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利用者:佐藤なにが/sandbox・ラムサール条約候補地

登録名[1] 所在地[1] 日本の重要湿地500 画像 備考
声問川 北海道稚内市
猿払原野
モケウニ沼カムイト沼瓢箪沼ポロ沼猿骨沼猿払川など)
北海道宗谷郡猿払村
天塩川下流域 北海道天塩郡天塩町幌延町中川郡中川町
コムケ湖 北海道紋別市
サロマ湖 北海道北見市常呂郡佐呂間町紋別郡湧別町
能取湖 北海道網走市
網走湖 北海道網走市網走郡大空町
知床半島東部沿岸 北海道目梨郡羅臼町
615 やつひがた谷津干潟
Yatsu-higata
12千葉県習志野市
北緯35度40分 東経140度00分 / 北緯35.667度 東経140.000度 / 35.667; 140.000 (谷津干潟)
40 1993年6月10日 干潟 東京湾につながる谷津干潟は満潮時に水没され、プランクトンエビカニゴカイ、魚が生息しており、シギ類チドリ類にとっては重要な中継地である。周辺は住宅地と工業地帯である[2][3] 国指定鳥獣保護区
616 かたのかもいけ片野鴨池
Katano-kamoike
17石川県加賀市
北緯36度19分 東経136度17分 / 北緯36.317度 東経136.283度 / 36.317; 136.283 (片野鴨池)
10 1993年6月10日 淡水湖水田 加賀市の西部、日本海の海岸から約1km離れた内陸にある淡水の池と周辺の沼地からなる。池にはヒシコウホネマコモミズアオイなどが自生しており、周囲にアカマツコナラタブノキスダジイの林がある。マガモトモエガモマガンヒシクイオオタカクマタカオジロワシなどの越冬地であり、古くから坂網(投網)によるカモ猟が行われる[4][5] 国指定鳥獣特別保護地区国定公園国指定天然記念物
617 びわこ琵琶湖
Biwa-ko
25滋賀県大津市彦根市長浜市近江八幡市草津市守山市野洲市高島市米原市東近江市
北緯35度15分 東経136度04分 / 北緯35.250度 東経136.067度 / 35.250; 136.067 (琵琶湖)
65984 1993年6月10日 淡水湖低層湿原 日本最大の淡水湖、世界で3番目に古い湖である。ヨシの群落がある内湖、西の湖は2008年10月に拡大登録された。固有種としてはホンモロコビワマスビワコオオナマズなどの17種の魚類、セタシジミイケチョウガイなど約30種の淡水貝類が生息している。ガンカモ類の重要な越冬地でもある。コアユ鮒寿司の原料となるニゴロブナの漁業のほか、稚アユや淡水真珠の養殖も行われる[6][7] 国定公園国指定鳥獣保護区
820 さかた佐潟
Sakata
15新潟県新潟市
北緯37度49分 東経138度52分 / 北緯37.817度 東経138.867度 / 37.817; 138.867 (佐潟)
76 1996年3月28日 淡水湖 西区赤塚にある上潟と下潟の2つの潟湖と周辺の湿地からなる。過去は汽水湖であったが、現在は海から切り離され淡水湖となった。ヒシなどが湖を覆い、周囲に松原が生えている。冬では全面結氷しないため、コハクチョウマガンヒシクイの重要な越冬地である。古くから灌漑用水として利用され、「潟普請」(水草の刈り取り、堆積土砂の除去などの掃除)も定期的に行われた[8][9] 国指定鳥獣保護区国定公園都市公園
996 まんこ漫湖
Manko
47沖縄県那覇市豊見城市
北緯26度11分 東経127度41分 / 北緯26.183度 東経127.683度 / 26.183; 127.683 (漫湖)
58 1999年5月15日 河口干潟マングローブ林 沖縄本島南部の国場川饒波川の合流点に形成された河口干潟。海から3 km離れた内陸に位置するが、潮汐の影響を受けており、干潮時には干潟が出現する。干潟には汽水域特有の稚魚やゴカイなどの底生生物が多く生息しているため、ムナグロハマシギダイシャクシギホウロクシギクロツラヘラサギズグロカモメなど、多くのシギチドリ類が飛来する。近年はメヒルギのマングローブが拡大し、水鳥の生息場所を圧迫するため、一部の伐採が行われる[10][11] 国指定鳥獣特別保護地区
1200 ふじまえひがた藤前干潟
Fujimae-Higata
23愛知県名古屋市飛島村
北緯35度04分 東経136度49分 / 北緯35.067度 東経136.817度 / 35.067; 136.817 (藤前干潟)
323 2002年11月18日 河口干潟 伊勢湾の最奥部に注ぐ庄内川新川日光川の河口部にある干潟。植生は見られないが、絶滅危惧種エドハゼが生息するほか、ゴカイや貝類などの底生動物が豊富である。干潟は東アジア・オーストラリア地域フライウェイ沿いの重要な中継地であり、ハマシギダイゼンダイシャクシギオオソリハシシギカラフトアオアシシギサンカノゴイツクシガモコアジサシなどの鳥類が訪れる[12][13] 国指定鳥獣特別保護地区
1201 みやじまぬま宮島沼
Miyajima-numa
01北海道美唄市
北緯43度19分 東経141度43分 / 北緯43.317度 東経141.717度 / 43.317; 141.717 (宮島沼)
41 2002年11月18日 淡水湖 近くを流れる石狩川が残した小さな淡水湖で、周辺の水田のため池として利用されている。岸辺にヨシ、沼にマコモヒシが生えている。日本国内で越冬するカモ科ガンカモハクチョウなどの最も重要な中継地の1つであり、春に5万羽以上のマガンが立ち寄る[14][15] 国指定鳥獣特別保護地区
1540 あかんこ阿寒湖
Akan-ko
01北海道釧路市
北緯43度27分 東経144度06分 / 北緯43.450度 東経144.100度 / 43.450; 144.100 (阿寒湖)
1318 2005年11月8日 淡水湖カルデラ湖 活火山の雌阿寒岳雄阿寒岳の間にあるカルデラ湖で、昔の古阿寒湖が火山活動により縮小したものである。湖中には特別天然記念物マリモが北部に群生しており、ヒメフラスコモカタシャジクモシャジクモなどの希少な藻類も生息している。湖は日本最大級の淡水魚であるイトウベニザケヒメマスカワシンジュガイの重要な生息地であり、クマゲラヒグマエゾシカなどの65種の鳥類と24種の哺乳類も湖の生態系に依存している。湖の周囲の山々にはエゾマツトドマツミズナラカツラの混交林とハイマツガンコウランなどの高山植物が生えている[16][17] 国立公園
1541 あきよしだいちかすいけい秋吉台地下水
Akiyoshidai Groundwater System
35山口県美祢市
北緯34度15分 東経131度18分 / 北緯34.250度 東経131.300度 / 34.250; 131.300 (秋吉台地下水系)
563 2005年11月8日 地下水系カルスト 本州の西部に位置する日本最大のカルスト地形。嘉万ポリエに位置する1.3万haの緩やかなカルスト台地の下に秋芳洞大正洞景清洞の3つの洞窟が形成されており、地下水系が発達し、厚東川流域の地下水涵養地として機能している。台地の上には多数の石灰岩柱(カレンフェルト)と数千個のドリーネがあり、「帰り水」というウバーレには降雨により一時湖が現れることもある。洞窟内にはアキヨシシロアヤトビムシアキヨシメクラツチカニムシ、数種の貝類やキクガシラコウモリユビナガコウモリなどのコウモリが多く生息している[18][19] 国定公園
1542 ふうれんこしゅんくにたい風蓮湖春国岱
Furen-ko and Shunkuni-tai
01北海道根室市別海町
北緯43度18分 東経145度21分 / 北緯43.300度 東経145.350度 / 43.300; 145.350 (風蓮湖・春国岱)
6139 2005年11月8日 汽水湖藻場干潟砂州低層湿原 風蓮湖は根室半島の付け根にある海跡湖で、13本のが流れ込み、特に風蓮川の河口には広大な塩性湿地が発達している。南側から延びる春国岱は風蓮湖とオホーツク海を隔てており、アカエゾマツ林に覆われる年代の違う3列の古代砂丘からなる。地域にはオオハクチョウヒシクイヒドリガモスズガモキアシシギなど多くの渡り鳥が飛来し、ヘラシギオジロワシオオワシクマゲラシマフクロウタンチョウなどの希少種の鳥類が観察できる。風蓮湖にはホッキガイアサリコマイワカサギなどの漁業が行われる[20][21] 国指定鳥獣保護区野鳥保護区
1543 ほとけぬま仏沼
Hotokenuma
02青森県三沢市
北緯40度40分 東経141度22分 / 北緯40.667度 東経141.367度 / 40.667; 141.367 (仏沼)
222 2005年11月8日 低層湿原 下北半島の付け根の太平洋岸にあり、小川原湖と東側の海岸砂丘に挟まれる場所にある。元々はラグーンで、干拓事業を経て農地化の計画があったが、計画が一時停止された後は三沢市が所有する荒地となり、現在はヨシが優占種の低層湿原である。仏沼は全世界に2500羽ほどしかいないオオセッカの繁殖地として注目を集めており、オオヨシゴイチュウヒコジュリンシマクイナコヨシキリなどの草原性鳥類の繁殖地であるほか、オジロワシオオワシなどの鳥類とハッチョウトンボカラカネイトトンボゴマシジミなどの昆虫類も見られる[22][23] 国指定鳥獣保護区
1544 いむたいけ藺牟田池
Imuta-ike
46鹿児島県薩摩川内市
北緯31度49分 東経130度28分 / 北緯31.817度 東経130.467度 / 31.817; 130.467 (藺牟田池)
60 2005年11月8日 淡水湖火口湖)、低層湿原 小さな火山群に囲まれる藺牟田池は飯盛山の火口湖。湖水は流れ出した後、川内川に流れ込む。池の北西部には泥炭浮島植物群落があり、島にはツルヨシマコモヒツジグサが生える。池にはベッコウトンボオオヤマトンボマイコアカネベニトンボチョウトンボを含む多くの種類のトンボの重要な生息地であり、カルガモカイツブリなどの水鳥とメダカオイカワなどの魚類の生息地でもある[24][25] 国指定生息地等保護区国指定天然記念物
1545 かぶくりぬましゅうへんすいでん蕪栗沼・周辺水田
Kabukuri-numa and the surrounding rice paddies
04宮城県栗原市登米市大崎市
北緯38度37分 東経141度06分 / 北緯38.617度 東経141.100度 / 38.617; 141.100 (蕪栗沼・周辺水田)
423 2005年11月8日 堰止湖低層湿原水田 迫川流域の仙北平野氾濫原にある堰止湖の蕪栗沼と周辺の水田地帯からなる。かつては1,000 haを超える沼であったが、干拓により一旦水田に変わった後、うち150 haが再び沼になっている。沼にはマコモヨシヤナギのような典型的な低地性の植生が生息しており、絶滅危惧種のトネハナヤスリマイヅルテンナンショウタコノアシミズアオイが生えている。マガンオオヒシクイオオハクチョウシジュウカラガンハクガンの最大級の越冬地と中継地の1つであり、トモエガモコガモオナガガモなどのカモ類や22種のトンボと様々な淡水魚も見られる。ガンカモ類のねぐら確保などのために、冬期に田んぼに水が張られる[26][27] 国指定鳥獣保護区
1546 けらましょとうかいいき慶良間諸島海域
Keramashoto Coral Reef
47沖縄県渡嘉敷村座間味村
北緯26度12分 東経127度21分 / 北緯26.200度 東経127.350度 / 26.200; 127.350 (慶良間諸島海域)
8290 2005年11月8日 サンゴ礁 2005年に渡嘉敷島の西岸と座間味島阿嘉島間の海域の353 haの面積がラムサール条約湿地に指定されたが、2015年に慶良間諸島国立公園内の海域公園エリアの範囲である8290 haに大幅に拡大された。生物地理学的地域である琉球諸島のサンゴ礁生態系の代表として、生物多様性に富んでいる。板状、枝状、角状、塊状のミドリイシなどの造礁サンゴが水中に密集し、14科59属の248種はここで見つける。スズメダイカクレクマノミチョウチョウウオベラなど約360種の魚類の生息する場所であり、絶滅危惧種タイマイアオウミガメアカウミガメなども生息している[28][29] 国立公園海域公園
1547 くじゅうぼうがつるたでわらしつげんくじゅう坊ガツル・タデ原湿原
Kuju Bogatsuru and Tadewara-shitsugen
44大分県竹田市九重町
北緯33度06分 東経131度15分 / 北緯33.100度 東経131.250度 / 33.100; 131.250 (くじゅう坊ガツル・タデ原湿原)
91 2005年11月8日 中間湿原 霧島火山帯にある九重山の山頂付近と山麓にはミズゴケ泥炭地からなる日本最大級の山岳地帯の中層湿原がある。坊ガツル三俣山平治岳大船山に囲まれる山間の盆地にあり、タデ原は火山地形の扇状地にある。湿原にはツクシフウロシムラニンジンオオミズゴケなどの希少種を含む74種のシダ植物と493種の種子植物が生える。湿原とその周辺にヨシヌマガヤススキノリウツギクロマツミヤマキリシマなどの植物が生え、動物としてはイヌワシクマタカハヤブサが見られる。地元の人々は植生を維持するために、春に野焼きを行い、湿地の森林化を防ぐ[30][31] 国立公園
1548 くしもとえんがんかいいき串本沿岸海域
Kushimoto Coral Communities
30和歌山県串本町
北緯33度27分 東経135度46分 / 北緯33.450度 東経135.767度 / 33.450; 135.767 (串本沿岸海域)
574 2005年11月8日 サンゴ礁域のサンゴ群集 錆浦潮岬西岸、通夜島の3つの地区からなる。紀伊半島の南端に位置するが、黒潮は流れるため、造礁サンゴを中心とした熱帯生物の群集が形成している。優占種クシハダミドリイシは高い栄養生産性と地形形成力を有し、外見も美しい板状であるため、観光資源としても重要である。また、この地域はキクメイシ類も多く、通夜島は熱帯種のオオナガレハナサンゴの日本国内最大の生息地と世界最北端の分布地でもある[32][33] 吉野熊野国立公園
1549 みかたごこ三方五湖
Mikata-goko
18福井県若狭町美浜町
北緯35度34分 東経135度52分 / 北緯35.567度 東経135.867度 / 35.567; 135.867 (三方五湖)
1110 2005年11月8日 汽水湖 若狭湾に突出する常神半島の付け根にあり、梅丈岳などの緩やかな丘陵に囲まれる5つの汽水湖と淡水湖の集まり、地元では「五色の湖」と呼ばれる。湖は水路でつながっているが、塩分濃度、面積、水深が異なるため、淡水魚、汽水魚、回遊魚など多様な魚類が生息している。三方湖ハスナガブナコイフナ、モロコ、ワカサギウナギなどの淡水魚、日向湖コノシロサッパウルメイワシサヨリなどの海水魚がそれぞれ生息しており、うちハス、タモロコイチモンジタナゴ、ナガブナなどは日本の固有種である。生息する植物は主にヨシマコモヒシヒルムシロシログワイである。日向湖を除く4つの湖は水鳥とミサゴの越冬地である[34][35] 国定公園
1550 なぐらあんぱる名蔵アンパル
Nagura Amparu
47沖縄県石垣市
北緯24度23分 東経124度08分 / 北緯24.383度 東経124.133度 / 24.383; 124.133 (名蔵アンパル)
157 2005年11月8日 河口干潟マングローブ林 石垣島西部の名蔵川河口に位置するマングローブのある干潟で、典型的な亜熱帯生態系である。マングローブの樹種はオヒルギヒルギモドキヤエヤマヒルギヒルギダマシなどのヒルギ科の植物で、干潟にはゴカイアナジャコなどの底生生物、稚魚、甲殻類が生息しており、特にイシガキヌマエビコツノヌマエビヤエヤマヤマガニマングローブヌマエビコメツキガニアシハラガニシオマネキなどのエビカニが多い。また、この場所はセイタカシギアカアシシギクロツラヘラサギなどの中継地または越冬地であり、カンムリワシ八重山諸島固有亜種の生息地である[36][37] 国立公園国指定鳥獣特別保護地区
1551 なかうみ中海
Nakaumi
32, 31島根県松江市安来市
鳥取県米子市境港市
北緯35度28分 東経133度13分 / 北緯35.467度 東経133.217度 / 35.467; 133.217 (中海)
8043 2005年11月8日 汽水湖 斐伊川河口に位置する汽水湖であり、境水道を通じて日本海につながる。湖には80種の汽水魚海水魚が生息しており、東アジアのコハクチョウホシハジロキンクロハジロスズガモの個体数の1%以上が越冬などで訪れる。湖はクロソイスズキヨシエビなどの漁場で、水産資源保有地としての価値が高い[38][39] 国指定鳥獣保護区米子水鳥公園
1552 のつけはんとうのつけわん野付半島野付湾
Notsuke-hanto and Notsuke-wan
01北海道別海町標津町
北緯43度34分 東経145度16分 / 北緯43.567度 東経145.267度 / 43.567; 145.267 (野付半島・野付湾)
6053 2005年11月8日 浅海域藻場干潟塩性湿地低層湿原砂嘴 野付半島は根室海峡に突き出た釣り針型の半島で、日本最大の砂嘴である。野付湾は砂嘴と本土の間に形成された内湾で、ほとんどが1 m未満の浅海域で、アマモの藻場が生い茂っている。半島には「トドワラ」「ナラワラ」というトドマツミズナラが多く生える独特な景観がある。汀線付近に干潟と塩性湿地が広がり、甲殻類、貝類、魚類、ゴカイなどが多く生息する。タンチョウアカアシシギなどが中継地または繁殖地としてこの地を訪れ、うちキアシシギオオハクチョウコクガンヒドリガモスズガモホオジロガモの個体数は地域全体の1%以上である。塩性湿地の主な植生はテンキグサで、砂丘はハマナスシロツメクサに覆われている。アマモ、ガラメアラメの藻場は魚介類とホッカイシマエビの重要な産卵場、生育場である[40][41] 国指定鳥獣保護区
1553 おくにっこうのしつげん奥日光の湿原
Oku-Nikko-shitsugen
09栃木県日光市
北緯36度46分 東経139度25分 / 北緯36.767度 東経139.417度 / 36.767; 139.417 (奥日光の湿原)
260 2005年11月8日 高層湿原中間湿原淡水湖 男体山白根山などの山々に囲まれる湯ノ湖湯川戦場ヶ原小田代ヶ原で構成され、平均標高は1,400 mである。湯ノ湖は手付かずの状態にある淡水湖で、南側の湯川の流出口には湯滝アズマシャクナゲの群落がある。その下流部の戦場ヶ原は本州最大級の湿原の1つで、ワタスゲレンゲツツジホザキシモツケなど100種以上の沼地植物が生えている。小田代ヶ原にはアヤメノハナショウブウマノアシガタニッコウアザミが生えており、湿原と草地の両方の植生の特徴を示している。この地域は夏鳥、特にオオジシギノビタキの重要な繁殖地である。冬にもマガモヒドリガモキンクロハジロミコアイサなど、多くの渡り鳥が訪れる[42][43] 国立公園
1554 おぜ尾瀬
Oze
07, 15, 10福島県檜枝岐村
新潟県魚沼市
群馬県片品村
北緯36度55分 東経139度13分 / 北緯36.917度 東経139.217度 / 36.917; 139.217 (尾瀬)
8711 2005年11月8日 高層湿原淡水湖 尾瀬ヶ原湿原、尾瀬沼御池田代湿原とその周辺の燧ケ岳至仏山などの山や森林で構成されている。尾瀬ヶ原は本州最大の高層湿原であり、新潟県、群馬県、福島県の県境に広がる760 haの平坦な盆地(標高1,400 m)で保水力が高い。この場所にはホロムイスゲツルコケモモミカヅキグサワタスゲニッコウキスゲミズバショウなどの湿原植物と絶滅危惧種カタシャジクモが生え、トンボや甲虫類、そして多くの渡り鳥が生息し、生物多様性が豊かである[44][45] 日光国立公園尾瀬国立公園
1555 さろべつげんやサロベツ原野
Sarobetsu-genya
01北海道豊富町幌延町
北緯45度04分 東経141度42分 / 北緯45.067度 東経141.700度 / 45.067; 141.700 (サロベツ原野)
2560 2005年11月8日 高層湿原中間湿原低層湿原淡水湖 北海道の北端にある広大な泥炭湿原で、平地の湿原として日本最大級の高層湿原の1つである。湿原を流れるサロベツ川は水位の変動が少なく、養分が不足しているため、高層湿原の形成に理想的な条件となっている。湿原の中央部にはホロムイイチゴイボミズゴケホロムイソウミカヅキグサナガバノモウセンゴケウツクシミズゴケヌマガヤホロムイスゲの群落が同心円状に発達しており、南部にはペンケ沼パンケ沼などがある。区域内はシマアオジなどの繁殖地であり、東アジアオオヒシクイコハクチョウの個体数の1%以上がここで生息している。湿原にはツルコケモモワタスゲユリモウセンゴケヒメシャクナゲエゾカンゾウタテヤマリンドウなど100種以上の植物が生えており、季節により様々な花を見ることができる[46][47] 国立公園国指定鳥獣保護区サロベツ原生花園
1556 しんじこ宍道湖
Shinji-ko
32島根県松江市出雲市
北緯35度25分 東経132度58分 / 北緯35.417度 東経132.967度 / 35.417; 132.967 (宍道湖)
7652 2005年11月8日 汽水湖 斐伊川水系の下流部にある日本で7番目に大きい湖で、東部に嫁ヶ島がある。汽水湖だが、塩分濃度は海の10%(下流部の中海は50%)であるため、淡水性と海水性の両方の生物が生息する。日本固有種シンジコハゼヤマトシジミなど、80種の汽水域魚介類の生息地である。年間に2万羽以上のキンクロハジロ、5千羽以上のスズガモが訪れ、マガンコハクチョウなどのカモ科の鳥類の最大級の越冬地・飛来地の1つである。宍道湖でのヤマトシジミの漁獲量は日本の総漁獲量の40%以上を占めており、スズキモロゲエビウナギワカサギシラウオなどと共に「宍道湖七珍」の1つに数えられる[48][49] 国指定鳥獣保護区
1557 とうふつこ濤沸湖
Tofutsu-ko
01北海道網走市小清水町
北緯43度55分 東経144度24分 / 北緯43.917度 東経144.400度 / 43.917; 144.400 (濤沸湖)
900 2005年11月8日 汽水湖 北海道東部のオホーツク海沿岸の低地にある汽水湖(ラグーン)で、コアマモの藻場が形成され、古くからスジエビヤマトシジミカキなどの漁業が行われる。オオシバナホソバノシバナエゾツルキンバイなどが生える塩性湿原が発達しており、特に秋に発達する赤いアッケシソウの群落が有名である。一方、淡水湿地帯にはヨシヤラメスゲヌマガヤヤチヤナギの群落やハンノキ林が分布している。また、年間に6万羽以上のヒシクイオオハクチョウヒドリガモミコアイサウミアイサなどのカモ科の鳥類が訪れる重要な中継地の1つであり、タンチョウシマアオジの繁殖地とオジロワシオオワシの越冬地でもある。湖とオホーツク海を隔てる砂丘上には湿原植生群落の小清水原生花園があり、ハマナスエゾスカシユリエゾキスゲなどが生えており、春には野焼きが行われる[50][51] 国指定鳥獣保護区国定公園
1558 うりゅうぬましつげん雨竜沼湿原
Uryunuma-shitsugen
01北海道雨竜町
北緯43度42分 東経141度36分 / 北緯43.700度 東経141.600度 / 43.700; 141.600 (雨竜沼湿原)
624 2005年11月8日 高層湿原 尾瀬に次ぐ日本で2番目に大きな山岳地帯の高層湿原で、暑寒別岳の東側斜面に広がる。中央部をペンケペタン川が流れ、平均降雪量は3 m以上で、春の雪解けにより大量な淡水が補充される。北日本の湿地帯の中で最も多様な植物群落を有し、約150種の植物が生える。湿原にはヌマガヤイボミズゴケホロムイスゲホロムイソウミカヅキグサウツクシミズゴケエゾカンゾウヒオウギアヤメタチギボウシ池塘にはホソバウキミクリカラフトカサスゲミツガシワカキツバタなどの水生植物、川沿いにはイワノガリヤスコバイケイソウなどが生える。この湿原の最大の特徴は、水草からなる浮島と沼地のある100以上の池が点在しており、ベニヒカゲエゾヒメギフチョウなどの希少なチョウエゾルリイトトンボなどの昆虫が生息し、夏にはユリなどの花が咲く[52][53] 国定公園
1559 やくしまながたはま屋久島永田浜
Yakushima Nagata-hama
46鹿児島県屋久島町
北緯30度24分 東経130度25分 / 北緯30.400度 東経130.417度 / 30.400; 130.417 (屋久島永田浜)
10 2005年11月8日 砂浜海岸 屋久島北西部の砂浜「前浜」「いなか浜」「四ツ瀬浜」からなる。永田川の河口付近の断崖に囲まれるこの砂浜はアカウミガメの産卵場と中継地であり、2005年には合計2799頭が記録され、うち1394頭がここで営巣した。1985年にNGO屋久島うみがめ館が設立される。付近に樹齢1000年以上の屋久杉が生える森林があり、植生の垂直分布が見られる[54][55] 世界遺産屋久島」、国立公園
1842 ひょうこ瓢湖
Hyo-ko
15新潟県阿賀野市
北緯37度49分 東経139度13分 / 北緯37.817度 東経139.217度 / 37.817; 139.217 (瓢湖)
24 2008年10月30日 貯水池ため池 江戸時代初めの1639年に作られた灌漑用ため池で、阿賀野川が蛇行する新潟平野の北東部の旧水原町に位置する。大通川が水を供給している鳥獣保護区であり、1991年に東新池、2000年にさくら池とあやめ池が新たに造成され、全体として約30 haの瓢湖水きん公園となった。江戸時代から殺生禁制の池で、オオワシトモエガモオナガガモマガモコガモホシハジロなどの鳥類が訪れ、うちコハクチョウが年間6千羽を超える。この湿地は100種の鳥類の越冬地であるほか、オニビシハスヨシマコモなどの水生植物と魚類の生息地としての機能も有する[56][57] 国指定天然記念物国指定鳥獣特別保護地区
1843 けじょぬま化女沼
Kejo-numa
04宮城県大崎市
北緯38度37分 東経140度57分 / 北緯38.617度 東経140.950度 / 38.617; 140.950 (化女沼)
34 2008年10月30日 ダム湖淡水湖 江合川流域の田尻川支流の長者川に位置する洪水調整と灌漑用水用の治水ダム湖。元々は自然の沼であったが、300年以上前に農業用のため池に改造され、1995年にダムが完成した。この湖にはハスマコモヒシなどの水生植物が繁茂し、絶滅危惧種オオワシトモエガモシジュウカラガンのほか、国の保護リストにある13種の鳥類と28種の植物の生息地である。ハクチョウガンカモ類の日本有数の越冬地で、うちマガンヒシクイの東アジアの個体数が1%を超えている。一方、オオクチバスブルーギルの放流により、在来魚の個体数が減少している。なお、指定区域内には国指定の史跡・宮沢遺跡がある[58][59] 国指定鳥獣特別保護地区国指定生息地等管理地区
1844 おおやまかみいけしもいけ大山上池・下池
Oyama Kami-ike and Shimo-ike
06山形県鶴岡市
北緯38度43分 東経139度45分 / 北緯38.717度 東経139.750度 / 38.717; 139.750 (大山上池・下池)
39 2008年10月30日 淡水湖ため池 400年前に作られた灌漑用の淡水ため池で、東側に庄内平野が広がり、西には八森山高館山などの海岸丘陵がある。一帯は天領として森林の伐採が禁じられてきたため、ブナなどの広葉樹林が残され、様々な水生植物、魚類、鳥類、トンボチョウなどの希少種が生息する。この湖は、絶滅危惧種オオワシトモエガモのほか、2万羽以上のマガンヒシクイマガモコガモハクチョウなどのカモ科の鳥類が生息しており、うちマガモとコハクチョウの個体数が1%を超えている。また、18種の魚類の生息地でもある。上池はハスの栽培に使用されており、両池周辺にミズバショウカタクリ、紅葉が見られる[60][61] 国指定鳥獣特別保護地区国指定生息地等管理地区
1845 くめじまのけいりゅうしっち久米島渓流湿地
Streams in Kume-jima
47沖縄県久米島町
北緯26度22分 東経126度46分 / 北緯26.367度 東経126.767度 / 26.367; 126.767 (久米島の渓流・湿地)
255 2008年10月30日 渓流季節的・一時的な小河川 主に久米島の大岳宇江城岳から流れる浦地川白瀬川などの小川で構成されており、アマミヤマシギキクザトサワヘビリュウキュウヤマガメクメトカゲモドキクメジマボタルクメジマミナミサワガニクメジマハイリュウキュウアカガエルカラスバトキバラヨシノボリクメジマオオサワガニクメジマカブトムシクメジマノコギリクワガタクメジママイマイリュウキュウヒダリマキマイマイオモロヤマタカマイマイなどの絶滅危惧種といくつかの固有種の生息地である。植生はボチョウジオキナワジイリュウキュウマツ優占種である。指定区域内にある宇江城城跡は国指定の史跡である。周辺のコミュニティは小川の水を利用して酒を醸造する[62][63] 国指定生息地等保護区国指定生息地等管理地区
2054 あらおひがた荒尾干潟
Arao-higata
43熊本県荒尾市
北緯32度58分 東経130度25分 / 北緯32.967度 東経130.417度 / 32.967; 130.417 (荒尾干潟)
754 2012年7月3日 干潟 有明海中央部の東側に位置する砂質の干潟で、中部黒潮生物地理学的地域内で最大の干潟。この干潟はシロチドリキアシシギダイゼントウネンソリハシシギメダイチドリハマシギオオソリハシシギなどのシギチドリ類の重要な越冬地および中継地であり、ゴカイ類、貝類、小型の甲殻類などの底生生物が生息する。絶滅危惧種クロツラヘラサギズグロカモメツクシガモが飛来し、うちズグロカモメの全世界の個体数の1%以上がここで生息する。指定区域内では海苔の養殖とアサリ採りが行われ、夏には荒尾市主催のマジャクの釣り大会も開催される[64][65] 国指定鳥獣保護区
2055 まるやまがわかりゅういきしゅうへんすいでん円山川下流域・周辺水田
Lower Maruyama River and the Surrounding Rice Paddies
28兵庫県豊岡市
北緯35度36分 東経134度50分 / 北緯35.600度 東経134.833度 / 35.600; 134.833 (円山川下流域・周辺水田)
1094 2012年7月3日 中礫海岸河口域永久的河川湖沼灌漑 指定区域は円山川の河口、豊岡大橋より下流部の16 kmの円山川本流と周辺の水田、そして自然再生事業の一環として設立されたハチゴロウの戸島湿地出石川との合流点付近にある加陽湿地からなる。生物地理学的地域内で絶滅した後、1955年に絶滅危惧種コウノトリの再導入に成功したことで有名である。指定区域内とその周辺でのコウノトリの個体数は増加しており、水田の冬期湛水中干時期の延期などにより周辺地域での採餌および営巣も観察できる。保護を強化するために、指定区域は2018年に560 haから1094 haに拡張された。また、この湿地は全国的に個体数が少ないニホンウナギキタノメダカアユカケを含む、様々な魚類の産卵場と生育場であり、コウノトリの餌であるトノサマガエルドジョウの生息地でもある[66][67] 一級河川国立公園国指定鳥獣特別保護地区
2056 みやじま宮島
Miyajima
34広島県廿日市市
北緯34度14分 東経132度16分 / 北緯34.233度 東経132.267度 / 34.233; 132.267 (宮島)
142 2012年7月3日 砂浜海岸塩性湿地河川 広島湾北西部の瀬戸内海国立公園内の宮島に厳島神社があり、その最高峰の弥山の山頂付近に原生林があるほか、島の南西部には砂浜と潮間帯からなる自然の潮汐湿地がある。護岸保護工事で失われた瀬戸内海沿いの他の海岸と比べると保存状態は良好であり、湿地と周辺にはハマゴウヒトモトススキコテリハキンバイが多く生える。弥山からの湧き水は海水に流入し混ざり合い、日本でこの地でしか見られないIUCNレッドリスト登載種のミヤジマトンボの生息に適する汽水域を形成しており、周辺にカキの養殖が盛んである[68][69] 世界遺産厳島神社」、国立公園特別史跡特別名勝
2057 なかいけみしっち中池見湿地
Nakaikemi-shicchi
18福井県敦賀市
北緯35度39分 東経136度05分 / 北緯35.650度 東経136.083度 / 35.650; 136.083 (中池見湿地)
87 2012年7月3日 低層湿原水田 日本の混交林生物地理学的地域内において、このタイプの低湿地はまれである。天筒山中山深山の3つの山に囲まれる湿地中央部の泥炭堆積物の深さは約40 mで、過去5万年間の気候と植生の変化の貴重な記録である。また、江戸時代には稲作用に開発され、後に改良されることなく、「深田」と呼ばれるぬかるみが深い湿田として使われてきたが、現在は湿地保全のため、全体の耕作は中止している。この地域には2000種以上の動植物が生息し、生物多様性ホットスポットでもある。ミズニラデンジソウサンショウモオオアカウキクサの水生植物やキイロサナエサラサヤンマなどのトンボナカイケミヒメテントウというテントウムシのほか、IUCNによって脆弱に分類されるノジコもここで生息している[70][71] 国定公園
2058 おおぬま大沼
Onuma
01北海道七飯町
北緯42度00分 東経140度40分 / 北緯42.000度 東経140.667度 / 42.000; 140.667 (大沼)
1236 2012年7月3日 淡水湖 渡島半島の東部、駒ケ岳の南麓にあるこの地域には、大沼、小沼蓴菜沼などの淡水湖。宿野辺川軍川などが流入し、流出河川は折戸川で、互いに「セバット」と呼ばれる水路でつながっている。これらの湖群は1640年の北海道駒ヶ岳の大噴火により形成した堰き止め湖である。池の中には「流れ山」と呼ばれる120以上の島があり、独特な景観を呈している。周辺の森林は現在、日本最北限のブナ優占種であり、湖とその周辺にネムロコウホネミクリタヌキモジュンサイなどの植物、バンオオバンクイナカモなどの水鳥、ワカサギなどの魚類、オオワシオオタカクマゲラウズラアカショウビンなどの鳥類、カワエビなどの甲殻類、ダイコクコガネなどの昆虫が生息・飛来する。また、この湖は極北圏と本州の両方に近いため、貝類の多様性にも富んでいる[72][73] 国定公園
2059 たてやまみだがはらだいにちだいら立山弥陀ヶ原大日平
Tateyama Midagahara and Dainichidaira
16富山県立山町
北緯36度34分 東経137度32分 / 北緯36.567度 東経137.533度 / 36.567; 137.533 (立山弥陀ヶ原・大日平)
574 2012年7月3日 雪田草原渓谷 立山の過去の火山活動により形成された平坦な溶岩台地に広がる高山湿地。これらの雪渓の草地には雪解けの水と雨水によって涵養された、「餓鬼の田」と呼ばれる約1000の浅い池塘がある。指定区域内には称名渓谷と日本一高い滝の称名滝があり、植生はショウジョウスゲミヤマイヌノハナヒゲヌマガヤなどによる湿原植生があり、イワイチョウモウセンゴケネバリノギランコイワカガミシロウマチドリダケスゲなどが多く生えている。池塘の中にはミヤマホタルイの群落が見られ、高地にはハッコウダゴヨウオオコメツツジなどの風衝地の低木林やオオシラビソミネカエデチマキザサが生えている。鳥類では絶滅危惧種ライチョウカッコウホオジロの生息地・越冬地であり、数種の高山チョウ類カオジロトンボの越冬地となっている。指定区域は中部山岳国立公園の特別保護地区の範囲と一致しており、厳重に保護されている。また、立山は山岳信仰の対象であり、称名滝も滝の轟音が称名念仏の声によく似たことにちなんで名付けられたと言われ、宗教的にも重要な場所である[74][75] 国立公園国指定名勝国指定天然記念物国指定鳥獣保護区
2060 とうかいきゅうりょうゆうすいしっちぐん東海丘陵湧水湿地群
Tokai Hilly Land Spring-fed Mires
23愛知県豊田市
北緯35度05分 東経137度12分 / 北緯35.083度 東経137.200度 / 35.083; 137.200 (東海丘陵湧水湿地群)
23 2012年7月3日 湧水湿地 豊田市の市街地に程近い3つの集水域(上高恩真寺矢並)にあり、標高100〜300 mの6つの小さな貧栄養湧水湿地群であるが、水文学的には地下水脈を介して矢作川流域とつながっている。他地域の湧水湿地は土地開発により消滅したが、この地域の湿地は良好な状態で残っている。これらの湿地には、東海地方の丘陵地の貧栄養状態に適応するシラタマホシクサミカワシオガマシデコブシミカワバイケイソウなどの珍しい固有種ウンヌケなどの大陸系の隔離分布種の植物が数多く生えており、日本最小のハッチョウトンボなどのトンボヒメタイコウチホトケドジョウなどの希少な動物も生息している。シラタマホシクサ、ミカワシオガマとトウカイコモウセンゴケはこれらの湿地にしか分布していないため、地元では「東海丘陵要素植物群」と呼ばれる[76][77] 国定公園
2061 わたらせゆうすいち渡良瀬遊水地
Watarase-yusuichi
08, 09, 10, 11茨城県古河市
栃木県栃木市小山市野木町
群馬県板倉町
埼玉県加須市
北緯36度14分 東経139度41分 / 北緯36.233度 東経139.683度 / 36.233; 139.683 (渡良瀬遊水地)
2861 2012年7月3日 低層湿原、人工湿地 東京から北側60 km離れた関東平野のほぼ中央にある渡良瀬川巴波川思川の合流点付近にあり、主に治水のために作られた、堤防に囲まれている人造湖[注 1]遊水池)。足尾鉱毒事件で廃村となった谷中村の跡地にあり、日本の常緑樹林生物地理学的地域におけるヨシ優占種である低湿地の代表である。広大なヨシ原はこの生物地理学的地域で最大級の1つであり、トネハナヤスリタチスミレオオヨシキリセッカなどの動植物も生息している。冬にはカモ科ホオジロ科、そしてチュウヒなどの猛禽類の越冬地となり、近年ではコウノトリも見られる。この池には重要な治水機能があり、上流の河川から流入する洪水を遅らせ、下流の利根川にゆっくりと放流する[78][79] 国指定鳥獣保護区
2062 よなはわん与那覇湾
Yonahawan
47沖縄県宮古島市
北緯24度45分 東経125度16分 / 北緯24.750度 東経125.267度 / 24.750; 125.267 (与那覇湾)
704 2012年7月3日 浅海域潮下帯域干潟 宮古島の南西部に位置する湾。湾内には同島で最も大きい、琉球諸島でも最大級の干潟がある。沿岸域にメヒルギなどのマングローブ、陸域にアダンオオハマボウの群落があり、リュウキュウスガモベニアマモシオニラボウバアマモで形成される広大な藻場を有している。メダイチドリクロサギエリグロアジサシキンバトサシバ絶滅危惧種ヘラシギタンチョウコウノトリクロツラヘラサギツクシガモセイタカシギアカアシシギハシブトアジサシなど、多数の鳥類は採餌や繁殖のためにこの場所を訪れる。また、絶滅危惧種のタイマイアカウミガメアオウミガメミヤコカナヘビミヤコヒメヘビミヤコヒバァなどの多くの爬虫類やヤシガニも湾の周辺に生息している。湾内に魚介類や海藻類の漁業と海ブドウの養殖が盛んである。西側のサニツ浜では浜下り宮古馬による浜競馬相撲系の宮古角力などの伝統行事も行われる[80][81] 国指定鳥獣特別保護地区
2232 ひぬま涸沼
Hinuma
08茨城県鉾田市茨城町大洗町
北緯36度16分 東経140度30分 / 北緯36.267度 東経140.500度 / 36.267; 140.500 (涸沼)
935 2015年5月28日 汽水湖 大洗海岸から5km離れた内陸にある関東地方最大の汽水湖。約6000年前の海面上昇により出現した入り江であったが、土砂の堆積により海跡湖となった。海水は満潮の時に那珂川涸沼川を通じて、河口から10 km上流にある涸沼に流れ込み、淡水と混じり合う。ヨシ原タコノアシオオクグミズアオイなどの植物の群落があり、絶滅危惧種ヒヌマイトトンボオオワシなどが生息している。涸沼では88種以上の鳥類が観察されており、冬にはマガモスズガモなどのカモ類が採餌や就塒のために飛来する。特に涸沼で越冬するスズガモの個体数は年平均約5000羽と推定されており、東アジアの個体数の1%以上を占めている。また、涸沼にはヤマトシジミマハゼワカサギなどの水産物が生息しており、「たかっぽ」「笹浸し」などの伝統的な漁法と伝統的な釣り竿涸沼竿」の伝承がある[82][83] 国指定鳥獣特別保護地区
2233 よしがだいらしっちぐん芳ヶ平湿地群
Yoshigadaira Wetlands
10群馬県中之条町草津町
北緯36度38分 東経138度34分 / 北緯36.633度 東経138.567度 / 36.633; 138.567 (芳ヶ平湿地群)
887 2015年5月28日 中間湿原火口湖池沼河川 芳ヶ平湿地群は本州の中心部に位置する活火山の草津白根山の北東側にある。この湿地は火山活動によって形成された難透水層、窪地、クレーターの上で発達した湿原、池、湖、小川の複合体であり、特に火山活動に由来する高温や硫化水素などの酸性の火山ガスの影響により、水域の温度と酸性度は他の地域より高いという特徴を有する。穴地獄の水のpH値は 2.6〜2.8で、鉄分と硫黄の含有量も高いが、水生苔類の1種であるチャツボミゴケ東アジアで最大級の群落がある。草津白根山の火口湖である湯釜の水はさらに酸性が強く、pH値は 1.0〜1.2でしかないため、周辺に植生はほとんどない。周辺の火山地域とは異なり、芳ヶ平湿地と大平湿地にはヌマガヤツルコケモモヤチスゲシラビソササワタスゲミズバショウなどの植生がある。芳ヶ平湿地周辺の地中熱が豊富であるため、標高2,000 m以上、冬の気温が-15℃以下にもかかわらず、野生動物は湿地の暖かい水により生き抜くことができる。芳ヶ平湿地のモリアオガエルの繁殖地は、世界で最も標高が高い2,150 mの場所にある。湿地群にはホソカワモズクヒメミズニラミサゴクロサンショウウオなどの絶滅危惧種を含む動植物が生息し、樹林帯にある平兵衛池大池水池にはフトヒルムシロ、ヒメミズニラなどの抽水植物が生える[84][85] ユネスコ生物圏保護区国立公園
2234 ひがしよかひがた東よか干潟
Higashiyoka-higata
41佐賀県佐賀市
北緯33度10分 東経130度15分 / 北緯33.167度 東経130.250度 / 33.167; 130.250 (東よか干潟)
218 2015年5月28日 干潟 東よか干潟は有明海最奥部の北岸にある本庄江八田江の河口部の泥干潟。干潟には赤いシチメンソウの群落があり、渡り鳥の重要な中継地と越冬地である。秋から春にかけて約7000羽のシギチドリ類が訪れ、うちダイゼンフライウェイ全個体数の1%以上が記録されている。また、絶滅危惧種ヘラシギクロツラヘラサギおよび個体数が減少しているホウロクシギズグロカモメなどの水鳥も生息しており、特にズグロカモメのフライウェイ全個体数の1%以上がここで出現する。干潟にはムツゴロウワラスボシオマネキトビハゼなどの底生生物が多く生息し、地域特有のタカッポむつかけなどの伝統的な漁法が行われる。閉鎖性が高い有明海周辺の広大な干潟は埋め立てと堤防の建設により面積が縮小しつつあるが、現在も日本の干潟の総面積の40%に相当するものが存在している[86][87] 国指定鳥獣特別保護地区
2235 ひぜんかしまひがた肥前鹿島干潟
Hizen Kashima-higata
41佐賀県鹿島市
北緯33度06分 東経130度07分 / 北緯33.100度 東経130.117度 / 33.100; 130.117 (肥前鹿島干潟)
57 2015年5月28日 干潟 肥前鹿島干潟は有明海西岸の塩田川鹿島川の河口に発達した泥干潟。中部黒潮生物地理学的地域の一部であるが、有明海の湾口から約100 km離れている最奥部に当たるため、水は海水ではなく汽水である。干潟は渡り鳥にとって重要であり、ズグロカモメホウロクシギチュウシャクシギツクシガモ絶滅危惧種クロツラヘラサギの重要な中継地および越冬地であり、特にズグロカモメ、クロツラヘラサギとチュウシャクシギのフライウェイ全個体数の1%以上がここで生息している。干潟にはムツゴロウワラスボハゼクチシオマネキなどの底生生物が多く生息し、潟スキーを用いてむつかけスボカキタカッポなどの伝統的な漁法が行われる[88][89] 国指定鳥獣特別保護地区
2357 かさいかいひんこうえん葛西海浜公園
Kasai Marine Park
13東京都江戸川区
北緯35度37分 東経139度51分 / 北緯35.617度 東経139.850度 / 35.617; 139.850 (葛西海浜公園)
366.9 2018年10月18日 潮間帯泥質砂質塩生干潟 東京湾荒川旧江戸川の河口にある汽水湿地。昔は広い干潟が存在し、海苔の養殖やアサリハゼ等の沿岸漁業が盛んに行われたが、1989年に残存干潟の保護として「葛西海浜公園」が開園した。西なぎさと東なぎさと呼ばれる人工の砂浜が特徴で、U字型の導流堤を設置することにより付近に干潟が形成し、東なぎさには天然干潟の三枚洲もつながっている。西なぎさはレジャー向けの区域に指定されているが、東なぎさは野生生物の生息地を提供する鳥獣保護区である。干潟には二枚貝甲殻類多毛類などの多くの生物が生息し、魚類の産卵場と稚魚の生育場でもある。一帯は河口に位置するため、マルタニゴイなどの淡水魚やスズキアユなどの回遊魚も見られる。なぎさにはテリハノイバライソヤマテンツキ等の海岸植生が見られる。スズガモカンムリカイツブリは越冬のために訪れるほか、コアジサシマガモヒドリガモキンクロハジロなどのカモ科の鳥類の生息地でもあり、合計126種の鳥類を観察することができる。高度に発達した都市的地域における生物多様性の保全における重要な湿地であり、自然環境と都市の環境が共存する代表例となっている[90][91] 国指定鳥獣特別保護地区
2358 しづがわわん志津川湾
Shizugawa-wan
04宮城県南三陸町
北緯38度40分 東経141度31分 / 北緯38.667度 東経141.517度 / 38.667; 141.517 (志津川湾)
5793 2018年10月18日 海洋潮下帯域(水中植生 三陸海岸の南部に位置する志津川湾には荒島椿島などの島が点在する。複雑なリアス式海岸は谷が水没されたことにより形成された地形であるため、多くの岬と入り江を特徴としており、潮汐の影響によりサンゴ礁沈泥地干潟など、様々な生物の生息地も形成される。志津川湾は冷たい親潮と暖かい黒潮津軽の3つの海流がぶつかる地点の付近にあるため、コンブアラメガラモアマモスゲアマモタチアマモスガモなどの208種の海藻海草など多様な植生が見られ、温水と冷水のコンブが1か所に生えることもある。このような珍しい環境は553種の動物に生息地または餌場を提供している。この湾は豊富な藻類、植物と動物を有するため、いずれも天然記念物に指定されているコクガンオジロワシオオワシの越冬地になっており、コクガンが日本で生息する最南限の越冬地でもある。志津川湾では古くからワカメカキギンザケなどの養殖が盛んに行われる。2011年の地震による津波は湾内の藻場に大きな影響を与えたが、着実に回復している[92][93] 国立公園
2462 いずみつるのえっとうち出水ツルの越冬地
Izumi Wintering Habitat of Cranes
46鹿児島県出水市
北緯32度06分 東経130度16分 / 北緯32.100度 東経130.267度 / 32.100; 130.267 (出水ツルの越冬地)
478 2021年11月18日 河口域、季節的に冠水する農地 高尾野川野田川江内川が流れる出水平野沖積扇状地)の終端に位置する。主に干拓地の水田からなるが、河口の開放水域や干潮時に現れる砂州もツルの越冬地の一部である。日本国内の650種の野鳥のうち、約300種がこの地域で生息している。世界のナベヅルの個体数の9割、マナヅルの個体数の4割にとって重要な越冬地であり、クロヅルソデグロヅルカナダヅルタンチョウアネハヅルなどのツル類の渡来も確認されており、ホシハジロの生息地でもある[94][95] 特別天然記念物国指定鳥獣保護区国指定鳥獣特別保護地区

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 人造湖といっても、かつてはこの地に、赤麻沼・石川沼・赤渋沼・前原沼などといった沼が存在していた。

出典

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  1. ^ a b 環境省_ラムサール条約と条約湿地_日本の条約湿地”. www.env.go.jp. 2021年7月14日閲覧。
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  10. ^ Manko Ramsar Sites Information Service.
  11. ^ 漫湖『日本のラムサール条約湿地』環境省 p.60.
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  14. ^ Miyajima-numa Ramsar Sites Information Service.
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