国道360号
一般国道 | |
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国道360号 | |
地図 | |
総延長 | 117.2 km |
実延長 | 90.5 km |
現道 | 90.5 km |
制定年 | 1975年(昭和50年) |
起点 | 富山県富山市 城址公園前交差点(北緯36度41分30.84秒 東経137度12分45.46秒 / 北緯36.6919000度 東経137.2126278度) |
主な 経由都市 |
岐阜県飛騨市、大野郡白川村 石川県白山市 |
終点 | 石川県小松市 空港西口交差点(北緯36度24分13.56秒 東経136度24分41.78秒 / 北緯36.4037667度 東経136.4116056度) |
接続する 主な道路 (記法) |
国道41号 国道359号 E8 北陸自動車道 国道156号 国道157号 国道8号 国道305号 |
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国道360号(こくどう360ごう)は、富山県富山市から石川県小松市に至る一般国道である。
概要
[編集]起点の富山市本丸の城址公園前交差点から同市市猪谷までは、国道41号との重複区間となり、起点の富山市と終点の小松市を除いて、路線のほとんどは山間部を通る。岐阜県大野郡白川村から石川県白山市にかけて両県境をまたいだ分断区間があるが、事実上、有料林道の白山白川郷ホワイトロードが代替路になっていて岐阜・石川県境を越えることができる[1]。
なお、終点の石川県小松市浮柳町の空港西口交差点は、石川県道20号小松加賀線との接続となり、他の一般国道とは接続していない終点交差点である。港国道以外で本州には他に国道424号終点の田辺市礫坂交差点がある。
路線データ
[編集]一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
- 起点:富山市(城址公園前交差点 = 国道41号上、富山県道44号富山高岡線起点)
- 終点:小松市(浮柳町、空港西口交差点 = 石川県道20号小松加賀線起点)
- 重要な経過地 : 富山県婦負郡細入村[注釈 2]、岐阜県吉城郡河合村[注釈 3]、同県大野村白川村[注釈 4]、石川県石川郡尾口村[注釈 5]、同郡吉野谷村[注釈 5]
- 総延長 : 117.2 km(富山県 31.3 km、石川県 30.6 km、岐阜県 55.4 km)重用延長を含む。[3][注釈 6]
- 重用延長 : 26.7 km(富山県 26.6 km、石川県 0.1 km、岐阜県 - km)[3][注釈 6]
- 未供用延長 : なし[3][注釈 6]
- 実延長 : 90.5 km(富山県 4.7 km、石川県 30.4 km、岐阜県 55.4 km)[3][注釈 6]
- 指定区間:国道41号と重複する区間(富山県富山市・城址公園前交差点(起点) - 富山市猪谷)[4]
歴史
[編集]- 1974年(昭和49年)11月12日 - 一般国道360号(富山県富山市 - 岐阜県大野郡白川村)として指定公布。一般国道41号重複区間を除いた区間は以前、主要県道古川細入線(岐阜県道9号、富山県道25号)および、主要県道古川白川線(岐阜県道77号)として指定されていた[5][6]。
- 1975年(昭和50年)4月1日 - 正式に一般国道360号に昇格[5]。
- 1977年(昭和52年)
- 1993年(平成5年)4月1日 - 終点を石川県小松市まで延長。
- 2000年(平成12年)8月28日 - 細入バイパス(細入村(現・富山市)蟹寺 - 同加賀沢)および宮川細入道路I工区(細入村加賀沢 - 宮川村小豆沢(現・飛騨市宮川町小豆沢))計6.8 kmが開通。これにより県境区間の冬季閉鎖が解消[7][8]。
- 2005年(平成17年)
- 2008年(平成20年)
- 2月29日 - 宮川細入道路II工区(飛騨市宮川町小豆沢 - 飛騨市宮川町祢宜ヶ沢上)開通[7]。
- 4月1日 - 小松市立高校前交差点 - 空港西交差点(終点)の区間を国道360号に指定。従来の小松市立高校前交差点 - 沖町交差点(終点)は、石川県道25号金沢美川小松線に降格(2009年11月17日まで)。
- 2016年(平成28年)11月29日 - 種蔵・打保バイパスの内、飛騨市宮川村打保 - 飛騨市宮川村種蔵間(成手トンネル)開通。同日付けで旧道を除外[11]。
- 2022年(令和4年)8月9日 - 種蔵・打保バイパスの内、飛騨市宮川町塩屋 - 飛騨市宮川町打保間の約1.5km(塩屋トンネル)開通[12][13]。
路線状況
[編集]岐阜県飛騨市から大野郡白川村を結ぶ天生峠(あもうとうげ)区間は、例年11月から翌年5月または6月まで冬季閉鎖が実施される[14][1]。この区間では豪雪地帯で、雪解けとともに道路の破損箇所やガードレールなどの破損箇所の補修工事が行われるため、閉鎖期間がさらに延長されることが多い。そのため、1年のうちで実質2カ月間しか通行できないこともある[1]。天生峠越えの区間はいわゆる「酷道」とよばれているところで、深いヘアピンカーブを繰り返しながら標高差を稼いでおり、飛騨市側の方が道路幅が狭くなる[1]。天生峠の北側の区間は、崖に面した高所を走るためガードレールが設置されている[1]。
道路の改築事業として富山県富山市から岐阜県飛騨市にかけて細入バイパス、宮川細入道路、種蔵・打保バイパス、丸山バイパスが建設され種蔵・打保バイパスの一部区間を除きすでに供用を開始している[15]。種蔵・打保バイパスの未開通区間は岐阜県の財政状況が厳しいため、完成まで長期間を要する見込みである[16]。これらの区間は猪谷 - 加賀沢間が富山県事業、加賀沢以西が建設省直轄事業として主要県道古川細入線時代の1972年から事業を開始しているが、当初は現道を改良して対応する予定であったが、蟹寺 - 小豆沢間は地滑り地帯で拡幅工事が不可能であったため、1984年に計画変更し、現在の様な橋とトンネルで通過するルートとして建設されることになった[17]。
バイパス
[編集]- 細入バイパス
- 宮川細入道路
- 種蔵・打保バイパス
- 丸山バイパス
通称
[編集]- 越中西街道(飛騨市)
- 天生カツラ街道(白川村)
重複区間
[編集]- 国道41号(富山県富山市・城址公園前交差点(起点) - 富山市猪谷)
- 国道471号、国道472号(岐阜県飛騨市宮川町落合 - 飛騨市河合町角川)
- 国道157号(石川県白山市瀬戸・瀬戸野交差点 - 白山市吉野・下吉野交差点)
不通区間
[編集]- 岐阜県大野郡白川村から石川県白山市にかけて国道未指定区間があり、形式上は未開通と言える。実際には白山白川郷ホワイトロードが両区間を結んでいるが、この区間は国道ではなく林道である。
- 岐阜県飛騨市と大野郡白川村の境にある天生峠(あもうとうげ)付近は冬期間は通行止めになる。
道路施設
[編集]主要構造物
[編集]※単独区間のもののみ掲載。
- 蟹寺トンネル(富山市)
- 越路トンネル(富山市、細入バイパス)
- 加賀沢跨線橋(富山市、細入バイパス)
- 加賀沢橋(富山市 - 飛驒市、宮川細入道路、宮川)
- 加賀澤トンネル(飛驒市、宮川細入道路、1999年12月14日貫通、全長482m[18])
- 飛越橋(飛驒市 - 富山市、宮川細入道路、宮川)
- 飛越トンネル(富山市 - 飛驒市、宮川細入道路)
- 鮎飛橋(飛驒市、宮川細入道路、宮川)
- 鮎飛トンネル(飛驒市、宮川細入道路)
- 巣納谷トンネル(飛驒市、宮川細入道路)
- 新旭橋(飛驒市、宮川)
- 平成橋(飛驒市、宮川)
- 塩屋トンネル (飛驒市、種蔵・打保バイパス)
- 成手橋(飛驒市、種蔵・打保バイパス)
- 成手トンネル(飛驒市、種蔵・打保バイパス)
- 大瀬橋(飛驒市、種蔵・打保バイパス、宮川)
- 大瀬トンネル(飛驒市、種蔵・打保バイパス)
- 蛇渕橋(飛驒市、種蔵・打保バイパス、宮川)
- 文童子トンネル(飛驒市、種蔵・打保バイパス)
- ヤソゼ橋(飛驒市、種蔵・打保バイパス、宮川)
- 宮川新大橋(飛驒市、丸山バイパス、宮川)
- 高牧トンネル(飛驒市、丸山バイパス)
- 西忍トンネル(飛驒市、丸山バイパス)
- 西忍橋(飛驒市、丸山バイパス、宮川)
- 岸奥トンネル(飛驒市)
- 河合橋(飛驒市、宮川)
- 暁橋(飛驒市、小鳥川)
- 黄門橋(白山市、手取川)
- 別宮大橋(白山市、大日川)
- 三坂隧道(白山市)
- 中ノ峠隧道(小松市)
- 軽海新橋(小松市、梯川)
- 浮柳新橋(小松市、前川)
道の駅
[編集]地理
[編集]富山県から岐阜県にかけて、JR高山本線や神通川上流域の宮川に沿っている。沿線には、合掌造り集落で世界遺産(文化遺産)になっている白川郷がある。白川郷では賑わいを感じることができるが、起点・終点の平地部を除いて路線のほとんどは険しい山間部を通る[1]。天生峠の冬季閉鎖区間内において、白川村側で「天生の中滝」を臨むことができる[1]。
通過する自治体
[編集]交差する道路
[編集]富山県
岐阜県
石川県
- 白山白川郷ホワイトロード(白山市尾添)
- 国道157号(白山市瀬戸野交差点、下吉野交差点)
- 国道8号、小松バイパス(小松市八幡・八幡東交差点)
- 国道305号(小松市園町・園町交差点)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g 鹿取茂雄 2018, pp. 36–37.
- ^ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2014年4月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月19日閲覧。
- ^ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2014年4月5日閲覧。
- ^ a b c 『北日本新聞』1997年9月8日付朝刊12面『8年越しの願い実る 国道360号線 踏切横断の不便解消 砂蔵トンネルが完成 細入』より。
- ^ 『富山大百科事典 上巻』(1994年8月1日、北日本新聞社発行)654頁。
- ^ a b 中部地方整備局 (2012年11月12日). “一般国道306号宮川細入道路(I・II)(道路事業)説明資料” (PDF). 2020年10月30日閲覧。
- ^ 『細入村史 通史編(続編)』細入村、2005年3月20日、73頁。
- ^ 『北日本新聞』2005年4月9日付朝刊36面『国道360号バイパス一部区間が開通 飛騨市宮川町』より。
- ^ “岐阜県告示第403号、第404号”. 岐阜県公報第1637号. 岐阜県. p. 300-301 (2005年4月8日). 2024年2月10日閲覧。
- ^ “岐阜県告示第597号、第600号”. 岐阜県公報第2803号. 岐阜県. p. 753-754 (2016年11月29日). 2024年2月10日閲覧。
- ^ “国道360号 種蔵・打保バイパス「塩屋トンネル」が完成します” (PDF). 岐阜県道路建設課 (2022年7月27日). 2022年8月11日閲覧。
- ^ “岐阜県告示第284号”. 岐阜県公報第322号. 岐阜県. p. 338-339 (2022年8月9日). 2024年2月10日閲覧。
- ^ “冬期閉鎖区間一覧表”. 岐阜県 (2016年1月1日). 2020年10月30日閲覧。
- ^ 平成24年度 第4回中部地方整備局事業評価監視委員会 開催結果 - 国土交通省中部地方整備局
- ^ 平成24年第4回飛騨市議会定例会議事日程 (PDF) 飛騨市[リンク切れ]
- ^ 『北日本新聞』1992年5月12日付朝刊1面『国道360号岐阜県境 2000年までに改修完了 冬季も通行可能に 国事業に合わせ、県、計画練り上げ』より。
- ^ 『富山市史 編年史 〈下巻〉』(2015年3月20日、富山市発行)800頁。
参考文献
[編集]- 鹿取茂雄(著)、磯部祥行(編)「国道362号〈山岳区間〉」『酷道大百科』〈ブルーガイド・グラフィック〉、実業之日本社、2018年12月28日、34 - 35頁、ISBN 978-4-408-06392-8。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 国土交通省北陸地方整備局
- 国土交通省中部地方整備局
- 石川県
- 南加賀土木総合事務所:小松市 - 白山市の指定区間外を管理
- 富山県
- 富山土木センター:富山市の区間を管理
- 岐阜県
- 古川土木事務所:飛騨市 、白川村の指定区間外を管理