「福島県沖地震」の版間の差分
1,067行目: | 1,067行目: | ||
| style="text-align:center" | 岩手県 || || 1 || 4 || || || |
| style="text-align:center" | 岩手県 || || 1 || 4 || || || |
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|- |
|- |
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| style="text-align:center" | 宮城県 || 2 || 6 || 89 || || 2 || |
| style="text-align:center" | 宮城県 || 2 || 6 || 89 || || 2 || 120 |
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|- |
|- |
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| style="text-align:center" | 秋田県 || || || 1 || || || 1 |
| style="text-align:center" | 秋田県 || || || 1 || || || 1 |
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1,073行目: | 1,073行目: | ||
| style="text-align:center" | 山形県 || || 3 || 1 || | || 1 || 1 |
| style="text-align:center" | 山形県 || || 3 || 1 || | || 1 || 1 |
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|- |
|- |
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| style="text-align:center" | 福島県 || 1 || |
| style="text-align:center" | 福島県 || 1 || 7 || 91 || || || 108 |
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| style="text-align:center" | 茨城県 || || 2 || 6 || || || |
| style="text-align:center" | 茨城県 || || 2 || 6 || || || |
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1,091行目: | 1,091行目: | ||
| style="text-align:center" | 山梨県 || || 1 || 1 || || || |
| style="text-align:center" | 山梨県 || || 1 || 1 || || || |
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|- |
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| style="text-align:center" | '''合計''' || '''3'''|| ''' |
| style="text-align:center" | '''合計''' || '''3'''|| '''21''' || '''209''' || || '''3''' || '''231''' |
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| colspan="8" style="text-align:left" |総務省消防庁:2022年3月20日10時現在<ref name=" |
| colspan="8" style="text-align:left" |総務省消防庁:2022年3月20日10時現在<ref name="fdma11">{{Cite web|date=2022-03-21|url= https://www.fdma.go.jp/disaster/info/items/20220316fukushimakenoki11.pdf|title=福島県沖を震源とする地震による被害及び消防機関等の対応状況(第11報)|format=PDF|publisher=消防庁災害対策本部|accessdate=2022-03-21}}</ref> |
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|} |
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宮城県及び福島県の全市町村(27市51町16村)に[[災害救助法]]が適用された<ref>{{Cite web |title=宮城、福島全市町村に災害救助法(時事通信) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/dbe6af5ce3e9f7704cc5fb2f8a6bf1425bad3c32 |website=Yahoo!ニュース |accessdate=2022-03-17 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=東北地震 宮城、福島に災害救助法適用 |url=https://www.sankei.com/article/20220317-QU6QJLZUG5NNDAQSUIRGPVEU6Q/ |website=産経ニュース |date=2022-03-17 |accessdate=2022-03-17 |language=ja |first=SANKEI DIGITAL |last=INC}}</ref><ref>{{Cite web |title=令和4年福島県沖を震源とする地震による災害に関して被災中小企業・小規模事業者対策を行います |url=https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220317011/20220317011.html |website=www.meti.go.jp |accessdate=2022-03-18 |publisher=[[経済産業省]]}}</ref>。 |
宮城県及び福島県の全市町村(27市51町16村)に[[災害救助法]]が適用された<ref>{{Cite web |title=宮城、福島全市町村に災害救助法(時事通信) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/dbe6af5ce3e9f7704cc5fb2f8a6bf1425bad3c32 |website=Yahoo!ニュース |accessdate=2022-03-17 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=東北地震 宮城、福島に災害救助法適用 |url=https://www.sankei.com/article/20220317-QU6QJLZUG5NNDAQSUIRGPVEU6Q/ |website=産経ニュース |date=2022-03-17 |accessdate=2022-03-17 |language=ja |first=SANKEI DIGITAL |last=INC}}</ref><ref>{{Cite web |title=令和4年福島県沖を震源とする地震による災害に関して被災中小企業・小規模事業者対策を行います |url=https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220317011/20220317011.html |website=www.meti.go.jp |accessdate=2022-03-18 |publisher=[[経済産業省]]}}</ref>。 |
2022年3月21日 (月) 04:36時点における版
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福島県沖地震(ふくしまけんおきじしん)とは、日本の福島県の沖合を震源とする地震である。
このうち東日本大震災を引き起こした「東北地方太平洋沖地震」は、顕著な災害を起こした自然現象として気象庁によって名称を定められた。
概要
福島県沖は北アメリカプレートと太平洋プレートの境界に接しており、日本海溝沿いにあるため、日本でも有数の地震多発地域である。1938年11月5日の福島県東方沖地震や2008年7月19日に発生した地震では津波を観測し、さらに福島県沖も震源域に含まれる2011年(平成23年)3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災、同地域では本震直後に余震も複数回発生)では大津波によって福島第一原子力発電所事故を引き起こした。
伊豆・小笠原海溝は太平洋プレートの高角の沈み込み帯であり地震カップリング率が低くプレート移動のひずみエネルギーの多くは非地震性の滑りで解消されるため巨大地震は起こりにくいとされ、日本海溝のプレート境界も従来のアスペリティモデルでは南部でやはり地震カップリング率が低く、宮城県沖・福島県沖など各セグメントを震源域とする地震は発生しうるが、複数のセグメントにまたがる連動型地震は起こりにくい場所とされてきた[1][2]。
江戸時代以降で福島県沖を震源域とする顕著な地震は1938年の福島県東方沖地震のみとされてきた。地震調査研究推進本部による2009年時点の「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」では福島県沖のM7.4前後のプレート間地震の発生間隔は400年以上と評価されていた[3]。しかし東北地方太平洋沖地震は福島県沖を含む広大な範囲を包括する巨大地震であった[4][5]。
M7以下クラスのプレート間およびプレート内地震は1990年代以降続発している。
主な地震
繰り返し発生する地震や連動型地震で福島県沖を震源域に含むものをここで扱う。
869年
869年に発生した貞観地震の震源域は少なくとも宮城県沖から福島県沖までの領域を含むと考えられる。東北地方太平洋沖地震と同様、震源域が三陸沖から茨城県沖、さらにそれらの領域の海溝寄りまで広がる可能性もある[6]。
1938年
塩屋崎沖地震とも呼ばれる。1938年11月5日17時43分にM7.5、同日19時50分にM7.3、翌日6日17時54分にM7.4など大地震が続発した。
2011年
2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震の震源域には福島県沖も含まれ、海溝寄りで数m程度の滑りが生じたと考えられるが、全ての歪が解放されたかは不明である[6]。また、この地震発生後から2021年3月末までに福島県沖を含む震源域内で発生した地震はこの地震の余震として取り扱われた(主な余震は後節も参照)。
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の余震
2011年(平成23年)3月11日に起きた、M9.0の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、福島県沖も震源域の一部であり(前述の通り)、本震以降、福島県沖を震源として頻繁に発生した地震は余震として扱われた。主な余震は以下の通り。
2011年
7月
福島県沖地震(2011年7月) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 2011年7月31日 |
発生時刻 | 午前3時54分 |
震央 | 福島県沖 |
震源の深さ | 57 km |
規模 | M6.5 |
最大震度 | 震度5強:福島県川内村・楢葉町 |
地震の種類 | スラブ内地震(逆断層型) |
被害 | |
死傷者数 | 負傷者11人 |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
2011年7月31日、午前3時54分、福島県沖の深さ57キロメートル (km) を震源とするM6.5の地震が発生。福島県で最大震度5強を、茨城県や栃木県でも震度5弱を観測した[7]。太平洋プレート内部で発生し、西北西-東南東方向に圧力軸を持つ、逆断層型のスラブ内地震であった[8]。
地震による負傷者は11名[9]。
震度5弱以上の地点は次の通り。[10]
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
5強 | 福島県 | 川内村上川内早渡・楢葉町北田 |
5弱 | 福島県 | 郡山市開成・白河市新白河・白河市東・平田村永田・田村市都路町・いわき市錦町・福島広野町下北迫大谷地原・川内村下川内・川内村上川内小山平・葛尾村落合落合 |
茨城県 | 常陸大宮市野口・日立市十王町友部 | |
栃木県 | 大田原市湯津上 |
このほか、北海道から滋賀県にかけての広い範囲で、震度4から震度1を観測した[11]。
8月
福島県沖地震(2011年8月) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 2011年8月19日 |
発生時刻 | 14時36分 |
震央 | 福島県沖 |
震源の深さ | 51 km |
規模 | M6.5 |
最大震度 | 震度5弱:宮城県石巻市など |
地震の種類 | スラブ内地震(逆断層型) |
被害 | |
死傷者数 | 負傷者2名 |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
2011年8月19日14時36分、福島県沖の深さ51 kmを震源とするM6.5の地震が発生し、宮城県と福島県で最大震度5弱を観測した[12]。太平洋プレートの内部で発生した、逆断層型(東西に圧力軸を持つ)のスラブ内地震であった[13]。地震による負傷者は2名[13]。
気象庁はこの地震で、宮城県と福島県の沿岸に津波注意報を発表したが、津波は観測されず15時15分に全て解除した[14]。
最大震度5弱を観測した地点は次の通り。[15]
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
5弱 | 宮城県 | 石巻市桃生町・宮城美里町木間塚・蔵王町円田 |
福島県 | 二本松市油井・天栄村下松本・楢葉町北田・新地町谷地小屋・相馬市中村・須賀川市八幡山 |
2013年
福島県沖地震(2013年) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 2013年(平成25年)10月26日 |
発生時刻 | 午前2時10分 |
震央 | 福島県沖 |
震源の深さ | 56 km |
規模 | M7.1 |
最大震度 | 震度4:宮城県涌谷町など |
津波 | 36cm(石巻市鮎川) |
地震の種類 | アウターライズ地震(正断層型) |
被害 | |
死傷者数 | 負傷者1人 |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
地震の概要
2013年10月26日2時10分、福島県沖の深さ56 kmを震源とするM7.1の地震が発生し、宮城県や福島県、茨城県、栃木県などで最大震度4を観測した[16]。
東西方向に張力軸を持つ正断層型地震であり[17]、太平洋プレートの内部で起きた、いわゆるアウターライズ型の地震であった[17][18]。東北地方太平洋沖地震以降、このようなタイプの余震も度々発生しており、2012年に起きた、M7.3の三陸沖地震も同様のメカニズムである。
この地震による負傷者は1名のみ[19]で、大きな被害には至らなかった。
各地の震度
震度4以上の地点は次の通り[20]。
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
4 | 宮城県 | 涌谷町新町裏・岩沼市桜・石巻市桃生町・松島町高城 |
福島県 | 郡山市湖南町・白河市新白河・須賀川市岩瀬支所・二本松市油井・玉川村小高・本宮市白岩 | |
茨城県 | 笠間市石井・水戸市内原町 | |
栃木県 | 真岡市石島・大田原市湯津上 |
津波
気象庁はこの地震で、2時14分に福島県の沿岸に津波注意報を発表。その36分後には岩手県、宮城県、茨城県の太平洋沿岸、それに千葉県の九十九里・外房にも津波注意報を発表した。宮城県の石巻市鮎川で、高さ36 cmの津波を観測したほか、福島県や岩手県でも津波を観測した。津波注意報は、同日4時5分に全て解除された[21]。
津波注意報が発表された地域で観測された津波の高さは次の通り[22]。
津波予報区の名称 | 津波の予想高さ | 予報区内で観測された津波の高さ | |
---|---|---|---|
津波注意報 | 宮城県 | 1 m | 36 cm |
岩手県 | 30 cm | ||
福島県 | 27 cm | ||
茨城県 | 津波注意報が発表されたが津波は観測されなかった | ||
千葉県九十九里・外房 |
2014年
地震の概要
福島県沖地震(2014年) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 2014年7月12日 |
発生時刻 | 4時22分 |
震央 | 福島県沖 |
震源の深さ | 33 km |
規模 | M7.0 |
最大震度 | 震度4:宮城県岩沼市など |
津波 | 17cm(石巻市鮎川) |
地震の種類 | 正断層型地震 |
被害 | |
死傷者数 | 負傷者1人 |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
2014年7月12日4時22分、福島県沖の深さ33 kmを震源とするM7.0の地震が発生し、宮城県、福島県、茨城県、栃木県で震度4を観測した[23]。東西方向に張力軸を持つ、正断層型の地震であった[24]。
この地震により、各地で小さい津波を観測した他、1名が負傷する被害が出た[25]。
各地の震度
震度4以上の地点は次の通り[26]。
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
4 | 宮城県 | 岩沼市桜・宮城川崎町前川・丸森町鳥屋 |
福島県 | 郡山市湖南町・川俣町樋ノ口・天栄村下松本・田村市大越町・いわき市小名浜・猪苗代町千代田・会津美里町新鶴庁舎 | |
茨城県 | 常陸太田市金井町 | |
栃木県 | 大田原市湯津上・高根沢町石末・市貝町市塙 |
各地で観測された津波
気象庁はこの地震で、福島県と宮城県、岩手県の太平洋沿岸に津波注意報を発表。宮城県石巻市鮎川で高さ17 cmの津波を観測した。津波注意報はおよそ2時間後に全て解除された[27]。
津波注意報が発表された地域で観測された津波の高さは次の通り[28]。
津波予報区の名称 | 津波の予想高さ | 予報区内で観測された津波の高さ | |
---|---|---|---|
津波注意報 | 宮城県 | 1 m | 17 cm |
福島県 | 15 cm | ||
岩手県 | 9 cm |
2016年
2021年
その他の地震
繰り返し発生する地震、東北地方太平洋沖地震の余震などとして扱われない地震をここで扱う。
1905年
1905年7月7日にM7.1の地震が発生した。規模が小さく被害も認められないことから地震調査研究推進本部は繰り返し発生する地震として扱っていない[6]。
1987年
福島県沖地震(1987年) | |
---|---|
2月6日22時16分に起きたM6.7の地震の震央 | |
本震 | |
発生日 | 1987年2月6日 |
発生時刻 | 22時16分 |
震央 | 福島県沖 |
震源の深さ | 35 km |
規模 | M6.7 |
最大震度 | 震度5:福島県いわき市・白河市 |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
1987年2月6日21時23分にMw6.1、同日22時16分にM6.7 (Mw6.5)、4月7日9時40分にM6.6 (Mw6.6)、4月23日5時13分にM6.5 (Mw6.6)の地震がそれぞれ発生している[29][30]。
これらの内、2月6日22時16分の地震では小津波、4月7日の地震では負傷者1名を出している[31]。
2月6日の22時16分に発生したM6.7の地震における、各地の震度は次の通り[32]。
震度 | 都道府県 | 観測所 |
---|---|---|
5 | 福島県 | 小名浜・白河 |
4 | 宮城県 | 仙台 |
福島県 | 若松 | |
茨城県 | 水戸・柿岡 | |
栃木県 | 宇都宮 | |
千葉県 | 銚子・千葉 | |
東京都 | 東京 | |
神奈川県 | 横浜 |
4月7日に発生したM6.6の地震における、各地の震度は次の通り[33]。
震度 | 都道府県 | 観測所 |
---|---|---|
5 | 福島県 | 小名浜 |
4 | 宮城県 | 仙台 |
福島県 | 福島・白河 | |
茨城県 | 水戸 | |
栃木県 | 宇都宮 | |
東京都 | 東京 |
4月23日に発生したM6.5の地震における、各地の震度は次の通り[34]。
震度 | 都道府県 | 観測所 |
---|---|---|
5 | 福島県 | 白河 |
4 | 福島県 | 小名浜・福島 |
茨城県 | 柿岡・水戸 |
1996年
福島県沖地震(1996年) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 1996年(平成8年)2月17日 |
発生時刻 | 0時22分 |
震央 | 福島県沖 |
震源の深さ | 58 km |
規模 | M6.8 |
最大震度 | 震度4:岩手県・宮城県・福島県・茨城県 |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
1996年2月17日0時22分に発生した地震 (Mj 6.8, Mw 6.7 - 7.0) は深さ約55 kmの太平洋プレート内で発生したものと推定されている。有感範囲は北海道から近畿地方まで、および岩手県から茨城県の広い範囲で震度4を観測した。
同じ太平洋プレート内地震である1993年釧路沖地震や1994年北海道東方沖地震とメカニズム解が類似しており、本地震がプレート内地震であることを支持している[35]。
各地の震度
震度4以上を観測した地点は次の通り[36]。
震度 | 都道府県 | 観測所 |
---|---|---|
4 | 岩手県 | 大船渡・一関・盛岡 |
宮城県 | 石巻・仙台 | |
福島県 | 川内・福島・白河 | |
茨城県 | 柿岡・水戸 |
2008年
地震の概要
福島県沖地震(2008年) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 2008年7月19日 |
発生時刻 | 11時39分 |
震央 |
日本 福島県沖 北緯37度31分12秒 東経142度15分48秒 / 北緯37.52000度 東経142.26333度 |
震源の深さ | 32 km |
規模 | Mj6.9 |
最大震度 | 震度4:盛岡市・栗原市・郡山市・那須町など |
津波 | 石巻 23 cm |
地震の種類 | プレート境界 |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
2008年7月19日に発生した地震 (Mj 6.9, Mw 7.0) は1996年のものとは異なり、CMT解によればプレート境界で発生した西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった[37]。
東北地方太平洋側各地で津波が観測され、最大の高さは宮城県石巻市鮎川で23 cmであった。2日後の7月21日20時30分には本震の南南東側でM 6.1 (Mw 6.0) の余震が発生し、宮城県の涌谷町と福島県葛尾村・会津若松市で震度4を観測した。
各地の震度
震度4以上を観測した地点は次の通り[38]。
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
4 | 岩手県 | 盛岡市薮川 |
宮城県 | 栗原市金成・涌谷町新町裏・登米市迫町・登米市米山町・登米市南方町・宮城美里町木間塚・丸森町鳥屋・石巻市門脇・石巻市前谷地 | |
福島県 | 郡山市湖南町・桑折町東大隅・国見町藤田・相馬市中村・双葉町新山・猪苗代町千代田 | |
栃木県 | 那須町寺子 |
津波
気象庁はこの地震で、地震発生直後の11時41分に宮城県と福島県の太平洋沿岸に津波注意報を発表したが、13時20分に全て解除した[39]。
各地で観測された津波の高さは次の通り[40]。
津波予報区の名称 | 予報区内で観測された津波の高さ | |
---|---|---|
津波注意報 | 宮城県 | 23 cm |
福島県 | 15 cm |
2010年3月14日
福島県沖地震(2010年3月) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 2010年3月14日 |
発生時刻 | 17時8分 |
震央 |
日本 福島県沖 北緯37度43分4秒 東経141度49分0秒 / 北緯37.71778度 東経141.81667度 |
震源の深さ | 40 km |
規模 | M6.7 |
最大震度 | 震度5弱:福島県楢葉町 |
津波 | なし |
地震の種類 | プレート境界型 |
被害 | |
死傷者数 | 負傷者1名 |
出典:特に注記がない場合は2010年3月の地震一覧表 (PDF)による。 | |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
- 概要
- 発生時刻:2010年3月14日午後5時8分
- 震源:福島県沖
- 規模:M6.7
- 震源の深さ : 40 km
- 最大震度:福島県楢葉町の震度5弱
岩手・宮城・福島の広い範囲で震度4、東日本の広域で震度3を観測したほか、北海道から滋賀県までの広い範囲で震度1以上を観測した。
前日の13日には前震とみられるM5.5の地震が発生し、やはり東北の広い範囲で震度3・4を観測している。またこの付近では1942年2月21日にM6.5、1963年8月15日にM6.6、1985年8月12日にM6.4の地震と、ほぼ定間隔で発生していた[41]。
この地震も2008年のものと同様に、プレート境界付近で発生した西北西 - 東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった[42]。
各地の震度(震度4以上)は次の通り[43]。
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
5弱 | 福島県 | 楢葉町北田 |
4 | 岩手県 | 陸前高田市高田町・盛岡市薮川・矢巾町南矢幅・北上市二子町・一関市室根町 |
宮城県 | 宮城加美町中新田・色麻町四竈・涌谷町新町裏・栗原市築館・栗原市若柳・栗原市高清水・栗原市瀬峰・栗原市金成・栗原市志波姫・栗原市一迫・登米市豊里町・登米市迫町・登米市登米町・登米市米山町・登米市南方町・南三陸町志津川・南三陸町歌津・宮城美里町北浦・宮城美里町木間塚・大崎市古川三日町・大崎市古川北町・大崎市松山* 大崎市三本木・大崎市鹿島台・大崎市田尻・
仙台空港・名取市増田・角田市角田・岩沼市桜・蔵王町円田・大河原町新南・宮城川崎町前川・丸森町鳥屋・亘理町下小路・山元町浅生原・石巻市門脇・石巻市北上町・石巻市相野谷・石巻市前谷地・石巻市桃生町・塩竈市旭町・東松島市矢本・東松島市小野・松島町高城・七ヶ浜町東宮浜・利府町利府・大郷町粕川・大衡村大衡 | |
福島県 | 福島市松木町・福島市桜木町・福島市五老内町・郡山市朝日・郡山市開成・郡山市湖南町・白河市表郷・須賀川市八幡山・須賀川市八幡町・須賀川市岩瀬支所・二本松市郭内・二本松市油井・二本松市針道・桑折町東大隅・国見町藤田・川俣町五百田・鏡石町不時沼・天栄村下松本・中島村滑津・玉川村小高・古殿町松川新桑原・田村市滝根町・田村市大越町・田村市都路町・福島伊達市前川原・福島伊達市保原町・福島伊達市霊山町・福島伊達市月舘町・本宮市本宮・本宮市糠沢・いわき市三和町・いわき市平梅本・相馬市中村・福島広野町下北迫大谷地原・福島広野町下北迫苗代替・富岡町本岡・川内村上川内早渡・大熊町下野上・双葉町新山・浪江町幾世橋・葛尾村落合関下・新地町谷地小屋・南相馬市原町区三島町・南相馬市原町区高見町・南相馬市原町区本町・南相馬市鹿島区西町・南相馬市小高区・猪苗代町千代田 | |
栃木県 | 大田原市湯津上・那須町寺子 |
- 被害
負傷者1人、住宅一部破損2件[44]。
6月13日
福島県沖地震(2010年6月) | |
---|---|
震央の位置 | |
本震 | |
発生日 | 2010年6月13日 |
発生時刻 | 12時33分 |
震央 |
日本 福島県沖 北緯37度23分7秒 東経141度47分7秒 / 北緯37.38528度 東経141.78528度 |
震源の深さ | 40 km |
規模 | M6.2 |
最大震度 | 震度5弱:福島県相馬市・浪江町 |
津波 | なし |
地震の種類 | プレート境界型 |
出典:特に注記がない場合は2010年6月の地震一覧表 (PDF)による。 | |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
- 概要
3月14日の地震とは異なる場所で発生した。規模はM6.2、震源の深さは40 kmである。福島県相馬市・浪江町で震度5弱を観測したほか、東日本の広域と能登半島・静岡県にかけて有感となった。
各地の震度
震度4以上を観測した地点は次の通り[45]。
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
5弱 | 福島県 | 相馬市中村・浪江町幾世橋 |
4 | 宮城県 | 宮城加美町中新田・色麻町四竈・涌谷町新町裏・栗原市金成・登米市迫町・宮城美里町木間塚・大崎市松山・大崎市鹿島台・白石市亘理町・仙台空港・名取市増田・角田市角田・岩沼市桜・蔵王町円田・大河原町新南・村田町村田・宮城川崎町前川・丸森町鳥屋・亘理町下小路・山元町浅生原・仙台青葉区作並・仙台青葉区雨宮・仙台青葉区落合・仙台宮城野区五輪・仙台宮城野区苦竹・仙台若林区遠見塚・石巻市桃生町・東松島市矢本・松島町高城・利府町利府 |
山形県 | 上山市河崎・中山町長崎 | |
福島県 | 福島市松木町・福島市五老内町・白河市新白河・二本松市針道・桑折町東大隅・国見町藤田・川俣町五百田・平田村永田・古殿町松川新桑原・
小野町小野新町・田村市滝根町・田村市大越町・田村市都路町・福島伊達市月舘町・本宮市糠沢・いわき市三和町・いわき市平梅本・福島広野町下北迫大谷地原・楢葉町北田・川内村上川内小山平・川内村上川内早渡・大熊町野上・大熊町下野上・双葉町新山・葛尾村落合落合・新地町谷地小屋・飯舘村伊丹沢・南相馬市原町区三島町・南相馬市原町区高見町・南相馬市原町区本町・南相馬市鹿島区西町・南相馬市小高区 | |
茨城県 | 日立市役所・笠間市石井・大子町池田 | |
栃木県 | 高根沢町石末・大田原市湯津上 |
2022年3月16日
この項目では最近の災害に関する情報を扱っています。災害の状況は急速に変化していく可能性があり、関連する情報は不確実な内容を含んでいるおそれがあります。この項目の最新版の内容も常に最新の情報を反映しているとは限りません。 |
福島県沖地震(2022年3月) | |
---|---|
USGSによる震度分布図 | |
震央の位置[46] | |
本震 | |
発生日 | 2022年3月16日[46] |
発生時刻 | 23時36分32.6秒 (JST)[47] |
震央 | 日本 福島県沖 |
座標 | 北緯37度41.8分 東経141度37.3分 / 北緯37.6967度 東経141.6217度座標: 北緯37度41.8分 東経141度37.3分 / 北緯37.6967度 東経141.6217度[47] |
震源の深さ | 57 km |
規模 | M7.4 |
最大震度 | 震度6強:宮城県登米市・蔵王町、福島県相馬市・南相馬市・国見町 [48] |
津波 | 30 cm(石巻港)[49] |
地震の種類 | スラブ内地震 [50](逆断層型)[48] |
余震 | |
最大余震 | 2022年3月17日0時52分 (JST)、福島県沖、M5.6、深さ50km、最大震度4 |
被害 | |
死傷者数 | 死者3人・負傷者211人[51] |
| |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
概要
2022年3月16日23時36分ごろ、福島県沖(牡鹿半島の南南東60km付近)の深さ57kmを震源として、M7.4(Mw7.3[52][53])の地震が発生し[46]、宮城県登米市・蔵王町と福島県相馬市・南相馬市・国見町で最大震度6強を観測した[54][55]。
この地震は太平洋プレート内部で発生したスラブ内地震であり[56][57]、発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった[58][59][60]。発震機構と地震活動の分布、GNSS観測及び地震波の解析結果から推定される震源断層は、北北東-南南西方向に延びる東南東傾斜の逆断層である[60]。
遠地実体波による震源過程解析の結果は以下の通りであった[60]。
強震波形記録を用いた震源インバージョン解析による推定結果は、M0 = 1.3×1020 Nm(Mw7.4)、最大すべり量6.2m、Vftw 2.4km/sであった[60]。すべりの大きい領域は主に破壊開始点の北に位置し、それぞれの領域における破壊は破壊開始から2.5‒7.5秒後と7.5‒12.5秒後に生じていた[60]。
福島県沖は地震活動が活発であり[61]、1年前の2021年2月にもほぼ同規模の地震が発生している[57][62]。この2021年の地震の地震活動域は、2022年の地震活動域の南側に隣接している[60]。
GNSS観測の結果、この地震に伴い、宮城県石巻市のS石巻観測点と牡鹿観測点(電子基準点)が北向きに約3cm移動するなど、宮城県や福島県を中心に広い範囲で地殻変動が検出された[60][63]。
各地の震度
震度 | 都道府県 | 観測地点 |
---|---|---|
6強 | 宮城県 | 登米市米山町 登米市南方町 登米市迫町 蔵王町円田 |
福島県 | 国見町藤田 相馬市中村 南相馬市鹿島区西町 | |
6弱 | 宮城県 | 涌谷町新町裏 栗原市築館 栗原市志波姫 栗原市若柳 登米市豊里町 宮城美里町木間塚 大崎市古川三日町 大崎市古川旭 大崎市松山 大崎市田尻 名取市増田 角田市角田 岩沼市桜 大河原町新南 宮城川崎町前川 亘理町悠里 山元町浅生原 石巻市大街道南 石巻市前谷地 石巻市桃生町 東松島市小野 東松島市矢本 |
福島県 | 福島市五老内町 二本松市針道 桑折町谷地 天栄村下松本 田村市船引町 田村市大越町 福島伊達市前川原 福島伊達市梁川町 楢葉町北田 富岡町本岡 大熊町大川原 双葉町両竹 浪江町幾世橋 新地町谷地小屋 飯舘村伊丹沢 南相馬市原町区三島町 南相馬市原町区高見町 南相馬市小高区 | |
5強 | 岩手県 | 矢巾町南矢幅 一関市竹山町 一関市花泉町 一関市千厩町 一関市藤沢町 奥州市前沢 |
宮城県 | 宮城加美町中新田 色麻町四竈 栗原市栗駒 栗原市瀬峰 栗原市高清水 栗原市金成 栗原市一迫 登米市中田町 登米市登米町 登米市石越町 宮城美里町北浦 大崎市古川大崎 大崎市三本木 大崎市鹿島台 白石市亘理町 仙台空港 村田町村田 柴田町船岡 丸森町上滝 丸森町鳥屋 仙台青葉区大倉 仙台青葉区作並 仙台青葉区落合 仙台宮城野区五輪 仙台宮城野区苦竹 仙台若林区遠見塚 仙台太白区山田 仙台泉区将監 石巻市泉町 石巻市鮎川浜 石巻市北上町 石巻市相野谷 塩竈市今宮町 多賀城市中央 松島町高城 七ヶ浜町東宮浜 利府町利府 大和町吉岡 大郷町粕川 大衡村大衡 女川町女川 富谷市富谷 | |
山形県 | 中山町長崎 | |
福島県 | 福島市松木町 福島市桜木町 郡山市朝日 郡山市開成 郡山市湖南町 白河市新白河 白河市東 白河市表郷 白河市大信 須賀川市八幡山 須賀川市岩瀬支所 須賀川市八幡町 二本松市金色 二本松市油井 川俣町五百田 大玉村南小屋 大玉村玉井 鏡石町不時沼 泉崎村泉崎 中島村滑津 矢吹町一本木 棚倉町棚倉中居野 玉川村小高 浅川町浅川 古殿町松川新桑原 田村市常葉町 田村市都路町 田村市滝根町 福島伊達市保原町 福島伊達市霊山町 福島伊達市月舘町 本宮市本宮 本宮市白岩 いわき市三和町 いわき市平梅本 福島広野町下北迫大谷地原 川内村下川内 川内村上川内早渡 大熊町野上 葛尾村落合落合 南相馬市鹿島区栃窪 南相馬市原町区本町 | |
5弱 | 青森県 | 階上町道仏 おいらせ町中下田 |
岩手県 | 普代村銅屋 野田村野田 大船渡市大船渡町 大船渡市猪川町 釜石市中妻町 住田町世田米 盛岡市薮川 花巻市材木町 花巻市東和町 北上市相去町 遠野市青笹町 遠野市宮守町 一関市大東町 一関市東山町 一関市室根町 一関市川崎町 金ケ崎町西根 平泉町平泉 奥州市水沢大鐘町 奥州市水沢佐倉河 奥州市江刺 奥州市胆沢 奥州市衣川 | |
宮城県 | 気仙沼市赤岩 気仙沼市笹が陣 気仙沼市唐桑町 宮城加美町小野田 宮城加美町宮崎 栗原市鶯沢 栗原市花山 登米市東和町 登米市津山町 南三陸町歌津 七ヶ宿町関 仙台青葉区雨宮 石巻市大瓜 石巻市雄勝町 | |
秋田県 | 横手市大雄 大仙市大曲花園町 大仙市高梨 | |
山形県 | 酒田市飛鳥 酒田市山田 最上町向町 上山市河崎 天童市老野森 山辺町緑ケ丘 河北町谷地 米沢市林泉寺 高畠町高畠 山形川西町上小松 白鷹町荒砥 | |
福島県 | 福島市飯野町 白河市郭内 白河市八幡小路 須賀川市長沼支所 二本松市小浜 矢祭町戸塚 矢祭町東舘 石川町長久保 平田村永田 三春町大町 小野町中通 小野町小野新町 いわき市小名浜 いわき市平四ツ波 いわき市錦町 福島広野町下北迫苗代替 川内村上川内小山平 猪苗代町千代田 会津美里町新鶴庁舎 | |
茨城県 | 水戸市千波町 水戸市内原町 水戸市栗崎町 日立市助川小学校 日立市十王町友部 日立市役所 常陸太田市金井町 常陸太田市高柿町 北茨城市磯原町 笠間市石井 笠間市中央 笠間市笠間 ひたちなか市南神敷台 ひたちなか市東石川 茨城町小堤 東海村東海 大子町池田 常陸大宮市北町 那珂市瓜連 城里町石塚 城里町小勝 小美玉市上玉里 土浦市常名 筑西市舟生 | |
栃木県 | 那須町寺子 市貝町市塙 高根沢町石末 栃木那珂川町小川 | |
新潟県 | 南魚沼市六日町 |
このほか、震度4から1の揺れを、北海道から九州地方にかけて広範囲で観測した[64]。気象庁は福島県相馬市と国見町にある震度計のデータを解析した結果、震度7に近い計測震度6.4を観測したと発表した[65]。また、防災科学技術研究所が発表した面的推定震度分布によると、福島県国見町と桑折町の一部地域では、震度7相当の揺れとなっていた可能性がある[66]。宮城県川崎町のKiK-net川崎観測点では1,233gal(三成分合成)の加速度を観測した[60]。
長周期地震動
宮城県北部では、長周期地震動階級4を観測した[58][67][68]。
長周期地震動階級 | 都道府県 | 地域[69][59] |
---|---|---|
階級4 | 宮城県 | 北部 |
階級3 | 宮城県 | 南部 中部 |
山形県 | 村山 | |
福島県 | 中通り 浜通り 会津 | |
階級2 | 青森県 | 津軽北部 |
岩手県 | 沿岸北部 内陸北部 内陸南部 | |
秋田県 | 沿岸南部 内陸南部 | |
山形県 | 庄内 最上 置賜 | |
茨城県 | 北部 南部 | |
栃木県 | 南部 | |
千葉県 | 北東部 北西部 | |
東京都 | 23区 | |
新潟県 | 中越 下越 | |
山梨県 | 東部・富士五湖 | |
長野県 | 中部 | |
静岡県 | 東部 | |
階級1 | 北海道 | 石狩地方南部 渡島地方東部 後志地方東部 空知地方中部 胆振地方中東部 十勝地方中部 根室地方中部 |
青森県 | 津軽南部 三八上北 下北 | |
岩手県 | 沿岸南部 | |
秋田県 | 沿岸北部 | |
栃木県 | 北部 | |
群馬県 | 北部 南部 | |
埼玉県 | 北部 南部 秩父 | |
千葉県 | 南部 | |
東京都 | 多摩東部 | |
神奈川県 | 東部 西部 | |
新潟県 | 上越 | |
長野県 | 北部 南部 | |
静岡県 | 中部 西部 | |
愛知県 | 西部 |
緊急地震速報
気象庁はこの地震に対し、地震波検知から9.6秒後の23時36分55.6秒に緊急地震速報(警報)を発表した[58]。この地震を含め、気象庁は10分余りの間に緊急地震速報を3回発表した[70]。最初の緊急地震速報は23時34分ごろに発表され(M6.1の前震が発生)、23時36分ごろに2回目の緊急地震速報が発表された。そして23時46分ごろに3回目の緊急地震速報が発表された[70]。
津波
気象庁はこの地震で、地震発生直後の23時39分に宮城県と福島県の太平洋沿岸に津波注意報を発表したが、翌日5時00分に全て解除した[71]。津波注意報が発表された沿岸で観測された、津波の高さは次の通り[72][60]。
発表された情報 | 津波の予想高さ | 津波予報区の名称 | 観測点 | 観測時刻(JST) | 津波の高さ(最大波高) |
---|---|---|---|---|---|
津波注意報 | 1 m | 宮城県 | 石巻港 | 17日2時14分 | 0.3 m |
仙台港 | 17日1時46分 | 0.2 m | |||
石巻市鮎川 | 17日1時41分 | 0.1 m | |||
福島県 | 相馬港 | 17日3時15分 | 0.2 m | ||
いわき市小名浜 | 17日0時36分 | 微弱 |
前震
本震の2分前(23時34分27秒)に福島県沖(北緯37度40.8分 東経141度36.3分 / 北緯37.6800度 東経141.6050度)の深さ57kmを震源とするM6.1の前震が発生し、宮城県石巻市と福島県相馬市で震度5弱を観測した[73][46][74]。京都大学防災研究所の片尾浩准教授は、このM6.1の地震が本震を誘発した可能性を指摘している[61]。
影響・被害
県 | 人的被害 (人) | 住家被害 (棟) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
死者 | 重傷 | 軽傷 | 全壊 | 半壊 | 一部 破損 | ||
岩手県 | 1 | 4 | |||||
宮城県 | 2 | 6 | 89 | 2 | 120 | ||
秋田県 | 1 | 1 | |||||
山形県 | 3 | 1 | 1 | 1 | |||
福島県 | 1 | 7 | 91 | 108 | |||
茨城県 | 2 | 6 | |||||
栃木県 | 2 | ||||||
群馬県 | 1 | ||||||
埼玉県 | 6 | ||||||
千葉県 | 3 | ||||||
神奈川県 | 5 | ||||||
新潟県 | 1 | ||||||
山梨県 | 1 | 1 | |||||
合計 | 3 | 21 | 209 | 3 | 231 | ||
総務省消防庁:2022年3月20日10時現在[75] |
宮城県及び福島県の全市町村(27市51町16村)に災害救助法が適用された[76][77][78]。
停電
地震によって、東北地方や関東地方を中心に大規模な停電が発生し、関東全域で一時およそ209万8340軒が停電した[注 1][80]。経済産業省は、東北電力の原町火力発電所1号機など計12基の火力発電所が一時停止したと発表[81]。電力融通も実施された[81][82]。経産省によると、17日0時5分時点での電力関連の被害は次の通りであった[83][注 2]。
北海道胆振東部地震(2018年)の際にも発生した大規模停電「ブラックアウト」を防ぐための安全装置が作動したため、 東京電力管内では大規模な停電が発生した[85][86][87][88]。
停電に伴い、都内では信号機746か所が一時停止した[89]。また都内では停電の影響により、低温で保管していたおよそ23,000回分の新型コロナウイルスワクチンが使用できなくなり廃棄された[90]。
交通への影響
関東地方や東北地方では、地震の影響でJRをはじめとするほとんどの鉄道(在来線や新幹線など)が運転を見合わせた[91]。東北新幹線は東京発仙台行き(下り列車)の「やまびこ223号」(17両編成)が、福島駅 - 白石蔵王駅間で17両のうち16両が脱線した(東北新幹線脱線事故)[92][93][94]。さらに、 高架橋の損傷や電化柱の傾斜、橋脚の崩落などの被害が発生した[95][96]。このため、運休が長期間に及ぶ可能性もあるとされた[97][98]。新幹線の不通を受け、全日空と日本航空、フジドリームエアラインズ[99]各社は、羽田、伊丹、名古屋と東北地方の各地の空港を結ぶ臨時便を運航し[100][101]、羽田発着函館、青森、秋田、三沢、山形など既存沿線路線でもコロナ減便からの再開や機材変更し提供座席数を増やした[102]。
東北自動車道や常磐自動車道など、高速道路は複数区間が通行止めとなり[103]、東北道や常磐道などではひび割れや亀裂などが確認された[注 3][96][107]。福島県相馬市では、鵜ノ尾岬トンネル付近の市道が落石により通行止めとなるなど、市内の複数の市道が通行止めとなった[108]。また、福島県伊達市の阿武隈川にかかる伊達橋が隆起し段差ができたため通行止めとなった[109]。
その他の影響・被害
各種の工場は相次いで操業を停止したほか[109][111]、商業施設では臨時休業や部分営業などが相次ぎ、金融機関も休業が相次いだ[112][113]。地震により、全国500余の学校などで施設被害があった。休園や休校を決めた学校などの数は740校に上った[89]。
文化庁によると、国宝や重要文化財など宮城県で計5件の被害があった[89]。仙台市青葉区の仙台城跡で石垣の一部が崩落したほか[114][115][116][117]、銅製の「伊達政宗公騎馬像」(高さが9m)が傷つき、 右方向に傾いた(馬の足が破断)[109][118][119]。東日本大震災も含めて騎馬像で地震の被害が確認されたのは初めてであるという[89]。
気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査によると[120]、 震度6強を観測した7つの震度観測点の周辺では、 アスファルトの亀裂、天井の剥離、階段の破損、石灯篭の倒壊、歩道ブロックの破損、傾いたブロック塀などの被害状況が確認された[121]。
福島県国見町の国登録有形文化財「旧小坂村産業組合石蔵」では壁面の壁が崩れた[109]。福島県新地町にある相馬港のふ頭では「揚炭機」という大型クレーン2基が折れた[89][122]。宮城県登米市にあるイオンタウン佐沼も被災し、ゲームセンターの天井や壁が崩れた[89]。宮城県白石市の白石市文化体育活動センター(ホワイトキューブ)では、コンサートホールの天井が一部落下するなどの被害があった[89][123][124]。福島県南相馬市にある「鹿島御子神社」では鳥居が倒壊するなどの被害があった[89]。福島県相馬市では歩道橋が崩落した[125]。
日立ビルシステムによると、東北・関東を中心に約1万8000台ものエレベーターが一時停止した[89]。国土交通省によると、エレベーター内の閉じ込めは38件確認された(うち都内が22件)が、全員が救出され、けが人はいなかったという[126]。
総務省消防庁によると、住家等の火災は12件発生した[127]。千葉県市川市では2階建ての一戸建て住宅1棟が全焼する火災が発生した。市川市では前述の通り、地震に伴う停電が発生しており、「停電から復旧した直後に出火した」と住人が証言していることから、千葉県警察と市川市消防局では通電火災の可能性があるとして調査を進めている[128][129]。
福島県内を放送エリアとしているラジオ局のラジオ福島では郡山ラジオ中継局の送信機が故障したため、一部地域でFM補完放送(ワイドFM)が一時送信できなくなった。なお、AM放送やradikoでの配信に影響は無かった[130]。
トヨタ自動車は18日、取引先の部品メーカーが地震で被災したため、国内の11工場の18ラインを、21日以降最大3日間停止すると発表した[131][132]。これにより、約2万台の生産に影響する見込みとなった[132]。
Bリーグは、カメイアリーナ仙台が被災し復旧の目途が立たないことから、3月26日・27日に開催が予定されているB2リーグ第28節のうち、同会場で行われる仙台89ERS対香川ファイブアローズ戦を中止すると発表した[133][134]。
日本中央競馬会(JRA)は福島競馬場の一部設備が損傷し、点検や復旧作業に時間を要することから、4月9日・10日に予定していた第1回福島競馬の開催を取り止めることを3月17日に発表した[135][136]。
政府の対応状況
反応
- 内閣総理大臣の岸田文雄は地震翌日、「発生後ただちに被害状況の把握などを指示した。官邸危機管理センターに官邸対策室を設置して、関係省庁の局長級による緊急参集チームを招集し、人命第一の方針のもと、被害状況の把握と救命救助活動を行った」「けさ8時の時点で災害との関連を調査中の死者4人、負傷者97人と報告を受けていて、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げる」などと述べた[144]。
- 愛子内親王は成年に伴う記者会見の中で「昨夜の地震により亡くなられた方がいらっしゃると伺いまして心が痛んでおります。ご遺族の皆様と被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます」と述べられた[145][146][147]。
- 台湾総統の蔡英文は、Twitterに日本語で「東北地方を中心に、日本がまた大きな地震に襲われたと聞き心を痛めています。被害が最低限にとどまるように祈っています」と投稿[148]。蔡は「台湾はいつも日本の皆さんと一緒です。支援が必要であればいつでも言ってください」とも記した[109]。
脚注
注釈
- ^ 停電戸数は、前年の福島県沖地震時(約86万戸)の2倍を超える規模であった[79]。
- ^ ()内は後に判明した総戸数である[84]。
- ^ 常磐自動車道の相馬IC-新地IC区間では土砂崩れが発生[104]。また、東北自動車道や常磐自動車道で大きな段差やひび割れが発生[105]。東北自動車道(白河IC - 花巻南IC)、山形自動車道(村田JCT - 西川IC)、三陸縦貫自動車道・仙台東部道路・仙台北部道路(仙台港北IC - 利府中IC)、常磐自動車道(いわき勿来IC - 亘理IC)、東北中央自動車道(米沢北IC - 天童IC)、磐越自動車道(いわきJCT - 会津若松IC)、秋田自動車道(北上JCT - 北上西IC)で通行止め[106]。
出典
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- ^ T.レイ・T.C.ウォレス 『地震学 下巻』 柳谷俊訳、古今書院、2002年
- ^ 地震調査研究推進本部(2009) (PDF) 三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価
- ^ 地震調査研究推進本部(2011) (PDF) 三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価(第二版)について
- ^ [1] 大木聖子、纐纈一起 『超巨大地震に迫る -日本列島で何が起きているのか』 NHK出版新書、2011年
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