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トヨタ・ランドクルーザー J70

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トヨタ・ランドクルーザー > トヨタ・ランドクルーザー J70
トヨタ・ランドクルーザー"70"
J70型系
2023年日本復活モデル
概要
製造国
販売期間 1984年 -
ボディ
乗車定員 5 - 13名
ボディタイプ
エンジン位置 フロント
駆動方式 四輪駆動
プラットフォーム F0プラットフォーム[4]
パワートレイン
エンジン ガソリンもしくはディーゼル
その他
兄弟車 トヨタ・ランドクルーザープラド(J70型)
愛称 70系、ナナマル
系譜
先代 トヨタ・ランドクルーザー(J40型)
テンプレートを表示

ランドクルーザー"70"Land Cruiser "70")は、トヨタ自動車クロスカントリーSUVであるランドクルーザーの内、ヘビーデューティー系に属する系譜の車両である。日本では長らく商用車(1ナンバーの普通貨物車)扱いであった。市場としてはオーストラリアが最も規模が大きく、鉱業や農業、人命救助といった場面でも多くの70系が活躍し、愛好家たちによるクラブ活動も盛んである。また、国際連合や非営利活動法人といった平和維持活動などの用途に向けて、ジブラルタルトヨタから様々なボディのランドクルーザーが販売されている。

幾度のスタイリングの変更と技術的更新(トヨタ流"カイゼン"の繰り返し[5])にもかかわらず、70型は40型から受け継がれたオフロード性能と耐久性を維持するように設計されている。「道が人を鍛える」「壊れるまで走り込む」といった開発思想で進化を続けている[5]ことから、常に高いオフロード性能と耐久性を実現し国内外で高い評価を受けている。また、整備性の高さも特徴であり、スペアパーツは40~60~70系の間で多くが流用できる[6]

名前については、型式番号が「J70型・70系」であることから、2014年以降のトヨタ公式では「ランドクルーザー"70"」と呼称されており、愛称としても定着している。

日本では販売期間やメカニズムの違いなどから、3世代に分けて扱われることが多いが、市場によっては生産が絶え間なく続いていた。この記事では、以下のとおりに世代を分けて解説する。

#第1世代 - 1984年から2006年
#第2世代 - 2007年から2022年
#第3世代 - 2023年から現在

型式指定[編集]

もともと70から74までの型番は、2ドアのショートホイールベースとミディアムホイールベースを指していた。これらはFJ40など40系の後継車種である。モデル番号75、78、79はロングホイールベース版を指し、ピックアップと2ドアトゥループキャリアモデルがあった。これらは、FJ45など、あまり知られていないロングホイールベース40系の後継車である。モデル77(1990年 - 1999年モデル)と76は、一部の市場ではセミロングホイールベースの4ドアワゴンである。

1999年、トヨタはいくつかの改良を導入したことでモデル番号を変更し、ロングホイールベースモデルは78(トゥループキャリア)と79(ピックアップ)になった。2007年には76(4ドアワゴン)が追加され、新しいデュアルキャブモデルも79モデル(基本的に同じシャシー)のモデル番号を共有している。ショートホイールベースモデルは現在、一部の市場向けにのみ生産されており、日本には導入されていない。

すべてのランドクルーザーと同様に、モデル番号の先頭の文字は車両のエンジンを示している。70系ランドクルーザーのほとんど(ガソリン・ディーゼル両モデル)に直列6気筒[7]直列4気筒エンジンが採用される傾向にある。例外は、1999年に導入された直列5気筒の1PZディーゼルエンジン(PZJ70/73/77など)、2007年に一部市場で導入されたV型8気筒の1VD-FTVディーゼルエンジン、2009年に導入されたV型6気筒の1GR-FEガソリンエンジンが挙げられる。アフリカやボリビアなど排ガス規制の厳しくない市場向けのディーゼル1HZが最後の直6エンジンである。

エンジンに関係なく、5速マニュアルトランスミッションもしくは、4速/6速のオートマチックトランスミッションがハイ&ローレンジのパートタイム四輪駆動トランスファーケースにパワーを供給する。

尚、71、78はライト系(70プラド)と型式の数字が重複している。

型式の解説
配置 項目 内容
1 排出ガス規制適合
(日本国内販売車のみ)
  • N 昭和57年度
  • P 昭和58年度
  • Q 昭和61年度
  • S 昭和63年度
  • U 平成元年度
  • KB 平成5年度
  • KC 平成6年度
  • KG 平成9年度
  • CBF 平成17年度[注 1]
  • 3DA 平成30年度[注 2]
2 搭載エンジン 下の「表1」を参照
3 ファミリー ランドクルーザー、「Jeep」型車の略
4 基本型式 下の「表2」を参照
5 タイプ
  • 無印 幌トップ
  • V バンもしくはFRPトップ(1999年以前)
  • G ワゴン
  • HV 大型フェンダー装着(1989年以降)
  • K 1999年サスペンション変更
  • J ピックアップ
  • W (日本復活モデル、詳細不明)
  • L 左ハンドル(ジブラルタルトヨタ)
  • R 右ハンドル(ジブラルタルトヨタ)
6 トップ(1999年以降)
  • R ハードトップ[注 3]
  • F FRPトップ
  • K 幌トップ
  • T シングルキャブ
  • D ダブルキャブ
7 ドア(1999年以降)
  • J 2ドア
  • K 4ドア
8 変速機 下の「表3」を参照
9 グレード 下の「表4」を参照
10 その他
  • 無印 ターボなし(1989年以前)
  • X ターボあり(1989年以前)
  • S 車両総重量2,500kg以下(1989年以降)
  • U 車両総重量2,500kg超(1989年以降)
  • Y 前席が1+1セパレートシート(2023年以降)
  • S 前席が1+2ベンチシート(2023年以降)
  • 例えば型式が「P-BJ74V-MNX」であれば、昭和58年度排出ガス規制に適合した13B-Tエンジンを搭載した、5速MTかつターボありでミドルホイールベースのFRPトップ・LXである。
  • もしくは型式が「GDJ79L-DKTRY」であれば、1GD-FTVエンジンを搭載した、6速ATかつ前席がセパレートシートでスーパーロングホイールベースのダブルキャブピックアップトラックである。
  • 例外はジブラルタルトヨタで販売されているトラック型救急車(TGSAMBPOD1L)と基本救命救急車(78トゥループキャリア、TGSBLSAMB781)のみである。
表1: 搭載されたエンジン一覧
ガソリンエンジン
モデル番号の
先頭の文字
エンジン
型式
タイプ 排気量
(cc)
最高出力
(kW (PS)/rpm)
最大トルク
(Nm (kgfm)/rpm)
備考
F 3F 直列6気筒 OHV 3,955 114 (155)
/4,200
294 (30.0)/2,200 1984年 - 1992年
国内では消防用シャーシのみ
R 22R 直列4気筒 OHC 2,366 85 (116)/5,100 186 (19.0)/3,200 1984年 - 1990年
ランドクルーザーワゴンに搭載
FZ 1FZ-FE 直列6気筒 DOHC 4,477 158 (215)
/4,600
373 (38.0)/3,200 1992年 - 2009年 日本国外向けのみ
GR 1GR-FE V型6気筒 DOHC
VVT-i
3,955 170 (231)
/5,200
360 (36.7)/3,800 2009年 -
ディーゼルエンジン
モデル番号の
先頭の文字
エンジン
型式
タイプ 排気量
(cc)
最高出力
(kW (PS)/rpm)
最大トルク
(Nm (kgfm)/rpm)
備考
B 3B 直列4気筒 OHV
過流室式
3,431 72 (98)/3,500 226 (23.0)/2,200 1984年 - 1990年
3B-II 69 (94)/3,500 221 (22.5)/2,000
13B-T 直列4気筒 OHV
直噴式 ターボ
96 (131)/3,400 284 (29.0)/2,000 1984年 - 1990年
H 2H 直列6気筒 OHV
過流室式
3,980 81 (110)/3,500 240 (24.5)/2,200 1984年 - 1990年 日本国内は設定なし
PZ 1PZ 直列5気筒 OHC
過流室式
3,469 85 (116)/4,000 230 (23.5)/2,600 1990年 - 1993年
HZ 1HZ 直列6気筒 OHC
過流室式
4,164 99 (135)/4,000
96 (131)/3,800
279 (28.5)/2,200
284 (29.0)/2,200
1990年 -
1999年に出力とトルクを変更。
HD 1HD-FTE 直列6気筒 OHC
直噴式 ICターボ
4,164 144 (196)
/3,200
431 (43.9)
/1,200 - 3,200
2001年 - 2006年
日本国外向け
VD 1VD-FTV V型8気筒 DOHC
直噴式 ICターボ
4,461 151 (205.3)
/3,400
430 (43.8)/1,200 2007年 -
日本国外向け
GD 1GD-FTV 直列4気筒 DOHC
直噴式 ICターボ
2,754 150 (204)
/3,000 - 3,400
500 (51.0)
/1,600 - 2,800
2023年 -
表2: ボディスタイルの一覧
ホイールベース ボディスタイル 型式の数字 F R L FZ GR B H PZ HZ HD VD GD 備考
ショート: 2,310mm 2ドア幌トップ、バンタイプ、トゥループキャリア 70 Yes Yes - Yes - Yes - Yes Yes - - - RJ70はランドクルーザーワゴン
71 - - Yes Yes Yes Yes - - Yes - - Yes LJ71はランドクルーザーワゴン
(空欄) 72 No No No No No No No No No No No No これに該当するモデルは存在しない
ミドル: 2,600mm 73 - Yes - Yes - Yes Yes Yes Yes - - - RJ73はランドクルーザーワゴン
4ドアバン 74 - - - Yes - Yes - - Yes - - -
ロング: 2,980mm 75 - - - Yes - - Yes Yes Yes - - - 日本未発売
セミロング: 2,730mm 4ドアワゴン 76 - - - Yes Yes - - - Yes - Yes Yes 国外向けおよび国内消防用シャーシ
4ドアバン 77 - - - Yes - - - Yes Yes - - -
ロング: 2,980mm 2ドアトゥループキャリア 78 - - - Yes Yes - - - Yes - Yes Yes
スーパーロング: 3,180mm 4ドアピックアップ 79 - - - Yes Yes - - - Yes - Yes Yes 国外向けおよび国内消防用シャーシ

ウィンチを装着すると全長が120mm長くなる。

表3: 搭載されたフロアシフト/セレクター一覧
マニュアルトランスミッション
番号 変速機 1速 2速 3速 4速 5速 6速 後退 減速比 副変速比(高) 副変速比(低) 備考
不明 H41F 4.843 2.618 1.516 1.000 - - 4.843 3.700 1.000 1.963 3F型エンジン搭載車
1984年 - 1993年
日本国内は設定なし
M H55F 不明 不明 不明 不明 不明 不明 不明 不明 不明 3F型エンジン搭載車
1984年-1992年
4.843 2.618 1.516 1.000 0.845 4.843 4.111 1.000 1.960 3B型エンジン搭載車
1984年 - 1990年
1.963 1HZエンジン搭載車
1984年 - 1999年
不明 H151F 4.081 2.294 1.490 0.881 4.313 4.300 2.488 1FZ型エンジン搭載車 1992年 -[8]
M R151F 4.313 2.330 1.436 0.838 4.220 4.111 1.963 1PZ型エンジン搭載車
1990年 - 1994年
4.300 2.295 1HZ搭載車 1999年-
オートマチックトランスミッション
番号 変速機 1速 2速 3速 4速 5速 6速 後退 減速比 副変速比(高) 副変速比(低) 備考
P A440F 2.950 1.530 1.000 0.717 - - 2.678 4.111 1.000 1.960(1984)
2.295(1992)
2ウェイOD英語版付電子制御式4速 1985年 - 1999年、H55F型に対して車重は40kg増
A442F 0.765 4.100 2.295 上のA440F型に扁平トルコンを採用
1999年 -
R151F型に対して車重は40kg増
T AC60E 3.600 2.090 1.488 1.000 0.687 0.580 3.732 4.300 1.000 2.488 フレックスロックアップ付スーパーインテリジェント6速
表4: グレード一覧
番号 グレード 備考
R STD 1984年-
ショートにはバンタイプと幌タイプが、ミドルにはFRPトップが用意されるが、ターボモデルはない
シート素材は塩ビレザー
N LX 1984年-
ショートにはバンタイプが、ミドルにはFRPトップが用意される
シート素材はファブリック
2014年30周年記念モデルではグレードは明記されていないものの、型式からこのグレードに等しいものと考えられる
AX 2023年日本復活モデルに唯一設定されたグレード
シート素材は合成皮革+ファブリック
E ZX 1989年-
ミドルにはFRPトップが用意される
シート素材は専用ファブリック

特徴[編集]

70系ランドクルーザーのユーティリティは、側方の2ドアまたは4ドアのスチール製ドアで、フロントクリップのスタイリングは40系によく似ている。グリルはメッシュまたは3本の水平バーで構成される。グリル下のシートメタルには、さらに3本の水平スロットが一列に並ぶ。フロント・ターンシグナルは正方形で、その下に三角形の白いレンズ・エレメントがあり、フェンダーの上、各ヘッドランプのすぐ外側のフロント・クリップの垂直エッジに取り付けられている。トップはハードまたはソフト。ドアはハードタイプで、窓はロールアップ式。テールランプは縦に長い長方形で、リア・ボディワークの低い位置にはめ込まれている。リアドアは対になったスイングアウト式の「観音開きドア」で、スペアタイヤが装備できる。一部の軍用仕様のフロントガラスはボンネットまで折りたためる。

ところで、70系の種類についておおまかにまとめると、「バン」と「ワゴン」に大別される。なぜこのようになったのか、トヨタによれば「前身となる40系はパワーや積載量、耐久性で一定の評価を得ていたものの、燃料効率や高速時の安定性については改善の余地があった」ことに起因する。また、70系が登場した当時は排気量の少ない四輪駆動車や機能性とファッション性を求めるレジャー指向の強い車両の需要が高まっていたこともあり[9]、40系由来の堅牢なモデルと、当時のニーズに適した実用モデルの二つが必要だった。いずれも40系の強みを継承しつつ、外観と居住空間を当時のトレンドに合わせながら、最新技術を結集して開発された。

プラドに発展した一部のライトデューティモデルを除き、販売開始当初の70系はすべてリーフスプリングの固定式リジットアクスルを採用している。(型式70ショート、73ミドル、77セミロング、75ロング)1999年にリーディングアーム付きコイルスプリング式フロントサスペンションを採用し、フロントリジットアクスルをわずかに軽量化するまでは、フロントの固定リジットアクスルはリーフスプリング式だった。また、1999年からはフロントにオーバーハングが無いコイルスプリングを採用し、リアのリーフスプリングが延長され、ホイールトラベル(アーティキュレーション)が拡大された結果、乗り心地が向上した[4]。(型式71ショート、74ミドル、76セミロング、78トゥループキャリア、79ピックアップ)[10]

トゥループキャリア」とは英語で「兵員輸送車」を意味するが、ドライバーに加えて6人以上の乗客が座れる四輪駆動のオフロード車を指す言葉でもある。第1世代の日本仕様のカタログでは「FRPトップ」として掲載されていた。セミロングボディ以上の大きさであれば、2列目シートの後ろに、内壁に面する形で簡易的なベンチシートが備わっている。さらに、ハードトップと比較してハイルーフとなる。

固定式フロントアクスルは、マニュアルロックハブを備えたフルフローティングデザイン。同じく固定式のリヤアクスルにはセミフローティングとフルフローティングのバリエーションがある。一部の市場では、デフロック(フロントおよびリア)が選択可能なメーカーオプションとなっている。

世界向けには、全クラスのランクルで伝統的にSTD(スタンダード)をはじめとするロワーグレードの設定があり、エアバッグ表記のレス仕様(主に中東地区向。表記がなくなっただけで、エアバッグの機能は残っている)、ABSなし(LSPVは装備)、サイドステップなし、オーバーフェンダーなしのナローボディー、日本向け30周年記念モデルのピックアップでも設定されたチューブ入りタイヤ&スチールホイール、ビニール内装、フロント3人掛けベンチシート + 荷室向かい合わせシート(ショート最大7人、ミドル最大9人、トゥループキャリア最大13人乗り)などのバリエーションがある。

エアコンやラジオなどの基本的な快適装備は利用可能だが、70系にはより高価なステーションワゴン系(80、90、100、200型)に対して洗練された豪華装備の多くが取り付けられていない。キーに関しても整備性を考慮して、2023年に発売されたモデルでもずっとアナログキーのままである[11]。70系ランドクルーザーは通常MTを搭載していたが、FJ73(1985-1992)、BJ74、HZJ73/77(1990-1999)、HZJ74/76K(1999-2004)など一部のモデルには4速ATが用意されていた。2023年に発表された日本仕様は6速ATのみの販売となる。

2022年現在、改良されたロングホイールベースのHZJ79は、キャブとシャシーの両方、またはボックス、ABS、エアバッグ、および利用可能なデファレンシャルロッカーを備えた完成GCCモデルとして利用可能である。

ちなみに2024年現在、ジブラルタルトヨタで販売されているモデルには例外なく、通称「シュノーケル」と呼ばれる吸気ダクト延長パーツが右側のフロントフェンダーに取り付けられている。

ショートホイールベースモデル[編集]

これらのモデルのサスペンション、インテリア、基本レイアウトは、より有名なロングホイールベースの75シリーズ・ランドクルーザーとほぼ同じだが、フレームとボディはかなり短くなっている[4]。これにより、ランドクルーザーはオフロードでより軽快に走ることができる。このモデルは個人的なオフロードの移動手段として人気があったが、ランドクルーザーはほとんど商用車および政府専用車として販売されたため、また米国では販売されなかったため、他のランドクルーザー・モデルに比べて製造台数は少なかった。

しかし、これらのモデルは1980年代から1990年代初頭にかけて世界中で販売された。日本、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中東、ニュージーランド、南米などで見かけることができる。ショートホイールベースモデルは、オーストラリアではそれほど一般的ではないが、コンパクトさと頑丈な四駆の組み合わせが歓迎される本国日本では非常に人気があり、シリアでも使用されている。現在、ショートホイールベースの70系はほとんど新車で購入できないが、一部の南米諸国では現在も生産されており、豊田市にあるトヨタ車体吉原工場で生産されている[12]

北米市場では、70系は少量しか販売されなかった。1984-1987年(1985-1987年モデル)の間、BJ70はカナダで少数販売された。搭載可能なエンジンは、3B型4気筒ディーゼルエンジンか、後の13BT型ターボエンジンであった。1985年モデルは12ボルトの電気系統を搭載していたが、1985年後半(1986年モデル)の生産で、24V始動システムという国際的なNATO仕様に適合させるため、ディーゼルエンジン搭載車では24ボルトシステムに変更された。

2022年現在、70系はカナダで販売されており、サスカトゥーンサドバリーケベックにあるトヨタインダストリアルセールスカナダを通じて鉱業関係者のみが入手可能である[13]。アメリカでは入手できない。

2024年現在では、サウジアラビアなどで購入可能である。

年表[編集]

第1世代[編集]

ランドクルーザー(第1世代)
セミロング LX(前期型)
セミロング LX(中期型)
ロング トゥループキャリア(後期型)
概要
販売期間 1984年 - 2004年
ボディ
乗車定員 2/5名
パワートレイン
変速機 5速MT
サスペンション
半楕円リーフスプリング (1984-1999)
コイルスプリング (1999-2004)
半楕円リーフスプリング
車両寸法
ホイールベース
  • 2,310 mm (SWB)
  • 2,600 mm (MWB)
  • 2,730 mm (SemiLWB)
全長
  • 3,975 - 4,045 mm (SWB)
  • 4,265 - 4,485 mm (MWB)
  • 4,615 - 4,835 mm (SemiLWB)
全幅
  • 1,690 (SWB、MWB)
  • 1,790 mm (SemiLWB)
全高
  • 1,835 - 1,925 mm
  • 1,915 - 1,950 mm (MWB)
  • 1,900 - 1,935 mm (SemiLWB)
車両重量
  • 1,740 - 2,000 kg (SWB)
  • 1,800 - 2,080 kg (MWB)
  • 1,960 - 2,190 kg (SemiLWB)
最大積載量 400 kg (1984-1999)
500 kg (1999-2004)
その他
最低地上高 185 - 220 mm
最小回転半径
  • 5.3 m (SWB)
  • 5.8 m (MWB)
  • 6.1 - 6.2 m (SemiLWB)
テンプレートを表示

ボディーは、2ドアショートにハードトップの「バンタイプ」と「トップ」を設定。2ドアミドルに「バンタイプ」とFRPトップを設定。後から追加されたセミロングには通常4ドアボディと、4ドア試作車 (ミドル BJ73V改、74V改 リアドア形状は2種類ある。名古屋トヨタディーゼルを通じて販売)がある。[要出典]ロングには、2ドアハードトップ(トゥループキャリア)を設定し、日本国外向けおよび国内消防用シャーシのロング、スーパーロングには、ピックアップとキャブシャーシを設定した。[要出典]

  • 1984年11月2日、それまでの40系に代わりデビュー[14][15]
    • 足回りは前後共にリーフスプリングリジッドアクスルの組み合わせを採用。
    • 当初のグレード体系はミドルのFRPトップとショートのバンタイプがLXとSTD、ショートの幌タイプがSTDのみ用意された。
  • 1989年12月、それまでのグレードとエンジンを廃止して、LXとSTDには1PZディーゼルエンジン、ミドルの新グレードZXには1HZディーゼルエンジンが搭載された[16]
  • 1990年4月、ミドルボディに代わる形で4ドアのセミロングボディが登場。ウィンチが装着可能なSTDとその上級グレードのLX、1HZディーゼルエンジンを搭載するZXがラインナップ[17]
  • 1990年4月13日、ワゴンタイプが「プラド」として新発売[18]。ここから、ワゴンタイプは「ライトデューティー」路線を歩むことになり、開発におけるコンセプトの違いから袂を分かつことになる。
  • 1995年9月、STDグレードと1PZディーゼルエンジン搭載を廃止。LXグレードについて、ミドルボディのFRPトップ仕様にはAパッケージ(5速MTのみ選択可、メカニカルウィンチを標準装備)、ショートボディのバンタイプにはBパッケージ(5速MTのみ選択可、フルフロート、前後電動デフロック、メカニカルウィンチ、グリルガードを標準装備)を追加。2ドアLXは自動車NOx法に基づく使用車種規制の対象となる[19]
  • 1999年8月4日、マイナーチェンジ[20]。メッキ処理を施したフロントグリルやワイド感を強調したフロントコンビネーションランプが取り付けられる。フロントディスクブレーキを16インチにサイズアップした。4.2リットルディーゼルエンジンは、最新の排出ガス規制に適合、トルクを向上させた。
    • 前軸のみリジッドリーフからリーディングアーム(3リンク)+コイルスプリングに変更となる。これにあたって、80系の部品を70系に移植することが計画された。2023年現在でもこの構造は現役である。このとき転用した前軸の部品は105系のサスペンションにも使われている[4]
  • 2001年、ヨーロッパ向けモデルが生産終了。この時期までに、ショートボディの日本市場での販売を中止している。
  • 2004年7月、自動車NOx・PM法の影響で日本国内での販売終了。

1984年 - 2004年の販売時期は、ピックアップについてはハイラックスとの重複を考慮して日本国内および北米などハイラックス4WD(当時)の販売エリアでは一般向けに発売されず、逆に新興国などランドクルーザー70 ピックアップの販売エリアではハイラックス4WDは販売されていない。

第2世代[編集]

  • 2007年3月オーストラリアを皮切りに、フロント周りの意匠を大幅変更した新型がデビューした。これは、新型のV型8気筒1VD-FTV)ディーゼルエンジン(4,461 cc、インタークーラーターボ)を今までの狭いエンジンベイに収めるにあたり、余裕がなかったためと思われる。ちなみに1984年のデビュー以降、ここまでフロントマスクの変更は3度行われているが、ボンネット全体が大きく変更されたのはこれが初めてとなる。それまで40型系から採用されていたトレードマークのフラットフェンダーが排除された。
    • 当初は同じくオーストラリアで施行されたユーロ4排ガス規制に準拠しているプラド系の1KD型エンジンを使用する案もあったが、過積時に動力性能が損なわれるリスクがあったため、V型8気筒ディーゼルエンジンを採用した。
    • WAGONが新たに設定され、かつては日本国内専用であった4ドア・セミロングホイールベースが再びカタログモデルとなった。一方で、2ドア・ミディアムホイールベースの74系が廃止された。
    • ベネズエラで50周年記念バージョンが生産され、バンパー、ガソリンボトル、リアブロッカー、ウインチ、スターラップが付属した。わずか300台の限定生産だった[21]
テクナム・マステックT4
  • フランス陸軍ではプジョー・P4の後継として70系をベースとした「マステックT4」を選定した[22]
  • 2009年、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は、トヨタや他の自動車メーカーが地元企業との技術共有や一定のノルマを拒否した場合、同国にあるトヨタの工場を収用すると脅した。70系のランドクルーザーは、ベネズエラ全土で交通機関、警察、ベネズエラ国家警備隊に使用されている[23]。同じ頃、1FZ/1FZ-FEエンジンは、ボリビア、コロンビア、中東などガソリン車が販売されている市場では4.0L 1GR-FEに置き換えられた。また、安全ニーズの高まりを受けて、200系で使われていたエアバッグ付きウレタン製ステアリングと新しい意匠の樹脂製インストルメントパネルに変更された。
  • 2012年、従来の2ドアピックアップの3,180mmのホイールベースと、ワゴンボディタイプの4ドアと130リットルのシングル燃料タンクを組み合わせたダブルキャビンのHZJ79ピックアップボディタイプを導入した[24]。これと同時に、ABSの搭載も行われた。
  • 2014年、日本で1年間の限定再販が行われた(後述)。
  • 2015年、ランドクルーザー70は、アフリカ市場、特にモロッコへの輸出のため、2015年半ば以降、ポルトガルのオーヴァーにあるサルヴァドール・カエターノ社で改良型の生産を開始した[11]が、エンジンが欧州で排ガス認証を受けていないため、このモデルが欧州市場に再導入されることはない[12]。ちなみに、同時期に販売していたランドクルーザー200にはツインターボ仕様の1VD-FTVが用意されている。ポルトガル製のランドクルーザーは、231PS(170kW)のエンジンと5速MTを搭載している。当初は5ドアのステーションワゴンとダブルキャブのピックアップが生産された。
  • 2016年、オーストラリアの大手鉱山の労働組合が2016年以降、ANCAP英語版の最高安全レベルであるファイブスターを獲得した車両のみを使用すると公表。この声明による70系への希望を受けて、外観はそのままに、フレーム新設、ステアリング系、サスペンションアーム配置の見直し、ボディ関係の大幅補強など、プラットホームの大幅な見直しを図る。フレームは200系の構造を参考に、十分な強度を保ちながら衝撃を緩和する構造となった。さらに、VSC(車両安定制御システム)も装備し、ファイブスターを獲得した。
  • 2022年、継続的な改良により、70系は安全および環境規制の強化に対応した。オーストラリア向けの2022年モデルは、ユーロ5の排出ガス基準を満たすとともに、フロントおよびサイドエアバッグを装備し(剛性の高いラダーフレームを考えると重要な課題である)、側面衝突の要件を満たすためにフレームを強化した。ランドクルーザー76ワゴンは、こうした安全性向上の恩恵を受けていち早く再投入され、2021年初頭には70系のオーストラリア個人向け販売台数の半分以上を占めるまでになった。

発売30周年記念復活モデル[編集]

ランドクルーザー 70
バン:GRJ76K型
トラック:GRJ79K型
バン
ピックアップ
概要
販売期間 2014年8月 - 2015年6月
設計統括 小鑓貞嘉(開発主査)[5]
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアSUV
4ドアトラック
エンジン位置 フロント
駆動方式 四輪駆動(パートタイム4WD)
パワートレイン
エンジン 1GR-FE型 3,955cc V型6気筒[25]
最高出力 170 kW(231 PS)/5,200 rpm
最大トルク 360 Nm(36.7 kgf・m)/3,800 rpm
変速機 5速MT
サスペンション
車軸式コイルスプリング
車軸式半楕円リーフスプリング
車両寸法
ホイールベース 2,730 mm(バン)
3,180 mm(ピックアップ)
全長 4,810 mm(バン)
5,270 mm(ピックアップ)
全幅 1,870 mm(バン)
1,770 mm(ピックアップ)
全高 1,920 mm(バン)
1,950 mm(ピックアップ)
車両重量 2,120 kg(バン)
2,220 kg(ピックアップ)
最大積載量 500 kg(バン)
600 kg(ピックアップ)
その他
最低地上高 200 mm(バン)
225 mm(ピックアップ)
最小回転半径 6.3 m(バン)
7.2 m(ピックアップ)
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2014年8月25日に"70"シリーズの発売30周年を記念して2015年6月30日生産分までの期間限定で約10年ぶりに復活した[26]。日本国内で期間限定販売となった理由は、2015年(平成27年)7月26日以降の生産車両に適用される新保安基準に対応できないためである[注 4]。30周年記念モデルとしての特別感に加えて、久々に登場したヘビーデューティーモデルということもあってか、9月24日時点では月販目標台数200台の約18倍にあたる受注台数となり[27]、最終的には7,000台超の販売となった。2004年に生産終了となってもなお、ランドクルーザーの優れた「信頼性・耐久性・走破性」に多くのファンがいることがより明らかとなった。

ボディタイプはランドクルーザーらしいフォルムと高い居住性を実現する「バン(GRJ76K型)」に加え、最大600 kgの貨物を積載できる堅牢なデッキスペースを備えた、日本国内では初のダブルキャブ仕様となる「ピックアップ(GRJ79K型)」の2種類を設定した。

エンジンは日本国内向けでは初採用となるV6・4.0 Lの1GR-FE型に。軽量・コンパクト設計のアルミシリンダーブロック、吸気効率を高めるVVT-i、ACIS(2段階可変吸気システム)を採用することで「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」認定を取得する環境性能と最高出力170kW(231 PS)、最大トルク360 N・m(36.7 kgf・m)の動力性能を両立。トランスミッションは信頼性と操作性に優れた5速マニュアルを採用するが、2速と3速にトリプルコーンシンクロメッシュを組み込むことで滑らかなシフトワークを実現し、オフロード走行時の素早いシフトチェンジにも対応。駆動方式はトランスファーレバー操作による駆動モード切替が可能なパートタイム4WD(デュアルモードオートマチックロッキングハブ付)を採用。市街地や高速道路での走行には静粛性や燃費性能に優れた2輪駆動で走行し、不整地や雪路、急な坂道などを走行するときには路面状況に応じた2種類の4輪駆動に切り替えることで走破性を高めた。

また、時代の要請に合わせてフロントエクステリアやインテリアはより現代的なデザインとなる。フロントグリルやフードの形状を変更し、グリルに装着のエンブレムはトヨタのCIを用い[注 5]、ヘッドランプはターンシグナルランプ一体型の異形タイプとなった[25]。テールランプ本体はバンパーに備わる。この位置の変更については、やはり日本における法規上の問題であり、リアドアを開けた状態でもランプが点灯していることが確認できないといけないためである。このため従来テールランプがあった位置には、機能を果たさないダミーランプが取り付けられた[28]

インパネはオフロード走行時に車体の姿勢が把握しやすいように水平基調のストレートデザインとすることで機能性を確保[29]。両側フェンダーには「30th ANIVERSARY」と書かれた専用エンブレムを装着し[25]、キーボックスや車検証入れは本革仕様とした。併せて、運転席・助手席SRSエアバッグやABSを標準装備している。

30周年記念復活モデルで設定されたボディカラーはバン・ピックアップとも7色で、「ホワイト」「シルバーメタリック」「グレーメタリック」「ダークレッドマイカ」「ブルー」「ベージュ」「ベージュマイカメタリック」が設定された。

尚、ピックアップの新車装着タイヤは一般市販車として採用されることが希少となった鉄リングホイールのチューブ入りタイヤである。

第3世代[編集]

後述するがパワートレインに1GD-FTVエンジンが追加された。

オーストラリア仕様のグレードはWorkMate(76ワゴンに1VDの組み合わせがない)、GXL(DXL)、GX(DX)(71ショート及び79シングルキャブにのみ設定)[30]

第2世代モデルとの違い[編集]

  • オーバフェンダーが装備されている(ジブラルタルトヨタモデルを除く)
  • ウィンカーが独立している
  • (一部モデルを除いて)デイライトが装着されている

ただし、ジブラルタルトヨタから販売される救急車仕様のベース車両は、第2世代モデルからあまり変更されていない。

日本復活モデル[編集]

ランドクルーザー 70
GDJ76W型
AX
概要
設計統括
  • 鈴木徹(製品企画)[11]
  • 森津圭太(チーフエンジニア)
  • 小鑓貞嘉(開発主査)[31]
  • 天池雅明(パワートレイン開発)[32]
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン位置 フロント
駆動方式 四輪駆動(パートタイム4WD)
パワートレイン
エンジン 1GD-FTV型 2,754cc 直列4気筒 DOHC
最高出力 150 kW(204 PS)
/3,000 - 3,400 rpm
最大トルク 500 Nm(50.1 kgf・m)
/1,600 - 2,800 rpm
変速機 6速AT(6 Super ECT)
サスペンション
車軸式コイルスプリング
車軸式半楕円リーフスプリング
車両寸法
ホイールベース 2,730 mm
全長 4,890 mm
全幅 1,870 mm
全高 1,920 mm
車両重量 2,300 kg
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2023年8月2日に250系の世界初公開とともに、同年冬に70系を約8年ぶりに日本へ再導入されることが発表され、プロトタイプと概要が公開された[33][34]

日本では再々販という形になるが、その理由は開発主査の小鑓によると、「トヨタ自動車にとって生活や仕事を支えるクルマであってほしいという目的で作られた」とのことで、トヨタが最初に考えたDNAを一番色濃く受け継いでいるランクルシリーズの幹の部分であることから、日本における復活計画を地道に考えていたものが実現したということであるという[31]

同年11月29日、日本で正式発表され、同日より発売された[35]。ボディは30周年記念モデルのバンと同じ4ドアボディとなっているが、全長は80 mm拡大されている。

設計思想としては、次の3つを重視している[11]

  1. なるべく変えない
  2. 変えるなら最小限
  3. 変えたなら前回の性能を超える

これらの思想を踏まえて、以下のような改良が行われた。

エンジンは当時のモデルや発売30周年記念モデルよりも排気量が大幅にダウンサイジングされ、日本国内でのヘビー系では2004年の販売終了以来、約19年ぶりとなるディーゼルエンジンとなり、2.8 L ターボ仕様の1GD-FTV型へ換装。ガソリンエンジンを搭載する30周年記念モデルよりも最高出力は低下したものの、排ガス規制への対応や燃費の改善も図られており[11]、最大トルクは140 Nm向上された。オーストラリアでの試験走行でその牽引能力の高さを確かめた際には、エンジンとATがすぐにオーバーヒート状態になるという課題が浮き彫りになった。そこで冷却システムを担当するチームに、冷却に必要なラジエーターの面積を割り出してもらった結果、従来の設計のサイズでは入りきらないことが明らかとなった。さらに、アプローチアングルの確保の都合で、拡大する範囲を上に伸ばすしかないということになった上で、面積を稼ぐために9度傾けて配置した結果、後述の通りにフロントの意匠が変わった。エンジンルームを冷やすファンの直径も大きくなった[32]

トランスミッションは国内外のAT免許取得率が向上した影響で、ヘビー系モデルでは初となる6速AT(6 Super ECT、フレックスロックアップ付スーパーインテリジェント6速オートマチックトランスミッション)へ変更された。とはいえ、オフロード性能は従来とはあまり変わっておらず、失敗したときのリカバリーがより楽になっている[31]だけでなく、「Mポジション」に設定すれば選択したギアに固定され、エンジンブレーキをかけやすくなったりマニュアル同等の変速ができるようになったりする。またエンジンの特性上、ATと組み合わせることで、今までのV8エンジンを超えるパフォーマンスが出せることが期待できたことも影響している[32]。本体はプラドからの流用となるが先の牽引能力を考慮して、内部プログラムは低速域に厚みを持たせるように特性が変更され、低速を有効に使えるようにマッピングしている。種類としてはトルクコンバータ式であるため中に自動変速機油が循環しているので、それ自体を傾けてしまうと故障に繋がってしまう。これを解消するために、本体が傾いても中が傾かないような構造が新しく設計された。

エンジンの音がホイールハウスから漏れ出たり、デフ付のリジッドアクスルが振動することで、騒音の問題も抱えていた[32]。しかし構造上、通常の騒音対策である騒音カバーが車体に装着できなかった。そこで騒音規制をクリアするために、エンジンとトランスミッション部分に防音処置を模索すべく、合同の騒音対策チームを結成し、下部にカバーを付けずとも低騒音技術を導入できた。直列4気筒エンジンに変更したことで起こるようになった振動への対策には、振動がボディ全体に伝わりにくくするようバランスシャフトを入れたりマウント調整をしたりといった工夫がされている。

ラダーフレーム構造や標準化された電動デフロックといった強靭さや悪路走破性を高める機能に加え、ビークルスタビリティコントロール(VSC)、アクティブトラクションコントロール(A-TSC)、ヒルスタートアシストコントロール(HAC)、ダウンヒルアシストコントロール(DAC)といった駆動力や制動力を制御するシステムが備わった。デフ比はプラドと異なり、約10%ローギア化している[32]

サスペンションは乗り心地重視の改良が行われた。特にリア側の車軸式半楕円リーフスプリングは、従来の6枚から2枚に減らして摩擦を軽減し、ばね定数を小さくしてボディの揺れを少なくした。また、スポーツカーと同じ思想でばね下重量を減らしておき、ロングテーパー技術を採用した。フレーム下にはSCR排気管を守るアンダーガードが70系で初めて装着、ボディパネルは床下外にブレーズを追加および改良がされ、フロアの強化が行われた[11]

外観は1984年式モデルを彷彿とさせる丸形ヘッドランプ、メッシュタイプのフロントグリル、フロント中央に配した「TOYOTA」ロゴで構成されたオフロード車らしいフロントフェイスへ回帰するとともに[31]、ヘッドランプにBi-Beam LEDを採用するなど、細部がアップデートされた。これに伴ってターンランプも分離する形となり、フェンダーよりも内側に配置され、整備性を向上させることに貢献した。グリル横には、障害物などにランプが当たらないためのガードが設置される。また、冷却性能を高めるべく開口部を大きくとり、歩行者保護の観点を汲みつつエンジンを収めるためにフードを大きくしながら誰でも簡単に扱えるよう固定位置の高さを見直し、AdBlueを入れるタンクを増設した。加えてバンパーも歩行者との衝突安全を考慮し、構造変更を伴う新型バンパーが採用された。この結果、フロント周りの意匠が大幅に変更された[11]。この他にも変更点を最小限に抑えるさまざまな工夫が凝らされた。

ボディカラーはランドクルーザーを象徴するヘリテージカラーであるベージュに、白系のスーパーホワイトIIと黒系のアティチュードブラックマイカを加えた3色展開となる[9]。快適装備には深めのドリンクホルダーやUSB Type-Cポートなど、最新車種同様のものが備わるようになった。しかしメーターデザインは40系を意識したものになっていたり、マニュアルエアコンが備わるなど、あえてクラシックモデルをオマージュしたものも取り入れられている[31]

助手席側のグリップは格納式となり、後席側のグリップも丸みを帯びたものに変更された[11]。リアシート側の中心席のシートベルトを2点式から3点式に変えたことで、安全性が向上した。一方で、使える荷室空間はなるべく変えずに乗り心地を良くすることを考えて、300系の骨格を改良したタンブル構造の6:4分割可倒式リアシートを採用した。このリアシートは高反発クッションを内蔵し、26度のリクライニングが可能である[11]

安全性能ではヘビー系モデルでは初となる予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が導入され、プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼]検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)、ロードサインアシスト(RSA)、発進遅れ告知機能(TMN)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビーム(AHB)の5つの装備で構成されている。また、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム/ランプオートカットシステム)やドライブスタートコントロール[注 6]も備わったほか、インナーミラーは車両後退時には車両後方の映像と固定ガイド線が表示されるバックモニター内蔵型自動防眩となった。

かつてテールランプがあった位置には金属製のカバーがビス止めされている。ここを外してダミーのテールランプを取り付けることも、構造上は可能である。ただし、車検に通らなかったり、安全性に影響を及ぼしたりする可能性があるので、交換する際は品質チェックも含めて自己責任で行う必要がある[36]。一応、2014年モデルの時点で純正のダミーランプの採用はされていたのだが、今回のパッケージングにおいては車両自体の本質から考えて、不要であったダミーランプを排除し整備性を高めるためにパネルに置き換えたとされる[28]

エンジンが250系と同等となるため、日本国内のヘビー系モデルで初となる3ナンバー(乗用)登録となる。また、グレードは日本国内でのみ、70ヘビー系で初となる「AX」のみのモノグレード展開となる[注 7]

ジブラルタルトヨタにも、これとよく似た仕様の車両(GDJ76L/R型)がラインアップされているが、細部が若干異なる。最もわかりやすいのが先の紹介通り、純正オーバーフェンダーやシュノーケルの有無であるが、テールランプの配置やバンパーの素材、ヘッドランプの種類にも注目すると判別できる。日本仕様車はバンパーが樹脂製でそこにテールランプが埋め込まれているが、ジブラルタルトヨタモデルはテールランプが従来通りリアフェンダーに近い位置で、一部金属製のバンパーに反射材のみが埋め込まれている。加えて、ヘッドライトは全車に丸目のハロゲンランプが備わっている[注 8]。また、ホイールのデザインが異なる。

アル・タラブ[編集]

2024年6月1日のブルネイ王立国軍(RBAF)創設63周年記念式典にて撮影

1999年、英国のエンジニアリング会社であるヤンケルは、ヨルダンのアブドラ国王設計開発局(KADDB)と共同事業を開始した。ヨルダン軽車両製造(JLVM)合弁事業は、当初10,000平方メートル(110,000平方フィート)の自動車工場で、ヤンケルが英国で設計した防護車両や軽戦闘車両の製造コストを削減できるようにするためのものだった。JLVMの開設後すぐに、ヤンケルは装甲が強化された様々なランドクルーザー79のロングホイールベース車両の製造を開始し、2000年にはランドクルーザー79の防衛仕様を提供する契約を国連から獲得した[37]

2000年、ヤンケルは有能で信頼性の高いパトロールプラットフォームを提供するため、長距離哨戒車(LRPV)の設計を開始した。世界中のほとんどの国で一般的であること、電子管理システムに過度に依存していないこと、機械部品が基本的な設計であり、標準的な自動車部品で現場での修理が可能であること、シャーシの重量積載能力が高いこと、遠隔地での長期間の現場での維持が可能であり、サポートが限られているか、サポートがない車両であることから、ランドクルーザー79のシャーシベースが選択された[38]。 パトロール任務、国内安全保障、偵察、国境警備隊向けに設計され[37][38]、英国とヨルダンで実地テストが行われ、2005年から生産が開始された[37][38]アル・タラブは、基本形態で最大4人の乗組員、1,700kgの機材を収容でき、3つの発射基地、2つの無線用基地局、さまざまなパワーテイクオフを装備している。後部に2つの担架を装備した医療搬送用、中距離(1,500km、930マイル)用、コマンド型などのオプションがある[37][38]。2002年にキネティックによって検査され、その後イギリス政府への販売が承認された[37]。 2004年、ヨルダン軍は最初の発注を行い、2006年から初期納入を開始し、現在では200台以上を保有している[37]モーリタニア軍は2006年からアル・タラブLRPVを運用している[37]。2016年、イギリス特殊部隊がシリアでアル・タラブを使用しているのが目撃された[39]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ "C"は低排出ガス認定:50、"B"はガソリン車かつハイブリッドなし、"F"は車両総重量が1.7トン超、3.5トン以下であることをそれぞれ表している。
  2. ^ "3"は低排出ガス認定:無、"D"はディーゼル車かつハイブリッドなし、"A"は平成17年規制のディーゼル車以外の乗用車であることをそれぞれ表している。
  3. ^ ジブラルタルトヨタでは、トゥループキャリアもハードトップと一緒に取り扱っている。
  4. ^ 車両総重量3.5トン以下の小型貨物自動車及び乗用自動車等に対し「追突時突入防止装置」の装着が必要。
  5. ^ ディーラーオプションで「TOYOTA」ロゴのフロントグリルに変更することもできた。
  6. ^ シフト操作時における急発進や急加速を抑制して衝突時の被害軽減をサポートする機能(トランスファーギア位置がL4以外で且つ、TRCがONの時に作動)
  7. ^ 「AX」は200系で初設定された乗用最上級グレードで、70ヘビー系貨物登録時代のグレードは、「STD」・「LX」・「ZX」の3種。
  8. ^ グリル周りのパーツは同じなので、サイズも同じであると考えられる。従って、交換できる可能性がある。

出典[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]