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'''ジャスタウェイ'''(欧字名:{{Lang|en|Just a Way}}、[[2009年]][[3月8日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]][[種牡馬]]<ref name="JBIS"/>。主な勝ち鞍は[[2013年]]の[[天皇賞(秋)]]、[[2014年]]の[[ドバイターフ|ドバイデューティーフリー]]、[[安田記念]]
'''ジャスタウェイ'''(欧字名:{{Lang|en|Just a Way}}、[[2009年]][[3月8日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]][[種牡馬]]<ref name="JBIS" />。


2014年度[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング]]単独1位となり、日本調教馬として史上初めて同ランキング単独1位「世界一」を成し遂げた。同年の[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング|ワールドベストレースホース]]、[[JRA賞最優秀4歳牡馬]]である。
ドバイデューティーフリーにおいて2着に6馬身以上の着差、(芝1,800 mでの同競走<ref>競走条件の変遷については[[ドバイターフ]]参照。</ref>として) 従来の記録を2秒以上も更新する1分45秒52のレコードタイムで圧勝し<ref name="netkeiba85642"/>、この結果によって[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング|国際クラシフィケイション]]において130ポンドの評価を受け、日本競馬史上初となる単独1位にランキングされた<ref name="netkeiba85984"/><ref group="注" name="rating"/>。2014年度の[[JRA賞最優秀4歳以上牡馬]]である。


== 馬名 ==
== 概要 ==
2009年に[[北海道]][[浦河町]]にて誕生、[[社台コーポレーション白老ファーム]]によって生産された父[[ハーツクライ]]の牡馬である。2010年の[[セレクトセール]]に上場し、アニメ脚本家である馬主の[[大和屋暁]]によって所有され、大和屋が携わったアニメ『[[銀魂]]』の中に登場するキャラクター名を授けられた。[[中央競馬]](JRA)の[[栗東トレーニングセンター]]に所属する[[調教師]]の[[須貝尚介]]に管理されて2011年、2歳夏に競走馬としてデビューした。
[[競走馬#競走馬名|馬名]]の意味は英語で「その道」で、[[馬主]]であるアニメ脚本家・[[大和屋暁]]の代表作『[[銀魂 (アニメ)|銀魂]]』に登場する[[銀魂#アイテム|ジャスタウェイ]]に由来する<ref>*{{ウェブアーカイブ |deadlink=yes |title=ジャスタウェイのオーナー大和屋暁氏独占インタビュー |url=http://column.keibalab.jp/specialtalk/article/vol_18_1/ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210326031508/https://www.keibalab.jp/column/specialtalk/vol_18_1/ |archivedate=2021-05-26 |language=日本語|accessdate=2022-02-11}}</ref><ref group="注">但し、元ネタになった方(玩具に偽装した爆弾)の英語表記はJust Away(すぐ逃げろ)である。</ref>。


[[新馬戦]]優勝後、[[重賞]]好走するも連敗した、それでも翌2012年春の[[アーリントンカップ]](GIII)を優勝して2勝目を挙げ、重賞初勝利を果たした。その後は重賞で好走するも勝ちきれずに再び連敗、今度は1年以上勝利から遠ざかった。特に、2013年夏の[[エプソムカップ]](GIII)から[[関屋記念]](GIII)、そして秋の[[毎日王冠]](GII)の3連戦は、すべて2着だった。しかし続く[[天皇賞(秋)]](GI)にて、[[中央競馬クラシック三冠|牝馬三冠]]達成の[[ジェンティルドンナ]]や[[東京優駿]](日本ダービー)優勝の[[エイシンフラッシュ]]などを下して、4馬身以上の差で優勝、1年以上継続した連敗を止めて、GI並びに[[天皇賞]]戴冠を果たした。また史上初めてとなる2勝馬による天皇賞戴冠を成し遂げた。
大和屋は[[赤見千尋]]との対談で、「あまり洒落が利いてない感じ」という理由で主要キャラクターの名前を付けたくなかった代わりに、「一見カッコ良さげで、ちょっとアホくさいキャラクター」ということでこの名前を選んだことも明かしている<ref name="netkeiba25761">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=25761 |title= 東奈緒美・赤見千尋のおじゃ馬します!「ジャスタウェイ・大和屋暁オーナー(1)『狂喜乱舞の天皇賞・秋』」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。


この後は連勝し、4連勝まで伸ばした。翌2014年の[[中山記念]](GII)で重賞3勝目を挙げて、3月には[[ドバイ]]遠征を敢行した。参戦した[[ドバイデューティフリー]](G1)にて、南アフリカの無敗馬ウェルキンゲトリクスなどに6馬身以上の差をつけて大勝し、2か国のGI級競走を優勝。この圧勝劇は、この年の「[[ワールドベストレースホースランキング]]」で最高の評価を得るに至った。さらには凱旋初戦となった、6月の[[安田記念]](GI)を、[[グランプリボス]]との接戦をハナ差だけ先着し、GI級競走3勝目を挙げた。その後は実績のない長距離GIに挑戦、フランスの[[凱旋門賞]](G1)や[[ジャパンカップ]](GI)、[[有馬記念]](GI)に出走し、このうちジャパンカップや有馬記念は上位に食い込んだ。有馬記念を最後に引退、日本とドバイ、フランスの三か国で出走し22戦6勝、約9億円の賞金を獲得した。
== 経歴 ==
=== デビュー前 ===
2009年3月8日に[[北海道]]の[[浦河町]]で誕生<ref name="JBIS"/>。生産者の名義は[[白老ファーム]]である<ref name="JBIS"/>。


引退後は、[[種牡馬]]となり、重賞優勝産駒を多数輩出。そのうえGI級競走優勝産駒も複数現れた。2020年[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]](GI)を優勝し同年の[[JRA賞最優秀2歳牡馬]]となった[[ダノンザキッド]](母父:[[ダンシリ]])や2021年[[JBCレディスクラシック]](JpnI)を優勝した[[テオレーマ]](母父:[[シーザスターズ]])、さらには2019年の[[中央競馬クラシック三冠|クラシック三冠]]すべてで善戦した[[ヴェロックス]](母父:[[モンズーン]])などの父として知られる。
翌年(2010年)の[[セレクトセール]]1歳に上場され<ref>{{Cite news|url= https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_62697 |title=重賞ウイナーレポート アーリントンC G3|publisher=競走馬のふるさと案内所|date=2012-02-25|accessdate=2019-12-11}}</ref>、大和屋が1,260万円(消費税込<ref group="注">税率5%</ref>)で落札して購入した。なお、大和屋が以前ジャスタウェイの父である[[ハーツクライ]]の[[一口馬主]]<ref group="注">ハーツクライは一口クラブの[[社台レースホース]]所有馬である。</ref>だった縁もあり、所有する馬は全てハーツクライ産駒である<ref>[http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210295.html 大和屋オーナー「頭真っ白」/天皇賞] - 2013年10月28日「日刊スポーツ」</ref>。大和屋は2009年のセレクトセールでもハーツクライの初年度産駒を競り落としているが、この産駒はデビュー前に亡くなっており、「2年目の世代をカタログ順で、牡馬でも牝馬でも買えるものなら」の意気込みでハーツクライ産駒が出場するたびに順番に手を挙げ、シビルの子を競合相手もなく難なく落札したものであった<ref name="netkeiba25918">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=25918 |title= 東奈緒美・赤見千尋のおじゃ馬します!「ジャスタウェイ・大和屋暁オーナー(3)『恐怖!セレクトセールのプレッシャー』」|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>{{#tag:ref|ただ、大和屋の本当の狙い目はカタログの最後に出場したハーツクライ産駒であるサビアーレの子であったが、サビアーレの子は3900万円(税抜)で備前島敏子が落札<ref name="netkeiba25918"/>。大和屋は「俺、見る目ねぇな」と苦笑いするしかなかったという<ref name="netkeiba25918"/>。サビアーレの子は、のちに[[カポーティスター]]の名前で競走馬となり、2013年の[[日経新春杯]]を制することとなる<ref name="jbis0001106478">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0001106478/ |title=カポーティスター|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-05}}</ref>。|group="注"}}。
== デビューまで ==


=== 誕生までの経緯 ===
落札したシビルの子は脚が外向気味であった<ref name="netkeiba25918"/>。大和屋はこのことを知らなかったが、[[社台スタリオンステーション]]の関係者に「ハーツクライの一口さんだったんですね。それならこの外向も問題ないですね」と聞かれると、「もちろんです」と了承している<ref name="netkeiba25918"/>。


=== 2歳(2011年) ===
==== シビル ====
{{仮リンク|シャロン (競走馬)|en|Charon (horse)|label=シャロン}}(ジャスタウェイの祖母)は、1987年にアメリカ合衆国で生産された牝馬である<ref name="優駿-2012-4-115">『優駿』2012年4月号 115頁</ref>。アメリカで競走馬としてデビューし、1990年の[[コーチングクラブアメリカンオークス]](G1)を優勝するなど重賞5勝を挙げた<ref name="優駿-2012-4-115" />。弟妹は日本に輸入され、中央競馬で[[外国産馬]]として走り、1997年[[シリウスステークス]](GIII)や1998年[[中京記念]](GIII)を優勝した[[トーヨーレインボー]]、重賞2着エターナルビートが活躍していた<ref name="優駿-2012-4-115" />。競走馬引退後のシャロンは、しばらくアメリカで繁殖牝馬として繋養されたのち、1998年に日本に輸入され、北海道白老町の[[白老ファーム]]に繋養された<ref name="優駿-2013-12-105">『優駿』2013年12月号 105頁</ref>。アメリカで[[ワイルドアゲイン]]との仔を受胎してからの輸入であり、白老ファームで牝馬のシビルを産み落としていた<ref name="優駿-2012-4-115" />。
[[7月23日]]、[[新潟競馬場]]の芝1600mの[[新馬|新馬戦]]で[[福永祐一]]を鞍上にデビュー。福永曰く、デビュー前はゲート練習をメインに調教が積まれていたせいで体の動きが少し硬かったというが、その甲斐があってスタートも速く、上がり33秒3の脚を使って2着ラパージュに5馬身差をつけ勝利を飾った<ref name="netkeiba57404">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=57404 |title= 5馬身差の圧勝劇、ジャスタウェイ/新馬戦|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba58162">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=58162 |title= ジャスタウェイ、重賞タイトル奪取に意欲/新潟2歳S|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。大和屋にとっても、この勝利は個人馬主としての初出走・初勝利であった<ref name="netkeiba57404"/>。続く[[新潟2歳ステークス]]は単勝オッズ1.7倍の支持を集めて1番人気に推されるも<ref name="sportiva-1.7">[https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/keiba/keiba/2014/12/24/post_323/ 【競馬】有馬でラストラン。ジャスタウェイが伝説になる(1/3)][https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/keiba/keiba/2014/12/24/post_323/index_2.php (2/3)][https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/keiba/keiba/2014/12/24/post_323/index_3.php (3/3)] - Sportiva Web 2014年12月24日閲覧。</ref>、先に抜け出したモンストールをとらえることができず、4分3馬身差の2着に惜敗した<ref name="netkeiba58289">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=58289 |title= モンストール、極上の瞬発力で快勝/新潟2歳S|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。3走目の[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]は不良馬場ということもあり差し切れず、[[ディープブリランテ]]の4着に敗れた<ref name="netkeiba59937">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=59937 |title= ディープブリランテ、圧勝で重賞V/東京スポーツ杯2歳S|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba61531">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61531 |title= ジャスタウェイ、リフレッシュ効果強調/きさらぎ賞|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。レース後、不良馬場を走ったことを考慮され[[ノーザンファームしがらき]]にリフレッシュ放牧に出され、2歳戦を終えた<ref name="netkeiba61236">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61236 |title= ジャスタウェイ、ゴールドシップ次走報/栗東トレセンニュース|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。


シビル(ジャスタウェイの母)は、1999年に白老ファームで生産された牝馬である。アメリカの種牡馬ワイルドアゲインを父に持ち、競走馬となる際は[[持込馬]]に区分された。2002年、[[栗東トレーニングセンター]]の[[宮徹]]厩舎から競走馬となったが、最高3着が精一杯のデビュー5連敗で、勝利を挙げられなかった。引退後は、白老ファームで繁殖牝馬となり、初年度となる2005年は生後直死に見舞われたが、翌2006年に初仔となる牝馬(父:[[サクラバクシンオー]])を出産した<ref name="優駿-2012-4-115" />。初仔は、2006年の[[セレクトセール]]にて1050万円で取引されて「スカイノダン」という名で競走馬となり、スプリント戦線で出世しオープンクラスにまで到達。2010年の[[北九州記念]](GIII)では、[[メリッサ (競走馬)|メリッサ]]に半馬身差の2着となり<ref name="優駿-2012-4-115" />、続く[[セントウルステークス]](GII)では1番人気を背負ったこともあった。
=== 3歳(2012年) ===
1月12日に栗東に帰厩後<ref name="netkeiba61236"/>、3歳初戦として2月5日の[[きさらぎ賞]]に出走するも、[[ワールドエース]]の4着<ref name="netkeiba61663">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61663 |title= ワールドエース小牧騎手の手綱で重賞制覇/きさらぎ賞|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。続く[[アーリントンカップ]]は良馬場発表ながらも降雨で重め馬場となったが、後方追走から最後は大外を回り、先に抜け出していたオリービンを差しきって重賞初制覇を果たした<ref name="netkeiba62126">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=62126 |title= “爆弾”ジャスタウェイ大外一気で重賞V/アーリントンC|work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。大和屋も個人馬主としての重賞初勝利であり、本馬の名前の由来となった銀魂の「ジャスタウェイ」グッズを手に興奮していたという<ref name="netkeiba62126"/>。また、このアーリントンカップの前後からあくまでも酒の席での話としてではあるものの、[[ドバイワールドカップミーティング]]への遠征が早くも語られるようになった<ref name="netkeiba25918"/>。


シビルは、続いて父[[フジキセキ]]の2番仔、父[[スペシャルウィーク]]の3番仔を産み落とし、2008年にハーツクライと交配して受胎し、翌2009年に4番仔(後のジャスタウェイ)を産み落とした。この後、シビルは5番仔も産んだが、2010年、4番仔の活躍を見ることなく結腸捻転で急死<ref name="優駿-2013-12-105" /><ref name="デイリー-白老">{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/0006452221.shtml |title=【天皇賞】白老F角田氏、勝ち方に仰天 |access-date=2023-8-16 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131029083118/http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/0006452221.shtml |archive-date=2013-10-29}}</ref>。5番仔は早々に引退しており、4番仔が大成する頃には、期待の弟妹は存在しなかった<ref>{{Cite web |url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210297.html |title=社台SS角田氏「ワイルドの血」/天皇賞 |access-date=2023-8-16 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131031060044/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210297.html |archive-date=2013-10-31}}</ref><ref name="デイリー-白老" />。
春3走目は[[ニュージーランドトロフィー]]を予定し登録されたが、直前にナイラ{{#tag:ref|馬の[[腺疫]]を指す<ref>{{Cite web |url=https://jlia.lin.gr.jp/eiseis/pdf/uma/strangles.pdf |title=腺疫(第3版) |publisher=財団法人 中央畜産会 |format=PDF |page=02 |date=2011-11 |accessdate=2022-10-19}}</ref>。|group="注"}}を患い、症状自体は軽かったものの先を見据えて回避<ref name="netkeiba62295">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=62995 |title=【NZT】(中山)~ジャスタウェイら、23頭が登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba63874">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=63874 |title=ジャスタウェイ好調、回避の影響なし/NHKマイルC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。[[東京競馬場]]で行われる[[NHKマイルカップ]]、[[東京優駿|日本ダービー]]の変則二冠制覇を目指したが<ref name="netkeiba63908">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=63908 |title=ジャスタウェイ、マイルC後はダービー参戦/NHKマイルC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、NHKマイルカップは[[カレンブラックヒル]]の6着<ref name="netkeiba64059">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=64059 |title=【NHKマイルC】(東京)~カレンブラックヒルが逃げ切りでGI初制覇を飾る |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、日本ダービーはディープブリランテの11着に敗れた。


==== ハーツクライ ====
秋は[[菊花賞]]へは向かわず、古馬との直接対決となる中距離路線へ向かった。秋初戦の[[毎日王冠]]は12番人気に甘んじたものの、逃げたカレンブラックヒルに首差まで迫って2着<ref name="netkeiba68599">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=68599 |title=【毎日王冠(GII)】(東京)~カレンブラックヒル 古馬を撃破し無傷の5連勝 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。続く[[天皇賞(秋)]]は、先行するも[[エイシンフラッシュ]]の6着に敗れた<ref name="netkeiba69314">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69314 |title=【天皇賞】(東京)~ダービー馬エイシンフラッシュが復活V |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。天皇賞の後[[香港国際競走]]に[[香港マイル]]を第一希望、[[香港カップ]]を第二希望として登録したが回避し<ref name="netkeiba69183">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69183 |title=【香港マイル】日本からの登録馬~ストロングリターンなど24頭 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref><ref name="netkeiba69184">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69184 |title=【香港カップ】日本からの登録馬~ルーラーシップなど18頭 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、12月の[[チャレンジカップ (中央競馬)|朝日チャレンジカップ]]に出走を予定したが熱発で回避<ref name="netkeiba70617">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=70617 |title=ジャスタウェイ、熱発で朝日CCを回避 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。世代のレベルの高さを垣間見せつつも<ref name="netkeiba70551">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=70551 |title=ジャスタウェイ成長一途、前走は収穫あり/朝日チャレンジC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>、秋2戦を未勝利として3歳戦を終えることとなった。
{{Main|ハーツクライ}}
[[ファイル:Heart's Cry 20051225P01.jpg|サムネイル|237x237ピクセル|[[ハーツクライ]]]]
[[ハーツクライ]](ジャスタウェイの父)は、2001年に北海道[[千歳市]]の[[社台ファーム]]で生産された牡馬である<ref name="優駿-2018-7-81">『優駿』2018年7月号 81頁</ref>。父は[[サンデーサイレンス]]、母の父は[[トニービン]]だった<ref name="優駿-2018-7-81" />。アメリカ由来のスピードに秀でたサンデーサイレンス、ヨーロッパ由来のスタミナに秀でたトニービンを併せて受け継ぎ、両方が試される長距離を主戦場に活躍した<ref>『優駿』2014年6月号 87頁</ref>。社台系列のクラブ法人である有限会社[[社台レースホース]]が所有し、栗東の[[橋口弘次郎]]厩舎に所属して競走馬となった<ref name="優駿-2018-7-81" />。2004年、3歳初めの[[新馬戦]]を優勝した後、3月の[[若葉ステークス]](OP)優勝でクラシック戦線に加わり、[[京都新聞杯]](GII)優勝などを挟みながら[[三冠 (競馬)|三冠競走]]を完走<ref name="優駿-2018-7-81" /><ref name="優駿-2018-7-82">『優駿』2018年7月号 82頁</ref>。最も上位だったのは、クラシック最高峰に位置づけられる[[東京優駿]](日本ダービー)(GI)だった。[[横山典弘]]と臨み、[[キングカメハメハ]]に次ぐ2着だった<ref name="優駿-2018-7-82" />。


3歳戦が終了した秋からは、[[ジャパンカップ]]や[[有馬記念]]で古馬に挑み、年をまたいで2005年もGIに挑み続けたが、悉く敗退した。夏の[[宝塚記念]](GI)では、[[スイープトウショウ]]にクビ差阻まれ2着<ref name="優駿-2018-7-82" />。さらに秋のジャパンカップ(GI)では、レコードタイムで駆けたが、[[イギリス]]調教馬の[[アルカセット]]にハナ差、約3センチメートル阻まれる2着だった<ref name="優駿-2018-7-82" />。惜敗続きの中、1年以上勝利から見放される苦悩を味わっていた<ref name="優駿-2018-7-82" />。しかし暮れの有馬記念(GI)にて、これまでの後方待機からの追い上げる作戦を止めて、突然敢行した先行策が実り優勝<ref>『優駿』2018年7月号 83頁</ref><ref name="優駿-2018-7-84">『優駿』2018年7月号 84頁</ref>。この年、後方待機から鋭い末脚を繰り出して無敗でのクラシック三冠を果たした大本命[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]を振り切る大金星を挙げて、GI並びにグランプリ戴冠を成し遂げていた<ref name="優駿-2018-7-84" />。
[[ファイル:The Arima Kinen 2005.jpg|サムネイル|249x249ピクセル|ディープインパクト(右)に先着するハーツクライ(左)]]
翌2006年は、外国遠征を敢行した。有馬記念の金星はフロック、まぐれという論調が根強くあった<ref name="優駿-2018-7-84" />。しかし3月に[[アラブ首長国連邦]]の[[ナドアルシバ競馬場]]で行われる[[ドバイミーティング]]・[[ドバイシーマクラシック]](G1)を、後続を突き放して4馬身差で優勝して実力証明<ref>『優駿』2006年5月号 6頁</ref><ref name="優駿-2018-7-84" />。日本調教馬として史上初めてドバイG1競走優勝を成し遂げていた<ref>『優駿』2006年5月号 96頁</ref><ref>『優駿』2014年6月号 86頁</ref>。その後のハーツクライは、ヨーロッパにも転戦し、7月にイギリスの[[キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス|キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス]](G1)に挑んで3着<ref name="優駿-2018-7-85">『優駿』2018年7月号 85頁</ref>。帰国後、[[喘鳴症]]を抱えながら参戦したジャパンカップ11着を以て競走馬を引退<ref name="優駿-2018-7-85" />。2007年より北海道[[安平町]]の[[社台スタリオンステーション]]で種牡馬として供用された。初年度から三桁の繁殖牝馬を集めていた。そして供用2年目となる2008年、ハーツクライとシビルは交配していた。

=== 幼駒時代 ===

===== 牧場時代 =====
2009年3月8日、北海道浦河町にて、ハーツクライの2年目産駒、シビルの4番仔である鹿毛の牡馬(後のジャスタウェイ)が誕生する。生産者名義は白老町の[[社台コーポレーション白老ファーム]]だった。白老で離乳までの初期育成を、その後は早来ファームで中期育成<ref name="ふるさと-ドバイDF">{{Cite web |title=重賞ウイナーレポート特別編~ジャスタウェイ・ドバイデューティフリー(G1) |url=https://uma-furusato.com/news/76807.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-27}}</ref>、そしてノーザンファーム空港牧場で後期育成された<ref name="ふるさと-ダノンザ">{{Cite web |title=2020年11月23日 東スポ杯2歳S GIII|url=https://uma-furusato.com/winner_info/104192.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-27}}</ref>。中期、早来ファームの育成主任は、「多くのハーツクライ産駒がそうであるように、この馬もトニービンの特徴がよく表現された馬でした<ref name="ふるさと-ドバイDF" />」と回顧し「独特の柔らかさ」があるゆえに、晩成型であると捉えていた<ref name="ふるさと-ドバイDF" />。翌2010年、[[セレクトセール]]に最低落札価格1000万円で上場され、いくつかの競りの末、[[大和屋暁]]が1200万円で落札していた<ref name="大和屋-101" /><ref name="大和屋-102" />。

===== 馬主 =====
[[ファイル:Akatsuki Yamatoya IMG 9047 20150104.JPG|サムネイル|271x271ピクセル|[[大和屋暁]]]]
落札した大和屋暁は、主にアニメーションの脚本家として活躍していた人物だった。社台レースホースに出資する[[社台サラブレッドクラブ]]に入会し「[[一口馬主]]」を嗜み、3頭目、社台では2頭目の出資馬がハーツクライだった<ref>『ジャスタウェイな本』24頁</ref>。有馬記念で金星を挙げた際は、負けを確信して在宅観戦だったが<ref name="優駿-2015-2-85">『優駿』2015年2月号 85頁</ref>、ドバイシーマクラシックの際は現地で勝利を見届けて生まれて初めて表彰式に参加<ref name="優駿-2015-2-85" />、続くイギリスにも応援に出向いていた思い出があった<ref name="優駿-2015-3-160" />。そんな愛馬ハーツクライは、[[喘鳴症]]により、突然の引退を余儀なくされたが、その直後に行われたハーツクライを労うパーティーの壇上に立った大和屋は、馬主になりハーツクライの仔であらゆる無念を晴らすことを、口走って公に宣言していた<ref name="大和屋-25">『ジャスタウェイな本』25頁</ref>。それからまもなく社台レースホースの後押しを受けて馬主登録を申請し、まず馬主となっていた<ref name="大和屋-25" />。

続いてハーツクライの仔の所有を目指した。競馬サークルに伝手のない大和屋は、ハーツクライ引退直後の2007年からセレクトセールにとりあえず参加していた<ref name="大和屋-96">『ジャスタウェイな本』96頁</ref>。しかし金銭感覚の違いに怖気づいて入札すらできなかった<ref name="大和屋-96" />。続いて2年目となる2008年は、入札こそできたが落札には至らなかった<ref>『ジャスタウェイな本』97頁</ref>。そして3年目、2009年はハーツクライの初年度産駒が登場した。大和屋は恐れずに、ハーツクライの初年度産駒すべてにとりあえず入札する戦法を取り<ref>『ジャスタウェイな本』98頁</ref>、1700万円で初めてハーツクライの仔「シアトルデライターの2008」を落札していた<ref>『ジャスタウェイな本』100頁</ref>。所有馬しかもハーツクライの初年度産駒を確保に成功し、馬主デビューが近づいたが、「シアトルデライターの2008」は、翌2010年1月に心臓発作で死亡し、所有馬を喪っていた<ref name="大和屋-101">『ジャスタウェイな本』101頁</ref>。
[[ファイル:Owner Akatsuki Yamatoya.svg|サムネイル|296x296ピクセル|大和屋の[[勝負服 (競馬)|勝負服]]]]
しかし大和屋は挫けず、同年にも再び参戦して「シビルの4番仔」と巡り会っていた。この年は最低落札価格が2000万円以下のハーツクライ産駒に片っ端から入札する作戦を取り、幾度となく落札に失敗していた<ref name="大和屋-101" />。同じように「シビルの4番仔」も最低落札価格の1000万円から入札していた。すんなり落札とはいかず、他の参加者に阻まれて競り合いになったが、価格はそれほど高騰しなかった<ref name="大和屋-101" />。結局、1200万円で大和屋が落札を果たしていた<ref name="大和屋-102">『ジャスタウェイな本』102頁</ref>。このとき大和屋は「シビルの4番仔」の外向という懸念要素を全く見落としており、知らずに落札してしまっていた<ref name="大和屋-102" />。

落札直後に大和屋は、生産者白老ファーム統括の角田修也に挨拶<ref name="優駿-2015-2-86">『優駿』2015年2月号 86頁</ref>。角田から「知っている調教師はいるんですか」と問われ、大和屋は「いません、紹介してください」というやり取りをしていた<ref name="優駿-2015-2-86" />。そのとき、ちょうど背後を栗東の調教師である[[須貝尚介]]が通りかかっていた<ref name="優駿-2015-2-86" />。そこで角田は須貝に電話し、大和屋を紹介していた<ref name="優駿-2015-2-86" />。かくして「シビルの4番仔」は須貝の管理となった<ref name="大和屋-102" />。かくしてこの「シビルの4番仔」は、大和屋の2番目に所有した馬で、最初にデビューする競走馬となった。

最初の競走馬に対し大和屋は、「'''ジャスタウェイ'''」という競走馬名が与えていた。綴りは「Just a Way」で意味は「その道」で申請しているが、実際には自身が脚本を務めたアニメ『[[銀魂 (アニメ)|銀魂]]』のキャラクター「[[銀魂#アイテム|'''ジャスタウェイ''']]」に絡ませた命名だった。

== 競走馬時代 ==
=== 2-3歳(2011-12年) ===
7月23日、[[新潟競馬場]]の[[新馬戦]](芝1600メートル)でデビューを果たした。直前は、ゲート練習に注力していたため、体の動きが硬く<ref name="スポニチ-新馬">{{Cite web |title=【新潟新馬戦】ジャスタウェイ5馬身差の完勝!|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/07/24/kiji/K20110724001268250.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>、坂路調教でも動いていなかった<ref name="優駿-2011-9-91">『優駿』2011年9月号 91頁</ref>。そのため当日は、16頭中4番人気に落ち着いていた<ref>{{Cite web |title=【新潟5R新馬戦】ジャスタウェイ 5馬身差完勝デビュー!|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/07/23/kiji/K20110723001266230.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。スタートから先行して好位を追走、スローペースとなる中、我慢しきれずに進出して直線半ばで抜け出していた<ref name="ウマニティ-新潟2歳S">{{Cite web |title=【新潟2歳S】新馬戦圧勝!ジャスタウェイ |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=17066 |website=競馬予想のウマニティ |date=2011-08-30 |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref><ref name="優駿-2011-9-91" />。先頭を奪取してからは末脚を用いて突き放す一方となり、独走して決勝線に到達していた<ref name="優駿-2011-9-91" />。33.3秒の上がりを見せて、後方に5馬身差をつける大勝で初出走初勝利、大和屋もまた馬主として初出走初勝利を挙げていた<ref name="スポニチ-新馬" /><ref name="ウマニティ-新潟2歳S" />。横手礼一は「去年のオルフェーヴルに続いて、新潟競馬場からの大物登場かもしれない<ref name="優駿-2011-9-91" />」と評価していた。

短期放牧を挟んだ後、同じ舞台で行われる9月4日の[[新潟2歳ステークス]](GIII)で重賞初参戦となった<ref name="ウマニティ-新潟2歳S" />。ゲート中心の調教ながら優勝した新馬戦からの、更なる上積みが期待されていた<ref name="ウマニティ-新潟2歳S" />。18頭立てとなる中、最有力視されて単勝オッズ1.7倍の1番人気だった<ref name="優駿-2011-11-98">『優駿』2011年11月号 98頁</ref>。スタートから後方を追走し、馬場の外側に持ち出してから長い直線コースを使って追い上げていた<ref name="優駿-2011-11-98" />。前方では、モンストールが抜け出しており、それを目標に末脚を繰り出したが、詰め寄ることができなかった<ref name="優駿-2011-11-98" />。メンバー中最速の32.6秒の上がりを使ったが、32.7秒を繰り出したモンストールには敵わず、4分の3馬身差の2着で初敗北を喫した<ref name="優駿-2011-11-98" />。続く11月19日、[[東京スポーツ杯2歳ステークス]](GIII)では、[[後藤浩輝]]が騎乗し[[ディープブリランテ]]、クラレントに次ぐ3番人気に推されて参戦<ref name="優駿-2012-1-114">『優駿』2012年1月号 114頁</ref>。不良馬場が堪えて、ディープブリランテに千切られる4着だった<ref>{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120201-OHT1T00249.htm |title=ジャスタウェイ先着、秋山も絶賛…きさらぎ賞追い切り |access-date=2023-8-23 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-date=2012-2-6 |archive-url=https://web.archive.org/web/20120206034229/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120201-OHT1T00249.htm}}</ref><ref name="優駿-2012-1-114" />。

この後は、不良馬場を走ったことを考慮し、[[ノーザンファームしがらき]]で短期放牧<ref name="netkeiba-2012年初旬">{{Cite web |title=ジャスタウェイ、ゴールドシップ次走報/栗東トレセンニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61236 |website=netkeiba.com |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。脚がむくみ、[[蕁麻疹]]にもなっていた<ref name="優駿-2012-6-28">『優駿』2012年6月号 28頁</ref>。年をまたいで3歳、2012年1月に帰厩し<ref name="netkeiba-2012年初旬" />、2月5日の[[きさらぎ賞]](GIII)を叩きの一戦として始動した<ref name="日刊-アーリントンC">{{Cite web |url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20120223-907648.html |title=悪癖一掃しジャスタ好調/アーリントンC |access-date=2023-8-23 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-date=2012-2-24 |archive-url=https://web.archive.org/web/20120224090404/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20120223-907648.html}}</ref>。[[秋山真一郎]]と臨み、3番人気に推されていたが、人気したディープインパクト産駒の3頭に揃って敗れた<ref name="優駿-2012-4-104">『優駿』2012年4月号 104頁</ref>。5番手で直線に向いてから、右にもたれながら追い込み<ref name="日刊-アーリントンC" />、[[ワールドエース]]、ベールドインパクト、[[ヒストリカル]]に次ぐ4着だった<ref name="優駿-2012-4-104" />。このきさらぎ賞の後は、むくみや蕁麻疹は現れなかった<ref name="優駿-2012-6-28" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=kc4iaGfzYuQ&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 アーリントンカップ(GIII)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}そして叩き2戦目は2月25日、マイルに、福永に戻って挑んだ[[アーリントンカップ]](GIII)だった。きさらぎ賞で見せた右にもたれる癖を解消させるために、厩舎は舌を縛る対策を施して調教していた<ref name="日刊-アーリントンC" />。前年の[[朝日杯フューチュリティステークス]]5着のダローネガとの対決となり、ダローネガに次ぐ2番人気に推されていた<ref name="優駿-2012-4-114">『優駿』2012年4月号 114頁</ref>。スタートから折り合いに専念して後方で待機し、結果的に最後方追走となっていた<ref>{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120225-OHT1T00193.htm |title=ジャスタウェイ豪脚!全頭一気差し…アーリントンC |access-date=2023-8-23 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20120227174143/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20120225-OHT1T00193.htm |archive-date=2012-2-27}}</ref>。12番手で直線に向いてからは、馬場の一番外側、大外に持ち出して追い込んでいた<ref name="優駿-2012-4-114" />。内側ではオリービンが抜け出してリードを築いていたが、ゴール寸前で末脚を発揮して一気に差し切っていた<ref name="優駿-2012-4-114" />。オリービンに半馬身差をつけて重賞初勝利を挙げた<ref name="優駿-2012-4-114" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=Vu8JSvhpc_g&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 NHKマイルカップ(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]|video2=[https://www.youtube.com/watch?v=T1MakzUmpxU&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 東京優駿(日本ダービー)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}この後の目標は、[[NHKマイルカップ]]、そしてクラシック最高峰の[[東京優駿]](日本ダービー)となった。その前にトライアル競走の[[ニュージーランドトロフィー]](GII)を使う予定だったが、直前に風邪をひいて回避し本番直行となった<ref>{{Cite web |title=【NHKマイルC】仕上げ人の夢乗せるジャスタウェイ|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/05/04/kiji/K20120504003175650.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-23 |language=ja}}</ref>。5月6日のNHKマイルカップ(GI)でGI初挑戦、福永と挑み4番人気だった<ref name="優駿-2012-7-100101">『優駿』2012年7月号 100-101頁</ref>。スタートから後方を追走して追い込むも、秋山が騎乗した1番人気[[カレンブラックヒル]]に逃げ切りを許す7位入線<ref name="優駿-2012-7-100101" />。[[岩田康誠]]騎乗6位入線のマウントシャスタが直線にて、後藤騎乗の[[シゲルスダチ]]の進路を塞ぐ走行妨害をして失格となったため、繰り上がって6着となった<ref name="優駿-2012-7-100101" />。この事象で、落馬した後藤は頸椎骨折、頚髄不全損傷となり、戦線離脱となっていた<ref>{{Cite web |title=NHKマイルカップ落馬の後藤、けい椎骨折の疑い|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/05/08/kiji/K20120508003203280.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-23 |language=ja}}</ref>。続く5月27日の東京優駿(GI)は、福永には1番人気に推されることになる有力馬ワールドエースがいたため、後藤の起用を予定していた。しかし落馬したために、秋山を再起用して参戦。15番人気で挑み、優勝したディープブリランテに敗れる11着だった<ref>『優駿』2012年7月号 106頁</ref>。<br/>秋は、クラシック最終戦の[[菊花賞]]ではなく、中距離路線に進み、古馬に挑戦となった。10月7日の[[毎日王冠]](GII)は、東京優駿優勝の[[エイシンフラッシュ]]、[[安田記念]]優勝の[[ストロングリターン]]や[[リアルインパクト]]などGI優勝経験のある古馬が5頭立ちはだかっていた<ref name="優駿-2012-12-108">『優駿』2012年12月号 108頁</ref>。加えて春は敵わなかったカレンブラックヒルとの再戦となっていた<ref name="優駿-2012-12-108" />。ジャスタウェイとカレンブラックヒルの3歳馬2頭と古馬14頭というメンバーとなる中、[[柴田善臣]]が騎乗し単勝オッズ61.6倍の12番人気という評価だった<ref name="優駿-2012-12-108" />。スタートから[[シルポート]]が逃げ、カレンブラックヒルが離れた3番手で先行する一方、中団馬群を追走した<ref name="優駿-2012-12-108" /><ref name="スポニチ-2012毎日王冠">{{Cite web |title=【毎日王冠】ジャスタウェイ低評価覆す 最速上がりで首差2着|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/10/08/kiji/K20121008004281510.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-23 |language=ja}}</ref>。9番手で直線に向き、馬群を捌いて進出して数多の古馬を置き去りにして、先頭を奪ったカレンブラックヒルに詰め寄っていた<ref name="優駿-2012-12-108" /><ref name="スポニチ-2012毎日王冠" />。ゴール寸前で並びかけて、カレンブラックヒルとともにほとんど同時に決勝線へ飛び込んでいた。2頭しかいない3歳馬によるワンツーフィニッシュとなったが、カレンブラックヒルに再び及ばなかった<ref name="優駿-2012-12-108" />。メンバー中最速の上がりを披露し追い込んだが、クビ差敵わなかった<ref name="スポニチ-2012毎日王冠" /><ref name="優駿-2012-12-108" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=o0EHY2vCPII&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}それでも2着で賞金を加算し<ref name="スポニチ-2012毎日王冠" />、続いて10月28日の[[天皇賞(秋)]](GI)にも参戦、[[内田博幸]]とともに8番人気で再び古馬に挑んだ<ref name="優駿-2012-12-104">『優駿』2012年12月号 104頁</ref>。先行策に出たが、エイシンフラッシュに巻き返される6着だった<ref name="優駿-2012-12-104" />。この後は、[[香港国際競走]]に登録するも断念、[[朝日チャレンジカップ]]を予定するも熱発して回避し、天皇賞(秋)の後は出走しなかった<ref name="netkeiba70617">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=70617 |title=ジャスタウェイ、熱発で朝日CCを回避 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-08}}</ref>。
=== 4歳(2013年) ===
=== 4歳(2013年) ===
[[File:Just a Way 106th Kyoto Kinen IMG 1096-2 20130210.JPG|240px|thumb|2013年京都記念本馬場入場]]
4歳初戦にして、熱発明けからの仕切り直しのレースとなった[[中山金杯]]は1番人気に推されるも[[タッチミーノット]]の3着<ref name="netkeiba71465">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=71465 |title=【中山金杯(GIII)】(中山)~タッチミーノット 重賞初制覇 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。続く[[京都記念]]は再び1番人気に推されたものの伸びを欠き、[[トーセンラー]]の5着に敗れた<ref name="netkeiba72538">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=72538 |title= トーセンラー、武豊騎手を背に復活の差し切りV/京都記念 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。2番人気に支持された3走目の[[中日新聞杯]]も左前脚の落鉄の影響もあり<ref name="netkeiba73474">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73474 |title= ホエールキャプチャは阪神牝馬Sを視野に |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、追い込み不発で8着に敗れた<ref name="netkeiba73364">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73364 |title= サトノアポロが直線切れて差し切りV、重賞初制覇/中日新聞杯 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。5月19日の[[シンガポール航空インターナショナルカップ]]の一次登録も済ませたが<ref name="netkeiba73292">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73292 |title= 【シンガポール航空国際C】(5月19日、クランジ)~エイシンフラッシュなど14頭が1次登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>回避し短期放牧に出された<ref name="netkeiba73474"/><ref name="netkeiba76401">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=76041 |title= エプソムC・マーメイドS、重賞レース展望・見どころ |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。
このあと[[エプソムカップ]]は[[クラレント]]と鼻差の2着<ref name="netkeiba76190">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=76190 |title= 府中巧者クラレントが2番手追走から押し切りV/エプソムC |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、夏競馬に参戦して[[関屋記念]]はスタートが上手くなかったことが影響し[[レッドスパーダ]]の2着<ref name="netkeiba78088">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=78088 |title= 【関屋記念】(新潟)~古豪レッドスパーダが久々の重賞V |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、6番人気と人気を落とした毎日王冠はエイシンフラッシュの2着と<ref name="netkeiba79897">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=79897 |title= エイシンフラッシュが差し切り、天皇賞連覇に向け秋緒戦を制す!/毎日王冠 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、3戦連続続けて2着を重ねた。


==== 連敗 ====
そうした中、5番人気で迎えた天皇賞(秋)はスタートも良く、ハイペースの中後方からレースを進め、直線で1番人気の[[ジェンティルドンナ]]を差し切り、4馬身差の圧勝でGI初制覇を果たした<ref name="netkeiba80654">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80654 |title= ジャスタウェイ惜敗続きに終止符、鬱憤晴らす豪脚炸裂!/天皇賞・秋 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。鞍上の福永は初の天皇賞制覇で、且つ2組目の親子制覇も達成<ref group="注">実父・[[福永洋一]]は、[[第66回天皇賞]]を[[ヤマニンウエーブ]]で制している。</ref><ref group="注">1組目は、[[横山富雄]]([[メジロムサシ]](春)・[[メジロタイヨウ]](秋))・[[横山典弘]]([[サクラローレル]](春)・[[カンパニー (競走馬)|カンパニー]](秋))親子が成し遂げている。</ref>。父・ハーツクライにとっても初の産駒のGI制覇となった。また、2勝馬の優勝は[[グレード制]]導入後の古馬出走可のGI<ref group="注">多数の馬が賞金を稼ぐパターンになりにくい2歳馬限定や、トライアル競走で出走権を確保できる[[中央競馬クラシック三冠|クラシック]]では、1勝馬でもGI挑戦可能であるが、賞金額が重要視される古馬出走可のレースでは珍しいといえる。当馬の場合、それまでの時点で2着による賞金加算が5度あった(重賞競走であれば2着も賞金加算対象となる)ことも関係していると見られる。</ref>では2度目<ref group="注">1度目は、[[フサイチパンドラ]]が[[第31回エリザベス女王杯|エリザベス女王杯]]で達成。但し、1位で入線した[[カワカミプリンセス]]の降着による繰り上がりによるものであり、1位で入線しての達成は当馬が初である。</ref>、通算148回を数える天皇賞史上初の快挙となった。なお、2週間前の出走登録では収得賞金の兼ね合いで出走馬決定順20番目と除外対象となっていたが<ref name="netkeiba80211">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80211 |title= 【天皇賞(秋)】~ジェンティルドンナなど24頭が登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、登録馬のうちのトーセンラ―<ref name="netkeiba80488">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80488 |title= トーセンラーは天皇賞を回避してマイルCSへ |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、[[ダークシャドウ]]<ref name="netkeiba80516">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80516 |title= 外傷を負ったダークシャドウの回避が決定「今後については未定です」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、[[ルルーシュ (競走馬)|ルルーシュ]]<ref name="netkeiba80552">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80552 |title= アルゼンチン共和国杯へ向かうルルーシュに藤沢師「だいぶ気合が乗ってきた」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>の3頭に加え、事前段階で同厩舎の[[ゴールドシップ]]等の上位馬が回避するという好機を掴んで得た勝利だった<ref name="netkeiba25761"/><ref>[http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210296.html 須貝尚介師「ポロッ」と涙/天皇賞] - 2013年10月28日「日刊スポーツ」</ref>。天皇賞を勝利するまでのジャスタウェイについては関西の競馬専門誌記者によると「デビュー前から"馬体が緩い"{{#tag:ref| 「馬体が緩いというのは、競走馬としてしっかりすべきところがしっかりし切れていない、ということで、それが競馬の勝負どころで(詰めの甘さとなって)出るんです。でも、それを無理してなんとかしようとすると、すぐに疲れが出たり、別のどこかがおかしくなってしまう。走る馬にはよくあることで、それが解消されないまま、引退する馬も少なくありません。この時期のジャスタウェイは、まさにそういう状況でした<ref name="sportiva-1.7"/>」|group="注"}}」という弱点があったが、陣営の地道な努力によってこれが解消されると同時に次第に地力がついてきたと述べており、加えて前年の秋に毎日王冠→天皇賞(秋)というローテーションで、古馬の一線級と戦ってきて強い相手の中でもまれてきたことで、それが結果的に地力強化に繋がったと分析している<ref name="sportiva-1.7"/>。
前年秋は、3歳ながら天皇賞(秋)など古馬に挑んで惜敗し、陣営は、翌年への手応えを得ていた。父ハーツクライが、古馬となってから本格化したように、同じような成り上がりが期待されていた。古馬となったこの年は、格を落としてまずはGIII競走から仕切り直しを図ることとなった。この頃には虚弱だった体質も改善し、間隔を詰めてレースに出走することができるような状態になっていた。


まず年明けの[[中山金杯]](GIII)で始動した。前年の毎日王冠で3着に下した7歳タッチミーノットとの再戦となり、互いに見込まれたハンデキャップを課されながら上位人気を独占していた<ref name="優駿-2013-3-98">『優駿』2013年3月号 98頁</ref>。1番人気を得たジャスタウェイは、平均ペースの中団後方を追走し、直線では外から追い込み、先行していた2番人気タッチミーノットを目指した<ref name="優駿-2013-3-98" />。しかしタッチミーノットに押し切られて、約2馬身敵わなかった。さらに4番人気アドマイヤタイシにも粘られて差し届かず、3着止まりだった<ref name="優駿-2013-3-98" />。
天皇賞終了後、大和屋はドバイミーティングへの遠征計画を公表した<ref name="netkeiba80697"/>。11月の[[ジャパンカップ]]には登録せず<ref name="netkeiba80697">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80697 |title= ジャスタウェイGI初V、大和屋オーナーはドバイ挑戦プランも/天皇賞・秋 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、また登録のあった香港国際競走も回避して[[有馬記念]]出走か休養の二択となったが<ref name="netkeiba80712">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=80712 |title= ジャスタウェイの次走は香港遠征を見送り、有馬記念か休養のどちらか |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>、最終的には疲れが出たため休養となって2013年のシーズンを終えることとなった<ref name="netkeiba81065">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=81065 |title= ジャスタウェイは疲れが出ていたため年内全休「ゆっくりさせたいと思います」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-09}}</ref>。

続く2月10日の[[京都記念]](GII)では、[[天皇賞(春)]]優勝の[[ビートブラック]]を始め、[[産経大阪杯]]優勝の[[ショウナンマイティ]]、重賞善戦中の[[トーセンラー]]など、年上のGI惜敗経験馬との対決となった。それでもジャスタウェイは、期待されて1番人気に支持されていた<ref name="優駿-2013-4-108">『優駿』2013年4月号 108頁</ref>。スタートからビートブラックが逃げる中、先行策を選択した<ref name="優駿-2013-4-108" />。
[[ファイル:Just a Way 106th Kyoto Kinen IMG 1096-2 20130210.JPG|サムネイル|251x251ピクセル|本馬場入場]]
好位を得て追走し、最初のホームストレッチに差し掛かったが、この時に少し行きたがる仕草を見せてしまっていた<ref name="ウマニティ-京都記念">{{Cite web |title=【京都記念】ジャスタウェイ、1番人気も5着 |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=28018 |website=競馬予想のウマニティ |date=2013-02-11 |access-date=2023-08-13 |language=ja}}</ref>。内田が宥めて好位を守ったが<ref name="ウマニティ-京都記念" />、後方を進んでいたショウナンマイティが操縦利かず、途中で進出してビートブラックからハナを奪っていた<ref name="優駿-2013-4-108" />。ハナ交替後の新展開は、緩みないペースとなっていた<ref name="優駿-2013-4-108" />。直線に差し掛かり、後方勢は、一斉にショウナンマイティを目指して追い込んでいた。ジャスタウェイも同様に追い込んでいた。しかし直線で伸びなかった<ref name="優駿-2013-4-108" />。序盤で消耗したために末脚なく、失速して大きく後れを取った<ref name="ウマニティ-京都記念" />。外から末脚を発揮して差し切ったトーセンラー優勝に対して、逃げたショウナンマイティやビートブラックすら捉えきれない5着だった<ref name="優駿-2013-4-108" />。

そして3月9日、[[中日新聞杯]](GIII)に[[ダリオ・バルジュー]]と参戦した。中山金杯で2着を譲ったアドマイヤタイシとの再戦となり、1番人気もアドマイヤタイシに譲る2番人気だった<ref name="優駿-2013-5-96">『優駿』2013年5月号 96頁</ref>。スタートから中団後方を追走し、10番手で直線に向いたが、末脚利かずに伸びを欠いた8着となり、GIIIでも下位に敗れていた<ref name="優駿-2013-5-96" />。古馬となってから、着順は右肩下がりの3連敗。[[シンガポール航空インターナショナルカップ]]への一次登録などもしていたが、撤退して放牧となった。しかしこの放牧によって一変。急成長を果たすこととなった。後に榎本は、放牧から帰還し続いてエプソムカップを目指すジャスタウェイについて「この馬は放牧から帰ってくるたびに成長してきたけど、エプソムカップの時は本当に良くなっていた。もうGIに届くぐらいのレベルになったんじゃないかなと思った<ref>『優駿』2013年12月号 52頁</ref>」と回顧している。

==== 連続2着敗退 ====

再起初戦は、6月9日の[[エプソムカップ]](GIII)が選ばれた。傑出馬不在の混戦となる中、再戦となったサトノアポロ、[[ラジオNIKKEI賞]]優勝の同期[[ファイナルフォーム]]に次ぎ、重賞3勝の同期[[クラレント]]を上回る3番人気だった<ref name="優駿-2013-8-106" />。クラレントは、[[安田記念]]に出走を予定していたが、出走順位19位で除外となり、急遽転進してジャスタウェイの前に立ちはだかっていた<ref name="優駿-2013-8-106" />。8枠13番という外枠が割り当てられたジャスタウェイは、スタートで出遅れを喫していた。大逃げをする馬が現れたため、縦に長い馬群の最後方の内側を追走する形となった。最終コーナーを11番手で迎え直線に差し掛かってから追い上げた<ref name="優駿-2013-8-106">『優駿』2013年8月号 106頁</ref>。鞍上の福永は、外に持ち出してからでは間に合わないと判断して、そのまま内側に留まり、馬場の最も内側からの進出を選んでいた。馬群をさばいて進路を確保し、離れた2番手から先に抜け出していたクラレントに接近。ゴール手前でクラレントとの一騎打ちに持込むことに成功し、ほとんど同時に決勝線到達を果たしていた<ref name="優駿-2013-8-106" />。しかしクラレントにハナ差ばかり及ばず敗退し、連敗脱出はできなかった<ref name="優駿-2013-8-106" />。

夏季競馬にも臨み、続いて8月11日の[[サマーマイルシリーズ]]・[[関屋記念]](GIII)に参戦した。同じようにマイルの重賞を優勝した[[ドナウブルー]]、[[レオアクティブ]]、[[レッドスパーダ]]が立ちはだかったが、単勝オッズ2.8倍の1番人気に推されていた<ref name="優駿-2013-10-104">『優駿』2013年10月号 104頁</ref>。8枠16番からスタートしたが、再び出遅れを喫して最後方追走となった。15番手で迎えた直線では、エプソムカップとは異なり、大外に持ち出してから進出。上がり3ハロンをメンバー中最速となる33.2秒の末脚を繰り出して追い上げ、2番手追走から抜け出していたレッドスパーダに離れた外から詰め寄った<ref name="優駿-2013-10-104" />。ジャスタウェイのほか、レオアクティブとドナウブルーが背後からレッドスパーダに迫っていた。しかしどれもレッドスパーダに並びかけることができなかった<ref name="優駿-2013-10-104" />。後れた3頭は並んだまま決勝線到達していた。その争いの中でジャスタウェイがハナ差だけ先着を果たし、2着を確保した<ref name="優駿-2013-10-104" />。

秋は、前年と同様に毎日王冠に参戦した。東京優駿並びに天皇賞(秋)優勝のエイシンフラッシュが参戦していたものの、実力伯仲の混戦とみられ、出走11頭中7頭が一桁オッズとなっていた<ref name="優駿-2013-12-108">『優駿』2013年12月号 108頁</ref>。ショウナンマイティや[[ダークシャドウ]]、クラレント、レッドスパーダ、3歳の[[コディーノ]]らが連ねる中、ジャスタウェイは5番人気だった<ref name="優駿-2013-12-108" />。スタートからエイシンフラッシュに続く5番手を追走、緩んだペースだったが残り600メートルから早くなり、勝負は末脚比べとなった<ref name="優駿-2013-12-108" />。クラレントとレッドスパーダが粘りこむ中、エイシンフラッシュとともに追い上げて先頭を奪ったが、終いになってエイシンフラッシュに突き放された<ref name="優駿-2013-12-108" />。半馬身差の2着敗退<ref name="優駿-2013-12-108" />、これを以て重賞3連続2着、有り余る能力がありながら、出遅れやスローペースに巻き込まれたりするなどして惜敗する姿は、父ハーツクライを想起させていた<ref>『優駿』2013年12月号 53頁</ref>。この頃は『優駿』によれば「惜敗キャラ<ref name="優駿-2013-12-104">『優駿』2013年12月号 104頁</ref>」、岡本光男によれば「勝てそうで勝てない馬<ref name="優駿-2013-12-51">『優駿』2013年12月号 51頁</ref>」だった。

==== 天皇賞(秋) ====

続いて陣営は、前年と同じように天皇賞(秋)への参戦を望んでいた。しかし重賞1勝2着5回の実績があるとはいえ、たかが2勝馬に過ぎず、天皇賞(秋)に出走するだけの賞金がなかった。1週間前の時点で出走登録をする馬は、フルゲートの18頭以上おり、出走優先順位に並べればジャスタウェイは20番目、すなわち出走は絶望的だった<ref name="優駿-2013-12-104" />。ところが直前になって、上位で出走が確定的だった馬たち、例えばトーセンラー、ダークシャドウなど4頭が回避するなどして、登録馬が18頭未満になる幸運に恵まれて出走が実現することとなった<ref>{{Cite web |url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210296.html |title=須貝尚介師「ポロッ」と涙/天皇賞 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131031060027/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210296.html |archive-date=2013-10-31}}</ref>。前年の天皇賞(秋)から丸1年後、GI戦線復帰戦となった10月27日の天皇賞(秋)は、久々の一線級との対決であり、挑戦者の立場だった<ref name="優駿-2013-12-51" />。台風接近中のため前々日輸送だったが、問題なく現地に到着していた<ref name="デイリー-天皇賞秋-2">{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/1p_0006452217.shtml |title=【天皇賞】ジャスタ覚醒V福永GI連覇 |access-date=2023-8-17 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-date=2013-10-29 |archive-url=https://web.archive.org/web/20131029071239/http://daily.co.jp/horse/2013/10/28/1p_0006452217.shtml}}</ref>。
[[ファイル:Gentildonna20120408(1).jpg|サムネイル|232x232ピクセル|[[ジェンティルドンナ]]]]
[[ファイル:Tokei Halo Naruo Kinen IMG 3768 20130601.JPG|サムネイル|231x231ピクセル|[[トウケイヘイロー]]]]

17頭立てとなる中、牝馬三冠馬である[[ジェンティルドンナ]]や[[札幌記念]]や[[函館記念]]など[[サマー2000シリーズ]]優勝の[[トウケイヘイロー]]、毎日王冠優勝から臨む前年優勝のエイシンフラッシュ、3歳のコディーノらが立ちはだかった<ref name="優駿-2013-12-104" />。榎本は戦前、「勝てるとすれば馬場状態や枠順や展開など、すべてが嚙み合った時かな<ref name="優駿-2013-12-51" />」と見立てていた。ディープインパクト産駒の牝馬三冠馬・ジェンティルドンナが大本命に推される一方で、ハーツクライ産駒の2勝馬ジャスタウェイは、単勝オッズ15.5倍の5番人気という支持に過ぎなかった<ref name="優駿-2013-12-104" />。前日は継続した降雨で、不良馬場だったが、当日は晴れて馬場状態は回復し良馬場での開催となった<ref name="優駿-2013-12-104" />。馬場が内側から乾いていく傾向にあったため、福永はその内側にこだわり、抜け出す作戦を思い巡らせていた。直近は、スタートでの出遅れが敗因の一つであり、大一番での出遅れは致命傷になると考えていた<ref name="日刊-天皇賞秋">{{Cite web |url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210294.html |title=また福永 ジャスタがV/天皇賞 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131031052656/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131028-1210294.html |archive-date=2013-10-31}}</ref>。そこで、発走直前にゲートに入れ、慣れて落ち着いてもらおうと試みていた<ref name="日刊-天皇賞秋" /><ref name="報知-天皇賞秋">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20131027-OHT1T00116.htm |title=【天皇賞・秋】ジャスタウェイ、覚醒!4馬身差V!福永、2週連続GI制覇 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131028032615/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20131027-OHT1T00116.htm |archive-date=2013-10-28}}</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=QXpEYdmBGDk&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]|video2=[https://www.youtube.com/watch?v=2BjNaISWYXI&ab_channel=%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AC%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E3%80%90%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%80%91 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画]}}スタートからトウケイヘイローが先行してハナを奪取、ジェンティルドンナも先行して直後の2番手を得ていた<ref name="優駿-2013-12-104" />。一方でジャスタウェイは、五分のスタートから中団の外側に留まり、同じく中団にいたエイシンフラッシュの背後に潜みながら追走していた<ref name="デイリー-天皇賞秋-2" />。トウケイヘイローが前半の1000メートルを58.4秒で通過するハイペースを刻む中、9番手で最終コーナーを通過し、直線では外に持ち出して追い上げを開始した<ref name="優駿-2013-12-104" />。前方では、逃げるトウケイヘイローが捕まり、代わってジェンティルドンナが先頭を奪取、大本命は押し切りを図っていた。そのジェンティルドンナを目標に、福永に促されて、鋭い末脚を繰り出した。末脚で以て一気に詰め寄り、並ぶ間もなくかわし、残り200メートル手前で先頭奪取、そして突き放していた<ref name="報知-天皇賞秋" />。比較的乾いている内側に切れ込みながら、勢い衰えることなく伸び続け、ジェンティルドンナ以下すべてを置き去りにしていた<ref name="日刊-天皇賞秋-2">{{Cite web |url=http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20131027-1210022.html |title=ジャスタウェイ直線抜け出し優勝/天皇賞 |access-date=2023-8-14 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20131030051021/http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20131027-1210022.html |archive-date=2013-10-30}}</ref>。ジェンティルドンナに4馬身、エイシンフラッシュに6馬身差をつける独走で決勝線に到達していた<ref name="優駿-2013-12-104" />。
[[ファイル:Just-A-Way Tenno-Sho(Autumn) 2013(IMG1).jpg|サムネイル|266x266ピクセル|決勝線到達直後]]
天皇賞戴冠。1987年[[ニッポーテイオー]]の5馬身に次ぐ決勝着差4馬身、'''良馬場開催では天皇賞(秋)史上最大となる決勝着差での優勝'''を成し遂げていた<ref name="報知-天皇賞秋" />。連敗を脱出する1年8か月ぶりの勝利、わずか2勝馬の身分でGI初勝利、古馬GIタイトル奪取だった<ref name="優駿-2013-12-105" /><ref name="日刊-天皇賞秋-2" />。2006年[[エリザベス女王杯]]優勝の[[フサイチパンドラ]]以来史上2例目となる2勝馬による古馬GI優勝であり、'''史上初めてとなる2勝馬による天皇賞優勝'''だった<ref>『優駿』2013年12月号 105頁</ref><ref name="ブック-天皇賞秋-アラカルト">{{Cite web |title=天皇賞秋アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/59121 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-14}}</ref>。またハーツクライは、産駒のJRAGI初勝利<ref name="優駿-2013-12-105" />。自身の競走馬時代のハイライトである2006年の有馬記念と同じように、大本命の三冠馬ディープインパクトに、大本命のディープインパクト産駒・牝馬三冠馬ジェンティルドンナに一泡吹かして、GIタイトルを掴んでいた<ref name="優駿-2013-12-105" />。さらに大和屋は、初めてデビューさせた競走馬で、しかも望みのハーツクライ産駒でGI優勝を果たしていた。
[[ファイル:Just-A-Way Tenno-Sho(Autumn) 2013(IMG3).jpg|サムネイル|243x243ピクセル|優勝馬服]]
それから福永は、天皇賞(秋)初優勝。前週に行われた菊花賞を[[エピファネイア]]で制していることから、2週連続GI優勝を成し遂げていた<ref name="ブック-天皇賞秋-アラカルト" />。菊花賞と天皇賞(秋)という旧八大競走、伝統と格式のあるこの2つのGIの連続優勝は、1965年菊花賞を[[ダイコーター]]、天皇賞(秋)を[[シンザン]]で制した[[栗田勝]]以来だった<ref name="報知-天皇賞秋" />。また福永の父は、騎手として活躍した[[福永洋一]]だった。洋一は、1972年に[[ヤマニンウェーブ]]で天皇賞(秋)を優勝していることから、[[横山富雄]]・典弘父子以来史上2組目となる父子天皇賞(秋)優勝を成し遂げていた<ref name="ブック-天皇賞秋-アラカルト" />。福永祐一は「外へ出した時の反応がすごかった。あっという間に他馬を置き去りにして、あまりに早く先頭に立ったので、僕が戸惑ったくらい。ジェンティルドンナもあっという間に見えなくなった<ref name="優駿-2013-12-51" />」と回顧している。

天皇賞を戴冠したジャスタウェイの次なる目標は、翌年3月のドバイミーティングとなった<ref name="優駿-2014-4-50">『優駿』2014年4月号 50頁</ref>。それまでにジャパンカップや有馬記念へ出走する計画もあったが、疲労が著しいためにすべて回避。年内全休となった<ref name="優駿-2014-4-50" />。


=== 5歳(2014年) ===
=== 5歳(2014年) ===
5歳を迎えて間もない2014年1月17日、須貝はドバイワールドカップミーティングへの遠征について[[中山記念]]をステップにすること、ドバイでは第一希望をドバイデューティーフリー(現在の[[ドバイターフ]])、第二希望を[[ドバイワールドカップ]]として登録することを明かす<ref name="netkeiba83351">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=83351 |title= 中山記念からドバイ挑戦のジャスタウェイ、須貝師「ワールドCとデューティフリーに登録します」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref><ref name="netkeiba83364">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=83364 |title= ドバイワールドカップデー、日本馬は57頭が予備登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。1か月後の2月17日招待状が届きこれを受諾、ドバイデューティーフリーへの挑戦が確定した<ref name="netkeiba84299">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=84299 |title= ドバイワールドカップデー、日本馬5頭が選出され招待を受諾 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。


==== 中山記念 ====
ドバイへの試金石として出走した中山記念は、騎乗予定であった福永の騎乗停止により鞍上に[[横山典弘]]を迎える<ref name="netkeiba84828">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=84828 |title= 貫禄勝ちのジャスタウェイ須貝師「世界の強豪相手に頑張りたい」/中山記念 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。1番人気トウケイヘイローに続く単勝オッズ5.3倍で2番人気に支持され<ref>{{Cite news|url= https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_76148 |title=重賞ウイナーレポート中山記念 G2|publisher=競走馬のふるさと案内所|date=2014-03-02|accessdate=2019-12-11}}</ref>、レースではそのトウケイヘイローが出遅れる中好位に取り付き、直線で内ラチ添いの僅かな隙間を突き抜け、[[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]]に3馬身半差をつけて快勝<ref name="netkeiba84828"/>。


目標とするドバイミーティングのなかで、芝1777メートルで行われる[[ドバイデューティフリー]](G1)への参戦を基本線に考えていた。それに向けて、1月29日に帰厩<ref name="優駿-2014-4-50" />。前回の長期休養明けは、夏から秋にかけて変わり身を見せ、本格化して天皇賞(秋)戴冠を果たしていたが、今回の長期休養明けでは、さらに筋肉量が増えるなどさらに成長し、古馬の体つきを実現していた<ref name="優駿-2014-4-50" />。再始動初戦は、ドバイ遠征の前哨戦または壮行戦として、3月末の[[中山記念]](GII)に参戦した。福永が騎乗停止処分により騎乗不能となり、横山典弘が代打を務めた。天皇賞(秋)で下したトウケイヘイローとの再戦となるほか、[[サダムパテック]]や[[ロゴタイプ (競走馬)|ロゴタイプ]]、[[アユサン]]などGI優勝馬4頭、GII優勝馬7頭のメンバーが揃う15頭立てだった<ref name="優駿-2014-5-88">『優駿』2014年5月号 88頁</ref>。トウケイヘイローに1番人気を譲り、単勝オッズ5.3倍の2番人気だった<ref name="優駿-2014-5-88" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=_qwvBnYeUbQ&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2014年 中山記念(GII)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}逃げ馬のトウケイヘイローが肝心のスタートで出遅れたが、ジャスタウェイは好発して先行策を敢行。馬場の最も内側の好位を追走した<ref name="優駿-2014-5-88" />。出遅れたトウケイヘイローが無理な逃げで失速する一方、好位をスムーズに立ち回り、3番手で迎えた直線ではそのまま内側を突いて進出<ref>{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20140302-OHT1T00135.htm |title=【中山記念】ジャスタウェイ、突き抜けた3馬身半V!いざドバイ!! |access-date=2023-8-16 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140304001612/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20140302-OHT1T00135.htm |archive-date=2014-3-4}}</ref><ref name="優駿-2014-5-88" />。失速したトウケイヘイローをかわしたうえに、後続を突き放して独走態勢を築いた。2着を争った[[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]]やロゴタイプ、[[マイネルラクリマ]]に3馬身半差をつけて決勝線に到達し、前哨戦を勝利で飾る連勝を果たした<ref name="優駿-2014-5-88" />。横山は、1996年[[サクラローレル]]、2008年から連覇の[[カンパニー (競走馬)|カンパニー]]に続く中山記念4勝目を挙げ、[[保田隆芳]]や[[増沢末夫]]、柴田善臣の史上最多タイ記録に並んでいた<ref>{{Cite web |title=中山記念アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/59805 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-16}}</ref><ref>『優駿』2014年5月号 89頁</ref>。なお横山には、最後の直線インコース、間隙を突いたことで過怠金1万円の処分が下っている<ref>{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2014/03/03/0006748387.shtml |title=【中山記念】ジャスタVでドバイへ弾み |access-date=2023-8-16 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140303182126/http://daily.co.jp/horse/2014/03/03/0006748387.shtml |archive-date=2014-3-3}}</ref>。
3月21日にジェンティルドンナなどともに出国し<ref name="netkeiba85359">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85359 |title= ジェンティルドンナなど5頭がドバイへ |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>、迎えたドバイデューティーフリーはトウケイヘイローが逃げる中で後方3番手からの競馬となったが、直線を迎えて逃げたトウケイヘイローが後続に追いつかれたところに外目から差し脚を繰り出して一気に後続をちぎり捨て、2着のウェルキンゲトリクスに6馬身1/4の差をつけ、タイムも従来の記録を2秒以上も更新する1分45秒52のタイムで圧勝した<ref name="netkeiba85642">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85642 |title= ジャスタウェイがレコードタイムを大幅に更新して圧勝!/ドバイデューティフリー |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。この結果より、[[ワールド・ベスト・レースホース・ランキング|国際クラシフィケイション]]において130ポンドの評価を受け、日本競馬史上初となる単独1位にランキングされた<ref name="netkeiba85984">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85984 |title= ベストレースホースランキング、ジャスタウェイが日本初の世界単独トップに |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>{{#tag:ref|この数値は[[エルコンドルパサー]]が1999年に受けた134ポンドに次いで日本調教馬の歴代2位、内国産馬に限定すれば2013年の[[オルフェーヴル]]の129ポンドを抜いて歴代1位である<ref>{{Cite web|url= http://www.keibado.ne.jp/keibabook/140825/column.html |title=東西編集局リレーコラム 『JPNサラブレッドランキング歴代トップ10』 |work= 競馬ブック |publisher= 競馬ブック |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。|group="注"|name="rating"}}。レース後は[[キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス]]への遠征プランなども打ち出されたが、海外への輸送が続くことを嫌い、[[安田記念]]から[[宝塚記念]]へ転戦することとなった<ref name="netkeiba85779">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85779 |title= ジャスタウェイは安田記念から宝塚記念が有力、トウケイヘイローはシンガポールも視野に |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。また、同厩のゴールドシップや[[ハープスター]]などとともに[[凱旋門賞]]への登録を行なった<ref name="netkeiba87019">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87019 |title= 【凱旋門賞】(10月5日フランス)~日本から6頭が登録 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。

==== ドバイデューティフリー ====

==== 概況 ====
3月29日、アラブ首長国連邦ドバイの[[メイダン競馬場]]で行われるドバイデューティフリー(G1)は、日本調教馬3頭を含む13頭立て、うち7頭がGI級競走優勝馬だった。ロゴタイプやトウケイヘイローとは再戦となり、10頭の外国調教馬とは初対決、7頭のGI級優勝馬が集っていた<ref name="優駿-2015-2-14">『優駿』2015年2月号 14頁</ref>。外国調教馬で有力視されていたのは、南アフリカ調教馬のウェルキンゲトリクスやイギリス調教馬の[[ザフューグ]]だった。ウェルキンゲトリクスは、デビューから無敗の6連勝している南アフリカの一流馬であり、このレースの前哨戦である[[ジェベルハッタ]]を制して参戦していた<ref>『優駿』2014年4月号 57頁</ref>。ザフューグは、牝馬ながら{{仮リンク|アルカジーム|en|Al Kazeem}}や{{仮リンク|トレーディングレザー|en|Trading Leather}}などのヨーロッパ牡馬の一線級を下して[[アイリッシュチャンピオンステークス]]を優勝していた<ref name="優駿-2015-2-14" />。イギリスのブックメーカー各社は、地元のザフューグが出走しているにもかかわらず、ジャスタウェイの実力を認めて1番人気に設定していた<ref name="優駿-2015-2-14" />。参戦にあたり福永は、2つの作戦を用意していた<ref name="優駿-2014-5-15">『優駿』2014年5月号 15頁</ref>。先行して逃げ馬の背後を得て、直線で抜け出すプランAと、出遅れるなどしたら後方待機から追い込み、末脚に賭けるプランBだった<ref name="優駿-2014-5-15" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=yGQeYYrKccA&ab_channel=RacingDubai 2014年 ドバイデューティフリー(G1)<br />レース映像 レーシングドバイ公式YouTubeチャンネルによる動画]}}トウケイヘイローが好スタートから同じように逃げる一方で、ジャスタウェイは出遅れてプランB、後方2番手の外側を確保した<ref name="優駿-2014-5-14">『優駿』2014年5月号 14頁</ref>。トウケイヘイローが1000メートルを59秒以下で通過するややハイペースを追走<ref name="優駿-2014-5-14" />。やがて対抗馬ウェルキンゲトリクスの背後を得てマークする形を取りながら、ワンターンに差し掛かって最終コーナーを通過した。直線では外から追い込みを開始した。逃げ馬を捉えて、先に抜け出そうとしていたウェルキンゲトリクスに詰め寄り、末脚を発揮<ref name="優駿-2014-5-15" />。残り300メートルで捉え、勢い衰えずに伸びて差し切り、さらには置き去りにしていた<ref name="優駿-2014-5-15" />。独走態勢を築いたが、勢いそのまま突き放す一方だった。ウェルキンゲトリクスに6馬身4分の1差、それ以下に約8馬身差をつけて決勝戦に到達していた<ref name="優駿-2014-5-15" />。

GI級競走2勝目、外国G1初優勝を果たした。2007年[[アドマイヤムーン]]以来となる日本調教馬のドバイデューティフリー優勝だった<ref name="デイリー-ドバイDF">{{Cite web |url=http://daily.co.jp/newsflash/horse/2014/03/30/0006821245.shtml |title=【ドバイDF】ジャスタウェイ圧勝! |access-date=2023-8-17 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140331004207/http://daily.co.jp/newsflash/horse/2014/03/30/0006821245.shtml |archive-date=2014-3-31}}</ref>。また2006年ドバイシーマクラシックを優勝した父ハーツクライとともに、父仔ドバイミーティング優勝を成し遂げていた<ref name="デイリー-ドバイDF" />。さらに大和屋は、人生の目標に定めていたドバイミーティング優勝を最初の所有馬で果たしていた<ref name="優駿-2015-2-85" />。

優勝着差6馬身4分の1の大勝だったうえに、走破タイム1分45秒52は、従来レコードを2秒41上回るコースレコードを樹立していた<ref name="優駿-2014-5-15" />。この年の馬場は高速決着の傾向にあり、レコードが多発していたが、2秒以上短縮したのはジャスタウェイだけだった<ref name="優駿-2014-5-15" />。福永は、[[シーザリオ]]で優勝した2005年[[アメリカンオークス]]以来9年ぶり5勝目の外国G1だった<ref name="デイリー-ドバイDF" />。ウェルキンゲトリクスの[[クリストフ・スミヨン]]は、最終コーナーで勝利を確信していたが「日本の馬が矢のように駆け抜けていった。言葉がないです<ref name="優駿-2015-2-26">『優駿』2015年2月号 26頁</ref>」と回顧している。また福永は、引き揚げて来て一言「これで'''世界ランキング1位'''でしょう<ref name="優駿-2015-2-26" />」と話していた。

===== 世界ランキング1位 =====
この独走劇は、レーティング的にも高い評価を受けた。着差6馬身以上でウェルキンゲトリクスを制したことから'''「130」ポンド'''を獲得していた<ref name="優駿-2014-5-154" />。「130」は、[[国際競馬統括機関連盟]](IFHA)が発表する「[[ロンジンワールドベストレースホースランキング]]」の、この年1月1日から4月7日までの四半期発表で最も高かった<ref name="優駿-2014-5-154">『優駿』2014年5月号 154頁</ref>。アメリカ調教のダート馬[[ゲームオンデュード]]「125」や香港調教の芝馬{{仮リンク|ミリタリーアタック|en|Military Attack}}「124」、日本調教馬[[キズナ (競走馬)|キズナ]]「121」やゴールドシップ「120」などを上回る評価となる単独首位、すなわち'''「世界ランキング1位」'''の座に輝いていた<ref name="優駿-2014-5-154" />。「130」の評価は、前年の有馬記念でディープインパクトを超越した数値が与えられた[[オルフェーヴル]]「129」を上回り<ref>『優駿』2015年2月号 17頁</ref><ref name="優駿-2014-5-154" />、セックスアローワンスを考慮しなければ前年首位の[[ブラックキャビア]]や[[トレヴ]]と同じ数値<ref name="優駿-2014-5-154" />、日本調教馬としては1999年の[[エルコンドルパサー]]「134」に次いで史上2番目に高い数値だった<ref>{{Cite web |title=IFHAワールドランキング、ジャスタウェイが単独首位に |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/60081 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-18}}</ref>。またIFHAによる日本調教馬の「世界ランキング1位」は、2006年7月の前身「ワールドリーディングホース」中間発表で「125」を与えられて1位タイとなったディープインパクト以来であり、'''日本調教馬史上初めてとなる単独「世界ランキング1位」'''となっていた<ref name="優駿-2014-5-154" />。
{| class="wikitable" style="float:right; font-size:smaller; text-align:center; margin:10px"
|+2014年度ロンジンワールドベストレースホースランキング<ref name="優駿-2015-3-161" />
!
!<small>RATE</small>
!<small>(調教国)馬</small>
!<small>馬場</small>
!<small>距離</small>
!<small>レース</small>
!<small>着順</small>
|-
!<small>1</small>
|'''<small>130</small>'''
|<small>{{Flagicon|JPN}}'''ジャスタウェイ'''</small>
|'''<small>芝</small>'''
|'''<small>M</small>'''
|'''<small>ドバイデューティフリー</small>'''
|'''<small>{{Color|darkred|1着}}</small>'''
|-
!<small>2</small>
|<small>129</small>
|<small>{{Flagicon|JPN}}[[エピファネイア]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>L</small>
|<small>[[ジャパンカップ]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
! rowspan="6" |<small>3</small>
| rowspan="6" |<small>127</small>
|<small>{{Flagicon|HK}}[[エイブルフレンド]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>M</small>
|<small>[[香港マイル]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
| rowspan="2" |<small>{{Flagicon|IRE}}[[オーストラリア (競走馬)|オーストラリア]]</small>
| rowspan="2" |<small>芝</small>
| rowspan="2" |<small>I</small>
|[[インターナショナルステークス|<small>インターナショナルS</small>]]
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
|[[アイリッシュチャンピオンステークス|<small>愛チャンピオンS</small>]]
|<small>{{Color|darkblue|2着}}</small>
|-
|<small>{{Flagicon|GB}}[[キングマン (競走馬)|キングマン]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>M</small>
|<small>[[セントジェームズパレスステークス|セントジェームズパレスS]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
|<small>{{Flagicon|GB}}[[ザグレーギャツビー]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>I</small>
|[[アイリッシュチャンピオンステークス|<small>愛チャンピオンS</small>]]
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|-
|<small>{{Flagicon|UAE}}[[バラエティクラブ]]</small>
|<small>芝</small>
|<small>M</small>
|<small>[[チャンピオンズマイル]]</small>
|<small>{{Color|darkred|1着}}</small>
|}
この後、世界各国でレースが続々行われ「ロンジンワールドベストレースホースランキング」は更新されていったが、ジャスタウェイの「130」ポンドを上回り、単独首位を脅かした馬は現れず、'''単独での年間総合首位「世界ランキング1位」'''の座を確定させることになる<ref name="優駿-2017-4-77">『優駿』2017年4月号 77頁</ref>。1977年に[[イギリス]]と[[アイルランド]]、[[フランス]]で始まった「ヨーロピアンクラシフィケーション」でレーティングによるランキングを作る試みが始まって以来、競馬後進国である日本は、初めは対象外にされており、対象となってからもどんな優駿も上位にはたやすく認められなかった<ref name="優駿-2015-2-14" />。しばらくして日本の競走が評価対象になり、1996年ジャパンカップで2着となった[[ファビラスラフイン]]が同年度3歳部門で28位にランクインしてブレイクスルー<ref name="優駿-2015-2-14" />。それからディープインパクトの2006年度4位、オルフェーヴルの2013年度3位などを経た2014年度、ジャスタウェイが首位に登り詰めて、日本調教馬史上初めてとなる快挙を成し遂げていた<ref>{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2015/01/21/0007675491.shtml?pg=2 |title=史上初!世界年間ランクでジャスタ1位 |access-date=2023-8-19 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20150121181813/http://daily.co.jp/horse/2015/01/21/0007675491.shtml?pg=2 |archive-date=2015-1-21}}</ref>。また2位の「129」エピファネイアとともに日本調教馬ワンツーフィニッシュを果たし、ともにこの年の「ロンジンワールドベストレースホース」として表彰されている<ref name="優駿-2015-3-160">『優駿』2015年3月号 160頁</ref>。翌2015年1月20日、ロンドンの{{仮リンク|クラリッジスホテル|en|Claridge's}}で行われた表彰式で、大和屋はこのようにスピーチしている<ref name="優駿-2015-3-160" />。{{Quotation|全世界のハンデキャッパーの方々に感謝しています。前回イギリスに来たのはハーツクライがキングジョージに出走した際で、その時は残念だったのですが、今回このような賞をいただき、ロンドンが好きになりました。|大和屋暁<ref name="優駿-2015-3-161">『優駿』2015年3月号 161頁</ref>}}こうして世界一となったジャスタウェイには、ドバイデューティフリーの直後から世界各国から出走オファーが舞い込むようになった<ref name="優駿-2015-2-18">『優駿』2015年2月号 18頁</ref>。例えばフランスのアスコット競馬場からプリンスオブウェールズステークス、イギリスのヨーク競馬場からインターナショナルステークス、オーストラリアの[[ムーニーヴァレー競馬場]]から[[コックスプレート]]への出走オファーを受けていた<ref name="優駿-2015-2-18" />。しかし結局、陣営はいずれも選択することはなかった<ref name="優駿-2015-2-18" />。

==== 安田記念 ====
「世界ランキング1位」となった後は、出走オファーに応えて外国転戦の可能性もあったが、日本凱旋を選択。帰国して吉澤ステーブルWESTで休養し<ref name="スポニチ-安田記念">{{Cite web |title=【安田記念】ジャスタウェイ これが世界一の脚!極上の切れ12秒4 |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/05/kiji/K20140605008301400.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-19 |language=ja}}</ref>、安田記念から[[宝塚記念]]というローテーションが設定された。前年の天皇賞(秋)優勝後は、消耗からの回復に時間を要したが、今回のドバイ遠征は、外国へ輸送されたにもかかわらず、すぐに回復<ref name="スポニチ-安田記念" />。精神面も成長したことで、アクシデントなく凱旋初戦を迎えていた<ref name="スポニチ-安田記念" />。ただ一つ、騎乗する予定だった福永に騎乗停止処分が下り、直前で騎乗不能となるアクシデントに見舞われた。そこで陣営は、代打として前年の毎日王冠に騎乗した柴田善臣を起用していた。大和屋が、ジャスタウェイへの騎乗経験のある騎手を重視したための再登板であり、当初サダムパテックに騎乗する予定があった柴田を、半ば強奪していた。調教師の須貝は、かつて騎手だった。JRA[[競馬学校]]の第1期を卒業して免許を取得しており、同期の柴田と騎手と調教師の関係でGIに参戦していた<ref name="優駿-2014-7-71">『優駿』2014年7月号 71頁</ref><ref name="デイリー-安田記念">{{Cite web |title=【安田記念】ジャスタ世界一のド根性V |url=https://www.daily.co.jp/horse/2014/06/09/0007035166.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-20 |access-date=2023-08-20 |language=ja}}</ref>。

6月8日、安田記念(GI)で凱旋試合に臨んだ<ref name="優駿-2017-4-77" />。16頭の日本調教馬に加えて、1頭の香港調教馬を迎える17頭立てだった。そのうち9頭はGI級競走優勝馬という「空前の好メンバー<ref name="優駿-2014-7-71" />」(土屋真光)が揃い、他にGIこそ届いていないものの、地力あるワールドエースや[[グランデッツァ]]なども参戦していた<ref name="優駿-2014-7-71" />。強力なメンバーが相手だったが、それでも大本命、主役は、ジャスタウェイだった<ref name="優駿-2014-7-71" />。遠征帰りや代打起用などの懸念要素も問題にせず、単勝オッズ1.7倍の支持を集めていた<ref name="優駿-2014-8-102">『優駿』2014年8月号 102頁</ref>。以下の人気は、3歳牝馬[[ミッキーアイル]]、ワールドエース、グランデッツァ、カレンブラックヒル、フィエロ、[[ホエールキャプチャ]]、[[トーセンラー]]などと続いていた<ref name="優駿-2014-8-102" />。3日前から続く降雨に祟られ、当日は不良馬場だった。降雨こそ弱まり小雨になったが、馬場は回復せず、道悪での開催となった<ref name="優駿-2014-7-71" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=QXpEYdmBGDk&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]|video2=[https://www.youtube.com/watch?v=2BjNaISWYXI&ab_channel=%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AC%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E3%80%90%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%80%91 2013年 天皇賞(秋)(GI)<br />レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画]}}

ミッキーアイルが逃げて展開を作る一方、ジャスタウェイは5枠10番から五分のスタートを切り、中団を追走した<ref name="優駿-2014-8-102" /><ref name="優駿-2014-7-72">『優駿』2014年7月号 72頁</ref>。グランデッツァやグランプリボス、ワールドエースなどとともに馬群を形成し、その馬群の中に潜って末脚に賭けていた<ref name="優駿-2014-7-72" />。9番手、11番手でワンターンを馬群で過ごした<ref name="優駿-2014-8-102" />。直線では、馬群がばらけて各々進路を確保し、横一線になって追い上げていた。ジャスタウェイも同様に外側へ持ち出して、進路を確保してからの追い上げを試みたが、各々ジャスタウェイへのマークは欠かさず、簡単に進路を得ることができなかった<ref name="優駿-2014-8-102" />。特にすぐ外側にいた[[グランプリボス]]に蓋をされ、進路を塞がれていた<ref name="優駿-2014-8-102" />。そこで切り替えて状態の悪い内側に突っ込みながら、馬群を捌いて進出を開始した<ref name="優駿-2014-8-102" /><ref name="デイリー-安田記念" />。

抜群の進出コースを確保したのは、24歳[[三浦皇成]]が騎乗するブービー人気のグランプリボスだった<ref name="スポニチ-グランプリボス">{{Cite web |title=【安田記念】グランプリボス2着 16番人気健闘も皇成初GIスルリ|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/09/kiji/K20140609008328700.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。1歳年上のグランプリボスは、2010年の[[朝日杯フューチュリティステークス]]、2011年のNHKマイルカップを優勝したGI2勝馬であった。他に2年前の安田記念でも[[ストロングリターン]]に次ぐ2着となっていたが、連敗するうちに6歳となり、約半年ぶりの復帰戦で信頼が得られていなかった<ref name="スポニチ-グランプリボス" />。しかしそんな伏兵グランプリボスが直線半ばで抜け出し、先頭を奪取していた<ref name="優駿-2014-7-72" />。進出に手間取ったジャスタウェイは、後を追ったものの、グランプリボスがしぶとく、簡単に先頭を明け渡してくれなかった<ref name="優駿-2014-7-72" />。[[ファイル:Grand Prix Boss Yasuda kinen 2014.jpg|サムネイル|289x289ピクセル|競り合うグランプリボス(手前)とジャスタウェイ(奥)]]
それでも雨でぬかるんだ馬場に脚を取られ、のめりながらも末脚を利かせて徐々に接近し、ゴール直前でどうにか並び立っていた<ref name="優駿-2017-4-77" /><ref name="優駿-2014-8-102" /><ref name="報知-安田記念">{{Cite web |url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20140608-OHT1T50201.html |title=【安田記念】ジャスタウェイ、9センチ差V!秋は凱旋門 |access-date=2023-8-20 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140609132121/http://www.hochi.co.jp/horserace/20140608-OHT1T50201.html |archive-date=2014-6-9}}</ref>。ともにGI級競走2勝の2頭が並び立ってからは、併せながらの激しい競り合いとなっていた<ref name="優駿-2014-7-72" />。時に若手三浦の肘がベテラン柴田が顔面が入る接触がありながらも2頭は闘い、結局、両者ほとんど同時に決勝線へ飛び込んでいた<ref>{{Cite web |title=【安田記念】騎手同士も“たたき合い” |url=https://www.daily.co.jp/horse/2014/06/09/0007035075.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-20 |access-date=2023-08-20 |language=ja}}</ref>。優劣には写真判定が用いられ、結局ジャスタウェイのハナ差、約9センチメートル先着が判明した。1999年[[エアジハード]]、[[グラスワンダー]]以来となる15年ぶり、グレード制導入後4例目となるハナ差決着の安田記念だった<ref name="競馬ブック-安田記念-アラカルト">{{Cite web |title=安田記念アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/60334 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-20}}</ref>。[[File:Just-A-Way Yasuda-Kinen 2014(IMG2).jpg|290x290px|thumb|表彰式]]凱旋試合の安田記念を戴冠。4連勝にしてGI級競走3連勝の3勝目を挙げていた<ref name="競馬ブック-安田記念-アラカルト" />。グレード制導入後4頭目2013年[[ロードカナロア]]以来となる重賞3連勝中、またはそれ以上での安田記念優勝だった<ref name="競馬ブック-安田記念-アラカルト" />。さらに、2001年[[香港カップ]]から2002年[[フェブラリーステークス]]を連勝した[[アグネスデジタル]]以来となる外国G1優勝直後の帰国初戦、いわゆる凱旋試合にJRAGIを選んでの優勝だった<ref name="競馬ブック-安田記念-アラカルト" />。また柴田は、1993年[[ヤマニンゼファー]]以来となる安田記念2勝目だった<ref name="優駿-2014-8-103">『優駿』2014年8月号 103頁</ref>。さらに父ハーツクライは、前々週の[[優駿牝馬]]を[[ヌーヴォレコルト]]で、前週の東京優駿を[[ワンアンドオンリー]]で制しており3週連続GI優勝<ref name="優駿-2014-8-103" />、2005年の秋華賞を[[エアメサイア]]、菊花賞をディープインパクト、天皇賞(秋)を[[ヘヴンリーロマンス]]で制したサンデーサイレンス以来となる同一種牡馬産駒による3週連続JRAGI優勝を果たしていた<ref name="報知-安田記念" />。

本来のローテーションならば、次は宝塚記念だった<ref name="優駿-2014-11-45">『優駿』2014年11月号 45頁</ref>。出走馬を決めるファン投票では、ゴールドシップ、ウインバリアシオン、ジェンティルドンナに次ぐ第4位、約4万票を集めていた<ref>{{Cite web |title=宝塚記念ファン投票 ゴールドシップが1位に|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/12/kiji/K20140612008351980.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。しかし不良馬場の安田記念をこなした代償は大きく、本格化したジャスタウェイでも、疲労は著しかった<ref>{{Cite web |title=ジャスタウェイ宝塚記念回避 安田記念Vも「今までにない疲労度」|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/11/kiji/K20140611008344110.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref><ref name="優駿-2014-11-45" />。そのため宝塚記念は回避となり、予定を前倒しして夏休み、吉澤ステーブルWESTで放牧となった<ref>{{Cite web |title=ジャスタウェイが宝塚記念の出走を回避|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87829 |website=netkeiba.com |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。

==== 凱旋門賞 ====
夏休み明けの秋の目標は、フランスの[[ロンシャン競馬場]]で行われる[[凱旋門賞]]となった。この年、凱旋門賞へ登録した日本調教馬は、ジャスタウェイを含めて6頭いたが、うち3頭が須貝厩舎だった<ref name="ブック-凱旋門賞登録">{{Cite web |title=凱旋門賞に日本馬6頭が登録 |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/60215 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-21}}</ref>。ジャスタウェイとゴールドシップ、そして[[レッドリヴェール]]だった<ref name="ブック-凱旋門賞登録" />。レッドリヴェールは、3歳の牝馬であり、前年の[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]を無敗で制していた。そして翌年の[[桜花賞]]を[[ハープスター]]に次ぐ2着となった後、牝馬限定の優駿牝馬ではなく、牡馬も出走する東京優駿に敢えて出走していた<ref name="netkeiba-レッドリヴェール">{{Cite web |title=レッドリヴェールは福永騎手とダービーへ、秋は凱旋門賞挑戦|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86466 |website=netkeiba.com |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。結果次第では凱旋門賞参戦も検討されており、それを見据えて福永を起用していた<ref name="netkeiba-レッドリヴェール" />。しかし栗東から東京への輸送でも堪えて12着に敗退し、断念していた<ref>『優駿』2014年7月号 37頁</ref>。しばらくしてジャスタウェイが福永を得て、凱旋門賞へ挑むこととなっていた。
[[ファイル:Gold Ship Takarazuka kinen 2013.jpg|サムネイル|231x231ピクセル|[[ゴールドシップ]]]]
レッドリヴェールの参戦はなくなったが、須貝厩舎からはジャスタウェイとゴールドシップの2頭が挑戦することになった。2頭のほかに遠征に同行する馬、いわゆる[[帯同馬]]は、用意されなかった。この時点で宝塚記念連覇など、GI5勝を挙げていたゴールドシップと、世界ランキング1位のジャスタウェイは、厩舎で馬房を隣同士にされるなど仲が良く、須貝は、互いが互いの帯同馬となることを期待していた<ref>『優駿』2014年10月号 20頁</ref><ref>『優駿』2014年11月号 47頁</ref>。ゴールドシップは、夏の[[札幌記念]]を前哨戦としたのに対して、ジャスタウェイは前哨戦を用いず、ぶっつけ本番での参戦となった<ref name="優駿-2014-10-23">『優駿』2014年10月号 23頁</ref>。歴代優勝馬の中では、1965年[[シーバード]]の3か月がブランクの過去最長記録として存在していたが、それを上回る4か月のブランクを経た参戦となっていた<ref name="島田-凱旋門賞">{{Cite web |title=凱旋門賞、日本勢は史上最強!?異なるタイプの精鋭3頭が頂を目指す。(島田明宏) |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/821788?page=2 |website=Number Web - ナンバー |access-date=2023-08-20 |language=ja}}</ref>。しかし陣営は、克服できると考えていた<ref name="島田-凱旋門賞" />。またヨーロッパの重い馬場も、安田記念の不良馬場をこなしたなら通用すると考えていた<ref name="優駿-2014-11-45" />。
[[ファイル:El Condor Pasa 19991128I1.jpg|サムネイル|[[エルコンドルパサー]]]]
外国G1を優勝してからの凱旋門賞参戦は、1999年に[[サンクルー大賞]]を優勝{{Efn|福永はこの当時、怪我で休養中だった。そのためフランスに行き、間近で[[エルコンドルパサー]]の優勝を見届けていた<ref>『優駿』2014年10月号 17頁</ref>。}}してから参戦し、[[モンジュー]]に僅差の2着と惜敗した[[エルコンドルパサー]]以来だった<ref name="優駿-2014-11-34">『優駿』2014年11月号 34頁</ref>。ただエルコンドルパサーは、ヨーロッパ長期滞在を経ての惜敗であり、短期間の滞在での外国G1優勝馬による参戦は初めてだった<ref name="優駿-2014-11-34" />。芝2400メートルで行われる凱旋門賞には、これまで同じような距離で活躍した日本調教馬が次々に参戦して、悉く敗れていた<ref name="優駿-2014-11-34" />。しかしジャスタウェイは、これまでの傾向とは異なり、芝2000メートル以下でしか勝利したことがなく、しかも実績のほとんどがマイルに偏っていた<ref name="優駿-2014-11-34" />。このようなマイル適性に富んだ馬の参戦は、日本調教馬として初めての試みだった<ref name="優駿-2014-10-23" /><ref name="優駿-2014-11-34" />。

しかしこのような新しい挑戦には、批判がついて回った<ref name="スポニチ-凱旋門賞" />。世界ランク1位になったことで世界各国の競馬場からの招待オファーを受けるなど、実績に見合ったレースを選択することはいくらでも可能だった<ref name="スポニチ-凱旋門賞">{{Cite web |title=【凱旋門賞】須貝師 最強2頭出しも無念「また挑戦したい」|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/06/kiji/K20141006009055970.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。それでも敢えて陣営は、未知数の領域に足を踏み入れている選択を決断していた<ref name="スポニチ-凱旋門賞" />。須貝は「やっぱり初めてと2番目は違う。凱旋門賞を勝つことは日本競馬の悲願。世界一になった馬を預かるものとして凱旋門賞を目指す責任がある<ref name="スポニチ-凱旋門賞" />」と参戦の理由を回顧している。参戦にあたって当然ながら、距離やスタミナ不足が指摘されていた<ref>『優駿』2014年10月号 10頁</ref>。遠征は当初、[[成田国際空港]]から[[パリ]]への直行便を利用する予定だった<ref name="優駿-2014-11-45" />。しかし航空会社の[[ストライキ]]が発生して欠航となり、急遽オランダの[[アムステルダム]]に移動し、陸上輸送でパリへ向かう迂回を強いられた<ref name="優駿-2014-11-45" />。当初の予定よりも8時間超過する移動となったが、ドバイの経験があるジャスタウェイは動じず、輸送を順調にこなしていた<ref name="優駿-2014-11-45" />。現地での調整も順調で、福永曰く「ドバイの時以上<ref name="優駿-2014-11-45" />」の仕上がりで挑んでいた<ref name="優駿-2014-11-45" />。

10月5日の凱旋門賞(G1)は、20年ぶりとなるフルゲート20頭立てだった<ref name="優駿-2014-11-35">『優駿』2014年11月号 35頁</ref>。有力馬が続々回避したことから出走馬が揃い、混戦模様となっていた<ref name="優駿-2014-11-35" />。20頭のうち、ゴールドシップとジャスタウェイという須貝厩舎の2頭に、3歳牝馬の桜花賞優勝馬・ハープスターを加えた3頭が日本調教馬だった。日本調教馬としては史上最多となる頭数で挑み、しかも3頭ともに実績十分で戦前は日本の「最強トリオ<ref>{{Cite web |title=【凱旋門賞】ジャスタ14枠に決定 |url=https://www.daily.co.jp/horse/gaisenmon/2014/10/03/0007391199.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-21 |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>」などと喧伝されていた。3頭の現地での人気は、ハープスター、ジャスタウェイ、ゴールドシップの順に4番人気から6番人気までを占めていた<ref name="優駿-2014-11-35" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=XwI1bnqGQDc&ab_channel=FranceGalop 2014年 凱旋門賞(G1)<br />レース映像 フランスギャロップ公式YouTubeチャンネルによる動画]}}

良いスタートを切ったジャスタウェイだったが、その後の追走に苦労して後方から数えて4、5番手、馬群の後方で置かれる形となった<ref name="優駿-2014-11-35" />。コーナーに差し掛かると、外側から馬に寄られて、馬場の内側から抜け出すことができず、馬群の真っ只中に嵌り、終始揉まれながらの追走となっていた<ref name="スポニチ-凱旋門賞" />。やがてフォルスストレートから直線に向いて勝負どころでは、最も内側を突いていた<ref name="優駿-2014-11-36">『優駿』2014年11月号 36頁</ref>。しかし最内コースに進路を見出せず、外に持ち出してから追い上げた<ref name="優駿-2014-11-36" />。進路確保に手間取ったのは致命傷となり、追い上げ始めても、既に逆転不能の差ができていた<ref name="優駿-2014-11-36" />。先行して抜け出していた7番人気[[トレヴ]]に独走を許して敗退<ref name="優駿-2014-11-36" />。トレヴに約5馬身後れを取る8着だった<ref name="優駿-2014-11-45" />。福永によれば敗因は、距離ではなく、単なる力負けであるとしていた<ref>『優駿』2014年11月号 33頁</ref>。

==== ジャパンカップ ====
帰国初戦は、凱旋門賞と同様に長距離、2400メートルのジャパンカップが選ばれた<ref name="優駿-2017-4-77" />。10月11日に帰国して検疫、吉澤ステーブルWESTでの着地検査をこなした<ref>『優駿』2014年12月号 19頁</ref>。その後須貝が、遠征や輸送のダメージが少ないことを確認して参戦が決定した<ref name="優駿-2014-12-19">『優駿』2014年12月号 19頁</ref>。当初、陣営には、ジャパンカップの前週に行われるマイルチャンピオンシップという選択肢も存在していたという<ref name="競馬ラボ-大和屋-有馬">{{Cite web |title=記憶に残る有馬はハーツクライ?それとも? |url=https://www.keibalab.jp/column/specialtalk/vol_27_1/ |website=www.keibalab.jp |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。外国人記者の多くは、凱旋門賞の敗戦を距離の問題であると捉えており、マイルチャンピオンシップや香港マイル、香港カップなど実績ある中距離路線に出走するものだと考えていた<ref name="優駿-2014-12-19" />。しかし陣営に言わせれば、凱旋門賞の敗因は決して距離だとは考えていなかった<ref name="優駿-2014-12-19" />。また、マイルチャンピオンシップでは時間が足りず、香港では連続での外国遠征となる懸念があり、既に実力を証明した中距離で全うしても得られるものは小さいと考え、さらなる挑戦のために敢えて長距離を選んでいた<ref name="競馬ラボ-大和屋-有馬" />。須貝は「世界一の称号をいただいている馬ですし、馬場がどうの、距離がどうのとは言っていられない立場<ref name="優駿-2015-1-12">『優駿』2015年1月号 12頁</ref>」と述べて、長距離に再び挑んでいた<ref name="優駿-2015-1-12" />。

11月30日のジャパンカップ(GI)は、[[アイリッシュダービー]]優勝の{{仮リンク|トレーディングレザー|en|Trading Leather}}、バーデン大賞やバイエルン大賞優勝のアイヴァンホウ、[[ジャマイカハンデキャップ]]優勝のアップウィズザバーズの外国調教馬3頭を迎えたが、人気の中心とは、日本調教馬が占めていた<ref name="優駿-2015-1-92">『優駿』2015年1月号 92頁</ref>。古馬では3連覇がかかるジェンティルドンナ、天皇賞(秋)優勝直後の[[スピルバーグ (競走馬)|スピルバーグ]]、前年菊花賞優勝のエピファネイアがおり、3歳馬では、皐月賞優勝の[[イスラボニータ]]、東京優駿(日本ダービー)優勝のワンアンドオンリー、凱旋門賞帰りの牝馬ハープスターが出走<ref name="優駿-2015-1-92" />。役者は揃い『[[優駿]]』によれば「『史上最高』との声も聞かれるほどの豪華メンバー<ref name="優駿-2015-1-92" />」だったという。フルゲートの18頭立てとなる中、ジェンティルドンナが1番人気、ハープスターが2番人気と続き、ジャスタウェイは、単勝オッズ6.7倍の3番人気だった。以下エピファネイア、イスラボニータなどが続いていた<ref name="優駿-2015-1-92" />。

福永は、4番人気エピファネイアの主戦騎手でもあったが、ジャスタウェイを選択していた<ref>{{Cite web |title=迎えた騎手人生の転換期 エピファネイア、ジャスタウェイ、翠夫人との出会い【福永祐一連載⑥】/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/2023/02/22/0016072590.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-09-01 |access-date=2023-09-01 |language=ja}}</ref>。エピファネイアには、当日[[ワールドスーパージョッキーズシリーズ|ワールドスーパージョッキーシリーズ]]で来日中の[[クリストフ・スミヨン]]が「エキストラ騎乗」で代打を務めていた<ref>{{Cite web |url=https://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20141105-1392296.html |title=エピファネイアJC鞍上はスミヨン騎手 |access-date=2023-9-1 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20141107204214/https://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20141105-1392296.html |archive-date=2014-11-7}}</ref>。ジャスタウェイの参戦過程は、決して順調ではなかった<ref name="競馬ラボ-大和屋-有馬" />。1週間前の調教では福永は首を傾げ、直前の併せ馬でも後れを取っていた<ref>{{Cite web |url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20141127-OHT1T50197.html |title=【ジャパンC】ジャスタウェイ半馬身遅れも福永は復調実感 |access-date=2023-9-2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-date=2014-11-30 |archive-url=https://web.archive.org/web/20141130203916/http://www.hochi.co.jp/horserace/20141127-OHT1T50197.html}}</ref>。福永によれば「絶好調という感じは受けません<ref name="優駿-2015-1-45">『優駿』2015年1月号 45頁</ref>」と話していた。しかし当日に一変し、福永が想定したよりも良い感触を返し馬で得て参戦していた<ref name="優駿-2015-1-45" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=k_eEBOke0R4&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2014年 ジャパンカップ(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}

最も内枠、1枠1番からスタートして中団馬群の内側を追走<ref name="報知-ジャパンC">{{Cite web |url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20141130-OHT1T50193.html |title=【ジャパンC】ジャスタウェイ、意地の2着 お手馬に敗れ福永は苦笑い |access-date=2023-9-2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20141203201747/http://www.hochi.co.jp/horserace/20141130-OHT1T50193.html |archive-date=2014-12-3}}</ref>、最終コーナーを8番手で通過した。直線では外に持ち出して進路を確保して追い上げた<ref name="報知-ジャパンC" />。福永は後に「道中もスムーズに運べて、だいたい思った通り<ref name="優駿-2015-1-45" />」だったと振り返っていた。道中、後方を追走していたトレーディングレザーが第3コーナーで故障して後退し、[[競走中止]]<ref name="優駿-2015-1-45" />。トレーディングレザーの突然の後退により、その背後にいたハープスターやスピルバーグ、ジェンティルドンナなどが躓くなど、大きな不利を被っていた<ref name="優駿-2015-1-45" />。一方のジャスタウェイは、スムーズに最終局面に入っていた<ref name="優駿-2015-1-45" />。スパートすると、イスラボニータと並ぶ形での進出となり、先行勢のほとんどを差し切っていた。不利を受けたジェンティルドンナなどもスパートしていたが、それらに前方を譲らなかった。やがてイスラボニータも制していた<ref name="優駿-2015-1-45" />。

それでも、先頭奪取はできなかった。遥か前方に、独走するエピファネイアがいた<ref name="報知-ジャパンC" />。先行策と折り合いの両立を実現し、直線に向いてスパート、一気に後続を引き離してセーフティリードを築いていた<ref name="優駿-2015-1-92" />。末脚衰えず独走するエピファネイアに対して、ジャスタウェイは追い上げるも、差は広がるばかりだった。残り100メートルほどで末脚が鈍ってしまい<ref>{{Cite web |title=【ジャパンC】ジャスタウェイ「鈍って」2着、ハープは… - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/11/30/kiji/K20141130009379040.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-09-02 |language=ja}}</ref>、ゴール手前では遅れて追い上げたスピルバーグやジェンティルドンナ、ハープスターに接近を許した。それでも粘り、それらに半馬身先着して2着は確保していた<ref name="優駿-2015-1-92" /><ref>{{Cite web |title=JC制覇エピファネイア、世界最強へ。掛かっても突き抜けた「圧勝」の裏側。(島田明宏) |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/822184?page=3 |website=Number Web - ナンバー |access-date=2023-09-02}}</ref>。

「世界一」のレーティングを持つジャスタウェイは、エピファネイアに4馬身差つけられた2着に屈していた<ref name="優駿-2015-1-43">『優駿』2015年1月号 43頁</ref>。ジャパンカップの4馬身差は、2003年優勝[[タップダンスシチー]]が2着[[ザッツザプレンティ]]につけた9馬身差に次いで2番目に大きい優勝着差だった<ref name="優駿-2015-1-43" />。しかし後日発表されたレーティングの判定では、エピファネイアは「128」で世界2位止まり、世界1位ジャスタウェイのドバイデューティフリー「130」は脅かされなかった<ref>{{Cite web |title=エピファネイアのレーティングは128ポンド |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20141204/ope14120417380025-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2014-12-04 |access-date=2023-09-02 |language=ja-JP}}</ref>。

==== 引退レース ====
[[File:Retirement ceremony of Just-A-Way IMG 9017 20150104.jpg|240px|thumb|引退式]]12月28日の[[有馬記念]](GI)は4着。これを以て引退となった。ラストランを終えた後、時間を空けて午後6時半にゴールドシップと共に競馬場を退き、栗東に帰還<ref>『優駿』2015年2月号 138頁</ref>。年をまたいだ2015年1月4日、京都競馬場で引退式が行われた<ref name="優駿-2015-2-153">『優駿』2015年2月号 153頁</ref>。榎本が好きな[[Mr.Children]]の『[[終わりなき旅]]』をBGMに<ref>『優駿』2015年2月号 84頁</ref>、GI初勝利を果たした際の天皇賞(秋)のゼッケンを着用して登場<ref name="優駿-2015-2-153" />。主戦騎手の福永を背に、芝コースでのキャンターが披露された<ref name="優駿-2015-2-153" />。福永は、思い出のレースにドバイを挙げ、須貝は「ジャスタウェイの子供たちを、父に負けず世界で戦えるように育てていく責務を課せられた<ref name="サンスポ-引退式">{{Cite web |title=ジャスタウェイが京都で引退式 ファンに別れ |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150104/ope15010417590010-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2015-01-04 |access-date=2023-08-30 |language=ja-JP}}</ref>」、榎本は「またいつか、ジャスタウェイの子供を担当して、大きなレースを勝ちたいです<ref name="サンスポ-引退式" />」と述べていた。後に初年度産駒として生まれる[[アドマイヤジャスタ]]は、須貝と榎本に手掛けられて出世を果たすことになる<ref>{{Cite web |title=【日本ダービー】榎本助手「優駿」に縁―ジャスタで父の雪辱を - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/05/21/kiji/20190521s00004145107000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-30 |language=ja}}</ref>。

翌々7日付けで競走馬登録を抹消された。この年の[[JRA賞]]では、全285票中242票を獲得{{Efn|[[エピファネイア]]が31票で次点。[[ゴールドシップ]]11票、該当馬なし1票<ref name="優駿-2015-2-60">『優駿』2015年2月号 60頁</ref>。}}し[[JRA賞最優秀4歳以上牡馬|最優秀4歳以上牡馬]]に選出された<ref name="優駿-2015-2-60" />。他に[[JRA賞年度代表馬|年度代表馬]]部門でも51票を獲得したが、231票のジェンティルドンナに及ばず次点{{Efn|他に該当馬なし2票、[[エピファネイア]]1票<ref name="優駿-2015-2-60" />。}}、[[JRA賞最優秀短距離馬|最優秀短距離馬]]部門でも32票を獲得したが、193票の[[スノードラゴン]]と34票の[[コパノリチャード]]に及ばず第3位{{Efn|以下、[[ミッキーアイル]]12票、該当馬なし12票、[[コパノリッキー]]2票<ref name="優駿-2015-2-60" />。}}だった<ref name="優駿-2015-2-60" />。

== 種牡馬時代 ==


=== 供用 ===
[[File:Just-A-Way Yasuda-Kinen 2014(IMG2).jpg|240px|thumb|2014年安田記念]]
競走馬引退後は、[[種牡馬]]として供用された。引退直後の2015年1月10日から北海道安平町の[[社台スタリオンステーション]]に繋養され<ref>『優駿』2015年2月号 154頁</ref>、父ハーツクライの目の前の馬房が割り当てられた<ref name="優駿-2015-2-153" />。供用に際しては、[[種牡馬#シンジケート|シンジケート]]が結成された<ref name="島田-セレクトセール">{{Cite web |title=1頭6億円のセリ値がつくご時勢。1000万円台で10億稼いだ孝行馬は?(島田明宏) |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/828560?page=4 |website=Number Web - ナンバー |access-date=2023-08-30 |language=ja}}</ref>。シンジケートの総額は、公表はされていないが、[[島田明宏]]によれば「10億、20億といった単位の金<ref name="島田-セレクトセール" />」が動いたという。初年度の種付け料は350万円に設定され、種付け権利はすぐに売り切れていた<ref>{{Cite web |title=種牡馬ジャスタお披露目!今シーズンはすでに満口 |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150211/etc15021105020001-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2015-02-11 |access-date=2023-08-30 |language=ja-JP}}</ref><ref>{{Cite web |title=ジャスタウェイ引退式 種付け料は350万円に |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150105/ope15010505020002-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2015-01-05 |access-date=2023-08-30 |language=ja-JP}}</ref>。
安田記念では、騎乗予定であった福永の騎乗停止により鞍上に4歳時の毎日王冠以来の騎乗となる[[柴田善臣]]を迎えた<ref name="netkeiba87613">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87613 |title= ジャスタウェイ、安田記念の鞍上は柴田善臣騎手に |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。不良馬場で行われたレースでは、直線先に抜けだした[[グランプリボス]]とのたたき合いをゴール前でしぶとく差し切って3度目のGIを制した<ref name="netkeiba87796">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87796 |title= ジャスタウェイが差し切り、宝塚記念は「馬の様子を見てから」/安田記念 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。須貝は安田記念初勝利<ref>{{Cite web|url= https://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKA0179_Y4A600C1000000/ |title= 安田記念、ジャスタウェイV 重賞4連勝 |publisher=日本経済新聞|website=r.nikkei.com|date=2014-06-08|accessdate=2019-12-05}}</ref>、柴田にとっては1993年の[[ヤマニンゼファー]]以来となる安田記念優勝となり<ref>{{Cite web|url= http://race.sanspo.com/smp/keiba/news/20140608/ope14060815560007-s.html |title= 【安田記念】ジャスタウェイ世界一の力示すV! |publisher=サンスポZBAT!|website=race.sanspo.com|date=2014-06-08|accessdate=2019-12-05}}</ref>、柴田は「何度かこの馬場に脚を取られて、もう諦めても仕方ないくらいにバランスを崩したところもあった。でも、ジャスタウェイは諦めないで最後まで前の馬を抜かしてやろうという気持ちで走っていた。さすが、世界一の馬だなと思いましたね」とコメント<ref name="sportsnavi">[https://sports.yahoo.co.jp/m/column/detail/201406080008-spnavi 9cmVに見たジャスタウェイ世界一の凄み 凱旋門賞が射程に入る大きな一歩に(1/2)][https://sports.yahoo.co.jp/m/column/detail/201406080008-spnavi?p=2&from=other (2/2)]スポーツナビ 2014年6月8日閲覧。</ref>。須貝も残り100メートルを切った時もグランプリボスが先頭だったため「最後は間に合わないんじゃないかと思いましたね」 とのことだが、どんな馬場であれ負けるわけにはいかなかった、とし「ジャスタウェイは凄いなと思いました。それも内から差したわけですから。褒めてあげたいです」 とコメントした<ref name="sportsnavi"/>。


初年度となる2015年は220頭と交配し、2年目からは100頭台に落ち込んだが、5年目となる2019年は盛り返して214頭と交配した<ref name="JBIS-種牡馬成績" />。しかし翌6年目となる2020年、三桁を割る86頭に落ち込み、この年の秋に社台スタリオンステーションを追われた<ref name="東スポ-産駒活躍">{{Cite web |title=【ホープフルS・血統値】〝豊作世代〟ジャスタウェイ産駒が4頭出し 凋落気味の父に〝親孝行〟の走りを |url=https://tospo-keiba.jp/family-line/25448 |website=東スポ競馬 |date=2022-12-27 |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。2021年からは、[[日高町 (北海道)|日高町]]の[[ブリーダーズ・スタリオン・ステーション]]で供用されるようになり<ref name="ふるさと-ブリーダーズ">{{Cite web |title=ジャスタウェイがブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動 |url=https://uma-furusato.com/news/104251.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-31}}</ref>、日高では、年間約60頭との交配に留まっている<ref name="東スポ-産駒活躍" />。
安田記念の後、陣営は改めて宝塚記念をステップに凱旋門賞挑戦の意欲を示した<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/09/kiji/K20140609008328960.html 【安田記念】ジャスタウェイ 世界の脚でV!凱旋門参戦も表明] - 2014年6月9日「スポーツニッポン」</ref>。しかし、レース後の疲労が激しかったことから、ファン投票で4位に支持されていた宝塚記念への出走は回避することとなった<ref name="netkeiba87848">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87848 |title= 宝塚回避のジャスタウェイ須貝師「申し訳ないですが今回は回避させてもらいます」 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref><ref name="netkeiba87864">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87864 |title= 【宝塚記念】~ファン投票最終結果発表、ゴールドシップが1位 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。


=== 産駒の活躍 ===
宝塚記念出走回避後の7月23日、同厩ゴールドシップとともに凱旋門賞への遠征が正式に発表され、鞍上は福永、前哨戦を使わず凱旋門賞へ直行することとなった<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20140723/ove14072309280001-n1.html ゴールド、ジャスタが凱旋門賞挑戦決定!]予想王TV@SANSPO.COM 2014年7月23日</ref>。レースは後方4番手で進んだが最後伸びず、連覇した[[トレヴ]]の8着に敗れた<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/06/kiji/K20141006009055970.html 【凱旋門賞】須貝師 最強2頭出しも無念「また挑戦したい」]スポニチアネックス 2014年10月6日</ref><ref name="netkeiba91320">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=91320 |title= 凱旋門賞の結果とレース後のコメント |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。帰国初戦となったジャパンカップでは、最後の100メートルで脚を鈍らせ、優勝した[[エピファネイア]]から4馬身離された2着に敗れた<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/11/30/kiji/K20141130009379040.html 【ジャパンC】ジャスタウェイ「鈍って」2着、ハープは…]スポニチアネックス 2014年11月30日</ref><ref>{{Cite web|url=https://race.sanspo.com/smp/keiba/news/20141130/ope14113016040008-s.html|title=【ジャパンC】エピファネイアが4馬身差で圧勝!|publisher=サンスポZBAT!|website=race.sanspo.com|date=2014-11-30|accessdate=2019-12-06}}</ref>。そして、続く有馬記念を最後に現役を引退すると発表された<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/05/kiji/K20141205009404350.html ジャスタウェイ有馬記念で引退 鞍上は福永祐一]スポニチアネックス 2014年12月5日</ref>。有馬記念は4コーナー12番手から鋭く伸びたがジェンティルドンナの4着に終わった<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/29/kiji/K20141229009538080.html 【有馬記念】ジャスタウェイ 世界1位の底力、最速上がりで4着]スポーツニッポン 2015年1月4日閲覧</ref>。
[[ファイル:Velox Maiden 2018.jpg|サムネイル|[[ヴェロックス]]]]
産駒は、2018年から競走馬として走っている。初年度産駒は続々勝ち上がり、ファーストシーズンサイアーチャンピオン、2018年デビューの新種牡馬で一番の活躍を果たしていた<ref name="ふるさと-ブリーダーズ" />。初年度産駒のなかでも須貝と榎本が手掛ける[[アドマイヤジャスタ]]は、同年の[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]](GI)で2着、[[中内田充正]]厩舎の[[ヴェロックス]]は、翌2019年の[[若葉ステークス]](L)優勝するなどして、2019年クラシック戦線に加わっていた<ref>{{Cite web |title=【若葉S】1番人気ヴェロックスが楽々抜け出し皐月TRを快勝! |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20190316/pog19031615420007-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2019-03-16 |access-date=2023-08-31 |language=ja-JP}}</ref>。特にヴェロックスはクラシック三冠競走すべてで善戦、[[皐月賞]]2着、[[東京優駿]]および[[菊花賞]]3着となった<ref>{{Cite web |title=19年皐月賞2着のヴェロックスが競走馬登録を抹消 3冠路線で活躍 |url=https://umatoku.hochi.co.jp/articles/20220630-OHT1T51231.html |website=UMATOKU {{!}} 馬トク - スポーツ報知' |date=2022-06-30JST21:33:00+0900 |access-date=2023-08-31 |language=ja-JP}}</ref>。
[[ファイル:Master Fencer Nagoya Grand Prix2020(IMG1).jpg|サムネイル|[[マスターフェンサー]]]]
また芝だけに留まらずダート、[[角田晃一]]厩舎の[[マスターフェンサー]](母父:[[デピュティミニスター]])は、日本を飛び出して[[アメリカクラシック三冠|アメリカのクラシック競走]]に参戦していた<ref name="ふるさと-マスターフェンサー">{{Cite web |title=マスターフェンサーがイーストスタッドにスタッドイン |url=https://uma-furusato.com/news/entry-60430.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-31}}</ref>。2019年、日本生産馬として史上初めてとなる[[ケンタッキーダービー]](G1)参戦を果たして6着、[[ベルモントステークス]](G1)にも臨み5着となった<ref name="ふるさと-マスターフェンサー" />。


クラシックタイトルこそ逃した初年度産駒だったが、その後も続々活躍し、重賞タイトルにありついた産駒も多数存在した。クラシック終結直後の2019年秋に、[[ロードマイウェイ]]が[[チャレンジカップ (中央競馬)|チャレンジカップ]](GIII)を優勝し、産駒として初めて重賞優勝を成し遂げていた<ref name="ふるさと-ブリーダーズ" />。翌2020年春には[[アウィルアウェイ]]が[[シルクロードステークス]](GIII)を、夏にはアドマイヤジャスタが[[函館記念]](GIII)を優勝<ref name="ふるさと-ブリーダーズ" />。帰国したマスターフェンサーも[[ダートグレード競走]]を多数優勝していた<ref name="ふるさと-ブリーダーズ" />。さらに2021年秋には、[[テオレーマ]](母父:[[シーザスターズ]])が[[金沢競馬場]]で行われた[[JBCレディスクラシック]](JpnI)を優勝<ref name="村本-産駒活躍">{{Cite web |title=年齢を重ねながら強く…ジャスタウェイ産駒のオールマイティーな活躍が注目されている【村本浩平コラム】:中日スポーツ・東京中日スポーツ |url=https://www.chunichi.co.jp/article/410780 |website=中日スポーツ・東京中日スポーツ |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。初年度産駒からGI級競走優勝産駒を送り出すことに成功している<ref name="村本-産駒活躍" />。
[[File:Retirement ceremony of Just-A-Way IMG 9017 20150104.jpg|240px|thumb|引退式(2015年1月4日)]]
[[ファイル:Teorema February Stakes 2022.jpg|サムネイル|[[テオレーマ]]]]
2015年1月4日、京都競馬場で引退式が行われた。1月7日付けで競走馬登録を抹消され、北海道[[勇払郡]][[安平町]]の[[社台スタリオンステーション]]で[[種牡馬]]となった<ref>{{Cite web|url=https://race.sanspo.com/smp/keiba/news/20150104/ope15010417590010-s.html|title=ジャスタウェイが京都で引退式 ファンに別れ|publisher=サンスポZBAT!|website=race.sanspo.com|date=2015-01-04|accessdate=2019-12-06}}</ref>。
重賞優勝産駒は初年度産駒に留まらず、複数世代に及んでいる。特に2018年産、3年目産駒の[[ダノンザキッド]](母父:[[ダンシリ]])は、2020年の[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]](GI)を優勝し、同年の[[JRA賞最優秀2歳牡馬]]を受賞<ref>{{Cite web |title=無敗のG1馬ダノンザキッドが受賞/最優秀2歳牡馬|極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=202101060000412&year=2021&month=01&day=06 |website=p.nikkansports.com |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。産駒として初めてとなるJRAGI優勝を成し遂げ、[[JRA賞]]受賞までを成し遂げている<ref>{{Cite web |title=【ホープフルS】川田涙の師弟V!ダノンザキッドが無敗でGI初制覇 |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20201227/pog20122704520001-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2020-12-27 |access-date=2023-08-31 |language=ja-JP}}</ref>。
[[ファイル:Danon the Kid Satsuki Sho2021.jpg|サムネイル|[[ダノンザキッド]]]]
ダノンザキッドは、その後も長く活躍し、翌2021年皐月賞(GI)では[[エフフォーリア]]を上回る1番人気の支持を集めたり<ref>{{Cite web |title=【皐月賞】ダノンザキッドまさか15着 川田「能力を出せずに終わってしまった」 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2021/04/19/kiji/20210419s00004000003000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>、同年のマイルチャンピオンシップ(GI)では[[グランアレグリア]]や[[シュネルマイスター]]に次ぐ3着となったりした<ref>{{Cite web |title=【マイルCS】ダノンザキッド3着 川田騎手「素晴らしい、来年が楽しみ」|極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=202111220000131&year=2021&month=11&day=22 |website=p.nikkansports.com |access-date=2023-08-31 |language=ja}}</ref>。さらに2022年も重賞戦線で活躍し、秋のマイルチャンピオンシップでは[[セリフォス (競走馬)|セリフォス]]に次ぐ2着<ref>{{Cite web |title=【マイルCS】8番人気ダノンザキッドが2着 「GI復帰戦」の北村友一騎手「2着の結果だけが残念」 |url=https://hochi.news/articles/20221120-OHT1T51159.html?page=1 |website=スポーツ報知 |date=2022-11-20 |access-date=2023-08-31}}</ref>、暮れの[[香港カップ]](G1)では[[ロマンチックウォリアー (競走馬)|ロマンチックウォリアー]]に次ぐ2着<ref>{{Cite web |title=ダノンザキッドが2着──香港カップ |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/75098 |website=競馬ブック |access-date=2023-08-31}}</ref>。さらにさらに2023年の[[大阪杯]](GI)では、[[ジャックドール]]や[[スターズオンアース]]に次ぐ3着となっている<ref>{{Cite web |title=【大阪杯】10番人気ダノンザキッドが鼻、首差のタイム差なし3着 横山和生騎手「悔しいです」 |url=https://umatoku.hochi.co.jp/articles/20230402-OHT1T51195.html |website=UMATOKU {{!}} 馬トク - スポーツ報知' |date=2023-04-02JST16:49:00+0900 |access-date=2023-08-31 |language=ja-JP}}</ref>。


== 競走成績 ==
== 競走成績 ==
以下の内容は、[[netkeiba.com|netkeiba]]<ref>{{Cite web |title=ジャスタウェイ (Just a Way)の競走成績|url=https://db.netkeiba.com/horse/result/2009106461/ |website=netkeiba.com |access-date=2023-08-09 |language=ja}}</ref>並びにJBISサーチ<ref>{{Cite web |title=競走成績:全競走成績|ジャスタウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/record/?sort=ymd&page=1&order=A |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>、『[[優駿]]』2015年2月号<ref>『優駿』2015年2月号 19頁</ref>の情報に基づく。
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
! 競走日 !! nowrap="nowrap" | 競馬場 !! 競走名 !! 格 !! 距離(馬場) !! 頭<br />数 !! 枠<br />番 !! 馬<br />番 !! オッズ<br />(人気) !! 着順 !! タイム<br />(上り3F) !! 着差 !! 騎手 !! 斤量 !! 1着馬(2着馬)
|競走日
|競馬場
|競走名
|格
|距離<br/>(馬場)
|頭<br/>数
|枠<br/>番
|馬<br/>番
|オッズ<br/>(人気)
|着順
|タイム<br/>(上り3F)
|着差
|騎手
|斤量<br/>[kg]
|1着馬<br/>(2着馬)
|馬体重<br/>[kg]
|-
|-
| [[2011年|2011.]][[7月23日|{{0}}7.23]]
|[[2011年|2011.]][[7月23日|{{0}}7.23]]
| [[新潟競馬場|新潟]]
|[[新潟競馬場|新潟]]
| [[新馬|2歳新馬]]
|[[新馬|2歳新馬]]
|
|
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
| 16
|16
| 7
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| 14
|14
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| -0.8
| -0.8
| [[福永祐一]]
|[[福永祐一]]
|54
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|(ラパージュ)
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|-
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|新潟
| [[新潟2歳ステークス|新潟2歳S]]
|[[新潟2歳ステークス|新潟2歳S]]
| GIII
|GIII
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|芝1600m(良)
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| 福永祐一
|福永祐一
|54
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|モンストール
|490
|-
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| [[東京競馬場|東京]]
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| [[東京スポーツ杯2歳ステークス|東スポ杯2歳S]]
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| GIII
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| 芝1800m(不)
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| 15
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|55
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| [[京都競馬場|京都]]
|[[京都競馬場|京都]]
| [[きさらぎ賞]]
|[[きさらぎ賞]]
| GIII
|GIII
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
| 13
|13
| 6
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|-
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|[[阪神競馬場|阪神]]
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|[[アーリントンカップ|アーリントンC]]
| GIII
|GIII
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|芝1600m(良)
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|福永祐一
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|(オリービン)
|482
|-
|-
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| 東京
|東京
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|[[NHKマイルカップ|NHKマイルC]]
| GI
|GI
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|芝1600m(良)
| 18
|18
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|7
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|14
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|{{0}}10.0({{0}}4人)
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|{{0}}6着
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| 福永祐一
|福永祐一
|57
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| [[カレンブラックヒル]]
|[[カレンブラックヒル]]
|474
|-
|-
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|{{0|0000.}}[[5月27日|{{0}}5.27]]
| 東京
|東京
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|[[東京優駿]]
| GI
|GI
| 芝2400m(良)
|芝2400m(良)
| 18
|18
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|7
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|14
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|112.9(15人)
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|秋山真一郎
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| 57kg
| ディープブリランテ
|ディープブリランテ
|482
|-
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|{{0|0000.}}[[10月7日|10.{{0}}7]]
| 東京
|東京
| [[毎日王冠]]
|[[毎日王冠]]
| GII
|GII
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
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|16
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|4
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|7
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|{{0}}61.6(12人)
| {{color|darkblue|{{0}}2着}}
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| [[柴田善臣]]
|[[柴田善臣]]
|54
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|カレンブラックヒル
|490
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|-
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|{{0|0000.}}[[10月28日|10.28]]
| 東京
|東京
| [[天皇賞(秋)]]
|[[天皇賞(秋)]]
| GI
|GI
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 18
|18
| 6
|6
| 11
|11
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|{{0}}28.3({{0}}8人)
| {{0}}6着
|{{0}}6着
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| {{0|-}}0.5
|{{0|-}}0.5
| [[内田博幸]]
|[[内田博幸]]
|56
| 56kg
| [[エイシンフラッシュ]]
|[[エイシンフラッシュ]]
|486
|-
|-
| [[2013年|2013.]][[1月5日|{{0}}1.{{0}}5]]
|[[2013年|2013.]][[1月5日|{{0}}1.{{0}}5]]
| [[中山競馬場|中山]]
|[[中山競馬場|中山]]
| [[中山金杯]]
|[[中山金杯]]
| GIII
|GIII
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 16
|16
| 5
|5
| 9
|9
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| {{color|darkgreen|{{0}}3着}}
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| 内田博幸
|内田博幸
| 56.5kg
|56.5
| [[タッチミーノット]]
|[[タッチミーノット]]
|486
|-
|-
| {{0|0000.}}[[2月10日|{{0}}2.10]]
|{{0|0000.}}[[2月10日|{{0}}2.10]]
| 京都
|京都
| [[京都記念]]
|[[京都記念]]
| GII
|GII
| 芝2200m(良)
|芝2200m(良)
| 11
|11
| 4
|4
| 4
|4
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| {{0}}5着
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| {{0|-}}0.7
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| 内田博幸
|内田博幸
|55
| 55kg
| [[トーセンラー]]
|[[トーセンラー]]
|490
|-
|-
| {{0|0000.}}[[3月9日|{{0}}3.{{0}}9]]
|{{0|0000.}}[[3月9日|{{0}}3.{{0}}9]]
| [[中京競馬場|中京]]
|[[中京競馬場|中京]]
| [[中日新聞杯]]
|[[中日新聞杯]]
| GIII
|GIII
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 18
|18
| 5
|5
| 9
|9
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| {{0|-}}0.7
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| [[ダリオ・バルジュー|D.バルジュー]]
|[[ダリオ・バルジュー|D.バルジュー]]
|57
| 57kg
| [[サトノアポロ]]
|[[サトノアポロ]]
|486
|-
|-
| {{0|0000.}}[[6月9日|{{0}}6.{{0}}9]]
|{{0|0000.}}[[6月9日|{{0}}6.{{0}}9]]
| 東京
|東京
| [[エプソムカップ|エプソムC]]
|[[エプソムカップ|エプソムC]]
| GIII
|GIII
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
| 14
|14
| 8
|8
| 13
|13
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| {{color|darkblue|{{0}}2着}}
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| 福永祐一
|福永祐一
|56
| 56kg
| [[クラレント]]
|[[クラレント]]
|496
|-
|-
| {{0|0000.}}[[8月11日|{{0}}8.11]]
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| 新潟
|新潟
| [[関屋記念]]
|[[関屋記念]]
| GIII
|GIII
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
| 18
|18
| 8
|8
| 16
|16
| {{0|00}}2.8({{0}}1人)
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|{{0|-}}0.2
| 福永祐一
|福永祐一
|56
| 56kg
| [[レッドスパーダ]]
|[[レッドスパーダ]]
|506
|-
|-
| {{0|0000.}}[[10月6日|10.{{0}}6]]
|{{0|0000.}}[[10月6日|10.{{0}}6]]
| 東京
|東京
| 毎日王冠
|毎日王冠
| GII
|GII
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|芝1800m(良)
| 11
|11
| 8
|8
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|10
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| 柴田善臣
|柴田善臣
|56
| 56kg
| エイシンフラッシュ
|エイシンフラッシュ
|498
|-
|-
| {{0|0000.}}[[10月27日|10.27]]
|{{0|0000.}}[[10月27日|10.27]]
| 東京
|東京
| 天皇賞(秋)
|天皇賞(秋)
| GI
|GI
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
| 17
|17
| 4
|4
| 7
|7
| {{0}}15.5({{0}}5人)
|{{0}}15.5({{0}}5人)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
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| -0.7
| -0.7
| 福永祐一
|福永祐一
|58
| 58kg
| ([[ジェンティルドンナ]])
|([[ジェンティルドンナ]])
|496
|-
|-
| [[2014年|2014.]][[3月2日|{{0}}3.{{0}}2]]
|[[2014年|2014.]][[3月2日|{{0}}3.{{0}}2]]
| 中山
|中山
| [[中山記念]]
|[[中山記念]]
| GII
|GII
| 芝1800m(稍)
|芝1800m(稍)
| 15
|15
| 3
|3
| 4
|4
| {{0|00}}5.3({{0}}2人)
|{{0|00}}5.3({{0}}2人)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
|{{color|darkred|{{0}}1着}}
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|{{0|R}}1:49.8{{0}}(36.6)
| -0.6
| -0.6
| [[横山典弘]]
|[[横山典弘]]
|58
| 58kg
| ([[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]])
|([[アルキメデス (競走馬)|アルキメデス]])
|502
|-
|-
| {{0|0000.}}[[3月29日|{{0}}3.29]]
|{{0|0000.}}[[3月29日|{{0}}3.29]]
| [[メイダン競馬場|メイダン]]
|[[メイダン競馬場|メイダン]]
| [[ドバイターフ|ドバイDF]]
|[[ドバイターフ|ドバイDF]]
| G1
|G1
| 芝1800m(Gd)
|芝1800m(Gd)
| 13
|13
|
|
| 2
|2
|
| (発売なし)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
|{{color|darkred|{{0}}1着}}
|{{color|darkred|R1:45.52}}
| {{color|darkred|R1:45.52}}{{0}}(34.31)<ref>{{Cite news|url= http://tnetwork.trakus.com/tnet/t_MeydanA.aspx |title= Meydan Race 7 Dubai Duty Free Sponsored By Dubai Duty Free |publisher= tnetwork.trakus.com |date=2014-03-29|accessdate=2023-02-23}}</ref>
|
| -1.06 <ref>{{Cite news|url= http://tnetwork.trakus.com/tnet/t_Sectional.aspx?OtherInfo=MEY&EventID=57580 |title= Sectional Timing 03/29/2014 - Meydan Race 7 |publisher= tnetwork.trakus.com |date=2014-03-29|accessdate=2023-02-23}}</ref>
| 福永祐一
|福永祐一
|57
| 57kg
|(Vercingetorix)
| ([[Vercingetorix]])
|計不
|-
|-
| {{0|0000.}}[[6月8日|{{0}}6.{{0}}8]]
|{{0|0000.}}[[6月8日|{{0}}6.{{0}}8]]
| 東京
|東京
| [[安田記念]]
|[[安田記念]]
| GI
|GI
| 芝1600m(不)
|芝1600m(不)
| 17
|17
| 5
|5
| 10
|10
| {{0|00}}1.7({{0}}1人)
|{{0|00}}1.7({{0}}1人)
| {{color|darkred|{{0}}1着}}
|{{color|darkred|{{0}}1着}}
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|{{0|R}}1:36.8{{0}}(37.1)
| -0.0
| -0.0
| 柴田善臣
|柴田善臣
|58
| 58kg
| ([[グランプリボス]])
|([[グランプリボス]])
|498
|-
|-
| {{0|0000.}}[[10月5日|10.{{0}}5]]
|{{0|0000.}}[[10月5日|10.{{0}}5]]
| [[パリロンシャン競馬場|ロンシャン]]
|[[パリロンシャン競馬場|ロンシャン]]
| [[凱旋門賞]]
|[[凱旋門賞]]
| G1
|G1
| 芝2400m(Gd)
|芝2400m(Gd)
| 20
|20
| 14
|14
| 7
|7
|
|
| {{0}}8着
|{{0}}8着
|
|
|
|
| 福永祐一
|福永祐一
| 59.5kg
|59.5
| [[トレヴ|Treve]]
|[[トレヴ|Treve]]
|計不
|-
|-
| {{0|0000.}}[[11月30日|11.30]]
|{{0|0000.}}[[11月30日|11.30]]
| 東京
|東京
| [[ジャパンカップ|ジャパンC]]
|[[ジャパンカップ|ジャパンC]]
| GI
|GI
| 芝2400m(良)
|芝2400m(良)
| 18
|18
| 1
|1
| 1
|1
| {{0|00}}6.7({{0}}3人)
|{{0|00}}6.7({{0}}3人)
| {{color|darkblue|{{0}}2着}}
|{{color|darkblue|{{0}}2着}}
| {{0|R}}2:23.8{{0}}(35.1)
|{{0|R}}2:23.8{{0}}(35.1)
| {{0|-}}0.7
|{{0|-}}0.7
| 福永祐一
|福永祐一
|57
| 57kg
| [[エピファネイア]]
|[[エピファネイア]]
|498
|-
|-
| {{0|0000.}}[[12月28日|12.28]]
|{{0|0000.}}[[12月28日|12.28]]
| 中山
|中山
| [[有馬記念]]
|[[有馬記念]]
| GI
|GI
| 芝2500m(良)
|芝2500m(良)
| 16
|16
| 8
|8
| 15
|15
| {{0|00}}4.6({{0}}3人)
|{{0|00}}4.6({{0}}3人)
| {{0}}4着
|{{0}}4着
| {{0|R}}2:35.5{{0}}(33.4)
|{{0|R}}2:35.5{{0}}(33.4)
| {{0|-}}0.2
|{{0|-}}0.2
| 福永祐一
|福永祐一
|57
| 57kg
| ジェンティルドンナ
|ジェンティルドンナ
|504
|}
|}

*馬場状態:Gd=Good
*馬場状態:Gd=Good
*タイム欄の{{Color|darkred|R}}はレコード勝ちを示す
*タイム欄の{{Color|darkred|R}}はレコード勝ちを示す


== 種牡馬時代 ==
== 種牡馬成績 ==
同年2月に社台スタリオンステーションで行われた社台スタリオンパレード2015では同じくスタッドインした[[ベルシャザール (競走馬)|ベルシャザール]]らと共にお披露目された<ref>{{Cite news|url= https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/02/11/kiji/K20150211009788330.html |title= ジャスタ 父でも世界一へ!種牡馬初年度は約130頭と交配予定 |publisher=Sponichi Annex|date=2015-02-11|accessdate=2020-01-17}}</ref>。初年度の種付料は350万円であったがすぐさま満口となり<ref name="netkeiba95548">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=95548 |title= 社台SSの種牡馬展示会でジャスタウェイなどお披露目 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>、初年度から220頭の繁殖牝馬との種付けを行った<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/sire/generation/thorough_s/|title=ジャスタウェイ 種牡馬情報:世代・年度別|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-06}}</ref>。2016年のセレクトセールには、さっそく当歳馬19頭が上場し、1頭目に上場されたレイズアンドコールの16(カリボール)を大和屋が4700万円で落札<ref name="netkeiba112026">{{Cite web|url= http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=112026 |title= 大和屋暁氏 ジャスタウェイ初産駒“即買い” |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |language=日本語|accessdate=2018-01-10}}</ref>。その他、[[コーフィールドカップ]]優勝馬[[アドマイヤラクティ]]の半弟にあたるアドマイヤテレサの16(アドマイヤジャスタ)を[[近藤利一]]が1億4000万円で落札し、これがセールに出場した19頭中最高額となった<ref name="netkeiba112026"/>。


=== 年度別成績 ===
2018年より初年度産駒がデビューし、その中からアドマイヤジャスタ、[[ヴェロックス]]が翌年の[[中央競馬クラシック三冠|クラシック競走]]に出走。ヴェロックスはクラシック3戦全てに出走し勝利は果たせなかったものの、[[皐月賞]]で2着、日本ダービー・[[菊花賞]]で3着と3戦全てにおいて馬券圏を外さなかった<ref>{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0001221719/record/ |title= 競走成績:全競走成績|ヴェロックス|JBISサーチ |work=JBISサーチ|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2020-01-11}}</ref>。同じく初年度産駒の[[マスターフェンサー]]はアメリカに遠征し、[[ケンタッキーダービー]]6着<ref>{{Cite web|title=【ケンタッキーダービー】マスターフェンサー健闘6着 1位入線馬降着で大波乱に {{!}} 競馬ニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=154677|website=netkeiba.com|accessdate=2019-11-30|language=ja}}</ref>、[[ベルモントステークス]]5着<ref>{{Cite web|title=【米・ベルモントS】サーウィンストンがV 日本のマスターフェンサーは5着/海外競馬レース結果 {{!}} 競馬ニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=156106|website=netkeiba.com|accessdate=2019-11-30|language=ja}}</ref>の成績を残した。
以下の内容は、JBISサーチの情報に基づく<ref name="JBIS-種牡馬成績">{{Cite web |title=種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)|ジャスタウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/sire/generation/thorough_s/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>。
{| class="wikitable"
!種付年度
!種付頭数
!生産頭数
!血統登録頭数
!出走頭数
!勝馬頭数
!重賞勝馬頭数
![[アーニングインデックス|AEI]]
![[コンパラブルインデックス|CPI]]
|-
!2015
|220
|138
|138
|123
|89
|5
|1.44
|
|-
!2016
|151
|106
|106
|95
|71
|2
|0.89
|
|-
!2017
|121
|78
|75
|62
|41
|1
|1.25
|
|-
!2018
|151
|99
|97
|87
|49
|0
|0.80
|
|-
!2019
|214
|140
|138
|116
|52
|2
|1.10
|
|-
!2020
|86
|62
|60
|17
|3
|-
|1.07
|
|-
!2021
|61
|38
|38
|0
|-
|-
|-
|
|-
!2022
|67
|0
|0
|0
|-
|-
|-
|
|-
! colspan="3" |合計
|652
|500
|305
|10
|1.14
|1.82
|}


* 出走頭数、勝馬頭数、[[アーニングインデックス]]、[[コンパラブルインデックス]]は、[[平地競走]]に限る。
2019年11月30日に[[ロードマイウェイ]]が[[チャレンジカップ (中央競馬)|チャレンジカップ]]を制し、産駒の重賞初制覇<ref>{{Cite web|title=【チャレンジC】ロードマイウェイが差し切り、5連勝で重賞初V!/JRAレース結果 {{!}} 競馬ニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=163973|website=netkeiba.com|accessdate=2019-11-30|language=ja}}</ref>。
* 情報は、2023年8月7日時点。


=== 重賞優勝産駒一覧 ===
2020年11月27日に[[ブリーダーズ・スタリオン・ステーション]]に移動、種牡馬として繋養されることになった<ref>{{Cite web|title=ジャスタウェイがブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動|url=https://uma-furusato.com/news/104251.html|website=競走馬のふるさと案内所|accessdate=2021-12-23|language=ja}}</ref>。
=== 主な産駒 ===
'''太字'''は勝利したGI・JpnI競走


==== グレード制重賞優勝 ====
==== GI級競走優勝産駒 ====
GI級競走は、'''太字強調'''にて示す。
* 2016年産
** [[テオレーマ]](牝、母父:[[シーザスターズ]](2021年[[マリーンカップ]]、'''[[JBCレディスクラシック]]'''、2022年[[TCK女王盃]])<ref>{{Cite web |title=テオレーマ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001222999/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>
* 2018年産
** [[ダノンザキッド]](牡、母父:[[ダンシリ]](2020年[[東京スポーツ杯2歳ステークス]]、'''[[ホープフルステークス_(中央競馬)|ホープフルステークス]]''')<ref>{{Cite web |title=ダノンザキッド|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001269426/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>
==== 重賞優勝産駒 ====
地方競馬独自の格付けは、[[アスタリスク]]を充てる。
*2016年産
*2016年産
**[[アドマイヤジャスタ]](2020年[[函館記念]])
**[[アドマイヤジャスタ]](牡、母父:[[エリシオ]](2020年[[函館記念]])<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
**[[ロードマイウェイ]](2019年[[チャレンジカップ_(中央競馬)|チャレンジカップ]])
**[[ロードマイウェイ]](牡、母父:[[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]](2019年[[チャレンジカップ_(中央競馬)|チャレンジカップ]])<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" />
**[[アウィルアウェイ]](2020年[[シルクロードステークス]])
**[[アウィルアウェイ]](牝、母父:[[キングカメハメハ]](2020年[[シルクロードステークス]])<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" />
**[[マスターフェンサー]](2020年[[マーキカップ]][[白山大賞典]]、[[名古屋グランプリ]]、2021年マーキュリーカップ)
**[[マスターフェンサー]](牡、母父:[[デピティミニスター]](2020年[[白山大賞典]]、[[名古屋グランプリ]]、2020-21[[マーキュリーカップ]]<ref>{{Cite web |title=マスターフェンサー|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001218470/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>
**[[テオレーマ]](2021年[[マリーンカップ]]、'''[[JBCレディスクラシック]]'''、2022年[[TCK女王盃]])
*2017年産
*2017年産
**[[エーポス]](2020年[[フィリーズレビュー]])
**[[エーポス]](牝、母父:[[スマートストライク]](2020年[[フィリーズレビュー]])<ref name="JBIS-エーポス" />
**[[ヴェルテックス]](2021年[[名古屋グランプリ]])
**[[ヴェルテックス]](牡、母父:[[サクラバクシンオー]](2021年[[名古屋グランプリ]])<ref>{{Cite web |title=ヴェルテックス|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001229637/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-07}}</ref>
*2018年産
**[[ダノンザキッド]](2020年'''[[ホープフルステークス_(中央競馬)|ホープフルステークス]]'''、[[東京スポーツ杯2歳ステークス]])
*2020年産
*2020年産
**[[ガストリック]](2022年東京スポーツ杯2歳ステークス)<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001323979/|title=ガストリック|accessdate=2022-11-19|website=JBISサーチ}}</ref>
**[[ガストリック]](牡、母父:[[カーリン]](2022年東京スポーツ杯2歳ステークス)<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001323979/|title=ガストリック|accessdate=2022-11-19|website=JBISサーチ}}</ref>
**ケープライト(牝、母父:[[アドマイヤコジーン]](2022年*[[若駒賞 (岩手競馬)|若駒賞]]、2023年*[[イーハトーブマイル]])<ref>{{Cite web |title=ケープライト |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001321526/ |website=www.jbis.or.jp |accessdate=2022-09-21}}</ref>


==== 地方重賞優勝馬 ====
==== ロードマイウェイ ====
{{競走馬簡易血統表
*2020年産
|name = ロードマイウェイ(欧字名:{{lang|en|Lord My Way}})
**ケープライト(2022年[[若駒賞 (岩手競馬)|若駒賞]]、2023年[[イーハトーブマイル]])<ref>{{Cite web|title=ケープライト|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001321526/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2022-09-21}}</ref>
|性別 = 牡<ref name="JBIS-ロードマイウェイ">{{Cite web |title=ロードマイウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001221060/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
|毛色 = [[鹿毛]]<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" />
|生年 = 2016年<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" />
|生地 = {{JPN}}([[北海道]][[新ひだか町]])<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" />
|生産者 = [[ケイアイファーム]]<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" />
|馬主 = {{small|([[株式会社|株]])[[ロードホースクラブ]]}}<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" />
|調教師 = [[杉山晴紀]]([[栗東トレーニングセンター|栗東]])ほか<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" />
|成績 = 29戦6勝<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" /><br/>2019年[[チャレンジカップ (中央競馬)|チャレンジカップ]](GIII)優勝<ref name="JBIS-ロードマイウェイ" /><br/>2019年[[ポートアイランドステークス|ポートアイランドS]](L)優勝
|inf =
|f = ジャスタウェイ<br/>2009 鹿毛
|m = フェリス<br/>2010 鹿毛
|ff = [[ハーツクライ]]
|fm = シビル
|mf = [[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]]
|mm = レディミューズ
|fff = *[[サンデーサイレンス]]
|ffm = [[アイリッシュダンス (競走馬)|アイリッシュダンス]]
|fmf = [[ワイルドアゲイン|Wild Again]]
|fmm = *{{仮リンク|シャロン (競走馬)|en|Charon (horse)|label=シャロン}}
|mff = *[[トニービン]]
|mfm = *ダンスチャーマー
|mmf = *[[ティンバーカントリー]]
|mmm = *[[シンコウラブリイ]]
|}}
[[ファイル:Lord My Way(JPN) IMG 8411-1 20191130.jpg|サムネイル|282x282ピクセル|2019年チャレンジカップ]]
'''ロードマイウェイ'''は、北海道新ひだか町の[[ケイアイファーム]]で生産された牡馬である。曾祖母は、1993年の[[マイルチャンピオンシップ]](GI)優勝の[[シンコウラブリイ]]、祖母は、2000年[[チューリップ賞]](GIII)2着、[[優駿牝馬]](GI)4着のレディミューズだった。牧場では、成長がゆっくりだったため、無理をさせないように時間をかけて育成されたという<ref>{{Cite web |title=2019年11月30日 チャレンジC GIII |url=https://uma-furusato.com/winner_info/100564.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-21}}</ref>。クラブ法人の[[ロードホースクラブ|株式会社ロードホースクラブ]]が所有し、[[栗東トレーニングセンター]]の[[杉山晴紀]]厩舎から競走馬デビューを果たした。


2歳となった2018年10月に競走馬としてデビュー、2戦目の未勝利戦(芝1800メートル)にて[[メイショウテンゲン]]や[[ノーワン]]を下して勝ち上がりを果たした<ref name="競馬ラボ-ロードマイウェイ-長岡S">{{Cite web |title=初のマイルもあっさり対応 ロードマイウェイが楽々押し切り3連勝!…長岡S|url=https://www.keibalab.jp/topics/38788/ |website=www.keibalab.jp |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。その後は4連敗したが、年をまたいで3歳の6月、東京競馬場芝1800メートルの国分寺特別(1勝クラス)で古馬を下して2勝目。まもなく参戦した同月末、同距離、同競馬場の八ヶ岳特別(2勝クラス)も優勝して連勝を果たした。続いて8月末の夏競馬に参戦。初めは[[新潟記念]](GIII)を希望したが除外され、代わりに長岡ステークス(3勝クラス)に参戦<ref name="スポニチ-ロードマイウェイ-長岡S">{{Cite web |title=【長岡S】4番人気ロードマイウェイが3連勝でオープン入り|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/08/31/kiji/20190831s00004048313000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。初めてのマイル挑戦だったが克服<ref name="競馬ラボ-ロードマイウェイ-長岡S" />。3番手から抜け出して優勝し、3連勝でオープンクラス昇格を果たした<ref name="競馬ラボ-ロードマイウェイ-長岡S" /><ref name="スポニチ-ロードマイウェイ-長岡S" />。
==== その他 ====
*2016年産
**[[ヴェロックス]](2019年皐月賞2着、東京優駿3着、神戸新聞杯2着、菊花賞3着)


そして9月末には、[[ポートアイランドステークス]](L)に1番人気で参戦<ref name="競馬ラボ-ロードマイウェイ-ポートIS">{{Cite web |title=この勢いは止まらない! ロードマイウェイが4連勝で重賞戦線へ…ポートアイランドS|url=https://www.keibalab.jp/topics/38897/ |website=www.keibalab.jp |access-date=2023-08-21 |language=ja}}</ref>。3番手の好位追走から直線半ばで抜け出し、追い込んできた2番人気[[サトノアーサー]]との競り合いとなったが、アタマ差先着<ref name="サンスポ-ポートIS">{{Cite web |title=【ポートアイランドS】ロードマイウェイがオープン初勝利 - サンスポZBAT!競馬 |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20190930/ope19093005020001-c.html |website=race.sanspo.com |access-date=2023-08-21}}</ref><ref name="競馬ラボ-ロードマイウェイ-ポートIS" />。4連勝で[[リステッド競走]]優勝を果たした<ref name="サンスポ-ポートIS" />。そして11月30日、[[チャレンジカップ (中央競馬)|チャレンジカップ]](GIII)に参戦。4連勝中の身で重賞初参戦となり、GI2着経験のある[[ギベオン]]に次ぐ2番人気に支持されていた<ref>{{Cite web |title=【チャレンジC】怒涛の5連勝!ロードマイウェイが外から鋭く伸びて重賞V!|url=https://www.keibalab.jp/topics/39073/ |website=www.keibalab.jp |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。スタートで出遅れて後方追走となったが、直線では外側に持ち出しながら追い上げた<ref name="報知-ロードマイウェイ-チャレンジC">{{Cite web |title=【チャレンジC】ロードマイウェイ5連勝!ルメールのエスコートで重賞初挑戦V決めた |url=https://umatoku.hochi.co.jp/articles/20191130-OHT1T50211.html |website=スポーツ報知 |date=2019-12-01 |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。息の長い末脚を発揮して先行する[[トリオンフ]]を差し切り優勝、重賞5連勝で重賞勝利を果たしていた<ref name="報知-ロードマイウェイ-チャレンジC" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=pidttP8csO0&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2020年 大阪杯(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}年をまたいで古馬となった2020年は、[[金鯱賞]](GII)で始動。連勝中の勢いで同期の皐月賞優勝馬[[サートゥルナーリア (競走馬)|サートゥルナーリア]]に挑み、2番人気に推されていたが、末脚不発で10着に敗退し、連勝ストップ<ref>{{Cite web |title=金鯱賞 2番人気ロードマイウェイ末脚不発で10着「ゲートでうるさくて出られない形に…残念な競馬」 |url=https://www.chunichi.co.jp/article/33760 |access-date=2023-08-23 |language=ja |publisher=中日スポーツ}}</ref>。この後は2020年から2022年まで、中央競馬のみならず地方競馬、[[南関東公営競馬|南関東競馬]]や[[岩手競馬]]に移籍しながら走り続けたが悉く敗退、5連勝が最後の勝利だった。この間は2020年[[大阪杯]]、2021年[[ジャパンカップ]]でGI参戦を果たしたり、芝のみならずダートのリステッド競走に臨んだりしていたが、いずれも振るわなかった<ref name="地方競馬-ロードマイウェイ">{{Cite web |title=地方競馬 データ情報 |url=https://www.keiba.go.jp/KeibaWeb/DataRoom/HorseMarkInfo?k_lineageLoginCode=30033408036 |website=www.keiba.go.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>。2022年11月22日付で地方競馬登録を抹消されて競走馬を引退した<ref name="地方競馬-ロードマイウェイ" />。通算成績29戦6勝。
== エピソード ==
{{競走馬成績|netkeiba=2016101163|yahoo=2016101163|jbis=0001221060|chihou=30033408036}}
*馬主である大和屋暁の代表作のアニメ『[[銀魂 (アニメ)|銀魂]]』に同名の馬が1位入線<ref group="注">優勝でないのは、『レース中に犯したインターフェアで降着を食らった』ためである。</ref>するというオリジナルエピソード(155話「裏の裏の裏は裏」)があるが、その内容は『'''右回り'''で行われたレースを、'''馬番13番'''で出走したジャスタウェイが'''道中最後方'''で貯めた脚を爆発させ'''大外からごぼう抜き'''』という、同馬が制したアーリントンカップの結果を予言したものであった。なお原作漫画版『[[銀魂]]』では、ジャスタウェイが天皇賞制覇した時期に始まった長編エピソード『魂入れ替わり篇』で、将軍賞を低人気で勝ち神楽たちのバイト代を紙くずにされた主人公坂田銀時が、一通りジャスタウェイをクサすという場面がある。


==== アウィルアウェイ ====
*競走馬時代の隣の馬房には[[ゴールドシップ]]がおり<ref>{{Cite web|url=https://smart.keibalab.jp/column/yamatoya/5/|title= 「祝・ベルラップ」大和屋暁のコラム「通暁暢達」|publisher=競馬ラボ|website=smart.keibalab.jp|date=2014-07-02|accessdate=2019-12-05}}</ref>、頻繁に併せ馬を行ったり<ref>{{Cite web|url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20140918/ove14091805030002-n1.html|title=ゴールド&ジャスタ、2週連続の豪華な併せ馬!|publisher=[[産業経済新聞社]]|website=サンケイスポーツ|date=2014-09-18|accessdate=2022-03-14}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.keibalab.jp/column/interview/701/|title= 【中山金杯】初笑いを飾りたいジャスタウェイ
{{競走馬簡易血統表
|publisher=競馬ラボ|date=2013-01-06|accessdate=2022-03-14}}</ref>するなど非常に仲が良かった事でも知られていた<ref>NumberPLUS「Number競馬ノンフィクション傑作選 名馬堂々。」([[Sports Graphic Number]]、[[文藝春秋]] 2021年10月 ISBN 978-4160082571)P94-P98.</ref>。
|name = アウィルアウェイ(欧字名:{{lang|en|A Will a Way}})
|性別 = 牝<ref name="JBIS-アウィルアウェイ">{{Cite web |title=アウィルアウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001218817/|website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
|毛色 = [[鹿毛]]<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" />
|生年 = 2016年<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" />
|生地 = {{JPN}}([[北海道]][[安平町]])<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" />
|生産者 = [[ノーザンファーム]]<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" />
|馬主 = [[吉田勝己]]<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" />
|調教師 = [[高野友和]]([[栗東トレーニングセンター|栗東]])ほか<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" />
|成績 = 21戦4勝<ref name="JBIS-アウィルアウェイ" /><br/>2020年[[シルクロードステークス|シルクロードS]](GIII)優勝<br/>2019年オパールS(L)優勝<br/>2018年[[京王杯2歳ステークス|京王杯2歳S]](GII)2着<br/>2020年[[スプリンターズステークス|スプリンターズS]](GI)3着ほか{{efn|2020年[[北九州記念]](GIII)3着<br/>2021年[[CBC賞]](GIII)3着<br/>2019年[[葵ステークス|葵S]](重賞)3着}}
|inf =
|f = ジャスタウェイ<br/>2009 鹿毛
|m = ウィルパワー<br/>2007 鹿毛
|ff = [[ハーツクライ]]
|fm = シビル
|mf = *[[キングカメハメハ]]
|mm = *[[トキオリアリティー]]
|fff = *[[サンデーサイレンス]]
|ffm = [[アイリッシュダンス (競走馬)|アイリッシュダンス]]
|fmf = [[ワイルドアゲイン|Wild Again]]
|fmm = *{{仮リンク|シャロン (競走馬)|en|Charon (horse)|label=シャロン}}
|mff = *[[キングマンボ|Kingmambo]]
|mfm = *[[マンファス]]
|mmf = Meadowlake
|mmm = What a Reality
|}}'''アウィルアウェイ'''は、北海道[[安平町]]の[[ノーザンファーム]]で生産された牝馬である。2019年[[安田記念]]と[[マイルチャンピオンシップ]]を優勝しこの年のマイルJRAGIを統一した[[インディチャンプ]](父:[[ステイゴールド]])の半妹だった<ref name="優駿-2020-4-2">『優駿』2020年4月号 Book in Book 2頁</ref>。[[ノーザンファーム空港牧場|ノーザンファーム空港]]で育成されていた。幼駒の頃から動きが良く、馬体も充実して強度の高い調教もこなすことができていた<ref>{{Cite web |title=2020年02月02日 シルクロードS GIII |url=https://uma-furusato.com/winner_info/101357.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-22}}</ref>。[[吉田勝己]]名義で所有しているが、実際は共有馬主をしており、その一因にジャスタウェイの馬主である大和屋暁も加わっていた<ref>{{Cite web |title=【オーナー直撃】大和屋暁氏「“一発屋”で終わりたくない」 |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20200309/etc20030905050007-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2020-03-10 |access-date=2023-08-27 |language=ja-JP}}</ref>。競走馬として栗東の[[高野友和]]厩舎からデビュー。2歳となった2018年夏、6月の新馬戦で初勝利を挙げ、8月の[[ダリア賞]](OP)も優勝して連勝した<ref>{{Cite web |title=【ダリア賞】アウィルアウェイ 無傷2連勝 Mデムーロ「強い。楽勝だった」|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2018/08/04/kiji/20180804s00004146227000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。続いて秋、11月の[[京王杯2歳ステークス]](GII)で重賞初参戦。1番人気に推されたが、スタート直後に挟まれる不利を受け、折り合いも苦労した<ref name="スポニチ-アウィルアウェイ-京王杯">{{Cite web |title=【京王杯2歳S】2着アウィルアウェイ2着 圧倒的な1番人気も重賞初Vならず|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2018/11/03/kiji/20181103s00004048303000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。それでも直線で追い上げ、先に抜け出していたファンタジストに接近して追い詰めていた<ref name="スポニチ-アウィルアウェイ-京王杯" />。しかしハナ差届かず2着に敗れた<ref name="スポニチ-アウィルアウェイ-京王杯" />。この後は[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]参戦を目指していたが、左前脚の[[球節]]部が腫れて回避し、放牧に出された<ref>{{Cite web |title=【フィリーズR展望】アウィルアウェイ勝って桜舞台へ |url=https://www.daily.co.jp/horse/2019/03/03/0012114840.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-22 |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。<br/>3歳、翌2019年は、トライアル競走の[[フィリーズレビュー]](GII)で始動し1番人気に推されるも7着敗退、続く[[桜花賞]](GI)にも参戦したが10着だった。その後は、スプリントに専念。専念3戦目となる秋のオパールステークス(L)を勝利、続く[[京阪杯]](GIII)は不利が響いて4着だった<ref name="優駿-2020-4-2" />。古馬となった2020年は、2月の[[シルクロードステークス]](GIII)で始動、[[レッドアンシェル]]や[[モズスーパーフレア]]という年上に次ぐ3番人気だった<ref name="優駿-2020-4-2" />。モズスーパーフレアが逃げる一方で、後方に構えて直線で末脚を発揮<ref name="優駿-2020-4-2" />。[[エイティーンガール]]や[[ナランフレグ]]とともに差し切り、共に追い上げた3頭の中でハナ差抜きん出て優勝し、重賞初勝利を挙げた<ref name="優駿-2020-4-2" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=OyHexM0B17w&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2020年 スプリンターズステークス(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}その後2戦は大敗したが、夏競馬の[[北九州記念]](GIII)で10番人気の低評価に反発する3着<ref>{{Cite web |title=【北九州記念】10番人気のアウィルアウェイが3着 川田「返し馬の雰囲気が良く、自分の競馬に徹しました」 |url=https://hochi.news/articles/20200823-OHT1T50134.html?page=1 |website=スポーツ報知 |date=2020-08-23 |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。続いて挑んだ[[スプリンターズステークス]](GI)でも同じく10番人気の低評価に反発する3着となった<ref>{{Cite web |title=【スプリンターズS】アウィルアウェイ直線一気で3着 松山弘「最後はすごい脚を使って力のあるところは見せてくれました」 |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20201004/ope20100419390008-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2020-10-04 |access-date=2023-08-22 |language=ja-JP}}</ref>。その後は[[CBC賞]](GIII)3着こそあったが、主に二桁着順での連敗を続け、2021年12月2日付に中央競馬の競走馬登録を抹消され引退した<ref>{{Cite web |title=アウィルアウェイ引退、繁殖馬へ|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI |url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_25176.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。通算成績21戦4勝。引退後は、ノーザンファームで繁殖牝馬となり、2023年に初仔を産んでいる<ref>{{Cite web |title=牝系情報|繁殖牝馬情報|アウィルアウェイ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001218817/broodmare/info/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-22}}</ref>。
{{競走馬成績|netkeiba=2016104721|yahoo=2016104721|jbis=0001218817}}
==== アドマイヤジャスタ ====
{{競走馬簡易血統表
|name = アドマイヤジャスタ(欧字名:{{lang|en|Admire Justa}})
|性別 = 牡<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ">{{Cite web |title=アドマイヤジャスタ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001214658/|website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
|毛色 = [[鹿毛]]<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
|生年 = 2016年<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
|生地 = {{JPN}}([[北海道]][[安平町]])<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
|生産者 = [[ノーザンファーム]]<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
|馬主 = [[近藤利一]]→[[近藤利一|近藤旬子]]<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
|調教師 = [[須貝尚介]]([[栗東トレーニングセンター|栗東]])ほか<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
|成績 = 24戦3勝<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" /><br/>2020年[[函館記念]](GIII)優勝<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" /><br/>2018年[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルS]](GI)2着<ref name="JBIS-アドマイヤジャスタ" />
|inf =
|f = ジャスタウェイ<br/>2009 鹿毛
|m = アドマイヤテレサ<br/>2000 鹿毛
|ff = [[ハーツクライ]]
|fm = シビル
|mf = *[[エリシオ]]
|mm = *ヒード
|fff = *[[サンデーサイレンス]]
|ffm = [[アイリッシュダンス (競走馬)|アイリッシュダンス]]
|fmf = [[ワイルドアゲイン|Wild Again]]
|fmm = *{{仮リンク|シャロン (競走馬)|en|Charon (horse)|label=シャロン}}
|mff = *[[フェアリーキング|Fairy King]]
|mfm = Helice
|mmf = Caveat
|mmm = Swan
|}}
[[ファイル:アドマイヤジャスタ 日本ダービー 東京優駿 パドック.jpg|サムネイル|243x243ピクセル|2019年東京優駿]]
'''アドマイヤジャスタ'''は、北海道[[安平町]]の[[ノーザンファーム]]で生産された牡馬である。2014年[[コーフィールドカップ]](G1)や2013年[[ダイヤモンドステークス]](GIII)を優勝した[[アドマイヤラクティ]](父:ハーツクライ)の半弟である<ref name="優駿-2020-9-12">『優駿』2020年9月号 Book in Book 12頁</ref>。牧場では、兄のアドマイヤラクティに似ている評価を得るなどしており、厩舎長の木村浩崇は「同世代の育成馬の中でもトップクラスの評価<ref>{{Cite web |title=2020年07月19日 函館記念 GIII |url=https://uma-furusato.com/winner_info/103057.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-22}}</ref>」をしていたという。生後間もなくの当歳、2016年7月には、ジャスタウェイの初年度産駒として[[セレクトセール]]に出場<ref name="日刊-セレクトセール-億越え">{{Cite web |title=ジャスタウェイ初年度産駒から億超え/セレクト|極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1677741&year=2016&month=07&day=13 |website=p.nikkansports.com |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。競りでは、前年の新種牡馬[[オルフェーヴル]]でも成し得なかった初年度産駒当歳の1億円を超え、1億4000万円で兄や母と同じく、冠名「アドマイヤ」を用いる[[近藤利一]]に落札された<ref name="日刊-セレクトセール-億越え" />。冠名に父名を足した馬名が与えられ、父と同じく、須貝尚介厩舎からデビューを果たした<ref name="優駿-2020-9-12" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=AGgAi34vU3w&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2018年 ホープフルステークス(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}2歳、2018年6月の新馬戦でデビューし、[[クリストフ・ルメール]]に導かれて[[ブレイキングドーン]]に次ぐ2着となったが、続く未勝利戦を[[福永祐一]]で勝ち上がった。続いて秋、ルメールが戻って紫菊賞(500万円以下)では、出遅れたものの終いで[[ロジャーバローズ]]を差し切り優勝<ref>{{Cite web |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2018/10/15/kiji/20181014s00004146560000c.html |title=【紫菊賞】2歳ジャスタ連勝!ルメール「もっと走れる」 |access-date=2023-8-22 |publisher=[[スポーツニッポン]]}}</ref>。そして暮れの[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]](GI)で重賞並びにGI初挑戦を果たした。[[サートゥルナーリア (競走馬)|サートゥルナーリア]]と[[ニシノデイジー]]に挟まれた単勝2番人気に推されていた<ref name="デイリー-アドマイヤジャスタ-ホープフルS">{{Cite web |title=【ホープフルS】アドマイヤジャスタ王者に脱帽2着 須貝師「何とか春には…」 |url=https://www.daily.co.jp/horse/2018/12/29/0011941835.shtml |website=デイリースポーツ online |date=2023-08-22 |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。スタートから先行したサートゥルナーリアをマークする形の2、3番手を追走して最終コーナー手前からスパートし、直線では先頭奪取を果たした<ref name="デイリー-アドマイヤジャスタ-ホープフルS" />。しかし末脚を繰り出したサートゥルナーリアにはかわされて及ばず、1馬身半敵わず2着だった<ref>{{Cite web |title=アドマイヤジャスタ2着 来年に期待/ホープフルS|極ウマ・プレミアム |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201812290000137&year=2018&month=12&day=29 |website=p.nikkansports.com |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。翌2019年は、春のクラシックに出走したがいずれも敗退した。東京優駿(日本ダービー)(GI)では4番人気に推されたが、最下位だった。秋はクラシック三冠最終戦の[[菊花賞]]に登録したが回避<ref>{{Cite web |title=【菊花賞】アドマイヤジャスタ回避で福島記念へ 田中勝と新コンビ|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/10/17/kiji/20191017s00004145153000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>、[[京都大賞典]](GII)や[[福島記念]](GIII)など重賞に参戦したが、いずれも二桁着順で敗退した<ref>{{Cite web |title=全競走成績|競走成績|アドマイヤジャスタ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001214658/record/?sort=ymd&order=A# |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-22}}</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=UPtFZlrSUfY&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2019年 東京優駿(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}古馬となった2020年もしばらく二桁敗退を続けたが、6月の[[鳴尾記念]](GIII)で初めてパッシュファイヤーを着用して6着と復調した<ref name="優駿-2020-9-12" />。続いて7月、パッシュファイヤーを継続して[[函館記念]](GIII)に[[吉田隼人 (競馬)|吉田隼人]]と参戦。16頭が出走する中、単勝オッズ77.3倍の15番人気でブービー人気に過ぎなかった<ref name="優駿-2020-9-11">『優駿』2020年9月号 Book in Book 11頁</ref>。スタートから[[トーラスジェミニ]]が飛ばし、人気馬も続々先行する一方、アドマイヤジャスタは中団で待機<ref name="優駿-2020-9-12" />。直線で外を回りながら追い上げてすべて差し切っていた<ref name="優駿-2020-9-12" />。後方に1馬身半差をつけて重賞初勝利、1年9か月ぶりの勝利を挙げていた<ref name="優駿-2020-9-12" />。15番人気の低評価に反発し、単勝など様々な式別で函館記念史上最高配当を記録していた<ref name="優駿-2020-9-11" />。その後は主にGIII競走に参戦したが、再び勝利を挙げることはできず、ほとんど二桁着順だった。2022年11月24日付でJRAの競走馬登録を抹消され引退した<ref name="中日-アドマイヤジャスタ-抹消">{{Cite web |title=【競馬】2020年函館記念制覇のアドマイヤジャスタが登録抹消:中日スポーツ・東京中日スポーツ |url=https://www.chunichi.co.jp/article/588200 |website=中日スポーツ・東京中日スポーツ |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。通算成績24戦3勝。競走馬引退後は、ノーザンファームで乗馬となった<ref name="中日-アドマイヤジャスタ-抹消" />。{{競走馬成績|netkeiba=2016104702|yahoo=2016104702|jbis=0001214658}}

==== エーポス ====
{{競走馬簡易血統表
|name = エーポス(欧字名:{{lang|en|Epos}})
|性別 = 牝<ref name="JBIS-エーポス">{{Cite web |title=エーポス|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001236764/|website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-08-21}}</ref>
|毛色 = [[栗毛]]<ref name="JBIS-エーポス" />
|生年 = 2017年<ref name="JBIS-エーポス" />
|生地 = {{JPN}}([[北海道]][[新ひだか町]])<ref name="JBIS-エーポス" />
|生産者 = [[フジワラファーム]]<ref name="JBIS-エーポス" />
|馬主 = [[有限会社]][[フジワラファーム|フジワラ・ファーム]]<ref name="JBIS-エーポス" />
|調教師 = [[北出成人]]([[栗東トレーニングセンター|栗東]])<ref name="JBIS-エーポス" />
|成績 = 9戦3勝<ref name="JBIS-エーポス" /><br/>2020年[[フィリーズレビュー]](GII)優勝<ref name="JBIS-エーポス" /><br/>2021年ラピスラズリS(L)優勝<ref name="JBIS-エーポス" />
|inf =
|f = ジャスタウェイ<br/>2009 鹿毛
|m = *ストライクルート<br/>2010 栗毛
|ff = [[ハーツクライ]]
|fm = シビル
|mf = [[スマートストライク|Smart Strike]]
|mm = *タドウィガ
|fff = *[[サンデーサイレンス]]
|ffm = [[アイリッシュダンス (競走馬)|アイリッシュダンス]]
|fmf = [[ワイルドアゲイン|Wild Again]]
|fmm = *{{仮リンク|シャロン (競走馬)|en|Charon (horse)|label=シャロン}}
|mff = *[[ミスタープロスペクター|Mr. Prospector]]
|mfm = Classy'n Smart
|mmf = *[[フェアリーキング|Fairy King]]
|mmm = Euromill
|}}
[[ファイル:Epos Shiraume Syo.jpg|サムネイル|263x263ピクセル|2020年白梅賞]]
'''エーポス'''は、北海道[[新ひだか町]]の[[フジワラファーム]]で生産された牝馬である。母ストライクルートが小柄だったため、反対に馬格のあるジャスタウェイを交配相手に選ばれた<ref name="ふるさと-エーポス">{{Cite web |title=2020年03月15日 フィリーズレビュー G2 |url=https://uma-furusato.com/winner_info/101704.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-08-22}}</ref>。しかしそれでも、誕生直後は小柄だったという<ref name="ふるさと-エーポス" />。フジワラファームが自己所有して競走馬にし、栗東の[[北出成人]]厩舎からデビューした。2歳となった2019年末の新馬戦(芝1600メートル)を[[池添謙一]]に導かれて初出走初勝利を果たした<ref>{{Cite web |title=【メイクデビュー】(中山5R)~エーポスが人気に応え新馬勝ち|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI |url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_19586.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。年をまたいで白梅賞(1勝クラス)は5着、[[エルフィンステークス]](L)は、[[デアリングタクト]]に敗れる4着だった<ref name="優駿-2020-5-16">『優駿』2020年5月号 Book in Book 16頁</ref>。


続いて短期放牧を挟んで、3月の[[トライアル競走]]である[[フィリーズレビュー]](GII)で重賞初参戦<ref name="優駿-2020-5-16" />。[[岩田康誠]]が騎乗して単勝オッズ13.8倍の5番人気に推された<ref>『優駿』2020年5月号 Book in Book 15頁</ref>。ハイペースとなる中、スタートで出遅れて中団馬群の内側を追走した<ref name="優駿-2020-5-16" />。直線では、外側に出さず内側に拘り、馬群を捌いて進出して差し切りを果たした<ref name="優駿-2020-5-16" />。後方に1馬身4分の1差をつけて優勝、重賞初勝利を挙げた<ref name="優駿-2020-5-16" />。[[優先出走権]]を得て挑んだ[[桜花賞]](GI)だったが、再びデアリングタクトに敗れる9着だった<ref name="サンスポ-エーポス-裂蹄">{{Cite web |title=【3歳次走報】エーポスはローズSを自重し放牧へ |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20200911/ope20091104500011-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2020-09-11 |access-date=2023-08-22 |language=ja-JP}}</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=upETw4WKUbk&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2020年 桜花賞(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}この後は、秋の復帰を考えていたが左前脚を裂蹄し断念<ref name="サンスポ-エーポス-裂蹄" />、丸1年休養となった。翌2021年4月の復帰後は、[[阪神牝馬ステークス]](GII)、[[京王杯スプリングカップ]](GII)と連戦するも敗退。再び半年空いて12月、初めてのスプリント戦となるラピスラズリステークス(L)に[[亀田温心]]と参戦した。中団を追走し馬群を捌いて進出し先頭奪取、1年9か月ぶりの勝利を挙げた<ref>{{Cite web |title=【ラピスラズリS】1番人気エーポス馬群割って快勝 北出師「結果出せたのでこれからはこの距離でいこうかな」 |url=https://www.chunichi.co.jp/article/378190 |website=中日スポーツ・東京中日スポーツ |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=【ラピスラズリS】エーポスが鋭く伸びて復活V |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20211206/ope21120604540007-n1.html |website=サンスポZBAT!競馬 |date=2021-12-06 |access-date=2023-08-22 |language=ja-JP}}</ref>。続く翌2022年1月の[[シルクロードステークス]](GIII)6着を最後に引退した。通算成績9戦3勝。競走馬引退後は、生まれ故郷のフジワラファームにて、繁殖牝馬として繋養されている<ref>{{Cite web |title=エーポス競走馬登録抹消、繁殖馬に|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI |url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_27854.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2023-08-22 |language=ja}}</ref>。{{競走馬成績|netkeiba=2017104058|jbis=0001236764}}
== 血統表 ==
== 血統 ==
{{競走馬血統表
{{競走馬血統表
|name = ジャスタウェイ
|name = ジャスタウェイ
528行目: 957行目:
|ref4 = <ref name="JBIS_pedigree"/><ref name="netkeiba_pedigree"/>
|ref4 = <ref name="JBIS_pedigree"/><ref name="netkeiba_pedigree"/>
|}}
|}}
*祖母シャロンは[[コーチングクラブアメリカンオークス|CCAオークス]]勝ち馬<ref>{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000406522/ |title= シャロン(USA) |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>。
*半姉:スカイノダン<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000995167/|title=スカイノダン|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>(第45回[[北九州記念]]2着<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/race/result/20100815/110/10/|title=2010年8月15日(日)2回小倉2日 10R 北九州記念|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>)
*母の叔父に[[シリウスステークス]]、[[中京記念]]勝ちの[[トーヨーレインボー]]<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000995167/|title=トーヨーレインボー|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>、母の叔母で[[クリスタルカップ]]2着のエターナルビート<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000310472/|title=エターナルビート|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>の仔に[[クイーンカップ]]勝ち馬の[[フォーエバーモア (競走馬)|フォーエバーモア]]<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001134627/|title=フォーエバーモア|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|website=JBIS-Search|accessdate=2019-12-28}}</ref>がいる。


== 関連項目 ==
== 参考文献 ==


* [[ベルラップ]] - 「'''ジャスタウェイ2'''」呼ばれた。
* [[大和屋暁]]ジャスタウェイな本 界最強馬の1640日』([[KKベストセラーズ]]、2015年)ISBN 458410428X
* 『[[優駿]]』([[日本中央競馬会]])
**2006年5月号
***石田敏徳「【ヘッドライン】ドバイで日本馬が2勝を挙げる活躍」
***石川ワタル「【ワールドレーシングニュース】第11回ドバイワールドカップデー ハーツクライ&ユートピア 世界の舞台で歴史的な圧勝劇」
**2011年9月号
***横手礼一「【進め!クラシックロード(2)】一歩リードの重賞&オープン勝ち馬」
**2011年11月号
***「【重賞プレイバック】第31回新潟2歳ステークス(GIII)モンストール」
**2012年1月号
***「【重賞プレイバック】第16回東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)ディープブリランテ」
**2012年4月号
***「【重賞プレイバック】第52回きさらぎ賞(NHK賞)(GIII)ワールドエース」
***「【重賞プレイバック】第21回アーリントンカップ(GIII)ジャスタウェイ」
**2012年6月号
***優駿編集部「【杉本清の競馬談義(325)】須貝尚介調教師」
**2012年7月号
***「【重賞プレイバック】第17回NHKマイルカップ(GI)カレンブラックヒル」
***「【重賞プレイバック】第79回東京優駿(GI)ディープブリランテ」
**2012年12月号
***「【重賞プレイバック】近代競馬150周年記念 第146回天皇賞(秋)(GI)エイシンフラッシュ」
***「【重賞プレイバック】第63回毎日王冠(GII)カレンブラックヒル」
**2013年3月号
***「【重賞プレイバック】第62回日刊スポーツ賞 中山金杯(GIII)タッチミーノット」
**2013年4月号
***「【重賞プレイバック】第106回農林水産省賞典 京都記念(GII)トーセンラー」
**2013年5月号
***「【重賞プレイバック】第49回中日新聞杯(GIII)サトノアポロ」
**2013年8月号
***「【重賞プレイバック】第30回エプソムカップ(GIII)クラレント」
**2013年10月号
***「【重賞プレイバック】サマーマイルシリーズ第48回関屋記念(GIII)レッドスパーダ」
**2013年12月号
***岡本光男(日刊スポーツ関西)「【GIインサイドストーリー】ジャスタウェイ 驚愕の末脚を繰り出した{{ruby|理由|ワケ}}」
***「【重賞プレイバック】第148回天皇賞(秋)(GI)ジャスタウェイ」
***「【重賞プレイバック】第64回毎日王冠(GII)エイシンフラッシュ」
**2014年4月号
***岡本光男(日刊スポーツ関西)「【2014年の主役を担う古馬たち】充実の時を迎えいざ世界へ ジャスタウェイ」
***秋山響「【2014年ドバイワールドカップデイ完成ガイド】ドバイデューティフリー」
**2014年5月号
***斎藤修「【ドバイワールドカップデー詳報】ジャスタウェイ 2着以下を突き放す圧巻のパフォーマンス」
***「【重賞プレイバック】第88回中山記念(GII)ジャスタウェイ」
***「【ニュース&トピックス】ジャスタウェイが世界ランキング1位に」
**2014年6月号
***吉沢譲治「【日本の種牡馬 血統に秘められた物語(2)】ハーツクライ 随所に映し出される母の父の影響力」
**2014年7月号
***岡本光男「【出走馬それぞれのダービー戦記】4番人気12着 レッドリヴェール 小柄な牝馬には響いた馬体減」
***土屋真光「【GIインサイドストーリー】ジャスタウェイ 向かい風を追い風に変えて」
**2014年8月号
***「【重賞プレイバック】第64回農林水産省賞典 安田記念(GI)ジャスタウェイ」
**2014年10月号
***合田直弘「【日本馬3頭の『武器』と『勝利へのシナリオ』】ジャスタウェイ 3歳世代の挑戦を受けて立つ王者」
***軍土門隼夫「【3人のサムライ 頂までのアプローチ】福永祐一 ダービーが目標なら、凱旋門賞は夢」
***岡本光男「【夢を追い求めるホースマンたちの声】須貝尚介調教師 馬房が隣同士の2頭が一緒に行くなんてすごいこと」
***軍土門隼夫「【ステップレース検証】2頭は札幌記念からロンシャンへ」
**2014年11月号
***軍土門隼夫「【第93回凱旋門賞詳報】最強トリオでも叶わなかった夢 トレヴが36年ぶりの連覇達成」
***軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(2)】ジャスタウェイ 結果は伴わずも、課題は克服」
***軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(3)】ゴールドシップ 万全な状態も、不向きな馬場と流れ」
**2014年12月号
***岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第34回ジャパンカップ】今回こそ世界チャンプの末脚を見せる ジャスタウェイ」
***合田直弘「【第34回ジャパンカップ】海外での評価を聞く 『距離不適合』の評価を覆すか注視」
**2015年1月号
***岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第59回有馬記念】譲れない、世界一の誇り ジャスタウェイ」
***有吉正徳「【GIインサイドストーリー】エピファネイア 人馬共にリベンジを果たした瞬間」
***平松さとし「【敗因探究】注目馬たちのジャパンカップを振り返る」
***「【重賞プレイバック】ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第34回ジャパンカップ(GI)(国際招待)エピファネイア」
**2015年2月号
***合田直弘「【引退特別企画(2)】ジャスタウェイ "世界一"を掴みとった駿才」
***石川ワタル「【2014年の蹄跡(1)】ジャスタウェイ&ジェンティルドンナ ドバイの宴~日本馬が世界を驚かせた夜」
***「【2014年度JRA賞決定!】年度代表馬はジェンティルドンナ」
***優駿編集部「【杉本清の競馬談義(357)】大和屋暁さん」
***岡本光男「【トレセン・リポート】栗東トレセン発 有馬記念翌日、榎本調教助手が振り返るジャスタウェイとの思い出」
***「【ニュースフロントライン】GI7勝馬ジェンティルドンナ、世界トップのジャスタウェイが引退式――多くのファンに見守られながらターフに別れを告げる」
***「【馬産地ニュース】引退したスターホースたちが北海道へ――第2の馬生にも期待がかかる」
**2015年3月号
***沢田康文「【ワールドレーシングニュース】2014年ロンジンワールドベストレースホースセレモニー 世界1位ジャスタウェイ、同2位エピファネイアがロンドンで表彰される」
**2017年4月号
***軍土門隼夫「【未来に語り継ぎたい名馬物語(22)】[https://www.yushunweb.jp/story/story22/717/ 2014年レーティング世界一 ジャスタウェイの到達点]」
**2018年7月号
***河村清明「【未来に語り継ぎたい名馬物語(35)】[https://www.yushunweb.jp/story/story35/1623/ 4歳秋から急成長で世界レベルに。 ハーツクライのポテンシャル]」
**2020年4月号
***「【重賞プレイバック】第25回シルクロードステークス(GIII)アウィルアウェイ」
**2020年5月号
***「【重賞プレイバック】第54回報知杯フィリーズレビュー(GII)エーポス」
**2020年9月号
***「【重賞プレイバック】サマー2000シリーズ第56回農林水産省賞典 函館記念(GIII)アドマイヤジャスタ」


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* {{競走馬成績|netkeiba=2009106461|yahoo=2009106461|jbis=0001106251|racingpost=792922/just-a-way}}
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2023年9月2日 (土) 10:10時点における版

ジャスタウェイ
2013年天皇賞(秋)
欧字表記 Just a Way[1][2]
品種 サラブレッド[2]
性別 [1][2]
毛色 鹿毛[1][2]
生誕 2009年3月8日(15歳)[1][2]
抹消日 2015年1月7日[3]
ハーツクライ[1][2]
シビル[1][2]
母の父 ワイルドアゲイン[1][2]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1][2]
生産者社台コーポレーション白老ファーム[1][2]
育成 早来ファーム安平町[4]
ノーザンファーム空港牧場苫小牧市[5]
馬主 大和屋暁[1][2]
調教師 須貝尚介栗東[1][2]
調教助手 北村浩平[6]
厩務員 榎本優也[6]
競走成績
タイトル ワールドベストレースホース(2014年)[7]
JRA賞最優秀4歳以上牡馬(2014年)[1][2]
生涯成績 22戦6勝[1]
中央)20戦5勝[2]
(外国)2戦1勝[1][2]
獲得賞金 9億940万9000円[1]
(中央)5億9569万4000円
(外国)3億1371万5000円[1][6]
WBRR I123 / 2013年[8]
M130 / 2014年[9]
勝ち鞍
GI 天皇賞(秋) 2013年
GI ドバイデューティフリー 2014年
GI 安田記念 2014年
GII 中山記念 2014年
GIII アーリントンカップ 2012年
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ジャスタウェイ(欧字名:Just a Way2009年3月8日 - )は、日本競走馬種牡馬[2]

2014年度ワールド・ベスト・レースホース・ランキング単独1位となり、日本調教馬として史上初めて同ランキング単独1位「世界一」を成し遂げた。同年のワールドベストレースホースJRA賞最優秀4歳牡馬である。

概要

2009年に北海道浦河町にて誕生、社台コーポレーション白老ファームによって生産された父ハーツクライの牡馬である。2010年のセレクトセールに上場し、アニメ脚本家である馬主の大和屋暁によって所有され、大和屋が携わったアニメ『銀魂』の中に登場するキャラクター名を授けられた。中央競馬(JRA)の栗東トレーニングセンターに所属する調教師須貝尚介に管理されて2011年、2歳夏に競走馬としてデビューした。

新馬戦優勝後、重賞好走するも連敗した、それでも翌2012年春のアーリントンカップ(GIII)を優勝して2勝目を挙げ、重賞初勝利を果たした。その後は重賞で好走するも勝ちきれずに再び連敗、今度は1年以上勝利から遠ざかった。特に、2013年夏のエプソムカップ(GIII)から関屋記念(GIII)、そして秋の毎日王冠(GII)の3連戦は、すべて2着だった。しかし続く天皇賞(秋)(GI)にて、牝馬三冠達成のジェンティルドンナ東京優駿(日本ダービー)優勝のエイシンフラッシュなどを下して、4馬身以上の差で優勝、1年以上継続した連敗を止めて、GI並びに天皇賞戴冠を果たした。また史上初めてとなる2勝馬による天皇賞戴冠を成し遂げた。

この後は連勝し、4連勝まで伸ばした。翌2014年の中山記念(GII)で重賞3勝目を挙げて、3月にはドバイ遠征を敢行した。参戦したドバイデューティフリー(G1)にて、南アフリカの無敗馬ウェルキンゲトリクスなどに6馬身以上の差をつけて大勝し、2か国のGI級競走を優勝。この圧勝劇は、この年の「ワールドベストレースホースランキング」で最高の評価を得るに至った。さらには凱旋初戦となった、6月の安田記念(GI)を、グランプリボスとの接戦をハナ差だけ先着し、GI級競走3勝目を挙げた。その後は実績のない長距離GIに挑戦、フランスの凱旋門賞(G1)やジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)に出走し、このうちジャパンカップや有馬記念は上位に食い込んだ。有馬記念を最後に引退、日本とドバイ、フランスの三か国で出走し22戦6勝、約9億円の賞金を獲得した。

引退後は、種牡馬となり、重賞優勝産駒を多数輩出。そのうえGI級競走優勝産駒も複数現れた。2020年ホープフルステークス(GI)を優勝し同年のJRA賞最優秀2歳牡馬となったダノンザキッド(母父:ダンシリ)や2021年JBCレディスクラシック(JpnI)を優勝したテオレーマ(母父:シーザスターズ)、さらには2019年のクラシック三冠すべてで善戦したヴェロックス(母父:モンズーン)などの父として知られる。

デビューまで

誕生までの経緯

シビル

シャロン英語版(ジャスタウェイの祖母)は、1987年にアメリカ合衆国で生産された牝馬である[10]。アメリカで競走馬としてデビューし、1990年のコーチングクラブアメリカンオークス(G1)を優勝するなど重賞5勝を挙げた[10]。弟妹は日本に輸入され、中央競馬で外国産馬として走り、1997年シリウスステークス(GIII)や1998年中京記念(GIII)を優勝したトーヨーレインボー、重賞2着エターナルビートが活躍していた[10]。競走馬引退後のシャロンは、しばらくアメリカで繁殖牝馬として繋養されたのち、1998年に日本に輸入され、北海道白老町の白老ファームに繋養された[11]。アメリカでワイルドアゲインとの仔を受胎してからの輸入であり、白老ファームで牝馬のシビルを産み落としていた[10]

シビル(ジャスタウェイの母)は、1999年に白老ファームで生産された牝馬である。アメリカの種牡馬ワイルドアゲインを父に持ち、競走馬となる際は持込馬に区分された。2002年、栗東トレーニングセンター宮徹厩舎から競走馬となったが、最高3着が精一杯のデビュー5連敗で、勝利を挙げられなかった。引退後は、白老ファームで繁殖牝馬となり、初年度となる2005年は生後直死に見舞われたが、翌2006年に初仔となる牝馬(父:サクラバクシンオー)を出産した[10]。初仔は、2006年のセレクトセールにて1050万円で取引されて「スカイノダン」という名で競走馬となり、スプリント戦線で出世しオープンクラスにまで到達。2010年の北九州記念(GIII)では、メリッサに半馬身差の2着となり[10]、続くセントウルステークス(GII)では1番人気を背負ったこともあった。

シビルは、続いて父フジキセキの2番仔、父スペシャルウィークの3番仔を産み落とし、2008年にハーツクライと交配して受胎し、翌2009年に4番仔(後のジャスタウェイ)を産み落とした。この後、シビルは5番仔も産んだが、2010年、4番仔の活躍を見ることなく結腸捻転で急死[11][12]。5番仔は早々に引退しており、4番仔が大成する頃には、期待の弟妹は存在しなかった[13][12]

ハーツクライ

ハーツクライ

ハーツクライ(ジャスタウェイの父)は、2001年に北海道千歳市社台ファームで生産された牡馬である[14]。父はサンデーサイレンス、母の父はトニービンだった[14]。アメリカ由来のスピードに秀でたサンデーサイレンス、ヨーロッパ由来のスタミナに秀でたトニービンを併せて受け継ぎ、両方が試される長距離を主戦場に活躍した[15]。社台系列のクラブ法人である有限会社社台レースホースが所有し、栗東の橋口弘次郎厩舎に所属して競走馬となった[14]。2004年、3歳初めの新馬戦を優勝した後、3月の若葉ステークス(OP)優勝でクラシック戦線に加わり、京都新聞杯(GII)優勝などを挟みながら三冠競走を完走[14][16]。最も上位だったのは、クラシック最高峰に位置づけられる東京優駿(日本ダービー)(GI)だった。横山典弘と臨み、キングカメハメハに次ぐ2着だった[16]

3歳戦が終了した秋からは、ジャパンカップ有馬記念で古馬に挑み、年をまたいで2005年もGIに挑み続けたが、悉く敗退した。夏の宝塚記念(GI)では、スイープトウショウにクビ差阻まれ2着[16]。さらに秋のジャパンカップ(GI)では、レコードタイムで駆けたが、イギリス調教馬のアルカセットにハナ差、約3センチメートル阻まれる2着だった[16]。惜敗続きの中、1年以上勝利から見放される苦悩を味わっていた[16]。しかし暮れの有馬記念(GI)にて、これまでの後方待機からの追い上げる作戦を止めて、突然敢行した先行策が実り優勝[17][18]。この年、後方待機から鋭い末脚を繰り出して無敗でのクラシック三冠を果たした大本命ディープインパクトを振り切る大金星を挙げて、GI並びにグランプリ戴冠を成し遂げていた[18]

ディープインパクト(右)に先着するハーツクライ(左)

翌2006年は、外国遠征を敢行した。有馬記念の金星はフロック、まぐれという論調が根強くあった[18]。しかし3月にアラブ首長国連邦ナドアルシバ競馬場で行われるドバイミーティングドバイシーマクラシック(G1)を、後続を突き放して4馬身差で優勝して実力証明[19][18]。日本調教馬として史上初めてドバイG1競走優勝を成し遂げていた[20][21]。その後のハーツクライは、ヨーロッパにも転戦し、7月にイギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(G1)に挑んで3着[22]。帰国後、喘鳴症を抱えながら参戦したジャパンカップ11着を以て競走馬を引退[22]。2007年より北海道安平町社台スタリオンステーションで種牡馬として供用された。初年度から三桁の繁殖牝馬を集めていた。そして供用2年目となる2008年、ハーツクライとシビルは交配していた。

幼駒時代

牧場時代

2009年3月8日、北海道浦河町にて、ハーツクライの2年目産駒、シビルの4番仔である鹿毛の牡馬(後のジャスタウェイ)が誕生する。生産者名義は白老町の社台コーポレーション白老ファームだった。白老で離乳までの初期育成を、その後は早来ファームで中期育成[4]、そしてノーザンファーム空港牧場で後期育成された[5]。中期、早来ファームの育成主任は、「多くのハーツクライ産駒がそうであるように、この馬もトニービンの特徴がよく表現された馬でした[4]」と回顧し「独特の柔らかさ」があるゆえに、晩成型であると捉えていた[4]。翌2010年、セレクトセールに最低落札価格1000万円で上場され、いくつかの競りの末、大和屋暁が1200万円で落札していた[23][24]

馬主
大和屋暁

落札した大和屋暁は、主にアニメーションの脚本家として活躍していた人物だった。社台レースホースに出資する社台サラブレッドクラブに入会し「一口馬主」を嗜み、3頭目、社台では2頭目の出資馬がハーツクライだった[25]。有馬記念で金星を挙げた際は、負けを確信して在宅観戦だったが[26]、ドバイシーマクラシックの際は現地で勝利を見届けて生まれて初めて表彰式に参加[26]、続くイギリスにも応援に出向いていた思い出があった[7]。そんな愛馬ハーツクライは、喘鳴症により、突然の引退を余儀なくされたが、その直後に行われたハーツクライを労うパーティーの壇上に立った大和屋は、馬主になりハーツクライの仔であらゆる無念を晴らすことを、口走って公に宣言していた[27]。それからまもなく社台レースホースの後押しを受けて馬主登録を申請し、まず馬主となっていた[27]

続いてハーツクライの仔の所有を目指した。競馬サークルに伝手のない大和屋は、ハーツクライ引退直後の2007年からセレクトセールにとりあえず参加していた[28]。しかし金銭感覚の違いに怖気づいて入札すらできなかった[28]。続いて2年目となる2008年は、入札こそできたが落札には至らなかった[29]。そして3年目、2009年はハーツクライの初年度産駒が登場した。大和屋は恐れずに、ハーツクライの初年度産駒すべてにとりあえず入札する戦法を取り[30]、1700万円で初めてハーツクライの仔「シアトルデライターの2008」を落札していた[31]。所有馬しかもハーツクライの初年度産駒を確保に成功し、馬主デビューが近づいたが、「シアトルデライターの2008」は、翌2010年1月に心臓発作で死亡し、所有馬を喪っていた[23]

大和屋の勝負服

しかし大和屋は挫けず、同年にも再び参戦して「シビルの4番仔」と巡り会っていた。この年は最低落札価格が2000万円以下のハーツクライ産駒に片っ端から入札する作戦を取り、幾度となく落札に失敗していた[23]。同じように「シビルの4番仔」も最低落札価格の1000万円から入札していた。すんなり落札とはいかず、他の参加者に阻まれて競り合いになったが、価格はそれほど高騰しなかった[23]。結局、1200万円で大和屋が落札を果たしていた[24]。このとき大和屋は「シビルの4番仔」の外向という懸念要素を全く見落としており、知らずに落札してしまっていた[24]

落札直後に大和屋は、生産者白老ファーム統括の角田修也に挨拶[32]。角田から「知っている調教師はいるんですか」と問われ、大和屋は「いません、紹介してください」というやり取りをしていた[32]。そのとき、ちょうど背後を栗東の調教師である須貝尚介が通りかかっていた[32]。そこで角田は須貝に電話し、大和屋を紹介していた[32]。かくして「シビルの4番仔」は須貝の管理となった[24]。かくしてこの「シビルの4番仔」は、大和屋の2番目に所有した馬で、最初にデビューする競走馬となった。

最初の競走馬に対し大和屋は、「ジャスタウェイ」という競走馬名が与えていた。綴りは「Just a Way」で意味は「その道」で申請しているが、実際には自身が脚本を務めたアニメ『銀魂』のキャラクター「ジャスタウェイ」に絡ませた命名だった。

競走馬時代

2-3歳(2011-12年)

7月23日、新潟競馬場新馬戦(芝1600メートル)でデビューを果たした。直前は、ゲート練習に注力していたため、体の動きが硬く[33]、坂路調教でも動いていなかった[34]。そのため当日は、16頭中4番人気に落ち着いていた[35]。スタートから先行して好位を追走、スローペースとなる中、我慢しきれずに進出して直線半ばで抜け出していた[36][34]。先頭を奪取してからは末脚を用いて突き放す一方となり、独走して決勝線に到達していた[34]。33.3秒の上がりを見せて、後方に5馬身差をつける大勝で初出走初勝利、大和屋もまた馬主として初出走初勝利を挙げていた[33][36]。横手礼一は「去年のオルフェーヴルに続いて、新潟競馬場からの大物登場かもしれない[34]」と評価していた。

短期放牧を挟んだ後、同じ舞台で行われる9月4日の新潟2歳ステークス(GIII)で重賞初参戦となった[36]。ゲート中心の調教ながら優勝した新馬戦からの、更なる上積みが期待されていた[36]。18頭立てとなる中、最有力視されて単勝オッズ1.7倍の1番人気だった[37]。スタートから後方を追走し、馬場の外側に持ち出してから長い直線コースを使って追い上げていた[37]。前方では、モンストールが抜け出しており、それを目標に末脚を繰り出したが、詰め寄ることができなかった[37]。メンバー中最速の32.6秒の上がりを使ったが、32.7秒を繰り出したモンストールには敵わず、4分の3馬身差の2着で初敗北を喫した[37]。続く11月19日、東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)では、後藤浩輝が騎乗しディープブリランテ、クラレントに次ぐ3番人気に推されて参戦[38]。不良馬場が堪えて、ディープブリランテに千切られる4着だった[39][38]

この後は、不良馬場を走ったことを考慮し、ノーザンファームしがらきで短期放牧[40]。脚がむくみ、蕁麻疹にもなっていた[41]。年をまたいで3歳、2012年1月に帰厩し[40]、2月5日のきさらぎ賞(GIII)を叩きの一戦として始動した[42]秋山真一郎と臨み、3番人気に推されていたが、人気したディープインパクト産駒の3頭に揃って敗れた[43]。5番手で直線に向いてから、右にもたれながら追い込み[42]ワールドエース、ベールドインパクト、ヒストリカルに次ぐ4着だった[43]。このきさらぎ賞の後は、むくみや蕁麻疹は現れなかった[41]

映像外部リンク
2012年 アーリントンカップ(GIII)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

そして叩き2戦目は2月25日、マイルに、福永に戻って挑んだアーリントンカップ(GIII)だった。きさらぎ賞で見せた右にもたれる癖を解消させるために、厩舎は舌を縛る対策を施して調教していた[42]。前年の朝日杯フューチュリティステークス5着のダローネガとの対決となり、ダローネガに次ぐ2番人気に推されていた[44]。スタートから折り合いに専念して後方で待機し、結果的に最後方追走となっていた[45]。12番手で直線に向いてからは、馬場の一番外側、大外に持ち出して追い込んでいた[44]。内側ではオリービンが抜け出してリードを築いていたが、ゴール寸前で末脚を発揮して一気に差し切っていた[44]。オリービンに半馬身差をつけて重賞初勝利を挙げた[44]

映像外部リンク
2012年 NHKマイルカップ(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画
2012年 東京優駿(日本ダービー)(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

この後の目標は、NHKマイルカップ、そしてクラシック最高峰の東京優駿(日本ダービー)となった。その前にトライアル競走のニュージーランドトロフィー(GII)を使う予定だったが、直前に風邪をひいて回避し本番直行となった[46]。5月6日のNHKマイルカップ(GI)でGI初挑戦、福永と挑み4番人気だった[47]。スタートから後方を追走して追い込むも、秋山が騎乗した1番人気カレンブラックヒルに逃げ切りを許す7位入線[47]岩田康誠騎乗6位入線のマウントシャスタが直線にて、後藤騎乗のシゲルスダチの進路を塞ぐ走行妨害をして失格となったため、繰り上がって6着となった[47]。この事象で、落馬した後藤は頸椎骨折、頚髄不全損傷となり、戦線離脱となっていた[48]。続く5月27日の東京優駿(GI)は、福永には1番人気に推されることになる有力馬ワールドエースがいたため、後藤の起用を予定していた。しかし落馬したために、秋山を再起用して参戦。15番人気で挑み、優勝したディープブリランテに敗れる11着だった[49]
秋は、クラシック最終戦の菊花賞ではなく、中距離路線に進み、古馬に挑戦となった。10月7日の毎日王冠(GII)は、東京優駿優勝のエイシンフラッシュ安田記念優勝のストロングリターンリアルインパクトなどGI優勝経験のある古馬が5頭立ちはだかっていた[50]。加えて春は敵わなかったカレンブラックヒルとの再戦となっていた[50]。ジャスタウェイとカレンブラックヒルの3歳馬2頭と古馬14頭というメンバーとなる中、柴田善臣が騎乗し単勝オッズ61.6倍の12番人気という評価だった[50]。スタートからシルポートが逃げ、カレンブラックヒルが離れた3番手で先行する一方、中団馬群を追走した[50][51]。9番手で直線に向き、馬群を捌いて進出して数多の古馬を置き去りにして、先頭を奪ったカレンブラックヒルに詰め寄っていた[50][51]。ゴール寸前で並びかけて、カレンブラックヒルとともにほとんど同時に決勝線へ飛び込んでいた。2頭しかいない3歳馬によるワンツーフィニッシュとなったが、カレンブラックヒルに再び及ばなかった[50]。メンバー中最速の上がりを披露し追い込んだが、クビ差敵わなかった[51][50]

映像外部リンク
2012年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

それでも2着で賞金を加算し[51]、続いて10月28日の天皇賞(秋)(GI)にも参戦、内田博幸とともに8番人気で再び古馬に挑んだ[52]。先行策に出たが、エイシンフラッシュに巻き返される6着だった[52]。この後は、香港国際競走に登録するも断念、朝日チャレンジカップを予定するも熱発して回避し、天皇賞(秋)の後は出走しなかった[53]

4歳(2013年)

連敗

前年秋は、3歳ながら天皇賞(秋)など古馬に挑んで惜敗し、陣営は、翌年への手応えを得ていた。父ハーツクライが、古馬となってから本格化したように、同じような成り上がりが期待されていた。古馬となったこの年は、格を落としてまずはGIII競走から仕切り直しを図ることとなった。この頃には虚弱だった体質も改善し、間隔を詰めてレースに出走することができるような状態になっていた。

まず年明けの中山金杯(GIII)で始動した。前年の毎日王冠で3着に下した7歳タッチミーノットとの再戦となり、互いに見込まれたハンデキャップを課されながら上位人気を独占していた[54]。1番人気を得たジャスタウェイは、平均ペースの中団後方を追走し、直線では外から追い込み、先行していた2番人気タッチミーノットを目指した[54]。しかしタッチミーノットに押し切られて、約2馬身敵わなかった。さらに4番人気アドマイヤタイシにも粘られて差し届かず、3着止まりだった[54]

続く2月10日の京都記念(GII)では、天皇賞(春)優勝のビートブラックを始め、産経大阪杯優勝のショウナンマイティ、重賞善戦中のトーセンラーなど、年上のGI惜敗経験馬との対決となった。それでもジャスタウェイは、期待されて1番人気に支持されていた[55]。スタートからビートブラックが逃げる中、先行策を選択した[55]

本馬場入場

好位を得て追走し、最初のホームストレッチに差し掛かったが、この時に少し行きたがる仕草を見せてしまっていた[56]。内田が宥めて好位を守ったが[56]、後方を進んでいたショウナンマイティが操縦利かず、途中で進出してビートブラックからハナを奪っていた[55]。ハナ交替後の新展開は、緩みないペースとなっていた[55]。直線に差し掛かり、後方勢は、一斉にショウナンマイティを目指して追い込んでいた。ジャスタウェイも同様に追い込んでいた。しかし直線で伸びなかった[55]。序盤で消耗したために末脚なく、失速して大きく後れを取った[56]。外から末脚を発揮して差し切ったトーセンラー優勝に対して、逃げたショウナンマイティやビートブラックすら捉えきれない5着だった[55]

そして3月9日、中日新聞杯(GIII)にダリオ・バルジューと参戦した。中山金杯で2着を譲ったアドマイヤタイシとの再戦となり、1番人気もアドマイヤタイシに譲る2番人気だった[57]。スタートから中団後方を追走し、10番手で直線に向いたが、末脚利かずに伸びを欠いた8着となり、GIIIでも下位に敗れていた[57]。古馬となってから、着順は右肩下がりの3連敗。シンガポール航空インターナショナルカップへの一次登録などもしていたが、撤退して放牧となった。しかしこの放牧によって一変。急成長を果たすこととなった。後に榎本は、放牧から帰還し続いてエプソムカップを目指すジャスタウェイについて「この馬は放牧から帰ってくるたびに成長してきたけど、エプソムカップの時は本当に良くなっていた。もうGIに届くぐらいのレベルになったんじゃないかなと思った[58]」と回顧している。

連続2着敗退

再起初戦は、6月9日のエプソムカップ(GIII)が選ばれた。傑出馬不在の混戦となる中、再戦となったサトノアポロ、ラジオNIKKEI賞優勝の同期ファイナルフォームに次ぎ、重賞3勝の同期クラレントを上回る3番人気だった[59]。クラレントは、安田記念に出走を予定していたが、出走順位19位で除外となり、急遽転進してジャスタウェイの前に立ちはだかっていた[59]。8枠13番という外枠が割り当てられたジャスタウェイは、スタートで出遅れを喫していた。大逃げをする馬が現れたため、縦に長い馬群の最後方の内側を追走する形となった。最終コーナーを11番手で迎え直線に差し掛かってから追い上げた[59]。鞍上の福永は、外に持ち出してからでは間に合わないと判断して、そのまま内側に留まり、馬場の最も内側からの進出を選んでいた。馬群をさばいて進路を確保し、離れた2番手から先に抜け出していたクラレントに接近。ゴール手前でクラレントとの一騎打ちに持込むことに成功し、ほとんど同時に決勝線到達を果たしていた[59]。しかしクラレントにハナ差ばかり及ばず敗退し、連敗脱出はできなかった[59]

夏季競馬にも臨み、続いて8月11日のサマーマイルシリーズ関屋記念(GIII)に参戦した。同じようにマイルの重賞を優勝したドナウブルーレオアクティブレッドスパーダが立ちはだかったが、単勝オッズ2.8倍の1番人気に推されていた[60]。8枠16番からスタートしたが、再び出遅れを喫して最後方追走となった。15番手で迎えた直線では、エプソムカップとは異なり、大外に持ち出してから進出。上がり3ハロンをメンバー中最速となる33.2秒の末脚を繰り出して追い上げ、2番手追走から抜け出していたレッドスパーダに離れた外から詰め寄った[60]。ジャスタウェイのほか、レオアクティブとドナウブルーが背後からレッドスパーダに迫っていた。しかしどれもレッドスパーダに並びかけることができなかった[60]。後れた3頭は並んだまま決勝線到達していた。その争いの中でジャスタウェイがハナ差だけ先着を果たし、2着を確保した[60]

秋は、前年と同様に毎日王冠に参戦した。東京優駿並びに天皇賞(秋)優勝のエイシンフラッシュが参戦していたものの、実力伯仲の混戦とみられ、出走11頭中7頭が一桁オッズとなっていた[61]。ショウナンマイティやダークシャドウ、クラレント、レッドスパーダ、3歳のコディーノらが連ねる中、ジャスタウェイは5番人気だった[61]。スタートからエイシンフラッシュに続く5番手を追走、緩んだペースだったが残り600メートルから早くなり、勝負は末脚比べとなった[61]。クラレントとレッドスパーダが粘りこむ中、エイシンフラッシュとともに追い上げて先頭を奪ったが、終いになってエイシンフラッシュに突き放された[61]。半馬身差の2着敗退[61]、これを以て重賞3連続2着、有り余る能力がありながら、出遅れやスローペースに巻き込まれたりするなどして惜敗する姿は、父ハーツクライを想起させていた[62]。この頃は『優駿』によれば「惜敗キャラ[63]」、岡本光男によれば「勝てそうで勝てない馬[64]」だった。

天皇賞(秋)

続いて陣営は、前年と同じように天皇賞(秋)への参戦を望んでいた。しかし重賞1勝2着5回の実績があるとはいえ、たかが2勝馬に過ぎず、天皇賞(秋)に出走するだけの賞金がなかった。1週間前の時点で出走登録をする馬は、フルゲートの18頭以上おり、出走優先順位に並べればジャスタウェイは20番目、すなわち出走は絶望的だった[63]。ところが直前になって、上位で出走が確定的だった馬たち、例えばトーセンラー、ダークシャドウなど4頭が回避するなどして、登録馬が18頭未満になる幸運に恵まれて出走が実現することとなった[65]。前年の天皇賞(秋)から丸1年後、GI戦線復帰戦となった10月27日の天皇賞(秋)は、久々の一線級との対決であり、挑戦者の立場だった[64]。台風接近中のため前々日輸送だったが、問題なく現地に到着していた[66]

ジェンティルドンナ
トウケイヘイロー

17頭立てとなる中、牝馬三冠馬であるジェンティルドンナ札幌記念函館記念などサマー2000シリーズ優勝のトウケイヘイロー、毎日王冠優勝から臨む前年優勝のエイシンフラッシュ、3歳のコディーノらが立ちはだかった[63]。榎本は戦前、「勝てるとすれば馬場状態や枠順や展開など、すべてが嚙み合った時かな[64]」と見立てていた。ディープインパクト産駒の牝馬三冠馬・ジェンティルドンナが大本命に推される一方で、ハーツクライ産駒の2勝馬ジャスタウェイは、単勝オッズ15.5倍の5番人気という支持に過ぎなかった[63]。前日は継続した降雨で、不良馬場だったが、当日は晴れて馬場状態は回復し良馬場での開催となった[63]。馬場が内側から乾いていく傾向にあったため、福永はその内側にこだわり、抜け出す作戦を思い巡らせていた。直近は、スタートでの出遅れが敗因の一つであり、大一番での出遅れは致命傷になると考えていた[67]。そこで、発走直前にゲートに入れ、慣れて落ち着いてもらおうと試みていた[67][68]

映像外部リンク
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画

スタートからトウケイヘイローが先行してハナを奪取、ジェンティルドンナも先行して直後の2番手を得ていた[63]。一方でジャスタウェイは、五分のスタートから中団の外側に留まり、同じく中団にいたエイシンフラッシュの背後に潜みながら追走していた[66]。トウケイヘイローが前半の1000メートルを58.4秒で通過するハイペースを刻む中、9番手で最終コーナーを通過し、直線では外に持ち出して追い上げを開始した[63]。前方では、逃げるトウケイヘイローが捕まり、代わってジェンティルドンナが先頭を奪取、大本命は押し切りを図っていた。そのジェンティルドンナを目標に、福永に促されて、鋭い末脚を繰り出した。末脚で以て一気に詰め寄り、並ぶ間もなくかわし、残り200メートル手前で先頭奪取、そして突き放していた[68]。比較的乾いている内側に切れ込みながら、勢い衰えることなく伸び続け、ジェンティルドンナ以下すべてを置き去りにしていた[69]。ジェンティルドンナに4馬身、エイシンフラッシュに6馬身差をつける独走で決勝線に到達していた[63]

決勝線到達直後

天皇賞戴冠。1987年ニッポーテイオーの5馬身に次ぐ決勝着差4馬身、良馬場開催では天皇賞(秋)史上最大となる決勝着差での優勝を成し遂げていた[68]。連敗を脱出する1年8か月ぶりの勝利、わずか2勝馬の身分でGI初勝利、古馬GIタイトル奪取だった[11][69]。2006年エリザベス女王杯優勝のフサイチパンドラ以来史上2例目となる2勝馬による古馬GI優勝であり、史上初めてとなる2勝馬による天皇賞優勝だった[70][71]。またハーツクライは、産駒のJRAGI初勝利[11]。自身の競走馬時代のハイライトである2006年の有馬記念と同じように、大本命の三冠馬ディープインパクトに、大本命のディープインパクト産駒・牝馬三冠馬ジェンティルドンナに一泡吹かして、GIタイトルを掴んでいた[11]。さらに大和屋は、初めてデビューさせた競走馬で、しかも望みのハーツクライ産駒でGI優勝を果たしていた。

優勝馬服

それから福永は、天皇賞(秋)初優勝。前週に行われた菊花賞をエピファネイアで制していることから、2週連続GI優勝を成し遂げていた[71]。菊花賞と天皇賞(秋)という旧八大競走、伝統と格式のあるこの2つのGIの連続優勝は、1965年菊花賞をダイコーター、天皇賞(秋)をシンザンで制した栗田勝以来だった[68]。また福永の父は、騎手として活躍した福永洋一だった。洋一は、1972年にヤマニンウェーブで天皇賞(秋)を優勝していることから、横山富雄・典弘父子以来史上2組目となる父子天皇賞(秋)優勝を成し遂げていた[71]。福永祐一は「外へ出した時の反応がすごかった。あっという間に他馬を置き去りにして、あまりに早く先頭に立ったので、僕が戸惑ったくらい。ジェンティルドンナもあっという間に見えなくなった[64]」と回顧している。

天皇賞を戴冠したジャスタウェイの次なる目標は、翌年3月のドバイミーティングとなった[72]。それまでにジャパンカップや有馬記念へ出走する計画もあったが、疲労が著しいためにすべて回避。年内全休となった[72]

5歳(2014年)

中山記念

目標とするドバイミーティングのなかで、芝1777メートルで行われるドバイデューティフリー(G1)への参戦を基本線に考えていた。それに向けて、1月29日に帰厩[72]。前回の長期休養明けは、夏から秋にかけて変わり身を見せ、本格化して天皇賞(秋)戴冠を果たしていたが、今回の長期休養明けでは、さらに筋肉量が増えるなどさらに成長し、古馬の体つきを実現していた[72]。再始動初戦は、ドバイ遠征の前哨戦または壮行戦として、3月末の中山記念(GII)に参戦した。福永が騎乗停止処分により騎乗不能となり、横山典弘が代打を務めた。天皇賞(秋)で下したトウケイヘイローとの再戦となるほか、サダムパテックロゴタイプアユサンなどGI優勝馬4頭、GII優勝馬7頭のメンバーが揃う15頭立てだった[73]。トウケイヘイローに1番人気を譲り、単勝オッズ5.3倍の2番人気だった[73]

映像外部リンク
2014年 中山記念(GII)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

逃げ馬のトウケイヘイローが肝心のスタートで出遅れたが、ジャスタウェイは好発して先行策を敢行。馬場の最も内側の好位を追走した[73]。出遅れたトウケイヘイローが無理な逃げで失速する一方、好位をスムーズに立ち回り、3番手で迎えた直線ではそのまま内側を突いて進出[74][73]。失速したトウケイヘイローをかわしたうえに、後続を突き放して独走態勢を築いた。2着を争ったアルキメデスやロゴタイプ、マイネルラクリマに3馬身半差をつけて決勝線に到達し、前哨戦を勝利で飾る連勝を果たした[73]。横山は、1996年サクラローレル、2008年から連覇のカンパニーに続く中山記念4勝目を挙げ、保田隆芳増沢末夫、柴田善臣の史上最多タイ記録に並んでいた[75][76]。なお横山には、最後の直線インコース、間隙を突いたことで過怠金1万円の処分が下っている[77]

ドバイデューティフリー

概況

3月29日、アラブ首長国連邦ドバイのメイダン競馬場で行われるドバイデューティフリー(G1)は、日本調教馬3頭を含む13頭立て、うち7頭がGI級競走優勝馬だった。ロゴタイプやトウケイヘイローとは再戦となり、10頭の外国調教馬とは初対決、7頭のGI級優勝馬が集っていた[78]。外国調教馬で有力視されていたのは、南アフリカ調教馬のウェルキンゲトリクスやイギリス調教馬のザフューグだった。ウェルキンゲトリクスは、デビューから無敗の6連勝している南アフリカの一流馬であり、このレースの前哨戦であるジェベルハッタを制して参戦していた[79]。ザフューグは、牝馬ながらアルカジーム英語版トレーディングレザー英語版などのヨーロッパ牡馬の一線級を下してアイリッシュチャンピオンステークスを優勝していた[78]。イギリスのブックメーカー各社は、地元のザフューグが出走しているにもかかわらず、ジャスタウェイの実力を認めて1番人気に設定していた[78]。参戦にあたり福永は、2つの作戦を用意していた[80]。先行して逃げ馬の背後を得て、直線で抜け出すプランAと、出遅れるなどしたら後方待機から追い込み、末脚に賭けるプランBだった[80]

映像外部リンク
2014年 ドバイデューティフリー(G1)
レース映像 レーシングドバイ公式YouTubeチャンネルによる動画

トウケイヘイローが好スタートから同じように逃げる一方で、ジャスタウェイは出遅れてプランB、後方2番手の外側を確保した[81]。トウケイヘイローが1000メートルを59秒以下で通過するややハイペースを追走[81]。やがて対抗馬ウェルキンゲトリクスの背後を得てマークする形を取りながら、ワンターンに差し掛かって最終コーナーを通過した。直線では外から追い込みを開始した。逃げ馬を捉えて、先に抜け出そうとしていたウェルキンゲトリクスに詰め寄り、末脚を発揮[80]。残り300メートルで捉え、勢い衰えずに伸びて差し切り、さらには置き去りにしていた[80]。独走態勢を築いたが、勢いそのまま突き放す一方だった。ウェルキンゲトリクスに6馬身4分の1差、それ以下に約8馬身差をつけて決勝戦に到達していた[80]

GI級競走2勝目、外国G1初優勝を果たした。2007年アドマイヤムーン以来となる日本調教馬のドバイデューティフリー優勝だった[82]。また2006年ドバイシーマクラシックを優勝した父ハーツクライとともに、父仔ドバイミーティング優勝を成し遂げていた[82]。さらに大和屋は、人生の目標に定めていたドバイミーティング優勝を最初の所有馬で果たしていた[26]

優勝着差6馬身4分の1の大勝だったうえに、走破タイム1分45秒52は、従来レコードを2秒41上回るコースレコードを樹立していた[80]。この年の馬場は高速決着の傾向にあり、レコードが多発していたが、2秒以上短縮したのはジャスタウェイだけだった[80]。福永は、シーザリオで優勝した2005年アメリカンオークス以来9年ぶり5勝目の外国G1だった[82]。ウェルキンゲトリクスのクリストフ・スミヨンは、最終コーナーで勝利を確信していたが「日本の馬が矢のように駆け抜けていった。言葉がないです[83]」と回顧している。また福永は、引き揚げて来て一言「これで世界ランキング1位でしょう[83]」と話していた。

世界ランキング1位

この独走劇は、レーティング的にも高い評価を受けた。着差6馬身以上でウェルキンゲトリクスを制したことから「130」ポンドを獲得していた[84]。「130」は、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表する「ロンジンワールドベストレースホースランキング」の、この年1月1日から4月7日までの四半期発表で最も高かった[84]。アメリカ調教のダート馬ゲームオンデュード「125」や香港調教の芝馬ミリタリーアタック「124」、日本調教馬キズナ「121」やゴールドシップ「120」などを上回る評価となる単独首位、すなわち「世界ランキング1位」の座に輝いていた[84]。「130」の評価は、前年の有馬記念でディープインパクトを超越した数値が与えられたオルフェーヴル「129」を上回り[85][84]、セックスアローワンスを考慮しなければ前年首位のブラックキャビアトレヴと同じ数値[84]、日本調教馬としては1999年のエルコンドルパサー「134」に次いで史上2番目に高い数値だった[86]。またIFHAによる日本調教馬の「世界ランキング1位」は、2006年7月の前身「ワールドリーディングホース」中間発表で「125」を与えられて1位タイとなったディープインパクト以来であり、日本調教馬史上初めてとなる単独「世界ランキング1位」となっていた[84]

2014年度ロンジンワールドベストレースホースランキング[87]
RATE (調教国)馬 馬場 距離 レース 着順
1 130 日本の旗ジャスタウェイ M ドバイデューティフリー 1着
2 129 日本の旗エピファネイア L ジャパンカップ 1着
3 127 香港の旗エイブルフレンド M 香港マイル 1着
アイルランドの旗オーストラリア I インターナショナルS 1着
愛チャンピオンS 2着
イギリスの旗キングマン M セントジェームズパレスS 1着
イギリスの旗ザグレーギャツビー I 愛チャンピオンS 1着
アラブ首長国連邦の旗バラエティクラブ M チャンピオンズマイル 1着

この後、世界各国でレースが続々行われ「ロンジンワールドベストレースホースランキング」は更新されていったが、ジャスタウェイの「130」ポンドを上回り、単独首位を脅かした馬は現れず、単独での年間総合首位「世界ランキング1位」の座を確定させることになる[88]。1977年にイギリスアイルランドフランスで始まった「ヨーロピアンクラシフィケーション」でレーティングによるランキングを作る試みが始まって以来、競馬後進国である日本は、初めは対象外にされており、対象となってからもどんな優駿も上位にはたやすく認められなかった[78]。しばらくして日本の競走が評価対象になり、1996年ジャパンカップで2着となったファビラスラフインが同年度3歳部門で28位にランクインしてブレイクスルー[78]。それからディープインパクトの2006年度4位、オルフェーヴルの2013年度3位などを経た2014年度、ジャスタウェイが首位に登り詰めて、日本調教馬史上初めてとなる快挙を成し遂げていた[89]。また2位の「129」エピファネイアとともに日本調教馬ワンツーフィニッシュを果たし、ともにこの年の「ロンジンワールドベストレースホース」として表彰されている[7]。翌2015年1月20日、ロンドンのクラリッジスホテル英語版で行われた表彰式で、大和屋はこのようにスピーチしている[7]

全世界のハンデキャッパーの方々に感謝しています。前回イギリスに来たのはハーツクライがキングジョージに出走した際で、その時は残念だったのですが、今回このような賞をいただき、ロンドンが好きになりました。 — 大和屋暁[87]

こうして世界一となったジャスタウェイには、ドバイデューティフリーの直後から世界各国から出走オファーが舞い込むようになった[90]。例えばフランスのアスコット競馬場からプリンスオブウェールズステークス、イギリスのヨーク競馬場からインターナショナルステークス、オーストラリアのムーニーヴァレー競馬場からコックスプレートへの出走オファーを受けていた[90]。しかし結局、陣営はいずれも選択することはなかった[90]

安田記念

「世界ランキング1位」となった後は、出走オファーに応えて外国転戦の可能性もあったが、日本凱旋を選択。帰国して吉澤ステーブルWESTで休養し[91]、安田記念から宝塚記念というローテーションが設定された。前年の天皇賞(秋)優勝後は、消耗からの回復に時間を要したが、今回のドバイ遠征は、外国へ輸送されたにもかかわらず、すぐに回復[91]。精神面も成長したことで、アクシデントなく凱旋初戦を迎えていた[91]。ただ一つ、騎乗する予定だった福永に騎乗停止処分が下り、直前で騎乗不能となるアクシデントに見舞われた。そこで陣営は、代打として前年の毎日王冠に騎乗した柴田善臣を起用していた。大和屋が、ジャスタウェイへの騎乗経験のある騎手を重視したための再登板であり、当初サダムパテックに騎乗する予定があった柴田を、半ば強奪していた。調教師の須貝は、かつて騎手だった。JRA競馬学校の第1期を卒業して免許を取得しており、同期の柴田と騎手と調教師の関係でGIに参戦していた[92][93]

6月8日、安田記念(GI)で凱旋試合に臨んだ[88]。16頭の日本調教馬に加えて、1頭の香港調教馬を迎える17頭立てだった。そのうち9頭はGI級競走優勝馬という「空前の好メンバー[92]」(土屋真光)が揃い、他にGIこそ届いていないものの、地力あるワールドエースやグランデッツァなども参戦していた[92]。強力なメンバーが相手だったが、それでも大本命、主役は、ジャスタウェイだった[92]。遠征帰りや代打起用などの懸念要素も問題にせず、単勝オッズ1.7倍の支持を集めていた[94]。以下の人気は、3歳牝馬ミッキーアイル、ワールドエース、グランデッツァ、カレンブラックヒル、フィエロ、ホエールキャプチャトーセンラーなどと続いていた[94]。3日前から続く降雨に祟られ、当日は不良馬場だった。降雨こそ弱まり小雨になったが、馬場は回復せず、道悪での開催となった[92]

映像外部リンク
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画
2013年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 関西テレビ競馬公式YouTubeチャンネルによる動画

ミッキーアイルが逃げて展開を作る一方、ジャスタウェイは5枠10番から五分のスタートを切り、中団を追走した[94][95]。グランデッツァやグランプリボス、ワールドエースなどとともに馬群を形成し、その馬群の中に潜って末脚に賭けていた[95]。9番手、11番手でワンターンを馬群で過ごした[94]。直線では、馬群がばらけて各々進路を確保し、横一線になって追い上げていた。ジャスタウェイも同様に外側へ持ち出して、進路を確保してからの追い上げを試みたが、各々ジャスタウェイへのマークは欠かさず、簡単に進路を得ることができなかった[94]。特にすぐ外側にいたグランプリボスに蓋をされ、進路を塞がれていた[94]。そこで切り替えて状態の悪い内側に突っ込みながら、馬群を捌いて進出を開始した[94][93]

抜群の進出コースを確保したのは、24歳三浦皇成が騎乗するブービー人気のグランプリボスだった[96]。1歳年上のグランプリボスは、2010年の朝日杯フューチュリティステークス、2011年のNHKマイルカップを優勝したGI2勝馬であった。他に2年前の安田記念でもストロングリターンに次ぐ2着となっていたが、連敗するうちに6歳となり、約半年ぶりの復帰戦で信頼が得られていなかった[96]。しかしそんな伏兵グランプリボスが直線半ばで抜け出し、先頭を奪取していた[95]。進出に手間取ったジャスタウェイは、後を追ったものの、グランプリボスがしぶとく、簡単に先頭を明け渡してくれなかった[95]

競り合うグランプリボス(手前)とジャスタウェイ(奥)

それでも雨でぬかるんだ馬場に脚を取られ、のめりながらも末脚を利かせて徐々に接近し、ゴール直前でどうにか並び立っていた[88][94][97]。ともにGI級競走2勝の2頭が並び立ってからは、併せながらの激しい競り合いとなっていた[95]。時に若手三浦の肘がベテラン柴田が顔面が入る接触がありながらも2頭は闘い、結局、両者ほとんど同時に決勝線へ飛び込んでいた[98]。優劣には写真判定が用いられ、結局ジャスタウェイのハナ差、約9センチメートル先着が判明した。1999年エアジハードグラスワンダー以来となる15年ぶり、グレード制導入後4例目となるハナ差決着の安田記念だった[99]

表彰式

凱旋試合の安田記念を戴冠。4連勝にしてGI級競走3連勝の3勝目を挙げていた[99]。グレード制導入後4頭目2013年ロードカナロア以来となる重賞3連勝中、またはそれ以上での安田記念優勝だった[99]。さらに、2001年香港カップから2002年フェブラリーステークスを連勝したアグネスデジタル以来となる外国G1優勝直後の帰国初戦、いわゆる凱旋試合にJRAGIを選んでの優勝だった[99]。また柴田は、1993年ヤマニンゼファー以来となる安田記念2勝目だった[100]。さらに父ハーツクライは、前々週の優駿牝馬ヌーヴォレコルトで、前週の東京優駿をワンアンドオンリーで制しており3週連続GI優勝[100]、2005年の秋華賞をエアメサイア、菊花賞をディープインパクト、天皇賞(秋)をヘヴンリーロマンスで制したサンデーサイレンス以来となる同一種牡馬産駒による3週連続JRAGI優勝を果たしていた[97]

本来のローテーションならば、次は宝塚記念だった[101]。出走馬を決めるファン投票では、ゴールドシップ、ウインバリアシオン、ジェンティルドンナに次ぐ第4位、約4万票を集めていた[102]。しかし不良馬場の安田記念をこなした代償は大きく、本格化したジャスタウェイでも、疲労は著しかった[103][101]。そのため宝塚記念は回避となり、予定を前倒しして夏休み、吉澤ステーブルWESTで放牧となった[104]

凱旋門賞

夏休み明けの秋の目標は、フランスのロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞となった。この年、凱旋門賞へ登録した日本調教馬は、ジャスタウェイを含めて6頭いたが、うち3頭が須貝厩舎だった[105]。ジャスタウェイとゴールドシップ、そしてレッドリヴェールだった[105]。レッドリヴェールは、3歳の牝馬であり、前年の阪神ジュベナイルフィリーズを無敗で制していた。そして翌年の桜花賞ハープスターに次ぐ2着となった後、牝馬限定の優駿牝馬ではなく、牡馬も出走する東京優駿に敢えて出走していた[106]。結果次第では凱旋門賞参戦も検討されており、それを見据えて福永を起用していた[106]。しかし栗東から東京への輸送でも堪えて12着に敗退し、断念していた[107]。しばらくしてジャスタウェイが福永を得て、凱旋門賞へ挑むこととなっていた。

ゴールドシップ

レッドリヴェールの参戦はなくなったが、須貝厩舎からはジャスタウェイとゴールドシップの2頭が挑戦することになった。2頭のほかに遠征に同行する馬、いわゆる帯同馬は、用意されなかった。この時点で宝塚記念連覇など、GI5勝を挙げていたゴールドシップと、世界ランキング1位のジャスタウェイは、厩舎で馬房を隣同士にされるなど仲が良く、須貝は、互いが互いの帯同馬となることを期待していた[108][109]。ゴールドシップは、夏の札幌記念を前哨戦としたのに対して、ジャスタウェイは前哨戦を用いず、ぶっつけ本番での参戦となった[110]。歴代優勝馬の中では、1965年シーバードの3か月がブランクの過去最長記録として存在していたが、それを上回る4か月のブランクを経た参戦となっていた[111]。しかし陣営は、克服できると考えていた[111]。またヨーロッパの重い馬場も、安田記念の不良馬場をこなしたなら通用すると考えていた[101]

エルコンドルパサー

外国G1を優勝してからの凱旋門賞参戦は、1999年にサンクルー大賞を優勝[注釈 1]してから参戦し、モンジューに僅差の2着と惜敗したエルコンドルパサー以来だった[113]。ただエルコンドルパサーは、ヨーロッパ長期滞在を経ての惜敗であり、短期間の滞在での外国G1優勝馬による参戦は初めてだった[113]。芝2400メートルで行われる凱旋門賞には、これまで同じような距離で活躍した日本調教馬が次々に参戦して、悉く敗れていた[113]。しかしジャスタウェイは、これまでの傾向とは異なり、芝2000メートル以下でしか勝利したことがなく、しかも実績のほとんどがマイルに偏っていた[113]。このようなマイル適性に富んだ馬の参戦は、日本調教馬として初めての試みだった[110][113]

しかしこのような新しい挑戦には、批判がついて回った[114]。世界ランク1位になったことで世界各国の競馬場からの招待オファーを受けるなど、実績に見合ったレースを選択することはいくらでも可能だった[114]。それでも敢えて陣営は、未知数の領域に足を踏み入れている選択を決断していた[114]。須貝は「やっぱり初めてと2番目は違う。凱旋門賞を勝つことは日本競馬の悲願。世界一になった馬を預かるものとして凱旋門賞を目指す責任がある[114]」と参戦の理由を回顧している。参戦にあたって当然ながら、距離やスタミナ不足が指摘されていた[115]。遠征は当初、成田国際空港からパリへの直行便を利用する予定だった[101]。しかし航空会社のストライキが発生して欠航となり、急遽オランダのアムステルダムに移動し、陸上輸送でパリへ向かう迂回を強いられた[101]。当初の予定よりも8時間超過する移動となったが、ドバイの経験があるジャスタウェイは動じず、輸送を順調にこなしていた[101]。現地での調整も順調で、福永曰く「ドバイの時以上[101]」の仕上がりで挑んでいた[101]

10月5日の凱旋門賞(G1)は、20年ぶりとなるフルゲート20頭立てだった[116]。有力馬が続々回避したことから出走馬が揃い、混戦模様となっていた[116]。20頭のうち、ゴールドシップとジャスタウェイという須貝厩舎の2頭に、3歳牝馬の桜花賞優勝馬・ハープスターを加えた3頭が日本調教馬だった。日本調教馬としては史上最多となる頭数で挑み、しかも3頭ともに実績十分で戦前は日本の「最強トリオ[117]」などと喧伝されていた。3頭の現地での人気は、ハープスター、ジャスタウェイ、ゴールドシップの順に4番人気から6番人気までを占めていた[116]

映像外部リンク
2014年 凱旋門賞(G1)
レース映像 フランスギャロップ公式YouTubeチャンネルによる動画

良いスタートを切ったジャスタウェイだったが、その後の追走に苦労して後方から数えて4、5番手、馬群の後方で置かれる形となった[116]。コーナーに差し掛かると、外側から馬に寄られて、馬場の内側から抜け出すことができず、馬群の真っ只中に嵌り、終始揉まれながらの追走となっていた[114]。やがてフォルスストレートから直線に向いて勝負どころでは、最も内側を突いていた[118]。しかし最内コースに進路を見出せず、外に持ち出してから追い上げた[118]。進路確保に手間取ったのは致命傷となり、追い上げ始めても、既に逆転不能の差ができていた[118]。先行して抜け出していた7番人気トレヴに独走を許して敗退[118]。トレヴに約5馬身後れを取る8着だった[101]。福永によれば敗因は、距離ではなく、単なる力負けであるとしていた[119]

ジャパンカップ

帰国初戦は、凱旋門賞と同様に長距離、2400メートルのジャパンカップが選ばれた[88]。10月11日に帰国して検疫、吉澤ステーブルWESTでの着地検査をこなした[120]。その後須貝が、遠征や輸送のダメージが少ないことを確認して参戦が決定した[121]。当初、陣営には、ジャパンカップの前週に行われるマイルチャンピオンシップという選択肢も存在していたという[122]。外国人記者の多くは、凱旋門賞の敗戦を距離の問題であると捉えており、マイルチャンピオンシップや香港マイル、香港カップなど実績ある中距離路線に出走するものだと考えていた[121]。しかし陣営に言わせれば、凱旋門賞の敗因は決して距離だとは考えていなかった[121]。また、マイルチャンピオンシップでは時間が足りず、香港では連続での外国遠征となる懸念があり、既に実力を証明した中距離で全うしても得られるものは小さいと考え、さらなる挑戦のために敢えて長距離を選んでいた[122]。須貝は「世界一の称号をいただいている馬ですし、馬場がどうの、距離がどうのとは言っていられない立場[123]」と述べて、長距離に再び挑んでいた[123]

11月30日のジャパンカップ(GI)は、アイリッシュダービー優勝のトレーディングレザー英語版、バーデン大賞やバイエルン大賞優勝のアイヴァンホウ、ジャマイカハンデキャップ優勝のアップウィズザバーズの外国調教馬3頭を迎えたが、人気の中心とは、日本調教馬が占めていた[124]。古馬では3連覇がかかるジェンティルドンナ、天皇賞(秋)優勝直後のスピルバーグ、前年菊花賞優勝のエピファネイアがおり、3歳馬では、皐月賞優勝のイスラボニータ、東京優駿(日本ダービー)優勝のワンアンドオンリー、凱旋門賞帰りの牝馬ハープスターが出走[124]。役者は揃い『優駿』によれば「『史上最高』との声も聞かれるほどの豪華メンバー[124]」だったという。フルゲートの18頭立てとなる中、ジェンティルドンナが1番人気、ハープスターが2番人気と続き、ジャスタウェイは、単勝オッズ6.7倍の3番人気だった。以下エピファネイア、イスラボニータなどが続いていた[124]

福永は、4番人気エピファネイアの主戦騎手でもあったが、ジャスタウェイを選択していた[125]。エピファネイアには、当日ワールドスーパージョッキーシリーズで来日中のクリストフ・スミヨンが「エキストラ騎乗」で代打を務めていた[126]。ジャスタウェイの参戦過程は、決して順調ではなかった[122]。1週間前の調教では福永は首を傾げ、直前の併せ馬でも後れを取っていた[127]。福永によれば「絶好調という感じは受けません[128]」と話していた。しかし当日に一変し、福永が想定したよりも良い感触を返し馬で得て参戦していた[128]

映像外部リンク
2014年 ジャパンカップ(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

最も内枠、1枠1番からスタートして中団馬群の内側を追走[129]、最終コーナーを8番手で通過した。直線では外に持ち出して進路を確保して追い上げた[129]。福永は後に「道中もスムーズに運べて、だいたい思った通り[128]」だったと振り返っていた。道中、後方を追走していたトレーディングレザーが第3コーナーで故障して後退し、競走中止[128]。トレーディングレザーの突然の後退により、その背後にいたハープスターやスピルバーグ、ジェンティルドンナなどが躓くなど、大きな不利を被っていた[128]。一方のジャスタウェイは、スムーズに最終局面に入っていた[128]。スパートすると、イスラボニータと並ぶ形での進出となり、先行勢のほとんどを差し切っていた。不利を受けたジェンティルドンナなどもスパートしていたが、それらに前方を譲らなかった。やがてイスラボニータも制していた[128]

それでも、先頭奪取はできなかった。遥か前方に、独走するエピファネイアがいた[129]。先行策と折り合いの両立を実現し、直線に向いてスパート、一気に後続を引き離してセーフティリードを築いていた[124]。末脚衰えず独走するエピファネイアに対して、ジャスタウェイは追い上げるも、差は広がるばかりだった。残り100メートルほどで末脚が鈍ってしまい[130]、ゴール手前では遅れて追い上げたスピルバーグやジェンティルドンナ、ハープスターに接近を許した。それでも粘り、それらに半馬身先着して2着は確保していた[124][131]

「世界一」のレーティングを持つジャスタウェイは、エピファネイアに4馬身差つけられた2着に屈していた[132]。ジャパンカップの4馬身差は、2003年優勝タップダンスシチーが2着ザッツザプレンティにつけた9馬身差に次いで2番目に大きい優勝着差だった[132]。しかし後日発表されたレーティングの判定では、エピファネイアは「128」で世界2位止まり、世界1位ジャスタウェイのドバイデューティフリー「130」は脅かされなかった[133]

引退レース

引退式

12月28日の有馬記念(GI)は4着。これを以て引退となった。ラストランを終えた後、時間を空けて午後6時半にゴールドシップと共に競馬場を退き、栗東に帰還[134]。年をまたいだ2015年1月4日、京都競馬場で引退式が行われた[135]。榎本が好きなMr.Childrenの『終わりなき旅』をBGMに[136]、GI初勝利を果たした際の天皇賞(秋)のゼッケンを着用して登場[135]。主戦騎手の福永を背に、芝コースでのキャンターが披露された[135]。福永は、思い出のレースにドバイを挙げ、須貝は「ジャスタウェイの子供たちを、父に負けず世界で戦えるように育てていく責務を課せられた[137]」、榎本は「またいつか、ジャスタウェイの子供を担当して、大きなレースを勝ちたいです[137]」と述べていた。後に初年度産駒として生まれるアドマイヤジャスタは、須貝と榎本に手掛けられて出世を果たすことになる[138]

翌々7日付けで競走馬登録を抹消された。この年のJRA賞では、全285票中242票を獲得[注釈 2]最優秀4歳以上牡馬に選出された[139]。他に年度代表馬部門でも51票を獲得したが、231票のジェンティルドンナに及ばず次点[注釈 3]最優秀短距離馬部門でも32票を獲得したが、193票のスノードラゴンと34票のコパノリチャードに及ばず第3位[注釈 4]だった[139]

種牡馬時代

供用

競走馬引退後は、種牡馬として供用された。引退直後の2015年1月10日から北海道安平町の社台スタリオンステーションに繋養され[140]、父ハーツクライの目の前の馬房が割り当てられた[135]。供用に際しては、シンジケートが結成された[141]。シンジケートの総額は、公表はされていないが、島田明宏によれば「10億、20億といった単位の金[141]」が動いたという。初年度の種付け料は350万円に設定され、種付け権利はすぐに売り切れていた[142][143]

初年度となる2015年は220頭と交配し、2年目からは100頭台に落ち込んだが、5年目となる2019年は盛り返して214頭と交配した[144]。しかし翌6年目となる2020年、三桁を割る86頭に落ち込み、この年の秋に社台スタリオンステーションを追われた[145]。2021年からは、日高町ブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用されるようになり[146]、日高では、年間約60頭との交配に留まっている[145]

産駒の活躍

ヴェロックス

産駒は、2018年から競走馬として走っている。初年度産駒は続々勝ち上がり、ファーストシーズンサイアーチャンピオン、2018年デビューの新種牡馬で一番の活躍を果たしていた[146]。初年度産駒のなかでも須貝と榎本が手掛けるアドマイヤジャスタは、同年のホープフルステークス(GI)で2着、中内田充正厩舎のヴェロックスは、翌2019年の若葉ステークス(L)優勝するなどして、2019年クラシック戦線に加わっていた[147]。特にヴェロックスはクラシック三冠競走すべてで善戦、皐月賞2着、東京優駿および菊花賞3着となった[148]

マスターフェンサー

また芝だけに留まらずダート、角田晃一厩舎のマスターフェンサー(母父:デピュティミニスター)は、日本を飛び出してアメリカのクラシック競走に参戦していた[149]。2019年、日本生産馬として史上初めてとなるケンタッキーダービー(G1)参戦を果たして6着、ベルモントステークス(G1)にも臨み5着となった[149]

クラシックタイトルこそ逃した初年度産駒だったが、その後も続々活躍し、重賞タイトルにありついた産駒も多数存在した。クラシック終結直後の2019年秋に、ロードマイウェイチャレンジカップ(GIII)を優勝し、産駒として初めて重賞優勝を成し遂げていた[146]。翌2020年春にはアウィルアウェイシルクロードステークス(GIII)を、夏にはアドマイヤジャスタが函館記念(GIII)を優勝[146]。帰国したマスターフェンサーもダートグレード競走を多数優勝していた[146]。さらに2021年秋には、テオレーマ(母父:シーザスターズ)が金沢競馬場で行われたJBCレディスクラシック(JpnI)を優勝[150]。初年度産駒からGI級競走優勝産駒を送り出すことに成功している[150]

テオレーマ

重賞優勝産駒は初年度産駒に留まらず、複数世代に及んでいる。特に2018年産、3年目産駒のダノンザキッド(母父:ダンシリ)は、2020年のホープフルステークス(GI)を優勝し、同年のJRA賞最優秀2歳牡馬を受賞[151]。産駒として初めてとなるJRAGI優勝を成し遂げ、JRA賞受賞までを成し遂げている[152]

ダノンザキッド

ダノンザキッドは、その後も長く活躍し、翌2021年皐月賞(GI)ではエフフォーリアを上回る1番人気の支持を集めたり[153]、同年のマイルチャンピオンシップ(GI)ではグランアレグリアシュネルマイスターに次ぐ3着となったりした[154]。さらに2022年も重賞戦線で活躍し、秋のマイルチャンピオンシップではセリフォスに次ぐ2着[155]、暮れの香港カップ(G1)ではロマンチックウォリアーに次ぐ2着[156]。さらにさらに2023年の大阪杯(GI)では、ジャックドールスターズオンアースに次ぐ3着となっている[157]

競走成績

以下の内容は、netkeiba[158]並びにJBISサーチ[159]、『優駿』2015年2月号[160]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離
(馬場)



オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬
(2着馬)
馬体重
[kg]
2011.07.23 新潟 2歳新馬 芝1600m(良) 16 7 14 006.4(04人) 01着 R1:36.10(33.8) -0.8 福永祐一 54 (ラパージュ) 494
0000.09.04 新潟 新潟2歳S GIII 芝1600m(良) 18 6 11 001.7(01人) 02着 R1:33.90(32.6) -0.1 福永祐一 54 モンストール 490
0000.11.19 東京 東スポ杯2歳S GIII 芝1800m(不) 15 8 14 007.4(03人) 04着 R1:53.50(36.3) -0.8 後藤浩輝 55 ディープブリランテ 488
2012.02.05 京都 きさらぎ賞 GIII 芝1800m(良) 13 6 8 006.9(03人) 04着 R1:47.90(34.2) -0.9 秋山真一郎 56 ワールドエース 492
0000.02.25 阪神 アーリントンC GIII 芝1600m(良) 13 8 13 004.1(02人) 01着 R1:35.30(34.2) -0.1 福永祐一 56 (オリービン) 482
0000.05.06 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 7 14 010.0(04人) 06着 R1:35.30(34.2) -0.8 福永祐一 57 カレンブラックヒル 474
0000.05.27 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 7 14 112.9(15人) 11着 R2:24.80(34.1) -1.0 秋山真一郎 57 ディープブリランテ 482
0000.10.07 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 16 4 7 061.6(12人) 02着 R1:45.00(33.0) -0.0 柴田善臣 54 カレンブラックヒル 490
0000.10.28 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 6 11 028.3(08人) 06着 R1:57.80(34.0) -0.5 内田博幸 56 エイシンフラッシュ 486
2013.01.05 中山 中山金杯 GIII 芝2000m(良) 16 5 9 003.4(01人) 03着 R1:59.90(34.5) -0.4 内田博幸 56.5 タッチミーノット 486
0000.02.10 京都 京都記念 GII 芝2200m(良) 11 4 4 003.5(01人) 05着 R2:13.20(34.2) -0.7 内田博幸 55 トーセンラー 490
0000.03.09 中京 中日新聞杯 GIII 芝2000m(良) 18 5 9 005.9(02人) 08着 R2:00.30(35.3) -0.7 D.バルジュー 57 サトノアポロ 486
0000.06.09 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 14 8 13 006.2(03人) 02着 R1:45.70(32.7) -0.0 福永祐一 56 クラレント 496
0000.08.11 新潟 関屋記念 GIII 芝1600m(良) 18 8 16 002.8(01人) 02着 R1:32.70(33.2) -0.2 福永祐一 56 レッドスパーダ 506
0000.10.06 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 11 8 10 009.3(06人) 02着 R1:46.80(32.7) -0.1 柴田善臣 56 エイシンフラッシュ 498
0000.10.27 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 17 4 7 015.5(05人) 01着 R1:57.50(34.6) -0.7 福永祐一 58 ジェンティルドンナ 496
2014.03.02 中山 中山記念 GII 芝1800m(稍) 15 3 4 005.3(02人) 01着 R1:49.80(36.6) -0.6 横山典弘 58 アルキメデス 502
0000.03.29 メイダン ドバイDF G1 芝1800m(Gd) 13 2 01着 R1:45.52 福永祐一 57 (Vercingetorix) 計不
0000.06.08 東京 安田記念 GI 芝1600m(不) 17 5 10 001.7(01人) 01着 R1:36.80(37.1) -0.0 柴田善臣 58 グランプリボス 498
0000.10.05 ロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m(Gd) 20 14 7 08着 福永祐一 59.5 Treve 計不
0000.11.30 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 18 1 1 006.7(03人) 02着 R2:23.80(35.1) -0.7 福永祐一 57 エピファネイア 498
0000.12.28 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 8 15 004.6(03人) 04着 R2:35.50(33.4) -0.2 福永祐一 57 ジェンティルドンナ 504
  • 馬場状態:Gd=Good
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す

種牡馬成績

年度別成績

以下の内容は、JBISサーチの情報に基づく[144]

種付年度 種付頭数 生産頭数 血統登録頭数 出走頭数 勝馬頭数 重賞勝馬頭数 AEI CPI
2015 220 138 138 123 89 5 1.44
2016 151 106 106 95 71 2 0.89
2017 121 78 75 62 41 1 1.25
2018 151 99 97 87 49 0 0.80
2019 214 140 138 116 52 2 1.10
2020 86 62 60 17 3 1.07
2021 61 38 38 0
2022 67 0 0 0
合計 652 500 305 10 1.14 1.82

重賞優勝産駒一覧

GI級競走優勝産駒

GI級競走は、太字強調にて示す。

重賞優勝産駒

地方競馬独自の格付けは、アスタリスクを充てる。

ロードマイウェイ

ロードマイウェイ(欧字名:Lord My Way 血統 
[164] ジャスタウェイ
2009 鹿毛
ハーツクライ *サンデーサイレンス
毛色 鹿毛[164] アイリッシュダンス
生年 2016年[164] シビル Wild Again
生産地 日本の旗 日本北海道新ひだか町[164] *シャロン英語版
生産者 ケイアイファーム[164] フェリス
2010 鹿毛
ジャングルポケット *トニービン
馬主 ロードホースクラブ[164] *ダンスチャーマー
調教師 杉山晴紀栗東)ほか[164] レディミューズ *ティンバーカントリー
成績等 29戦6勝[164]
2019年チャレンジカップ(GIII)優勝[164]
2019年ポートアイランドS(L)優勝
*シンコウラブリイ
2019年チャレンジカップ

ロードマイウェイは、北海道新ひだか町のケイアイファームで生産された牡馬である。曾祖母は、1993年のマイルチャンピオンシップ(GI)優勝のシンコウラブリイ、祖母は、2000年チューリップ賞(GIII)2着、優駿牝馬(GI)4着のレディミューズだった。牧場では、成長がゆっくりだったため、無理をさせないように時間をかけて育成されたという[171]。クラブ法人の株式会社ロードホースクラブが所有し、栗東トレーニングセンター杉山晴紀厩舎から競走馬デビューを果たした。

2歳となった2018年10月に競走馬としてデビュー、2戦目の未勝利戦(芝1800メートル)にてメイショウテンゲンノーワンを下して勝ち上がりを果たした[172]。その後は4連敗したが、年をまたいで3歳の6月、東京競馬場芝1800メートルの国分寺特別(1勝クラス)で古馬を下して2勝目。まもなく参戦した同月末、同距離、同競馬場の八ヶ岳特別(2勝クラス)も優勝して連勝を果たした。続いて8月末の夏競馬に参戦。初めは新潟記念(GIII)を希望したが除外され、代わりに長岡ステークス(3勝クラス)に参戦[173]。初めてのマイル挑戦だったが克服[172]。3番手から抜け出して優勝し、3連勝でオープンクラス昇格を果たした[172][173]

そして9月末には、ポートアイランドステークス(L)に1番人気で参戦[174]。3番手の好位追走から直線半ばで抜け出し、追い込んできた2番人気サトノアーサーとの競り合いとなったが、アタマ差先着[175][174]。4連勝でリステッド競走優勝を果たした[175]。そして11月30日、チャレンジカップ(GIII)に参戦。4連勝中の身で重賞初参戦となり、GI2着経験のあるギベオンに次ぐ2番人気に支持されていた[176]。スタートで出遅れて後方追走となったが、直線では外側に持ち出しながら追い上げた[177]。息の長い末脚を発揮して先行するトリオンフを差し切り優勝、重賞5連勝で重賞勝利を果たしていた[177]

映像外部リンク
2020年 大阪杯(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

年をまたいで古馬となった2020年は、金鯱賞(GII)で始動。連勝中の勢いで同期の皐月賞優勝馬サートゥルナーリアに挑み、2番人気に推されていたが、末脚不発で10着に敗退し、連勝ストップ[178]。この後は2020年から2022年まで、中央競馬のみならず地方競馬、南関東競馬岩手競馬に移籍しながら走り続けたが悉く敗退、5連勝が最後の勝利だった。この間は2020年大阪杯、2021年ジャパンカップでGI参戦を果たしたり、芝のみならずダートのリステッド競走に臨んだりしていたが、いずれも振るわなかった[179]。2022年11月22日付で地方競馬登録を抹消されて競走馬を引退した[179]。通算成績29戦6勝。

アウィルアウェイ

アウィルアウェイ(欧字名:A Will a Way 血統 
[165] ジャスタウェイ
2009 鹿毛
ハーツクライ *サンデーサイレンス
毛色 鹿毛[165] アイリッシュダンス
生年 2016年[165] シビル Wild Again
生産地 日本の旗 日本北海道安平町[165] *シャロン英語版
生産者 ノーザンファーム[165] ウィルパワー
2007 鹿毛
*キングカメハメハ *Kingmambo
馬主 吉田勝己[165] *マンファス
調教師 高野友和栗東)ほか[165] *トキオリアリティー Meadowlake
成績等 21戦4勝[165]
2020年シルクロードS(GIII)優勝
2019年オパールS(L)優勝
2018年京王杯2歳S(GII)2着
2020年スプリンターズS(GI)3着ほか[注釈 5]
What a Reality

アウィルアウェイは、北海道安平町ノーザンファームで生産された牝馬である。2019年安田記念マイルチャンピオンシップを優勝しこの年のマイルJRAGIを統一したインディチャンプ(父:ステイゴールド)の半妹だった[180]ノーザンファーム空港で育成されていた。幼駒の頃から動きが良く、馬体も充実して強度の高い調教もこなすことができていた[181]吉田勝己名義で所有しているが、実際は共有馬主をしており、その一因にジャスタウェイの馬主である大和屋暁も加わっていた[182]。競走馬として栗東の高野友和厩舎からデビュー。2歳となった2018年夏、6月の新馬戦で初勝利を挙げ、8月のダリア賞(OP)も優勝して連勝した[183]。続いて秋、11月の京王杯2歳ステークス(GII)で重賞初参戦。1番人気に推されたが、スタート直後に挟まれる不利を受け、折り合いも苦労した[184]。それでも直線で追い上げ、先に抜け出していたファンタジストに接近して追い詰めていた[184]。しかしハナ差届かず2着に敗れた[184]。この後は阪神ジュベナイルフィリーズ参戦を目指していたが、左前脚の球節部が腫れて回避し、放牧に出された[185]
3歳、翌2019年は、トライアル競走のフィリーズレビュー(GII)で始動し1番人気に推されるも7着敗退、続く桜花賞(GI)にも参戦したが10着だった。その後は、スプリントに専念。専念3戦目となる秋のオパールステークス(L)を勝利、続く京阪杯(GIII)は不利が響いて4着だった[180]。古馬となった2020年は、2月のシルクロードステークス(GIII)で始動、レッドアンシェルモズスーパーフレアという年上に次ぐ3番人気だった[180]。モズスーパーフレアが逃げる一方で、後方に構えて直線で末脚を発揮[180]エイティーンガールナランフレグとともに差し切り、共に追い上げた3頭の中でハナ差抜きん出て優勝し、重賞初勝利を挙げた[180]

映像外部リンク
2020年 スプリンターズステークス(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

その後2戦は大敗したが、夏競馬の北九州記念(GIII)で10番人気の低評価に反発する3着[186]。続いて挑んだスプリンターズステークス(GI)でも同じく10番人気の低評価に反発する3着となった[187]。その後はCBC賞(GIII)3着こそあったが、主に二桁着順での連敗を続け、2021年12月2日付に中央競馬の競走馬登録を抹消され引退した[188]。通算成績21戦4勝。引退後は、ノーザンファームで繁殖牝馬となり、2023年に初仔を産んでいる[189]

アドマイヤジャスタ

アドマイヤジャスタ(欧字名:Admire Justa 血統 
[163] ジャスタウェイ
2009 鹿毛
ハーツクライ *サンデーサイレンス
毛色 鹿毛[163] アイリッシュダンス
生年 2016年[163] シビル Wild Again
生産地 日本の旗 日本北海道安平町[163] *シャロン英語版
生産者 ノーザンファーム[163] アドマイヤテレサ
2000 鹿毛
*エリシオ *Fairy King
馬主 近藤利一近藤旬子[163] Helice
調教師 須貝尚介栗東)ほか[163] *ヒード Caveat
成績等 24戦3勝[163]
2020年函館記念(GIII)優勝[163]
2018年ホープフルS(GI)2着[163]
Swan
2019年東京優駿

アドマイヤジャスタは、北海道安平町ノーザンファームで生産された牡馬である。2014年コーフィールドカップ(G1)や2013年ダイヤモンドステークス(GIII)を優勝したアドマイヤラクティ(父:ハーツクライ)の半弟である[190]。牧場では、兄のアドマイヤラクティに似ている評価を得るなどしており、厩舎長の木村浩崇は「同世代の育成馬の中でもトップクラスの評価[191]」をしていたという。生後間もなくの当歳、2016年7月には、ジャスタウェイの初年度産駒としてセレクトセールに出場[192]。競りでは、前年の新種牡馬オルフェーヴルでも成し得なかった初年度産駒当歳の1億円を超え、1億4000万円で兄や母と同じく、冠名「アドマイヤ」を用いる近藤利一に落札された[192]。冠名に父名を足した馬名が与えられ、父と同じく、須貝尚介厩舎からデビューを果たした[190]

映像外部リンク
2018年 ホープフルステークス(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

2歳、2018年6月の新馬戦でデビューし、クリストフ・ルメールに導かれてブレイキングドーンに次ぐ2着となったが、続く未勝利戦を福永祐一で勝ち上がった。続いて秋、ルメールが戻って紫菊賞(500万円以下)では、出遅れたものの終いでロジャーバローズを差し切り優勝[193]。そして暮れのホープフルステークス(GI)で重賞並びにGI初挑戦を果たした。サートゥルナーリアニシノデイジーに挟まれた単勝2番人気に推されていた[194]。スタートから先行したサートゥルナーリアをマークする形の2、3番手を追走して最終コーナー手前からスパートし、直線では先頭奪取を果たした[194]。しかし末脚を繰り出したサートゥルナーリアにはかわされて及ばず、1馬身半敵わず2着だった[195]。翌2019年は、春のクラシックに出走したがいずれも敗退した。東京優駿(日本ダービー)(GI)では4番人気に推されたが、最下位だった。秋はクラシック三冠最終戦の菊花賞に登録したが回避[196]京都大賞典(GII)や福島記念(GIII)など重賞に参戦したが、いずれも二桁着順で敗退した[197]

映像外部リンク
2019年 東京優駿(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

古馬となった2020年もしばらく二桁敗退を続けたが、6月の鳴尾記念(GIII)で初めてパッシュファイヤーを着用して6着と復調した[190]。続いて7月、パッシュファイヤーを継続して函館記念(GIII)に吉田隼人と参戦。16頭が出走する中、単勝オッズ77.3倍の15番人気でブービー人気に過ぎなかった[198]。スタートからトーラスジェミニが飛ばし、人気馬も続々先行する一方、アドマイヤジャスタは中団で待機[190]。直線で外を回りながら追い上げてすべて差し切っていた[190]。後方に1馬身半差をつけて重賞初勝利、1年9か月ぶりの勝利を挙げていた[190]。15番人気の低評価に反発し、単勝など様々な式別で函館記念史上最高配当を記録していた[198]。その後は主にGIII競走に参戦したが、再び勝利を挙げることはできず、ほとんど二桁着順だった。2022年11月24日付でJRAの競走馬登録を抹消され引退した[199]。通算成績24戦3勝。競走馬引退後は、ノーザンファームで乗馬となった[199]

エーポス

エーポス(欧字名:Epos 血統 
[167] ジャスタウェイ
2009 鹿毛
ハーツクライ *サンデーサイレンス
毛色 栗毛[167] アイリッシュダンス
生年 2017年[167] シビル Wild Again
生産地 日本の旗 日本北海道新ひだか町[167] *シャロン英語版
生産者 フジワラファーム[167] *ストライクルート
2010 栗毛
Smart Strike *Mr. Prospector
馬主 有限会社フジワラ・ファーム[167] Classy'n Smart
調教師 北出成人栗東[167] *タドウィガ *Fairy King
成績等 9戦3勝[167]
2020年フィリーズレビュー(GII)優勝[167]
2021年ラピスラズリS(L)優勝[167]
Euromill
2020年白梅賞

エーポスは、北海道新ひだか町フジワラファームで生産された牝馬である。母ストライクルートが小柄だったため、反対に馬格のあるジャスタウェイを交配相手に選ばれた[200]。しかしそれでも、誕生直後は小柄だったという[200]。フジワラファームが自己所有して競走馬にし、栗東の北出成人厩舎からデビューした。2歳となった2019年末の新馬戦(芝1600メートル)を池添謙一に導かれて初出走初勝利を果たした[201]。年をまたいで白梅賞(1勝クラス)は5着、エルフィンステークス(L)は、デアリングタクトに敗れる4着だった[202]

続いて短期放牧を挟んで、3月のトライアル競走であるフィリーズレビュー(GII)で重賞初参戦[202]岩田康誠が騎乗して単勝オッズ13.8倍の5番人気に推された[203]。ハイペースとなる中、スタートで出遅れて中団馬群の内側を追走した[202]。直線では、外側に出さず内側に拘り、馬群を捌いて進出して差し切りを果たした[202]。後方に1馬身4分の1差をつけて優勝、重賞初勝利を挙げた[202]優先出走権を得て挑んだ桜花賞(GI)だったが、再びデアリングタクトに敗れる9着だった[204]

映像外部リンク
2020年 桜花賞(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

この後は、秋の復帰を考えていたが左前脚を裂蹄し断念[204]、丸1年休養となった。翌2021年4月の復帰後は、阪神牝馬ステークス(GII)、京王杯スプリングカップ(GII)と連戦するも敗退。再び半年空いて12月、初めてのスプリント戦となるラピスラズリステークス(L)に亀田温心と参戦した。中団を追走し馬群を捌いて進出し先頭奪取、1年9か月ぶりの勝利を挙げた[205][206]。続く翌2022年1月のシルクロードステークス(GIII)6着を最後に引退した。通算成績9戦3勝。競走馬引退後は、生まれ故郷のフジワラファームにて、繁殖牝馬として繋養されている[207]

血統

ジャスタウェイ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

ハーツクライ
2001 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンス Lyphard
My Bupers

シビル
1999 鹿毛
Wild Again
1980 黒鹿毛
Icecapade Nearctic
Shenanigans
Bushel-n-Peck Khaled
Dama
母の母
*シャロン
Charon
1987 栗毛
Mo Exception Hard Work
With Exception
Double Wiggle Sir Wiggle
Blue Double
母系(F-No.) (FN:2-n) [§ 3]
5代内の近親交配 なし [§ 4]
出典
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      • 「【重賞プレイバック】第16回東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)ディープブリランテ」
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    • 2012年6月号
      • 優駿編集部「【杉本清の競馬談義(325)】須貝尚介調教師」
    • 2012年7月号
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      • 「【重賞プレイバック】近代競馬150周年記念 第146回天皇賞(秋)(GI)エイシンフラッシュ」
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    • 2013年4月号
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    • 2013年5月号
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      • 「【重賞プレイバック】第148回天皇賞(秋)(GI)ジャスタウェイ」
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    • 2014年4月号
      • 岡本光男(日刊スポーツ関西)「【2014年の主役を担う古馬たち】充実の時を迎えいざ世界へ ジャスタウェイ」
      • 秋山響「【2014年ドバイワールドカップデイ完成ガイド】ドバイデューティフリー」
    • 2014年5月号
      • 斎藤修「【ドバイワールドカップデー詳報】ジャスタウェイ 2着以下を突き放す圧巻のパフォーマンス」
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      • 「【ニュース&トピックス】ジャスタウェイが世界ランキング1位に」
    • 2014年6月号
      • 吉沢譲治「【日本の種牡馬 血統に秘められた物語(2)】ハーツクライ 随所に映し出される母の父の影響力」
    • 2014年7月号
      • 岡本光男「【出走馬それぞれのダービー戦記】4番人気12着 レッドリヴェール 小柄な牝馬には響いた馬体減」
      • 土屋真光「【GIインサイドストーリー】ジャスタウェイ 向かい風を追い風に変えて」
    • 2014年8月号
      • 「【重賞プレイバック】第64回農林水産省賞典 安田記念(GI)ジャスタウェイ」
    • 2014年10月号
      • 合田直弘「【日本馬3頭の『武器』と『勝利へのシナリオ』】ジャスタウェイ 3歳世代の挑戦を受けて立つ王者」
      • 軍土門隼夫「【3人のサムライ 頂までのアプローチ】福永祐一 ダービーが目標なら、凱旋門賞は夢」
      • 岡本光男「【夢を追い求めるホースマンたちの声】須貝尚介調教師 馬房が隣同士の2頭が一緒に行くなんてすごいこと」
      • 軍土門隼夫「【ステップレース検証】2頭は札幌記念からロンシャンへ」
    • 2014年11月号
      • 軍土門隼夫「【第93回凱旋門賞詳報】最強トリオでも叶わなかった夢 トレヴが36年ぶりの連覇達成」
      • 軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(2)】ジャスタウェイ 結果は伴わずも、課題は克服」
      • 軍土門隼夫「【日本馬の遠征記(3)】ゴールドシップ 万全な状態も、不向きな馬場と流れ」
    • 2014年12月号
      • 岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第34回ジャパンカップ】今回こそ世界チャンプの末脚を見せる ジャスタウェイ」
      • 合田直弘「【第34回ジャパンカップ】海外での評価を聞く 『距離不適合』の評価を覆すか注視」
    • 2015年1月号
      • 岡本光男(日刊スポーツ・関西)「【第59回有馬記念】譲れない、世界一の誇り ジャスタウェイ」
      • 有吉正徳「【GIインサイドストーリー】エピファネイア 人馬共にリベンジを果たした瞬間」
      • 平松さとし「【敗因探究】注目馬たちのジャパンカップを振り返る」
      • 「【重賞プレイバック】ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第34回ジャパンカップ(GI)(国際招待)エピファネイア」
    • 2015年2月号
      • 合田直弘「【引退特別企画(2)】ジャスタウェイ "世界一"を掴みとった駿才」
      • 石川ワタル「【2014年の蹄跡(1)】ジャスタウェイ&ジェンティルドンナ ドバイの宴~日本馬が世界を驚かせた夜」
      • 「【2014年度JRA賞決定!】年度代表馬はジェンティルドンナ」
      • 優駿編集部「【杉本清の競馬談義(357)】大和屋暁さん」
      • 岡本光男「【トレセン・リポート】栗東トレセン発 有馬記念翌日、榎本調教助手が振り返るジャスタウェイとの思い出」
      • 「【ニュースフロントライン】GI7勝馬ジェンティルドンナ、世界トップのジャスタウェイが引退式――多くのファンに見守られながらターフに別れを告げる」
      • 「【馬産地ニュース】引退したスターホースたちが北海道へ――第2の馬生にも期待がかかる」
    • 2015年3月号
      • 沢田康文「【ワールドレーシングニュース】2014年ロンジンワールドベストレースホースセレモニー 世界1位ジャスタウェイ、同2位エピファネイアがロンドンで表彰される」
    • 2017年4月号
    • 2018年7月号
    • 2020年4月号
      • 「【重賞プレイバック】第25回シルクロードステークス(GIII)アウィルアウェイ」
    • 2020年5月号
      • 「【重賞プレイバック】第54回報知杯フィリーズレビュー(GII)エーポス」
    • 2020年9月号
      • 「【重賞プレイバック】サマー2000シリーズ第56回農林水産省賞典 函館記念(GIII)アドマイヤジャスタ」

脚注

注釈

  1. ^ 福永はこの当時、怪我で休養中だった。そのためフランスに行き、間近でエルコンドルパサーの優勝を見届けていた[112]
  2. ^ エピファネイアが31票で次点。ゴールドシップ11票、該当馬なし1票[139]
  3. ^ 他に該当馬なし2票、エピファネイア1票[139]
  4. ^ 以下、ミッキーアイル12票、該当馬なし12票、コパノリッキー2票[139]
  5. ^ 2020年北九州記念(GIII)3着
    2021年CBC賞(GIII)3着
    2019年葵S(重賞)3着

出典

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外部リンク