国鉄タサ5600形貨車
国鉄タサ5600形貨車 | |
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国鉄タサ5600形アコタサ5609 1997年7月6日、南四日市駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 安宅産業→東海電化工業、日本パーオキサイド、三菱瓦斯化学 |
製造所 | 日立製作所、富士重工業 |
製造年 | 1962年(昭和37年) - 1968年(昭和43年) |
製造数 | 17両 |
消滅 | 2003年(平成15年) |
常備駅 | 岳南富士岡駅、郡山駅、南四日市駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 銀(アルミニウム地肌) |
専用種別 | 過酸化水素 |
化成品分類番号 | 化侵58 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 9,800 mm |
全幅 | 2,330 mm |
全高 | 3,663 mm |
タンク材質 | 純アルミニウム(A1070) |
荷重 | 20 t |
実容積 | 18.3 m3 |
自重 | 14.9 t |
換算両数 積車 | 3.5 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C→TR41D |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 5,700 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タサ5600形貨車(こくてつタサ5600がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
[編集]本形式は、過酸化水素専用の20 t積タンク車として1962年(昭和37年)2月22日から1968年(昭和43年)4月13日にかけて7ロット17両(アコタサ5600 - アコタサ5616)が日立製作所、富士重工業の2社で製作された。
落成時の所有者は、安宅産業、日本パーオキサイド2社であった。夫々の常備駅は、岳南電車岳南線の岳南富士岡駅、東北本線の郡山駅であった。
安宅産業所有車10両は、1977年(昭和52年)2月26日に東海電化工業へ名義変更された。
日本パーオキサイド所有の内3両(アコタサ5607 - アコタサ5609)は、1991年(平成3年)に三菱瓦斯化学へ名義変更され常備駅は、南四日市駅に変更された。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「化侵58」(酸化性の物質、侵食性の物質、酸化性物質、侵食性のあるもの)が標記された。
タンク体は、積荷の分解防止のため純アルミニウム(A1070)製、ドーム付きのキセ(外板)なし直胴タイプである。記号番号表記は、特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)に加え、破損防止の注意喚起のため副記号「ア」を冠し、「アコタサ」と称し、タンク体には「純アルミ」、「連結注意」と標記された。タンク体の長さは8,225 mm、内径は1,726 mmである。タンク内部には、補強を兼ねた皿形の波除け板(バッフル)が4枚設置されている。受台は、強度の低い純アルミニウム製タンクを支えるため、大型である。荷役方式は、積込は液出入管から行い、荷卸しは液出入管と空気加圧による上出し方式である。液出入管と空気管はドームの頂部に設けられ、空気管には異物除去用のフィルターが内蔵されている。両管は落成時には全車S字管を装備していたが、三菱瓦斯化学に名義変更された3両は取り外された。タンク体はアルミニウム地肌(無塗装)の銀色である。
全長は9,800 mm、全幅は2,330 mm、全高は3,663 mm、台車中心間距離は5,700 mm、実容積は18.3 m3、自重は14.9 t、換算両数は積車3.5、空車1.6である。台車は、ベッテンドルフ式のTR41Cであったが、第一次台車改造によりTR41Dとなった。
2003年(平成15年)5月に最後まで在籍した3両(アコタサ5607 - アコタサ5609)が廃車となり形式消滅した、と同時に「タサ」車(積載重量20 t - 24 tのタンク車)の全滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和37年度 - 2両
- 日立製作所 2両 安宅産業(アコタサ5600 - アコタサ5601)
- 昭和38年度 - 2両
- 日立製作所 2両 安宅産業(アコタサ5602 - アコタサ5603)
- 昭和40年度 - 3両
- 日立製作所 3両 安宅産業(アコタサ5604 - アコタサ5606)
- 昭和41年度 - 8両
- 富士重工業 3両 日本パーオキサイド(アコタサ5607 - アコタサ5609)
- 日立製作所 1両 安宅産業(アコタサ5610)
- 富士重工業 4両 日本パーオキサイド(アコタサ5611 - アコタサ5614)
- 昭和43年度 - 2両
- 日立製作所 2両 安宅産業(アコタサ5615 - アコタサ5616)
参考文献
[編集]- 福田孝行「過酸化水素専用タンク車」、『鉄道ピクトリアル』 No. 589、1994年4月
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)