「国道339号」の版間の差分
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* {{Cite book |和書 |author=浅井建爾 |edition= 初版|date=2015-10-10 |title=日本の道路がわかる辞典 |publisher=日本実業出版社 |isbn=978-4-534-05318-3 |ref=harv}} |
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2020年1月25日 (土) 03:46時点における版
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一般国道 | |
---|---|
国道339号 | |
地図 | |
![]() | |
総延長 | 125.1 km |
実延長 | 125.1 km |
現道 | 95.1 km |
起点 | 青森県弘前市 運動公園入口交差点(北緯40度35分47.45秒 東経140度30分11.76秒) |
主な 経由都市 |
青森県五所川原市 |
終点 | 青森県東津軽郡外ヶ浜町(北緯41度11分47.01秒 東経140度25分49.45秒) |
接続する 主な道路 (記法) |
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■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
国道339号(こくどう339ごう)は、青森県弘前市から東津軽郡外ヶ浜町に至る一般国道である。
概要
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/01/%E9%9A%8E%E6%AE%B5%E5%9B%BD%E9%81%93_0004.jpg/200px-%E9%9A%8E%E6%AE%B5%E5%9B%BD%E9%81%93_0004.jpg)
青森県弘前市から津軽平野を北上して五所川原市を経由し、津軽半島北端の津軽海峡に至る延長約127キロメートル (km) の一般国道の路線で、主な通過地は、南津軽郡藤崎町、北津軽郡板柳町、鶴田町、五所川原市、中泊町大字中里、同町大字小泊である。津軽半島の中央部を南北に縦断する道路で、半島北部は日本海側に道路が沿っており、龍飛崎と小泊を結ぶ区間は通称「竜泊ライン(たつどまりライン)」とよばれる。東津軽郡外ヶ浜町龍飛の龍飛岬附近に、国道で唯一の階段と歩道で構成された車両通行不能区間があり、「階段国道」の名で特に知られる[1][2]。
路線データ
- 起点:青森県弘前市(高田交差点、南津軽郡藤崎町まで国道7号を共有・国道102号起点)
- 終点:青森県東津軽郡外ヶ浜町(国道280号交点)
- 総延長 : 125.1 km[3][注釈 1]
- 重用延長 : 0.0 km[3][注釈 1]
- 未供用延長 : なし[3][注釈 1]
- 実延長 : 125.1 km[3][注釈 1]
- 指定区間:なし
- 車両通行不能区間:青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜(階段国道)
歴史
竜泊ラインの区間は、かつては道路らしい道路が通じていなかった交通の難所で、この区間の一部は自衛隊が建設に当たり道路の完成を見ている[4]。
年表
- 1975年(昭和50年)4月1日:主要地方道弘前五所川原線・五所川原蟹田線・中里今別蟹田線を統合して、一般国道339号(青森県弘前市 - 青森県東津軽郡三厩村)として指定。小泊 - 竜飛間19.1 kmは未開通区間。
- 1984年(昭和59年)10月22日:全線開通。小泊 - 竜飛間19.1 kmのうち、小泊側12.78 kmは陸上自衛隊第9施設大隊が工事を行った。
- 1977年(昭和52年)8月:青森県五所川原市内の一方通行規制開始[5]。
- 1989年(平成元年)8月30日:12時をもって、国道101号と共に、青森県五所川原市中心部の一方通行が解除され、対面通行となる[6]。
- 1991年(平成3年)11月:相内バイパスが開通[7]。
- 1997年(平成9年)10月:藤崎 - 五所川原間のバイパス道路開通[8]。
- 2000年(平成12年)4月23日:「竜泊ライン」を片側1車線化する事によって、大型車両の通行規制を解除。
路線状況
別名
- 竜泊ライン(北津軽郡中泊町 - 東津軽郡外ヶ浜町)
- 小泊道
- 階段国道(東津軽郡外ヶ浜町 字三厩龍浜)
- あわび道路(東津軽郡外ヶ浜町 龍飛崎付近 - 三厩漁港)
バイパス
- 五所川原北バイパス
- 今泉太田バイパス(七平バイパス)
- 相内バイパス
- 五所川原市相内から相内岩内までを結ぶ延長約0.9 kmのバイパス道路。相内地内の市浦市街地を通る現道(別名:小泊道)の北西側で平行する。
冬期交通規制区間
- 中泊町小泊砂山の一ノ坂・坂本台 - 中泊・外ヶ浜町境の通称「竜泊ライン」区間の約11 km(11月中旬 - 4月下旬)
- 外ヶ浜町三厩竜飛の階段区間の388.2 m
道路施設
主な橋梁
- 十川橋(五所川原市)
道の駅
沿線には道の駅が4か所あり、それぞれに地域の果物や水産物を使ったご当地グルメを提供している[4]。
- 道の駅つるた(北津軽郡鶴田町境里見)
- 道の駅十三湖高原(五所川原市相内)
- 道の駅こどまり(北津軽郡中泊町小泊)
- 道の駅みんまや(東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜)
- 「道の駅みんまや」は、冬期交通規制区間内に設置されているため、毎年11月上旬から翌年4月下旬まで閉館されている。また、「道の駅こどまり」は、国道の冬季閉鎖区間内ではないが、「みんまや」同様、冬季は閉鎖される。
階段国道
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/26/%E9%9A%8E%E6%AE%B5%E5%9B%BD%E9%81%93_0001.jpg/200px-%E9%9A%8E%E6%AE%B5%E5%9B%BD%E9%81%93_0001.jpg)
階段国道(かいだんこくどう)は、東津軽郡外ヶ浜町三厩竜飛の竜飛灯台付近から竜飛漁港付近の間の急峻な崖を結んでいる国道339号のルートとして指定された362段の階段とそれに続く歩道区間の通称である[12]。また国道339号は、国道指定された階段を持つ日本唯一の国道でもある[13]。外ヶ浜町循環バス(三厩地区循環バス)の終点にあたる「竜飛崎灯台」バス停近くに大きな案内標識(北緯41度15分28.01秒 東経140度20分37.10秒)があり、そこから階段国道を下がりきると、「竜飛漁港」バス停のすぐ近く(北緯41度15分34.80秒 東経140度20分42.10秒)に出ることになる。階段であるため、自動車やバイクなど車両は通行することは出来ず、歩行者専用の通行路となっている[14]。
階段国道の始まり
階段が国道に指定された経緯はいまだ明確にされておらず、諸説ある。龍飛崎の丘の上から龍飛漁港へと下る区間について、かつては村道の階段であった[15]。これがのちに県道に昇格している。さらに国道339号が国道指定された際に、「役人が現地を見ずに地図上のみで国道に指定した」とする俗説もなされているが[15]、この部分が階段であることは地元住民や当時の建設省も現地の状況を把握した上で、国道に指定されたという見方もされている[16]。最も有力とされるものとして「青函トンネル工事のためのバイパス道路を建設する計画があり、道路整備のため階段と知りながら暫定的に国道に指定された」とする説などが言われている[13]。 また国土交通省や青森県によれば、国道指定当初は階段ではなく狭い坂道になっていて、周辺の小中学校への通学路として青森県が階段に整備したものとホームページ上で説明されており[17]、名物として残すために地元の声によって階段が整備されたのは国道指定の20年近く後のことである[18]。
この路線が県道から国道339号へ昇格するときに、あらかじめ階段部分を国道に暫定的に指定して、車道を整備して地域の重要な交通路として改良する計画であった[15][19][17]。この階段区間の上下を結ぶ迂回可能な自動車交通路がその後に建設されており、それを国道に指定し直そうとする案も出されたところ、すでに「全国で唯一の階段国道」がマスメディアに取り上げられて反響をよび、多くの人が訪れて有名になっていたので[17]、地元からは「この方が観光名所になるから」という旨の意見も出て、あえて道路の国道指定変更を中止させたという逸話がある[20][21]。結局、観光資源として階段を残して地域振興に役立てようという結論に至り[19]、急傾斜であるがゆえに車道を整備することは困難とされた階段区間は、国道として迂回する車道整備を行うことがとりやめられる運びとなり、代わりに全国的にも珍しい階段の国道として手すりを付けるなどの観光整備を行うきっかけとなった[20]。その後、テレビや新聞などのマスコミに紹介されたことから津軽の観光名所として人気を集めている[19]。実際に外ヶ浜町にとっては最も観光入込客数の多い地点となっており、2013年(平成25年)には184,875人が訪れている[22]。
階段
全長は388.2 m、段数は362段で標高差が約70 mある[20][21]。平らな石造りの階段は手すりも用意されており、歩きやすく幅が確保されて整備されているが[14][12]、勾配は急であり直線的でない。途中で休憩するための施設としてベンチが設置されている。風の強い竜飛の海からの風を遮る設備はない。階段脇には自転車を乗せることが可能なスロープが設置されている。津軽海峡と漁港を見下ろす位置にあり、階段の両脇にはアジサイが植えられていて、夏期の開花シーズンは階段国道を彩る[14][12]。階段国道の上の近くには駐車場があり[12]、竜飛灯台に続く「階段町道」[注釈 2] も存在する。
-
階段国道上から撮影 国道339号線の標識と階段(2010年8月)
-
階段国道の案内(2007年10月)
-
「日本唯一の階段国道」のプレート(2007年10月)
-
下側は民家の間にでてくる(2012年5月)
歩道
階段を下りきった先に続く歩道は、龍飛漁港に続く幅1メートル内外の赤レンガ舗装の路地で、階段国道の一部となっている[12]。国道部分は、かつて民家の軒先をかすめるように細く折れ曲がって入り組んでいたが[1]、路地脇の民家は火災によって焼失してしまい2018年時点では周辺に空き地が広がっている[12]。かつては通行人がようやくすれ違えるほどの道幅が狭い路地であり、非公式であるが日本一狭い国道ともいわれている[23]。漁港に向かって路地を抜けたところで、2車線の道路に突き当たる[12]。
地理
弘前市から十三湖まで津軽平野を走る平坦な道路で、十三湖以北から日本海の海岸沿いの道路になる。弘前側の津軽平野の道は、広大な田園風景が続いていて、平野部の北端に位置する十三湖の北側から海岸線が現れる[24]。
竜泊ラインとよばれるエリアは、日本海沿岸を走り抜ける東北地方屈指の眺望に優れた道路で知られている[25]。小泊周辺の海岸線は、ごろごろ転がる大きな岩石に荒波が打ち寄せる海岸風景を臨む道である[24]。小泊から5 kmほどで連続するヘアピンカーブを登り、日本海を下に望む山岳道路へと変化し、尾根沿いに進んで龍飛崎に到達する[26]。竜泊ラインの途中にある跳瞰台(ちょうかんだい)へはつづら折りの峠道で[24]、跳瞰台からの眺望は、日本海から北海道方面に向けて津軽海峡に突き出す龍飛崎の風景を展望できる[26]。山並みに風力発電の風車が建ち、天候に恵まれれば津軽海峡越しに北海道最南端の白神岬を遠望することも出来る[14]。
通過する自治体
交差する道路
- 国道7号(弘前市、南津軽郡藤崎町 舟場交差点 / 国道339号バイパス入口交差点)
- 国道101号(五所川原市姥萢、栄町)
- 国道101号 浪岡五所川原道路・五所川原西バイパス(五所川原市太刀打 五所川原北インター)
- 国道102号(弘前市)
- 国道280号(東津軽郡外ヶ浜町)
- 青森県道281号三厩停車場竜飛崎線(東津軽郡外ヶ浜町) - 全線にわたって国道339号の山側を並走している。
沿線
- 岩木川
- 十三湖
- 竜飛崎
- 津軽海峡
- JR五能線
- 藤崎町役場(南津軽郡藤崎町)
- 板柳町役場(北津軽郡板柳町)
- 鶴田町役場(北津軽郡鶴田町)
- 五所川原市役所(五所川原市) - 2018年5月7日に沿道に移転。
- 青森県立五所川原工業高等学校(五所川原市)
- 五所川原警察署(五所川原市)
- 津軽鉄道線
- 竜飛崎温泉(東津軽郡外ヶ浜町)
脚注
注釈
出典
- ^ a b 松波成行 2008, p. 72.
- ^ 須藤英一 2013, p. 34.
- ^ a b c d e f g “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (PDF). 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. pp. 18-19. 2017年4月12日閲覧。
- ^ a b 佐藤健太郎 2015, p. 21.
- ^ 『広報ごしょがわら』平成元年9月15日発行第695号4頁「五所川原大橋が開通 産業・経済・文化の発展に大きな期待」より。これに、国道一方通行開始に関する記載がある。
- ^ 『広報ごしょがわら』平成元年9月1日発行第694号3頁「国道101号・339号 一方通行規制解除」より。
- ^ 「市町村政 - 市町村現況 市浦村 おもなできごと」『東奥年鑑1992年版』東奥日報社、1991年9月1日、227頁。ASIN B000J7JCJY。
- ^ 東奥日報社 編『東奥年鑑1999年版』記録編、東奥日報社、1998年、258頁「市町村の姿 - 五所川原市 おもなできごと」。
- ^ a b c d 小川・栗栖・田宮 2016, pp. 26–27.
- ^ a b c 佐々木・石野・伊藤 2015, pp. 40–41.
- ^ a b 浅井建爾 2015, p. 124.
- ^ a b c d e f g 鹿取茂雄 2018, pp. 14–15.
- ^ a b 佐藤健太郎 2014, p. 18.
- ^ a b c d 佐藤健太郎 2015, p. 18.
- ^ a b c ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 26.
- ^ 佐藤健太郎 2015, p. 19(松波成行『国道の謎』〈祥伝社新書〉祥伝社からの孫引き。)
- ^ a b c 佐藤健太郎 2015, p. 20.
- ^ 2012年10月13日放送のテレビ東京系『土曜スペシャル 知られざる国道歩きの旅』より。[出典無効]
- ^ a b c 浅井建爾 2015, p. 15.
- ^ a b c 浅井建爾 2001, pp. 50–51.
- ^ a b 佐藤健太郎 2014, p. 19.
- ^ “平成25年青森県観光入込客統計”. 青森県観光国際戦略局. 2015年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月4日閲覧。
- ^ 佐藤健太郎 2014, pp. 142–143.
- ^ a b c 中村淳一編 2018, pp. 38–39.
- ^ 佐藤健太郎 2015, p. 17.
- ^ a b 須藤英一 2013, pp. 34–35.
参考文献
- 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日。ISBN 4-534-03315-X。
- 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。
- 小川秀夫、栗栖国安、田宮徹 著、中村純一編 編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、26 - 27頁。ISBN 978-4-7779-3980-0。
- 鹿取茂雄「国道339号〈階段国道〉」『酷道大百科』〈ブルーガイド・グラフィック〉、実業之日本社、2018年12月、14 - 15頁、ISBN 978-4-408-06392-8。
- 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著、松井謙介編 編『絶景ドライブ100選[新装版]』学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日、40 - 41頁。ISBN 978-4-05-610907-8。
- 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年、17 - 21頁。ISBN 978-4-06-288282-8。
- 佐藤健太郎『国道者』新潮社、2015年11月25日。ISBN 978-4-10-339731-1。
- 須藤英一『新・日本百名道』大泉書店、2013年、34 - 35頁。ISBN 978-4-278-04113-2。
- 中村淳一編 編『日本の絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2018年4月20日。ISBN 978-4-7779-5088-1。
- 松波成行「国道339号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、72頁、ISBN 978-4-86320-025-8。
- ロム・インターナショナル(編)『道路地図 びっくり!博学知識』河出書房新社〈KAWADE夢文庫〉、2005年2月1日、25 - 26頁。ISBN 4-309-49566-4。