役の内容 | 役代 |
---|---|---|
総出し | 最初の一手で全手札を出しきること (競技開始前に公表しなければならない) |
碁石2個 |
三双(みつくっつき) | 同月札が2枚ずつ、3組手札にあるとき | |
ピン三枚 | 松が手札に3枚あるとき | |
化三枚(ばけさんまい) | 3枚の化札がそっくり手札にあるとき | |
ブッタクリ | 同月札が4枚とも手札にあるとき (ただし、二人ともブッタクリだった場合は引き分けとなる) |
碁石5個 |
参考文献
[編集]- 渡部小童 著 - 『花札を初めてやる人の本』(土屋書店) 改訂版(2004):ISBN 4806907189 (オリジナル)(1987):ISBN 480690418X
PCゲーム
[編集]- 『花札てんこもり』
- UNBARANCEから発売されたPC用ディスク。当作品に「ポカ」が収録されている。Windows 98/Me/XP/Vista/7に対応。