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日本における郡部単位の飛地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本における郡部単位の飛地(にっぽんにおけるぐんぶたんいのとびち)とは地理的に分離した複数の地域で構成されているのことである。

日本の現在の郡は、住所表記や、広域連合体(広域行政圏)の範囲、都道府県議会選挙区の区割などに用いられるに留まり、また、町村に市制が施行されるとその範囲は郡域から除かれるため、多くの飛地が存在する。

飛地の多くは郡域の変化に伴って生じるが、郡域の変化には大きく2種類の要因がある。

明治期以前には、郡・荘の分立や隣郡との境界変更による飛地の発生が主な要因であった。 例えば入間郡高麗郡の分立によって飛地を生じた。また大隅郡には当初は飛地がなかったと思われるが、度重なる郡域変更により飛地を生じた。明治期以降にも、更級郡南河内郡勝田郡など数例このタイプの飛地が見られた(ただし、所属町村そのものの区域の変更に伴うという点で明治期以前の例とは異なる)。

明治期以降には、域内の町村の区制・市制施行による郡域離脱に伴う飛地の発生が多い。 古くは京都市域の区制に伴う愛宕郡の飛地発生から、このタイプの飛地は数多く見られる。

郡域の変化以外の要因で飛地をもつ郡もある。敷知郡の飛地は明応地震により生じたものである。また、海部郡は設置当初から飛地を持っており、のちの変更によるものではない。

北海道

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  • 上川郡
    • 1954年(昭和29年)の士別市と翌々年の1956年(昭和31年)名寄市の相次ぐ発足に伴い郡単位での飛地が発生。また、2006年(平成18年)3月27日の風連町が名寄市との新設合併に伴い、現状では下川町のみ和寒剣淵両町と分断されている。
  • 常呂郡:2006年3月5日に北見市が合併により拡大したため、郡域が南北に分断された。

東北

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青森県

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  • 南津軽郡:平賀町が2006年1月1日に平川市となったため、郡域が南北に分断された。
  • 三戸郡
    • 2005年3月31日、南郷村が八戸市に編入され東西に分断された。

岩手県

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宮城県

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秋田県

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山形県

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福島県

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関東

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茨城県

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  • 東茨城郡:赤塚村が1958/4/1に水戸市に編入され、南北で分割された。
  • 稲敷郡:2005/3/22に稲敷市が発足し、南北で分断された[1]

栃木県

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  • 下都賀郡:美田村が小山市に編入され、南北で分割された。2010年に大平町・藤岡町・都賀町が栃木市と合併し、南部が消滅した。
  • 塩谷郡:氏家町が2005年にさくら市となったため、東西に分割された。
  • 那須郡:湯津上村、黒羽町が2005年に大田原市と合併し、南北に分割された。
  • 河内郡:1954年の宇都宮市拡大に伴い、南北に分割。北部は2007年に消滅、南部も下野市の発足などで縮小しながらも存続している。

群馬県

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  • 多野郡:1955年に日野村が藤岡市に編入され、南北で分断された。2009年に吉井町が高崎市に編入され、北部は消滅。南部は現在も存続している。
  • 利根郡

埼玉県

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千葉県

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東京都

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中部

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新潟県

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1954年(昭和29年)3月31日、3町2村の合併による村上市の発足により北部10村と南部7村に分断。2008年(平成20年)4月1日、2町2村の村上市との合併により南北の分断状態は解消されたが、所属自治体が内陸部の関川村と島部の粟島浦村のみとなったことにより飛び地状態は継続。

石川県

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山梨県

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長野県

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岐阜県

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静岡県

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愛知県

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三重県

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近畿

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滋賀県

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京都府

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大阪府

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兵庫県

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和歌山県

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中国

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鳥取県

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広島県

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四国

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香川県

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高知県

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九州

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福岡県

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佐賀県

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長崎県

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熊本県

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宮崎県

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  • 児湯郡
  • 宮崎郡:1951年に瓜生野村が宮崎市に編入され、南北に分断された。2006年に北部が宮崎市に編入され、解消された。
  • 西諸県郡:1950年に小林市が誕生し、東西に分断された。1970年に西部がえびの市となり、解消された。
  • 南那珂郡:1956年に酒谷村が日南市に編入され、北郷村と南郷町が分断された。2009年に日南市と合併し解消。

鹿児島県

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  • 鹿児島郡:桜島町と吉田町で分断されていた。2004年に解消された。
  • 姶良郡:1955年の国分市の市制施行により、福山町とそれ以外に分断。2005年に福山町が国分市などと合併し霧島市となったが、残りが湧水町とそれ以外で南北に再分断。2010年に姶良市が発足し、南部が消滅して解消された。
  • 出水郡:1955年に三笠村が阿久根市に編入され、島嶼部と本土側に分断された。2006年に本土側が出水市に編入され、解消された。

沖縄県

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県内各地では早くも市制施行の波にのまれている現状ではいずれも主に島嶼間における飛地という扱いになっている。なお、このうち国頭郡における事例では、本土内でも新自治体「名護市」の発足による相次ぐ郡域離脱で郡単位での飛地が生じている。

明治期以前の郡

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近年までの主な事例

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脚注

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  1. ^ 阿見町と美浦村は合併して霞南市になる予定であったが、破談になった。実現していれば、北部は消滅していた。