コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

国鉄タム5800形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タム5850形貨車から転送)
国鉄タム5800形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 旭化成工業東洋レーヨン日東化学工業宇部興産三菱化成工業昭和電工別府化学工業東北肥料日産化学工業伊藤忠商事
製造所 三菱重工業日立製作所川崎車輛日本車輌製造
製造年 1954年(昭和29年) - 1961年(昭和36年)
製造数 19両
消滅 1985年(昭和60年)
常備駅 南延岡駅扇町駅飾磨駅
主要諸元
車体色
専用種別 液化アンモニア
化成品分類番号 毒燃(G)26・3
軌間 1,067 mm
全長 12,800 mm
全幅 2,238 mm
全高 3,750 mm
タンク材質 ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板
荷重 20 t
実容積 28.0 m3 - 29.0 m3
自重 25.4 t - 31.3 t
換算両数 積車 4.5
換算両数 空車 3.0
台車 TR41
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 8,700 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

国鉄タム5800形貨車(こくてつタム5800がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同じ専用種別であるタム5850形についても本項目で解説する。

タム5800形

[編集]

タム5800形液化アンモニア専用の20t積タンク車として1954年(昭和29年)5月22日から1961年(昭和36年)10月26日にかけて19両(タム5800 - タム5818)が三菱重工業日立製作所川崎車輛日本車輌製造の4社にて製作された。

本形式の他に液化アンモニアを専用種別とする形式は、タ520形(2両)、タ550形(5両)、タ580形(30両)、タ2800形(3両)、タム5850形(1両、後述)、タサ4100形(142両)、タサ5800形(2両)、タキ4100形(2代)(44両)、タキ18600形(128両)の9形式がある。

所有者旭化成工業東洋レーヨン日東化学工業宇部興産三菱化成工業昭和電工別府化学工業東北肥料日産化学工業伊藤忠商事の10社であった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「毒燃(G)26・3」(毒性の物質、燃焼性の物質、高圧ガス、毒性のあるもの、可燃性のもの)が標記された。専用種別の「液化アンモニア」と化成品分類番号の「燃」は赤色で標記されている。更にタンク体右側形式番号上に「連結注意」が標記された。

ドームレス直円筒型のタンク体は、ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板(SB42、現在のSB410)製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。

塗色は白であり、全長は12,800mm、全幅は2,238mm、全高は3,750mm、台車中心間距離は8,700mm、実容積は28.0m3-29.0m3、自重は25.4t-31.3t、換算両数は積車4.5、空車3.0、最高運転速度は75km/h、ベッテンドルフ式のTR41である。

1985年(昭和60年)6月4日に最後まで在籍した1両(タム5805)が廃車になり同時に形式消滅となった。

タム5850形

[編集]
国鉄タム5850形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 宇部興産
製造所 富士車輌
製造年 1968年(昭和43年)
製造数 1両
消滅 1985年(昭和60年)
常備駅 宇部港駅
主要諸元
車体色
専用種別 液化アンモニア
軌間 1,067 mm
全長 11,300 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,866 mm
タンク材質 高張力鋼
荷重 15 t
実容積 28.5 m3
自重 21.2 t
換算両数 積車 3.5
換算両数 空車 2.2
台車 TR41C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 7,500 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

タム5850形液化アンモニア専用の15t積タンク車として1968年(昭和43年)10月31日に1両(タム5850)のみが富士車輌にて製作された。

所有者は宇部興産であり、その常備駅は宇部線貨物支線の宇部港駅であった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「毒燃(G)26・3」(毒性の物質、燃焼性の物質、高圧ガス、毒性のあるもの、可燃性のもの)が標記された。専用種別の「液化アンモニア」と化成品分類番号の「燃」は赤色で標記されている。更にタンク体右側形式番号上に「連結注意」が標記された。

ドームレス直円筒型のタンク体は、高張力鋼(HT55、HT60)製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。

塗色は白であり、全長は11,300mm、全幅は2,500mm、全高は3,866mm、台車中心間距離は7,500mm、実容積は28.5m3、自重は21.2t、換算両数は積車3.5、空車2.2、最高運転速度は75km/h、ベッテンドルフ式のTR41Cである。

1985年(昭和60年)11月22日に廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

[編集]
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

[編集]