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国鉄タキ14700形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ14700形貨車
タキ14700形、タキ14730 1993年5月16日、川崎貨物駅
タキ14700形、タキ14730
1993年5月16日、川崎貨物駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 三井物産、日本触媒化学工業→日本触媒日曹油化工業石油荷役日本石油輸送三菱化学物流関西化成品輸送
製造所 日本車輌製造富士車輌三菱重工業
製造年 1969年昭和44年) - 2000年平成12年)
製造数 39両
常備駅 郡山駅浮島町駅
主要諸元
車体色 ねずみ色1号(灰色)
専用種別 液化酸化エチレン
化成品分類番号 毒燃(G)26・3
軌間 1,067 mm
全長 14,600 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,876 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 30 t
実容積 39.3 m3
自重 21.8 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 2.2
台車 TR41C、TR41D、TR41E-4、TR211F、TR216A
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 10,500 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ14700形貨車(こくてつタキ14700がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

概要

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本形式は、液化酸化エチレン専用の30t 積タンク車として1969年(昭和44年)2月18日から2000年平成12年)11月にかけて17ロット39両(タキ14700 - タキ14738)が日本車輌製造富士車輌三菱重工業の3社にて製作された。

本形式の他に液化酸化エチレンを専用種別とする形式には、他に例がなく唯一の存在である。

落成時の所有者は、三井物産、日本触媒化学工業(平成3年以降の新造車は日本触媒)、日曹油化工業石油荷役日本石油輸送三菱化学物流の6社である。

1978年(昭和53年)10月1日に三井物産所有車2両(タキ14700、タキ14704)は、石油荷役へ名義変更された。 1989年(平成元年)から1996年(平成8年)にかけて石油荷役所有車5両(タキ14721 - タキ14725)は関西化成品輸送、日本石油輸送へ、1991年(平成3年)に日本触媒化学工業所有車10両(タキ14711 - タキ14720)は日本触媒にそれぞれ名義変更された。

タンク体はステンレス鋼製で厚さ75mmウレタン断熱材を巻き、薄鋼板製のキセ(外板)が設置された。

荷役方式はタンク上部にあるマンホール弁からの上入れ、上出し式である。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「毒燃(G)26・3」(毒性の物質、燃焼性の物質、高圧ガス、高圧ガス、毒性のあるもの、可燃性のもの)が標記された。専用種別の「液化酸化エチレン」は赤色、「毒」は黒色、「燃」は赤色、「(G)26・3」は白色でそれぞれ標記されている。

車体色はねずみ色1号(灰色)、寸法関係は全長は14,600mm、全幅は2,500mm、全高は3,876mm、台車中心間距離は10,500mm、自重は21.8t、換算両数は積車5.5、空車2.2である。台車は採用例が多くのTR41C、TR41D、TR41E-4、TR211F、TR216Aである。ロットによっては落成時から中古台車を採用した。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車の車籍がJR貨物に継承され、JR化後も2000年(平成12年)まで製作され、1995年(平成7年)度末時点で25両(タキ14711 - タキ14735)が現存していたが、その後は輸送体系の変化(タンクコンテナの普及)により廃車が進み、2010年(平成22年)4月1日時点では1両が在籍している。[1]

年度別製造数

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各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和43年度 - 3両
    • 日本車輌製造 1両 三井物産(タキ14700)
    • 富士車輌 2両 日本触媒化学工業(タキ14701 - タキ14702)
  • 昭和45年度 - 4両
    • 日本車輌製造 1両 日曹油化工業(タキ14703)
    • 日本車輌製造 1両 三井物産(タキ14704)
    • 三菱重工業 2両 日本触媒化学工業(タキ14705 - タキ14706)
  • 昭和47年度 - 5両
    • 三菱重工業 5両 日本触媒化学工業(タキ14707 - タキ14711)
  • 昭和48年度 - 1両
    • 三菱重工業 1両 日本触媒化学工業(タキ14712)
  • 昭和49年度 - 2両
    • 三菱重工業 2両 日本触媒化学工業(タキ14713 - タキ14714)
  • 昭和50年度 - 6両
    • 三菱重工業 6両 日本触媒化学工業(タキ14715 - タキ14720)
  • 昭和52年度 - 2両
    • 日本車輌製造 2両 石油荷役(タキ14721 - タキ14722)
  • 昭和53年度 - 1両
    • 日本車輌製造 1両 石油荷役(タキ14723)
  • 昭和55年度 - 2両
    • 日本車輌製造 2両 石油荷役(タキ14724 - タキ14725)
  • 昭和59年度 - 2両
    • 日本車輌製造 2両 日本石油輸送(タキ14726 - タキ14727)
  • 平成3年度 - 1両
    • 日本車輌製造 1両 日本触媒(タキ14728)
  • 平成4年度 - 3両
    • 日本車輌製造 3両 日本触媒(タキ14729 - タキ14731)
  • 平成7年度 - 4両
    • 日本車輌製造 4両 日本触媒(タキ14732 - タキ14735)
  • 平成8年度 - 2両
    • 日本車輌製造 2両 日本触媒(タキ14736 - タキ14737)
  • 平成12年度 - 1両
    • 日本車輌製造 1両 三菱化学物流(タキ14738)

脚注

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  1. ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.840 増刊 鉄道車両年鑑 p.107

参考文献

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  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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