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国鉄タキ5100形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ5150形貨車から転送)
国鉄タキ5100形貨車
タキ5100形、コタキ5108 1986年1月13日、安治川口駅
タキ5100形、タキ5108
1986年1月13日、安治川口駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 日本硫炭工業大和紡績日東紡績東洋化成工業昭和工業東レ・ファインケミカル
製造所 三菱重工業川崎車輛新潟鐵工所
製造年 1956年(昭和31年) - 1979年(昭和54年)
製造数 33両
種車 タキ4200形
改造所 川崎車輛
改造年 1962年(昭和37年)
改造数 1両
消滅 2007年(平成19年)
常備駅 安治川口駅守山駅
主要諸元
車体色
専用種別 二硫化炭素
化成品分類番号 燃毒36
軌間 1,067 mm
全長 10,600 mm
全幅 2,527 mm
全高 3,887 mm
タンク材質 普通鋼一般構造用圧延鋼材
荷重 30 t
実容積 24.2 m3
自重 18.6 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 2.0
台車 TR41C、TR41DS-12、TR41E-12、TR225、TR213C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 6,500 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ5100形貨車(こくてつタキ5100がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同じ専用種別であるタキ5150形についても本項目で解説する。

タキ5100形

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タキ5100形は、二硫化炭素専用の30t積タンク車として1956年(昭和31年)1月19日から1979年(昭和54年)12月24日にかけて34両(タキ5100 - タキ5133)が三菱重工業(3両)、川崎車輛(20両)、新潟鐵工所(11両)の3社で製作(タキ5103はタキ4200からの改造編入車)された。

本形式の他に二硫化炭素を専用種別とする形式は、タ1500形(8両)、タ1600形(5両)、タム200形(117両)、タム5900形(19両)、タサ2200形(1両)、タキ5150形(1両、後述)、タキ10100形(24両)の7形式がある。

落成時の所有者は、大和紡績日東紡績東洋化成工業昭和工業の4社であった。1967年(昭和42年)4月13日に日東紡績所有車1両(タキ5103)が東洋化成工業へ名義変更された。1977年(昭和52年)3月2日に大和紡績所有車1両(タキ5100)が四国化成工業へ名義変更された。1992年(平成4年)4月に昭和工業所有車4両(タキ5130 - タキ5133)が東レ・ファインケミカルへ名義変更された。1997年(平成9年)4月から1999年(平成11年)6月にかけて13両(タキ5115 ,タキ5117 - タキ5120 ,タキ5122 ,タキ5123 ,タキ5128 - タキ5133)が日本硫炭工業へ名義変更された。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号燃毒36」(燃焼性の物質、毒性の物質、引火性液体、毒性のあるもの)が標記された。

ドーム付き直円筒型のタンク体は普通鋼一般構造用圧延鋼材)製で厚さ50mmグラスウール断熱材を巻き、薄鋼板製のキセ(外板)が設置された。荷役方式はタンク上部にある積込み口または液出入管からの上入れ、液出入管と水圧管による上出し式である。液出入管と水圧管はS字管を装備した。

塗装は、全長は10,600mm、全幅は2,527mm、全高は3,887mm、台車中心間距離は6,500mm、実容積は24.2m3、自重は18.6t、換算両数は積車5.0、空車2.0、台車はベッテンドルフ式のTR41C等であった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には21両がJR貨物に継承され、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した7両(タキ5122 ,タキ5128 - タキ5133)が廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数

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各年度による製造会社(改造会社)と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和30年度 - 2両
    • 三菱重工業 2両 大和紡績(タキ5100 - タキ5101)
  • 昭和31年度 - 1両
    • 三菱重工業 1両 大和紡績(タキ5102)
  • 昭和37年度 - 1両
    • (川崎車輛) 1両 日東紡績(タキ4200→タキ5103)
  • 昭和43年度 - 8両
    • 川崎車輛 4両 東洋化成工業(タキ5104 - タキ5107)
    • 新潟鉄工所 4両 東洋化成工業(タキ5108 - タキ5111)
  • 昭和44年度 - 6両
    • 新潟鉄工所 6両 東洋化成工業(タキ5112 - タキ5117)
  • 昭和45年度 - 1両
    • 新潟鉄工所 1両 東洋化成工業(タキ5118)
  • 昭和46年度 - 3両
    • 川崎重工業 3両 東洋化成工業(タキ5119 - タキ5121)
  • 昭和49年度 - 8両
    • 川崎重工業 8両 東洋化成工業(タキ5122 - タキ5129)
  • 昭和51年度 - 2両
    • 川崎重工業 2両 昭和工業(タキ5130 - タキ5131)
  • 昭和53年度 - 1両
    • 川崎重工業 1両 昭和工業(タキ5132)
  • 昭和54年度 - 1両
    • 川崎重工業 1両 昭和工業(タキ5133)

タキ5150形

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国鉄タキ5150形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 日東紡績→東洋化成工業
種車 タキ4200形
改造所 川崎車輛
改造年 1963年(昭和38年)
改造数 1両
消滅 1986年(昭和61年)
常備駅 安治川口駅
主要諸元
車体色
専用種別 二硫化炭素
化成品分類番号 燃毒36
軌間 1,067 mm
全長 10,700 mm
全幅 2,400 mm
全高 3,839 mm
タンク材質 普通鋼(一般構造用圧延鋼材)
荷重 33 t
実容積 25.9 m3
自重 18.0 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 1.8
台車 TR41C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 6,500 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

1963年(昭和38年)12月25日にタキ4200形より1両(タキ4203)の専用種別変更(カセイソーダ液→二硫化炭素)が川崎車輛にて行われ、形式名は新形式であるタキ5150形タキ5150)とされた。種車であるタキ4203は川崎車輛にて1953年(昭和28年)6月16日にタキ4100形 (初代、タキ4100)として落成し、4年後の1957年(昭和32年)4月に改造工事が造機車輌にて行われ、タキ4200形に編入されたため1形式1両車であったタキ4100形 (初代)は同時に形式消滅となった。

タンク体はタキ4100形 (初代)として落成したため他のタキ4200形車よりひと回り大きく33t 積とされた。また種車(タキ4100形 (初代))は1形式1両車であったためこれ以降の増備車はなく本形式(タキ5150形)もまた1形式1両車である。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

落成時の所有者は、日東紡績であったが、1967年(昭和42年)4月13日に東洋化成工業へ名義変更された。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃毒36」(燃焼性の物質、毒性の物質、引火性液体、毒性のあるもの)が標記された。

塗装は黒、全長は10,700mm、全幅は2,400mm、全高は3,839mm、台車中心間距離は6,500mm、実容積は25.9m3、自重は18.0t、換算両数は積車5.0、空車1.8、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。

1986年(昭和61年)5月31日に廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

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  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)