コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

茨城県道・福島県道10号日立いわき線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
茨城県道10号から転送)
主要地方道
茨城県道10号標識
福島県道10号標識
茨城県道10号 日立いわき線
福島県道10号 日立いわき線
主要地方道 日立いわき線
総延長 約51 km
制定年 1972年3月1日
起点 茨城県日立市北緯36度36分45.2秒 東経140度40分4.5秒 / 北緯36.612556度 東経140.667917度 / 36.612556; 140.667917 (県道10号起点)
主な
経由都市
茨城県
高萩市北茨城市
終点 福島県いわき市北緯36度55分1.9秒 東経140度48分16.8秒 / 北緯36.917194度 東経140.804667度 / 36.917194; 140.804667 (県道10号終点)
接続する
主な道路
記法
国道6号標識国道6号
常磐自動車道
国道461号標識国道461号
国道289号標識国道289号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

茨城県道・福島県道10号日立いわき線(いばらきけんどう・ふくしまけんどう10ごう ひたちいわきせん)は、茨城県日立市から高萩市北茨城市を経由し、福島県いわき市に至る県道主要地方道)である。

茨城県道10号日立いわき線
日立市十王町山部(2024年4月)

概要

[編集]

茨城県日立市を起点とし、福島県いわき市を終点とする、主に太平洋沿岸の茨城県県北地域山間部を縦断する主要地方道で、国道6号とは山側(阿武隈高地側)で並行する幹線道路。かつて茨城県においては、日立市 - 旧十王町の区間は国道6号であった。(国道6号一次改築も参照の事)

路線データ

[編集]
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
  • 起点:茨城県日立市滑川町2丁目(国道6号交点、国土交通省前交差点)
  • 終点:福島県いわき市佐糠町(国道6号・福島県道239号泉岩間植田線交点、佐糠町立体交差)
  • 総延長:51.349 km(茨城県区間:40.750 km[1]、福島県区間:10.599 km)
  • 重用延長:1.528 km(茨城県区間:1.495 km[1]、福島県区間:0.033 km)
  • 未供用延長:なし(茨城県区間:0.0 km[1]、福島県区間:0.0 km)
  • 実延長:49.821 km(茨城県区間:39.255 km[1]、福島県区間:10.566 km)
  • 自動車交通不能区間延長[注釈 1]:なし(茨城県区間:0.0 km[1]、福島県区間:0.0 km)

歴史

[編集]

1935年(昭和10年)11月29日に県道日立勿来線として路線認定されたのがはじまりで、1972年(昭和47年)3月1日に、昭和10年11月29日茨城県告示第731号で告示した県道の路線認定の一部改正があり、現在の県道日立いわき線として茨城県日立市を起点とし、重要な経過地とする北茨城市を経由し、福島県いわき市を終点とする路線として茨城県が路線認定した県道である。1995年(平成7年)に茨城県道の路線再編が行われた際に、整理番号10に変更されて現在に至る。道路の一部で線形が悪い狭隘な区間があることなどから、平成2年度から、北茨城市の日棚工区の道路改良およびバイパス化工事が着手され、2012年(平成24年)に道路改良区間が全線開通した。また、平成10年度から日立市十王町友部をバイパス化する砂沢バイパス工事が着手され、2022年(令和4年)に全線開通した。

年表

[編集]
  • 1935年(昭和10年)11月29日:県道日立勿来線(番号305)として路線認定[要出典]
  • 1954年(昭和29年)1月20日建設省告示第16号が公布され、茨城県道日立勿来線、福島県道勿来日立線が主要地方道日立勿来線として指定される。
  • 1964年(昭和39年)7月3日車両制限令第5条1項[注釈 2]に基づく指定区間を変更(路線対象番号1 日立勿来線:里美磯原線分岐点 - 福島県界→同左、山方十王線分岐点 - 上高倉高萩線交点)[2]
  • 1971年(昭和46年)6月26日建設省告示第1069号が公布され、茨城県道・福島県道日立勿来線が主要地方道日立いわき線として指定される。
  • 1972年(昭和47年)3月1日:茨城県が県道日立勿来線を改め、現在の路線名の日立いわき線(整理番号1)に改正[3]
  • 1972年(昭和47年)6月9日:福島県によって県道路線に認定される[4]
  • 1986年(昭和61年)4月21日:常磐自動車道建設に伴い、高萩市大字秋山 - 同市大字上手綱の現道バイパス道路 (0.61 km) が開通[5]
  • 1987年(昭和62年)10月15日:高萩市大字秋山 - 同市大字上手綱の旧道区間 (965 m) が指定解除され高萩市道へ降格[6]
  • 1993年(平成5年)5月11日:建設省から、県道日立いわき線が日立いわき線として主要地方道に再指定される[7]
  • 1995年(平成7年)
    • 3月30日:整理番号1から現在の番号(整理番号10)に変更される[8]
    • 10月16日:北茨城市中郷町日棚 - 同市中郷町大字松井の十石トンネルが開通する[9]
  • 2000年(平成12年)4月6日:日立市砂沢町 - 多賀郡十王町友部の砂沢バイパスを新設する道路区域 (2.66 km) が決定する[10]
  • 2012年(平成24年)
    • 1月31日:北茨城市中郷町日棚地内のバイパス道(延長1.06 km)区間が開通[11][12]
    • 2月14日:日立市砂沢町 - 同市十王町友部の砂沢バイパスの一部区間 (980 m) が開通する [13]
  • 2014年(平成26年)2月27日:北茨城市中郷町大字日棚地内の旧道 (1.506 km) が指定解除により市道に降格となる[14]
  • 2019年(令和元年)7月31日
    • 北茨城市磯原町上相田(上相田工業団地) - 同市華川町中妻間を、通行車両の高さ最高限度4.1 mの道路に指定[15]
    • 北茨城市磯原町上相田(上相田工業団地) - 北茨城市華川町下相田(下相田交差点)間を、国際コンテナ車[注釈 3]の重量・長さ上限を引き上げる道路に指定[16]
  • 2020年(令和2年)3月30日:日立市十王町友部地内の砂沢バイパスの一部区間 (日立市十王町友部字風早 - 同字川上:0.4 km) が開通する[17][18]
  • 2022年(令和4年)1月14日:日立市十王町友部字川上 - 同市十王町友部字道保内の新道を供用し、砂沢バイパスが全線開通[19]
  • 2023年(令和5年)1月26日:パイパス供用に伴い、北茨城市中郷町松井 - 同市中郷町石岡の旧道(180 m)を指定解除して、市へ移管[20]

路線状況

[編集]

全線対向2車線(片側1車線)で、大型車を含めて交通量は多い。現道は、狭く曲がりくねった区間もまだ多いことから、平成以降、道路拡張やバイパス化の道路改良工事が積極的に進められている。

道路法の規定に基づき、以下の区間は、緊急輸送道路として機能を維持するため、災害発生時の被害拡大防止を目的に道路用地内に新たに電柱を建てることが制限されている。

  • 茨城県内の日立市滑川町(国土交通省交差点) - 同市十王町友部(十王郵便局前交差点)間[21]
  • 北茨城市華川町下相田(下相田交差点) - 同市関本町富士ヶ丘(福島県界)間[21]
  • 北茨城市磯原町上相田 北茨城市道交差 - 北茨城市華川町下相田 県道北茨城インター線交差(下相田交差点)[22]

バイパス

[編集]
  • 砂沢バイパス
    砂沢バイパス(2023年5月)
    日立市砂沢町から日立市十王町山部「山部交差点」までの延長2.6 km、幅員15.0 m(車道部6.5 m/2車線)のバイパス。この地区の新興団地である日立市十王町城の丘の西側を通り、JR十王駅側へ大きく迂回するルートをとる現道の交通の短縮と安全確保を目的として、平成8年度より本バイパス道路が事業化された[23]。2022年(令和4年)より全面供用中[19][24][25]

重複区間

[編集]

トンネル

[編集]

茨城県

[編集]
十石トンネル
十石トンネル
北茨城市中郷町日棚から同市中郷町松井に至り、阿武隈高地を貫く。延長207 m、高さ4.7 m、幅7.5 m。1995年7月竣工。現在のトンネルは2代目で、旧トンネル(十石隧道:昭和25年3月竣功)の西隣りに建設された。旧トンネルは廃道となり坑口が塞がれ通行止めであるが、今なおその遺構を見ることができる。

福島県

[編集]
後田トンネル(いわき市)
  • 全長:133.88m
  • 幅員:6.0(16.5)m
  • 竣工:2007年11月28日
  • 施工:錦・福浜特定建設工事共同企業体
後田町字石田に位置し、真言宗智山派の寺院である宝徳院の境内の地下を横断する。開削工法で建設された矩形断面のトンネルであり、両側に歩道トンネルが設けられている。都市計画道路勿来岩間線街路事業に伴い、緊急地方道整備事業として2003年度に事業化され、2005年2月2日に起工式が行われた。2005年9月21日に貫通し2007年11月28日に開通した。総事業費は21億9700万円[26]

橋梁

[編集]

茨城県

[編集]
新高橋
日立市十王町友部にて二級水系十王川を渡る。
河原橋
日立市十王町山部にて二級水系十王川水系山部川を渡る。
猫内橋
高萩市秋山にて二級水系花貫川を渡る。
前川橋
高萩市大字上手綱にて二級水系関根川水系関根前川を渡る。
猪田橋
高萩市大字上手綱にて二級水系関根川水系猪田川を渡る。
関口橋
高萩市大字上手綱にて二級水系関根川を渡る。)
削木橋
北茨城市中郷町日棚にて二級水系里根川水系境川を渡る。

福島県

[編集]
観音橋(いわき市)
  • 全長:28.1m
  • 幅員:7.0(12.0)m
  • 形式:単径間単純PCポステンT桁橋
  • 竣工:1985年度
いわき市勿来町酒井字往生作、字金ケ町から字関根前に至り、二級水系蛭田川を渡る。1932年に架けられた旧橋の老朽化対策と、当時至近に建設されていた常磐自動車道に関連する事業として1984年度地方道橋梁整備事業により架け替えに着手された。総事業費は1億4350万円[27]
江栗大橋
  • 全長:291.0m
  • 幅員:15.8m
  • 竣工:1978年[28]
いわき市錦町字物置から仁井田町字松原に至り、二級水系鮫川を渡る。橋上は上下対向2車線で供用され、上下線両側に歩道が設置されている。
中岡橋
いわき市仁井田町字松原から中岡町4丁目、5丁目に至り、二級水系鮫川水系山田川を渡る。橋上は上下対向2車線で供用され、上下線両側に歩道が設置されている。下流側に水管橋が並行してかかる。
石田橋
いわき市後田町字柳町に位置し、二級水系鮫川水系天神川を渡る。
植田跨線橋
いわき市植田町に位置し、JR常磐線を渡る。
渋川橋
  • 全長:40.7m
  • 幅員:9.0(18.0)m
  • 形式:単純鋼床版桁橋
  • 竣工:1990年度
いわき市植田町小名田に位置し、二級水系鮫川水系渋川を渡る。重要幹線街路事業により1988年度に都市計画道路勿来岩間線の橋梁として着工された。総工費は3億5000万円[29]

地理

[編集]

通過する自治体

[編集]

交差する道路

[編集]
日立市小木津町交差点
茨城・福島県境付近
いわき市錦町付近

沿線

[編集]
  • JR小木津駅(日立市日高町)
  • JR十王駅(日立市十王町友部)
  • 森滝自噴水(高萩市秋山)
  • サンライズカントリークラブ(日立市十王町山部)
  • かもめガス望海ゴルフコース(高萩市上手綱)
  • 関本工業団地(北茨城市関本町冨士ケ丘)
  • 日本製紙 勿来工場(いわき市勿来町窪田十条)
  • 福島県立磐城農業高等学校(いわき市植田町小名田)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 幅員、曲線半径、こう配その他道路の状況により最大積載4トンの普通貨物自動車が通行できない区間。
  2. ^ 市街地を形成している区域(以下「市街地区域」という。)内の道路で、道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したもの又は一方通行とされているものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員(歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路で、その路肩の幅員が明らかでないもの又はその路肩の幅員の合計が1メートル未満(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、0.5メートル未満)のものにあつては、当該道路の路面の幅員から1メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、0.5メートル)を減じたものとする。以下同じ。)から0.5メートルを減じたものをこえないものでなければならない。
  3. ^ 国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車のこと。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e 『茨城県道路現況調書』令和2年3月31日現在、p. 4
  2. ^ 路線指定の変更(昭和39年7月3日 茨城県告示第1005号) (PDF)」『茨城県報』第5170号、茨城県、1–2頁、1964年7月3日。 
  3. ^ 昭和10年茨城県告示第731号の一部改正(昭和47年3月1日 茨城県告示第200号) (PDF)」『茨城県報』号外、茨城県、9–10頁、1972年3月1日。 
  4. ^ 福島県路線図 - 福島県土木部
  5. ^ 道路の供用開始(昭和61年4月21日 茨城県告示635号) (PDF)」『茨城県報』第7442号、茨城県、9頁、1986年4月21日。 
  6. ^ 道路の区域変更(昭和62年10月15日 茨城県告示1391号) (PDF)」『茨城県報』第7595号、茨城県、8–9頁、1987年10月15日。 
  7. ^ s:道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道 - 平成五年五月十1日建設省告示第千二百七十号、建設省
  8. ^ 県道の路線名および整理番号の変更(平成7年3月30日 茨城県告示第436号) (PDF)」『茨城県報』第637号、茨城県、8–12頁、1995年3月30日。 
  9. ^ 道路の供用の開始(平成7年10月12日 茨城県告示第1136号) (PDF)」『茨城県報』第692号、茨城県、9頁、1995年10月12日。 
  10. ^ 道路の区域の変更(平成12年4月6日 茨城県告示第462号) (PDF)」『茨城県報』第1149号、茨城県、13–14頁、2000年4月6日。 
  11. ^ 道路の供用開始(平成24年1月30日 茨城県告示第98号) (PDF)」『茨城県報』第2355号、茨城県、3頁、2012年1月30日。 
  12. ^ 県道日立いわき線バイパスの開通について,茨城県[リンク切れ]
  13. ^ 道路の供用の開始(平成24年2月13日 茨城県告示第149号) (PDF)」『茨城県報』第2359号、茨城県、5頁、2012年2月14日。 
  14. ^ 道路の供用の開始(平成26年2月27日 茨城県告示第189号) (PDF)」『茨城県報』第2567号、茨城県、9–10頁、2014年2月27日。 
  15. ^ 車両制限令の規定に基づく道路の指定及び車両の通行方法の指定(令和元年7月31日 茨城県告示第423号) (PDF)」『茨城県報』号外第16号、茨城県、1–2頁、2019年7月31日。 
  16. ^ 車両制限令の規定に基づく国際海上コンテナ車の重量及び長さの最高限度を引き上げる道路の指定(令和元年7月31日 茨城県告示第424号) (PDF)」『茨城県報』号外第16号、茨城県、3–8頁、2019年7月31日。 
  17. ^ 県道日立いわき線(砂沢バイパス)の供用開始について” (PDF). 茨城県土木部 (2020年3月13日). 2020年3月30日閲覧。
  18. ^ 道路の供用の開始(令和2年3月12日 茨城県告示第239号) (PDF)」『茨城県報』第87号、茨城県、18頁、2020年3月12日。 
  19. ^ a b 道路の供用の開始(令和3年12月23日 茨城県告示第1401号) (PDF)」『茨城県報』第267号、茨城県、7頁、2021年12月23日。 
  20. ^ 道路の区域の変更(令和5年1月26日 茨城県告示第82号)」『茨城県報』第377号、茨城県、9頁、2023年1月26日http://soumu.pref.ibaraki.jp/file/PDF/2023/202301/n377.pdf 
  21. ^ a b 道路の占用を制限する区域の指定(平成30年3月19日 茨城県告示第299号)」『茨城県報』第2980号、18–28頁、2018年3月19日http://soumu.pref.ibaraki.jp/file/PDF/2018/201803/n2980.pdf 
  22. ^ 道路の占用を制限する区域の指定(令和5年3月16日 茨城県告示第301号)」『茨城県報』第391号、17–20頁、2023年3月16日http://soumu.pref.ibaraki.jp/file/PDF/2023/202303/n391.pdf 
  23. ^ 高萩工事事務所. “主要地方道 日立いわき線 (砂沢バイパス)” (PDF). 茨城県ホームページ. 茨城県. 2016年1月4日閲覧。
  24. ^ 高萩工事事務所. “主要地方道日立いわき線(砂沢バイパス)”. 茨城県ホームページ. 茨城県. 2023年9月15日閲覧。
  25. ^ 県道日立いわき線(砂沢(いさござわ)バイパス)と県道十王里美線(都市計画道路十王北通り線)が全線供用開始しました。日立市.2023年9月15日閲覧.
  26. ^ 福島県のトンネル いわき建設事務所 - 福島県土木部
  27. ^ 福島県の橋梁 昭和60年度版 - 福島県土木部
  28. ^ 令和4年度橋梁点検結果(地方公共団体) - 国土交通省
  29. ^ 福島県の橋梁 平成4年度版 - 福島県土木部

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]