「第16回参議院議員通常選挙」の版間の差分
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2021年12月4日 (土) 11:42時点における版
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第16回参議院議員通常選挙(だい16かいさんぎいんぎいんつうじょうせんきょ)は、1992年(平成4年)7月26日に日本で行われた国会(参議院)議員の選挙である。
概説
宮澤内閣の初の国政選挙であった。前回の参議院議員選挙で自民党は36議席と惨敗し大きく議席を減少させていたことから、比較第1党の維持が焦点であった。同年に入り、宮沢派事務総長であった阿部文男・元北海道開発庁長官の逮捕や佐川急便事件などの影響で内閣支持率は20~30%台に低迷し、不支持率が大きく上回る状態が続いていたが、竹下派の尽力もあって、政権はPKO国会を乗り切っていた。その直後のタイミングであり、PKO協力法が大きな争点となった。更に、結党直後の日本新党がどれだけ議席を伸ばすかにも注目が集まった。
選挙の結果、自民党は69議席を獲得して党勢の復調ぶりを見せ、第1党の座を維持したが、単独で参議院の過半数を制するには至らなかった。一方で、直近の参院選・衆院選で躍進していた日本社会党は大きく議席を減少させた。また、前回参院選で大きく躍進した連合の会(連合参議院)は、1人も当選させられなかった。
社会党停滞の原因の1つに、PKO協力法に反対する社会党・社会民主連合と、賛成する公明党・民社党・連合の会の間で対立が激化し、選挙協力が進まなかったことがある。東京都選挙区では、PKO協力法賛成を公然と掲げる森田健作が社・民・連・連合4党派の推薦候補となったが、森田の政策・政治姿勢に反対する社会党(主に左派)支持者は弁護士の内田雅敏を支援した。広島県選挙区でも、連合の会に反発した社会党左派を中心に「護憲・ヒロシマの会」が結成され、後に新社会党委員長となる栗原君子を擁立、当選させている。
この選挙からおよそ1年後に自民党は衆議院で単独過半数を失い、日本新党代表の細川護煕を首相とする内閣が成立したことで自民党は結成から初めて野党となり、38年間に及ぶ55年体制は崩壊した。
選挙データ
内閣
宮澤内閣(第78代)
公示日
投票日
- 1992年(平成4年)7月26日
改選数
選挙制度
- 選挙区
- 比例区
- 拘束名簿式比例代表制 ‐ 選出数50
主な争点
- 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(PKO協力法)の是非
選挙結果
投票率
当日有権者数:93,254,025名
- 50.7%
- ※ 自治省集計
議席数
比例代表区 | 選挙区 | 合計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
得票数 | % | 当選 | 得票数 | % | 当選 | ||
自由民主党 | 14,961,199 | 33.29 | 19 | 20,528,293 | 45.23 | 50 | 69 |
日本社会党 | 7,981,726 | 17.76 | 10 | 7,147,140 | 15.75 | 12 | 22 |
公明党 | 6,415,503 | 14.27 | 8 | 3,550,060 | 7.82 | 6 | 14 |
連合参議院 | 4,399,684 | 9.69 | 0 | 0 | |||
日本共産党 | 3,532,956 | 7.86 | 4 | 4,817,001 | 10.61 | 2 | 6 |
民社党 | 2,255,423 | 5.02 | 3 | 1,896,986 | 4.18 | 1 | 4 |
日本新党 | 3,617,246 | 8.05 | 4 | 4 | |||
スポーツ平和党 | 1,375,791 | 3.06 | 1 | 1 | |||
二院クラブ | 1,321,639 | 2.94 | 1 | 1,220,752 | 2.69 | 1 | |
社会民主連合 | 671,954 | 1.49 | 0 | 0 | |||
進歩党 | 348,264 | 0.77 | 0 | ||||
諸派 | 2,815,620 | 6.26 | 0 | 729,587 | 1.61 | 2 | 0 |
無所属 | 745,420 | 1.64 | 4 | 4 | |||
合計 | 44,948,697 | 50 | 45,383,187 | 77 | 127 | ||
棄権・無効 | 48,305,328 | 47,870,838 |
区分 | 政党 | 改選 | 非改選 | 計 |
---|---|---|---|---|
与党 107 |
自由民主党 | 68 | 39 | 107 |
野党 136 |
日本社会党 | 22 | 49 | 71 |
公明党 | 14 | 10 | 24 | |
日本共産党 | 6 | 5 | 11 | |
民社党 | 4 | 5 | 9 | |
日本新党 | 4 | 0 | 4 | |
連合参議院 | 0 | 11 | 11 | |
第二院クラブ | 1 | 1 | 2 | |
スポーツ平和党 | 1 | 1 | 2 | |
諸派 | 2 | 0 | 2 | |
無所属 | 4 | 5 | 9 | |
合計 | 126 | 126 | 252 |
- 出所:<データ>国会議員選挙の結果、第16回参議院選挙。石川真澄著『戦後政治史 新版』岩波新書、266~267頁。
- 注:なお自民党と社会党、民社党の選挙区得票については無所属推薦候補の得票も含めた数字、二院クラブの選挙区得票は選挙区で推薦した無所属及び諸派の候補の得票。無所属の得票は各党派推薦候補の得票を差し引いた数字である(諸派も同様である)。
各政党役員
自民党
社会党
公明党
共産党
民社党
日本新党
連合の会
- 代表:星川保松
二院クラブ
- 代表:コロムビア・トップ
スポーツ平和党
- 代表:アントニオ猪木
議員
この選挙で選挙区当選
自民党 社会党 公明党 共産党 民社党 諸派 無所属
北海道 | 青森県 | 岩手県 | 宮城県 | 秋田県 | 山形県 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
風間昶 | 中尾則幸 | 峰崎直樹 | 高木正明 | 松尾官平 | 椎名素夫 | 遠藤要 | 佐々木満 | 鈴木貞敏 | |
福島県 | 茨城県 | 栃木県 | 群馬県 | 埼玉県 | |||||
鈴木省吾 | 佐藤静雄 | 野村五男 | 矢田部理 | 森山眞弓 | 矢野哲朗 | 中曽根弘文 | 上野公成 | 関根則之 | 瀬谷英行 |
千葉県 | 神奈川県 | 山梨県 | 東京都 | ||||||
井上裕 | 赤桐操 | 斎藤文夫 | 千葉景子 | 志村哲良 | 浜四津敏子 | 上田耕一郎 | 森田健作 | 小野清子 | |
新潟県 | 富山県 | 石川県 | 福井県 | 長野県 | 岐阜県 | 静岡県 | |||
真島一男 | 大渕絹子 | 永田良雄 | 沓掛哲男 | 山崎正昭 | 北澤俊美 | 今井澄 | 藤井孝男 | 木宮和彦 | 青木薪次 |
愛知県 | 三重県 | 滋賀県 | 京都府 | 大阪府 | |||||
大木浩 | 荒木清寛 | 新間正次 | 斎藤十朗 | 河本英典 | 林田悠紀夫 | 西山登紀子 | 西川きよし | 山下栄一 | 坪井一宇 |
兵庫県 | 奈良県 | 和歌山県 | 鳥取県 | 島根県 | 岡山県 | ||||
河本三郎 | 本岡昭次 | 片上公人 | 服部三男雄 | 前田勲男 | 坂野重信 | 青木幹雄 | 加藤紀文 | 一井淳治 | |
広島県 | 山口県 | 徳島県 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 | 福岡県 | |||
宮沢弘 | 栗原君子 | 二木秀夫 | 松浦孝治 | 平井卓志 | 野間赳 | 平野貞夫 | 横尾和伸 | 渡辺四郎 | 吉村剛太郎 |
佐賀県 | 長崎県 | 熊本県 | 大分県 | 宮崎県 | 鹿児島県 | 沖縄県 | |||
大塚清次郎 | 松谷蒼一郎 | 守住有信 | 浦田勝 | 釘宮磐 | 上杉光弘 | 井上吉夫 | 上山和人 | 島袋宗康 |
- 補欠当選(任期3年)- 土屋義彦の辞職による。
埼玉県 | 佐藤泰三 |
---|
補欠選挙等
年 | 月 | 選挙区 | 当選者 | 当選政党 | 欠員 | 欠員政党 | 欠員事由 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1993年 | 7月 | 岐阜県 | 笠原潤一 | 自民党 | 藤井孝男 | 自民党 | 第40回衆院選出馬 |
1994年 | 9月 | 愛知県 | 都築譲 | 諸派 | 新間正次 | 民社党 | 当選無効 |
1995年 | 11月 | 佐賀県 | 岩永浩美 | 自民党 | 大塚清次郎 | 自民党 | 死去 |
1996年 | 10月 | 栃木県 | 上吉原一天 | 自民党 | 森山眞弓 | 自民党 | 第41回衆院選出馬 |
11月 | 兵庫県 | 芦尾長司 | 諸派 | 河本三郎 | 自民党 |
比例代表選出議員
自民党 社会党 公明党 日本新党 共産党 民社党 スポーツ平和党 第二院クラブ
1-10 | 井上孝 | 藁科満治 | 下稲葉耕吉 | 牛嶋正 | 村上正邦 | 大脇雅子 | 大島慶久 | 細川護煕 | 立木洋 | 続訓弘 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11-20 | 岡部三郎 | 鈴木和美 | 泉信也 | 直嶋正行 | 大久保直彦 | 藤江弘一 | 川橋幸子 | 野沢太三 | 小池百合子 | 聴濤弘 |
21-30 | 岡利定 | 広中和歌子 | 山本正和 | 大河原太一郎 | 江本孟紀 | 永野茂門 | 及川一夫 | 青島幸男 | 鶴岡洋 | 清水達雄 |
31-40 | 寺沢芳男 | 吉岡吉典 | 松浦功 | 山口哲夫 | 勝木健司 | 及川順郎 | 久世公堯 | 渕上貞雄 | 板垣正 | 南野知恵子 |
41-50 | 猪熊重二 | 武田邦太郎 | 松本英一 | 有働正治 | 田辺哲夫 | 田沢智治 | 武田節子 | 志苫裕 | 楢崎泰昌 | 長谷川清 |
繰り上げ当選
繰上年月 | 当選者 | 名簿政党名 | 欠員 | 欠員事由 |
---|---|---|---|---|
1993年6月 | 宮崎秀樹 | 自民党 | 藤江弘一 | 死去 |
1993年7月 | 小島慶三 | 日本新党 | 細川護熙 | 衆院選出馬 |
円より子 | 日本新党 | 小池百合子 | ||
1994年8月 | 萱野茂 | 社会党 | 松本英一 | 死去 |
1994年8月 | 山田俊昭 | 第二院クラブ | 青島幸男 | 東京都知事選出馬 |
1995年9月 | 山東昭子 | 自民党 | 田辺哲夫 | 死去 |
1996年11月 | 嶋崎均 | 自民党 | 山東昭子 | 衆院選出馬 |
1997年5月 | 長尾立子 | 自民党 | 嶋崎均 | 死去 |
関連項目
この選挙で初当選
- 計50名
- 衆議院議員経験者には「※」の表示。
- 現役議員には「○」のの表示。
- 自由民主党
- 21名
- 佐藤泰三(任期3年)
- 日本社会党
- 6名
- 公明党
- 9名
- 日本共産党
- 3名
- 民社党
- 2名
- 日本新党
- 3名
- スポーツ平和党
- 1名
- 革新共闘会議
- 1名
- 護憲・ヒロシマの会
- 1名
- 無所属
- 3名
当選無効
- 1名
- 民社党
- 1名
- 新間正次(選挙公報に記載した学歴が詐称であったため、最高裁判決が確定し当選無効)
この選挙で返り咲き
- 計6名
- 自由民主党
- 2名
- 日本社会党
- 1名
- 日本新党
- 1名
- 第二院クラブ
- 1名
- 無所属
- 1名
この選挙で引退
- 計55名
- 自由民主党
- 22名
- 日本社会党
- 7名
- 公明党
- 5名
- 日本共産党
- 6名
- 民社党
- 3名
- 連合参議院
- 1名
- 無所属
- 1名
この選挙で落選
- 計10名
- 自由民主党
- 8名
- 連合の会
- 1名
- 第二院クラブ
- 1名
比例区に候補者を立てたミニ政党
- 日本新党 - 細川護煕、小池百合子
- スポーツ平和党 - 江本孟紀、新間寿
- 第二院クラブ - 青島幸男
- 社会民主連合
- 老人福祉党
- 年金党 - 友部達夫
- 新自由党
- 風の会 - 野村秋介、横山やすし
- モーター新党 - マイク眞木
- 希望 - 藤本敏夫
- 発明政治 - 中松義郎、小池哲二
- 全日本ドライバーズクラブ
- 国民新党(同名政党とは別の団体)
- 国民党
- 進歩自由連合
- 環境党
- 教育党
- 平民党
- 中小企業生活党
- 日本世直し党
- 日本国民政治連合
- 日本愛酢党
- 文化フォーラム - 太平シロー
- 「開星論」のUFO党
- 国際政治連合
- 表現の自由党
- 雑民党
- 平成改新党
- フリーワークユニオン
- 地球維新党
- 政事公団太平会
- 世界浄霊会
- 大日本誠流社
脚注
- ^ 「平成四年七月二十六日に、参議院議員の通常選挙を施行することを公示する詔書」。
参考文献
- 佐藤令 (2005年12月). “戦後の補欠選挙” (PDF). 国立国会図書館. 2016年5月26日閲覧。