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トヨタ・ベルタ

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トヨタ・ヴィッツ > トヨタ・ベルタ

ベルタ(BELTA)は、トヨタ自動車が製造・販売する小型4ドアセダンである。車名はイタリア語で「美しい」または「美しい人」という意味にちなんでいる。

初代 KSP/SCP/NCP9#型(2005年 - 2012年)[編集]

トヨタ・ベルタ(初代)
KSP/SCP/NCP9#型
2008年8月改良型 フロント
1.3X Lパッケージオプション装着車
2008年8月改良型 リア
2008年8月改良型 車内
概要
別名 米国・オーストラリア : トヨタ・ヤリスセダン(2代目)
アジア : トヨタ・ヴィオス(2代目)
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2005年11月 - 2012年6月
設計統括 古山淳一
デザイン 豊田自動織機
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドア セダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォーム トヨタ・Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1KR-FE型 1.0L 直3 DOHC
2SZ-FE型 1.3L 直4 DOHC
2NZ-FE型 1.3L 直4 DOHC(4WD
変速機 CVT
4速AT(4WD)
サスペンション
マクファーソンストラット式
トーションビーム(FF)
ド・ディオン/トーションビーム(4WD)
車両寸法
ホイールベース 2,550mm
全長 4,300 mm
全幅 1,690mm
全高 1,460mm - 1,480mm
車両重量 990kg - 1,120kg
その他
新車登録台数の累計 13万3664台[1]
系譜
先代 トヨタ・プラッツ
後継 トヨペット店プレミオなどに統合
カローラ店:カローラアクシオなどに統合
ネッツ店ヤリスなどに統合(アクアトヨタ店を含む全チャネルにおいて販売)
米国サイオン・iA/トヨタ・ヤリスセダン(北米南米専売2代目[2]※事実上)
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プラッツの後継車であり、2代目ヴィッツをベースとしている。プラットフォームなど基礎的設計・仕様はプラッツと同様にヴィッツ共有であるが、ヴィッツとは異なる専用の設計・趣きがプラッツ以上に明確となり、ホイールベースの延長、ボディ形状や低重心のスタイル、車内設計などセダンとしての独自性が格段に高められた仕様となっている。

エンジンおよびトランスミッションは、FF車には1.0 L1KR-FEエンジンと1.3 L・2SZ-FEエンジンを設定、トランスミッションは自動無段変速Super CVT-iが装備される。4WD車は1.3 L・2NZ-FEエンジンを搭載、4速ATのSuper ECTとの組み合わせとなる。

ベルタはヴィッツ系モデルの実用的・経済的な機能性とセダンとしての上質性を備えている。アナログ式[注釈 1]センターメーターレイアウトを採用、ホイールベースはヴィッツより90mm延長されてラクティスと同数値の2,550mmとなり、最適化された車内空間、大容量のトランク[注釈 2]が装備される。ボディのCd値はプラッツ、および9代目カローラセダン(E120型)と同数値の0.29を達成。

宮城県警察においてパトロールカーとして県費導入された。

2006年10月1日グッドデザイン賞を受賞。

日本国外では北米南米オセアニアなどにおいて「ヤリスセダン」、中国および東南アジアにおいては「ヴィオス(2代目)」として販売[注釈 3]された。北米向けはヤリスハッチバック(日本名ヴィッツ)のモデルチェンジにより、南米向けはエティオスの投入・展開によりそれぞれ販売終了としたが、オセアニア向け「ヤリスセダン」と中国・東南アジア向け「ヴィオス(2代目)」についてはヤリスハッチバックのモデルチェンジ後も引き続き生産・販売された。

年表[編集]

  • 2005年11月28日 - 発表、および発売。CMには鈴木京香を起用。キャッチコピーは「美しい人、ベルタ。」。月間販売目標台数は3,000台。
1.0 L車はFF車のみで「X」と「X Sパッケージ」、1.3 L車はFFと4WDが設定され、ともに「X」と「X Sパッケージ」・「G」の3タイプ。FF車は「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」(☆☆☆☆・SU-LEV)、4WD車は「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」(☆☆☆・U-LEV)を達成。
インテリア関係ではセンターメーター・車内の全体的な色調・シート・リヤドアアームレストなどの仕様が変更され、1.3 L車はアームレスト仕様の6:4分割可倒リヤシートが標準装備化。
エクステリアではフロントグリルの意匠変更、フロントフェンダー部装着のターンシグナルランプがサイドドアミラー一体式に移行してLED化。「1.3G」装着のスチールホイール用フルキャップ・メーカーオプション設定の15インチアルミホイールもデザインを変更。スポーティードレスアップモデルの「1.0/1.3X Sパッケージ」が廃止、花粉除去モード付オートエアコンや新たに追加設定された 運転席「快適温熱シート」などを標準装備したラグジュアリーモデルの「1.3X Lパッケージ」を代替設定。
1.0 L車と1.3 L-FF車でエンジン・トランスミッション・オルタネーターの制御等の見直しにより燃費を向上(0.4 - 0.5km/L)し、「平成22年度燃費基準+25%」を達成。このため、既に対象となっている環境対応車普及促進税制(エコカー減税)の自動車取得税自動車重量税の減税額が50%から75%に引き上げられた。
  • 2010年7月 - 一部改良。「1.3G」と「1.3X Lパッケージ」のシート素材の仕様変更。リヤシートベルトのアラーム機能を廃止。
  • 2011年8月 - 一部改良。新たにブレーキオーバーライドシステムを採用、全車標準装備。ボディカラーのホワイトをスーパーホワイトIIに変更。
  • 2012年6月30日 - 販売終了[注釈 4]。実質的に先代のプラッツを含めると通算2代13年となった。
車種体系が整理・統合[注釈 5]され、系統のヤリスプレミオコンパクトハイブリッドカーアクアなどが、セダンとしてはカローラアクシオが販売上の代替車種となる。

2代目(2021年 - )[編集]

トヨタ・ベルタ(2代目)
スマート(フロント)
スマート(インテリア)
概要
別名 スズキ・シアズ
スズキ・アリビオ
製造国 インドの旗 インド
販売期間 2021年12月 -
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン K15B型 1.5L 直4 DOHC
変速機 5速MT/4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,650 mm
全長 4,490 mm
全幅 1,730 mm
全高 1,475 mm
テンプレートを表示

2021年11月18日、エジプトで「BELTA」を世界初公開[3]。車名が9年ぶりに復活し、スズキが新興国限定で製造・販売している既存の小型セダンであるシアズ、およびアリビオOEMとなった。

取扱ディーラー[編集]

トヨペット店大阪地区は大阪トヨタ - 大阪トヨペット[注釈 6])とトヨタカローラ店で販売された。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 前期型は「1.0/1.3X Sパッケージ」・「1.3G」に、後期型は「X ビジネスAパッケージ/ビジネスBパッケージ」を除く全モデルにタコメーター付センターメーターを設定装備。
  2. ^ VDA法による測定では一体固定式リヤシート仕様車が448L(4WD車は372L)、6:4分割可倒式リヤシート仕様車は475L(4WD車は399L)の容量をそれぞれ確保している。
  3. ^ これらの日本国外仕様には1.5L・1NZ-FEエンジンの設定もあるが、日本仕様ではカローラセダン(のちのカローラアクシオ)との競合を避ける市場戦略から2012年6月のブランド終了まで未設定であった。
  4. ^ 同車の販売終了により、トヨペット店では初代(L10型)コルサセダン以来、約34年間続いていたコンパクトクラスのセダンが一旦消滅した。店舗によっては2020年5月1日からのトヨタ車の全車種取り扱い開始(ただし、ごく一部の車種除く)に伴い、カローラアクシオEX(同型車種となるトヨタ教習車(2代目)は除く)が投入されるまでの間、7年11か月の空白期間が生じた。また、トヨタのスモールセダンとしてはプラッツに続き、メーカーオリジナルの特別仕様車・限定車が一度も投入されたことのない車種となった。
  5. ^ 2012年5月11日、カローラアクシオがプラットフォームを共有化して2代目にフルモデルチェンジ(E160型、カローラシリーズ全体で通算11代目)。
  6. ^ 2006年8月8日より社名を「大阪トヨタ」から「大阪トヨペット」に変更。

出典[編集]

  1. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第93号11ページより。
  2. ^ 日本市場未発売の4代目マツダ・デミオの4ドアセダンモデル(海外名:マツダ・2セダン)のOEM車種。
  3. ^ トヨタ新型「ベルタ」世界初公開! 美麗トヨタ車がLEDライト装備のイケ顔で登場 約170万円から 中東で復活”. くるまのニュース(株式会社メディア・ヴァーグ. 2023年1月16日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]