トヨタ・クラウンスポーツ
トヨタ・クラウン(スポーツ) AZSH3#W型 | |
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SPORT Z | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 |
2023年11月- (発表:2023年10月6日) |
設計統括 | 中嶋裕樹 |
デザイン | 小出幸弘 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
エンジン位置 | フロントミッドシップ(?) |
駆動方式 | 電気式四輪駆動(E-Four) |
プラットフォーム | GA-Kプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン | A25A-FXS型 2,487cc 直列4気筒 DOHC D-4S |
モーター |
3NM型 交流同期電動機(HEV・フロント) 5NM型 交流同期電動機(PHEV・フロント) 4NM型 交流同期電動機(リア) |
変速機 | 電気式無段変速機 |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット式 |
後 | マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,770 mm |
全長 | 4,720 mm |
全幅 | 1,880 mm |
全高 |
1,565 mm(HEV) 1,570 mm(PHEV) |
車両重量 |
1,810 kg(HEV) 2,030 kg(PHEV) |
クラウン(スポーツ)(CROWN “SPORT”)とは、トヨタ自動車が製造・販売をしている高級ハッチバック型クロスオーバーSUV(以下CUV)である。
概要
16代目クラウンの発表時に公開された4種類のボディタイプのうちの1つ。クラウンシリーズ初の2ボックスハッチバック型CUVである。クラウン(クロスオーバー)やクラウン(エステート)より全長が短く、スポーティな走りを売りにしている。
なお、リア右下に装着されているハイブリッドシンボルマークはクロスオーバーの「HYBRID SYNERGY DRIVE」から変更となり、5代目プリウスや4代目アルファード/3代目ヴェルファイアと同じ「HEV」ロゴとなる[1]。
メカニズム
エンジンには2.5L ダイナミックフォースエンジンであるA25A-FXS型にモーターとバイポーラ型ニッケル水素電池で構成されたハイブリッドシステムが採用されており、モーターをフロント・リア両方に搭載し、走行状態に合わせて前後のトルク配分を制御するとともに、コーナリング時には燃費性能と旋回中の車両安定性の向上の両立を図るためリアの駆動配分を大きくする電気式四輪駆動システム「E-Four」が採用されている。
プラグインハイブリッドモデルは、ハイブリッドシステムをベースに、フロントモーターを高出力・高トルク仕様の5NM型に、バッテリーを51Ahのリチウムイオン電池に変更されている。また、トヨタのプラグインハイブリッド車としては2代目プリウスPHVにオプション設定して以来となるCHAdeMO規格による急速充電およびV2H(Vehicle to Home)を標準装備した[2]。
デザイン
クラウン(スポーツ)の開発リーダーを務めた本間裕二は「見て、乗って、走って、お客様に“WOW”と感じていただけるようなエモーショナルなクルマ」を目指したと語る[3]。エモーショナルな外観を生み出すために、外形デザインのリーダーであった小出幸弘はまず“リヤフェンダーの意匠”を意識した。ボディ側面に目立ったキャラクターラインを入れずに、キャビン後方やボディ側面を絞り込み、大径ホイールと組み合わせたことで力強さを感じられるデザインになった。さらに、ボディ面の抑揚だけでダイナミックさを表現している[4]。
このデザインはプレス成型において非常に高い精度が求められるため、生産技術のエンジニアが金型の設計・製作はもちろん、量産評価から生産開始まで関わった。CADを使って金型を設計し、シミュレーションにかけてテストしたものの、エンジニアの福田幸介によれば「4カ月かけて700回ほどトライ&エラーを繰り返し」、失敗続きであったという。そのような中、福田は本モデルのための新しい手法を思いついた。加工する際に本来固定される金型を少し動かすようシミュレーションするとうまくいったことがあるようで、これを利用することを考えた。0.7秒の行程で動きを調整し、金型本体を1000分の1ミリメートル単位で調整しなければならないのだが、チームの総力によって実現した[4]。
内装は先に登場したクロスオーバーとほぼ同じデザインだが、スポーティかつエレガントな内装を表現するために左右非対称のカラーとなっている。ところが試作段階で、赤い表皮ではシワが発生したり白化したりするなどの問題が発生した。そこで表皮となる合成皮革の繊維に着目し、シワや白化が発生しないよう改良するだけでなく、ダッシュボードのデザインを少しずつ調整した。これにより、アシンメトリーで鮮やかな内装色を実現した[5]。
他社製品との類似性
本モデルはデビュー当初から様々なクルマとの、デザインの類似性を指摘された[6][7]。特にフェラーリ・プロサングエとは前後の意匠が似ているだけでなく、リアフェンダーに膨らみをつけたダイナミックなデザインも共通点である。ほかにも、キャビンが伸びやかで、後方に向かうにつれて滑らかに下がったサイドのシルエットはランボルギーニ・ウルスやアストンマーティン・DBXと似通っている。もちろん、これらとの因果関係はまったくない。
年表
- 2022年7月15日
- オンラインで開催されたワールドプレミアで発表された[8]。
- 2023年4月12日
- セダン・エステートと共に発表時期と写真を公開。ハイブリッド(HEV)モデルが2023年秋に、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルが2023年冬に順次発売予定とアナウンスされる[9]。
- 2023年10月6日
- ハイブリッドモデルが公式発表された(同日より注文受付を開始、11月頃発売)[10]。
- グレードは「SPORT Z」のみのモノグレード展開となる。ボディカラーはモノトーンにはクラウンクロスオーバーとの共通色となるプレシャスホワイトパール(メーカーオプション)、ブラック、プレシャスブロンズ(メーカーオプション)に加え、アッシュ、エモーショナルレッドIII(メーカーオプション)、マスタードの6色を設定。ブラックとの組み合わせとなるバイトーン(メーカーオプション)はモノトーンからブラックを除く5色が設定される。
- なお、プラグインハイブリッドモデルの発売時期が12月頃の予定に改められた。
- 2023年12月19日
- プラグインハイブリッドモデルが公式発表され、同日より発売された[11]。
- グレードは「SPORT RS」となり、プラグインハイブリッド専用装備に加え、ナビゲーションシステム連動型の電子制御サスペンションシステム「NAVI・AI-AVS」が追加され、ブレーキはフロントのベンチレーテッドディスクを20インチに大径化され、専用20インチ対向6ピストンアルミキャリパーを追加するとともに、フロント・リア共にブレーキキャリパーに赤色塗装が施された。
- 2024年10月10日
- 旗艦店「THE CROWN」(横浜都筑・福岡天神・愛知高辻・千葉中央)専用特別仕様車「SPORT RS“THE LIMITED-MATTE METAL”」を発売[12]。先に発売されたクロスオーバーの「CROSSOVER RS“THE LIMITED-MATTE METAL”」同様、ボディカラーにマットながら特殊表面処理(TMコート)で日々の手入れを楽にしたマットメタル色(1M1)を採用。インテリアには専用色のブラックラスターを採用し、インストルメントパネルには「THE LIMITED-MATTE METAL」専用のレーザー加飾を施した。また、専用アプリをインストールする事でスマートフォンを車両のキーとして使用可能にするデジタルキーを特別装備した(ベースモデルではメーカーオプション)。
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SPORT RS
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SPORT RS リア
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SPORT RS インテリア
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第100回箱根駅伝
大会本部車
脚注
- ^ なお、クロスオーバーは2024年4月の一部改良で「HEV」エンブレムへ変更された
- ^ “トヨタ、新型クラウンPHEVで約7年ぶりに急速充電機能を復活”. 日経クロステック (株式会社日経BP). (2024年2月19日) 2024年2月20日閲覧。
- ^ トヨタイムズ 2023, p. 1, 「クラウンの歴史=革新と挑戦の歴史」.
- ^ a b トヨタイムズ 2023, p. 2, 「700回の失敗を乗り越えて……」.
- ^ トヨタイムズ 2023, p. 3, 「2人の若手の奮闘により実現した、アシンメトリーな内装」.
- ^ すぎもと たかよし (2023年10月16日). “意外と似てる? トヨタ「クラウン スポーツ」を「フェラーリ・プロサングエ」「ランボルギーニ・ウルス」「アストンマーティンDBX」と比べてみた【クルマはデザインだ!】”. クリッカー. 2024年10月11日閲覧。
- ^ 佐野弘宗 (2024年2月14日). “トヨタ・クラウン スポーツZ(4WD/CVT) もっとパワーを”. WebCG. 2024年10月11日閲覧。
- ^ (日本語) 新型クラウン ワールドプレミア ライブ中継 2022年7月15日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2023年4月12日). “トヨタ、新型クラウン第2弾「スポーツ」「セダン」2023年秋ごろ発売へ 「エステート」は2024年発売予定”. Car Watch. 2023年4月13日閲覧。
- ^ 『新型クラウン(スポーツ)を発売』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2023年10月6日 。2023年10月6日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2023年12月19日). “トヨタ、新型「クラウンスポーツPHEV」発売 システム最高出力306PS、航続距離1200km以上”. Car Watch. 2023年12月19日閲覧。
- ^ クラウン専門店「THE CROWN」専用特別仕様車「SPORT RS“THE LIMITED-MATTE METAL”」 - Car Watch 2024年10月10日(2024年10月10日閲覧)
参考文献
- “クラウン スポーツの常識破りのデザインはいかに実現できたのか!?”. トヨタイムズ. トヨタ自動車株式会社 (2023年10月6日). 2024年10月11日閲覧。
関連項目
- トヨタ・クラウン
- トヨタ・クラウンセダン - 16代目クラウンシリーズのショーファー向け4ドアサルーンはこちらを参照。
- トヨタ・クラウン(エステート) - 同時に発表されたステーションワゴン型SUV
- トヨタ・クラウン(クロスオーバー) - 同時に発表された4ドアクーペ型クロスオーバーSUV