国鉄タム8700形貨車
国鉄タム8700形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 東洋曹達工業→東北東ソー化学 |
製造所 | 三菱重工業、日立製作所 |
製造年 | 1965年(昭和40年) - 1968年(昭和43年) |
製造数 | 3両 |
消滅 | 2005年(平成17年) |
常備駅 | 周防富田駅→新南陽駅→酒田港駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 塩化パラフィン |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 8,200 mm |
全幅 | 2,468 mm |
全高 | 3,757 mm |
タンク材質 | ステンレス鋼(SUS304) |
荷重 | 15 t |
実容積 | 13.3 m3 |
自重 | 10.7 t |
換算両数 積車 | 2.6 |
換算両数 空車 | 1.0 |
走り装置 | 二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 4,550 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タム8700形貨車(こくてつタム8700がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式と同一の専用種別であるタム9500形についても本項目で解説する。
タム8700形
[編集]タム8700形は、塩化パラフィン専用の15 t積二軸貨車である。1965年(昭和40年)2月24日に2両、1968年(昭和43年)4月24日に1両の合計2ロット3両(タム8700 - タム8702)が三菱重工業および日立製作所で新製された。
本形式の他に塩化パラフィンを専用種別とする形式は、タム9500形(3両、後述)があるのみである。
走り装置は、当初から二段リンク式で、最高速度は75 km/hである。台枠は、長さ7,400 mmの平台枠である。
落成時の所有者は全車東洋曹達工業であり、常備駅は周防富田駅(その後1980年(昭和55年)10月1日新南陽駅に改名)であった。その後タム8700とタム8702は東北東ソー化学に名義変更され常備駅は酒田港駅になった。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号が制定されたが、本形式の専用種別である塩化パラフィンは無害・不燃性の物質であるため、化成品分類番号は標記されなかった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車がJR貨物に継承されたが、1995年(平成7年)1月に1両(タム8701)が、2005年(平成17年)7月に残りの2両が廃車となり、形式消滅した。
最後まで在籍したタム8700, タム8702の末期は酒田港駅構内に留置され休車状態が続いていた。
タンク体は、積荷の純度保持のためステンレス鋼(SUS304)製で、ドーム付きのキセ(外板)付き直胴タイプである。外周には保温のため、厚さ150 mmのグラスウール断熱材が巻かれ、薄鋼板製のキセが装備されている。
タンク体の長さは6,190 mm、内径は1,700 mmである。荷役方式は、積込はマンホールから行う上入れ式、荷卸しは吐出管による下出し式である。塗色は、黒。
全長は8,200 mm、全幅は2,468 mm、全高は3,757 mm、軸距は4,550 mm、実容積は13.3 m3、自重は10.7 t、換算両数は積車2.6、空車1.0、車軸は12 t長軸であった。
タム9500形
[編集]国鉄タム9500形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 東洋曹達工業 |
製造年 | 1971年(昭和46年) - 1974年(昭和49年) |
製造数 | 3両 |
消滅 | 1995年(平成7年) |
常備駅 | 周防富田駅→新南陽駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 塩化パラフィン |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 10,000 mm |
全幅 | 2,420 mm |
全高 | 3,510 mm |
タンク材質 | 耐候性鋼 |
荷重 | 15 t |
実容積 | 13.2 m3 |
自重 | 14.5 t |
換算両数 積車 | 3.0 |
換算両数 空車 | 1.4 |
台車 | TR41D-8 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 5,900 mm |
最高速度 | 75 km/h |
ヨンサントオ(1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正)により私有二軸貨車の新規製作が禁止されたため、タム8700形の増備も不可能となった。そこで生まれたのがタム9500形である。1971年(昭和46年)3月3日から1974年(昭和49年)3月18日にかけて3ロット3両が製作された。
所有者は全車東洋曹達工業であり、常備駅は周防富田駅(その後1980年(昭和55年)10月1日新南陽駅に改名)であった。
全長は10,000 mm、全幅は2,420 mm、全高は3,510 mm、台車中心間距離は5,900 mm、実容積は13.2 m3、自重は14.5 t、換算両数は積車3.0、空車1.4である。台車はベッテンドルフ式のTR41D-8であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には2両(タム9501 - タム9502)がJR貨物に継承されたが、1995年(平成7年)1月に廃車となり同時に形式消滅となった。
参考文献
[編集]- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
- 日本の貨車-技術発達史- バーチャル博物館(社団法人日本鉄道車輌工業会)