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瀬戸電気鉄道デキ1形電気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
瀬戸電気鉄道デキ1
名古屋鉄道デキ201・202

瀬戸電気鉄道デキ1形電気機関車(せとでんきてつどうデキ1がたでんききかんしゃ)は、瀬戸電気鉄道(瀬戸電)が新製した直流電気機関車。瀬戸電の名古屋鉄道(名鉄)合併後はデキ200形と改称・改番された。

概要

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1927年(昭和2年)3月にデキ1・2の2両が新製された。600V専用で凸字形、軸配置:B+B・出力:304kW(75kW×4・400PS)、車体長:10.2m・自重:30.5tであった。日本車輌製造製であるが、主電動機は三菱電機製、電装品の一部はウェスティングハウス製である。

1939年(昭和14年)に瀬戸電気鉄道は名古屋鉄道(名鉄)に吸収合併されて名鉄瀬戸線となり、本形式もデキ200形201, 202と改称・改番された。その後、集電装置をポールからパンタグラフに変更、前照灯の位置を変更するなどの改良が加えられたが、瀬戸線から移動することはなかった。

就役当初から尾張瀬戸駅 - 堀川駅(名古屋市)間での貨物輸送に従事し、瀬戸市の産品『せともの』(陶器類)を堀川の舟運へ引き渡し、帰りは窯で使用する薪などを積荷として運送した。後に貨物輸送は大曽根駅で貨車の授受を行うよう変更され、これは1500V昇圧直前まで続けられた。

1978年(昭和53年)1月末で瀬戸線の貨物輸送が廃止され、同年2月以降は瀬戸線1500V昇圧後の車両(3780系6600系など)の運搬に使用された。運搬は大曽根駅からの国鉄中央本線への貨物引込み線を利用し、引渡しは国鉄線(甲種輸送)を牽引してきたディーゼル機関車(DE10形)+(1500V車両4両)+デキ200(1両)という組成で行い、名鉄へ引渡し後はデキ200+(1500V車両4両)+デキ200という組成で車両留置場所(尾張瀬戸駅構内・喜多山分工場など)まで回送した。

その後、1978年(昭和53年)3月の瀬戸線の架線電圧1500V昇圧に伴い廃車された。201はアメリカに寄贈される計画もあったが諸般の事情で中止され、南知多ビーチランド内に静態保存されていたが、後に解体された。202は瀬戸市に寄贈され、瀬戸市民公園で静態保存されてきたが、老朽化による維持困難を理由として2022年1月に解体することを発表した[1]。同年2月には、隣接して保存され同じく解体が決定した名鉄モ760形電車(766号)とともに、「おわかれ出発式」を開いて車内を公開した[1]

瀬戸市民公園にて保存されていたデキ202 瀬戸市民公園にて保存されていたデキ202
瀬戸市民公園にて保存されていたデキ202

主要諸元

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  • 全長:10,180mm
  • 全幅:2,530mm
  • 全高:4,015mm
  • 運転整備重量:30.5t
  • 電気方式:直流600V(架空電車線方式)
  • 軸配置:B+B
  • 台車形式:棒台枠
  • 主電動機:MB-146A(75.5kW)×4基
    • 歯車比:1:4.19
    • 1時間定格出力:300kW
    • 1時間定格引張力:3,402kg
    • 1時間定格速度:26.5km/h
  • 動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
  • 制御方式:抵抗制御、2段組み合わせ制御
  • 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
  • ブレーキ方式:AMF空気ブレーキ、手ブレーキ

脚注

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  1. ^ a b おわかれ出発式~展示車両に触れよう~ - 瀬戸市(2022年2月22日)2023年7月29日閲覧。