コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

トヨタ・カローラFX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カローラFXから転送)
トヨタ・カローラ > トヨタ・カローラFX
トヨタ・カローラFX
2代目 カローラFX
概要
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1984年-1995年
ボディ
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
系譜
後継 トヨタ・カローラランクス
テンプレートを表示

カローラFX(カローラ エフエックス、COROLLA FX)は、トヨタ自動車1984年から1995年にかけて製造・販売していたハッチバック型の乗用車である。

カローラの派生車種という位置づけであるが、元はカローラのヨーロッパオセアニア輸出向けのメインモデルであった。1983年にモデルチェンジしたホンダ・シビックおよび兄弟車のバラードスポーツCR-Xの販売が好調だったことを受け、その対抗馬として日本市場に投入されたものである[1]

初代 E8#H型(1984年 - 1987年)

[編集]
トヨタ・カローラFX(初代)
E8#H型
3ドア FX-GT
5ドア
概要
販売期間 1984年10月 - 1987年4月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3ドアハッチバック/5ドアハッチバック
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 2E-LU(直列4気筒 1,300cc SOHC キャブレター)
3A-LU(直列4気筒 1,500cc SOHC)
4A-ELU(直列4気筒 1,600cc SOHC)
4A-GELU(直列4気筒 1,600cc DOHC)
1C-L(直列4気筒 1,800ccディーゼル SOHC)
変速機 4速マニュアル
5速マニュアル
3速オートマチック
4速オートマチック
ストラット
ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,430mm
全長 3,970mm
全幅 1,655mm
全高 1,380mm
車両重量 940kg(GT)
テンプレートを表示
該当型式:AE80H/AE81H/AE82H/CE80H/EE80H

1984年10月3日、カローラの追加車種としてデビュー。キャッチコピーは「2BOX上級生」。カローラシリーズ全体では通算5代目で、ヨーロッパやオセアニアなどハッチバック需要が高い市場では、このモデルが5代目カローラのメインモデルとして販売されていた。

ボディタイプは3ドアもしくは5ドアのハッチバックで、cd値は0.34(3ドア「GT」での場合)。プラットフォームおよびストラットサスペンションはカローラセダン、およびカローラ5ドアリフトバックと共通である。リアシートはリクライニングが可能で、さらに折りたたむことで荷室容量を広げることもできる。

当初は1.6L DOHCEFI4A-GELU型エンジン(GT)、1.5LSOHC3A-LU型、1.6L SOHC・EFI4A-ELU型が搭載された。1985年5月のカローラ各シリーズのマイナーチェンジに伴い1C-L型(1.8L ディーゼル)と2E-LU(1.3L SOHC12バルブ・ガソリン)が追加された。

トップグレードの「GT」は、2ボックス型のハッチバック乗用車としては日本車初のDOHCエンジンを搭載したモデルである。外装にはリアスポイラーが装備され、サスペンションの減衰が強化され、パフォーマンスロッドを追加し剛性を向上させていた。内装も本革のチルト式ステアリングやスポーツバケットシートなどを備え、オプションでデジタルメーターも用意されていた。また、オートマチックにはECT-Sが設定された。

「GT」は、1980年代中後期の全日本ツーリングカー選手権カローラレビンスプリンタートレノと共に参戦し、ライバルであるホンダ・シビックと激闘を繰り広げた。1986年には、仙台ハイランドレースウェイで行われたレースで、トムスから参戦した関谷正徳/鈴木利男組のFX-GTが総合優勝を果たしている。

販売は欧州市場では好調であったが、日本では苦戦した。

2代目 E9#H型(1987年 - 1992年)

[編集]
トヨタ・カローラFX(2代目)
E9#H型
後期型 FX-ZS
後期型 FX-ZS
概要
販売期間 1987年5月 - 1992年5月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3ドアハッチバック/5ドアハッチバック
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 2E(直列4気筒 1,300cc SOHC キャブレター)
5A-F(直列4気筒 1,500cc DOHC キャブレター)
5A-FE(直列4気筒 1,500cc DOHC EFI)
4A-GE(直列4気筒 1,600cc DOHC EFI)
5A-FHE(直列4気筒 1,500cc DOHC EFI・S)
変速機 4速マニュアル
5速マニュアル
3速オートマチック
4速オートマチック
4速オートマチック(ECT-S)
車両寸法
ホイールベース 2,430mm
全長 3,995mm
全幅 1,655mm
全高 1,365mm
その他
モデルグレード 前期型 3ドア FX-Zi
販売終了前月までの新車登録台数の累計 112万3417台(カローラシリーズと合算)[2]
テンプレートを表示

※日本・欧州仕様:1987年-1992年、南アフリカ仕様:1987年-2007年

該当型式:EE90/AE91/AE92

1987年5月、6代目カローラ/スプリンターの発表と同時にフルモデルチェンジ。カローラシリーズ全体では通算6代目。なお、カローラレビンがFXと同様に前輪駆動化されたため、FXの全日本ツーリングカー選手権への参戦はなくなった。

搭載されるエンジンは、1.3Lの2E型(73PS/6,000rpm)、新開発1.5Lハイメカツインカム・EFIの5A-FE型(94PS/6,000rpm)、1.5Lハイメカツインカム・キャブレター仕様の5A-F型(85PS/6,000rpm)、1.6Lスポーツツインカムの4A-GE型(120PS/6,600rpm・ネット値)が搭載された。5A系エンジンの登場により1.3Lの2E-LU以外全車DOHC16バルブとなった。グレードは上位から3ドアが1600GT/1500Zi/1500G/1500・1300L/1300D、5ドアは1500Zi/1500G/1500・1300L。

1989年5月にマイナーチェンジ。内外装のデザインおよびグレード名称が変更され、GTの4A-GE型エンジンがハイオクガソリン対応となり140PS/7,200rpmにパワーアップし、1500ZSと1500VSに5A-FE型のEFIなどを改良した5A-FHE型(EFI-S・105PS/6,000rpm)が搭載された。これに伴い、キャブレター仕様の5A-F型は廃止。さらに、2E型搭載の1.3L車が廃止されたため、全車がDOHC16バルブ・EFIエンジンとなった。また、GTの装備を簡略化したGTVが追加された。1600GTに電子制御サスペンションのTEMSオートドライブ(後期型はGTVにも設定。ただし、4輪ESC(ABS)とは組み合わせ不可)がオプション設定されていた。また後期型のGT、GTV、ZS、VSには4輪ESCがオプション設定された。

2007年まで南アフリカでTAZZ(乗用仕様)/CARRI(パネルバン仕様)の名前で生産されていた(南アフリカ国内でオーリス発売と同時にモデル廃止)。

3代目 E10#H型(1992年 - 1995年)

[編集]
トヨタ・カローラFX(3代目)
AE101H型
欧州仕様
欧州仕様
概要
販売期間 1992年5月 - 1995年5月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック[3]
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 4A-FE(直列4気筒 1,600cc DOHC EFI)
4A-GE(直列4気筒 1,600cc DOHC EFI)
変速機 5速マニュアル
4速オートマチック(ECT-S)
車両寸法
ホイールベース 2,465mm
全長 4,095mm
全幅 1,685mm
全高 1,375mm
その他
モデルグレード 前期型 GT
販売終了前月までの新車登録台数の累計 56万148台(7代目カローラとの合算)[4]
系譜
後継 トヨタ・カローラランクス
※販売開始まで5年8か月の空白期間あり
テンプレートを表示

※日本仕様:1992年-1995年、欧州仕様:1991年-1996年、豪州仕様:1991年-1997年

該当型式:AE101

1992年5月、7代目カローラの登場から約1年遅れてフルモデルチェンジ。カローラシリーズ全体では通算7代目。

今までの実用性を考慮した作りから、スポーティ性を重視した3ドアのみのハッチバック車に転換した(5ドアは輸出向けのみ設定)。特に「GTスーパーストラット」というグレードには、AE101系カローラレビン・スプリンタートレノと同様の5バルブ化された4A-GE型エンジンにスーパーストラットサスペンション、スポーツABSといった豪華装備が搭載されていた。

1995年4月[5]、国内向けの生産終了。以降は在庫対応分のみの販売となる。同年5月にモデルチェンジした110型系カローラにFXは設定されず、そのまま国内販売は終了となり、3代11年の歴史に幕を下ろした。

車名の由来

[編集]

カローラはラテン語花冠という意味である。

FXは「FF 2BOX」から命名された[6]

脚注

[編集]
  1. ^ カローラのハッチバックタイプはFXが初ではなく、1976年に「リフトバック」の名でE30系に設定されているが、これは北米市場を強く意識したシューティングブレークステーションワゴンハッチバッククーペ)的なフォルムであり、欧州流の2BOXスタイルではなかった。
  2. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第91号3ページより。
  3. ^ 日本仕様は3ドアのみ
  4. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第84号13ページより。
  5. ^ カローラFX(トヨタ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月11日). 2020年1月11日閲覧。
  6. ^ 車両系統図【豆知識】車名の由来”. トヨタ自動車株式会社. 2022年2月13日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]