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国鉄タキ20500形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ20500形貨車
タキ20500形、タキ20516 1992年11月7日、熊谷貨物ターミナル駅
タキ20500形、タキ20516
1992年11月7日、熊谷貨物ターミナル駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 三井東圧化学、石油荷役→ニヤクコーポレーション日本陸運産業日本石油輸送
製造所 日本車輌製造
製造年 1970年(昭和45年) - 1992年(平成4年)
製造数 21両
消滅 2003年(平成15年)
常備駅 越中島駅前川駅
主要諸元
車体色 灰色1号
専用種別 石炭酸
化成品分類番号 61
軌間 1,067 mm
全長 12,910 mm
全幅 2,720 mm
全高 3,801 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 35 t
実容積 33.3 m3
自重 18.7 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 1.8
台車 TR41C、TR41DS-13、TR41E-13、TR213C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 8,730 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ20500形貨車(こくてつタキ20500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は、日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

概要

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本形式は、石炭酸専用の35t積タンク車として1970年(昭和45年)から1992年(平成4年)にかけて3ロット21両(タキ20500 - タキ20520)が日本車輌製造の1社のみで製作された。

石炭酸を専用種別とする形式には、他にはタサ3400形(10両)、タキ3900形(66両)の2形式があった。

落成時の所有者は、三井東圧化学、石油荷役(1991年(平成3年)にニヤクコーポレーションへ社名変更)の2社のみであり、その主な常備駅は、三井東圧化学が東海道本線笠寺駅、ニヤクコーポレーションが京葉臨海鉄道臨海本線前川駅塩釜線塩釜埠頭駅である。

1984年(昭和59年)6月15日に三井東圧化学所有全車(タキ20506を除く)が日本陸運産業へ名義変更された。更にこの内2両(タキ20502 - タキ20503)が1985年(昭和60年)7月19日に日本石油輸送へ名義変更された。

断熱材の選定不備によるタンク体腐食のため1976年(昭和51年)4月26日から同年7月22日にかけてタンク体の新製取り替えを行い、この際三井東圧化学所有全車は同時に台車変更も行われた(TR41C→TR41DS-13)。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号61」(毒性の物質、毒性物質、危険性度合2(中))が標記された。

荷役方式は、積込は液入管から行っていたがその後マンホールからの直入れに変更され、荷卸しは吐出管による下出しである。

塗色は、国鉄時代は全車黒色であったが、JR化以降所有者による裁量が認められ、ニヤクコーポレーション新規製造車は灰色(灰色1号)とされ、またニヤクコーポレーション所有の在来車については全般検査の際塗色変更された。

全長は12,910mm、全幅は2,720mm、全高は3,801mm、台車中心間距離は8,730mm、実容積は33.3m3、自重は18.7t、換算両数は積車5.5、空車1.8、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41DS-13、TR41E-13、TR213Cであり、TR213Cのみ灰色に塗装されている。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(18両)がJR貨物に継承されたが、1998年平成10年)度から淘汰が始まり、2003年(平成15年)度に最後まで在籍した1両(タキ20504)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

年度別製造数

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各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和45年度 - 13両
    • 日本車輌製造 13両 三井東圧化学(タキ20500 - タキ20512)
  • 昭和49年度 - 5両
    • 日本車輌製造 5両 石油荷役(タキ20513 - タキ20517)
  • 平成4年度 - 3両
    • 日本車輌製造 3両 ニヤクコーポレーション(タキ20518 - タキ20520)

参考文献

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  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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