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第10師団 (陸上自衛隊)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第10師団
創設 1962年(昭和37年)1月18日
所属政体 日本の旗 日本
所属組織 陸上自衛隊
部隊編制単位 師団
兵種/任務 地域配備師団
所在地 愛知県 名古屋市
編成地 守山
愛称 金鯱(きんこ)師団
上級単位 中部方面隊
担当地域 東海北陸
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第10師団創立51周年記念行事における観閲行進(2013年9月29日 守山駐屯地)
第10師団所属の74式戦車。2011年10月、守山駐屯地。
災害派遣活動中の師団員達。東日本大震災の時の宮城県亘理町で

第10師団(だいじゅうしだん、JGSDF 10th Division)は、陸上自衛隊師団のひとつ。中部方面隊直轄にあり、司令部愛知県名古屋市守山駐屯地に置く。

概要

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3個普通科連隊を基幹とし、地域配備師団に分類される。第10警備地区(愛知岐阜三重福井石川富山)の防衛警備、災害派遣を任務とするほか、民生協力および国際貢献活動を行っている。師団司令部及び指揮下の13個部隊は、愛知県(守山駐屯地、豊川駐屯地、春日井駐屯地)、三重県(久居駐屯地、明野駐屯地)、石川県(金沢駐屯地)の3県6個駐屯地に配置されている。岐阜県、福井県及び富山県には第10師団隷下部隊の配置は無く中部方面隊直轄部隊が配置されている。

沿革

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第10混成団

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※ 編成(団本部、本部付中隊、第14普通科連隊第10特科連隊第10施設大隊、第10偵察中隊、第10通信中隊、第10武器中隊、第10補給中隊、第10衛生中隊等)
  • 1959年(昭和34年)
    • 6月3日:第10混成団が大久保駐屯地から守山駐屯地へ移駐。
    • 6月26日:第10混成団本部及び守山駐屯地開庁式[1]
    • 9月26日:伊勢湾台風による災害派遣(延べ約63万人、総理大臣表彰受賞)~12月10日まで[1]
  • 1960年(昭和35年)
    • 1月14日:方面管区制施行により中部方面隊が創隊し、中部方面総監に隷属。
    • 3月14日:第10特科連隊、第10施設大隊が大久保駐屯地から豊川駐屯地に移駐。
1960年頃の主要編成
第14普通科連隊、第10特科連隊

第10師団

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  • 1962年(昭和37年)1月18日:第10師団編成完結。
  1. 第10混成団は第10師団(乙師団)に称号変更、改編。
  2. 第10偵察中隊は第10偵察隊に、第10通信隊は第10通信大隊に、第10衛生中隊は第10衛生隊にそれぞれ称号変更。
  3. 第33普通科連隊及び第35普通科連隊第10戦車大隊、第10対戦車隊、第10輸送隊を新編。
※ 編成(師団司令部、同付隊、第14・第33・第35普通科連隊、第10特科連隊、第10戦車大隊、第10通信大隊、第10対戦車隊、第10偵察隊等)
1965年頃の主要編成
第14・第33・第35普通科連隊、第10特科連隊、第10戦車大隊
  • 1967年(昭和42年)3月10日:第10施設大隊が豊川駐屯地から新設の春日井駐屯地に移駐。
  • 1975年(昭和50年)8月1日:第10音楽隊を新編。
  • 1976年(昭和51年)9月12日: 台風17号の集中豪雨により長良川が決壊(9.12水害)。岐阜県の要請を受けて救助活動を実施[3]
  • 1981年(昭和56年)1月:五六豪雪災害派遣(司令部以下師団主力が北陸へ)。
1990年頃の主要編成
第14・第33・第35普通科連隊、第10特科連隊、第10戦車大隊
  • 1991年(平成03年)3月29日:師団近代化改編。
  1. 第14・第33・第35普通科連隊を自動車化連隊に改編。
  2. 第10武器隊、第10補給隊、第10輸送隊、第10衛生隊を統合し、第10後方支援連隊を守山駐屯地に新編。
  3. 第10特科連隊第6大隊を第10高射特科大隊として分離独立、師団直轄とする。
  4. 第10偵察隊に電子偵察小隊を新編。
  5. 第10師団司令部付隊に化学防護小隊を新編。
  1. 第49普通科連隊即応予備自衛官を主体としたコア部隊)を新編。
  2. 第10対戦車隊(春日井駐屯地)を廃止し、各普通科連隊隷下に対戦車中隊を新編。
  3. 各普通科連隊に軽装甲機動車高機動車を配備。重迫撃砲中隊に120mm迫撃砲を配備。
  4. 第10戦車大隊(機甲科部隊)に第3戦車中隊、第4戦車中隊を新編。
  5. 第10高射特科大隊(高射特科部隊)に93式近距離地対空誘導弾(近SAM)を配備。
  6. 第10飛行隊(航空科部隊)に中型ヘリ(UH-1J)を配備。
  7. 第10後方支援連隊本部、本部付隊、衛生隊(衛生科部隊)及び補給隊(需品科部隊)が守山駐屯地から春日井駐屯地へ移駐(26日)。
  8. 第10後方支援連隊の武器大隊(武器科部隊)を廃止し、第1整備大隊、第2整備大隊に再編。一部が春日井駐屯地から守山駐屯地へ移駐。
  9. 司令部付隊化学防護小隊が第10化学防護隊(化学科部隊)として新編。
  1. 第10化学防護隊を第10特殊武器防護隊へ改編。生物偵察車を導入[4]
  2. 第10戦車大隊の第3戦車中隊および第4戦車中隊を廃止[5]
  • 2014年(平成26年)3月26日:即応近代化改編[6]
  1. 第49普通科連隊を師団隷下から中部方面混成団隷下に異動。
  2. 第14・33・35普通科連隊の対戦車中隊を廃止。
  3. 第10特科連隊第4特科大隊、第5特科大隊を廃止。5個大隊編成から3個大隊編成に縮小編成。
  4. 第10通信大隊を改編。
  • 2017年(平成29年)3月26日:部隊改編。
  1. 野外通信システムの導入に伴い、第10通信大隊が改編。
  2. 第10通信大隊の改編に伴い、第10後方支援連隊が整備支援機能を改編。
2020年頃の主要編成
第14・第33・第35普通科連隊、第10特科連隊、第10高射特科大隊、第10戦車大隊
  • 2024年(令和6年)3月21日:地域配備師団への部隊改編。
  1. 第10偵察隊(春日井駐屯地)と第10戦車大隊(今津駐屯地)を廃止・統合し、第10偵察戦闘大隊を豊川駐屯地に新編。
  2. 第10特科連隊(豊川駐屯地)を廃止し、中部方面特科連隊第2特科大隊に改編。
2024年頃の主要編成
第14・第33・第35普通科連隊、第10高射特科大隊、第10偵察戦闘大隊

編成・駐屯地

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司令部

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主要幹部

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官職名 階級 氏名 補職発令日 前職
第10師団長 陸将 垂水達雄 2024年12月20日 陸上幕僚監部運用支援・訓練部長
副師団長
兼 守山駐屯地司令
陸将補 黒羽明 2024年12月20日 第2施設団
船岡駐屯地司令
幕僚長 1等陸佐 木原邦洋 2024年03月28日 陸上幕僚監部人事教育部厚生課長
火力調整部長 1等陸佐 西田誠 2024年03月21日 第13特科隊
日本原駐屯地司令
歴代の第10師団長(前身を含む)
氏名 在職期間 出身校・期 前職 後職
第10混成団長(特記ない限り陸将補)
01 長谷部清 1958年06月10日 - 1959年07月31日 陸士40期・
陸大47期
防衛研修所副所長
→1958年5月2日 第3管区総監部
第3管区総監
02 熊谷卓次 1959年08月01日 - 1961年07月31日 東京帝国大学
昭和8年卒
陸上幕僚監部監理部長 西部方面総監部幕僚長
兼 健軍駐とん地司令
03 野尻徳雄
(陸将)
1961年08月01日 - 1962年01月17日 陸士41期・
砲工38期
陸上幕僚監部第4部長 第10師団長
第10師団長(陸将・指定職1号)
01 野尻徳雄 1962年01月18日 - 1963年03月15日 陸士41期・
砲工38期
第10混成団長 第1師団
02 太田庄次 1963年03月16日 - 1965年07月15日 陸士42期・
陸大54期
第7師団 東北方面総監
03 平野斗作 1965年07月16日 - 1967年06月30日 陸士46期・
陸大54期
東部方面総監部幕僚長 退職
04 長谷川茂 1967年07月01日 - 1971年03月15日 陸士47期・
陸大57期
北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐とん地司令
陸上幕僚監部付
→1971年7月1日 退職
05 川名聰雄 1971年03月16日 - 1973年03月15日 陸士50期・
陸大59期
自衛隊大阪地方連絡部 陸上幕僚監部付
→1973年4月1日 退職
06 村木杉太郎 1973年03月16日 - 1975年03月16日 東京商科大学
昭和17年卒・
短現9期
陸上幕僚監部監理部長 統合幕僚会議事務局長
統合幕僚学校
07 大西啓 1975年03月17日 - 1977年06月30日 陸士55期 北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐とん地司令
退職
08 河津幸三郎 1977年07月01日 - 1979年06月30日 陸航士58期 陸上幕僚監部第4部長 陸上自衛隊富士学校
兼 富士駐とん地司令
09 渡部敬太郎 1979年07月01日 - 1981年06月30日 陸士60期 陸上幕僚監部人事部長 北部方面総監
10 沖田裕 1981年07月01日 - 1983年06月30日 陸航士60期 東部方面総監部幕僚長
兼 市ヶ谷駐とん地司令
退職
11 若月勲 1983年07月01日 - 1985年06月30日 名幼47期・
中央大学
昭和28年卒
北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐屯地司令
東北方面総監
12 清水幸雄 1985年07月01日 - 1987年06月30日 神戸外語大
昭和30年卒
陸上幕僚監部人事部長 陸上自衛隊幹部学校
13 中俣壯一 1987年07月01日 - 1988年07月06日 九州大学
昭和30年卒
防衛大学校幹事 陸上自衛隊幹部学校長
14 澤井福重 1988年07月07日 - 1990年03月15日 徳島大学
昭和30年卒
東部方面総監部幕僚長
兼 市ケ谷駐屯地司令
退職
15 里中哲朗 1990年03月16日 - 1992年06月15日 立命館大学
昭和34年卒
北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐屯地司令
陸上自衛隊幹部学校長
16 長谷川重孝 1992年06月16日 - 1994年03月22日 防大6期 北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐屯地司令
陸上自衛隊富士学校長
兼 富士駐屯地司令
17 佐々木英嗣 1994年03月23日 - 1996年03月24日 防大7期 西部方面総監部幕僚長
兼 健軍駐屯地司令
統合幕僚学校長
18 國見昌宏 1996年03月25日 - 1997年01月19日 防大9期 東部方面総監部幕僚長
兼 朝霞駐屯地司令
情報本部
19 池田修 1997年01月20日 - 1999年07月08日 防大9期 中部方面総監部幕僚長
兼 伊丹駐屯地司令
退職
20 川井武彦 1999年07月09日 - 2001年12月02日 防大11期 東北方面総監部幕僚長
兼 仙台駐屯地司令
退職
21 寺尾憲治 2001年12月03日 - 2003年03月26日 防大14期 東部方面総監部幕僚長
兼 朝霞駐屯地司令
陸上自衛隊研究本部
22 井上廣司 2003年03月27日 - 2004年08月29日 防大16期 北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐屯地司令
防衛大学校幹事
23 廣瀬清一 2004年08月30日 - 2005年07月27日 防大17期 陸上幕僚監部人事部長 陸上自衛隊幹部学校長
兼 目黒駐屯地司令
24 火箱芳文 2005年07月28日 - 2007年03月27日 防大18期 北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐屯地司令
防衛大学校幹事
25 中村幹生 2007年03月28日 - 2008年07月31日 防大17期 情報保全隊長 退職
26 千葉徳次郎 2008年08月01日 - 2009年07月20日 防大21期 東部方面総監部幕僚長
兼 朝霞駐屯地司令
防衛大学校幹事
27 河村仁[8] 2009年07月21日 - 2011年04月26日 防大22期 防衛研究所副所長 陸上自衛隊幹部学校長
兼 目黒駐屯地司令
28 宮嵜泰樹 2011年04月27日 - 2012年07月25日 防大22期 陸上幕僚監部監察官 退職
→2012年8月 東京都庁危機管理監
29 松村五郎 2012年07月26日 - 2013年08月21日 東京大学
昭和56年卒[9]
陸上幕僚監部人事部長 統合幕僚副長
30 保松秀次郎 2013年08月22日 - 2015年03月29日 防大24期 西部方面総監部幕僚長
兼 健軍駐屯地司令
退職
31 山本頼人 2015年03月30日 - 2017年07月31日 防大27期 防衛研究所副所長 退職
32 甲斐芳樹 2017年08月01日 - 2019年03月31日 防大28期 第11旅団 退職
33 鈴木直栄 2019年04月01日 - 2021年03月25日  防大30期 防衛研究所副所長 退職
34 中野義久 2021年03月26日 - 2022年12月22日 防大31期 中部方面総監部幕僚長
兼 伊丹駐屯地司令
退職
35 酒井秀典 2022年12月23日 - 2024年12月19日 防大33期 中部方面総監部幕僚長
兼 伊丹駐屯地司令
退職
36 垂水達雄 2024年12月20日 - 防大35期 陸上幕僚監部運用支援・訓練部長

警備地区

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廃止部隊

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  • 第10武器隊:1991年(平成3年)3月28日廃止。
  • 第10補給隊:1991年(平成3年)3月28日廃止。
  • 第10輸送隊:1991年(平成3年)3月28日廃止。
  • 第10衛生隊:1991年(平成3年)3月28日廃止。
  • 第10対戦車隊:2004年(平成16年)3月28日廃止。各普通科連隊隷下に対戦車中隊を新編。
  • 第10師団司令部付隊化学防護小隊:2004年(平成16年)3月28日廃止。第10化学防護隊へ改編。
  • 第10化学防護隊:2013年(平成25年)3月25日廃止。第10特殊武器防護隊へ改編。
  • 第10特科連隊:2024年(令和6年)3月20日廃止。中部方面特科連隊第2特科大隊へ改編。
  • 第10戦車大隊:2024年(令和6年)3月20日廃止。第10偵察戦闘大隊へ改編。
  • 第10偵察隊:2024年(令和6年)3月20日廃止。第10偵察戦闘大隊へ改編。

出典

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  1. ^ a b c 朝雲新聞社編集局 監修・陸上幕僚監部『陸上自衛隊20年年表』朝雲新聞社、1971年。 
  2. ^ 自衛隊法施行令の一部を改正する政令(昭和33年政令第166号『官報』本紙第9431号(昭和33年6月3日)
  3. ^ 台風17号豪雨禍 ふくれる濁流、堤防無力『朝日新聞』1976年(昭和51年)9月13日朝刊、13版、23面
  4. ^ 第10師団の沿革・活動”. www.mod.go.jp. 2020年3月24日閲覧。
  5. ^ 陸上自衛隊 第10戦車大隊 大隊の歴史
  6. ^ 我が国の防衛と予算-平成25年度予算の概要-”. 防衛省 (2013年5月16日). 2020年2月24日閲覧。
  7. ^ 陸上自衛隊第10師団との「大規模災害に際しての相互協力に関する協定」の締結について東邦ガス(2018年3月7日)2018年4月21日閲覧
  8. ^ 航空工学修士スタンフォード大学
  9. ^ 62期幹候(防大25期相当)
  10. ^ 久居駐屯地記念行事2024 No.2 観閲行進 - YouTube
  11. ^ a b 任務・編成”. 陸上自衛隊第35普通科連隊. 2021年2月21日閲覧。

外部リンク

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