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福山町 (鹿児島市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本 > 鹿児島県 > 鹿児島市 > 福山町
福山町
町丁
地図北緯31度36分 東経130度24分 / 北緯31.6度 東経130.4度 / 31.6; 130.4座標: 北緯31度36分 東経130度24分 / 北緯31.6度 東経130.4度 / 31.6; 130.4
日本の旗 日本
都道府県 鹿児島県の旗 鹿児島県
市町村 鹿児島市
地域 松元地域
人口情報2020年(令和2年)4月1日現在)
 人口 723 人
 世帯数 319 世帯
設置日 1889年4月1日
郵便番号 899-2702 ウィキデータを編集
市外局番 099
ナンバープレート 鹿児島
運輸局住所コード[2] 46500-1788
ウィキポータル 日本の町・字
鹿児島県の旗 ウィキポータル 鹿児島県
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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福山町(ふくやまちょう[3])は、鹿児島県鹿児島市[4]。旧薩摩国日置郡伊集院郷福山村日置郡上伊集院村大字福山日置郡松元町大字福山郵便番号は899-2702[5]。人口は723人、世帯数は319世帯(2020年4月1日現在)[6]

地理

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鹿児島市の西部に位置しており、福山川上流域から中流域に位置している。南方には石谷町及び日置市伊集院町土橋、南方には上谷口町、西部に日置市伊集院町下谷口伊集院町清藤、東部に松陽台町がそれぞれ接している。

平地が少なく丘陵地帯となっており、西に流れる福山川に沿って水田が開ける[7]。町域の中央には南九州西回り自動車道鹿児島道路が通っており、南端には鹿児島本線が通っている。東端には鹿児島県立松陽高等学校が所在する。

町域内の自治公民館は福山川に沿って、福山上、福山中、福山下の3つの自治公民館で構成される[8]

河川

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  • 福山川

歴史

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福山の成立と中世

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福山という地名は鎌倉時代より見え、薩摩国伊集院のうちであった[9]正中2年(1325年)の山田道慶譲状には「田地分 壱町 大道田・柳田・山下田・こは田同院福山村内」とありこのころより見える[10][9]文永6年(1269年)の所領譲状案などに見えるように紀氏がその後開発を進め、鎌倉時代の中期には島津氏がこれに参画したとされており、その結果石谷村(現在の石谷町)と福山村が形成された[9]建武4年(1337年)には山田氏が拠点を構え、石谷村や福山村に田地を所有していた[11][12]

福山は石谷と共に南北朝時代には伊集院氏の支配下にあったとされている。宝徳2年(1450年)に伊集院氏は没落し島津氏の直轄領となった[9]。福山村の北部には大内田村という村があったが、福山村に編入されたとされる[10]天文6年(1537年)2月の島津実久島津忠良(日新斎)・島津貴久親子の間で勃発した伊集院争奪戦では、福山に築かれた実久方の福山塁が忠良・貴久親子の攻撃によって落とされ、忠良・貴久親子が伊集院を制圧した[10][13]文禄5年(1598年)には文禄・慶長の役の褒賞として伊集院の福山村と中川村(現在の日置市伊集院町中川)の700石余が宮之城島津家の島津忠長に対して与えられた[10]

近世の福山

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江戸時代には薩摩国日置郡伊集院郷(外城)のうちであった[9]村高は「郡村高辻帳」及び「天保郷帳」では939石余[9]、「三州御治世要覧」では560石余[10]、「旧高旧領取調帳」では538石余であった[9]。伊集院郷は概ね島津氏の直轄領が多かったが、福山村は文禄5年(1598年)以降宮之城島津家の領地であった[14]明治時代初期には宮之城島津家の家来であった郷士が16戸居住していた[15]

村内には福山上、福山中、福山下の3つの字に分かれており、現在でも自治公民館に踏襲されている[9]1886年(明治19年)4月には福山村瀬戸出口に善福簡易小学校が設置された[16]。善福簡易小学校は1892年(明治25年)に上谷口へ移転し[16]、現在は鹿児島市立松元小学校となっている。

町村制施行以降

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1889年(明治22年)に町村制が施行されたのに伴い、伊集院郷の南部にあたる上谷口村、石谷村、春山村、福山村、直木村、入佐村の区域より日置郡上伊集院村が成立した[17][9]。それまでの福山村は上伊集院村の大字福山」となった[9]

1960年(昭和35年)4月1日には上伊集院村が改称し松元村となり[18]、同時に松元村が町制施行し松元町となった[19][9]1983年(昭和58年)には福山に鹿児島県立松陽高等学校が設置された[20]

2003年平成15年)7月4日には、大字福山(字鎌ヶ迫、字三反田、字袋ヶ谷、字北ヶ迫、字野中田、字山ノ口)、大字石谷、大字上谷口の各一部にあたるガーデンヒルズ松陽台の区域より大字松陽台(現在の松陽台町)が新たに設置された[21]

2004年(平成16年)11月1日松元町日置郡郡山町鹿児島郡吉田町桜島町揖宿郡喜入町と共に鹿児島市に編入された[22]。合併に際して設置された法定合併協議会である鹿児島地区合併協議会における協議によって、松元町の区域の大字については「字の区域を廃止し、当該廃止された字の区域に相当する区域により新たに町の区域を設定し、その名称については表示案に基づき、各町の意向を尊重し合併までに調整するものとする」と協定された[23]

前述の協定に基づいて、合併前の10月26日鹿児島県告示である「 町の区域の設定及び字の廃止」が鹿児島県公報に掲載された[4]。この告示の規定に基づき、それまでの大字福山は廃止され、大字福山の全域を以て新たに鹿児島市の町「福山町」が設置された[24]

字域の変遷

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実施後 実施年 実施前
松元町大字松陽台(新設) 2003年平成15年) 松元町大字福山(一部)
松元町大字石谷(一部)
松元町大字上谷口(一部)

人口

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以下の表は国勢調査による小地域集計が開始された1995年以降の人口の推移である。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[25]
735
2000年(平成12年)[26]
786
2005年(平成17年)[27]
787
2010年(平成22年)[28]
726
2015年(平成27年)[29]
699

施設

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小長崎神社

教育

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寺社

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小・中学校の学区

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市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[33]

町丁 番地 小学校 中学校
福山町 全域 鹿児島市立松元小学校 鹿児島市立松元中学校

交通

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道路

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国道や県道は通らないが、南九州西回り自動車道が通過する。

バス

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  • 鹿児島市コミュニティバス(あいばす)[34]
    • (月・水・金運行)迫田 - 田出橋 - 小長崎神社前 - 福山中
    • (火・木・土運行)中園 - 小長崎神社前 - 福山中 - 福山橋 - 福山下

脚注

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  1. ^ 日本 町字マスター データセット”. デジタル庁 (2022年3月31日). 2022年4月29日閲覧。
  2. ^ 自動車登録関係コード検索システム”. 国土交通省. 2021年4月26日閲覧。
  3. ^ 鹿児島市の町名”. 鹿児島市. 2020年10月25日閲覧。
  4. ^ a b 平成16年鹿児島県告示第1775号(町の区域の設定及び字の廃止、 原文
  5. ^ 鹿児島県鹿児島市福山町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年4月1日閲覧。
  6. ^ 年齢(5歳階級)別・町丁別住民基本台帳人口(平成27~令和2年度)”. 鹿児島市 (2020年4月1日). 2020年5月8日閲覧。
  7. ^ 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1983, p. 1075.
  8. ^ 松元町企画振興課 2004.
  9. ^ a b c d e f g h i j k 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1983, p. 562.
  10. ^ a b c d e 芳即正 & 五味克夫 1998, p. 304.
  11. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 105.
  12. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 116.
  13. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 179.
  14. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 231.
  15. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 232.
  16. ^ a b 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 650.
  17. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 87.
  18. ^ 村の名称変更(昭和35年総理府告示第105号、 原文
  19. ^ 村を町とする処分(昭和35年総理府告示第106号、 原文
  20. ^ 鹿児島県 2006.
  21. ^ 平成15年鹿児島県告示第863号(字の区域の設定及び変更、 原文
  22. ^ 市町の廃置分合(平成16年総務省告示第591号、 原文
  23. ^ 合併協定項目一覧”. 鹿児島市. 2020年10月29日閲覧。
  24. ^ 合併後の住所表示”. 鹿児島市. 2020年10月29日閲覧。
  25. ^ 国勢調査 / 平成7年国勢調査 小地域集計 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年1月31日閲覧。
  26. ^ 国勢調査 / 平成12年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年1月31日閲覧。
  27. ^ 国勢調査 / 平成17年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年1月31日閲覧。
  28. ^ 国勢調査 / 平成22年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年1月31日閲覧。
  29. ^ 国勢調査 / 平成27年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年1月31日閲覧。
  30. ^ 南日本新聞 2015, p. 960.
  31. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 717.
  32. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 723.
  33. ^ 小・中学校の校区(学区)表”. 鹿児島市役所. 2020年9月26日閲覧。
  34. ^ かごしま市コミュニティバス 9 あいばす(松元地域)”. 鹿児島市. 2021年3月23日閲覧。

参考文献

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  • 鹿児島県『鹿児島県史 第六巻 下巻』鹿児島県、2006年。 
  • 松元町郷土誌編さん委員会『松元町郷土誌松元町、1986年3月31日http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/matsumoto.html , Wikidata Q111435644
  • 南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/kagoshima-05.html , Wikidata Q111372912
  • 松元町企画振興課『松元町閉町記念誌』松元町、2004年。 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 46 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。ISBN 978-4-04-001460-9 , Wikidata Q111291392
  • 芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 978-4582910544 

関連項目

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