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2018年1月29日 (月) 00:31時点における版

トヨタ・ヴィッツ
3代目中期型(左)と後期型(右)
概要
別名 トヨタ・ヤリス
トヨタ・ヤリスハッチバック
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1999年 -
ボディ
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
駆動方式 FF / 4WD
系譜
先代 トヨタ・スターレット
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ヴィッツVitz)は、トヨタ自動車が販売する1,000 - 1,500ccクラスのハッチバック乗用車である。製造は豊田自動織機が受託している。日本国内では一貫して新旧ネッツ店でのみ取り扱う、同店の看板車種でもある。日本国外での車名はヤリスYaris)。便宜上、国外仕様についても記述する。

概要

スターレットの後継車[注釈 1]にあたり、欧州などでも生産販売される世界戦略車の一面をもつ。欧州ではBセグメント(初代を除く)に、北米ではサブコンパクトカーに分類される。

初代型の登場した1999年当時の日本では、デミオマーチロゴといったコンパクトカーも存在したものの、同社においてもスターレットカローラIIなどのように、価格の安さに価値が置かれる傾向が強かったが、ヴィッツはギリシャ人デザイナーのソティリス・コヴォスによるデザインや品質、衝突安全性能や環境性能の高さなどを売りとし、国内外で爆発的なヒットを記録した。コンパクトカーブームにさらに拍車をかけたことにより、他社もフィットやマーチ(3代目 K12型)などの対抗車種を投入することになり、日本のコンパクトカー市場に大きな影響を与えた。その意味でも、これらの車種は「日本の小型車を変えた存在」として現在でも評価が高い[注釈 2]

TRDの手により、欧州向けモデルのディーゼルターボ用ユニットと中近東向けモデルの大容量ラジエーターを流用し「RS」に装着したモデル「ヴィッツRSターボ Powered by TRD」も発売された。

また、ヴィッツ限定のワンメイクレースネッツカップヴィッツレース」、同じくワンメイクラリー「TRDヴィッツチャレンジ」が開催され、モータースポーツの門戸を広げる車の一つとなっている。

初代 SCP/NCP1#型(1999年 - 2005年)

トヨタ・ヴィッツ/
トヨタ・ヤリス(初代)
SCP/NCP1#型
3ドア(欧州仕様・前期型)
5ドア(後期型)
2001年12月 - 2005年2月
概要
別名 欧米:トヨタ・ヤリス(初代)
製造国 日本の旗 日本愛知県
フランスの旗 フランス
中華人民共和国の旗 中国
販売期間 1999年1月 – 2005年2月
設計統括 市橋保彦
デザイン ソティリス・コヴォス
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3/5ドア ハッチバック
駆動方式 FF / 4WD
プラットフォーム トヨタ・NBCプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1SZ-FE型 1.0L 直4 DOHC
2SZ-FE型 1.3L 直4 DOHC
2NZ-FE型 1.3L 直4 DOHC
1NZ-FE型 1.5L 直4 DOHC
1ND-TV型 1.4L 直4 SOHC ディーゼル ターボ(欧州仕様)
最高出力 1.0L 70PS/6,000rpm
1.3L 87PS/6,000rpm
最大トルク 1.0L 9.5kgf·m/4,100rpm
1.3L 11.8kgf·m/4,000rpm
変速機 CVT / 4速AT / 5速MT
前:
ストラット式
後:
トーションビーム式(FF)
4リンク/リジット式(4WD)
前:
ストラット式
後:
トーションビーム式(FF)
4リンク/リジット式(4WD)
車両寸法
ホイールベース 2,370mm
全長 3,610 - 3,660mm
全幅 1,660mm
全高 1,500mm - 1,510mm
車両重量 810 - 1,010kg
系譜
先代 トヨタ・スターレット
トヨタ・ターセル
テンプレートを表示

当初のラインナップは1.0L 直列4気筒DOHC16バルブ1SZ-FE型 (70PS) のモデルのみのリッターカーである。フォード・Kaらが属するAセグメントの市場に登場した。1999 - 2000日本カー・オブ・ザ・イヤープラッツファンカーゴとともに受賞(トヨタとしては初の3連覇となった)。欧州カー・オブ・ザ・イヤーも受賞。それまで販売台数で上位にあったカローラ(セダン)を上回る販売台数となり、日本国内外に影響を与える車になった。

インテリアはエクステリアと同様に丸みを帯びた斬新なデザインであり一部グレード、タコメーター仕様を除きデジタルセンターメーターが搭載された[注釈 3]。当時としては珍しくインパネには灰皿らしきケースが存在するがコインケースとなっている。

中国天津一汽夏利汽車に技術供与され、威姿 (Vizi) として発売していたが、 2012年6月生産終了(搭載エンジンは1SZ・8A)。

年表

  • 1997年
  • 1999年
    • 1月13日 - 初代モデルを日本で発売。キャッチフレーズは「21世紀 My Car」。
    • 3月 - 欧州において発売を開始。
    • 8月 - 日本において一部改良。
      1.3L 直列4気筒DOHC16バルブ2NZ-FE型 (88PS) 搭載の4WD車が追加される。同時にエクステリアをシックにしたクラヴィアを追加。ボディカラーの「スーパーレッドII」に替わり、「スーパーレッドV」を設定。
    • 10月 - 日本において、インターネット限定でユーロスポーツエディションを発売[1]
      欧州仕様ヤリスサスペンションを流用し、日本仕様には省かれていたスタビライザーを装備。
    • 10月8日 - オーストラリアにおいて発売を開始。
  • 2000年
    • 1月 - 日本において一部改良。オフセット衝突に対する安全性能を向上。
    • 5月 - 外装色ペールローズメタリックオパールが、第2回オートカラーアウォード2000、グランプリ&オートデザイナーズ賞を受賞。
    • 8月 - 日本において一部改良。排出ガス記号を変更する。
    • 10月 - 1.5L 直列4気筒DOHC16バルブ1NZ-FE型 (110PS) を搭載したスポーツグレード、RSが日本で発売される。なお、1.3Lエンジン搭載モデルも存在する。
    • 12月 - 日本仕様でISOFIX対応シート並びにEBD付ABSを全車標準装備化。これに伴い車体色のスーパーホワイトII(色番号・040)がホワイト(色番号・068)に差し替えとなった。
  • 2001年
    • 日本での「RS」に相当する、1.5Lエンジンを搭載したT Sportが欧州で発売される。
    • 6月 - 日本においてアイドリングストップ装置とギヤ比を変更した1.0Bエコパッケージ(5速MTのみ)を追加。
    • 12月20日 - 日本においてマイナーチェンジ。キャッチフレーズは「VITZ Beautiful!」。
      1.0L車が「超-低排出ガス」認定を取得。フロントデザインを変更するとともに、ハイマウントストップランプを標準装備化。また、主要グレードに6:4分割式リアシート、ラゲージルームランプなども標準装備化した。「U」の2WD車は1.3Lに格上げされ、1.0Lモデルは「B」とDパッケージを含む「F」に集約。「U」および1.3Lの「RS」にそれぞれ一部の機能と装備を省略したDパッケージを新たに設定。「RS」と「クラヴィア」は外観の変更がなかった。
  • 2002年
    • 3月 - 1.4L 直列4気筒ディーゼルターボエンジン搭載モデルが欧州で発売される。
    • 4月15日 - 販売累計50万台達成を記念し、日本において特別仕様車「F/U Dパッケージ Bealtifulセレクション」を発売。
      「F」と「U」をベースに、Dパッケージの装備およびワイヤレスドアロック対応キーを2本にし、電動格納式リモコンカラードドアミラー・リアプラバシーガラスを装備した。
    • 6月3日 - 日本において特別仕様車「F/U Dパッケージ Bealtifulセレクション・ナビスペシャル」を発売。
      同年4月に発売された「F/U Dパッケージ Bealtifulセレクション」にGPSボイスナビゲーション(1DINタイプ)を追加した。
    • 8月 - 日本において、1.3L車と1.5L車も「超-低排出ガス」認定を受けるとともに、1.3L車(4WD・AT車を除く)は「平成22年度燃費基準」を達成。また、「RS」が一時販売中止となった。
    • 12月25日 - 日本において2度目のマイナーチェンジ。キャッチフレーズは「VERY VITZ!」。
      変更点は、「RS」・「クラヴィア」のデザイン変更、インテリアデザイン(メータークラスター部)、ルーフアンテナを短いポール式にしたうえルーフ後端に移動、制動灯がLED式になった。フロントベンチシート&コラムATを装備する「ペアスタイル」を1.0L車に追加。このほか新開発の1.3L 直列4気筒DOHC16バルブ2SZ-FE型 (87PS) を搭載し、さらにヴィッツ初のCVT車&アイドルストップ付のインテリジェントパッケージを1.3Lの「U」に設定。これと入れ替わる形で1.0「B エコパッケージ」は廃止されパワーステアリングも全車標準装備となる。3ドア車はスポーティ仕様の「RS (1.5L/1.3L)」とベーシック仕様の「F」/「B」(1.0L) に整理した。
  • 2003年
    • 1月23日 - TRDが開発・販売したターボチャージャーキットを1.5Lの「RS」グレードに載せた、ハイオクガソリン仕様の「RSターボ」を日本で発売。
      最高出力150PS/6,400rpm・最大トルク20.0kgf·m/4,800rpm。モデリスタ経由での特殊な販売車種のため、車両形式は「UA-NCP13-A (G・H) MVK」ではなく「NCP13-VLMJ (G・H) MV」となった(Gは3ドア、Hは5ドア)。
    • 8月20日 - 日本において一部改良。
      外板色の「ペールローズメタリックオパール」を廃止し、「ラベンダーメタリック」を追加。同時に「F/U Lパッケージ・ラベンダーエディション」・「U Lパッケージ・スポーティエディション」の3つの特別仕様車を発売。
  • 2004年
    • 2月 - 日本において一部改良。
      ボディカラーの「イエローパールマイカ」・「レッドマイカメタリック」を廃止し、替わって「イエローグリーンメタリック」・「ペールオレンジマイカメタリック」を追加。
    • 2月3日 - アイドリングストップ機構付の「U インテリジェントパッケージ」が省エネ大賞を受賞。
    • 5月1日 - 新生ネッツ店の誕生を記念し、日本において特別仕様車「F/U Lパッケージ・NEO Edition」を発売。
      専用のラジエーターグリルとバンパーコーナープロテクションモールなどを装備した。

オプション設定でカラーコーディネートパッケージがある。

2代目 KSP/SCP/NCP9#型(2005年 - 2010年)

トヨタ・ヴィッツ/
トヨタ・ヤリス(2代目)
KSP/SCP/NCP9#型
3ドア(米国仕様・前期型)
5ドア(前期型)
2005年2月 - 2007年8月
5ドア(後期型)
2007年8月 - 2010年12月
概要
別名 欧州トヨタ・ヤリス(2代目)
北米/オセアニア/中国:トヨタ・ヤリスハッチバック
製造国 日本の旗 日本愛知県
フランスの旗 フランス
タイ王国の旗 タイ
中華人民共和国の旗 中国
中華民国の旗 台湾
販売期間 2005年2月 – 2010年12月
設計統括 森坂学
デザイン EDスクエア[2]
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3 / 5ドア ハッチバック[注釈 4]
駆動方式 FF / 4WD
プラットフォーム トヨタ・Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1KR-FE型 1.0L 直3 DOHC
2SZ-FE型 1.3L 直4 DOHC
2NZ-FE型 1.3L 直4 DOHC
1NZ-FE型 1.5L 直4 DOHC
2ZR-FE型 1.8L 直4 DOHC(欧州仕様)
1ND-TV型 1.4L 直4 SOHC ディーゼル ターボ(欧州仕様)
4ZR-FE型 1.6L 直4 DOHC(中国仕様)
最高出力 1.0L 71PS/6,000rpm
1.3L 87PS/6,000rpm
1.5L 110PS/6,000rpm
最大トルク 1.0L 9.6kgf·m/3600rpm
1.3L 11.8kgf·m/4400rpm
1.5L 14.4kgf·m/4400rpm
変速機 CVT / 4速AT / 5速MT
前:
マクファーソンストラット
後:
トーションビーム(FF)
ド・ディオン/トーションビーム(4WD)
前:
マクファーソンストラット
後:
トーションビーム(FF)
ド・ディオン/トーションビーム(4WD)
車両寸法
ホイールベース 2,460mm
全長 3,750mm - 3,800mm
全幅 1,695mm
全高 1,520 – 1,540mm
車両重量 980 – 1,110kg
その他
横滑り防止機構 1.5RSに設定
備考 2005年度グッドデザイン賞受賞
テンプレートを表示

日本国内での月間販売目標は1万台と発表された。欧州でも2代目ヤリスとして発売。また、今回のモデルからは北米でもヤリスハッチバックとして販売されている[注釈 5]

プラットフォームを刷新し、ボディサイズが一回り大きくなり、全幅は5ナンバーサイズとしてはほぼ上限の1,695mmとなった。また、衝突安全性が大きく強化され、衝突試験速度を従来の50km/hから衝突時のエネルギーがおよそ2割増える55km/hに引き上げている。日本仕様のエンブレムには“N”をかたどった物を採用。以降ネッツ店で専売となる車種にも採用されている。日本向け仕様と台湾向け仕様は5ドアのみ。日本国外仕様には引き続き3ドアが設定される。

エンジンは2WD車にはダイハツ工業製造の1.0L直列3気筒DOHC12バルブ1KR-FE型エンジン、および1.3L直列4気筒DOHC16バルブ2SZ-FE型エンジン、自社製造の1.5L直列4気筒ローラー・ロッカーアーム式DOHC16バルブ1NZ-FE型エンジンを、4WD車には自社製造の1.3L直列4気筒DOHC16バルブ2NZ-FE型エンジンをそれぞれ設定。また、欧州仕様では1.8Lの2ZR-FE型エンジンや1.4Lディーゼルターボの1ND-TV型エンジン、中国仕様では1.6Lの4ZR-FE型エンジンの設定もある。トランスミッションはトルクコンバータ付CVTを基本にスポーティグレードの「RS」には5速MTも設定、4WD車は従来形のトルコン付遊星歯車ギアの4速ATのみとなる。

一部グレードには「スマートエントリー&スタートシステム」を設定。これはスマートキーを携帯することにより、ドアハンドルやスイッチで施錠・開錠ができるスマートエントリーと、プッシュボタン式エンジンスイッチのスマートスタートをサポートする。メーター類はアナログ仕様のみとなっているが、ヤリスにはデジタルメーター仕様もある。

なお、前期型に限っては電波時計が装着されていたが、後期型では電波時計ではなくなっている。

「RS」はFF1.5Lとなり、また、欧州および北米でも「TS」として販売された。日本仕様にはディスチャージヘッドランプが標準装備されたが、欧州仕様のヤリスにはハロゲンヘッドランプのみを設定。

初代後期型に続いて、グレードに応じてLEDリアコンビランプ(制動灯のみ)が設定されていたが、3代目からは全グレードで標準装備となった。

また2011年には、欧州市場において、ダイハツに5代目シャレードとしてOEMされ、2013年1月まで販売された。なお、このモデルはダイハツの欧州販売最終モデルで、シャレードの販売終了をもって、ダイハツは欧州市場から撤退した。

台湾市場においては、3年前の2014年3月時点でも当代が販売されていた。

年表

  • 2005年
    • 2月1日 - 2代目モデルを日本で発売。キャッチフレーズは「水と 空気と、ヴィッツ」。
    • 4月 - 日本において「F/B Intelligent Package」を追加。
      自動でアイドルストップを行うシステムを搭載。ベース車にエアスパッツを装着することにより空気抵抗を低減させているほか、エンジン停止時の空調のためにオートエアコンを搭載している。なお、エンジン再始動時には通常の鉛バッテリーではなく、搭載しているリチウムイオンバッテリーを使用するため、オーディオなどの電装類も通常通り使用可能である。
    • 6月 日本でのキャッチフレーズが「本日の人生にヴィッツ」に変更され、CMキャラクターに西島秀俊宮沢りえを起用した。
    • 8月23日 - 特別仕様車 「F Cream Collection」を日本で発売。
      「F(1.0L・2WD車および1.3L・4WD車)」をベースに、内装・シート表皮に専用色のグレージュを設定するとともにスマートエントリー&スタートシステム、盗難防止システム(エンジンイモビライザーシステム)を装備し、専用ボディカラーに「ローズメタリックオパール」を設定した。
    • 12月19日 - 日本において、一部改良および新グレード「I'll」を追加。
      • ディスチャージヘッドランプが「RS」以外のグレードでもメーカーオプションで装備可能になり、ヘッドライトのマニュアルレベライザー(ディスチャージヘッドランプ搭載車はオートレベリング機能)が追加、1.5「X」の標準装備の充実化などを行った。外装色はグリーンマイカメタリック及びペールオレンジマイカメタリックが廃止となり、ライトグリーンメタリック、ダークブルーマイカメタリック、ブルーマイカメタリック(RS専用色)および、「F Cream Collection」の特別仕様色であったローズメタリックオパールが追加された。また、内装色にグレージュが追加された(ただしグレードや外装色により内装色は固定される)。メーカーオプションのカーナビゲーションは、G-BOOK ALPHA対応のHDDナビゲーションを追加した。
      • 新グレード「I'll」は欧州仕様と同じ外観に、専用本革シート、専用外装色(ダークレッドマイカ、グレイッシュブルーマイカメタリック)、内装の加飾、フロントフォグランプ装備、専用フロントグリルを装備するとともに、Bluetoothハンズフリー対応オーディオをメーカーオプションで設定した上、質感を演出するグレードである。
  • 2006年
    • 6月5日 - 特別仕様車「F Advanced Edition」を日本で発売。
      オートレベリング機能付ディスチャージヘッドランプやLED式ストップランプ & クリアランスランプ、SRSサイドエアバッグ(運転席・助手席)& SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)を特別装備し、安全性能を高めた。[注釈 6]
    • 10月 - 日本において、ボディカラーの「レディッシュパープルマイカメタリック」を廃止。
  • 2007年
    • 1月 - 日本において、ボディカラーの「ダークグレーマイカメタリック(RS専用色)」と「ダークグリーンマイカメタリック(I'll専用色)」が追加。RS専用色だったブルーマイカメタリックが他グレードで選択可能となった。
    • 8月27日 - 日本仕様をマイナーチェンジ。キャッチフレーズは「ヴィッツは人が好き。」で、CMキャラクターには後藤久美子リラックマを起用。
      直近に登場した2代目istと同様、全グレードでカーテンシールドおよびサイドエアバッグを標準装備、フロントフェイス・リアまわりのデザインを変更(RS以外)するとともに、ターンランプ付ドアミラーを装備。「I'll」と「U」には運転席に快適温熱シートを追加。「RS」は1.5L・CVT車に7速シフトモードとパドルシフト機構及びオートエアコンを採用するとともに1.3L車を設定(サスペンションなどのメカニズムはショックのみ1.5Lと共通であるが他は「1.3F/1.3U」と共通である)。RSはリヤシートの形状変更。また、1.5「X」を廃止し、「U」を1.0L車・1.5L車に拡大設定、「I'll」は1.0L車に代わって1.5L車を導入した。時計は通常のデジタル時計とし、電波時計を廃止した。
  • 2008年
    • 1月28日 - 特別仕様車「F Limited」を日本で発売。
      「F」をベースに、スマートエントリー&スタートシステム、電気式バックドアオープナー、イモビライザー、ディスチャージヘッドランプ、内装の一部へのメッキ加飾を装備した。
    • 3月 - 日本においてボディカラーの「カッパーメタリック」・「ダークグリーンマイカメタリック」を廃止。
    • 9月16日 - 日本において、マイナーチェンジ(「RS」のみ)および一部改良(他グレード)。
      • 「RS」はヘッドランプのレンズ形状が「U」・「F」と共通となり、それにともないフロントバンパー及びリアバンパーのデザインも変更。
      • 他グレードでは、「F」の樹脂ホイールキャップ、「U」・「F」・「I'LL」にオプション設定されている15インチアルミホイールのデザインを変更した(ともにデザインはベルタと共通)。「B」にも「F」と共通の樹脂ホイールキャップを採用。また、「U」と「F」に新色となるイエローが追加された。
  • 2009年
    • 2月9日 - 特別仕様車「F Chambre à Paris collection(シャンブル ア パリ コレクション)」を日本で発売。
      新プロジェクト「デコクレ」の一環として、全国の女性約1万人の意見を取り入れ、「パリの小部屋」をイメージした内外装を施した。
    • 8月19日 - 日本において、一部改良および特別仕様車「F Limited II」を発売。同時にCMキャラクターが田中麗奈に変更された。[3]
      • 先に変更した「ベルタ」と同じく、1.0L車(すでに「平成22年度燃費基準+25%」を達成しているIntelligent Packageを除く)と1.3L・2WD車でエンジン、トランスミッション、オルタネーターなどの制御を改良し、燃費を向上(0.4 - 0.5km/L向上)。これにより「平成22年度燃費基準+25%」を達成した。
      • 特別仕様車「F Limited II」は「F」をベースに専用シート表皮、ディスチャージヘッドランプ、スマートエントリー&スタートシステム、エンジンイモビライザーシステムを装備し機能を充実し、一部のインテリアにメッキ加飾を施し、上質感を高めた。
  • 2010年
    • 4月5日 - 特別仕様車「B S Edition」を日本で発売。
      「B」をベースに、ワイヤレスドアロックリモートコントロール(アンサーバック機構付)と電動格納式リモコンカラードドアミラー(サイドターンランプ付)を装備しながらも、SRSサイドエアバッグ(運転席・助手席)& SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)とコートフックをメーカーオプションにしたことで求めやすい価格設定にした。ボディカラーはダークレッドマイカ、ライトパープルマイカメタリック、ブラックマイカ、ローズメタリックオパールの4色の専用色を含む6色を設定した。
    • 8月 - グレード等の整理が行われ、インテリジェントパッケージ、1.0U、1.5RSの5MTがそれぞれカタログ落ちとなった。

3代目 KSP/NSP/NCP/NHP13#/NSP15#型(XP130型:2010年-、XP150型:2013年-)

トヨタ・ヴィッツ/
トヨタ・ヤリス(3代目)
KSP130/NSP13#/NHP130/NCP131型
後期型 HYBRID U フロント
2017年1月 -
後期型 HYBRID U リア
後期型 HYBRID U インテリア
概要
別名 欧州トヨタ・ヤリス(3代目)
北米/オセアニア/中国:トヨタ・ヤリスハッチバック
製造国 日本の旗 日本愛知県
フランスの旗 フランス
販売期間 2010年12月 -
設計統括 山田博文(前期型)
金森善彦(中期型)
橋壁清史(後期型)
末沢秦謙(後期型)
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3 / 5ドア ハッチバック[注釈 4]
駆動方式 FF
4WD(日本のみ)
プラットフォーム トヨタ・Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1KR-FE型 1.0L 直3 DOHC
1NR-FE型 1.3L 直4 DOHC
1NR-FKE型 1.3L 直4 DOHC
1NZ-FE型 1.5L 直4 DOHC
1ND-TV型 1.4L 直4 SOHC ディーゼル ターボ(欧州仕様)
1NZ-FXE型 1.5L 直4 DOHC
(ヴィッツHV/ヤリスHV専用)
モーター 1LM型 交流同期電動機
61PS/17.2kgf·m
最高出力 1.0L 69PS/6,000rpm
1.3L 95PS/6,000rpm
1.5L 109PS/6,000rpm
1.5L HV 74PS/4,800rpm
最大トルク 1.0L 9.4kgf·m/3600rpm
1.3L 12.3kgf·m/4000rpm
1.5L 14.1kgf·m/4400rpm
1.5L HV 11.3kgf·m/3,600~4400rpm
変速機 5速MT
CVTSuper CVT-i
電気式無段変速機(HV)
6速セミAT(欧州仕様)
前:
マクファーソンストラット
後:
トーションビーム(FF)
ド・ディオン/トーションビーム(4WD)
前:
マクファーソンストラット
後:
トーションビーム(FF)
ド・ディオン/トーションビーム(4WD)
車両寸法
ホイールベース 2,510mm
全長 3,885 - 3,930mm(前期・中期型)
3,945mm(後期型)
全幅 1,695mm
全高 1,500 - 1,530mm
車両重量 970 - 1,130kg
テンプレートを表示

Cd値0.285の優れた空力性能を実現し、低燃費と高速走行における走行安定性を実現した。全長は先代に比べ拡大し、1994年から1999年にかけて生産されていたL50型ターセル3ドア/コルサ3ドア/カローラIIとほぼ同じサイズとなったものの、2代目と同様に全幅1,695mmの5ナンバーサイズを保ち、最小回転半径を4.5m(「U」は4.7m、「RS」は5.6m)に抑えた。先代に引き続き、日本仕様は5ドアのみ、3ドアは日本国外仕様にのみ設定(ただし、後述する「Vitz GRMN Turbo」は例外)される。なお、5ドアと3ドアとではボディ後方のサイドウィンドウのデザインが異なる。

前席にはホールド性の高い新骨格のシートを採用。後席は全長の拡大により室内長も拡大されたことで足元のスペースが拡がり快適性を向上。インテリアでは初代・2代目で採用されていたセンターメーターを廃止してオーソドックスなアナログメーターに変更(「F」・「Jewela」はタコメーター非搭載)し、また、「U」・「RS」のインパネおよびドアトリムの一部にはソフトパッドを採用。そのほか、フロントドアガラスには高性能UV吸収剤を使用したことで紫外線を約99%カットし、手袋や日焼け止めを使用した時と同等の効果が得られる世界初の「スーパーUVカットガラス」を採用[注釈 7]

エンジンは1.3L車がダイハツ工業と共同開発し、Dual VVT-iを採用した1NR-FE型に変更(1.0L車・1.5L車は先代に搭載されていたエンジンを踏襲)、また1.3L・2WD車にはToyota Stop & Start Systemと呼ばれる、常時噛み合い式のスターターモーターワンウェイクラッチを使用し、エンジンの再始動時間を従来より短縮したアイドリングストップ機構搭載車を設定。26.5km/L(10・15モード燃費)の優れた低燃費を実現した。欧州仕様では先代に引き続き、1.4Lディーゼルターボエンジンも設定している。トランスミッションは5速MTが選択できる「RS」を除く全車でCVTのみの設定となり、燃費も向上。欧州仕様には6速セミATの設定もある。4WD車は「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+15%」を、1.5L車は「平成22年度燃費基準+25%」をそれぞれ達成した。

なおリアのナンバープレート位置が初代・2代目のバンパー上からバックドア上に移動となり、2代目ラクティスと同様に、フロントワイパーが効率性重視のためシングルワイパーに変更され、助手席シートベルト非着用警告灯(現在は運転席警告灯と兼用)および前席のアジャスタブルシートベルトアンカーを廃止、また、車体色に関してはおよそ10年ぶりにスーパーホワイトII(色番号・040、「Jewela」を除く)が復活した。

2012年6月には欧州においてハイブリッドカーのヤリスハイブリッドが発売された。アクア(プリウスC含む、以下同じ)と同じ1NZ-FXE型エンジンとハイブリッドシステムを搭載している。駆動用バッテリーを後部座席下に置いたことにより、ラゲッジルームの容量と使い勝手の良さはガソリン車と同等レベルを達成している。なお、このためアクアは2013年現在欧州では販売されておらず、逆にアクアが販売されている北米ではヤリス(ヴィッツ)ハイブリッドが販売されていない。日本では2017年1月のマイナーチェンジと同時にヴィッツハイブリッドの販売を開始した。

スポーツコンバージョン車「G's」は、「RS」をベースとして外装に専用デザインのバンパー・フロントグリル・大型マフラー・フロントLEDイルミネーションビームを装備し、ヘッドランプとリアコンビネーションランプにブラック加飾が施された。インテリアもシートが「G's」のロゴ入り専用表皮へと張り替え、インパネパネルとドアトリムにカーボン調の加飾が施され、ペダルは滑り止め防止ゴム付きのアルミ製へと変更されている。ボディはロッカーフランジの溶接スポット増しと前部補強ブレースで強化し、さらにアンダーボディへ空力パーツを追加して空力性能を適正化、そこへG's専用チューニングを施したサスペンションと高剛性・軽量設計の17インチアルミホイール & 205/45R17タイヤ(ブリヂストン・ポテンザRE050A)を組み合わせて足回りを強化し、操縦安定性とハンドリング性能を高めた。なお、当車種は「G's」モデルにおいて唯一のマニュアル・トランスミッション設定車となっていた。

2017年9月に「G's」に替わるスポーツカーとして設定された「GR SPORT」は、外観は「Functional MATRIX」グリルと専用エンブレム(前後、サイド)を装備。内装には「GR」ロゴ入りの専用スポーティシートと専用スタートスイッチを装備し、ドアトリムやフロントシートなどに専用加飾やシルバーステッチを施した。また、ヴィッツ「GR SPORT」専用装備として専用チューニングサスペンションを装備し、スポット打点を追加。さらに、「GR SPORT"GR"」では、ザックス製ショックアブソーバーやブレースが追加され、10速スポーツシーケンシャルシフトマチック(CVT車のみ)、アルミペダル、小径ステアリングホイールを装備。なお、「G's」の場合同様に「GR」シリーズでは唯一となる5MTが設定(2017年9月時点)されており、「GR SPORT」にはガソリン車に加え、ハイブリッド車も設定される。また、「GR SPORT」は「GR」シリーズで唯一の型式指定での登録となる。

年表

  • 2010年
    • 12月22日 - 日本仕様をフルモデルチェンジ。キャッチフレーズは「heart up! vitz」で、CMキャラクターには大沢たかお生田斗真を起用。
  • 2011年
    • 9月6日 - 日本において、一部改良(9月24日販売開始)および自社開発のスポーツコンバージョン車「G's」を設定(10月3日販売開始)。
      • Toyota Stop & Start System搭載グレードを拡大し、新たに「U SMART STOP パッケージ」と「Jewela SMART STOP パッケージ」を追加。また、「Jewela」についてはドアミラーとアウトサイドドアハンドルにシルバー加飾を採用した専用オプション「シルバーデコレーション」の専用ボディカラーにイエロー、カッパーメタリック、スカイブルーマイカメタリックの3色を追加設定した。
    • 12月15日 - チェリーパールクリスタルシャイン×トリュフの内外装組み合わせが、オートカラーアウォード2012でファッションカラー賞を受賞。企画部門賞も同時受賞した[4]
  • 2012年
    • 5月9日 - 日本において、一部改良および特別仕様車「F Smile Edition」・「F SMART STOP パッケージ・Smile Edition」を発売。
      • 「F」を除く全グレードでセンターレジスターノブにめっき加飾を、「F」・「Jewela」のメーターにシルバー加飾をそれぞれ追加。「Jewela」専用オプションの「シルバーデコレーション」限定ボディカラーに「グレイッシュブルーマイカメタリック」と「オレンジマイカメタリック」を追加した。なお、この一部改良を機に全グレードで1万円値上げされた。
      • 特別仕様車「F Smile Edition」・「F SMART STOP パッケージ・Smile Edition」は「F」をベースに、スマートエントリー&スタートシステム、スーパーUVカットガラス(フロントドア)を特別装備するとともに、盗難防止システム(エンジンイモビライザーシステム)、助手席シートアンダートレイ、買い物アシストシート(助手席)、オートエアコン(1.3L車のみ)なども装備。内装ではシート表皮色にダークグレーを特別設定するとともに、メッキ加飾のシフトレバーや高輝度シルバー塗装のステアリングホイールを採用。ボディカラーは特別設定色の「ライトパープルマイカメタリック」を含む6色を設定した。
    • 12月5日 - 特別仕様車「F Ciel」を日本で発売。
      「F」をベースに、ブラックとベージュの2色の内装を用意。ブラック選択時、シフトレバーベゼルやオーディオクラスターパネルなどにピンクベージュ塗装が、ベージュ選択時はシフトレバーベゼルやステアリングベゼルなどにピアノブラック塗装がそれぞれ施される。内装色に合わせたカラーのシルフィードシート表皮(スエード調)も採用した。ボディカラーには「ボルドーマイカメタリック」・「シルキーゴールドマイカメタリック」・「ダークブルーマイカ」・「ダークブラウンマイカメタリック」などの6色を設定した。ほかに、ボディカラーと同色のカラードフロントグリルや、内装色に合わせたカラーのジュエリーをモチーフにした専用リアエンブレムを装着する。その他、IRカット機能付スーパーUVカットガラス(フロントドア)やオートエアコン、スマートエントリー&スタートシステムなどを特別装備し、ベースグレードに比べて利便性・快適性を向上させている。
  • 2013年
    • 8月7日 - 日本において、GAZOO Racingが開発した販売台数限定チューニングモデル「Vitz GRMN Turbo」を発表。同年9月下旬にインターネットでの予約注文限定(200台限定)で販売された。
  • 2014年
    • 4月21日 - 日本においてマイナーチェンジ[5]。キャッチフレーズは「Run, こころ はずむ まいにち」。
      • 1.3L・2WD車では、同社ハイブリッドカー用ガソリンエンジンにも用いられているアトキンソンサイクルをはじめ、クールドEGRVVT-iEなどの技術を用いて熱効率を高め、燃費改善を図った1NR-FKE型エンジンを新搭載し、前期型においては「SMART STOP パッケージ」選択時にのみ装備できたアイドリングストップ機構を標準装備としたことで「平成27年度燃費基準+20%」を先行クリアした。1.0Lエンジンは圧縮比の向上、フリクションの低減などにより燃費改善を図り、1.5Lエンジンでも一部部品を新設計するなどして燃費改善を図っている。また「SMART STOP パッケージ」を1.0L車と1.5L車に設定し、1.0L車の同パッケージ装備車は「平成27年度燃費基準+10%」を、1.5L車の同パッケージ装備車は「平成27年度燃費基準」をそれぞれ達成した。ボディ剛性を高めるためスポット溶接を増し打ちし、床下の補強材を大型化。ショックアブソーバーの改良を行ったことで高次元での操舵安定性や乗り心地を両立し、吸・遮音材、制振材を追加したことで車室内への音の侵入を抑制することで静粛性を向上させた。
      • エクステリアについて、フロントデザインには先に2代目オーリス、2代目SAIなどで採用例のある「キーンルック」を導入。「ネッツエンブレム」を中心にヘッドランプに向かうアッパーグリルモールのV字ラインに、開口を広く取ったロアグリルを採用し、バンパーデザインをハの字型に張り出すことでワイドで踏ん張り感のある力強いフロントビューを表現。「RS」はロアグリルを大開口メッシュタイプとすることでより力強い印象とした。リアデザインはコンビネーションランプの形状を変更し、広くなったガーニッシュを強調する造形とすることでワイド感を表現。ホイールのデザインが一新され、グレードごとに異なるデザインとすることで個性が強調された。メーターのデザインも変更し、1.3L・2WD車および1.0L車・1.5L車の「SMART STOP パッケージ」にはTFTマルチインフォメーションディスプレイを採用した(これにより「SMART STOP パッケージ」を装備した「F」・「Jewela」には事実上、タコメーターが追加装備される)。ボディカラーは入れ替えが行われ、前期型のイメージカラーだった「ジンバックメタリック(「F"Mパッケージ"」を除く)」・「ターコイズマイカメタリック(「RS」専用色)」・「ローズメタリックオパール(「F」・「Jewela」・「U」専用色)」を廃止し、「F"Mパッケージ"」と「RS」を除く全グレードに設定されていた「ライトブルーマイカメタリック」はアクアに設定されている「クールソーダメタリック」に差し替え、「ルミナスイエロー(オプションカラー、「F"Mパッケージ"」・「Jewela」を除く)」・「ブルーメタリック(アクア設定色、「F"Mパッケージ"」・「Jewela」を除く)」・「ベージュマイカメタリック(「F"Mパッケージ"」・「RS」を除く)」を追加。さらに、「Jewela」専用オプションである「シャイニーデコレーション(従来の「シルバーデコレーション」の加飾をメッキに変更したことに伴い改名)」の限定カラーに「ブロンズマイカメタリック」・「カッパーマイカメタリック」・「ジェイドグリーンマイカメタリック」を加え、特別仕様車「F Ciel」専用色だった「ボルドーマイカメタリック」も「シャイニーデコレーション」限定カラーとして新たに設定された。また、インテリアカラーは全グレードで一新し、グレードごとに異なるカラーとすることで個性を明確化した。
      • 装備面では収納物に応じて3段階に変更できる移動式トレイを備えた大容量の助手席アッパーボックスを採用し、運転席周りにコインポケット(スマートエントリー&スタートシステムを装備する「U」・「RS"SMART STOPパッケージ"」やメーカーオプションの「スマートエントリーセット」装着車を除く)やカードホルダーを備え、リアルームランプを追加して利便性を向上。また、スーパーUVカット・IRカット機能付フロントドアガラスを全車に標準装備するとともに、「1.3 Jewela」と「U」には「ナノイー」も標準装備。さらに、「U」は運転席アームレストも標準装備した。また、VSC & TRCと緊急ブレーキシグナルを全車標準装備して安全面も強化された。なお、1週間前にマイナーチェンジされたパッソ同様、メーカーオプションとして設定されていたHDDナビゲーションシステムを廃止した代替としてバックカメラ、ステアリングスイッチ、6スピーカーをセットにした「ナビレディセット」が「F"Mパッケージ"」を除く全グレードにメーカーオプション設定される。
      • スポーツコンバージョンモデルの「RS"G's"」もベース車に準じてマイナーチェンジを実施した[注釈 8]。ボディはマイナーチェンジ実施後の「RS」をベースとして、前期モデルと同じくロッカーフランジのスポット溶接増しとフロア底部のエアロパーツを採用し、それらに加えて「GRMN Turbo」や「G'sアクア」に先行採用された改良版のセンタートンネルブレースとリアフロアブレースを追加してボディ剛性をさらに高め、それらに併せて専用サスペンションと電動パワーステアリング (EPS) のチューニングをリセッティングし、さらに新意匠を採用し一層の軽量化が図られたG's専用17インチアルミホイールを採用したことで操縦安定性とハンドリング性能をブラッシュアップし、乗り心地も改善させている。内装はアクアG'sにて先行採用された「G's専用スポーティシート」へと変更されてホールド性と質感を向上させた。これに併せて内装全体もアクアG'sと同様にベース車からの大幅な質感向上が図られている。外装は前述の新意匠アルミホイールにダークスパッタリング塗装とG's専用の大型リアスポイラーをオプション設定した。それらに加えて新たにボディカラーと合わせる形で前後バンパー下部の塗色の一部が変更できるようになった。しかし、前後の専用バンパー等は前期モデルと同じであるため、LEDヘッドランプを搭載するベース車(RS)とは異なって前期モデルと同じディスチャージ式ヘッドランプを採用している。また、2015年6月30日に行われた一部改良では、予防安全システム「Toyota Safety Sense C」の搭載[注釈 9]と新色の「オレンジマイカメタリック」の追加など、ベースグレードの「RS」に準じた改良が行われている。
  • 2015年
    • 3月31日 - 特別仕様車「F"Smart Style"」発表(翌4月1日販売開始)[6]
      • 「F」をベースに、外観にアッパーグリルモールとアウトサイドドアハンドルにメッキ加飾、リアピラーにブラックアウト加飾をそれぞれ施し、内装にはブルーブラック&ライトグレーの専用ファブリックシートを採用したほか、インパネオーナメントにライトグレーの布目調フィルムを、ドアトリムオーナメントにブルーブラックの専用ファブリックを採用するなど、ブルーブラック&グレー基調の内装に仕立てた。さらに、スマートエントリー&スタートシステム(スマートキー2本)、エンジンスイッチ イルミネーテッドエントリーシステム、盗難防止システム(イモビライザーシステム)の3点をセットにした「スマートエントリーセット」を標準装備した。ボディカラーは全5色を設定する。
    • 5月 - 「Jewela」を仕様変更。ボディカラーにおいて他のグレードで設定されている「ブルーメタリック」が設定できるようになった。
    • 6月30日 - 日本において一部改良。
      • 衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を搭載[注釈 10]。11代目・後期型カローラシリーズ(3代目後期型カローラフィールダー/2代目後期型カローラアクシオ)と、2代目・後期型オーリスに先行採用されたトヨタのコンパクトカー用予防安全システムで、レーザーレーダーと単眼カメラの2つのセンサーを用いて衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ(PCS)・レーンディパーチャーアラート(LDA)・オートマチックハイビーム(AHB)の3つで構成され、これらに付帯機能として「先行車発進告知機能」(信号待ちなどで先行車が発進したことに気付かず停止し続けた場合にブザーとディスプレイ表示でドライバーに知らせる)を追加している。これら予防安全装置を全グレードに設定(「F」系グレードはメーカーオプション、その他のグレードは標準装備)した。
      • ボディカラーは「オレンジマイカメタリック」、「クリームベージュ」、「アイスバーグシルバーメタリック[注釈 11]」の3色を追加(「オレンジマイカメタリック」以外の2色は「Jewela」専用オプション「シャイニーデコレーション」を装着した時のみ設定できる限定色)する代わりに、「F」・「Jewela」・「U」専用色の「ダークブラウンマイカメタリック」及び「シャイニーデコレーション」限定色の「カッパーマイカメタリック」、「ブロンズマイカメタリック」の計3色を廃止し、「Jewela」は一旦設定されていた「ブルーメタリック」の設定を廃止(「F」・「Jewela」・「U」専用色に移行)した。内装色は「Jewela」において、ボディカラーで前述の「シャイニーデコレーション」限定色の新色2色のいずれかを選択した場合に設定できる新色「クリスプアイボリー」を設定した。
    • 12月1日 - 特別仕様車「F"LED Edition"」を発売[7]
      • 「F」をベースに、ブルーブラック&ブラックの専用ファブリックシートを採用したほか、ドアハンドル(アウトサイド・インサイドとも)、マニュアルエアコンのダイヤル部、サイドレジスターベゼル、センターレジスターにメッキ加飾を、インパネオーナメントにブラックの布目調フィルムを、フロントドアトリムオーナメント表皮にブルーブラックの専用ファブリックを、フロントパワーウインドゥスイッチベース&オーディオクラスターとウレタン3本スポークステアリングホイールにブラックマイカ塗装をそれぞれ施した。さらに、「LEDヘッドランプセット」と「スマートエントリーセット」の2点も特別装備した。ボディカラーは特別設定色の「ボルドーマイカメタリック[注釈 12]」を含む6色を設定した。
  • 2017年
    • 1月12日 - 日本で2度目のマイナーチェンジ。同時にハイブリッド車を追加設定した[8]。キャッチフレーズは「This is Vitz! Hybrid」。テレビCMの声の出演は石塚運昇が担当、同年5月からは渡辺直美を起用している。
      • 外観デザインが大幅に変更され、フロントはバンパー・ロアグリル・ヘッドランプ・フォグランプカバーのデザインを変更するとともに、ヘッドランプはライン発光のLEDクリアランスランプを備えたBi-Beam LEDヘッドランプ(オートレベリング機能付・スモークメッキ加飾)を新たにオプション設定[注釈 13]した。リアはデザインを全面刷新し、リアコンビネーションランプには6灯式のLEDストップランプを組み込んだLEDライン発光テールランプをオプション設定[注釈 13]した。ホイールは「Jewela」に設定の14インチスチールホイール(専用樹脂キャップ付)を除いてデザインを一新した。
      • ボディカラーは新規開発色「クリアブルークリスタルシャイン(オプションカラー)」、新規設定色「アバンギャルドブロンズメタリック」、「Jewela」・「HYBRID Jewela」専用オプション「シャイニーデコレーション」限定色「ダークブルーマイカ」、「オリーブマイカメタリック」の計4色を追加し、「クールソーダメタリック」、「ベージュマイカメタリック」及び「シャイニーデコレーション」限定色の「クリームベージュ」、「アイスバーグシルバーメタリック」の計4色を廃止した。
      • 内装は加飾箇所をブラックで統一したほか、内装色には「U」に茶系色のバレルブラウン、「Jewela」・「HYBRID Jewela」に赤茶系色のマルサラを新規設定した。
      • 走行性能においてはショックアブソーバーを新構造に変更し、ボディ各部のスポット溶接増し打ちによるボディ剛性の強化、インストルメントパネルまわりのブレースの板厚アップを行った。
      • 「U」・「HYBRID U」には、16インチアルミホイールとエアロパーツ風ドレスアップパーツを装備した「Sportyパッケージ」を新設した。
    • 9月19日 - 「G's」に替わるスポーツカーシリーズ「GR」が投入され、ヴィッツでは「GR SPORT」と「GR SPORT"GR"」の2モデルを発売[9]。「GRMN」を2018年春ごろに発売することが発表された[10]
    • 10月2日 - 日本で特別仕様車「F"Safety Edition"」を発売[11]
      • 「F」・「HYBRID F」をベースに、ベース車ではメーカーオプション設定となる衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sence C」を特別装備したほか、ドアハンドル(アウトサイド・インサイド共)などにメッキ加飾が施され、ファブリックシートはブルーブラック&ブラックの専用仕様を採用。さらに、スマートエントリー&スタートシステムとイルミネーテッドエントリーシステムも特別装備された。ボディカラーはカタロググレードでは「Jewela」系グレードにて専用オプションの「シャイニーデコレーション」を装着した時のみ選択可能な「ダークブルーマイカ」と「ボルドーマイカメタリック」の2色を特別設定し、既存色4色を含めた全6色が設定される。
    • 11月21日 - 「GR」投入時に予告されていた「GRMN」の概要及び「GR Garage(GRガレージ)」店舗や専用Webサイトでの商談申込受付開始日を2018年4月9日とすることが発表された。150台の限定販売で、限定台数を超える申込があった場合には、受付期間終了後に抽選が行われる[12]

日本仕様

グレード体系は2代目とは様変わりし、専用ボディカラーや内装色を設定し、メッキ加飾を施して華やかさを表現した「Jewela(ジュエラ)」を新設するとともに、既存グレードはベーシックグレードの「F」、本革巻ステアリング&シフトノブや快適温熱シートなどを標準装備し、高い質感と快適性を追求した上級グレードの「U」、専用デザインのエクステリアや専用スポーツシート、7速スポーツシーケンシャルシフトマチック&パドルシフトまたは5速マニュアルが選べるスポーツグレード「RS」の全4グレードに整理された。また、「F」の1.0L車には装備内容を簡素化(乗用車全体的に見ても珍しい手動式リヤウィンドゥガラスなど[注釈 14])したビジネスユーザー向けの「Mパッケージ」、「RS」には装備内容を簡素化して価格を引き下げた「Cパッケージ」がそれぞれ設定されている。2代目後期型に標準装備されていたSRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグが全車メーカーオプションとなったにもかかわらず、車両本体価格は上昇した。特に1.5L車の車両本体価格は、2代目と比較して大幅に値上げされた。

なお、2014年4月のマイナーチェンジ後は前期型のグレード体系を引き継ぐが、「SMART STOPパッケージ」は1.3LのFF全グレードに標準設定とし、「RS」のMT車を除く1.0L車・1.5L車全グレードにも新たに設定した。「RS」に設定されていた「Cパッケージ」は廃止された。SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグについては引き続き、全車メーカーオプション扱いである。

2017年1月のマイナーチェンジではスポーティーグレードの「RS」が廃止され、ハイブリッド車の設定に伴って「U」の1.5L車も廃止(これにより、「U」は1.3L専用グレードとなる)。ハイブリッド車は非ハイブリッド車(ガソリン車)と共通のグレード体系とし、「HYBRID F」・「HYBRID Jewela」・「HYBRID U」が設定され、「HYBRID U」には「Sportyパッケージ」も設定される。この「Sportyパッケージ」は非ハイブリッド車の「U」にも設定される。SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグは前・中期型に続き、全車メーカーオプション設定となる。なお、この改良によって国内仕様からMTの設定が一旦消滅したが、2017年9月に「RS」「RS"G's"」に替わるスポーツカーとして設定された「GR SPORT」「GR SPORT"GR"」にMTが設定され、8か月ぶりに復活した[13]

北米仕様

北米仕様は日本仕様とは異なり、5ドアと3ドアの2種類で展開される。エンジンは1.5Lの1NZ-FE型のみ搭載され、グレードはベーシックグレードの「L」(カナダでは「CE」)、クルーズコントロール、キーレスエントリーなどを装備した中級グレードの「LE」、16インチアルミホイール、4輪ディスクブレーキ、スポーツサスペンションなどを装備したスポーティグレードの「SE」という構成で、「SE」は5ドアのみの設定となる。装備に関しては運転席・助手席エアバッグ、運転席・助手席サイドエアバッグ、カーテンエアバッグのほか、運転席・助手席シートクッションエアバッグ、運転席ニーエアバッグの合計9つのエアバッグ、VSC&TRC、タイヤ空気圧警告灯などが全車で標準装備される。 2017年6月マイナーチェンジ。

欧州仕様

北米仕様と同様、5ドアと3ドアの2種類で展開される。運転席・助手席エアバッグ、運転席・助手席サイドエアバッグ、カーテンエアバッグのほか運転席ニーエアバッグの合計7つのエアバッグ、VSC&TRC、アイドリングストップ機構、ガラスルーフ、レインセンサーワイパーなどが装備されている。2012年6月に登場したハイブリッド仕様(NHP130L)にはさらにヒルスタートアシストなどが装備される。 2017年3月マイナーチェンジ。日本仕様と同じデザインだが、リヤフォグランプの位置が異なる。

アジア仕様 (XP150型)

トヨタ・ヤリスハッチバック/
トヨタ・ヤリスL(3代目アジア仕様)
NSP150L/151R/152L型
前期型 中国仕様ヤリスL
前期型 中国仕様ヤリスL(リヤ)
概要
製造国 中華人民共和国の旗 中国タイ王国の旗 タイ
販売期間 2013年 -
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
4ドア セダン(ATIV)
駆動方式 FF
プラットフォーム トヨタ・Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 6NR-FE型 1.3L 直4 DOHC(中国仕様)
7NR-FE型 1.5L 直4 DOHC(中国仕様)
3NR-FE型 1.2L 直4 DOHC(タイ仕様)
最高出力 1.2L 86PS/6,000rpm
1.3L 95PS/6,000rpm
1.5L 109PS/6,000rpm
最大トルク 1.2L 11.0kgf·m/4,000rpm
1.3L 12.3kgf·m/4,000rpm
1.5L 14.1kgf·m/4,400rpm
変速機 5速MT
4速AT
CVTSuper CVT-i
前:
マクファーソンストラット
後:
トーションビーム
前:
マクファーソンストラット
後:
トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,550mm
全長 4,115mm
4,425mm(ATIV)
全幅 1,700mm
1,730mm(ATIV)
全高 1,475mm
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日本・欧州・北米仕様とは全く別の専用ボディを纏い、5ドアのみが展開される。全長×全幅×全高は4,115×1,700×1,475mmと全高以外は日本・欧州・北米仕様よりも一回り以上大きく、更にホイールベースは2,550mmと日本・欧州・北米仕様よりも40mm延長されている。

2013年10月22日にまずタイで「ヤリス」として発表され、その後、2013年11月に中国で「ヤリスL」、2014年8月に台湾で「NEWヤリス」として順次発表・発売を開始した。タイ仕様は同国政府認定エコカーに指定されるべく、エンジン排気量を1.2Lのみとし、エコカーとして最適なチューニングが行われている。中国仕様と台湾仕様には1.5Lの1NZ-FEエンジンに4ATのみを組み合わせるが、台湾仕様は2016年5月の改良で4ATから7速マニュアルモード付Super CVT-iに換装された。

2017年8月、タイ市場でセダンボディの『ヤリスATIV(エイティブ)』を追加。同社のヴィオスとは同クラスだが別仕立ての小型セダンとなる。

2017年9月、タイでハッチバックがビッグマイナーチェンジ。ボディパネルを大幅に更新しており、先月発売したATIVに準じた外観となった。

車名の由来・バリエーションなど

「Vitz」は、英語の「Vivid」(鮮やかな)とドイツ語の「Witz」(機知)を掛け合わせた造語である。

「Yaris」は、ギリシャ神話の美の女神「カリス(Charites)」の単数形「Charis」からの造語である[14]

  • 日本国外では「YARIS」(ヤリス)の名称で販売されている。なお、初代はカナダオーストラリアでは「ECHO」(エコー)、中国では「Vizi」(威姿)を名乗っていたが、2・3代目は国内を除いて全てヤリスハッチバックに統一された。
  • さらに国外では姉妹車であるベルタが初代ヤリスセダン(中国・東南アジアでは2代目ヴィオス)を名乗り、さらに中国・東南アジア市場専売のヴィオスも3代目より北米市場・オセアニア市場に限りヤリスセダンの名で販売される。同じく姉妹車のファンカーゴはヤリスヴァーソを名乗っている。
  • 日本では「ヤリス」という言葉の持つ響きがあまり好ましくないため、「Vitz」という名称となった(初代発売当時のdriver誌の記事より)。逆にイギリス英語使用圏では「Vitz」の読みが「Bit(s)」に聞こえてしまうため、日本のみ「Vitz」、日本国外では「ヤリス」、という住み分けがなされている。
  • このように 地域ごとに異なる名称が与えられているが、その影響としてヒュンダイ・ゲッツの日本名が、開発コードの「TB」とされたということがある(「ゲッツ」の名称を用いている欧州では名称がヴィッツではなく「ヤリス」であるために問題はなかったが、日本市場では「ヴィッツ」と「ゲッツ」ということで名前が似てしまう点が現代側の名称変更の理由のひとつとして挙げられている[15])。

「Vitz GRMN Turbo」

  • スポーツコンバージョンモデル「G's」よりさらにハードなチューニングが施される本格的なチューニングカーブランドが「GRMN」で、当車種は「iQ GRMN」「iQ GRMN Supercharger」に続く第3弾として企画され、2013年に200台が限定販売された。
  • ボディ剛性を確保するため、日本市場では導入されない3ドア仕様車(豪州・英国市場向け)をベースに車体の前後アンダーボディへ専用開発の補強ブレースを装着した上でGRMN専用チューニングのサスペンションを組み込み、ADVICS製のGRMN専用対向4ポットキャリパーの採用でブレーキを強化し、さらにホイールハブを標準の4ホールからラクティスと同じ5ホール(PCDは100mm)へと変更し、強化型ロアアームを採用することでサスペンション全体の剛性を高めている。
  • エンジンは「RS」の1.5Lエンジン(1NZ-FE型)をベースとしてターボチャージャーを組み合わせることで最高出力を大幅に高め、それらに加えてVSCやABSなども専用のチューニングを施して「走る・曲がる・止まる」といった基本性能を大幅に向上させている。
  • 外装は「GRMN」のロゴがプレスされた専用の外板が与えられるほか、専用エアロパーツ(フロントバンパー&ヘッドランプレンズはヤリス・ハイブリッド前期モデル、リアバンパーはG'sからの流用となる)とBBS製鍛造17インチアルミホイール(同社の市販品「RF」をベースにしたGRMN専用開発品)に215/45R17タイヤ(ブリヂストン・ポテンザRE050A)を組み合わせる。
  • 内装はトヨタ紡織製のGRMN専用スポーツシートとGRMN専用アナログメーターに加えて本革巻き3本スポークステアリングホイール(レッドステッチ付)などを装備し、後部の軽量化のために一体可倒式リアシートを採用した。ボディカラーは「スーパーホワイトII」と「ブラックマイカ」の2色となり、トランスミッションは5速MTのみとなる。
  • 同年8月25日より専用サイトにて先着順による商談受付を行い、商談は、スポーツカー「TOYOTA 86」の発売と同時に設けられ、カスタマイズやチューニング等に精通した「マスタースタッフ」を常駐させている「AREA 86」設置店舗のネッツ店にて行われ、限定200台はすべて完売した。

モータースポーツ

ラリー

全日本ラリー選手権に参戦するヴィッツRS(2011年)
世界ラリー選手権に参戦するヤリスWRC(2017年)

2002年から「ニュースタイルワンメイクラリー TRDヴィッツチャレンジ」が開催されており、2012年に他のトヨタ車も含む「TRDラリーチャレンジ」、さらに2016年には規模を拡大した「GRラリーチャレンジ」へと発展して現在に至っている。

全日本ラリー選手権では3代目ヴィッツがデビューして以降、天野智之/井上裕紀子組が継続して使用。2011年にJN2クラスでヴィッツRS、2012年2014年にJN2クラスでヴィッツRS G's(2014年は全勝[16])、2015年にJN5クラスでヴィッツGRMNターボ、2016年-2017年にはJN3クラスでヴィッツRSをドライブするなど、同期間全てでドライバー及びコ・ドライバータイトルを獲得(7連覇)した。またスポーティなCVTを開発するため、豊田自動織機GAZOO Racingはラリー用にチューニングしたCVTを搭載したヴィッツをJN3クラスに参戦させており、毎戦天野/井上組のヴィッツに次ぐ2位表彰台を獲得している[17]

WRCではトヨタ・ヤリスWRCが2017年から参戦しているほか、鷲尾俊一/石川恭啓組がRC5車両としてグループNのヴィッツでラリー・フィンランドなどにスポット参戦を続けている。またキャロッセがAP4規定(APRCの規定)に合わせたヴィッツ4WDを開発し、2017年に炭山裕矢が初代日本スーパーラリーシリーズチャンピオンになっている。

サーキット

ドイツで開催されたヴィッツのワンメイクレース(2005年)

1981年から開催されていたスターレットカップを引き継いで、2000年に日本初のJAFナンバー付き車両によるワンメイクレースとしてヴィッツレースが発足。必要ライセンスは国内A級。北海道、東北、関東、関西、西日本の5地区と、TGRF(トヨタGAZOOレーシングフェスティバル)でのグランドファイナル戦で構成されており、現在に至るまでレース入門者を中心に多数のエントラントを集めている。

マルチメイクでは、スーパー耐久で2010年から2012年のST-5クラスで、2代目ヴィッツが3連覇を達成している[18]

脚注

注釈

  1. ^ ただし、1999年8月の一部改良までは5代目スターレット及び車種統合前の事実上の前身でもあるターセルコルサカローラIIも併売していた
  2. ^ マーチ・フィットとともに日本のコンパクトカー御三家といわれたこともある。
  3. ^ 後に追加された「RS」を除き、タコメーターは基本的に標準装備されていなかった。ただし、「F "Dパッケージ"」および「U」「クラヴィア」「ユーロスポーツエディション」の各グレードの5速MT車でデジタル式スピードメーターが装備されていた場合のみプラッツ同様、ディーラーオプションでピクトグラフ式タコメーター付きデジタル式スピードメーターに有償交換することも可能だった。
  4. ^ a b 日本国内仕様は5ドアハッチバックのみ。
  5. ^ 当初は3ドアのみの構成だったが、後に5ドアを追加。
  6. ^ ベースグレードにメーカーオプション設定のある14インチアルミホイールを選択することはできない(フルキャップ付きスチールホイールのみの設定)。
  7. ^ 「F」以外の全グレードに標準装備、「F」・「F SMART STOPパッケージ」はセットオプションの「スーパーUVカットセット」に装備。
  8. ^ 「G's」初のマイナーチェンジ実施モデルとなった
  9. ^ 当車種が「G's」への初搭載となった。
  10. ^ 他車種はマイナーチェンジで搭載されたが、当車種は一部改良にて搭載される初の事例となった。
  11. ^ 3代目プリウス(ZVW30系)の前期モデル(日本仕様)に設定されていたボディカラー。
  12. ^ 本来は「Jewela」専用オプションの「シャイニーデコレーション」装着時のみ設定できる限定色
  13. ^ a b Bi-Beam LEDヘッドランプ+LEDクリアランスランプとリアコンビネーションランプ(LEDライン発光テールランプ&6灯LEDストップランプ)の2点は「LEDランプセット」として「F"Mパッケージ"」を除く全車にメーカーオプション設定。なお、「F(SMART STOPパッケージを含む)」、「1.0 Jewela」、「Jewela SMART STOPパッケージ」に「LEDランプセット」を装備した場合、コンライトも同時に装備される
  14. ^ 手動式は初代ヴィッツ以来の仕様でありアクアにも同様の仕様が用意される

出典

  1. ^ トヨタヴィッツユーロ仕様に乗る, webCG, (1999-03-02), http://www.webcg.net/articles/-/20284 2017年12月15日閲覧。 
  2. ^ 日刊自動車新聞 2005年2月7日
  3. ^ リラックマは続投
  4. ^ オートカラーアウォード2012各賞決定!!
  5. ^ "TOYOTA、ヴィッツをマイナーチェンジ" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 21 April 2014. 2014年4月21日閲覧
  6. ^ "TOYOTA、ヴィッツの特別仕様車を発売" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 31 March 2015. 2015年3月31日閲覧
  7. ^ "TOYOTA、ヴィッツの特別仕様車を発売" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 1 December 2015. 2015年12月1日閲覧
  8. ^ "TOYOTA、ヴィッツにハイブリッドグレードを設定 -マイナーチェンジで、より個性を際立たせた外観デザインを創出-" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 12 January 2017. 2017年1月12日閲覧
  9. ^ 同日にプリウスPHVハリアーマークXヴォクシーノアにも「GR SPORT」が設定され同時発売されている
  10. ^ "TOYOTA、スポーツカーシリーズ「GR」を投入-クルマを楽しむ文化の醸成に向けた取り組みを強化-" (Press release). 19 September 2017. 2017年9月19日閲覧
  11. ^ "TOYOTA、ヴィッツに特別仕様車を設定" (Press release). 2 October 2017. 2017年10月2日閲覧
  12. ^ "TOYOTA、「GR」シリーズ4車種を発売-150台限定販売のヴィッツGRMNは商談申込受付を2018年4月に開始-" (Press release). 21 November 2017. 2017年11月21日閲覧
  13. ^ ただし、RSと比較し20万円程度値上がりした。
  14. ^ "Toyota Traditions". Toyota Global Site (Press release). 2015年6月9日閲覧
  15. ^ 石田真一 (2002年10月2日). “【ヒュンダイ『TB』上陸】開発コードが正式車名になったそのワケは?”. Response.. 株式会社イード. 2017年2月20日閲覧。
  16. ^ 2014年全日本ラリー選手権第7戦ラリー北海道レポート]]
  17. ^ TOYOTA GAZOO RACING 全日本ラリー選手権
  18. ^ YOKOHAMA TYRE MOTORSPORTS Super Taikyu

派生車種

☆印はヴィッツ(ヤリス)と型式の系譜はまったく異なるが、ヴィッツ(ヤリス)と同系統のプラットフォームを使用した間接的な派生車種

関連項目

外部リンク