国鉄タキ7300形貨車 (初代)
国鉄タキ7300形貨車 (初代) | |
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タキ7300形、コタキ47319、 1993年4月24日、日立駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 磐城セメント、川崎セメント、東北開発、大阪セメント、電気化学工業、住友セメント、明星セメント、日立セメント、野沢石綿セメント、富士セメント |
製造所 | 川崎車輛、日立製作所 |
製造年 | 1959年(昭和34年) - 1966年(昭和41年) |
製造数 | 523両 |
消滅 | 2001年(平成13年) |
常備駅 | 大越駅、青海駅、日立駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | セメント |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 10,800 mm |
全幅 | 2,474 mm |
全高 | 3,680 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 35 t |
実容積 | 28.0 m3 |
自重 | 16.0 t - 17.5 t |
換算両数 積車 | 5.5 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 6,700 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ7300形貨車(こくてつタキ7300がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
[編集]タキ7300形は、1959年(昭和34年)3月24日から1966年(昭和41年)10月22日にかけて523両(コタキ7300 - コタキ7370、コタキ7374 - コタキ7397、コタキ17300 - コタキ17399、コタキ27300 -コ タキ27399、コタキ37300 - コタキ37399、コタキ47300 - コタキ47399、コタキ57300 - コタキ57327)が川崎車輛(308両)、日立製作所(215両)の2社にて製造された、35t積のセメント専用のタンク車である。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
落成時の所有者は磐城セメント、川崎セメント、東北開発、大阪セメント、電気化学工業、住友セメント、明星セメント、日立セメント、野沢石綿セメント、富士セメントであった。
普通鋼(一般構造用圧延鋼材)製のタンク体に初期車は3個、後期車は4個の積み込み口を持ち、荷役方式はエアスライド式であった。
本車は、その後のタキ1900形などの40t車の基本となった。
車体色は黒色、寸法関係はロットによる差異があり以下一例を示す。全長は10,800mm、全幅は2,474mm、全高は3,680mm、台車中心間距離は6,700mm、実容積は28.0m3、自重は16.0 - 17.5t、換算両数は積車5.5、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には81両の車籍がJR貨物に継承されたが、2001年(平成13年)度に最後まで在籍した22両が廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和33年度 - 6両
- 川崎車輛 6両 磐城セメント(コタキ7300 - コタキ7305)
- 昭和34年度 - 55両
- 川崎車輛 3両 磐城セメント(コタキ7306 - コタキ7308)
- 川崎車輛 16両 磐城セメント(コタキ7309 - コタキ7324)
- 川崎車輛 36両 川崎セメント(コタキ7325 - コタキ7360)
- 昭和35年度 - 34両
- 川崎車輛 10両 川崎セメント(コタキ7361 - コタキ7370)
- 川崎車輛 18両 磐城セメント(コタキ7374 - コタキ7391)
- 川崎車輛 6両 磐城セメント(コタキ7392 - コタキ7397)
- 昭和36年度 - 16両
- 川崎車輛 8両 磐城セメント(コタキ17300 - コタキ17307)
- 川崎車輛 8両 磐城セメント(コタキ17308 - コタキ17315)
- 昭和37年度 - 116両
- 川崎車輛 10両 磐城セメント(コタキ17316 - コタキ17325)
- 川崎車輛 10両 磐城セメント(コタキ17326 - コタキ17335)
- 川崎車輛 6両 東北開発(コタキ17336 - コタキ17341)
- 川崎車輛 3両 磐城セメント(コタキ17342 - コタキ17344)
- 川崎車輛 40両 磐城セメント(コタキ17345 - コタキ17384)
- 川崎車輛 22両 磐城セメント(コタキ17385 - コタキ17399、コタキ27300 - コタキ27306)
- 川崎車輛 25両 磐城セメント(コタキ27307 - コタキ27331)
- 昭和38年度 - 91両
- 川崎車輛 15両 磐城セメント(コタキ27332 - コタキ27346)
- 川崎車輛 11両 磐城セメント(コタキ27347 - コタキ27357)
- 日立製作所 5両 大阪セメント(コタキ27358 - コタキ27362)
- 日立製作所 4両 大阪セメント(コタキ27363 - コタキ27366)
- 日立製作所 6両 大阪セメント(コタキ27367 - コタキ27372)
- 日立製作所 7両 電気化学工業(コタキ27373 - コタキ27379)
- 日立製作所 10両 電気化学工業(コタキ27380 - コタキ27389)
- 日立製作所 8両 電気化学工業(コタキ27390 - コタキ27397)
- 日立製作所 1両 電気化学工業(コタキ27398)
- 日立製作所 4両 電気化学工業(コタキ27399、コタキ37300 - コタキ37302)
- 川崎車輛 10両 住友セメント(コタキ37318 - コタキ37327)
- 川崎車輛 10両 住友セメント(コタキ37328 - コタキ37337)
- 昭和39年度 - 140両
- 川崎車輛 3両 住友セメント(コタキ37303 - コタキ37305)
- 川崎車輛 5両 住友セメント(コタキ37306 - コタキ37310、コタキ37338 - コタキ37341)
- 川崎車輛 1両 住友セメント(コタキ37311)
- 川崎車輛 6両 住友セメント(コタキ37312 - コタキ37317)
- 川崎車輛 10両 住友セメント(コタキ37338 - コタキ37341)
- 日立製作所 4両 電気化学工業(コタキ37342 - コタキ37345)
- 日立製作所 2両 電気化学工業(コタキ37346 - コタキ37347)
- 日立製作所 3両 電気化学工業(コタキ37348 - コタキ37350)
- 川崎車輛 4両 東北開発(コタキ37351 - コタキ37354)
- 川崎車輛 6両 明星セメント(コタキ37355 - コタキ37360)
- 日立製作所 1両 野沢石綿セメント(コタキ37361)
- 日立製作所 3両 野沢石綿セメント(コタキ37362 - コタキ37364)
- 日立製作所 6両 野沢石綿セメント(コタキ37365 - コタキ37370)
- 日立製作所 6両 電気化学工業(コタキ37371 - コタキ37376)
- 日立製作所 11両 電気化学工業(コタキ37377 - コタキ37387)
- 日立製作所 11両 電気化学工業(コタキ37388 - コタキ37398)
- 日立製作所 10両 電気化学工業(コタキ37399、コタキ47300 - コタキ47308)
- 川崎車輛 6両 東北開発(コタキ47309 - コタキ47314)
- 川崎車輛 1両 東北開発(コタキ47315)
- 日立製作所 5両 日立セメント(コタキ47316 - コタキ47320)
- 日立製作所 5両 日立セメント(コタキ47321 - コタキ47325)
- 日立製作所 11両 電気化学工業(コタキ47326 - コタキ47338)
- 日立製作所 3両 野沢石綿セメント(コタキ47339 - コタキ47341)
- 日立製作所 12両 野沢石綿セメント(コタキ47342 - コタキ47353)
- 日立製作所 5両 野沢石綿セメント(コタキ47354 - コタキ47358)
- 昭和40年度 - 56両
- 日立製作所 10両 野沢石綿セメント(コタキ47359 - コタキ47368)
- 日立製作所 5両 野沢石綿セメント(コタキ47369 - コタキ47373)
- 日立製作所 15両 野沢石綿セメント(コタキ47374 - コタキ47388)
- 日立製作所 18両 電気化学工業(コタキ47389 - コタキ47399、コタキ57300 - コタキ57306)
- 日立製作所 8両 電気化学工業(コタキ57307 - コタキ57314)
- 昭和41年度 - 13両
- 日立製作所 7両 富士セメント(コタキ57315 - コタキ57321)
- 日立製作所 3両 大阪セメント(コタキ57322 - コタキ57324)
- 日立製作所 3両 大阪セメント(コタキ57325 - コタキ57327)
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)