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たづたづし

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
たづたづし
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出小説新潮1963年5月
出版元 新潮社
刊本情報
収録 『眼の気流』
出版元 新潮社
出版年月日 1963年10月25日
装幀 上口睦人
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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たづたづし』は、松本清張短編小説。『小説新潮1963年5月号に掲載され、同年10月に短編集『眼の気流』収録の一編として、新潮社より刊行された。「たづたづし」は、万葉集の「夕闇は 道たづたづし 月待ちて 行ませ我が背子 その間にも見む」からで、「はっきりしなくて不安である」の意。『愛のきずな』のタイトルで1969年東宝で映画化、また3度テレビドラマ化されている。

あらすじ

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最近課長に昇進したばかりの32歳のわたしは、電車の中で24歳の平井良子という女性と知り合い関係を持つ。3ヶ月後、良子はふいに、自分には夫がいて、恐喝傷害で刑務所に入っており、あと1週間で出所することを告白する。自分の社会的立場の崩壊を恐れたわたしは、良子を長野県富士見駅近くの山林に連れ出し、首を絞めた。

しかしその後、数日経っても新聞に良子の死体発見の記事が出ない。徐々に不安になってきたわたしは、長野県の地方紙を調べ始めたが、驚くべき記事がわたしの目に入った。

エピソード

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  • 著者は本作について「『たづたづし』は書いたときは少しイヤ味な題だと思ったが、いまはそれなりに落ちついている。この小説に使った場所は、わたしが以前に住んでいた練馬区の上石神井[1]のあたりである。いまから十七、八年前は、上石神井も武蔵野の名残りがあって、雑木林の小径がいたるところで見られたものだ。暗い木立の下を抜けると月光の路に出、また闇の林の中に入るといった風情であった。いまは雑木林がとり払われ、団地や建売住宅地になっている。「諏訪の本屋」というのは、上諏訪にいて、先年物故した考古学者の藤森栄一氏が経営した本屋のことである」と記している[2]

映画

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愛のきずな
監督 坪島孝
脚本 小川英
坪島孝
製作 渡辺晋
五明忠人
出演者 藤田まこと
園まり
音楽 広瀬健次郎
撮影 内海正治
編集 武田うめ
配給 東宝
公開 日本の旗 1969年2月15日
上映時間 98分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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映画タイトル『愛のきずな』。1969年2月15日公開。製作は渡辺プロダクション東宝、配給は東宝。現在はDVD化されている。原作と異なる結末を設定している。

ストーリー

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旅行会社の総務課長代理・鈴木良平は、専務の娘と結婚していた。だが、何かと父の権威を笠に着る妻との生活は冷たいものであった。ある雨の夕方、良平は線は細いが可憐な女性・平井雪子と知り合う。乾いた家庭生活の代償に、良平は雪子に誠心誠意を尽くし、雪子も良平を深く愛するようになる。ところが、雪子には暴力的で目下服役中の夫がいた。これを知った良平は大きな衝撃を受け、夫と離婚し自分との再婚を望む雪子をなだめようとするが、雪子の決意は固かった。現在の生活の崩壊を怖れる良平は、悩んだ末、雪子を信州に連れ出し、ついに彼女の首を絞める。しかし、安心も束の間、雪子そっくりの記憶喪失の女性の存在を知り、良平は新たな恐怖に苛まれるようになる。

キャスト

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スタッフ

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同時上映

テレビドラマ

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1978年版

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松本清張おんなシリーズ
記憶
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『たづたづし』
脚本 服部佳
監督 山本和夫
出演者 十朱幸代
児玉清
製作
プロデューサー 石井ふく子
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1978年10月15日
放送時間21:00 - 21:55
放送枠日曜劇場
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松本清張おんなシリーズ・記憶」。1978年10月15日TBS系列の「東芝日曜劇場」枠(21:00-21:55)にて放映。視聴率19.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[3]

キャスト
スタッフ
TBS系列 東芝日曜劇場
前番組 番組名 次番組
松本清張おんなシリーズ5
記憶
(1978.10.15)
緑の炎
(原作:石沢英太郎
(1978.10.22)

1992年版

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松本清張 作家活動40年記念
ドラマスペシャル
たづたづし
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『たづたづし』
脚本 宮川一郎
演出 嶋村正敏
出演者 古谷一行
吉川十和子
エンディング 真璃子「あなたの海になりたい」
製作
プロデューサー 嶋村正敏(日本テレビ)
松村あゆみ(日本テレビ)
森敏樹
坂梨港
制作 日本テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1992年1月7日
放送時間21:03 - 22:52
放送枠火曜サスペンス劇場
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松本清張 作家活動40年記念 ドラマスペシャル・たづたづし」。1992年1月7日日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠(21:03-22:52)にて放映。視聴率17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[3]

キャスト
スタッフ
日本テレビ系列 火曜サスペンス劇場
前番組 番組名 次番組
松本清張 作家活動40年記念
ドラマスペシャル
たづたづし
(1992.1.7)

2002年版

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松本清張没後10年特別企画
たづたづし
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『たづたづし』
脚本 市川森一
監督 松原信吾
出演者 中村雅俊
牧瀬里穂
エンディング 川村結花「エチュード」
製作
プロデューサー 佐々木彰(テレビ東京)ほか
制作 テレビ東京
BSジャパン
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2002年11月24日BSジャパン
2002年11月27日テレビ東京
放送時間21:00-23:24
(地上波では20:54 - 23:18)
放送枠女と愛とミステリー
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松本清張没後10年特別企画・たづたづし」。2002年11月24日BSジャパンの「BSミステリー」枠(21:00-23:24)にて放映。地上波では、同年11月27日テレビ東京系列の「女と愛とミステリー」枠(20:54-23:18)にて放映。夏樹静子の翻案による作品。

キャスト
スタッフ
テレビ東京系列 女と愛とミステリー
前番組 番組名 次番組
松本清張没後10年特別企画
たづたづし
(2002.11.27)
パートタイム探偵
(2002.12.11)

脚注

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  1. ^ 現在の住居表示では同区の関町東
  2. ^ 『松本清張全集 第38巻』(1974年、文藝春秋)巻末の著者による「あとがき」参照。
  3. ^ a b 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版)参照。

外部リンク

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