「1990年の映画」の版間の差分
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2021年8月17日 (火) 23:13時点における版
1990年 こちらもご覧下さい |
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1990年の映画(1990ねんのえいが)では、1990年(平成2年)の映画分野の動向についてまとめる。
出来事
世界
- 4月21日 - ソビエト映画専門館としてキネカ錦糸町がリニューアルオープン。
- 5月10日~21日 - 第43回カンヌ国際映画祭にて小栗康平の『死の棘』が審査員特別グランプリを受賞。
- 11月 - 松下電器がアメリカの映画・エンタテイメント大手企業MCAを61億ドル(約7800 億円)で買収。
日本
- 2月14日~18日 - ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭の第一回が開催。
- 10月2日 - 9月21日に胃癌の為亡くなった女優の初井言榮さんの劇団青年座による劇団葬が座長・森塚敏のもと、青年座劇場で執り行われた。
- 10月5日 10月2日に肺癌の為亡くなったナレーターの芥川隆行さんの告別式が護国寺桂昌殿で執り行われた[1]
周年
- 創業95周年
日本の映画興行
配給会社 | 配給本数 | 年間配給収入 | 前年対比 | 概要 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
新作 | 再映 | 洋画 | ||||
松竹 | 22 | 50億6847万円 | 78.3% | 『男はつらいよ ぼくの伯父さん』/『釣りバカ日誌2』(14.1億円)は期待通り。松竹富士との共同配給の『クライシス2050』(14億円)の結果には安堵したものの、『リメインズ 美しき勇者たち』(3.4億円)、『のぞみウィッチィズ』/『押忍!!空手部』(2.6億円)、『東京上空いらっしゃいませ』などが低調。『3-4X10月』(2.3億円)、『つぐみ』、『バカヤロー!3 へんな奴ら』、『鉄拳』は不本意な成績。『死の棘』(1.5億円)、勝新太郎の麻薬所持事件のために上映延期となっていた『浪人街』もヒットせず。 | ||
21 | 0 | 1 | ||||
東宝 | 18 | 106億5715万円 | 100.8% | 6年連続の年間配給収入100億円突破。フジテレビ製作の『タスマニア物語』(25.2億円)が邦画配給収入2位になったのをはじめ、『ドラえもん のび太とアニマル惑星』ほか(19.1億円)、『稲村ジェーン』(18.3億円)、『ゴジラvsビオランテ』(10.4億円)、『あげまん』(10億円)などが偉業に貢献。『ZIPANG』、『香港パラダイス』、『どっちもどっち』は期待を裏切る。『Mr.レディー・夜明けのシンデレラ』、『遥かなる甲子園』(3.5億円)、『流転の海』は結果を出せなかった。 | ||
18 | 0 | 0 | ||||
東映 | 19 | 109億9106万円 | 110.1% | 1986年以来4年ぶりに年間配給収入を100億円の大台に乗せた。邦画配給収入トップとなった角川映画『天と地と』(50.5億円)が東映の年間配給収入の半分を占めた。『オーロラの下で』(11億円)も大量の前売動員に支持された結果。『ドラゴンボールZ』シリーズを中心に据えた『春のアニメまつり』(9.5億円)、『夏のアニメまつり』(8億円)は安定したハイアベレージの稼動。フジテレビ製作の『病院へ行こう』(7億円)は好調。『極道の妻たち 最後の戦い』(5億円)、『激動の1750日』は堅調。正月映画の『公園通りの猫たち』は低調、『ウォータームーン』(4.5億円)は前作『オルゴール』の半分以下。 | ||
19 | 0 | 0 |
各国ランキング
日本配給収入ランキング
順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|
1 | 天と地と | 東映 | 50.5億円 |
2 | タスマニア物語 | 東宝 | 25.2億円 |
3 | ドラえもん のび太とアニマル惑星 チンプイ エリさま活動大写真 |
東宝 | 19.1億円 |
4 | 稲村ジェーン | 東宝 | 18.3億円 |
5 | 男はつらいよ ぼくの伯父さん 釣りバカ日誌2 |
松竹 | 14.1億円 |
6 | クライシス2050 | 松竹 松竹富士 |
14.0億円 |
7 | オーロラの下で | 東映 | 11.0億円 |
8 | ゴジラVSビオランテ | 東宝 | 10.4億円 |
9 | あげまん | 東宝 | 10.0億円 |
10 | ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ 悪魔くん ようこそ悪魔ランドへ!! 魔法使いサリー |
東映 | 9.5億円 |
- #10の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、494頁。ISBN 978-4873767550。
- 上記以外の出典:1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 | UIP | 55.3億円 | ||
2 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 | UIP | 47.5億円 | [注 1] | |
3 | ダイ・ハード2 | 20世紀FOX | 32.0億円 | [注 2] | |
4 | ゴースト/ニューヨークの幻 | UIP | 23.0億円 | [注 3] | |
5 | バットマン | ワーナー・ブラザース | 19.1億円 | [注 4] | |
6 | ゴーストバスターズ2 | コロムビア映画 | 17.5億円 | ||
7 | 7月4日に生まれて | UIP | 14.8億円 | ||
8 | デイズ・オブ・サンダー | UIP | 14.1億円 | ||
9 | グレムリン2 新・種・誕・生 | ワーナー・ブラザース | 13.5億円 | [注 5] | |
10 | フィールド・オブ・ドリームス | 東宝東和 | 11.5億円 | [注 6] |
- #4の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、504頁。ISBN 978-4873767550。
- 出典:1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
全世界興行収入ランキング
順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1 | ゴースト/ニューヨークの幻 | パラマウント映画 | $505,702,588 |
2 | ホーム・アローン | 20世紀フォックス | $476,684,675 |
3 | プリティ・ウーマン | ブエナ・ビスタ | $463,406,268 |
4 | ダンス・ウィズ・ウルブズ | オライオン・ピクチャーズ | $424,208,848 |
5 | トータル・リコール | コロンビア ピクチャーズ | $261,317,921 |
6 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 | ユニバーサル・スタジオ | $244,527,583 |
7 | ダイ・ハード2 | 20世紀フォックス | $240,031,094 |
8 | 推定無罪 | ワーナー・ブラザース | $221,303,188 |
9 | ミュータント・タートルズ | ニュー・ライン・シネマ | $201,965,915 |
10 | キンダガートン・コップ | ユニバーサル・スタジオ | $201,957,688 |
- 出典:“1990 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月13日閲覧。
北米興行収入ランキング
順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1. | ホーム・アローン | 20世紀FOX | $285,761,243 |
2. | ゴースト/ニューヨークの幻 | パラマウント | $217,631,306 |
3. | ダンス・ウィズ・ウルブズ | オライオン | $184,208,848 |
4. | プリティ・ウーマン | タッチストーン | $178,406,268 |
5. | ミュータント・タートルズ | ニューラインシネマ | $135,265,915 |
6. | レッド・オクトーバーを追え! | パラマウント | $122,012,643 |
7. | トータル・リコール | トライスター | $119,394,840 |
8. | ダイ・ハード2 | 20世紀FOX | $117,540,947 |
9. | ディック・トレイシー | タッチストーン | $103,738,726 |
10. | キンダガートン・コップ | ユニバーサル | $91,457,688 |
- 出典: “1990 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月24日閲覧。
フランス観客動員数ランキング
- いまを生きる
- La Gloire de mon père
- シラノ・ド・ベルジュラック
- Le Château de ma mère
- ミクロキッズ
- プリティ・ウーマン
- ベイビー・トーク
- ニキータ
- リトル・マーメイド
- ゴースト/ニューヨークの幻
- 出典:“FRANCE 1990 - BOX OFFICE STORY”. boxofficestory. 2016年1月24日閲覧。
日本公開映画
1990年の日本公開映画を参照。
受賞
- 第63回アカデミー賞
- 作品賞 - 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
- 監督賞 - ケビン・コスナー(『ダンス・ウィズ・ウルブズ』)
- 主演男優賞 - ジェレミー・アイアンズ(『運命の逆転』)
- 主演女優賞 - キャシー・ベイツ(『ミザリー』)
- 第48回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - キャシー・ベイツ(『ミザリー』)
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - ジェレミー・アイアンズ(『運命の逆転』)
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『グリーン・カード』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジュリア・ロバーツ(『プリティ・ウーマン』)
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジェラール・ドパルデュー(『グリーン・カード』)
- 監督賞 - ケビン・コスナー(『ダンス・ウィズ・ウルブズ』)
- 第43回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール - 『ワイルド・アット・ハート』(デヴィッド・リンチ)
- 監督賞 - パーヴェル・ルンギン(『タクシー・ブルース』)
- 男優賞 - ジェラール・ドパルデュー(『シラノ・ド・ベルジュラック』)
- 女優賞 - クリスティナ・ヤンダ(『尋問』)
- 第47回ヴェネツィア国際映画祭
- 第40回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞 - 『ミュージックボックス』 (コスタ=ガヴラス)、『つながれたヒバリ』 (イジー・メンツェル)
- 第45回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『少年時代』
誕生
- 2月4日 - 戸松遥、日本の声優
- 2月13日 - 加藤諒、日本の俳優
- 2月16日 - 入来茉里、日本の女優
- 3月14日 - 黒木華、日本の女優
- 3月26日 - 柳楽優弥、日本の俳優
- 4月2日 - 石田法嗣、日本の俳優
- 4月5日 - 三浦春馬、日本の俳優(+2020年)
- 4月15日 - エマ・ワトソン、イギリスの女優
- 5月7日 - 戸谷公人、日本の俳優
- 5月22日 - 佐々木心音、日本の女優
- 5月24日 - 松下優也、日本の俳優
- 6月15日 - 南沢奈央、日本の女優
- 6月18日 - 谷村美月、日本の女優
- 6月29日 - 木村昴、日本の声優
- 7月9日 - 池松壮亮、日本の俳優
- 7月21日 - 岩田さゆり、日本の女優
- 8月3日 - 白石隼也、日本の俳優
- 8月13日 - 宮澤佐江、日本の女優
- 9月18日 - 山田裕貴、日本の俳優
- 9月19日 - 福田沙紀、日本の女優
- 9月23日 - 寺島咲、日本の女優
- 10月15日 - 水原希子、日本の女優
- 11月15日 - 本郷奏多、日本の俳優
- 12月6日 - 林遣都、日本の俳優
死去
日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 6日 | イアン・チャールソン | 40 | 俳優 | |
8日 | テリー・トーマス | 78 | 俳優 | ||
15日 | ゴードン・ジャクソン | 66 | 俳優 | ||
20日 | バーバラ・スタンウィック | 82 | 女優 | ||
24日 | マッジ・ベラミー | 90 | 女優 | ||
25日 | エヴァ・ガードナー | 67 | 女優 | ||
3月 | 5日 | ゲイリー・メリル | 74 | 俳優 | |
17日 | キャプシーヌ | 59 | モデル・女優 | ||
23日 | 藤田進 | 78 | 俳優 | ||
4月 | 15日 | グレタ・ガルボ | 84 | 女優 | |
23日 | ポーレット・ゴダード | 79 | 女優 | ||
5月 | 10日 | 岸輝子 | 85 | 女優 | |
16日 | サミー・デイヴィスJr. | 64 | 歌手・俳優 | ||
ジム・ヘンソン | 53 | 操り人形師 | |||
18日 | ジル・アイアランド | 54 | 女優 | ||
27日 | 高峰三枝子 | 71 | 女優 | ||
28日 | 中村竹弥 | 71 | 俳優 | ||
6月 | 2日 | レックス・ハリソン | 82 | 俳優 | |
13日 | 木暮実千代 | 72 | 女優 | ||
7月 | 15日 | マーガレット・ロックウッド | 73 | 女優 | |
19日 | 石田達郎 | 72 | フジサンケイグループ最高顧問 | ||
9月 | 4日 | アイリーン・ダン | 91 | 女優 | |
6日 | 中野英治 | 85 | 俳優 | ||
19日 | ハーミズ・パン | 89 | 振付師 | ||
21日 | 初井言榮 | 61 | 女優 | ||
10月 | 2日 | 芥川隆行 | 71 | ナレーター・元TBSアナウンサー | |
15日 | デルフィーヌ・セイリグ | 58 | 女優 | ||
20日 | ジョエル・マクリー | 84 | 俳優 | ||
11月 | 12日 | イヴ・アーデン | 82 | 女優 | |
15日 | 富田仲次郎 | 79 | 俳優 | ||
12月 | 2日 | ロバート・カミングス | 82 | 俳優 | |
7日 | ジョーン・ベネット | 80 | 女優 | ||
8日 | マーティン・リット | 76 | 映画監督 |
脚注
注釈
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は47.4億円となっている[7]。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は32.5億円となっている[7]。
- ^ 日本映画製作者連盟の発表では、1990年分の配給収入は28.0億円となっている[8]。一方、『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』によれば、1990年分の配給収入が23.0億円、1991年分が14.5億円、累計の配給収入は37.5億円となっている[9]。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は19億0800万円となっている[7]。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は13.4億円となっている[7]。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は11.0億円となっている[7]。
出典
- ^ “名調子ナレーション・芥川隆行さん死去”. 読売新聞夕刊: p. 23. (1990年10月2日)
- ^ 斉藤 2009, p. 116.
- ^ “第42作 男はつらいよ ぼくの伯父さん”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月29日閲覧。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ a b c d e 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、494頁。ISBN 978-4873767550。
- ^ 1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、504頁。ISBN 978-4873767550。
参考文献
- 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。