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「サントリー学芸賞」の版間の差分

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2023年2月8日 (水) 06:03時点における版

サントリー学芸賞(サントリーがくげいしょう)は、公益財団法人サントリー文化財団が主催する学術賞である。

概要

1979年(昭和54年)に創設された。人文科学社会科学研究者日本語で執筆して、日本国内で出版した著書が対象である。受賞者の国籍職業は不問だが、受賞者には研究機関か大学の教員が多い。正賞は楯、副賞は200万円。同一人物による複数回の受賞はできない。また、物故者及び物故者の業績に対する遺族追賞はない。

文学賞は数多く存在するが、学術書を対象にした賞は数少なく、存在感と話題性がある。新人賞というわけではないが、若手の研究者が受賞することも多い。学際的なユニークな研究に対して贈られることも多い。

1994年(平成6年)に大塚英志が、手塚治虫戦後漫画の深い関係性を論じた漫画論の集成『戦後まんがの表現空間 記号的身体の呪縛』で社会・風俗部門を受賞した。2002年(平成14年)に切通理作が、宮崎駿への壮大な批評的ラブレターとも言うべきアニメ論『宮崎駿の〈世界〉』で同部門を受賞した。本賞は従来より、漫画やアニメを、サブカルチャーとして軽く見るのではなく、それらの研究を評価している[1]

一方で、批判としては賞自体が持つ学際性ゆえか、受賞対象の書籍の専門性について疑問が投げられることがある。たとえば、2006年(平成18年)の竹内一郎『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』などに関しては漫画研究者から「受賞にふさわしいレベルの著作でない」などの批判が寄せられた[2][3]

部門及び選考委員

選考委員は2010年11月現在

過去の選考委員


政治・経済部門 - 受賞者

受賞者の職業・肩書きは、当時のもの。

1970年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1979年 大嶽秀夫 東北大学助教授 『現代日本の政治権力経済権力』 岐阜県 政治過程論
日本政治
小池和男 名古屋大学教授 『労働者の経営参加』を中心として 新潟県 労働経済学
斎藤明 毎日新聞社政治部副部長 『転換期の安保』への寄与を中心として 東京都

1980年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1980年 野口悠紀雄 一橋大学助教授 『財政危機の構造』を中心として 東京都 日本経済論
ファイナンス理論
香西泰 経済企画庁経済研究所
総括主任研究官
『日本経済展望』への寄与を中心として 兵庫県 日本経済
1981年 中嶋嶺雄 東京外国語大学教授 『北京烈烈』 長野県 現代中国政治
村松岐夫 京都大学教授 『戦後日本の官僚制』 静岡県 行政学
地方自治論
安場保吉 大阪大学教授 『経済成長論』 東京都 経済発展論
比較経済史
1982年 猪口孝 東京大学助教授 『国際政治経済の構図』 新潟県 政治学
国際関係論
長尾龍一 東京大学教授 『日本国家思想史研究』 東京都 法哲学
政治思想史
憲法思想史
1983年 石弘光 一橋大学教授 『財政改革の論理』 東京都 財政学
植田和男 大阪大学助教授 『国際マクロ経済学と日本経済』 東京都 マクロ経済学
金融論
国際金融論
1984年 竹中平蔵 大蔵省財政金融研究室
主任研究官
『研究開発と設備投資の経済学』 和歌山県 国際経済学
吉川洋 大阪大学助教授 『マクロ経済学研究』 東京都 マクロ経済学
1985年 青木昌彦 京都大学教授 『現代の企業』 愛知県 比較制度分析
五百籏頭眞 神戸大学教授 『米国の日本占領政策』 兵庫県 日本政治外交史
政策過程論
日米関係論
1986年 斎藤修 一橋大学助教授 『プロト工業化の時代』 埼玉県 比較経済史
歴史人口学
1987年 猪木武徳 大阪大学教授 『経済思想』 滋賀県 労働経済学
経済思想
経済史
北岡伸一 立教大学教授 『清沢洌』 奈良県 日本政治史
1988年 大津定美 龍谷大学教授 『現代ソ連の労働市場』 北海道 経済政策
関場誓子 ボストン総領事館領事 『超大国の回転木馬』 三重県 国際政治学
1989年 島田晴雄 慶應義塾大学教授 『ヒューマンウェアの経済学』 東京都 労働経済学
日本経済論
経済政策

1990年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1990年 石井菜穂子 大蔵省主税局
国際租税課課長補佐
『政策協調の経済学』 東京都 国際マクロ経済学
J.M.ラムザイヤー カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授 『法と経済学』 宮崎県 日本法
法と経済学
1991年 塩沢由典 大阪市立大学教授 『市場の秩序学』 長野県 理論経済学
1992年 白石隆 コーネル大学准教授 『インドネシア 国家と政治』 愛媛県 インドネシア政治
1993年 赤根谷達雄 筑波大学専任講師 『日本のガット加入問題』 秋田県 国際政治経済学
安全保障論
岩井克人 東京大学教授 『貨幣論』 東京都 不均衡動学
貨幣論
法人論
岡崎哲二 東京大学助教授 『日本の工業化と鉄鋼産業』 東京都 日本経済史
1994年 黒田明伸 名古屋大学助教授 『中華帝国の構造と世界経済』 北海道 東アジア経済史
真渕勝 大阪市立大学助教授 『大蔵省統制の政治経済学』 兵庫県 行政学
公共政策分析
1995年 受賞者なし      
1996年 杉原薫 大阪大学教授 『アジア間貿易の形成と構造』 京都府 アジア経済史
田中明彦 東京大学助教授 『新しい「中世」』 埼玉県 国際政治学
御厨貴 東京都立大学 (1949-2011)教授 『政策の総合と権力』を中心として 東京都 日本政治史
1997年 関満博 専修大学助教授 『空洞化を超えて』を中心として 富山県 産業論
中小企業論
地域経済論
若林正丈 東京大学教授 『蒋経国と李登輝』を中心として 長野県 台湾現代史
台湾現代政治
1998年 ポール・シェアード ベアリング投信(株)
ストラテジスト
『メインバンク資本主義の危機』 豪州 日本経済
高尾義一 野村総合研究所研究理事 『金融デフレ』を中心として 大阪府 日本の金融システム
1999年 村田晃嗣 広島大学助教授 『大統領の挫折』 兵庫県 アメリカ外交

2000年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2000年 坂元一哉 大阪大学教授 『日米同盟の絆』 福岡県 日米関係史
2001年 大野健一 政策研究大学院大学教授 『途上国のグローバリゼーション』
を中心として
兵庫県 開発経済学
途上国経済論
田所昌幸 防衛大学校教授 『「アメリカ」を超えたドル』 大阪府 国際政治学
2002年 玄田有史 東京大学助教授 『仕事のなかの曖昧な不安』 島根県 労働経済学
細谷雄一 敬愛大学専任講師 『戦後国際秩序とイギリス外交』 千葉県 国際政治史
イギリス外交史
2003年 木村幹 神戸大学助教授 『韓国における「権威主義的」体制の成立』 大阪府 比較政治学
朝鮮半島地域研究
津上俊哉 独法経済産業研究所
上席研究員
『中国台頭』 愛媛県 中国地域研究
牧原出 東北大学大学院助教授 『内閣政治と「大蔵省支配」』 愛知県 行政学
日本政治史
2004年 川島真 北海道大学助教授 『中国近代外交の形成』 東京都 アジア政治外交史
国分良成 慶應義塾大学教授 『現代中国の政治と官僚制』を中心として 東京都 現代中国政治
2005年 岡本隆司 京都府立大学助教授 『属国と自主のあいだ』 京都府 中国近代史
東アジア国際関係史
大竹文雄 大阪大学教授 『日本の不平等』 京都府 労働経済学
宮城大蔵 北海道大学専任講師 『戦後アジア秩序の模索と日本』 東京都 アジア政治史
2006年 黒崎輝 立教大学兼任講師 『核兵器と日米関係』 新潟県 国際政治学
国際政治史
神門善久 明治学院大学教授 『日本の食と農』 島根県 経済政策
2007年 飯尾潤 政策研究大学院大学教授 『日本の統治構造』 兵庫県 現代日本政治理論
土居丈朗 慶應義塾大学准教授 『地方債改革の経済学』 奈良県 財政学
公共経済学
2008年 堂目卓生 大阪大学教授 『アダム・スミス』 岐阜県 経済思想史
松田宏一郎 立教大学教授 『江戸の知識から明治の政治へ』 広島県 日本政治思想史
2009年 武内進一 国際協力機構JICA研究所
上席研究員
『現代アフリカの紛争と国家』 兵庫県 アフリカ政治
地域紛争
平和構築論

2010年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2010年 倉田徹 金沢大学准教授 『中国返還後の香港』 神奈川県 現代中国政治
瀧井一博 国際日本文化研究センター
准教授
『伊藤博文』 福岡県 国制史、比較法史
2011年 井上正也 香川大学准教授 『日中国交正常化の政治史』 大阪府 日本外交史
国際関係論
古川隆久 日本大学教授 『昭和天皇』 東京都 日本近代史
2012年 井口治夫 名古屋大学教授 『鮎川義介と経済的国際主義』 フィリピン 国際関係論
政治学
鈴木一人 北海道大学准教授 『宇宙開発と国際政治』 長野県 国際政治学
待鳥聡史 京都大学教授 『首相政治の制度分析』 福岡県 アメリカ政治
2013年 砂原庸介 大阪大学准教授 『大阪―大都市は国家を超えるか』 大阪府 政治学
中島琢磨 龍谷大学准教授 『沖縄返還と日米安保体制』 長崎県 政治学
日本政治外交史
2014年 大西裕 神戸大学教授 『先進国・韓国の憂鬱――少子高齢化、経済格差、グローバル化』 兵庫県 行政学
韓国政治
中澤渉 大阪大学准教授 『なぜ日本の公教育費は少ないのか――教育の公的役割を問いなおす』 埼玉県 教育社会学
社会階層論
2015年 前田健太郎 東京大学准教授 『市民を雇わない国家』 東京都 政治学
2016年 塩出浩之 琉球大学教授 『越境者の政治史』 広島県 日本近代史
日本政治外交史
白鳥潤一郎 北海道大学研究員 『「経済大国」日本の外交』 静岡県 国際政治学
2017年 伊藤公一朗 シカゴ大学助教授 『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』 宮城県 環境・エネルギー経済学
応用計量経済学
宮下雄一郎 松山大学准教授 『フランス再興と国際秩序の構想 第二次世界大戦期の政治と外交』 神奈川県 国際関係論
フランス外交史
2018年 阿南友亮 東北大学教授 『中国はなぜ軍拡を続けるのか』 東京都 中国近代政治史
現代中国政治
君塚直隆 関東学院大学教授 『立憲君主制の現在―日本人は「象徴天皇」を維持できるか』 東京都 イギリス政治外交史
近代ヨーロッパ国際政治史
王室研究
韓載香 北海道大学准教授 『パチンコ産業史―周縁経済から巨大市場へ』 ソウル特別市 現代日本経済史
2019年 善教将大 関西学院大学准教授 『維新支持の分析―ポピュリズムか、有権者の合理性か』 広島県 政治行動論
政治意識論
山口慎太郎 東京大学准教授 『「家族の幸せ」の経済学―データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』 長崎県 労働経済学
家族の経済学

2020年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2020年 酒井正 法政大学教授 『日本のセーフティーネット格差―労働市場の変容と社会保険』 東京都 労働経済学
社会保障論
詫摩佳代 東京都立大学教授 『人類と病―国際政治から見る感染症と健康格差』 広島県 国際政治学
国際機構論
2021年 中井遼 北九州市立大学准教授 『欧州の排外主義とナショナリズム―調査から見る世論の本質』 北海道 比較政治学
中西嘉宏 京都大学准教授 『ロヒンギャ危機―「民族浄化」の真相』 兵庫県 東南アジア研究
比較政治学
2022年 鎌田雄一郎 カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院准教授 『雷神と心が読めるヘンなタネ―こどものためのゲーム理論』 神奈川県 ゲーム理論
経済学
今野元 愛知県立大学外国語学部教授 『ドイツ・ナショナリズム―「普遍」対「固有」の二千年史』 東京都 政治学
歴史学

芸術・文学部門 - 受賞者

受賞者の職業・肩書きは、当時のもの。

1970年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1979年 磯田光一 文芸評論家 『永井荷風』 神奈川県 文芸評論
酒井忠康 鎌倉近代美術館学芸員 『開化の浮世絵師 清親』を中心として 北海道 美術史
長谷川堯 武蔵野美術大学助教授 『建築有情』を中心として 島根県 建築史

1980年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1980年 小泉文夫 東京芸術大学教授 『民族音楽研究ノート』を中心として 東京都 民族音楽
谷沢永一 関西大学教授 『完本 紙つぶて』を中心として 大阪府 文芸評論
若桑みどり 東京芸術大学助教授 『寓意と象徴の女性像』を中心として 兵庫県 西洋美術史
ジェンダー論
1981年 中野三敏 九州大学助教授 『戲作研究』 福岡県 近世文学
芳賀徹 東京大学教授 『平賀源内』 山形県 比較文学
1982年 海老沢敏 国立音楽大学学長 『ルソーと音楽』を中心として 東京府 音楽学
辻佐保子 名古屋大学教授 『古典世界からキリスト教世界へ』 愛知県 美術史
樋口忠彦 山梨大学助教授 『日本の景観』 埼玉県 景観工学
1983年 郷原宏 詩人読売新聞社記者 『詩人の妻 高村智恵子ノート』 島根県 文芸評論
小林忠 東京国立博物館絵画室員 『江戸絵画史論』 東京都 日本美術史
佐々木健一 東京大学助教授 『せりふの構造』 東京都 美学史
1984年 田中日佐夫 成城大学教授 『日本画 繚乱の季節』 岡山県 日本美術史
三浦雅士 評論家 『メランコリーの水脈』を中心として 青森県 舞踏研究
吉田敦彦 学習院大学教授 『ギリシァ文化の深層』を中心として 東京都 神話学
1985年 大笹吉雄 演劇評論家 『日本現代演劇史』 大阪府 演劇評論
玉泉八州男 東京工業大学教授 『女王陛下の興行師たち』 新潟県 英文学
船山隆 東京芸術大学教授 『ストラヴィンスキー』 福島県 音楽学
1986年 阿満利麿 NHKチーフディレクター 『宗教の深層』 京都府 宗教学
日本思想史
井上章一 京都大学助手 『つくられた桂離宮神話』を中心として 京都府 建築史
守屋毅 国立民族学博物館助教授 『近世芸能興行史の研究』 京都府 日本文化史
1987年 伊藤俊治 美術評論家 『ジオラマ論』 秋田県 美術史
写真史
井上和雄 神戸商船大学教授 『モーツァルト心の軌跡』 北海道 経済学
音楽評論
宮岡伯人 北海道大学教授 『エスキモー』を中心として 兵庫県 言語学
1988年 佐々木幹郎 詩人 『中原中也』 奈良県 音楽文芸
原広司 東京大学教授 『空間〈機能から様相へ〉』 神奈川県 建築学
松木寛 東京都美術館学芸員 『蔦屋重三郎』 宮城県 江戸芸術
1989年 森洋子 明治大学教授 『ブリューゲルの「子供の遊戯」』 新潟県 西洋美術
渡辺裕 玉川大学専任講師 『聴衆の誕生』 千葉県 音楽美学

1990年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1990年 北澤憲昭 美術評論家 『眼の神殿』 東京都 日本近代美術史
鈴木博之 東京大学教授 『東京の「地霊(ゲニウス・ロキ)」』を中心として 東京都 建築史
長谷川櫂 俳人 『俳句の宇宙』 熊本県 俳句
1991年 鹿島茂 共立女子大学助教授 『馬車が買いたい!』 神奈川県 フランス文学
五味文彦 東京大学助教授 『中世のことばと絵』を中心として 山梨県 日本中世史
西垣通 明治大学教授 『デジタル・ナルシス』 東京都 情報学
1992年 川本皓嗣 東京大学教授 『日本詩歌の伝統』 大阪府 比較文学
中川真 京都市立芸術大学助教授 『平安京 音の宇宙』 奈良県 音楽学
1993年 木下直之 兵庫県立近代美術館学芸員 『美術という見世物』 静岡県 博物館学
杉田英明 東京大学助教授 『事物の声 絵画の詩』 東京都 中東文化
馬渕明子 日本女子大学助教授 『美のヤヌス』 神奈川県 美術史
1994年 今橋映子 筑波大学専任講師 『異都憧憬 日本人のパリ』 東京都 比較文化学
玉蟲敏子 静嘉堂文庫美術館主任学芸員 『酒井抱一筆 夏秋草図屏風 東京都 美術史
尹相仁 漢陽大学校文科大学助教授 『世紀末と漱石』 韓国 日本文学
1995年 今橋理子 東海大学専任講師 『江戸の花鳥画』 東京都 美術史
川崎賢子 文芸・演劇評論家 『彼等の昭和』 宮城県 文芸・演劇評論
張競 東北芸術工科大学助教授 『近代中国と「恋愛」の発見』 中国 日中比較文化論
1996年 飯沢耕太郎 写真評論家 『写真美術館へようこそ』 宮城県 写真評論
兵藤裕己 成城大学教授 『太平記〈よみ〉の可能性』 愛知県 日本中世文学
芸能研究
1997年 イ・ヨンスク 一橋大学助教授 『「国語」という思想』 韓国 社会言語学
稲賀繁美 国際日本文化研究センター助教授 『絵画の黄昏』 広島県 美術研究
仁平勝 俳人評論家 『俳句が文学になるとき』を中心として 東京都 俳句・文芸評論
1998年 岩佐壯四郎 関東学院女子短期大学教授 『抱月のベル・エポック』 島根県 日本近代文学
佐伯順子 帝塚山学院大学助教授 『「色」と「愛」の比較文化史 』 東京都 比較文化学
高橋裕子 学習院大学教授 『イギリス美術』 東京都 西洋美術
1999年 榎本泰子 同志社大学専任講師 『楽人の都・上海』 東京都 日中比較音楽学
佐藤道信 東京芸術大学助教授 『明治国家と近代美術』 秋田県 美術史
永渕康之 名古屋工業大学助教授 『バリ島』 兵庫県 文化人類学
民俗学

2000年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2000年 蒲池美鶴 京都大学助教授 『シェイクスピアのアナモルフォーズ』 愛媛県 英文学
成恵卿 ソウル女子大学校副教授 『西洋の夢幻能』 韓国 比較文学
吉田憲司 国立民族学博物館教授 『文化の「発見」』 京都府 文化人類学
2001年 岡田暁生 神戸大学助教授 『オペラの運命』 京都府 音楽学
河合祥一郎 東京大学助教授 『ハムレットは太っていた!』 福井県 シェイクスピア
田中優子 法政大学教授 『江戸百夢』 神奈川県 江戸文化
2002年 加藤徹 広島大学助教授 『京劇』 東京都 中国文学
小谷野敦 東京大学非常勤講師
明治大学兼任講師
『聖母のいない国』 茨城県 比較文学
沼野充義 東京大学助教授 『徹夜の塊 亡命文学論』 東京都 スラヴ文学
2003年 飯島洋一 建築評論家
多摩美術大学教授
『現代建築・アウシュヴィッツ以後』
を中心として
東京都 建築評論
宮崎法子 実践女子大学教授 『花鳥・山水画を読み解く』 千葉県 中国絵画史
2004年 田中貴子 京都精華大学人文学部助教授 『あやかし考—不思議の中世へ』を中心として 京都府 国文学
原研哉 グラフィックデザイナー
武蔵野美術大学教授
『デザインのデザイン』 岡山県 デザイン学
2005年 齋藤希史 東京大学助教授 『漢文脈の近代』 千葉県 漢文学
柴田元幸 東京大学教授 『アメリカン・ナルシス』 東京都 アメリカ文学
宮下規久朗 神戸大学助教授 『カラヴァッジョ-聖性とヴィジョン』 愛知県 美術史
2006年 鈴木禎宏 お茶の水女子大学助教授 『バーナード・リーチの生涯と芸術』 千葉県 比較文化史
竹内一郎 劇作家・演出家 『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』 福岡県 漫画
2007年 河本真理 京都造形芸術大学准教授 『切断の時代』 東京都 美術史
三浦篤 東京大学教授 『近代芸術家の表象』 島根県 美術史
山本淳子 京都先端科学大学准教授 源氏物語の時代』 石川県 平安朝文学
2008年 奥中康人 大阪大学大学院招聘研究員 『国家と音楽-伊澤修二がめざした日本近代』 奈良県 音楽学
林洋子 京都造形芸術大学准教授 『藤田嗣治 作品をひらく-旅・手仕事・日本』 京都府 美術史
2009年 伊東信宏 大阪大学准教授 『中東欧音楽の回路』 京都府 音楽学
藤原貞朗 茨城大学准教授 『オリエンタリストの憂鬱』 大阪府 美術史
矢内賢二 日本芸術文化振興会職員 『明治キワモノ歌舞伎 空飛ぶ五代目菊五郎』 徳島県 歌舞伎

2010年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2010年 石原あえか 慶應義塾大学商学部教授 『科学する詩人 ゲーテ』 東京都 ドイツ文学
北河大次郎 文化財保存修復研究国際センター
プロジェクト・マネージャー
『近代都市パリの誕生』 静岡県 土木工学・景観
古田亮 東京藝術大学准教授 『俵屋宗達-琳派の祖の真実』 東京都 日本美術史
2011年 輪島裕介 大阪大学准教授 『創られた「日本の心」神話』 石川県 音楽学
大和田俊之 慶應義塾大学法学部准教授 『アメリカ音楽史』 神奈川県 ポピュラー音楽
2012年 堀まどか 国際日本文化研究センター
機関研究員
『「二重国籍」詩人 野口米次郎』 山口県 比較文学
水野千依 京都造形芸術大学准教授 『イメージの地層』 大阪府 ルネサンス美術
2013年 阿部公彦 東京大学准教授 『文学を〈凝視する〉』 神奈川県 英米文学
岡田万里子 ミシガン大学日本研究センター
客員研究員
『京舞井上流の誕生』 演劇学
2014年 互盛央 講談社勤務 『言語起源論の系譜』 東京都 言語論
思想史
長門洋平 国際日本文化研究センター
機関研究員
『映画音響論――溝口健二映画を聴く』 長野県 音楽研究
映画研究
2015年 安藤礼二 多摩美術大学准教授 『折口信夫』 東京都 民俗学
大野裕之 劇作家 『チャップリンとヒトラー―メディアとイメージの世界大戦―』 大阪府 演劇論
吉田寛 立命館大学教授 『絶対音楽の美学と分裂する〈ドイツ〉』 福島県 美学芸術学
2016年 池上裕子 神戸大学准教授 『越境と覇権』 東京都 アメリカ美術
沖本幸子 青山学院大学准教授 『乱舞の中世』 東京都 芸能史
表象文化論
金沢百枝 東海大学教授 『ロマネスク美術革命』 東京都 西洋美術史
2017年 加藤耕一 東京大学准教授 『時がつくる建築 リノベーションの西洋建築史』 東京都 西洋建築史
金子遊 批評家、映像作家 『映像の境域 アートフィルム/ワールドシネマ』 埼玉県 映像表現論
映画批評
2018年 京谷啓徳 九州大学准教授 『凱旋門と活人画の風俗史―儚きスペクタクルの力』 香港 西洋美術史
真鍋昌賢 北九州市立大学教授 『浪花節 流動する語り芸―演者と聴衆の近代』 大阪府 メディア文化論
口承文芸研究
民俗学
2019年 桑木野幸司 大阪大学准教授 『ルネサンス庭園の精神史―権力と知と美のメディア空間』 静岡県 西欧建築・庭園史
美術史
ルネサンス思想史
鈴木聖子 パリ第7大学助教 『〈雅楽〉の誕生―田辺尚雄が見た大東亜の響き』 東京都 日本音楽芸能の文化資源学

2020年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2020年 李賢晙 小樽商科大学准教授 『「東洋」を踊る崔承喜』 大韓民国 日韓比較文学
比較文化
中嶋泉 大阪大学大学院准教授 『アンチ・アクション―日本戦後絵画と女性画家』 神奈川県 美術史
フェミニズム美術理論
2021年 川瀬慈 国立民族学博物館准教授 『エチオピア高原の吟遊詩人―うたに生きる者たち』 岐阜県 映像人類学
アフリカ地域研究
堀井一摩 早稲田大学、津田塾大学等非常勤講師 『国民国家と不気味なもの―日露戦後文学の〈うち〉なる他者像』 新潟県 日本近代文学
批評理論
2022年 邵丹 東京外国語大学世界言語社会教育センター専任講師 『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳―藤本和子、村上春樹、SF小説家と複数の訳者たち』 中華人民共和国 翻訳研究
世界文学論
ジェンダー研究
奈倉有里 翻訳家、早稲田大学等非常勤講師 『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』を中心として 東京都 ロシア詩
現代ロシア文学
村島彩加 明治大学兼任講師、青山学院大学非常勤講師 『舞台の面影―演劇写真と役者・写真師』 東京都 日本近代演劇(主に歌舞伎、宝塚歌劇)

社会・風俗部門 - 受賞者

受賞者の職業・肩書きは、当時のもの。

1970年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1979年 藤原房子 日本経済新聞記者 『手の知恵―秘められた可能性』 福井県 ジャーナリスト
福田紀一 大阪・明星学園教諭 『おやじの国史とむすこの日本史』 大阪府 日本思想史
日下公人 日本長期信用銀行参与 『新・文化産業論』 兵庫県 経済学

1980年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1980年 立川昭二 北里大学教授 『歴史紀行 死の風景』 東京都 病理史
1981年 平川祐弘 東京大学教授 『小泉八雲』を中心として 東京都 比較文学
金子務 中央公論社
『自然』編集部次長
『アインシュタイン・ショック』 埼玉県 科学史
岡崎久彦 駐米日本国大使館公使 『国家と情報』 関東州 外交論
1982年 本間千枝子 主婦 『アメリカの食卓』 東京都 ノンフィクション
浜口恵俊 大阪大学助教授 『間人主義の社会 日本』 和歌山県 社会学
1983年 向井敏 批評家 『虹をつくる男たち』 大阪府 広告批評
船橋洋一 朝日新聞社記者 『内部—ある中国報告』 北京 ジャーナリスト
1984年 西部邁 東京大学助教授 『生まじめな戯れ』を中心として 北海道 社会経済学
天野郁夫 東京大学教授 『試験の社会史』 神奈川県 教育社会学
1985年 陣内秀信 法政大学助教授 『東京の空間人類学』 福岡県 イタリア建築・都市史
青木保 大阪大学教授 『儀礼の象徴性』 東京都 文化人類学
1986年 堀内勝 中部大学教授 『ラクダの文化誌』 山梨県 アラブ文学
藤森照信 東京大学助教授 『建築探偵の冒険・東京篇』 長野県 建築史
大貫恵美子 ウィスコンシン大学教授 『日本人の病気観』 兵庫県 文化人類学
1987年 袴田茂樹 青山学院大学教授 『深層の社会主義』 広島県 ロシア社会論
長島伸一 長野大学講師 『世紀末までの大英帝国』 神奈川県 19世紀英国史
1988年 鳴海邦碩 大阪大学助教授 『アーバン・クライマクス』を中心として 青森県 都市環境デザイン
梶田孝道 津田塾大学助教授 『エスニシティと社会変動』 岐阜県 国際社会学
1989年 養老孟司 東京大学教授 『からだの見方』 神奈川県 解剖学
原田信男 札幌大学女子短期大学部助教授 『江戸の料理史』 栃木県 生活文化史
荒俣宏 作家・翻訳家 『世界大博物図鑑 第2巻 魚類』 東京都 博物学

1990年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1990年 劉香織 東京大学博士課程 『断髪—近代アジアの文化衝突』 兵庫県 比較文化
上垣外憲一 国際日本文化研究センター助教授 『雨森芳洲』 長野県 比較文学
1991年 川本三郎 評論家 『大正幻影』 東京都 文芸評論
1992年 劉岸偉 札幌大学助教授 『東洋人の悲哀』 中国 比較文学
倉沢愛子 在インドネシア日本大使館
専門調査員
『日本占領下のジャワ農村の変容』 大阪府 東南アジア社会史
1993年 松山巖 評論家 『うわさの遠近法』 東京都] 小説家・文芸評論
1994年 大塚英志 評論家 『戦後まんがの表現空間』 東京都 漫画批評
上野千鶴子 東京大学助教授 『近代家族の成立と終焉』 富山県 家族社会学
ジェンダー
1995年 武田雅哉 北海道大学助教授 『蒼頡たちの宴』 北海道 中国文学
奥本大三郎 埼玉大学教授 『楽しき熱帯』 大阪府 フランス文学
1996年 小熊英二 東京大学博士課程 『単一民族神話の起源』 東京都 歴史社会学
相関社会科学
安克昌 神戸大学助手 心の傷を癒すということ 大阪府 精神医学
1997年 港千尋 多摩美術大学助教授 『記憶』 神奈川県 写真評論
西川恵 毎日新聞社ローマ支局長 『エリゼ宮の食卓』 長崎県 フランス文化
1998年 四方田犬彦 明治学院大学教授 『映画史への招待』を中心として 大阪府 比較文学・映画史
原武史 山梨学院大学助教授 『「民都」大阪対「帝都」東京』 東京都 日本政治思想史
1999年 結城英雄 法政大学教授 『「ユリシーズ」の謎を歩く』 群馬県 イギリス文学
古田博司 筑波大学助教授 『東アジアの思想風景』を中心として 神奈川県 東アジア政治学
韓国政治学

2000年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2000年 武田徹 ジャーナリスト・評論家 『流行人類学クロニクル』 東京都 ジャーナリズム・社会学
勝見洋一 著述業 『中国料理の迷宮』 東京都 料理評論
2001年 野崎歓 東京大学助教授 『ジャン・ルノワール 越境する映画』を中心として 新潟県 フランス文学
春日直樹 大阪大学教授 『太平洋のラスプーチン』 東京都 経済人類学
2002年 切通理作 文筆者 『宮崎駿の〈世界〉 東京都 文化批評
河東仁 立教大学助教授 『日本の夢信仰』 東京都 宗教学
2003年 瀬川千秋 翻訳家・フリーランスライター 『闘蟋(とうしつ)』 東京都 中国文化
佐藤卓己 国際日本文化研究センター助教授 『「キング」の時代』 広島県 メディア論
2004年 渡辺靖 慶應義塾大学環境情報学部助教授 『アフター・アメリカ—ボストニアンの軌跡と〈文化の政治学〉』 北海道 文化人類学
黒岩比佐子 ノンフィクションライター 『「食道楽」の人—村井弦斎』 東京都 ノンフィクション
2005年 該当なし
2006年 マイク・モラスキー ミネソタ大学准教授 『戦後日本のジャズ文化—映画・文学・アングラ』 米国 戦後日本文化史
2007年 ヨコタ村上孝之 大阪大学准教授 『色男の研究』 比較文学
福岡伸一 青山学院大学教授 『生物と無生物のあいだ』 東京都 分子生物学
2008年 平松剛 ノンフィクション作家 『磯崎新の「都庁」-戦後日本最大のコンペ』 建築史
片山杜秀 慶應義塾大学准教授 『音盤考現学』
『音盤博物誌』
宮城県 政治思想史
音楽評論
2009年 持田叙子 近代文学研究者 『荷風へ、ようこそ』 日本近代文学
秋山聰 東京大学准教授 『聖遺物崇敬の心性史—西洋中世の聖性と造形』 長崎県 西洋美術史

2010年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2010年 米田綱路 図書新聞スタッフライター 『モスクワの孤独
-「雪どけ」からプーチン時代のインテリゲンツィア』
奈良県 ジャーナリスト
2011年 小川さやか 国立民族学博物館機関研究員 『都市を生きぬくための狡知
-タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』
愛知県 文化人類学
2012年 渡辺一史 ノンフィクション作家 『北の無人駅から』 大阪府 ノンフィクション
酒井隆史 大阪府立大学准教授 『通天閣 新・日本資本主義発達史』 社会思想史
2013年 青木深 一橋大学特任講師 『めぐりあうものたちの群像―戦後日本の米軍基地と音楽1945-1958』 文化人類学
ポピュラー音楽研究
中西竜也 京都大学特定助教 『中華と対話するイスラーム―7-19世紀中国ムスリムの思想的営為』 東洋史学
2014年 小川和也 中京大学教授 『儒学殺人事件――堀田正俊と徳川綱吉』 群馬県 日本思想史
日本近世史
通崎睦美 木琴マリンバ奏者 『木琴デイズ――平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』 京都府 音楽
2015年 滝澤克彦 長崎大学准教授 『越境する宗教 モンゴルの福音派』 広島県 宗教学
2016年 木村洋 熊本県立大学准教授 『文学熱の時代』 兵庫県 日本近代文学
2017年 遠藤正敬 早稲田大学台湾研究所次席研究員 『戸籍と無戸籍 「日本人」の輪郭』 千葉県 政治と戸籍および国籍
福間良明 立命館大学教授 『「働く青年」と教養の戦後史――「人生雑誌」と読者のゆくえ』 熊本県 メディア史
歴史社会学
2018年 溝井裕一 関西大学教授 『水族館の文化史―ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』 兵庫県 ひとと動物の関係史
西洋文化史
ドイツ民間伝承
2019年 小泉悠 東京大学特任助教 『「帝国」ロシアの地政学―「勢力圏」で読むユーラシア戦略』 千葉県 ロシアの安全保障政策
藤原辰史 京都大学准教授 『分解の哲学―腐敗と発酵をめぐる思考』 北海道 ドイツ現代史
食と農の歴史

2020年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2020年 伊藤亜紗 東京工業大学准教授 『記憶する体』 東京都 美学
志村真幸 南方熊楠顕彰会理事 『南方熊楠のロンドン―国際学術雑誌と近代科学の進歩』 神奈川県 南方熊楠研究
2021年 小島庸平 東京大学大学院准教授 『サラ金の歴史―消費者金融と日本社会』 東京都 日本農業史
日本金融史
日本経済史
竹倉史人 人類学者・独立研究者 『土偶を読む―130年間解かれなかった縄文神話の謎』 東京都 人類学
2022年 岩間一弘 慶應義塾大学文学部教授 『中国料理の世界史―美食のナショナリズムをこえて』 神奈川県 東アジア近現代史
食の文化交流史
中国都市史
藪耕太郎 仙台大学体育学部准教授 『柔術狂時代―20世紀初頭アメリカにおける柔術ブームとその周辺』 兵庫県 武道史
スポーツ史
身体文化史

思想・歴史部門 - 受賞者

受賞者の職業・肩書きは、当時のもの。

1980年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1980年 阿部謹也 一橋大学教授 『中世を旅する人びと』 東京都 ドイツ中世史
野口武彦 神戸大学助教授 『江戸の歴史家』 東京都 近世儒学
1981年 塩野七生 評論家・小説家 『海の都の物語』 東京都 イタリア史
吉沢英成 甲南大学教授 『貨幣と象徴』 東京都 社会政治経済学
1982年 清水廣一郎 広島大学教授 『中世イタリア商人の世界』 東京都 イタリア史
中村良夫 東京工業大学教授 『風景学入門』 東京都 景観工学・国土史
1983年 有泉貞夫 東京商船大学教授 『星亨』 山梨県 日本近代政治史
本城靖久 著述、翻訳業 『グランド・ツアー』 京都府 旅行評論
増成隆士 筑波大学助教授 『思考の死角を視る』 東京都 美学・哲学
1984年 菅野盾樹 大阪大学助教授 『我、ものに遭う』 東京都 記号学
人間学
形而上学
中沢新一 東京外国語大学助手 『チベットのモーツァルト』 山梨県 宗教学・人類学
1985年 佐伯啓思 滋賀大学助教授 『隠された思考』 奈良県 社会経済学
社会思想史
武田佐知子 大阪外国語大学助教授 『古代国家の形成と衣服制』 東京都 日本古代史
服装史
女性史
二木謙一 國學院大學教授 『中世武家儀礼の研究』 東京都 日本中世史
(戦国史)
1986年 井上達夫 千葉大学助教授 『共生の作法』 大阪府 法哲学
今田高俊 東京工業大学助教授 『自己組織性』 兵庫県 社会学
坂部恵 東京大学教授 『和辻哲郎』を中心として 神奈川県 哲学
1987年 延広真治 東京大学助教授 『落語はいかにして形成されたか』 徳島県 近世文学・落語
山内昌之 東京大学助教授 スルタンガリエフの夢』 北海道 近代イスラム史
中央アジア史
国際関係史
1988年 笠谷和比古 国文学研究資料館助手 『主君「押込」の構造』 兵庫県 日本近世史
1989年 安野眞幸 弘前大学教授 『バテレン追放令』 神奈川県 日本中世史
堀池信夫 筑波大学助教授 『漢魏思想史研究』 東京都 中国思想史
鷲田清一 関西大学教授 『分散する理性』および
『モードの迷宮』
京都府 臨床哲学・倫理学

1990年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
1990年 石川九楊 書家 『書の終焉』 福井県 書道・書道史
西村清和 埼玉大学教授 『遊びの現象学』 京都府 美学
1991年 坂本多加雄 学習院大学教授 『市場・道徳・秩序』 愛知県 日本政治思想史
山室恭子 神戸大学助教授 『中世のなかに生まれた近世』 東京都 日本近世史
1992年 坂本一登 國學院大學教授 『伊藤博文と明治国家形成』 広島県 日本近代史
新村拓 神奈川県立茅ケ崎高校
定時制教諭
『老いと看取りの社会史』
を中心として
静岡県 医療史
1993年 佐々木力 東京大学教授 『近代学問理念の誕生』 宮城県 科学史・科学哲学
高山博 東京大学助教授 『中世地中海世界とシチリア王国』 福岡県 西洋史
1994年 小杉泰 国際大学助教授 『現代中東とイスラーム政治』 北海道 イスラム研究
園田英弘 国際日本文化研究センター教授 『西洋化の構造』 福岡県 日本社会史
比較社会学
本村凌二 東京大学教授 『薄闇のローマ世界』 熊本県 古代ローマ社会史
1995年 石川達夫 広島大学助教授 『マサリクとチェコの精神』 東京都 スラヴ文化論
ロシア・チェコ文学
杉山正明 京都大学助教授 『クビライの挑戦』 静岡県 モンゴル史
中央ユーラシア史
1996年 王柯 神戸大学助教授 『東トルキスタン共和国研究』 中国南陽 歴史学
坂本達哉 慶應義塾大学教授 『ヒュームの文明社会』 東京都 イギリス社会思想
1997年 広田照幸 東京大学助教授 『陸軍将校の教育社会史』 広島県 教育社会学
三谷博 東京大学教授 『明治維新とナショナリズム』 広島県 日本近代史
1998年 豊永郁子 九州大学助教授 『サッチャリズムの世紀』 愛知県 比較政治学
山内進 一橋大学教授 『北の十字軍』を中心として 北海道 法制史・法文化史
西洋中世法史
1999年 東浩紀 日本学術振興会特別研究員 『存在論的、郵便的
-ジャック・デリダについて』
東京都 ポストモダン
現代思想
下條信輔 カリフォルニア工科大学教授 『〈意識〉とは何だろうか』
を中心として
東京都 認知心理学

2000年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2000年 新宮一成 京都大学教授 『夢分析』を中心として 大阪府 精神医学
酒井健 法政大学教授 『ゴシックとは何か』 東京都 フランス文学
金森修 東京水産大学教授 『サイエンス・ウォーズ』 北海道 科学哲学
2001年 長尾伸一 名古屋大学助教授 『ニュートン主義とスコットランド啓蒙』 愛知県 経済史
菅野覚明 東京大学助教授 『神道の逆襲』 東京都 倫理学
2002年 田中純 東京大学助教授 『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』 宮城県 思想史
2003年 六車由実 東北芸術工科大学
東北文化研究センター研究員
『神、人を喰う』 静岡県 民俗学
R.D.エルドリッヂ 大阪大学大学院助教授 『沖縄問題の起源』 米国 政治学
2004年 平野聡 東京大学大学院
法学政治学研究科助教授
『清帝国とチベット問題
—多民族統合の成立と瓦解』
神奈川県 アジア政治外交史
2005年 村井良太 駒澤大学専任講師 『政党内閣制の成立』 香川県 日本政治外交史
関口すみ子 法政大学助教授 『御一新とジェンダー』 群馬県 ジェンダー論
苅谷剛彦 東京大学教授 『教育の世紀』 東京都 教育社会学
2006年 中島秀人 東京工業大学助教授 『日本の科学/技術はどこへいくのか』
を中心として
東京都 科学技術史
苅部直 東京大学教授 『丸山眞男—リベラリストの肖像』
を中心として
東京都 日本政治思想史
2007年 納富信留 慶應義塾大学文学部准教授 『ソフィストとは誰か?』 東京都 哲学
宇野重規 東京大学
社会科学研究所准教授
『トクヴィル 平等と不平等の理論家』 東京都 政治思想史
2008年 松木武彦 岡山大学准教授 『列島創世記
-旧石器・縄文・弥生・古墳時代』
愛媛県 考古学
日暮吉延 鹿児島大学教授 『東京裁判』 東京都 日本政治外交史
2009年 松森奈津子 静岡県立大学
国際関係学部講師
『野蛮から秩序へ
-インディアス問題とサラマンカ学派』
東京都 政治学
池内恵 東京大学
先端科学技術研究センター
准教授
『イスラーム世界の論じ方』 東京都 アラブ研究

2010年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2010年 田中久美子 東京大学大学院
情報理工学系研究科准教授
『記号と再帰
-記号論の形式・プログラムの必然』
計算言語学
言語工学
2011年 隠岐さや香 広島大学准教授 『科学アカデミーと「有用な科学」』 東京都 科学技術史
伊達聖伸 上智大学准教授 『ライシテ、道徳、宗教学』 宮城県 宗教学
2012年 篠田英朗 広島大学准教授 『「国家主権」という思想』 神奈川県 国際関係論
高山裕二 早稲田大学助教 『トクヴィルの憂鬱』 岐阜県 政治思想史、宗教社会学
2013年 工藤晶人 学習院女子大学准教授 『地中海帝国の片影-フランス領アルジェリアの19世紀』 歴史学
将基面貴巳 オタゴ大学准教授 『ヨーロッパ政治思想の誕生』 神奈川県 中世ヨーロッパ政治思想史
2014年 福嶋亮大 京都造形芸術大学非常勤講師
日本学術振興会特別研究員
『復興文化論―日本的創造の系譜』 京都府 文芸批評
中国文学
本田晃子 北海道大学スラブ研究センター
共同研究員
『天体建築論―レオニドフとソ連邦の紙上建築時代』 岡山県 表象文化論
建築史
2015年 奈良岡聰智 京都大学教授 『対華二十一ヵ条要求とは何だったのか―第一次世界大戦と日中対立の原点』 青森県 政治学、日本外交史
2016年 熊谷英人 明治学院大学専任講師 『フランス革命という鏡』 東京都 政治学史
高山大毅 駒澤大学講師 『「近世日本の「礼楽」と「修辞」』 千葉県 近世日本思想史
近世日本漢文学
2017年 左地亮子 国立民族学博物館機関研究員 『現代フランスを生きるジプシー 旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』 京都府 文化人類学
ジプシー/ロマ研究
前田亮介 北海道大学准教授 『全国政治の始動――帝国議会開設後の明治国家』 東京都 日本近現代史
日本政治外交史
2018年 島田英明 日本学術振興会特別研究員 『歴史と永遠―江戸後期の思想水脈』 京都府 日本政治思想史
新居洋子 日本学術振興会特別研究員 『イエズス会士と普遍の帝国―在華宣教師による文明の翻訳』 東京都 東西交渉史
山本芳久 東京大学准教授 『トマス・アクィナス 理性と神秘』 神奈川県 哲学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)
キリスト教学
2019年 板東洋介 皇學館大学准教授 『徂徠学派から国学へ―表現する人間』 兵庫県 倫理学
倫理思想史
古田徹也 東京大学准教授 『言葉の魂の哲学』 熊本県 現代哲学
現代倫理学

2020年代

受賞者 職業・肩書き 受賞作 出身 専門分野
2020年 梅澤礼 富山大学准教授 『囚人と狂気―一九世紀フランスの監獄・文学・社会』 埼玉県 近代フランス文学
犯罪学
精神医学
小山俊樹 帝京大学教授 『五・一五事件―海軍青年将校たちの「昭和維新」』 広島県 日本近現代史
2021年 上村剛 日本学術振興会特別研究員 『権力分立論の誕生―ブリテン帝国の『法の精神』受容』 東京都 政治思想史
北村陽子 名古屋大学大学院准教授 『戦争障害者の社会史―20世紀ドイツの経験と福祉国家』 愛知県 ドイツ近現代史
2022年 筒井清輝 スタンフォード大学社会学部教授 『人権と国家―理念の力と国際政治の現実』 東京都 国際・政治社会学
社会運動論
人権
中真生 神戸大学大学院人文学研究科教授 『生殖する人間の哲学―「母性」と血縁を問いなおす』 千葉県 現代哲学
倫理学

脚注

  1. ^ 川本三郎 (2002年). “『宮崎駿の〈世界〉』選評”. サントリー文化財団. 2021年3月31日閲覧。
  2. ^ 夏目房之介 (2006年11月9日). “『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』サントリー学芸賞!:夏目房之介の「で?」”. ITmedia オルタナティブ・ブログ. 2011年10月21日閲覧。
  3. ^ 宮本大人 (2006年11月9日). “サントリー学芸賞はその歴史に大きな汚点を残した”. はてなダイアリー. 2011年10月21日閲覧。

外部リンク