国鉄タ1000形貨車
国鉄タ1000形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
所有者 | 紐育スタンダード石油、三井鉱山、他 |
改造年 | 1928年(昭和3年)* - 1952年(昭和27年) |
改造数 | 42両 |
消滅 | 1977年(昭和52年) |
常備駅 | 糸崎駅、大牟田駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | なし(石油)、ガソリン、ベンゾール、重油 |
化成品分類番号 | 制定前に形式消滅 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,177 mm |
全幅 | 2,134 mm |
全高 | 3,124 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 10 t、11 t、12 t |
実容積 | 12.5 m3 |
自重 | 8.5 t - 9.3 t |
換算両数 積車 | 2.0 |
換算両数 空車 | 0.8 |
走り装置 | シュー式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 3,353 mm |
最高速度 | 65 km/h→75 km/h |
備考 |
*称号規程改正年 上記寸法類は一例である |
国鉄タ1000形貨車(こくてつタ1000がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)およびその前身である鉄道省等に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式より改造され別形式となったタ11000形、タム5400形についても本項目で解説する。
タ1000形
[編集]タ1000形は、1928年(昭和3年)の車両称号規程改正により、1922年(大正11年)から1925年(大正14年)にかけて製造されたア1640形11両(タ1000 - タ1010)、ア1680形10両(ア1680 - ア1689→タ1011 - タ1020)およびア2070形7両(ア2070 - ア2076→タ1021 - タ1027)の合計28両(タ1000 - タ1027)を改番し誕生した形式である。改番以降も増備は続き1952年(昭和27年)2月7日までに、14両(タ1028 - タ1037、タ1044 - タ1047)が落成した。これらの車両も全て他形式からの改造または戦災復旧車であった。またなぜかタ1038 - タ1043は飛び番である。様々な形式をまとめた形式なので車体寸法、荷重、専用種別などは車両により様々である。
車両称号規程改正時点での所有者は紐育スタンダード石油、三井鉱山の2社であった。
車体色は黒色、寸法関係は一例として全長は7,177 mm、全幅は2,134 mm、全高は3,124 mm、軸距は3,353 mm、実容積は12.5 m3、自重は8.5 t - 9.3 t、換算両数は積車2.0、空車0.8、走り装置はシュー式の二軸車で、最高運転速度は65 km/hであった。
1977年(昭和52年)8月26日に最後まで在籍した1両(タ1034)が廃車となり、同時に形式消滅となった。
タ11000形
[編集]国鉄タ11000形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 出光興産 |
旧形式名 | タ1000形 |
改造年 | 1968年(昭和43年) |
改造数 | 2両 |
消滅 | 1972年(昭和47年) |
常備駅 | 雄別埠頭駅→北埠頭駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒+黄1号の帯 |
専用種別 | 石油類 |
化成品分類番号 | 制定前に形式消滅 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,348 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 11 t |
実容積 | 12.5 m3 |
自重 | 8.4 t |
換算両数 積車 | 2.0 |
換算両数 空車 | 0.8 |
走り装置 | 一段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 3,810 mm |
最高速度 | 65 km/h |
タ11000形は石油類専用の11 t 積み私有貨車(タンク車)である。
当初タ1000形の軸ばね支持装置は一段リンク式であったが、貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、大半の車は二段リンク式に改造したが、北海道地区ではスピードアップが見送られたため、二段リンク化の対象外となった車両が2両(タ1036,タ1037→ロタ11036,ロタ11037)残り、区別のため別形式(タ11000形)とした。車番は現番号に「10000」を加える形となった。改造内容は標記類の書き換え以外何もなく、むしろ本形式の方が本来のタ1000形ともいえる。
識別のため記号に「ロ」を丸で囲んだ通称マルロが追加され「ロタ」となり黄色(黄1号)の帯を巻いている。タンク体には同色で「道外禁止」と標記された。
所有者は出光興産であり、その常備駅は雄別埠頭駅(1970年(昭和45年)2月12日北埠頭駅に改称)であった。
塗色は、黒であり黄色(黄1号)の帯を巻いている。全長は7,348 mm、実容積は12.5 m3、自重は8.4 t、換算両数は積車2.6、空車1.0、最高運転速度は65 km/h、車軸は12 t 長軸であった。
1972年(昭和47年)4月25日に2両そろって廃車となり、同時に形式消滅となった。
タム5400形
[編集]国鉄タム5400形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 日米石油 |
種車 | タ1000形 |
改造年 | 1952年(昭和27年) |
改造数 | 1両 |
消滅 | 1977年(昭和52年) |
常備駅 | 伏木駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | トリクレン |
化成品分類番号 | 制定前に形式消滅 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,748 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 16 t |
実容積 | 11.0 m3 |
自重 | 10.0 t |
換算両数 積車 | 2.6 |
換算両数 空車 | 1.0 |
走り装置 | シュー式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 4,000 mm |
最高速度 | 65 km/h→75 km/h |
1952年(昭和27年)10月31日にタ1000形より1両(タ1047→タム5400)が専用種別変更(ベンゾール→トリクレン)され形式は新形式であるタム5400形とされた。
本形式の他にトリクレンを専用種別とする形式は、他に例がなく唯一の存在であった。
所有者は日米石油であり、その常備駅は氷見線の伏木駅であった。
塗色は黒であり、寸法関係は全長は7,748 mm、実容積は11.0 m3、自重は10.0 t、換算両数は積車2.6、空車1.0、最高運転速度は65 km/h、車軸は12 t長軸であった。
1977年(昭和52年)12月26日に廃車となり、同時に形式消滅となった。
参考文献
[編集]- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)