タコ
タコ | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Octopoda Leach, 1818 | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
八腕形目 八腕目 タコ目 | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
octopus | |||||||||||||||||||||
亜目 | |||||||||||||||||||||
|
タコ(蛸、鮹、章魚、鱆、英: octopus)は、頭足綱鞘形亜綱八腕形上目の八腕形目(八腕目、学名:Octopoda)に分類される軟体動物の総称である[1][2]。角質環や柄のない吸盤を付けた、多様な機能を持つ筋肉に富んだ8本の腕と、脊椎動物に匹敵する大きな脳を持つ頭部を前方にそなえ、厚い外套膜に覆われた内臓塊からなる胴を後方に持つことを特徴とする。
呼称
[編集]和名と漢名
[編集]日本語では、たこ、蛸[2][3][4][5]、鮹[2][4][6][5]、章魚[2][4][7][8]、鱆[7][9]とも記す。「多古」[5]、「多胡」[10][5]、「太古」[5][10][11]のような音写のほか、「潮魚」[5]、「八梢」[5][注釈 1]、「章挙」[8][5]、「章拒」[8][5]、「章巨」[8]、「章花魚」[5][注釈 2]、「海蛸」[14][10]、「海蛸子」[15][10][16][11]、「海和魚」[5][17]、「海肌子」[10][5][11]、「小鮹魚」[15]、「望潮魚」[5][注釈 3]、「望潮」[8][注釈 4]、「𠑃魚」[注釈 5]、「䖣」[10]など、約30表記が知られる[5]。
タコの語源は以下のような様々な説が知られる[2]。多くの説で、8本の腕を持つ様子に由来すると考えられている[16]。
- タは手を示し、コは「許多(ここら)」[20][21]または助語(子)で、手が多いことからの命名[22][2][8][16]。
- タは手を示し、コは海鼠(こ、ナマコ)の義[21][23]、またはナマコやカイコのコに通じ、手を持った動物の意[24][2][16]。
- 動詞「綰く(たく)」に由来し、手を縦横に動かすことから[25][2][4]。
- 「手長(テナガ)」の略転[20]。
- 「手瘤(テコブ)」の義[26][27][28][2]。
- タは手を示し、コはコ(凝)の義で、手が物に凝りつくことから[29][2]。
- 「膚魚(ハタコ)」の義で、鱗のない魚であることから[30][2]。
- 「多股(タコ)」の義で、足が多いところから[31][2][4][16][32]。
- 「足る(たる)」と「壺(こ)」を意味する「タルコ」の略転で、丸く膨れた腹に餌をため込み満足する様子から[32]。
種の判別はイカよりも難しいことから、地方名は少ない[33]。その地域の最有力種は「真」を冠して「まだこ」と呼ばれる[33]。標準和名ヤナギダコやクモダコは方言名に由来するものである[33]。
中国語では通称として章魚、古称として蛸、ほか別名として八爪魚、八帶魚[8][34]などと呼ばれている。漢字「蛸」は「蠨蛸」でアシナガグモ Tetragnatha predonia を指す[3][14]。日本では『本草和名』でタコを「海蛸」と表記したことで、以降タコを意味する漢字として用いられるようになった[14]。この海蛸は、コウイカの甲を本草で「海螵蛸」と表記することと混同したとも、8本の足をクモに見立てて海のクモの意に由来するとも説明される[14]。また、漢字「鮹」がタコを表すのは日本での用例(半国字)で、中国ではヤガラ(アカヤガラ Fistularia petimba)を示す[6][15]。
octopus
[編集]英名 octopus(オクトパス)は、直接的には新ラテン語 octōpūs(オクトープース)の借用であり、その元は古典ギリシア語の ὀκτώπους(oktōpous)、ὀκτώ (oktṓ)「8」 + πούς (poús) 「足」に由来する[35][36]。ラテン語の octōpūs の複数形は octōpodēs であり、英語の octopus の複数形は octopuses である[35]。時に、ラテン語の第2変化名詞の語尾と誤解釈されて octopi という複数形が用いられることもあるが、これは正しくない[35][37][注釈 6]。
Octopus はマダコ属の学名としても用いられる。Octopus Cuvier, 1797 は、ジョルジュ・キュヴィエが1797年に Tableau Elémentaire de l’Histoire Naturelle des Animaux, 380. 中で記載したものである[39]。タイプ種は日本のマダコ Octopus sinensis d'Orbigny, 1841 に近縁な地中海の種チチュウカイマダコ Octopus vulgaris Cuvier, 1979 である[39]。分類学の父、カール・フォン・リンネはタコを認識していたが、1758年の Systema Naturæ『自然の体系』第10版では、コウイカ属の一種 Sepia octopodia Linnaeus, 1758 としていた。
外部形態
[編集]タコやイカなどの頭足類の体は、頭足部(頭足塊)と胴部(内臓塊)からなる[40][41][42][43]。タコの内臓塊は外套膜に覆われた外套腔と呼ばれる空所に取り囲まれる[40][44]。また、タコの外套縁は背側で頭部と癒合するのに対し、外套膜の腹縁は大きく開口し、外套開口 (pallial aperture, mantle opening) となって外套腔内に海水を取り込む[45]。頭足塊は腕と頭部からなり、前方にある[44]。内臓は後方に偏っている[44]。見た目で頭部に見える丸く大きな部位は実際には胴部であり[2][46]、本当の頭は腕の基部に位置して、眼や口器が集まっている部分である[47]。すなわち、頭から足(腕)が生えているのであり、同じ構造を持つイカの仲間とともに「頭足類」の名で呼ばれる理由である[46][40][48]。底生のタコでは、生時は普通眼を最も高いところに位置させており、胴体は下に提げた姿勢を取っている[49]。
体サイズは種によって異なり、最大のものは全長3 m(メートル)に達するミズダコ Enteroctopus dofleini やその近縁種である[50]。これまでの確実な記録では生きているミズダコで、全長4 m、体重71 kg(キログラム)のものが知られる[51][52]。あくまで説話上であるが、腕を広げた長さが9.75 m、重さは272 kg のミズダコの逸話もある[51][52][53]。それに次いで大きいのは、2002年にニュージーランド沖で引き揚げられたカンテンダコ Haliphron atlanticus の死骸で、体重60 kg、全長2.9 m であった[51]。
小型のタコはピグミーオクトパス "pygmy octopus" と総称される[54][50][注釈 7]。記載されている種では、琉球列島のコツブハナダコ 'Octopus' wolfi が最小とされる[56][57][注釈 8]。日本近海産のものではほかに、全長15 cm 程度のマメダコ 'Octopus' parvus が知られ[57]、かつては日本最小とされたこともある[1][50][注釈 9]。同様に、海外では全長11.5 cm のカリビアン・ドワーフ・オクトパス Paroctopus mercatoris が最小の種とされることがある[59]。
腕
[編集]複数の吸盤がついた8本の腕(うで、arm)を特徴とする[61][62]。ほかの軟体動物における「足」に相当すると考えられているが[61]、物を掴む機能などにより、特に頭足類における足は学術的には「腕」と呼ばれる[63][44][64]。イカでは普通、タコの持つ8本の腕に加えて触腕と呼ばれる2本の腕を持つため、合わせて10本の腕を持つ[61][63][注釈 10]。8本の腕は左右相称で、背側中央から外に向かって順に左右第1腕から第4腕までが数えられる[62][61][63]。ただし、雄はある決まった腕の一部が変形し、交接腕になる[62](「#生殖」節も参照)。
腕の間には傘膜(腕間膜)と呼ばれる広い膜が発達する[61]。捕食の際には、この傘膜で獲物を包み、捕らえる[66]。深海性のジュウモンジダコ属などの有触毛亜目では、傘膜を翻して腕の口側を外に向け、外套膜を覆うような行動が知られている[67]。
吸盤
[編集]吸盤(きゅうばん、sucker)の構造はイカ類とは異なり、柄や角質環を欠く[68][69][70]。これがイカとタコを区別する、もっとも重要で確実な違いである[68][71][注釈 11]。
タコの吸盤は非常に多機能であり、移動や体の固定、餌の捕獲などに用いられる[68]。タコの吸盤の付着面には筋肉が放射状と同心円状に配置しており、放射状筋の上にさらに微小な吸盤が並ぶ[63]。タコの吸盤は外側の外環部(がいかんぶ、infundibulum)と呼ばれる付着部と内側の半球状のくぼみである内環部(ないかんぶ、acetabulum)の2領域からなる[68]。内環部が他物に密着した時の陰圧により吸着を行う[68]。
この構造の違いは、生態を反映していると考えられている[69]。遊泳性の餌を捕らえ、暴れる餌を抑え込む必要があるイカに対し、タコは待ち伏せ型の狩猟を行うため、角質環のような爪が不要であると考えられる[73][70]。また、タコは底生であるため、海底を移動する際に引っかかることを避ける必要があり、角質環は邪魔になると考えられている[73]。
また、吸盤には感覚細胞(受容体細胞)が分布し、全部の腕を合わせると2億4000万個になる[63][74]。物の形状が識別できる触覚(機械刺激受容)と化学受容器による味覚を持つ[63][74]。
吸盤列は1列のものと2列のものが知られる[75][76]。ジャコウダコ属 Eledone や ナンキョクイチレツダコ属 Pareledone といったイチレツダコ類は吸盤列が1列である[77]。メンダコ科、ジュウモンジダコ科、ヒゲダコ科からなる有触毛亜目では、吸盤列が1列であるが、代わりに腕に触毛(しょくもう、cirrus)が生えている[75][78]。白亜紀のムカシダコ Palaeoctopus newboldii も触毛を持ち、吸盤列が1列である[79]。
タコの吸盤は切断されたものであっても、自分の体には吸着することはなく、この原理については判明していない。ただしタコの皮膚を取り除き、同じタコの腕を切断して近づけると、その腕の吸盤は皮膚を除去した部分に吸着する。また皮膚を貼り付けた物体に、切断されたタコの腕を近づけると、その部分にはくっつかず、皮膚のない場所にはくっつくという現象が確認できることから、皮膚に何らかの自己認識機構が存在するという説がある[80]。吸盤の表面は古くなると剥がれて更新される[81]。古い吸盤表面を剥がすために激しく腕をくねらせて互いにこすり合わせることがある。
鰭
[編集]タコ類の多く(無触毛亜目)は、イカが持つような鰭(肉鰭、fin[72])を欠く[40]。有触毛亜目(有鰭亜目)に属するヒゲダコ科やメンダコ科(メンダコなど)には鰭がある[78][82]。この鰭は俗に「ミミ(耳)」と呼ばれる[78]。鰭は筋肉からなり、水中で機動力を生み出す器官である[82]。
漏斗
[編集]腹側には漏斗と呼ばれるチューブ状の構造がある[68]。これは漫画では口のように描かれるが、実際の口は上述するように腕の付け根に存在する[48]。漏斗から外套腔内の海水を強く噴き出して、ジェット推進により移動する[68][48]。漏斗を自在に動かし、その向きを変えることで泳ぐ方向を調節する[68]。また、漏斗からは、雄は精包を放出し、雌は産卵の際、卵を放出する[48]。墨や排泄物も漏斗を通じて放出される[48]。
漏斗は発生の過程では左右2葉に開いた構図をしており、それが癒合して形成される[68]。
漏斗の左右には漏斗軟骨器と呼ばれる構造があり、外套膜と頸部を固定している[68]。
眼
[編集]タコの眼は解剖学的に脊椎動物のものに似たレンズ眼であり、非常に発達している[83][84][85]。これは発生学的には異なるもので[83]、相似である[84]。発生の際、眼胞が発達して完全に閉じ、前方にレンズを生じる[86]。レンズを連ねる虹彩を持ち[86]、そのため様々な表情を示す[85]。後方には硝子体を持ち、これらは角膜によって包まれる[86]。ほかの軟体動物と異なり、眼には動眼筋が付着する[84]。そのため眼を筋肉で動かすことができる[84]。中央部はコウイカ目、閉眼類と同様に完全に閉じる[87][注釈 12]。その外側には1枚の眼瞼ができる[87]。
頭足類のレンズは外胚葉に由来し、視神経が網膜の外側から伸びるため、盲点が存在しない[84]。眼のレンズは前後に仕切られ[84]、2枚が貼り合わさった構造となっている[85]。ヒトの視細胞は光の入射方向とは反対を向き、神経節細胞などのいくつかの細胞層を通って光を受容するが、タコの視細胞は頭部が光の入射方向を向いている[88]。また、脊椎動物の眼とは違い、正立像が得られる[85]。
視細胞には桿体や錐体のような区別はなく、単一の種類の細胞である[88]。その視物質はロドプシンのみであり、そのため色覚を欠くとされる[89]。視覚情報を利用した実験などから、コントラストは見分けることができると考えられる[89]。タコの視細胞の分光感度は、マダコ[注釈 13]で475 nm(ナノメートル)、イイダコで477 nm、ジャコウダコで470 nm であることが分かっており、何れも青色に相当する[89]。これはタコが底生であるため、海中で光が減衰し、海底では短波長の青や紫が届くことと整合的である[89]。視細胞の頭部には偏光の受容に関与する感桿という微絨毛が整列した構造を持つ[88]。
ヒゲダコ属 Cirrothauma の眼は単純なカップ状で、角膜と瞳孔は持つが、虹彩とレンズを欠く[84]。ボルケーノ・オクトパス Vulcanoctopus hydrothermalis の眼は皮膚下に埋没し、視覚機能をほとんど欠く[91]。スカシダコ Vitreledonella richardi の眼球は楕円形の凸レンズで、体の横方向に伸びる長い柄を持つ[92]。クラゲダコ Amphitretus pelagicus の眼は球面レンズを持ち、赤褐色の眼が望遠鏡のように背面に隣り合って並ぶ[93]。
内部形態
[編集]消化器官
[編集]消化器官は消化管とそれに付属する腺組織からなる[94]。タコの消化管は口-食道-胃-腸-肛門のように連続し[94]、背腹方向に折れ曲がったU字状の構造で、墨汁嚢が付属する[95]。
口
[編集]口は腕に囲まれた内側の付け根に存在する[46][48]。口にはよく発達した口球(こうきゅう、buccal bulb)を持ち、その中に上下1対の嘴状の顎板と歯舌を具える[96][95][48]。
顎板(がくばん、jaw plate)は嘴(くちばし、beak)とも呼ばれ[56]、俗にカラストンビと呼ばれる[95][48][97]。背腹が対になっており、構造はほかの軟体動物が持つものとは異なっている[95]。背側の顎板を上顎板、腹側の顎板を下顎板と区別し、それぞれカラスとトンビと呼び分けられる[97]。下顎板が上顎板より突出している[98]。顎板の先端は鋭く、餌を咬み切るために用いられる[95][98]。
歯舌(しぜつ、radula)は餌を引きちぎり、食物を運搬するために用いられる[99]。タコの歯舌はイカやアンモナイトと同様に、1本の中歯(central tooth)に加え2対の側歯(laterl tooth)、1対の縁歯(marginal tooth)と1対の縁板[注釈 14]の9本の小歯を持つ[95][101]。タコの歯舌は三叉状、五叉状のものもみられ、特にフクロダコ科では櫛状の歯尖(しせん、cusp)を持つ[101]。
消化管
[編集]食道(oesophagus)は脳軟骨と脳を貫通する単純な管状の構造である[99][注釈 16]。食道中央部は膨らみ、嗉嚢(そのう、 crop, proventriculus)となる[99][102][103]。胃は単純だが大きく発達し、2巻きの螺旋状の盲嚢(胃盲嚢、spiral caerum, gastric diverticulum)が付属する[99][102]。腸は単純で短く、胃の後部から外套腔の開口部に向けてまっすぐ伸びる[104]。
中腸腺(midgut gland)は1対で部分的に癒合し、卵形の一塊となっている[102]。中腸腺はよく発達し、肝臓域と膵臓域が分化する[96]。タコの膵臓は中腸腺(肝臓)に埋没し、切り離せない構造となっている[102][105]。中腸腺は1対の輸管(肝膵管、hepatic duct, hepatopancreatic duct)を持ち、合一して胃に開口する[102][105]。
唾液腺
[編集]唾液腺は2種類あり、口球の側方に1対の前唾液腺(前唾腺、anterior salivary gland)、口球の後方に毒が含まれる後唾液腺(後唾腺、posterior salivary gland、毒腺)を持つ[99][101]。この後唾液腺から分泌されるセファロトキシンを用いて餌を麻痺させる[99][106][107][108]。ほぼ全てのタコは毒を持っているとされ[109]、マダコ、サメハダテナガダコ Callistoctopus luteus やワモンダコからセファロトキシンが検出されている[110][108]。この毒は人間に対しても患部に麻痺症状や炎症を引き起こすが[108][111]、命に別状はない程度である[109]。
ヒョウモンダコ属のタコは例外で、分泌腺内に住むバクテリアに由来するテトロドトキシンを持っており、人間でも噛まれると命を落とすことがある[76][112][113]。毒の産生は分泌腺内に共生するバクテリアが行っている[114]。孵化前の幼生もバクテリアによって雌から毒が受け渡されるため、毒を持っている[108]。これは解毒剤は見つかっていない[115][114]。
また、タコは口球の腹側に筋肉質の唾液乳頭が突出し、その下に下顎腺がある[99]。唾液乳頭は動かすことができ、二次的な歯舌として機能し、貝殻に穿孔して貝類を捕食する[99][109](#食性も参照)。
墨汁腺
[編集]タコは危険を感じると漏斗を通じて墨を吐きだすが、これは直腸に付属する墨汁腺から分泌される[96][104]。墨汁は墨汁嚢に蓄えられ、墨汁管と肛門を通って漏斗から体外へ放出される[96][104]。深海性のホッキョクワタゾコダコ Bathypolypus arcticus などでは墨汁嚢を欠く[116]。
神経系
[編集]軟体動物の神経系の中心は脳神経節、側神経節、足神経節が食道を囲むように位置してできた食道神経環である[117]。とくに頭足類では食道神経環が発達し、内臓神経節とも癒合して脳を形成する[118]。脳は頭蓋軟骨(脳軟骨)により取り囲まれており、白く硬い塊を形成する[118]。この頭蓋軟骨は脳を保護するためのものであり[46]、中胚葉組織から発達する[87]。
脳は食道上脳塊と食道下脳塊の2つからなり、それぞれが側方で縦連合によって連結される[118]。また脳は、24個の脳葉と呼ばれる瘤状の領域から構成されており、更に細分すると36–37個が数えられる[118]。タコ類の脳葉には名前が付けられており、頭頂葉、上位前額葉、下位前額葉、上位口球葉、視柄下葉、内臓葉、外套葉、後部色素胞葉、前部色素胞葉などが区別される[118]。眼の基部にある脳葉は視葉で、眼の発達と関連し、脳葉中で最大である[118][119]。視葉以外の脳葉は中央部分に集まっている[119]。また、学習能力は垂直葉とその周辺の脳葉が担っている[120]。
また、脳以外にも小規模な神経節が9つ存在する[121]。星状神経節は鰓の基部付近から外套膜に神経を放射状に伸ばす神経節であり、頭足類にのみ知られる[121][122]。
平衡器の近くに生じた足神経節からは、腕神経節が前方の先から分岐して生じ、後部からは漏斗神経節が対をなして形成される[87]。腕神経節から伸びる腕神経(神経束)はそれぞれの腕の中央を貫通する[123]。腕には脳の2倍以上のニューロンが分布し[56]、それぞれの腕を伸ばす動作は脳による指令ではなく、腕そのものの神経によりコントロールされている[123]。この神経系の分散が、タコの柔軟性や動きの調整能力、高い適応力を生み出していると考えられている[56]。
筋系
[編集]その柔軟な体のほとんどは、他の多くの動物と同様に、筋肉組織が占めている[124][125]。タコの主要な筋肉はイカに比べて多く、頭部牽引筋、漏斗牽引筋、外套収縮筋、中央外套収縮筋を持つ[126]。漏斗から噴き出される水によるジェット推進は外套膜の筋肉の運動が大きな影響を与えており[126]。放射状筋が弛緩して環状筋が収縮することにより体の直径が小さくなって水が噴出され、環状筋が弛緩して放射状筋が収縮すると外套腔へ水が取り入れられる[126]。
またタコの腕は異なった向きに配向する3–4層の筋肉組織からなり、収縮と弛緩を組み合わせて向きを自在に変形する[127][61]。
循環系
[編集]循環系はよく発達してほぼ閉鎖血管系となる[96][128][129]。それに対し、頭足類以外の軟体動物は開放血管系である[129]。収縮して血流を送る器官は心臓だけでなく、1対の鰓心臓を持つ[96][128]。そのため「3つの心臓を持つ」と言われる[56]。心房の数は1対で、心室が発達し、内部の弁により隔てられる[128]。
血管は外皮・中皮・内皮の3層構造である[128]。頭部と外套膜に血液を送る前大動脈、内臓の後方に血液を送る後大動脈、前側から腎嚢に伸びる腎動脈、心房の前側から心臓を横切る形で生殖器官に向かう動脈を持つ[128]。血圧は比較的高く、活動時は10 kPa (75 mmHg) 以上となる[129]。
血液中にはヘモシアニンという呼吸色素が含まれており、そのため血液は青く見える。ヘモシアニンは鰓の付着膜と入鰓血管の間にある鰓腺で合成される[130]。ヘモシアニンはヘモグロビンに比べ酸素運搬能力に劣るため、長距離を高速で移動し続けることができない[131]。さらに、海水の pH 濃度にも影響を受けやすく、海水が酸性化すると酸素運搬能力が低下する[132]。
鰓
[編集]鰓はほかの軟体動物と同様に櫛鰓で、1つの鰓は1対の鰓軸から鰓葉が交互に突出した構造をしている[133]。鰓は1対で[134][87]、それゆえ鞘形類は二鰓類 Dibranchia とも呼ばれた[135]。背側に入鰓血管、腹側に出鰓血管が走るため、鰓葉内部では腹から背側に向かって血流が流れる[134]。鰓は付着膜(gill ligament, dorsal membrane)によって外套膜から吊り下げられ[134]、外套腔にある[87]。
発生においては初め、外套膜原基の隆起の前方に1対の乳頭状突起として生じるが、外套膜の発達とともに外套腔内に入って前後に伸び、櫛鰓となる[87]。
排出器官
[編集]タコは1対の腎嚢(じんのう、renal sac)と呼ばれる袋状の排出器官を持ち、その内部にある大静脈が膨出してできた腎嚢付属体(腎臓)が腎嚢内に血中の老廃物を排出する[136]。原尿は鰓心臓後端に付属する囲心嚢腺で濾過され、腎囲心嚢連絡管を通じ、腎嚢から体外に排出する[136]。外套腔内に開いた腎嚢の出口は腎門(腎口[87]、尿乳頭[60]、urinary papilla)と呼ばれる[137][60]。
腎嚢内には、ニハイチュウが寄生している[138]。これは1787年にイタリアの博物学者フィリッポ・カヴォリーニにより発見された[139][140]。ニハイチュウは体皮細胞の表面にある繊毛の繊毛運動により、尿中を遊泳したり腎嚢内の腔所を移動する[138]。ニハイチュウ類の寄生率は、温帯海域の砂泥に生息するタコで高く、成熟したマダコやイイダコではほぼすべての個体に寄生している[141][142]。ニハイチュウは宿主特異性を持ち、ほぼ全ての場合において、異なる種の宿主には異なる種のニハイチュウが寄生している[142]。
貝殻
[編集]また、頭足類は貝類であり、内在性の貝殻を持つが、タコ類では完全に退化するか、軟骨質(寒天質)になる[75][96][79]。軟骨質の貝殻はスタイレット[143](棒状軟骨、stylet[98])と呼ばれ、棒状かU字状、H字状をしている[144]。この貝殻の喪失は、体色変化による隠蔽、墨の利用、ジェット推進による遊泳、強い腕や顎の獲得などと関連していると考えられている[145]。また、脳の発達による学習や記憶などもこの貝殻の喪失の影響があると推測されている[146]。大きな鰭を遊泳に利用するヒゲダコ科ではスタイレットがこれを支えている[147]。
タコでもアオイガイ Argonauta argo やタコブネ A. hians などのアオイガイ科は螺旋状の外在性で石灰質の貝殻をもつが、これは雌の第1腕から分泌されたものであり、オウムガイなどの貝殻とは直接的な起源が異なる[96][144]。また、アオイガイ属の貝殻は内部に隔壁を持たない[144]。この貝殻は卵を保持する機能を持ち、雄は形成しない[144]。
生態と行動
[編集]生態と生息域 | 分類群(科) | |
---|---|---|
浮遊性 | 表層遊泳性 | ムラサキダコ科 |
アミダコ科 | ||
アオイガイ科 | ||
中層浮遊性 | フクロダコ科 | |
クラゲダコ科 | ||
スカシダコ科 | ||
カンテンダコ科 | ||
深海・近底層浮遊性 | ヒゲダコ科 | |
Stauroteuthidae | ||
メンダコ科 | ||
Cirroctopodidae | ||
底生性 | 浅海性 | マダコ科 |
ジャコウダコ科 | ||
ミズダコ科(ミズダコ属) | ||
深海性 | ミズダコ科(その他) | |
Megaleledonidae | ||
Bathypolypodidae |
ほかの軟体動物は間隙性や付着性など海底面に接して生活するものが多いのに対し[149][150]、タコはイカとともに海面直下から深海域までの3次元的な生息域を持っている[150]。特にタコ類は潮間帯から水深6000 m 以深まで幅広く分布する[76]。最大水深は8,100 m とも言われる[151]。しかし淡水生のものは知られておらず[150]、狭鹹度性で塩分は30‰以上を求める[152]。そのため、「蛸の真水嫌い」や「梅雨時に雨の多い年は蛸、烏賊が少ない」と言われる[153]。また、夜行性のものが多いとされる[154][155]。
マダコ Octopus sinensis などタコ類の大半は底生で、腕が発達し匍匐生活を送る[75][76][156]。底生のものでも、好む底質などの生息環境は種によって異なる[151]。岩礁にあるクレバスや転石の間隙には底生のタコ類が生育し[157]、マダコなどが巣穴として利用する[151]。潮間帯にできるタイドプールには小型のタコ類がみられ、昼間はクレバスに身を隠している[150]。カジメの根元にはマメダコなどの小形のタコ類が生息する[150]。イイダコ Amphioctopus fangsiao やミミックオクトパス Thaumoctopus mimicus などでは内湾寄りの砂泥地に落ちている貝殻や甲殻類が形成する穴などを棲み家として生息する[157][151]。サメハダテナガダコ Callistoctopus luteus では砂底中に埋没して隠れている[151]。珊瑚礁棲のワモンダコ 'Octopus' cyanea などは、その複雑な地形を利用し身を隠している[151]。深海性の底生のタコは巣穴などを利用せずに、泥質の海底を匍匐していると考えられる[151]。
その一方で漂泳性の種も多く知られている[149]。ムラサキダコ Tremoctopus violaceus(ムラサキダコ科)は表中層を浮遊する[76][149]。アミダコ科も浮遊性で、雄はサルパの皮殻内に入る[75][149]。クラゲダコ Amphitretus pelagicus(クラゲダコ科)、カンテンダコ Haliphron atlanticus(カンテンダコ科)、ナツメダコ Japetella diaphana(フクロダコ科)などは中層を浮遊する[148][158]。クラゲダコやスカシダコ Vitreledonella richardi が透明であるのは、隠れる場所が少ない海の水柱の中層で、影を消したりクラゲへのカモフラージュによって捕食者に見つかりにくくする効果があると考えられている[159]。アオイガイ科も浮遊生活を送り、雌は卵を保護するための貝殻を作る[75]。
巣と移動
[編集]多くのタコ類で鉛直方向または水平方向の移動を行うことが知られている[152]。ただし、温暖な地域のものは定着性が強いと言われる[160]。
マダコ類の多くは海底に巣穴(デン、den、蛸穴[161])を持つ[162][163][164]。マダコやワモンダコは岩の隙間や礫の下に巣穴を持つ[162]。
マダコは単独で行動し、海底の巣穴を塒として、夜になると索餌のために海底を這って動き回り、帰巣する[163][164]。この際に学習や記憶を行っていると考えられている[163]。バミューダのマダコ[注釈 18]では、巣穴から出て2 m 以上の移動を10分以上かけて行い、往復路で違う道を用いて帰巣した[165][166]。これは池田譲によると、全く同じ道を戻るトレイル・フォローではなく海底の岩などを道標として、景観を見て帰巣しているのだと考えられている[167][168]。索餌には1日のうちの5–6時間を費やしており、残りの時間は巣穴の中で睡眠またはハウスキーピングを行っている[155]。
マダコ漁業に用いられる蛸壺はこの巣穴に隠れる習性を利用したものである[164]。自分の巣穴から遠く離れた場所で餌を捕まえた場合、運搬の途中で隠れ場所を見つけるとそこに持ち込んで食べる[164]。自分の巣穴まで持ち帰るにはコストがかかり、その低減のために行う行動であるが、巣穴からどれだけ離れているかという判断も行ったうえで、蛸壺を利用することが知られている[164]。またタコは食べ残しやゴミを取り除き、巣穴の外に運ぶことが知られている[169][170]。そのため、蛸壺の内部は綺麗でないと入らないとされる[164][171][172]。
小形のタコはサザエやアカガイ、ヒメスダレガイなどの貝殻を用いて巣穴とする[162]。スナダコ Amphioctopus kagoshimensis は様々なものを巣穴といて利用し、時には人工物をも用いる[162]。イイダコでも、二枚貝の貝殻を2つ合わせて身を隠し、その中で抱卵する[173][174][175]。メジロダコ A. marginatus はサツマアカガイなどの二枚貝を腕に挟んで海底を移動し、「貝持ち行動」として知られている[176](#道具の使用も参照)。
インドネシアのウデナガカクレダコ Abdopus aculeatus では、「二足歩行 bipedal walking」をとることがクリスティン・ハッファードにより報告されている[177][178][179]。メジロダコも二足歩行を行う事が知られている[180]。タコの二足歩行では、胴体をボール状に丸くし、腕のうち2本を用いて交互に動かし、移動する[177]。これは防衛行動の一種や[181]、体力を温存して行動するためだと考えられている[56]。
また、種によってはタコも渡りを行うことが知られている[182]。津軽海峡のミズダコで渡りが観察されており、海底を移動し、水深200 m に達する津軽海峡を越えて北海道と青森県を行き来する個体が報告されている[183]。日本のマダコも渡りを行い、渡り群と地着き群が存在することが知られている[184][185]。特に常磐地方のマダコで渡りが知られ、多数のタコが群れを成して南北移動を行う[186][152]。イギリス海峡のチチュウカイマダコ Octopus vulgaris も冬場の低水温を嫌って南方に回遊するといわれる[160]。
平衡感覚と聴覚
[編集]タコは軟骨でできた平衡胞と呼ばれる器官を左右1対持ち、中に炭酸カルシウムでできた平衡石を具える[187]。平衡胞内壁表面に生える微絨毛に平衡石が触れることで姿勢を認識する[187]。移動の際は加速度も検知することができる[188]。
また、平衡胞内の多数の毛を使って狭い範囲の音(振動)を感知している[189]。外洋に生息するイカに比べて聴力は弱く、底生のマダコでは400–1,000 Hz(ヘルツ)の音しか知覚できない[189]。これは水深1–2 m 以深では高周波の音は伝わりにくく、凹凸の多い海底では障害物に吸収され知覚できる可能性が低いためとも考えられる[189]。
平衡胞を外科的に破壊すると、平衡感覚が失われる[188]。タコの眼の向きは体の向きにかかわらず常に水平方向を向くようになっているが、平衡胞を破壊するとタコの向きに依存して眼の向きが変化してしまう[190]。平衡胞を破壊したタコでも「回り道」の認識には大きな影響がないが、図形の向きの認識には支障を来す[188]。また、平衡胞は50–400 Hz の低周波の音によっても損傷を受けることが分かっている[191]。
食物網
[編集]食性
[編集]鞘形類はイカもタコも大型肉食性の捕食者で、魚や甲殻類を食べる[192][193][194]。特に底生のタコはカニや二枚貝を好んで捕食する[193]。タコはカニにとっての天敵であり、カニの一種 Carcinus maenas では、歩脚を木製ピンセットをつまんでも起こらないが、タコの腕を吸いつかせると直ちに自切反射が起こることが知られている[195]。イギリスではタコの急激な増加によりエビ漁業が脅かされる現象が起こり、オクトパス・プレイグ(octopus plague、「タコによるペスト」)と呼ばれた[155][196]。マダコやイイダコでは貝類を食べる際、まずは腕の力でこじ開けを行い、それで開けられなかった場合、歯舌で貝殻に穿孔して唾液腺の毒(チラミン[155])を注入し、餌を麻痺させてから捕食する[197][198]。海底に落ちている魚の死骸を食べることもあり[199]、イチレツダコ Eledone cirrhosa は生きた甲殻類だけでなく死んだ魚を食べる[194]。
吸盤には化学受容細胞が分布し、触覚により餌を探ることができる[200]。テナガダコ Callistoctopus minor は海底の泥中に埋没して、第1腕を水中に伸ばして餌を捕獲する[200]。ホワイト・ブイ・オクトパスと通称される未記載種[注釈 19]は、他の生物の巣穴に腕を差し込んで捕食する[202]。
深海棲のホッキョクワタゾコダコ Bathypolypus arcticus では、胃内容物から大量の有殻翼足類と少量の甲殻類が見つかっている[194]。遊泳性のアオイガイ属 Argonauta は小型甲殻類や魚類を捕食する[194]。中でもチヂミタコブネ Argonauta boettgeri は浮遊性翼足類のカメガイを捕食することが観察されている[194]。南極海に棲むオオイチレツダコ Megaleledone setebos (≡Graneledone setebos =Megaleledone senoi) は胃内容物からは、由来不明の固形内容物のほかクモヒトデの骨格も見つかっており、別の記録では例外的に大量の海藻が占めていた[194]。'Octopus' filamentosus では干潮時に半海洋性のウシオグモ類 Desis martensi を捕食しているのを観察されたこともある[194]。漂泳性で歯舌が消失しているヒゲダコ科は微小物食性となっている[194]。
漂泳性のムラサキダコは、若齢時に表層を漂う猛毒のカツオノエボシを好んで捕食し、その刺胞を含む触手を第1腕から第2腕の吸盤に付着させる盗刺胞を行い、武器として利用する[203][204]。この刺胞は天敵からの防御や捕食の際に用いられる[203][204]。
ワモンダコ 'Octopus' cyanea は、バラハタ Variola louti などの魚類と協力して狩りを行い、群れのリーダーとしての役割を担っていることが知られている[205]。バラハタは30 m 先の獲物を見つけることができ、ワモンダコに微妙な頭の揺れで合図を送る[205]。それを見たワモンダコは岩の隙間に隠れる獲物を追い出して捕らえ、バラハタと分け合う[205]。その際アカハタ Epinephelus fasciatus などの狩りに協力しない他種の魚が餌の横取りを狙うことがあり、腕を鞭のようにしならせた「タコパンチ」によりそれを追い払う[205][206][207]。
共食いと自食
[編集]鞘形類では共食い(カニバリズム)も一般に観察され[194]、特に珍しいことではないとされる[208]。そのため、同類のものが互いに食い合うことを喩えて「蛸の共食い」という[209][161][注釈 20][212]。明石のマダコでは胃内容物の6.0% が同種である[155]。ミズダコの胃内容物中には一定の割合で同種と考えられるタコの断片が見つかり[213]、シアトル水族館の水槽などでも交接後に雌が雄を捕食した例が観察されている[214]。ワモンダコでも、野生下で雌が交接後の雄に襲い掛かり、捕食することが観察されている[214]。
チチュウカイマダコやマダコ、カリフォルニアツースポットダコ Octopus bimaculoides では自分の腕を食べる行動(自己共食い、セルフカニバリズム)が観察されている[112][215][208]。かつては空腹の際に自分の腕を食べるという俗信があり、「タコは身を食う」や「タコの手食い」という表現も生まれた[216]。しかし瀧巌の観察によると、アサリなどの餌生物を与えていても起こるため飢餓ではないことが分かっている[112]。この行動は何らかの病原体によって引き起こされる感染性の致死的疾患であると考えられている[217]。腕を食べ始めたタコは数日以内に死亡する[112]。消化管内には腸内で消化されておらず、小肉片となって腸内を充填してしまう[112]。この行動の多くはストレスによるものではないと考えられることもある一方[217]、精神の異常によるものだと考えられることもある[112][196][215]。例えば、豊かな環境の水槽とごく普通の水槽にカリフォルニアツースポットダコを入れて行動を比較した研究では、後者でのみ自食行動が観察された[215]。またこの種では、産卵後の雌で自分の腕の先端を食べる行動も観察されている[208]。こういった行動をとる雌では、視柄腺からコレステロール前駆体である7-デヒドロコレステロール(7-DHC)が分泌されていることが分かっている[208][注釈 21]。
被食者として
[編集]食物網の中でのタコは捕食者であると同時に被食者でもあり、海洋生態系中で非常に重要な餌生物となっている[218]。人間にとってタコは食品として利用されているが、海洋の捕食者にとっても優れた餌となる[218]。硬い殻や骨を持たず、ほぼすべて消化可能であり、効率が良い[218]。そのため、カマス、ハタ、フエダイ、イットウダイ、アイナメ、カサゴ、サメといった魚類だけでなく、ラッコ、アザラシ、シャチといった海棲哺乳類、鳥類もタコの天敵である[219]。ただしクジラやマグロなどの重要な餌生物であるイカに比べると、タコは底生で隠れ家を持つものが多く、被食されにくい[218]。
タコの天敵として最もよく知られているのはウツボである[218][220]。ウツボは大型の底生魚類であり、クレバスの奥にも潜り込めるため、タコの捕食者になりやすい[218]。また、鱗がなく皮膚が強靭で硬く、歯も鋭いためマダコと格闘し腕などを食いちぎる様子がよく観察されている[220]。マダコはウツボに襲われると、腕を翻して丸まり、防御の姿勢を取る[221]。そしてその後隙を見て逃走を図るが、腕の先を咬まれ腕を失うこともある[221]。アナゴなどほかのウナギ類もタコの天敵となる[222]。
ほかの魚種からも報告があり、ホッキョクワタゾコダコ Bathypolypus arcticus がタイセイヨウオヒョウ Hippoglossus hippoglossus の胃内容物から見つかっている[220]。またイギリスでは、イチレツダコ Eledone cirrhosa がタラ類やアンコウ類に捕食されていることが知られているほか、水槽で飼育されている卵はカニに捕食されている[220]。孵化したばかりの稚仔(擬幼生)はプランクトンとして、ヒゲクジラやオニイトマキエイ、ジンベエザメなどの濾過摂食者に捕食される[223]。
大型のタコや有触毛亜目のタコはサメやアザラシ、鯨類に捕食される[220][147][224]。そのため、青森県下北半島では「海驢は蛸の群れについて来る」という諺が伝わる[153]。似た言い伝えとして、島根半島では「アオイガイが来るとマグロが獲れる」と伝わる[225]。しかしこの捕食-被食関係も一方的なものではなく、稀にではあるが、大型のタコが小型のサメを捕食することがある。またシアトル水族館では、ミズダコが同じ水槽で飼われていたアブラツノザメを攻撃し、死亡させた例もある[219][226][227][228][106]。
深海棲の有触毛亜目では天敵となる捕食者の記録は少ないが、これは食べられていないというわけではなく、顎板から種を見分けるのが難しいためであると考えられている[147]。漂泳性の種も重要な餌生物となっていることが知られており、ナツメダコ Japetella diaphana は寒天質にも拘らず、マグロ類やミズウオの胃の内容物から頻繁に見つかる[229]。
ミズダコのような最大のタコでも、大抵は臆病でダイバーを見ると墨を吐いて逃げるが、その力は強く、もし絡まれると危険な目に遭う可能性もある[230]。特に、年老いたタコでは攻撃的になることが知られ、ブリティッシュコロンビア州のパシフィック・アンダーシー・ガーデンズで飼われていたミズダコが死ぬ数週間前にレギュレータに腕を絡ませ、ダイバーの呼吸を阻害した事例も知られている[231]。
腕の自切と再生
[編集]頭足類の腕は捕食や移動、自切、交接や競争に加え、攻撃や共食いにより傷つくことがあり、再生能力を持つ[232][233]。体が損傷すると、それに応答して再生を始める[232]。
カクレダコ属 Abdopus は捕食者に襲われると腕を自切し、デコイとして利用してその隙に逃げることが知られている[234]。テギレダコ Callistoctopus mutilans は捕らえようとすると腕を自切して逃げることから、その和名や学名が名付けられた[50][注釈 22]。
傷ついた腕が再生する際、2叉または3叉に分枝し異常な腕となることがある[232]。鳥羽水族館には三重県沖から漁獲された多腕となったマダコが度々持ち込まれ、うち85本のものは1955年の開館直後から展示されている[235]。
墨による防衛
[編集]危険を感じると、漏斗を通じて墨汁(墨)を吐き出す[104]。
タコの墨は、一般的に食用に供されるイカの墨とほぼ同じ成分であり、タンパク質、セピアメラニン、多糖類、脂質を含む[236]。しかし、タコの墨はイカのものに比べ、粘液物質であるムコ多糖や脂質が少ないため、さらさらとしている[237][236]。そのためタコは墨を煙幕として拡散させ敵から逃げる[104][237][236][注釈 23]。遊泳性のイカに比べ、底生のタコは隠れ場所に困らないため、このような戦略を用いていると考えられる[237]。
また、この墨にはチロシナーゼが含まれ、敵の眼や受容器を刺激する機能もある[219][238]。チロシナーゼはオキシトシンやバソプレシンを阻害する酵素である[238]。また魚の鰓などに絡まってダメージを与える働きもあると考えられている[204]。人間がタコを搬送中に墨を吐くと、自分の墨が鰓に絡まって死んでしまうこともよく知られている[239]。
タコ墨が料理にあまり用いられないのはイカ墨と比べて絡まりにくいためであり[240]、料理に不向きとされることもあるが[237]、一方成分はほぼ同じであることから美味ともされる[236]。墨汁嚢が肝臓(中腸腺)中に埋没するため取り出しにくく、さらに1匹から採れる量もごく少量であることが、タコ墨が料理にあまり用いられない真の理由だとされる[241][236]。
漂泳性のムラサキダコの墨は粘り気が強く、イカのものに類似している[242]。
擬態とコミュニケーション
[編集]頭足類は聴覚が発達しないことから、視覚情報を重要なコミュニケーションの方法として用いている[243]。
タコの体表には体表の色彩を変化させる色素胞器官を持つ[68][243][220]。これは黄、橙、赤、茶、黒と様々に色を変化させる色素細胞と放射状の筋肉、神経などのいくつかの異なる細胞からなる複合体である[68][220]。神経によって直接支配されるため、内分泌系に制御される魚類の色素胞とは異なり機敏に体色を変化させることができる[244][243]。単に色だけでなく、反射性や質感、明るさを周囲の環境に合わせて変化させることができる[245]。また、眼にある視物質はロドプシンのみであるため色覚を欠くとされるが[89]、皮膚にも視物質であるオプシンを持つことがわかっており[246][247]、色素胞を透過させカラーフィルターとして用いることで色の判別に役立てていると推測する研究者もいる[248]。この色素胞は、擬態(カモフラージュ)と意思疎通(コミュニケーション)に機能すると考えられている[243]。
また色素胞だけでなく虹色素胞 (虹色胞、iridophore) を持つ[249][250]。これは光の干渉による構造色を呈し、様々な色の光や偏光を反射している[251]。虹色素胞は仲間とのコミュニケーションに用いていると推測されている[251]。また色素胞、虹色素胞に加え白色素胞(白色胞、leucophore)も持ち、変化する色素胞の色の下地を作っている[251][250][252]。
また、タコはイカに比べ、表皮層が厚く、肌の凹凸を変えることができ、これも体色の変化に加え背景に溶け込む隠蔽的擬態に寄与する[68][244]。単に背景と同じ模様にするというより、目印を選んで擬態することが明らかになっている[253]。例えば、ヘアリーオクトパスと呼ばれる未記載種は、体表の突起を分枝させて伸ばし、海藻の生えた石に擬態する行動が知られている[244][254][255]。
また、有毒生物などに似せて身を守る標識的擬態を行うものも知られている[244]。ホワイト・ブイ・オクトパスと通称される未記載種はカレイ類に擬態する[202]。ミミックオクトパス Thaumoctopus mimics はウシノシタやミノカサゴ、ウミヘビなどの有毒生物に擬態(ベイツ型擬態)し、動きを似せることが知られる[256][244][257][258][259]。ブンダープス Wunderpus photogenicus は15種以上の生物に擬態することができる[260]。これは捕食者の種類に合わせて何に擬態するか選択を行っていると考えられるため、チンパンジーやカラス科と同様に他者視点を獲得しているとされる[223]。また、多くの種で第1腕を持ち上げ腕の先端を丸めて体全体を漂わせる姿勢を取るフランボワイヤン・ディスプレー (flamboyant display) を行うが、これも標識的擬態であると考えられる[261][262]。
沿岸域に生息する種では、眼状紋(眼紋、ocellate pattern)を威嚇行動に用いる[243][112]。イイダコは会敵した際、外套膜背面に4縦帯、各腕の両側に黒帯、第2腕・第3腕の基部に眼状紋を生じる[220]。同属のヨツメダコ Amphioctopus areolatus も同様の眼状紋を生じ、会敵の際に眼をカモフラージュするのに用いると考えられている[263]。また、横縞(暗色の波形)を体表を流れるようにネオン状に前後に動かす「行雲」と呼ばれる行動を行う種も多く知られ、この行動は警戒行動に用いたり、採餌中の興奮状態に現れる[243][264]。これは動きながら自分の居場所を悟られることなくカニなどの獲物を誘い寄せるためであるといわれる[264]。
認知能力と学習
[編集]タコは脳が発達し、視覚や触覚、遊泳能力などに優れる[118]。また、学習能力さえ持っている[118]。頭足類の神経系と感覚器官は無脊椎動物の中で最も発達し、全体重に対する脳の重量の割合は爬虫類も上回っている[118]。
タコの脳には5億個のニューロンがあり[56]、犬や3歳の子供と同じくらいの知能で[265]、一説には最も賢い無脊椎動物であるとされている[266][267]。
タコは物体の形や大きさ、色の明暗を区別し、学習することができる[268]。ジョン・ザッカリー・ヤング (1963) はチチュウカイマダコ Octopus vulgaris に白い玉に触れた場合に餌という報酬を与えるオペラント条件付けによる学習訓練を行った[269][270]。これにより、タコは白い玉が現れると触るようになる[269]。そのうえで白い玉と赤い玉を提示すると、白い玉を触る行動をとる[271]。大きさが異なる玉も区別することができる[269]。また、図形も区別することができる[272]。正方形を選ぶように訓練されたタコは、菱形と正方形を提示すると正方形を選ぶことができる[272]。これは三角形や十字形でも同様に学習でき、枝分かれや、向きについても見分けることができる[272]。ただし、十字形と十字にさらに線が交差した図形や、円と正方形の区別は苦手とする[272]。また、形状は視覚だけでなく触覚によっても学習することができ、溝を刻んだ物体と滑らかな表面の物体を区別できる[272][168]。重さについては識別できないと考えられている[273]。
また、新規の課題を学習し解決することができる[274]。例えば、密閉されたねじ蓋式のガラス瓶に入った餌を視覚で認識し、瓶の蓋をねじって餌を取ることができる[273]。ほかにも、「回り道」が理解できる実験結果が得られている[275]。チチュウカイマダコに餌のカニ入りガラス瓶がある部屋とカニ無し部屋の二枚のガラスの壁が提示され、通路を進み突き当りを曲がらなければ餌に辿り着けない状況が与えられた[275]。29個体中8個体が初回の施行で餌まで到達できた[275]。さらに、10回正解したタコに対し餌の瓶を煉瓦で遮蔽して課題を与えたところ、ガラス越しに餌を見ながら進み、同様に餌に辿り着くことができた[275]。外科手術により片眼を除去すると誤った部屋に入ることや、振動や臭いの影響をなくした実験を行っても正しい部屋に辿り着けたことから、視覚情報を指標として課題を解決したことが示された[187]。
社会性行動を行うシドニーダコ Octopus tetricus は、同種他個体を識別していると考えられている[276]。飼育されているタコでは、人間の顔の見分けがついていると考えられる経験による実例がいくつか知られ、人間の行動に応じて状況を判断し、行動していると言われる[277]。シアトル水族館で飼われていたミズダコに対し、2週間「良い警官」役が餌を与え、「悪い警官」役が棒でいじめると、それに慣れたタコは前者には近寄ってきて餌をもらえる体勢を取ったのに対し、後者には敵意を示す体色を示したり、水を噴きかける行動を取るようになった[278]
道具の使用
[編集]1998年には、インドネシア近海に棲息するメジロダコ Amphioctopus marginatus が、人間が割って捨てたココナッツの殻を持ち運び、組み合わせて防御に使っていることが確認され、2009年12月、「無脊椎動物の中で道具を使っていることが判明した初めての例」として、二枚貝の貝殻や持ち運び可能な人工物を利用して身を守る様子がジュリアン・フィンらによりイギリスの科学雑誌『カレント・バイオロジー (Current Biology) 』で報告された[279][280][281][282][283](動物の道具使用については別項「文化 (動物)」も参照)。これは「タコの貝持ち行動」と呼ばれている二枚貝を用いて身を守る行動の転用だと考えられている[279][176]。二枚貝を用いる行動自体はイイダコ A. fangsiao において以前から知られていた[279]。
好奇心と遊び
[編集]アリストテレスの『動物誌』には、タコは水の中に下ろした人の手の方に歩み寄ってくるため捕獲しやすく、「利口ではない」と記述されている[284]。この行動はアリストテレスが考えたように愚かであるわけではなく、その好奇心故に水中に現れた人間の手に興味を持ったことによる行動だと考えられている[284]。目新しいものが現れると、腕やその吸盤、口などで「調べる」行動をとる[284]。水中を泳ぐ人についても近づいて絡みつき、「身体検査」を行う[284]。
好奇心には同種内でも個体差が存在する[285]。タムセン・デヴィッドがスミソニアン国立動物園のタコに様々なおもちゃを与えたところ、個体によってその好みが異なることが観察されている[286]。目新しいものにすぐ飽きてしまう個体もいれば、しばらく同じものにずっと興味を示す個体も存在する[287]。
タコは「遊び」をすることが知られている[288]。タコの遊びはジェニファー・メイザーとロナルド・アンダーソンによりミズダコ Enteroctopus dofleini で最初に報告された[288][287][289]。水槽内で飼育されていたミズダコが、自分の近くにある物体を漏斗から海水を噴出して吹き飛ばす行動をとった[288][287]。飛ばされた物体が水槽内の水流によりタコの近くに戻ってくると、タコは再び海水を噴出した[288][287]。この個体は何日も定期的に同じ行動をとっていた[290]。
メイザーとミカエル・クバらにより、さらに高度な遊びがチチュウカイマダコ Octopus vulgaris で観察されている[288][291]。タコにレゴブロックを与えると、それを掴んで移動したり、腕を使って近付けたり遠ざけたりする行動を繰り返す[292]。タコはレゴブロックを餌とは認識せず、捕食や生残に関係なく「遊び」の行動をとる[292]。日本のソデフリダコ類似種「トロピダコ」 'Octopus' aff. laqueus では、番でない2個体が抱き着いたり振り払ったりしてじゃれ合う様子が観察されている[293]。
睡眠
[編集]タコは2つの睡眠段階を持ち、そのうちの1つはレム睡眠に相当することが発見された[294][295][296]。この段階では、タコは体色や筋肉の動きを変えることがあり、「夢」を見ている可能性がある[294][295][296]。これはレム睡眠が認知能力や進化に関係する一般的な特徴である可能性を示唆している[294][295][296]。
社会性
[編集]アオリイカなどのイカが群れで行動し、社会性を持つのに対し[297]、多くのタコは単独で行動する[298][299]。飼育されているマダコでは、等間隔に環状に配置された巣穴の鉢をある個体がずらすと、残りの個体はそれから遠ざかるようにずらし、再び鉢が等間隔に移動する行動が観察されている[300]。しかし、種によっては社会性を示すものも知られている[301]。
マーティン・モイニハンとアラディオ・ロダニーチェは、1982年、オオシマダコ[注釈 24]と呼ばれる未記載種が社会性を持つ例を報告した[301][302]。オオシマダコは30–40匹が集団で生息し、1 m 程度の間隔を空けた巣穴で暮らしている[301]。3つの巣穴を2匹が共同で利用している様子も見られた[301]。
また、シドニーダコでも狭い範囲に多くの個体が巣穴を作っていることが観察され、デイビッド・シールやピーター・ゴドフリー=スミスらにより報告されている[303][304]。巣穴外で他個体に遭遇した場合、互いに威嚇したりする社会的干渉が観察された[303]。ゴドフリー=スミスはこの集団を「オクトポリス (Octopolis)」と表現している[305][169]。この種の別の集団はまた、「オクトランティス (Octlantis)」と呼ばれている[306]。
ソデフリダコ 'Octopus' laqueus はタコ類では珍しく、水槽内で他個体間で身体を密着させる行動を示し、愛着行動の一種であると考えられている[307]。こういった行動は人為的にも引き起こされ、カリフォルニアツースポットダコ Octopus bimaculoides は単独性が強いタコであるが、MDMAを投与すると行動が社会的なものに変化し、腕を伸ばして他個体に触れる行動を示した[308][309]。これはセロトニントランスポーターに MDMA が結合し、過剰に放出されたセロトニンが同種他個体への強い関心を引き起こしたと解釈されている[308]。
発光と燐光
[編集]イカは多くのものが発光し、約半数にあたる210種程度に知られているが、タコでは以下の3種しか知られておらず、何れも漂泳性である[168][310]。中層浮遊性のエビや魚類では(カウンターイルミネーションを行うため[311])発光するものが多いが、タコは底生のものが多いため、発光する種が少ないと考えられる[312]。なお、タコに近縁なコウモリダコでは鰭の後ろに発光器を持つ[313]。
イイジマフクロダコ(フクロダコ) Bolitaena pygmaea の成熟雌の口の周りを過酸化水素で刺激すると発光する[168][314]。イイジマフクロダコの発光器は黄緑色に光り、雄を誘引するためであると考えられている[314]。同じフクロダコ科のナツメダコ Japetella diaphana でも、同じく雌の口の周りがドーナツ状に発光する[314]。このような発光器を持つのはこの2種のみである[314]。
また、ヒカリジュウモンジダコ Stauroteuthis syrtensis では雌雄ともに吸盤が発光するという報告がある[312][315]。刺激により、比較的明るい青緑色(最大波長 470 nm)の発光を行う[316][315]。光は1–2秒おきに点滅したり、5分間発光し続けることが観察されている[315]。雌雄ともに発光するのはタコで唯一である[315]。
発光ではなく燐光を発することは底生のタコ類で知られている[152]。シマダコ Callistoctopus ornatus は刺激を受けると燐光を発することが飼育水槽下で観察された[152]。燐光細胞を持っていると考えられ、生時は淡い虹色の斑紋として現れる[152]。
生活環
[編集]発生
[編集]軟体動物は一般的にトロコフォア幼生やベリジャー幼生を経て成体に成長するが、タコは直接親と似た姿の稚仔になる直達発生を行う[318][86]。タコの稚仔は一時プランクトンとして生活し[318]、このような稚仔を特に擬幼生(ぎようせい、paralarva)という[319][注釈 25]。孵化したてのタコは腕は8本揃っているものの、外套膜長に対する相対的な腕の長さは短い[323]。また、最初は1本の腕当り3個ずつしか吸盤を持たない[324]。成長とともに次第に腕は伸長し、海底に着底する[323]。マダコでは、孵化してから着底するまでに15–30日の期間を要する[323]。
イイダコやテナガダコのように大きな卵を少数産む種では、孵化した稚仔はプランクトンを経ずそのまま匍匐生活に入る[325][326][327]。イイダコの稚仔は孵化直後でも1本の腕当り20個以上の吸盤を持つ[326]。
生殖
[編集]タコは雌雄異体で、体の後部に単一の生殖巣を持つ[328][137][329]。卵は大型であるため、発達した卵巣と精巣ははっきりと区別できる[328]。
輸精管は左側にのみある[328]。輸卵管は無触毛亜目のタコでは対になるが[328]、有触毛亜目のタコでは左側にしかない[330]。輸卵管の末端には輸卵管腺が付属し、卵殻を分泌する[330]。
雄の精子は、精包(精莢)として雌に渡される[330][331]。精包は精包腺からの分泌物で精子が固められて形成され、輸精管末端の精包嚢(精莢嚢[60]、ニーダム嚢[330])に貯蓄される[330][122]。集められた精包は陰茎から発射される[122]。精包は包膜の中に精子の塊が螺旋状に畳まれて入っており、受精時に飛び出す[332]。
また、タコの雄は腕の1本が変形して交接腕(生殖腕、hectocotylus)となり[332][333][334][62]、先端に舌状片と円錐体(交接基、交接翮[60])を持つ[335][334]。舌状片に至るまでには細く狭い溝が通っており、これを精莢溝(精溝[336][60])という[334][335]。この交接腕を雌の外套腔に挿入し、精包を渡す[332][333][331][337]。この行動を交接という[62][331][338]。マダコなどでは右第3腕が交接腕となるが[332][339]、オオメダコ 'Octopus' megalops などでは左第3腕が交接腕となる[340]。テナガダコは交接腕が匙状となることから、「しゃくしだこ」と呼ばれた[33]。
アオイガイ科、アミダコ科、ムラサキダコ科の交接腕は千切れ、雌の外套腔内に残される[332][333][341]。そのため、アオイガイ Argonauta argo の交接腕断片は寄生虫と誤解されて、1825年にステファーノ・デッレ・チアジェにより Trichocephalus acetabularis として記載された[341]。同様にアミダコの雌の体内に残された交接腕はジョルジュ・キュヴィエに寄生虫と誤解されて、1829年、ヘクトコチルス Hectocotylus octopodis として「記載」された[332][333][341]。
たいていのタコの雌は、生涯に1回のみ産卵し、卵が孵化したのちに死んでしまう[342][185]。人為的に卵塊を取り除くと抱卵している雌は死んでしまうことが経験則から知られており[343]、雌が抱卵する期間は「オーバータイム」であるとされる[344]。卵サイズは種によって多様である[345]。卵は卵黄に富み、卵嚢に包まれる[332]。卵殻には柄があって、房状の卵塊をまとめて産み付ける[332][342][345]。多くのタコの雌は、卵塊を岩棚などに産み付ける、基質産卵型の産卵を行う[342]。この卵塊は藤の花序のように房状となり、海藤花と呼ばれる[346][347][348]。これは江戸時代の儒者である梁田蛻巌によって名付けられたとされる[348]。雌は卵塊を抱き、汚れを吸盤で掃除したり、海水を吹きかけたりして世話(抱卵)をする[342][343]。
漂泳性のムラサキダコ Tremoctopus violaceus やナツメダコ Japetella diaphana は基質産卵型ではなく、口を膜で覆って卵塊を腕で包み込み、保持し続ける[342][229][346][349]。
タコには性差があることも多く、一般に雌の方が大型になる[332]。ムラサキダコでは雌は全長56 cm であるが、雄は3 cm より小さい[332]。ムラサキダコの雄の交接腕は発達する[326]。この性的二形は交接時に泳ぐ抵抗を減らし、捕食などのリスクを減らす効果があると説明される[350]。アミダコ Ocythoe tuberculata でも雌は全長52 cm であるが、雄は 16 cm 程度である[332]。マダコでは、雄の成熟すると特定の吸盤が平たく大きくなり、雌と区別する特徴となる[185]。Octopus vulgaris 種群の他の種である、チチュウカイマダコ Octopus vulgaris や Octopus americanus でも吸盤が大きくなるが、大きくなる吸盤の位置は異なる[90]。
寿命
[編集]成長は迅速で、寿命も比較的短い[194][351]。これを形容し、「タコは太く短く生きる」[351]や"live fast die young". と言われる[352]。
変温動物であるタコは取り込んだエネルギーを成長に回すことができるため、成長は非常に早い[353]。瀬戸内海のマダコでは生後4か月で体重が1 kg、1–2年後には3 kg にまで成長する[51]。最大の種であるミズダコも、米粒サイズの幼生期から3–5年で腕を広げた長さが3.6 m にも達する[51]。ワモンダコの稚仔では毎日4%ずつ体重が増加し、8.6 kg にも達する[51]。ピグミー・オクトパス Paroctopus digueti では0.04 g から 40 g まで1000倍に成長する[354]。
タコでは平衡石を用いた年齢推定が行えないため、一部の種を除いて、どれくらい生きるのかはわかっていないことが多い[344][352][355]。タコの平衡石は層の重なり方が魚と比べて不規則であるためである[356]。'Octopus' pallidus やワモンダコ 'O.' cyanea を用いた研究により、外套膜に埋没する棒状軟骨(貝殻)に日縞が見られることが分かり、これを用いた齢査定が行われている[352]。その他、飼育や統計学的な手法でも推定されている[355]。
熱帯性のものより寒冷性のものが長寿であるという傾向が知られている[355]。タコ類の寿命はマダコ Octopus sinensis は1年から1年半、熱帯性のワモンダコで1年など、1年とされることが多い[355]。それに対し、ミズダコは2–3年と推定されている[355]。更に高緯度深海性のホッキョクワタゾコダコ Bathypolypus arcticus では産卵するまで約4年、寿命は5年程度だと考えられている[355]。飼育下のチチュウカイマダコ O. vulgaris では、ドイツの水族館シー・ライフで飼育されたパウルの3年などの例がある[182]。
分類と系統
[編集]分類群名と学名
[編集]一般的な分類体系では、タコ類は全て八腕形目(はちわんけいもく)Octopoda という目に含まれる[75][357]。目の和名は八腕目[358][359]、タコ目[315]ともされる。古くは「八脚類」とも表記された[360]ただし、腕に触毛を持つ有触毛亜目を除いたタコからなる単系統群、無触毛亜目について Octopoda の名前が使われることもある[361][362]。
また、八腕形目はコウモリダコ目 Vampyromorpha と合わせて、八腕形上目 Octopodiformes(八腕型上目、八腕形類[359])という単系統群を構成する[363]。
系統関係
[編集]分子系統解析と化石記録に基づいた、Kröger et al. (2011) による頭足類の系統樹を示す[注釈 26]。多分岐となっている部分の系統関係は解けておらず、用いるデータセットや解析方法により、様々な分岐順序の系統樹が得られている。八腕類と十腕類はそれぞれ単系統群であるが、内部の系統関係やさまざまな化石鞘形類との類縁関係は十分に理解されていない。
頭足綱 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Cephalopoda |
下位分類
[編集]現生種は有触毛亜目と無触毛亜目の2亜目に大別される[75][364]。250種[82]から300種類を超えるタコが見つかっているが、未記載種も多く[76]、約半数は分類が確定していない[365]。
以下、Sanchez et al. (2018) による分子系統樹を示す。ほかの解析では、有触毛亜目やカイダコ上科が単系統群となる結果も得られている。
八腕形目 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Octopoda |
有触毛亜目
[編集]有触毛亜目[75](有触毛類[366][367])は、腕に吸盤だけでなく触毛の列を持つ特徴がある[75]。何れも深海棲で、寒天質の体からなる[75]。外套膜の側方に鰭を持ち、有鰭亜目[357](有鰭類[367])とも呼ばれる。Sanchez et al. (2018) による分子系統解析の結果、有触毛亜目は側系統群であることが示唆されていたが[362]、多くの種と遺伝子を含めたその後の解析では、再び単系統性が支持されている[368]。
学名は研究者によりさまざまなものが用いられる。瀧 (1935)、土屋 (2002) や 佐々木 (2010) では、Cirrata Grimpe, 1916 が用いられる。Strugnell et al. (2013) でも Cirrata の学名が用いられるが、階級は目に置かれる。Sanchez et al. (2018) では目の階級に置かれ、Cirromorphida という学名が用いられる。Kröger et al. (2011) では Cirroctopoda Young, 1989 が用いられる。
以下、科や属は Verhoeff (2023) に基づく。学名の著者等は Hochberg et al. (2016) に基づく。
- 上科 Cirroteuthoidea Verhoeff, 2023
- 上科 Opisthoteuthoidea Verhoeff, 2023
- メンダコ科[373][75] Opisthoteuthidae Verrill, 1896
- 科 Grimpoteuthididae[注釈 28]
- ジュウモンジダコ属[56] Grimpoteuthis Verrill, 1883 - ジュウモンジダコ G. hippocrepium[372][373]
- Luteuthis O'Shea, 1999 - L. dentatus[371]
- Cryptoteuthis Collins, 2004 - C. brevibracchiata[371]
- 科 Cirroctopodidae Collins & Villanueva, 2008
無触毛亜目
[編集]無触毛亜目[75][79](無触毛類[366][367])は、無毛亜目[358]または無鰭亜目[357](無鰭類[367])ともよばれ、腕に触毛を持たない[75]。普通目にするタコは無触毛亜目のマダコ科に属するものが殆どである[75]。かつては底生のタコは全てマダコ科であるとされていたが[148]、分子系統解析の結果単系統群ではないことが分かり、分割されている[376]。上部白亜系のムカシダコ[366] Palaeoctopus は無触毛亜目の側系統群とされる[377]。瀧 (1935)、土屋 (2002) や 佐々木 (2010) では、Incirrata Grimpe, 1916 が用いられる。Strugnell et al. (2013) でも Incirrata の学名が用いられるが、階級は目に置かれる。Kröger et al. (2011) では Octopoda が用いられる。Sanchez et al. (2018) でも目の階級に置かれ、Octopodida という学名が用いられる。
以下、分類体系は主に Strugnell et al. (2013) に基づく[注釈 29]。学名の著者等は Norman et al. (2016) に基づく。
- マダコ上科 Octopodoidea d'Orbigny, 1839
- クラゲダコ科[373] Amphitretidae Hoyle, 1886[注釈 30]
- 亜科 Amphitretinae Hoyle, 1886
- 亜科 Bolitaeninae Chun, 1911
- Bolitaena Steenstrup, 1859 (=Eledonella) - イイジマフクロダコ(サヤナガフクロダコ[381]) B. pygmaea[注釈 32]
- Japetella Hoyle, 1885 - ナツメダコ J. diaphana[381]
- 亜科 Vitreledonellinae G. C. Robson, 1932
- スカシダコ属 Vitreledonella Joubin, 1918 - スカシダコ V. richardi[381]
- マダコ科[383] Octopodidae d'Orbigny, 1840
- マダコ属 Octopus Cuvier, 1797 - マダコ O. sinensis[384]、チチュウカイマダコ O. vulgaris[66]、マヤダコ O. maya[50]、シドニーダコ O. tetricus[303]、ブラジル・リーフ・オクトパス O. insularis[385][386]、ウデブトダコ O. briareus[387][201]、[388][注釈 33]
- イイダコ属[384] Amphioctopus Fischer, 1882 - イイダコ A. fangsiao[389]、イイダコモドキ A. ovulum[390]、ヨツメダコ A. areolatus[391]、スナダコ A. kagoshimensis[392]、メジロダコ A. marginatus[393]、ベニツケダコ A. mototi[394]
- ヒョウモンダコ属[395] Hapalochlaena - ヒョウモンダコ H. fasciata[77]、オオマルモンダコ H. lunulata[395][396]、コマルモンダコ H. maculosa[395]
- Ameloctopus Norman, 1992 - A. litoralis[397]
- Cistopus Gray, 1849 - インドダコ C. indicus[395]
- カクレダコ属[398] Abdopus Norman & Finn, 2001 - カクレダコ A. abaculus[398]、ウデナガカクレダコ A. aculeatus[398]
- マクロトリトプス属[399] Macrotritopus Grimpe, 1922 - アトランティック・ロングアーム・オクトパス M. defilippi[400]
- Thaumoctopus Norman & Hochberg, 2005 - ミミックオクトパス T. mimicus[401]
- Wunderpus Hochberg, Norman & Finn, 2006 - ブンダープス[402][注釈 34] W. photogenicus
- シマダコ属[77](テナガダコ属[404]) Callistoctopus Iw. Taki, 1964 - サメハダテナガダコ C. luteus[405]、シマダコ C. ornatus[406]、ヒラオリダコ C. aspilosomatis[407]、テナガダコ C. minor[408][注釈 35]、テギレダコ C. mutilans[409][384][注釈 36]、タイセイヨウテナガダコ C. macropus[411][412]
- パロクトプス属[413][注釈 37] Paroctopus Naef, 1923 - ピグミー・オクトパス P. digueti[354]、カリビアン・ドワーフ・オクトパス P. mercatoris[201][414]、メキシコマメダコ P. joubini[385][415][416][注釈 38]
- Macroctopus Robson, 1928 - マオリタコ M. maorum[419]
- Robsonella Adam, 1938 - R. fontanianus[420]
- Grimpella Robson, 1928 - G. thaumastocheir[421]
- Pinnoctopus d'Orbigny, 1845
- イッカクダコ属[395] Scaeurgus Troschel, 1857 - イッカクダコ S. patagiatus[422][423][注釈 39]
- Pteroctopus Fischer, 1882[注釈 40](=ヤワハダダコ属 Berrya[注釈 41]) - ヤワハダダコ P. hoylei[425]、セビロダコ P. eurycephala[426][注釈 42]
- 'Octopus' - かつてはマダコ属とされたが、マダコ近縁種ではない種を表現するために Norman et al. (2016) などにより行われている便宜的な表記。ワモンダコ 'O.' cyanea[427]、アナダコ 'O.' oliveri[410]、マメダコ 'O.' parvus[428][429]、マツバダコ 'O.' sasakii[注釈 43]、ソデフリダコ 'O.' laqueus[201][431]、コツブハナダコ 'O.' wolfi[432][433]、ツノナガコダコ 'O.' diminutus[434][435]、ナギサアナダコ 'O.' incella
- ミズダコ科[384] Enteroctopodidae Strugnell et al., 2013[注釈 44]
- ミズダコ属 Enteroctopus Rochebrune & Mabille, 1889 - ミズダコ E. dofleini、サザン・レッド・オクトパス E. megalocyathus[436]
- Muusoctopus Gleadall, 2004(=チヒロダコ属[77] Benthoctopus[注釈 45]) - チヒロダコ M. profundorum[437]、エゾダコ M. hokkaidensis[438]、スミレダコ M. violescens[439][注釈 46]、クロダコ M. fuscus[441]、キシュウチヒロダコ M. abruptus[442][注釈 47]
- Vulcanoctopus González et al., 1998 - ボルケーノ・オクトパス[91](ウルカノクトプス・ヒュドロテルマリス[444]) V. hydrothermalis[注釈 48]
- Sasakiopus Jorgensen, 2009 - ワタゾコダコ S. salebrosus
- 'Octopus' - 上記の旧マダコ属において、Kaneko et al. (2011) および Ibáñez et al. (2020) によりミズダコ科と示唆されているものと、その近縁種をここに示す[注釈 49]。アマダコ 'O.' hongkongensis[446]、ヤナギダコ 'O.' conispadiceus、クモダコ 'O.' longispadiceus[447]、オオメダコ 'O.' megalops、エンドウダコ 'O.' yendoi、ツノモチダコ 'O.' tenuicirrus[注釈 50]
- Bathypolypodidae G. C. Robson, 1929
- Megaleledonidae Iw. Taki, 1961[注釈 53]
- オオイチレツダコ属[451](オオヒトエダコ属[77]) Megaleledone Iw. Taki, 1961 - オオイチレツダコ M. setebos[452]
- Adelieledone Allcock, Hochberg, Rodhouse & Thorpe, 2003
- ナンキョクイチレツダコ属[451] Pareledone Robson, 1932 - パレレドネ・トゥルクエティ P. turqueti[444]
- Praealtus Allcock, Collins, Piatkowski & Vecchione, 2004 - P. paralbida[453]
- イボダコ属[451][454] Graneledone Joubin, 1918 - ホクヨウイボダコ G. boreopacifica[455][440]、サンリクイボダコ[440]
- Thaumeledone Robson, 1930[注釈 54] - T. brevis[77]
- Velodona Chun, 1915[注釈 55] - V. togata[77]
- ジャコウダコ科[456] Eledonidae Rochebrune, 1884
- クラゲダコ科[373] Amphitretidae Hoyle, 1886[注釈 30]
- カイダコ上科 Argonautoidea Cantraine, 1841[注釈 57]
- アオイガイ科[75](カイダコ科[440]) Argonautidae Tryon, 1879
- アミダコ科[440][75] Ocythoidae Gray, 1849
- カンテンダコ科[440] Alloposidae Verrill, 1881 (=Haliphronidae[440] Hochberg et al., 1992)
- ムラサキダコ科[440][75] Tremoctopodidae Tryon, 1879
化石記録
[編集]これまでに記載されている最古の化石記録は、ジュラ紀のものである[462][463]。
中部ジュラ系カロビアン階のオックスフォード粘土層 (Oxford Clay Fm.) から Muensterellina johnjagti や Pearceiteuthis buyi などが記載されている[463]。それよりやや後の上部ジュラ系キンメリッジアン階のヌスプリンゲン石灰岩 (Nusplingen Plattenkalk) からは、Patelloctopus ilgi が記載されている[462]。
また、白亜紀のムカシダコ科 Palaeoctopodidae がよく知られる[79]。ムカシダコ Palaeoctopus newboldi はレバノンの上部白亜系の石灰岩から知られ、現生の両亜目の中間的な形質状態であるとされる[79]。同じくレバノンのムカシダコ科にはほかにケウピア Keuppia が知られ、墨汁嚢の痕跡が観察される[464][465]。また同じ産地からマダコ科とされるスティレトオクトプス Styletoctopus が発見されており、腕の筋肉組織が保存されている[464][465]。
これらより古い古生代石炭紀には、アメリカ合衆国イリノイ州のラーゲルシュテッテンであるメゾンクリークからポルセピア Pohlsepia が知られ、最古のタコの化石だとされたこともあるが[466][467]、近年の見解では支持されない[468][469]。
食文化と調理法
[編集]100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 343 kJ (82 kcal) |
2.2 g | |
糖類 | 0 g |
食物繊維 | 0 g |
1.04 g | |
飽和脂肪酸 | 0.227 g |
一価不飽和 | 0.162 g |
多価不飽和 | 0.239 g |
14.91 g | |
トリプトファン | 0.167 g |
トレオニン | 0.642 g |
イソロイシン | 0.649 g |
ロイシン | 1.049 g |
リシン | 1.114 g |
メチオニン | 0.336 g |
シスチン | 0.196 g |
フェニルアラニン | 0.534 g |
チロシン | 0.477 g |
バリン | 0.651 g |
アルギニン | 1.088 g |
ヒスチジン | 0.286 g |
アラニン | 0.902 g |
アスパラギン酸 | 1.438 g |
グルタミン酸 | 2.027 g |
グリシン | 0.933 g |
プロリン | 0.608 g |
セリン | 0.668 g |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(6%) 45 µg(0%) 0 µg0 µg |
チアミン (B1) |
(3%) 0.03 mg |
リボフラビン (B2) |
(3%) 0.04 mg |
ナイアシン (B3) |
(14%) 2.1 mg |
パントテン酸 (B5) |
(10%) 0.5 mg |
ビタミンB6 |
(28%) 0.36 mg |
葉酸 (B9) |
(4%) 16 µg |
ビタミンB12 |
(833%) 20 µg |
コリン |
(13%) 65 mg |
ビタミンC |
(6%) 5 mg |
ビタミンD |
(0%) 0 IU |
ビタミンE |
(8%) 1.2 mg |
ビタミンK |
(0%) 0.1 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(15%) 230 mg |
カリウム |
(7%) 350 mg |
カルシウム |
(5%) 53 mg |
マグネシウム |
(8%) 30 mg |
リン |
(27%) 186 mg |
鉄分 |
(41%) 5.3 mg |
亜鉛 |
(18%) 1.68 mg |
銅 |
(22%) 0.435 mg |
マンガン |
(1%) 0.025 mg |
セレン |
(64%) 44.8 µg |
他の成分 | |
水分 | 80.25 g |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
タコは手近で美味なタンパク質の供給源として[218]、世界各地の沿岸地方で食用とされ、特にアジアや地中海では古くから定番料理として供される[470]。日本、イタリアやスペインなどの地中海、ポリネシアを除いてはほとんど食べられないとする文献もあるが、実際は多くの国で食べられている[471]。一方で、ユダヤ教では食の規定カシュルートによって、タコは食べてはいけないとされる「鱗の無い魚」に該当するなど[472]、禁忌とされている地域もある。
タコの身85 g は139 calと低カロリーで、脂肪は鶏肉では3 g なのに対し、タコでは2 g しかない[473]。タンパク質は25 g 含み[473]、全体の約20%である[470][474]。鉄分は1日の摂取目安量の45%、銅も1日の摂取目安量の19%であり、それぞれ6%と3%の鶏肉を大きく上回る[473]。ビタミンB12に関しては1日の摂取目安量の510%に達する[473]。また、特にタウリンが豊富であるとされる[218][475][476][477]。ただし、茹でて食べるとタウリンが茹で汁に溶出してしまうと言われる[241]。亜鉛も多く含む[477]。イカに多く含まれるグリシン、アラニン、プロリンなどの甘味成分は少ない[241]。
タコの絞め方は地域によって異なるが、主に脳軟骨を破壊することによって行われる[478]。日本では胴を掴み、眉間に手鉤や目打ちを打ち込んで絞めることが多い[478][479]。ただし北海道の市場では、ミズダコやヤナギダコは氷水に漬けて絞める[480]。スペインのガリシアではタコの口に白いプラスチック製の長い棒状の道具を差し込み絞める[478]。イタリアのプッリャ州やキリバスのギルバート諸島では、頭を噛んでタコを絞める[481][482]。
身は噛み切りにくいことから、日本では歯のない人は食べるのを苦戦するという意から「歯なしの大ダコ」という表現が知られる[216]。そのため、様々な地域で叩いて柔らかくして下処理されてきた[473]。昔ながらの方法は形がなくなるまで岩に叩きつけるという方法で、スペインのビーゴではタコを捕まえると「石で30–40回叩くべきだ」と言われる[483]。また、日本では「女と蛸は叩けば叩くほどよくなる」の言い回しが知られ[484]、ダイコンで叩いてタコの筋線維を切るとよいとされる[485][486][487]。業務用のタンブラーを用いて機械化されることもある[473]。近年では冷凍技術が普及し、凍結により細胞組織を破壊することで身を柔らかくすることも多い[483]。
また、表面のぬめりを取り柔らかくするために、塩もみをして下処理される[488][489]。調理の際、「砂ずり」と俗称される腕の先端は切り落とされることもある[476][490]。ここには毒が含まれるという俗説があった[490]。
タコは加熱調理されることが多く、多くの種は茹でると鮮紅色を呈する[491][492]。茹ですぎると固くなるので、手早く茹でるべきだとされる[493][486]。また、日本酒に漬けておくと茹でた後も柔らかいままとなると言われる[485][487]。また、茹でる際番茶の茶葉をひとつまみ入れると臭みがとれるとされている[487]。ほかにも、柚子の皮、酢、重曹、ハマグリの殻、甘草なども効果があるとされる[485][486]。
日本
[編集]タコは日本の食生活に深く根付いている[494]。タコ類は多様な種が知られているが、日本では一般的に「タコ」と言えば、食用などで馴染み深いマダコ Octopus sinensis を指す場合が多い[5]。ただし、マダコが分布しない北海道では、「マダコ」はミズダコ Enteroctopus dofleini やヤナギダコ 'Octopus' conispadiceus の地方名である[495][496][5]。特に雌をマダコと呼び、雄は肉質が水っぽいことからミズダコと呼ぶ[496][5]。福島県のいわき地区(小名浜など)では、ミズダコを「アマダコ」、ヤナギダコを「ミズダコ」と呼ぶ[497]。これらに加えてイイダコ Amphioctopus fangsiao やテナガダコ Callistoctopus minor が食用となる代表的な種である[367][498][499]。ほかの種も各地で食用として流通することがあり、伊予灘ではマツバダコ[500] 'O.' sasakii が「松葉ダコ」として愛媛県松山市のスーパーに並ぶ[500]。沖縄ではワモンダコ 'O.' cyanea やウデナガカクレダコ Abdopus aculeatus が自給的に漁獲され、食用となっている[501]。
日本人とタコの関係は古く、池上・曽根遺跡などの大阪府堺市にある弥生時代の遺跡からは、イイダコを獲る蛸壺形の土器が複数出土している[502][503][504][注釈 59]。三重県桑名市の蛎塚新田にある古墳時代の貝塚からも蛸壺が出土している[505][506]。733年の『出雲国風土記』にもタコの名が記されている[507]。また、967年の『延喜式』には乾蛸(ほかしたこ)や蛸腊(たこのきたい)が肥後・讃岐から献納されていた記録がある[502][507][508]。
平安時代以降、タコは焼蛸として饗膳の献立に現れる[507]。日本最古の料理書である『厨事類記』には、焼蛸はタコを石焼にして干し、削って食べるものであると記されている[507]。文禄4年(1595年)に徳川家康が豊臣秀吉を迎えた御膳にはタコがあった[502]。神事にも用いられ、伊勢神宮式年遷宮の一つである山口祭の饗膳には、干しサメやエビとともに供される[506]。津八幡宮の10月の祭礼にも里芋とともにを炊き合わせた料理が神饌として供えられ、現在でも八幡町の古い氏子の家では祭にこれを調える[506]。漁法や輸送手段、冷蔵技術が未発達な時代には、山村ではタコを含む魚介類は貴重な食べ物であり、ハレの日のご馳走であった[509]。
夏場のものが特に美味とされ、旬の梅雨時から7月下旬にかけてのものは「麦わらダコ(麦藁蛸)」と俗称される[475][510][注釈 60]。7月25日の大阪天満宮の天神祭では「天神蛸」としてハモとともに食され[485][511]、この旬は「麦藁蛸に祭鱧」(むぎわらだこにまつりはも)という成句でも知られる[512]。関西地方には、稲の成長を祈り半夏生にタコを食べる「半夏蛸」の習慣がある[513][475][476](#信仰と行事も参照)。また同時に、半夏蛸はタウリンを補給して夏バテを防ぐと言われる[475][476][511]。そのため、7月2日は蛸研究会により日本記念日協会が認定する「タコの日」に制定されている[514][注釈 61]。また、夏の土用のころのタコは特に美味で、ほかの誰にも食べさせるわけにはいかないとの意から「土用の蛸は親にも食わすな」[216][153][476]や「アカエイの吸い物蛸の足」という格言も知られる[153]。愛媛県では春先に200–400 g の小さいタコが漁獲され、「木の芽だこ」と呼ばれて出回る[516]。京都では10月の十夜のころのタコが美味として小型の「十夜ダコ」を食べる習わしがある[486]。
料理では刺身[517][518][485]、寿司[519]、煮だこ[485](煮付け[518])、酢蛸[520]、酢味噌和え[511]、天婦羅[518][485]、揚げ物[518]、塩辛[518]、おでんの具材[521][518][485]など様々に用いられる。タコの刺身には普通茹で蛸が用いられ、生食は西日本のごく一部の地域に限られる[522]。
たこ焼きやその原形とされる明石焼きの具材としても親しまれている[523][524]。たこ焼きは大阪から広まり、全国的に食される[523][525]。小麦粉と卵を混ぜた生地の中にタコの小片を入れて球形に焼き上げたものである[523][525]。たこ焼きは高市の露店の定番としても親しまれている[526]。明石焼きは地元明石では玉子焼と呼ばれる[523][527]。
また、瀬戸内海地域(兵庫県[528][529]・愛媛県[516]・香川県[530]・広島県[531]・岡山県[532])や伊勢湾(三重県[506]・愛知県[530])、熊本県天草諸島[533]では蛸飯(たこ飯、たこめし)に供される[530][528]。地域や店によって、作り方や具材、味付け等が異なる[528][530][532]。愛知県のたこ飯は茹で蛸ではなく生のタコを米と一緒に炊き込むことで桜色に染まるため「桜飯」とも呼ばれる[530][534]。広島県の瀬戸田や愛媛県でも生タコが用いられる[535]。天草諸島では干しダコをたこ飯に用いる[533]。江戸時代には雑炊に薄く切った茹で蛸とネギを加えて煮たタコ雑炊があった[510]。
関西ではタコぶつとしてわさび醤油や酢味噌をつけたり、タコとキュウリの酢もみなどとして食される[511]。奈良県ではタコとキュウリの酢もみは「蛸もみうり」と呼ばれ、早苗饗に稲の成長を願って食される[536]。マダコの皮は茹でてキュウリと和え、酢味噌をかけてぬたとして食される[537]。因島では魚介類を入れた鍋である水軍鍋が食されるが、これは八方の敵を喰うという験を担ぎ必ずタコが入れられる[524]。薩摩の郷土料理には、小口切りにしたタコをゴボウやネギ、サトイモや豆腐などとともに薄味噌で煮た「薩摩芋たこ汁」があり、のちに各地に広まった[493]。
タコは癖がないため煮物(煮だこ)に適するとされ、様々なバリエーションの料理が存在する[485]。出汁にたまりを合わせただしたまりに酢を加えたものの中で、良く洗ったタコを疣が抜けるまでよく煮たものを「駿河煮(黒煮)」という[485][486][507]。江戸では「蛸の桜煮」が食べられる[538]。桜煮は、味噌をだし汁で溶いたたれ味噌(またはだしたまり)で薄く切ったタコを柔らかく煮た料理で、桜熬(桜煎、さくらいり)とも呼ばれる[538][486][507]。焙じ茶、砂糖、醬油で煮るともされる[485]。タコを酒と水分を加えた中に入れてとろ火で半日煮込んでから、醤油を加えて煮ることで柔らかく炊いた料理は「関東煮(かんとうだき)」と呼ばれる[486]。単に酒で煮込んだものも柔らかくなり、「酒煮」と呼ばれる[485]。香川県ではテナガダコやイイダコを里芋などとともに煮た「いもたこ」が作られ、かつては正月や婚礼などのハレの日に用意されていたが、現在は日常的に食べられる[485][539]。
ミズダコのように筋肉が柔らかい種は酢蛸などに加工して用いられることが多い[540][541]。また、冷凍したミズダコの腕はしゃぶしゃぶとして商品化されている[541][510]。ヤナギダコの小さいものは1匹まるごと「一杯ダコ」に加工され、珍味として食される[496]。またミズダコは北海道では郷土料理の揚げ物であるたこザンギとしても食される[477]。
また、保存食として干しダコ(乾ダコ、干ダコ)に加工される[508][533][542]。兵庫県明石市二見町周辺[508][542]や岡山県倉敷市下津井地区[508][543]、広島県尾道市因島・瀬戸田町[508]、三重県鳥羽市[506][544]、熊本県天草市有明町[533]のものがよく知られる。かつては夏場に大量にとれた安価なマダコを加工し、魚の水揚げが少ない冬の保存食として利用していたが[533][542]、最近では作る漁家が減少している[542]。腕一本ずつを洗濯バサミに吊して干す場合もあるが[542]、多くはいわゆる「ひっぱりだこ」の姿である[545]、竹串で足をぴんと張って干した「真蛸張乾」に加工される[542][508]。干しダコは薄く花のように削り、「削りダコ(タコの花)」として食べられる[528]。
秋口に雌の体内にある卵巣は象牙色の袋に包まれており、タコの袋児(ふくろご)と呼ばれ、煮付けて食べる[要出典]。梅雨時のマダコ「麦わらダコ」にはこぶし大の卵巣があり、膜を傷つけないように取り出して茹で、茹で上がったものにポン酢をかけて食べられる[510]。3月前後の産卵期が近づいた雌のイイダコは卵巣が重要な部分として食され[485][546]、イイダコの和名は外套腔に米粒状の卵が含まれる卵巣を持つことからとされる[33][508]。ミズダコの卵巣も取り出されて販売される[547]。また、マダコの産卵後の卵塊はその形状からフジの花序に喩えて「藤の花」と呼ばれ、塩漬けにした海藤花(かいとうげ)が明石の名産として食される[507][510][548]。海藤花は椀種や酢の物にして食されるほか[507][510]、丸ごと煮付けにして食べられる[510]。
青森県下北半島では魚介類の内臓を「生きるための道具」の意から「道具」と呼ぶ[549]。タコの内臓は「タコの道具」の愛称で食用にされ、野菜とともに煮た「道具汁」などの郷土料理として食べられる[549]。
また、現代では問題とされないが、かつては食い合わせが悪いものとして「蛸と柿」と言われた[216]。柿だけでなく、スイカや梅干しなどが挙げられることもある[216]。これは輸送手段や冷蔵技術が未発達な時代に海から離れた農村では新鮮な魚介類が入手できず、タコは何と食べ合わせても腹具合が良くなかったのであろうと説明される[216]。また、美味いからといって食べ過ぎるとよくないとして、「タコ食って反吐をはく」という表現がある[216]。イイダコの卵で腹痛を起こす者がいるとも、テナガダコは食べると中毒を起こすなどともいわれ、前者は生姜や酢で和えると良く、後者はソラマメを用いて直すと良いとされる[490]。また、テナガダコの腹痛にはウツギが効くとされる[490]。
東アジア・東南アジア
[編集]朝鮮半島ではタコは日常的な食材であり[550]、生食の文化がある[522]。特に、テナガダコはナクチ(朝: 낙지)と呼ばれ、生きたままぶつ切りにし、塩と胡麻油および胡麻と和えて踊り食いにするサンナクチ(朝: 산낙지「活きたテナガダコ」、sannakji)は有名である[550][551]。イイダコはチュクミ(주꾸미、jukkumi)と呼ばれ、コチュジャンで炒めたチュクミポックム(주꾸미 볶음、jukkumi-bokkeum)などにして食される[552]。また、タコ(特にミズダコ)はムノ(문어、Muneo、文魚)といい、ニンニク、ワケギ、ニンジンやごま油とともに粥にしたムノチュク(문어 죽、Muneo-juk)にしても食される[553]。
台湾の澎湖諸島では、テナガダコに近縁な「澎湖章魚」や「石鮔」と呼ばれる未記載種[554]が食用とされ、干しダコに加工される[555]。「石鮔排骨湯」や「石鮔五花肉」と呼ばれる伝統料理となる[555]。
中華人民共和国では、タコを食用としないと書かれている本もあるが、地域によっては食用にされる[471]。例えば、香港の市場では普通に売られている[471]。また、唐代の劉恂『嶺表録異』では、生で食べるとクラゲのような味がするので、生姜や酢につけて食べたとある[556]。蘇頌『図経本草』では、マダコとテナガダコが珍味として食されるとある[556]。明代の福建省でも、種々のタコが食され、卵巣も食用とされた[556]。現在でも福建省廈門などではタコが食用とされ、茹でて氷水で締めた「白灼章鱼(白灼八爪鱼)」として消費される[557]。
フィリピンではタコを食用とする[471][558]。フィリピンのミンドロ島では、タコはアドボ (Adobong pugita) として食べられる[559]。酢と醤油の組み合わせで煮込んで作られる[559]。
タイでもタコが食用とされる[502][558]。ただし、普通イカとは区別されず、ปลาหมึก(プラームック、plaa mɯ̀k)と総称される[560]。屋台料理としてプラームックヤーン(ปลาหมึกย่าง、plaa mɯ̀k yâaŋ)が食される[561]。
地中海
[編集]南欧・地中海沿岸地域(スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、プロヴァンス地方などフランス南部の一部、トルコ、チュニジア、エジプトなど)ではタコを伝統的な食品としている[45][502][562][471]。古くから食用とされ、古代地中海では外套膜に薬味を詰めてパイのように焼く料理が食べられ、鉄の臭いを避けて鉄のナイフが使われなかったという記録が残っている[482]。
スペインでは一般的に食され、レストランではシェフのおすすめ料理として丸のままの茹で蛸を供したり、バルにぶつ切りにした酢蛸が供されることもある[482]。ガリシア州では、「お祭り風のタコ」を意味するポルボ・ア・フェイラ(プルポ・ア・フェイラ)と呼ばれる伝統料理が食され、「タコのガリシア風」の名でも知られる[563][564]。タコをジャガイモとともに煮て、パプリカを加え、オリーブオイルと塩で味付けした料理である。腕は鉄板焼き (Pulpo a la plancha) にも料理される[565]。スペイン料理のパエリアにもタコが用いられる[563]。
イタリアカンパーニャ州ナポリのサンタルチア地区ではトマト煮にされ、ポルピ・アッラ・ルチャーナ(Polpi alla Luciana, Polpo alla luciana)と呼ばれる[566][567]。「溺れたダコ」(polpo affogato、ポルポ・アッフォガート)とも呼ばれる[556]。イタリアではトマト煮がもっともポピュラーである[568]。ほかに、ソプレッサータ[569]やテリーヌ[519]などに調理することもある。モリーゼ州では、仔ダコを辛いソースで煮込んだポルピ・イン・プルガトリオ (Polpi in purgatorio「煉獄のタコ」、モリーゼ方言:i pulepe 'npregatorie)が食べられ、タコの墨の色と唐辛子(ペペロンチーノ)が特徴的な料理である[570][571]。
ポルトガルでは、タコを茹でてからぶつ切りにしてグリルし、オリーブオイルを塗ったポルボ・ア・ラガレイロ(Polvo à Lagareiro)が食べられる[572]。
マルタでは、ピザの具材となる[519]。また、マルタの伝統料理 Quarnita-bit-tewm では、細かく切った茹でタコをネギ、ニンニク、パプリカなどとともにオリーブオイルでソテーし、冷やして食べられる[573]。
フランスのラングドック=ルシヨンでは、ジャガイモやタマネギ、ウイキョウやパセリとともにサラダ (Salade de poulpe) にして食される[574]。
ギリシャ等の正教徒の多い地域の場合、東方正教会では斎の間は肉を、大斎の際には魚をも食べるのを禁じてきたが[575]、タコやイカ、貝類などは問題が無いとされてきたため[576]、これらを使った伝統料理が多い。特にペロポネソス半島のギシオは「ギリシャのタコの都」とも称され、レストランの店先の綱にタコをぶら下げて干しダコを作っている様子がよく見られる[577]。ギシオではトマトやチーズ、ハーブとともに一口大に切ったタコがギリシャ風サラダにして食べられることもある[578]。東地中海ではメゼとしてグリルしたタコの腕が出され、ギリシャではフタポディ・スティ・スハラ(希: χταποδι στη σχαρα、Chtapodi sti schara)と呼ばれる[578][579]。トルコではタコはギリシア語起源のアフポット(ahtapot)と呼ばれ、かつてのトルコ系ムスリムはあまり食べなかったが[580]、現在のトルコでは食用となる[471]。トルコ料理としてはタコの冷製メゼ(ahtapot salatası)が知られる[581]。
クロアチアでも干しダコ(Štokalj)が作られる[582]。ラブ島で作られるボーラで乾かした干しダコは、Sušeni štokalj と呼ばれる[583]。Sušeni štokalj はフリターヤ Fritaja などにして食べられる[583]。クヴァルネル湾に面したプリモリェ=ゴルスキ・コタル郡では、干しダコにオリーブオイルで炒めた卵と玉ねぎを混ぜ合わせ、卵が好みの固さになるまで煮込んだ Štokalj s jajima が作られる[582]。Hobotnica na novaljski は、パグ島にあるノヴァリャ発祥のクロアチア料理である[584]。柔らかく煮たタコを適当な大きさに切り、煮汁にオリーブオイルと少しマッシュしたジャガイモを合わせて作られる[584]。ダルマチア地方では、大きな鐘のような蓋を被せ、新鮮なタコを丸ごと野菜とともに暖炉で煮込んだ鍋料理である Hobotnica ispod peke や[585]、タコのサラダ(Salata od hobotnice)が食される[586]。コルチュラ島では、タコをニンニクやタマネギなどとともに白ワインで煮込んだ Pijana hobotnica (「酔っ払いタコ」)が食べられる[587]。
チュニジアでもタコはクスクスなどにして食される[588]。カンモーニーヤ (Kamounia au poulpe) と呼ばれる煮込み料理でも食べられる。
仔ダコはオクオパス・ガーデン・カクテル (Octopus's Garden Cocktail) に利用され、ジンとドライベルモットを 3:4 でシェイクしたものに、焦げ目をつけた仔ダコとブラックオリーブを添えて供される[589]。
イチレツダコ類はスペインやイタリアでは底曳網で混獲されて利用されるが、積極的に漁獲されることはない[451][590]。スペインではイチレツダコ Eledone cirrhosa はマダコの「不肖の弟」と表現される[590]。ガリシアではイチレツダコは缶詰に加工し、海外向けに輸出される[590]。ヴェネツィアではジャコウダコ Eledone moschata は Folpetti と呼ばれ、茹でたり、衣をつけて揚げたり、焼いたりと、さまざまな調理法で調理される[591]。
ゲルマン・スラヴ諸国
[編集]一方、アルプス以北のヨーロッパ諸国では、漁業が盛んな局所を除いて、伝統的には食用にはされてこなかった[592]。例えばドイツやスイス、フランスの大部分では、蛋白源を獣肉に頼る地域では伝統料理にタコを見ることはまずない[502]。また、イギリスでは「悪魔の魚 devilfish」などと呼ばれ、避けられていたことは良く知られている[593]。例えば、イギリスの王立協会フェローであるマルコム・R・クラークは1963年に、タンパク質含量は魚と比べても申し分なく、理論的には食用となっての良いものの、こんな奇妙な生き物が食卓に忍び寄ってくるのは気が進まないという人もいるかもしれないと述べている[594]。しかし、これらの地域でも、現代では南欧料理やアジアの料理(日本の寿司など)が入ってきており、タコを食べる機会は増えてきている[502]。
インド洋
[編集]東アフリカの海岸地域の集落、特にタンザニア沿岸(ザンジバル)では、タコの零細漁業が経済的に、また生計的に重要となっている[595]。スワヒリ語ではタコは pweza と呼ばれる[595][596]。漁獲されるのは主にワモンダコ 'Octopus' cyanea で、潮間帯や潮下帯からシュノーケリングなどで巣穴に隠れているタコに銛を掴ませ、引き抜いて採集される[595]。伝統的には、女性と子供を中心とした漁が行われていたが、近年では、需要が高まり、男性もタコ漁に参加するようになっている[595]。タコは主にあぶり焼き (Pweza wa kuchoma) やから揚げ (Pweza wa kukayanga)、シチュー (Mchuzi wa maji wa pweza) などにして食される。屋根の上で天日干しにして干しダコ (Pweza mkavu) にしたものなども食べられる[596]。巻き網漁では小さなタコが混獲されることもあり、各家庭で晩御飯のおかずなどに利用される[597]。
モーリシャスやセーシェルではインドやフランスの影響を受けたクレオール料理が食され、タコはオクトパスカレーやヴィンダイ (Vindaye ourite) などの料理で食される[598][599][600][601]。ココナッツを加えたセーシェルのオクトパスカレーは Kari koko zourit と呼ばれる[601]。
マダガスカルでも小さなタコの1種をホリタ (horita) と呼び、ご馳走とされる[556]。
モルディヴではタコの腕をカレー風味の Miruhulee boava にして食す[602][603]。
オセアニア
[編集]ミクロネシア(グアムやギルバート諸島)、ポリネシア(ハワイやタヒチ)、メラネシア(フィジーなど)ではタコを食べる文化がある[502][471]。またこの地域では、ワモンダコ 'Octopus' cyanea は南西諸島以南の太平洋-インド洋全域に分布し、分布域では広く食用として用いられている[604][605][606]。ワモンダコとともにシマダコ C. ornatus も重要な種である[606]。
ポリネシアでは干しダコが好まれ、カレー料理やココナッツミルクで煮たり、葉で包んで焼いたりして食べる[568]。ハワイ諸島では一口大に切って野菜サラダと和えたポキとして調理されたり、干物や冷凍、燻製などの調理をされたりして食べられる[605]。
グアムでは、タコをぶつ切りにし、微塵切りにしたタマネギやミニトマトとともに鍋に入れ、ココナッツミルクを加えたチャモロ族の伝統料理 Kadon gamson として食べられる[607]。
アメリカ
[編集]アメリカの食卓には滅多に登場せず[470]、身近な存在ではない[608]。しかしやはり近年では高タンパク質食品として人気が現れ[594]、主にフィリピンから年間3750 t 程度、タコを輸入している[605]。しかし種の識別はされず、まとめて「タコ」とのみ表示されて流通する[605]。
カナダの太平洋岸(ヴァンクーヴァー島)のアメリカ先住民はタコを食用としてきた[471][556]。
プエルトリコでは、タコはありふれた食材として流通する[609]。腕のぶつ切りが加熱済みの冷凍食品として販売されるが、中にはチリ産のイカがそれに交じって出回っている[609]。マリネ(セビチェ)などにして食べられる[610]。
メキシコをはじめとする中南米の全ての国では、タコを食べる文化がある[502][471]。メキシコでは、熱帯地域で最大のタコ漁獲量(42,400 t)を誇るが、消費量(49,900 t、いずれも2017年)もそれを上回る値を示す[606]。メキシコ湾周辺の伝統料理では、アーモンドソースとともに火を通した Pulpo almendrado が知られる[611]。
南アメリカのブラジルとコロンビアでは、タコは輸出されず輸入のみであり、食品として消費される量は漁獲量を上回っている[606]。ブラジルでは、2017年に783.7 t のタコが漁獲されているが、消費量は3,192 t である[606]。コロンビアでも153.1 t の漁獲量に対し534.5 t のタコが消費されている[606]。ブラジル料理では、タコはムケッカ (Moqueca) と呼ばれる海鮮シチューにして食される[612]。ヴィネグレットソースを和えたり、カルパッチョにして前菜としても食べられる[612]。
ペルーやエクアドルでは、生のタコにタマネギを加え、ライム汁、コリアンダー、油や塩、唐辛子などの調味料と混ぜてタコのセビチェ (Ceviche de pulpo) にして食べられる[613][614]。ペルーではタコのアンティクーチョ (Anticuchos de pulpo) と呼ばれる串焼きでも振舞われる[615]。調味料に漬けたタコに小麦粉をまぶし、高温の油でカリカリになるまで揚げたタコのチチャロン (Chicharrón de pulpo) もペルーの伝統料理である[616]。
各地の漁業
[編集]タコ漁には何千年もの歴史があり、2014年現在の漁獲量は世界全体で30 t(トン)に及んでいる[519]。漁法も様々で、壺、網、ルアーやヤスといった道具を用いるほか、素手で獲られることもある[519]。
日本の漁業
[編集]タコは定着性の水産動物で水産資源として有用なものとして、第1種共同漁業権の対象魚種となっている[617]。2018年(平成30年)では、日本の海面漁業でタコは36,100 t が漁獲されている[523]。半数は蛸壺や蛸箱による罠漁、1/3は曳網漁、残りは空釣りや定置網漁などにより漁獲されている[618]。
日本のタコ漁獲量は北海道が突出し[523]、例年12,000–25,000 tのタコが漁獲されている[213]。2023年の漁獲量は7,526 t であった[619]。この値には世界最大級のタコであるミズダコ Enteroctopus dofleini やヤナギダコ 'Octopus' conispadiceus の水揚げが反映されている[523][618][620]。北海道でのタコ漁業の歴史は古く、明治中期には渡島総合振興局や檜山、後志などで副業としてヤス突き、鉤、銛や延縄によるタコ漁が行われていた[621]。1906年に浦河町の漁業者によって空釣り延縄によるタコ漁が始められ[622]、大正時代には空釣り縄が普及した[621]。道南では明治末期では甕が用いられていたが、それに代わって蛸箱が使われる等になり、昭和以降網走や日高沿岸などの各地に広まった[621]。ミズダコの漁獲量は津軽海峡を含む日本海側に多く、宗谷・留萌管内で約半分を占める[623]。市町村では羽幌町(天売焼尻漁港[624][625])、稚内市、増毛町(別苅・雄冬漁港)、礼文町、函館市(旧戸井町)などで良く獲れる[623]。太平洋側の根室市では、落石漁港でよく漁獲されるほか[626]、歯舞漁港では「金たこ」としてブランド化が試みられている[627]。一方ヤナギダコは太平洋側で漁獲量が多く[628]、日高・十勝・釧路管内で空釣り延縄によって漁獲される[622]。白糠町では1965年から人工産卵礁の設置を進め、各地に広がった[496]。
瀬戸内海区では、1990年(平成2年)では漁獲量23,925 t と北海道に次いで多かったが[629]、2023年現在の漁獲量はわずか47 t であった[619]。瀬戸内海では主にマダコやイイダコが獲られ[629]、古くから蛸壺漁が行われてきた[171]。瀬戸内海や有明湾、房総半島、能登半島など潮流が速く岩礁帯が分布する海域では網の使用や潜水に適さないため、釣りによる漁獲も盛んである[630]。岡山県倉敷市下津井地区では漁家の7割が一本釣りを行うと言われる[630]。広島県尾道市の因島でも古くからタコの一本釣りが行われている[630]。また、漁獲高では北海道に次いで兵庫県が第2位であり、明石市で獲れるマダコはブランド「明石ダコ」として知られる[631][632][475]。明石市では「明石・タコ検定」が行われ、明石駅付近の商店街「魚の棚(うおんたな)」では「タコが立って歩いている」の謳い文句で知られる[632]。また明石ダコに因み、明石淡路フェリーが「たこフェリー」という愛称で運行されていた[632][633]。なお、明石のタコは三八大冷害により多くが死滅してしまったため、天草から雌4000匹を買って放流したものが増えたという経緯がある[505]。これ以降明石ダコの形態(腕の比率)や生態(産卵期)が変化したと言われる[634]。広島県の三原市漁業協同組合では、地元の伝統行事「三原やっさ祭り」に因んで「三原やっさタコ」と名付け、ブランド化している[515][531][注釈 61]。
青森県から茨城県までの太平洋北区は、2023年では北海道に次ぐ漁獲量を持つ[619]。1990年(平成2年)でも北海道、瀬戸内海区に次ぐ漁獲量を誇り、3海区合わせて日本全体の85%を占めていた[629]。福島県のいわき市や相馬市で獲られる魚介類は「常磐もの」と呼ばれ[635][636]、特にミズダコとヤナギダコが重要な魚種として漁獲される[497]。久之浜漁港(いわき市)や松川浦漁港(相馬市)でよく水揚げされる[636][637]。宮城県南三陸町志津川湾に産するタコも名産であり[638]、「西の明石、東の志津川」と呼ばれる[639]。
千葉県から三重県までの太平洋沿岸である太平洋中区は、2023年のタコ漁獲量はわずか192 t で、他地域に及ばないものの[619]、岩礁に富んだ潮流の激しい湾はマダコの良い生息地となっていた[629]。神奈川県横須賀市の佐島は古くより「西の明石、東の佐島」と呼ばれ、上質なタコで知られた[640]。伊良湖水道で獲られた三重県鳥羽市にある神島のマダコはブランド「潮騒タコ」として知られる[506][544]。愛知県知多郡南知多町の日間賀島はかつてはタコ漁が盛んで[641]、「タコの島」と呼ばれる[530][534]。
水産庁により「たこ類」として統計されており、漁港別の漁獲量は次の通りである[注釈 63]。
順位 | 2003年[643] | 2013年[644] | 2023年[619] | |||
---|---|---|---|---|---|---|
漁港(自治体) | 漁獲量 [t] | 漁港(自治体) | 漁獲量 [t] | 漁港(自治体) | 漁獲量 [t] | |
1位 | 相馬原釜(福島県相馬市) | 2,082 | 根室(北海道根室市) | 974 | 羽幌(北海道羽幌町) | 1,556 |
2位 | 石巻(宮城県石巻市) | 1,442 | 羽幌(北海道羽幌町) | 899 | 根室(北海道根室市) | 1,079 |
3位 | 枝幸(北海道枝幸町) | 1,099 | 宮古(岩手県宮古市) | 616 | 石巻(宮城県石巻市) | 767 |
4位 | 増毛(北海道増毛町) | 967 | 増毛(北海道増毛町) | 527 | 枝幸(北海道枝幸町) | 661 |
5位 | 宮古(岩手県宮古市) | 837 | 釜石(岩手県釜石市) | 473 | 宮古(岩手県宮古市) | 465 |
6位 | 浦河(北海道浦河町) | 813 | 枝幸(北海道枝幸町) | 454 | 歯舞(北海道根室市) | 461 |
7位 | 小名浜(福島県いわき市) | 758 | 浦河(北海道浦河町) | 451 | 増毛(北海道増毛町) | 424 |
8位 | 小樽(北海道小樽市) | 750 | 小樽(北海道小樽市) | 413 | 相馬原釜(福島県相馬市) | 376 |
9位 | 八戸(青森県八戸市) | 733 | 石巻(宮城県石巻市) | 395 | 白糠(北海道白糠町) | 366 |
10位 | 稚内(北海道稚内市) | 701 | 歯舞(北海道根室市) | 333 | 網走(北海道網走市) | 354 |
総計 | 24,357 | 13,886 | 12,016 |
日本近海では1960年から1980年代にかけてタコの漁獲量がピーク時の半分にまで激減し、これを改善するため国を挙げて長期プロジェクトが行われた[645]。産卵海域の環境を改善し、個体数を増やすため、瀬戸内海を中心に増殖事業が行われ、毎年12,000–17,000個の産卵用の蛸壺や岩が沈められている[645][475][646]。兵庫県では漁業者に対し、100 g 以下のタコの禁漁や共同漁業権区域内の禁漁を定めた兵庫県漁業調整規制が敷かれている[647][475]。明石商工会議所では一般遊漁者に対しても釣り具の数や形状の規制のタコ釣りルールの周知や、釣り過ぎたタコの放流によるタコマイレージ制度などの導入が行われている[475]。福岡県、長崎県、熊本県、大分県でも100 g 以下のタコの禁漁を行っている[647]。
ミズダコはやや増加傾向にある[646]。資源管理策としては成長乱獲を防ぐために3歳以上の個体を漁獲することが好ましい[646]。北海道のミズダコ漁では、各地で2 kg 以下のものは海にリリースするように取り決められている[648]。青森県でも自主規制として3 kg 未満の個体は水揚げせず、放流している[646]。
山形県や新潟県では、タコが住む巣穴である蛸穴の一つ一つに権利の占有があった[161][649]。山形県の飛島では蛸穴が1種の私有財産として認められており、売買や相続が行われるほか、その占有権を持って嫁ぐこともあったとされる[161][649]。新潟県の粟島では、村共同で使う「むら穴」や仲間だけで共有する「なかま穴」、個人がこっそり獲りに行く「銭箱」などがあった[649]。また、琉球列島の珊瑚礁にある蛸穴はそれぞれの人が秘密にして所有してきた[650]。皆が漁に出る大潮の際はわざと別の穴を突くこともあり[650]、自分の子にも死ぬ間際まで教えないと言われる[649]。
愛媛県今治市の大三島では、タコ漁専用の生簀を備えた船を「章魚船(たこぶね)」と呼んだ[486]。章魚船の帆柱にはペンドロと呼ばれる錘が付けられており、揺すって舟を揺らすことで生簀のタコ同士を喧嘩させないようにする[486]。
アジアの漁業
[編集]東アジアでは、2010年に中国が125,776 t、韓国が20,759 t のタコを漁獲している[651]。台湾では前記の未記載種「澎湖章魚」のほか、マダコ、イイダコ、Cistopus taiwanicus、Amphioctopus neglectus「忽蛸」、スナダコ Amphioctopus kagoshimensis、スナダコ近縁種 Amphioctopus aegina「白線章魚」などが漁獲される[652]。Amphioctopus exannulatus なども混獲される[652]。
東南アジアでは主にワモンダコ 'Octopus' cyanea が漁獲される[606][652]。タイでは Amphioctopus neglectus、Amphioctopus rex、Amphioctopus siamensis、Amphioctopus aegina、サメハダテナガダコ Callistoctopus luteus が主要な底曳網漁によって漁獲される[652]。フィリピンでもワモンダコ、サメハダテナガダコやインドダコ Cistopus indicus が漁獲されるほか、市場で Callistoctopus nocturnus が売られていた記録がある[652]。熱帯インド洋地域ではシマダコ Callistoctopus ornatus が漁獲される[652]。
インドネシアの水産業は中国に次ぐ世界第2位漁獲量を持つ大規模なものである[606]。また、タコの漁獲量は2017年の小規模タコ漁獲量は17,900 t であり、メキシコに次ぐ第2位である[606]。そのうち食料として消費される量は4,970 t、輸出量は13,200 tである[606]。インドネシアにおいてタコの販売と輸出は経済的に重要であり、2017年12月の平均所得は漁師1人当たり150,000 IDR/日 であり、平均純賃金96,000 IDR/日 を上回る[606]。2010年の漁獲量はインドネシアが10,860 t、タイが10,315 t、フィリピンが5,506 t、そしてマレーシアが1,936 t であった[651]。
ヨーロッパの漁業
[編集]ポルトガルのアルガルヴェ、スペインのアンダルシアやガリシア、イタリアのサルデーニャ、ギリシャのトラキア海(トラキア付近のエーゲ海)で、小規模な沿岸漁業によりチチュウカイマダコが盛んに漁獲される[562]。多くの地域では蛸壺を用いるが[653]、イタリアでは筌を用いる地域もある[654]。
ヨーロッパ諸国では、自国の漁業水域には比較的厳しい規制をかけており、450 g 未満のタコの捕獲は禁止されている[655]。国によってはさらに厳しい制限が設けられている場合もある[656]。スペインのガリシア州では、蛸籠漁で捕獲できるタコが750 g から1 kg に引き上げられ、更に厳格なローカルルールが定められている[656]。これにより多くの雌が生き延び、新たな世代の生産を可能にしている[656]。
ガリシアでは大規模なタコ漁が行われるが、その漁獲高の大半は小さな漁村の漁船により獲られたものである[657]。中でもビーゴと呼ばれる町はリアス海岸の入江にあり、深層海水が湧昇流によって沿岸に流れ、豊かな漁場が形成されている[657]。この地域では、生き餌を入れた蛸籠による漁が行われている[658]。
イタリアのプッリャ州で行われる零細漁業では、素潜りやヤスによるタコ漁を行っている[481]。地中海沿岸の漁師は、蛸穴の入口で葉の付いたオリーブの枝をゆすり、おびき出して捕獲する[556]。また岩に吸い付いたタコはオグルマ属の一種やムカシヨモギ属の一種(いずれもキク科)を用いて剥がされる[556]。
北西アフリカの漁業
[編集]北西アフリカでは長年魚を中心とした漁業が行われていたが、1960年代以降標的を転換し、頭足類の商業的な漁業が盛んとなっている[659][660]。1989年には116,564 t のタコが漁獲され[661]、当時世界最大のタコ漁場となっていた[660]。2017年現在でも、27,075 t のタコが商業的に漁獲されている[606]。モロッコ、モーリタニア、セネガルなどがチチュウカイマダコ Octopus vulgaris の供給元となっている[659]。Amphioctopus burryi も小規模に混獲されている[652]。現地の漁業関係者の間でタコは「プルプル」と呼ばれている[662]。
北西アフリカにおけるタコ漁の開発は日本人漁業者によって行われ、トロール漁船により漁獲されていた[660]。1952年にマッカーサー・ラインが撤廃され、日本漁船が海外に進出するようになった[663]。1959年には、スペイン人から「鯛の海岸」と呼ばれていた北西アフリカ漁場を日本人が発見した[663]。当時はタイを狙っていたが、「もんごういか」と呼ばれるヨーロッパコウイカも高値で取引されるようになり、1965年にはタコが最も重要な水産物となった[663]。のちにスペインの漁船や日本の商社によってバックアップされた韓国漁船による漁獲が行われるようになった[663]。しかし1977年の200海里水域制限により締め出されたものの、モーリタニアとの協定により操業を続けていたが、1982年には完全に日本漁船が撤退し、その後は沿岸国が漁獲したタコを輸入するようになった[663][474]。
モロッコでは、1960年代に他の魚が乱獲や海洋環境の変化により獲れなくなり、タコ漁が盛んとなった[659]。モロッコのタコは1970年代ごろから日本に輸出されるようになった[664]。乱獲により1980年代から漁獲量が激減し、規制や外国漁船の締め出しが行われるようになった[659]。一時的に回復したものの、20世紀末に再び年間5万 t を超える水揚げが行われ、国際連合食糧農業機関(FAO)により乱獲地域に指定された[659]。それ以降規制が厳しくなり、漁獲割当量が年間2.5万 t に制限されたほか、禁漁区域の指定や450 g 以下の稚ダコの捕獲禁止などが定められた[659]。近年ではやや回復傾向にあるとされる[659]。2017年では9,884 t のタコが漁獲されている[606]。
モーリタニアでは水産物を食べる文化はほとんどなかったが[664][660]、モロッコのタコ資源の激減以降、タコの漁獲量を増やし始めた[659]。国際協力機構(JICA)によって派遣された中村正明により蛸壺漁が伝えられ[664]、それが普及している[665]。今ではタコ漁に使われる蛸壺はモーリタニア国内で生産されており、ピローグと呼ばれるカヌーで漁が行われる[664]。2017年では、11,679 t のタコが漁獲されている[606]。最盛期には年間約2–3万 t が日本へ輸出されていたが[664]、2000年代半ばに日本向けの輸出が25%減少し[655]、2024年現在ではその6割程度となっている[664]。2012年現在、モーリタニア産のタコの約6割が日本に輸出され、日本へ輸入されているタコの約4割がモーリタニア産である[665]。モーリタニアでも監督当局の取り締まりが甘いこともあり、乱獲されている[655]。ヨーロッパの漁船ではトロール漁が行われ、基準未満のタコの捕獲や、漁獲量の詐称が行われているとされる[655]。しかしモーリタニアは2006年に補償金86,000,000ユーロで欧州連合と漁業協定を結び、ヨーロッパ船籍の漁船の操業を認めている[655]。モントレー湾水族館が行っているシーフードウォッチでは、モーリタニアの状況は危機的であるとされ、モーリタニア産のタコは食べないことを推奨している[655]。
2国のタコ漁獲量の減少により、セネガルでもタコ漁が行われるようになっている[655]。ただし、サイズ制限や休漁期間の設定など既に資源管理が行われている[655]。
オセアニアの漁業
[編集]オセアニア地域では、タコは自給的に獲られ消費されている[660]。
メラネシアのニューカレドニア、ロイヤルティ諸島、ミクロネシアのマーシャル諸島、マリアナ諸島、ポリネシアのトンガやサモアなどでは、ネズミ形の漁具「マカフェケ(蛸石)」を用いて、タコを獲る漁法が行われている[482][666][667][668]。これは、タコがネズミに恨みがあるという伝承に由来する[482][666][667][668]。マカフェケは貝殻や石を円錐形に磨き、タカラガイの貝殻に付けてその上にヤシの葉柄を使ってネズミを模して作られる[666][668]。マカフェケを水中で上下に揺らすとタコが飛びかかる[666][668]。主に女性がマカフェケによるタコ漁を行い、5月頃が盛んである[666]。
ハワイでは、「ヘエ (He`e)」(タコの意)や"イカ"と呼ばれ、主にワモンダコなどが漁獲される[605]。ただし漁業としては小規模で、ヤスやジグにより捕獲され、2000年の漁獲量は11.7 t(トン)程度である[605]。ハワイ諸島でも円錐形の石に大型のタカラガイの貝殻片を取りつけ、植物繊維で尻尾を取り付けたネズミ型の疑似餌を用いた釣りが行われている[666]。
ミクロネシア連邦では、タコが年間5 t 漁獲されている[669]。ギルバート諸島では、2人組でタコ漁を行い、1人が囮としてタコに体を纏わりつかせ、もう一人がタコの脳を噛み潰して絞める[482]。
オーストラリアやニュージーランドでは、マオリタコ Macroctopus maorum やシドニーダコ Octopus tetricus が混獲されたり、一部は食用のために漁獲される[652]。オーストラリアではほかに、'Octopus' berrima や 'Octopus' pallidus が小規模な蛸壺漁で獲られる[652]。スター・オクトパス Octopus djinda はロブスター漁で混獲され、'Octopus' australis や Amphioctopus siamensis、Amphioctopus exannulatus は底曳網で混獲、Callistoctopus graptus はルアーで釣られたり、底曳網で混獲される[652]。
アメリカの漁業
[編集]北アメリカではタコ漁の伝統は古いわけではないが、比較的大きな漁場がいくつかある[645]。南北アメリカ、特にブラジルでは、主にマダコ属の Octopus insularis と O. americanus が漁獲される[606][612][注釈 64][652]。アメリカ合衆国では南東部の沿岸にはマダコ属の1種 Octopus americanus、太平洋岸の北西部にはミズダコが分布しているが、漁業としてはあまり整備されていない[605]。
カナダの先住民はカヌーに乗って槍を用いた漁を行う[556]。
メキシコは2017年のタコ漁獲量が42,400 t で、熱帯地域の中で最大である[606][注釈 65]。輸出量も6,700 t と高い値を示す[606]。カリフォルニア湾を含むメキシコ西海岸では、マダコ属の Octopus hubbsorum および Octopus bimaculatus が零細漁業により一般的に漁獲される[652][645]。2–3人の漁師がパンガと呼ばれる小舟で出航し、1人が舟に残り、もう1人が長いホースで圧縮空気を送り込む潜水で、素手によりタコを捕獲する[645]。ハリスコ州北部、ナヤリット州、シナロア州、ソノラ州などの浅瀬ではダイバーがギャフ(魚鉤)でひっかけてタコを捕獲する[645]。バハ・カリフォルニア・スル州では、水深20–50 m の岩場に5–50個の罠を仕掛ける漁が行われる[645]。カニを付けた30本の引き縄を小舟で曳き、タコが上ってきた際に網で掬って獲る漁法も行われる[670]。
大西洋側のカリブ海やメキシコ湾では蛸壺による漁が行われている[670]。メキシコ湾のユカタン半島沖合ではマヤダコ Octopus maya が疑似餌による延縄漁で主要な魚種として獲られ[652]、1970年頃には10,000 t を超える漁獲量があった[671]。
漁法
[編集]蛸壺漁法
[編集]現代ではヨーロッパの西海岸から東アジアにかけて、広く蛸壺(たこ壺、タコつぼ)を用いたタコ漁が行われている[653]。これには4000年以上の歴史があり、古代エジプトでも海中に沈めた素焼きの壺を用いてタコを漁獲していたことが知られている[653]。古くは陶器であり、プラスチック製の蛸壺に置き換わったが、さらに近年では軽くて扱いやすい籠罠(蛸籠)に移行しつつある[171]。
日本で漁獲されるタコの半分は蛸壺または蛸箱などトラップによる漁法で漁獲されたものである[618]。狭い岩の隙間に潜り込む習性を利用した蛸壺漁業や蛸箱漁業は、タコ漁業独特のものである。蛸壺の内部が汚れていると入らないため、内部の付着生物や餌の残滓を清掃して用いる[164][171][172]。同様に、潮流が激しく石の表面が掃除されるような環境を好むため、北海道では「あぶら石のあるところには蛸がいる」といわれる[153]。蛸壺漁は1500 m 程度の延縄に、約150個の壺を吊るして行われる[618]。そのうち1割程度に入っていれば大漁であるとされる[618]。マダコ漁に用いる蛸壺は伝統的には素焼きの壺であったが、戦後からかまぼこ型のセメント製蓋付きトラップや、硬質ビニル製トラップも用いられるようになった[618][171]。蛸壺には地域性があり、瀬戸内海東部では素焼きのものであるが、周防灘では釉薬をかけたものが用いられる[171]。
イイダコ Amphioctopus fangsiao のような小型のタコには、小型の蛸壺のような人工物だけでなく、アカニシなどの腹足類や大型二枚貝の貝殻も利用される[618][171][175]。インドやマレー半島でも巻貝の貝殻を用いたタコ漁が行われ[670]、特に南インドではクモガイの貝殻を用いることが知られている[654]。
ミズダコのような大型のタコには蛸箱(タコ箱)が用いられる[618][672]。蛸箱は縦45 cm、横33 cm、高さ19 cm の箱に、16×12 cm の楕円か一辺19 cm の正方形の穴が開いた構造をしており、餌などは用いられない[672]。木製だけでなくポリエチレン製の蛸箱もある[648]。ミズダコはそのほか、樽流しや蛸籠(たこ篭)などでも漁獲される[672]。
海外では、筌を用いる地域もある[654]。イタリアでは蛸壺だけでなく、長方形の筌も用いられる[654]。北アフリカのチュニジアでは、ナツメヤシの枝で編んだ釣鐘型の筌が用いられている[654]。
曳網漁
[編集]近代的なタコ漁では、底曳網によるタコ漁も行われる[673]。しかし、目的外の生物の混獲や、珊瑚や海藻などの損傷など、底生生物の生息環境を攪乱してしまうため、不買運動や規制が行われている[674]。また、幼いタコも捕獲してしまい、リリースされたとしてもダメージを受け死んでしまうことが多い[656]。
日本で漁獲されるタコの1/3は曳網漁で獲られたものである[618]。これには沿岸の小型底曳網、沖合底曳網、船曳網などが含まれる[618]。福島県では、ミズダコ Enteroctopus dofleini やヤナギダコ 'Octopus' conispadiceus はほとんどが底曳網により漁獲されている[497]。
釣り
[編集]古くから釣りによるタコ漁(蛸釣[209])も行われている。古代ギリシアでは生き餌を用いた釣りが行われており、簗による漁とともにアリストテレスによる記録がある[673]。
日本では伝統的に蛸賺し(たこすかし)と呼ばれる漁法が行われ、竿の先に餌や疑似餌をつけて誘い寄せてタコを獲った[525][209]。蛸賺しは蛸おらぎや蛸さぶき、蛸ねりなどとも呼ばれる[525][209]。伊予国長浜(現在の愛媛県大洲市)では、6寸程度の板に甲羅を剥がしたカニと釣り針を付けた「スイチョウ」と呼ばれる道具を用いてタコを釣った[486]。
イイダコは釣りで漁獲され、イイダコテンヤと呼ばれるおもりのついた針を用いる方法が一般的である[675][348][676]。イイダコは好物の二枚貝と似た白色のものを好む傾向があるとされ、テンヤにはラッキョウや白いラッキョウ形の陶器を用いるのが主流である[675][677][348]。前者は特に関東地方、後者は関西から中国地方にかけてで一般的である[675]。ネギの白い部分、豚の脂身などが用いられることもある[675][348]。香川県ではテンヤが底曳網に絡まり、漁業に支障を来す被害が続いているほか、漁獲量の激減により、釣り客への呼びかけが行われている[676]。
沖縄ではワモンダコが「島だこ」と呼ばれて親しまれ、釣りなどで漁獲される[678][注釈 66]。対し、同音の標準和名を持つシマダコ Callistoctopus ornatus は「しがや」や「しーがい」と呼ばれ、こちらも釣りで捕獲される[680]。平安座島ではウデナガカクレダコが「ンヌジグワァ」と呼ばれ[681]、釣り糸にイモガイを等間隔に括りつけた「ンヌジベント」と呼ばれる仕掛けを用い、手繰り寄せておびき寄せた後に掴んで捕らえられる[682]。
ハワイ近海では疑似餌を用いたタコ漁が行われる[673][666]。古くはタカラガイの貝殻をルアーとして用いており、現代ではカニを模したルアーを用いる[673]。長い釣り糸に疑似餌を取りつけて海底近くを這わせ、返しのない針数本で引き揚げる[673]。
流し釣り
[編集]餌をつけない針金で引っ掛ける空釣り(からづり)漁法も行われる[618]。北海道の太平洋沿岸(主に道東)では、冬から春にかけて、ヤナギダコが空釣り縄で漁獲される[683][684]。これは餌の付いていない針を海底に這わせ、移動するタコを引っ掛けることにより漁獲する漁法である[683]。空釣り縄では、ヤメと呼ばれる針と枝縄のセットが笊に100本分ずつ仕掛けられ、縄を繋いで投縄される[684]。1放しの縄(約1,800 m)には笊50鉢分の仕掛けが取り付けられ、両端にはボンデンと呼ばれる浮標が立てられる[684]。
いさりびきでは、「イサリ」と呼ばれる鉤が付いた漁具に餌を付けてタコのいる海底を曳き、釣り上げる[685][32][686]。北海道古平町では、明治45年(1912年)に自家用としていさりびきの記録が残っている[32]。ニシン漁の終わるころから出漁し、それぞれの漁期のつなぎ漁として漁獲されていた[32]。盛漁期は5–6月[32]。手釣りのいさりびきは明治時代から行われていたが、1958年に茨城県の漁法を改良した樽流しが北海道のタコ漁に導入された[685]。樽流しは宗谷北部や道南日本海の主要な漁法となっている[685]。海底を引きずる長さの釣り糸の先に樽といさりを1個ずつ付け、小型船から20個ほど流す[685]。
また、北海道でアブラツノザメやシャコなどを餌とした延縄漁が空釣りに並び盛んに行われていたが、1955年以降にはほとんど行われなくなった[648]。
銛
[編集]銛やヤス(簎)、鉤による漁も行われる[670]。これが最も古い漁法であるとされ、熱帯地域で行われる[670]。例えば、モーリシャスなどでは銛や徒手によりタコを捕獲する[673]。珊瑚礁が分布する琉球列島でも、その隙間に隠れるタコを狙った銛による漁が行われる[650][679]。日本ではほかに、山陰の但馬海岸や若狭湾、新潟県の佐渡島や粟島、山形県の飛島、北海道の留萌・天塩の海岸でタコの突き漁が行われる[649]。
タコを捕らえるのに用いる鉤は蛸鉤(たこかぎ)と呼ばれ、長い竿の先に鉤を取り付けて用いられる[161][209]。佐渡では「タカカギ」と呼ばれ、長さ約9 m、先端が10本程度に分かれている道具を用いた[649]。飛島では蛸穴の中のタコにはマガリヤス(曲がり簎)、出ているタコには直線状のノヤスを用いた[649]。八重山諸島では、イグン(イングン)と呼ばれる、僅かに曲線を描いた棒状の1本歯を持つ銛を用いて蛸穴のタコを突く[650]。琉球列島の他の地域ではウギンやウジムと呼ばれ、16世紀の文献『おもろそうし』にも「いぎょも」と呼ばれる漁具が登場する[650]。
但馬海岸(兵庫県)や赤間関(現山口県下関市)では、夜に舟で篝火や松明を焚き、集まったタコを捕獲したと伝わる[649][486]。但馬海岸ではヤスで突き[649]、赤間関では徒手や打ち鉤によりタコを捕らえた[486]。
その他のタコ漁
[編集]長崎県五島市の福江島では、干潮の時に、岩礁に生息するマメダコ 'Octopus' parvus に塩を吹きかけて捕らえるマメダコ捕りが行われる[687]。かつては家庭の竈から出た灰を吹きかけて捕まえられ、「灰吹きダコ」や「ヒャーダコ」などの方言名で知られる[687]。
タコを穴から引きずり出す方法は各地で様々なものが用いられ、日本やオセアニアでは天敵であるウツボの死骸を投げ入れたり、ナマコの毒や石灰などを用いた[688]。地中海ではキク科植物を用いた[556]。アリストテレスの『動物誌』にも言及があり、ギリシャの漁師は現在でもムカシヨモギ属を用いてタコを捕らえるとされる[556]。タバコでも同様にタコが岩から離れるとされる[556]。また、バミューダ諸島では蛸穴にパン粉と大量の塩を混ぜた団子を差し込み、タコを穴から出して捕らえる[556]。
養殖
[編集]漁獲圧が高まってタコが減少し、タコ養殖への関心が高まった[689]。日本、オーストラリア、スペイン、メキシコ、イタリア、中国など、世界中で養殖の研究が行われているが、商業用の養殖には長年にわたって成功していなかった[690][689]。稚ダコの成長には生き餌が必要であり、養殖には場所も人手もかかるためである[691][692]。また、稚ダコはヤムシやカイアシ類など小型の動物プランクトンに襲われ、傷ついて死滅してしまうこともある[693]。
養殖にかかわる一つ目の課題は孵化後の餌の供給であり、これは日本で1960年代に解決された[694][695]。マダコの稚仔に甲殻類の幼生を餌として与えると、浮遊期の幼生を着底まで育てることができる[694][695][696]。しかし、甲殻類の幼生の親を野外で捕獲して利用する天然頼みのもので、多くの餌生物を必要とし、完全養殖には至らなかった[694][695][696]。
また、稚ダコの安定した飼育法はタコの養殖のボトルネックの一つであり、活発に研究されてきた[697]。1960年代以降の研究では人工的に孵化させたアルテミアでも飼育できるようになった[694]。アルテミア単体では必要な栄養素が不足するため、ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸をアルテミア幼生に与えてからそれを食べさせることで、大量培養可能な飼料での育成が可能になった[694]。2000年代の日本では、浜崎活幸と竹内俊郎らにより、浮遊期の生残率と成長率を上げる研究が行われた[697]。餌としてアルテミア以外にイカナゴのスライスを与え、飼育水にナンノクロロプシス Nannochloropsis を添加することでマダコが摂取する餌の栄養価を高めることに成功した[697]。
世界初のタコの完全養殖は2004年にチチュウカイマダコ Octopus vulgaris で、8か月を経て孵化から成体までの飼育成功が報告された[697][698]。日本では2017年に世界で2番目にニッスイ(当時の旧日本水産)がマダコの完全養殖に成功している[692][699][700][701]。しかし、いずれも2020年代に入るまで商業ベースには到達していなかった。
浮遊期から着床期に至るまでの生残率は低いままで[692]、餌以外の要因が考えられた[702]。團重樹らは水槽内のマダコ稚仔を観察し、エアレーションによる下降流が稚仔の成長を妨げていることを明らかにし[702]、2018年にこれを改善する設計の水槽を発表した[703]。浮遊期の擬幼生は外套腔の海水を漏斗から噴出して得られるジェット推進により水中に留まっている[702]。餌を捕獲して水槽の底に運ばれた擬幼生は浮上するために餌を捨てて上昇を試みるが、餌を十分に摂取できず衰弱してしまう[702]。そこで、水槽の中央にパイプを設置して水槽底面から水流を生み出すことで[702]、水槽内に湧昇流を生み、生残率が格段に上昇した[703]。
メキシコではマダコ属のマヤダコ Octopus maya の養殖が試みられており一定の成果が上がっている[704]。タコの養殖は技術的には確立されていたが、商業的には高い知能を持つタコの養殖はハードルが高かったが[701]、2021年、世界で初めてカナリア諸島において、スペインの水産会社ヌエバペスカノバによりタコの商業的な養殖がはじまった[705]。
養殖反対活動
[編集]タコを食べる文化がない英米圏では、研究における規制や養殖の禁止を求める動きが相次いだ。
2012年に国際的な脳科学者のグループが発表した「ケンブリッジ意識宣言 (The Cambridge Declaration on Consciousness)」では、タコの神経系は、鳥類や哺乳類と同様に意識と看做すのに十分な主観的体験ができると明記された[706][707]。イギリスでは、タコを含む頭足類は研究対象としては脊椎動物と同様に扱われ、「痛み、苦しみ、ストレス、持続する苦痛」を与えかねない実験から法的に保護された動物となっており、EUも脊椎動物と同様の規制を求めている[706]。タコは高等動物として配慮を要するとする頭足類の研究者がいるいっぽうで[708]、タコの神経系や痛覚の経路の仕組みは完全には理解されておらず、どのように扱えば実験条件として適切かや、実際にタコの不快感を和らげるのに効果があるのかすら分からないという指摘もあった[706]。
2021年になると、イギリスの Jonathan Birch らは、300以上の科学的研究を調査に、タコは「感性のある存在」であり、喜び、興奮だけでなく、痛み、苦痛、害も経験できるという「強力な科学的証拠」があると結論付けた[709]。この調査を受け、2021年11月に、イギリス政府の審査委員会は「タコやカニや大型エビにも苦痛の感覚がある」として、同国で審議されている動物福祉法案の保護対象に感覚をもつ動物として追加した[710]。前述の報告書の著者らは、大量のタコを近接して飼うと、ストレスや衝突を生み、10–15%という高い死亡率に繋がるため、容認出来ないと述べ、高い動物福祉が要求されるタコ養殖は「不可能」と論じている[711]。 また、タコの商業養殖の実現が間近となっていることを受け、イギリス政府は将来「輸入養殖タコの禁止を検討する可能性がある」ともいう[710]。
実際に商業的な養殖がおこなわれるようになったことを受けて、2024年7月25日にはアメリカ合衆国議会において、「非倫理的な方法で生産されたタコの養殖および取引に反対する法律 (Opposing the Cultivation and Trade of Octopus Produced through Unethical Strategies Act[注釈 67])」案が提出された[712]。これは絶滅危惧種の保護のように天然漁業を規制するものではなく、動物の権利や動物福祉[713]の観点からアメリカにおける商業的なタコ養殖事業を禁止したり、アメリカ海洋大気庁にタコの漁獲方法に関するデータの収集を義務づけることなどが盛り込まれている[714]。アメリカのワシントン州は世界で初めてタコ養殖を法的に禁止した[715]。2024年9月27日には、全米で2番目にカリフォルニア州でタコの養殖や養殖タコの輸入を禁止する法律が成立した[716][717]。ハワイ州では、タコの養殖を禁止する法案が提出されている[718]。
利用
[編集]飼育と展示
[編集]水質に敏感であり、濾過循環し続けた海水では長生きできないとされる[719]。
底生の無触毛亜目のタコは、日本ではマダコ[720][721]やミズダコ[722][723][724]などが、海外でもチチュウカイマダコ[725][726][727] やカリフォルニアツースポットダコ[728]が水族館でよく飼育される。ドイツ・オーバーハウゼンの水族館 Sea Life Oberhausen では、「タコのパウル (Paul der Krake)」と呼ばれる Octopus vulgaris が飼育され、2010 FIFAワールドカップ の結果の「予言」を行ったことでよく知られている[182][278]。ヒョウモンダコも長期間ではないが、飼育されることがある[729]。ほかにウデナガカクレダコ、ミミックオクトパス、ブンダープス Wunderpus photogenicus などが水族館での飼育のために生きたまま捕獲された記録がある[652]。
それに対し、浮遊性の無触毛亜目や深海性の有触毛亜目のタコの飼育例は少なく、前者ではアオイガイやタコブネ[730][731]が、後者ではメンダコやオオメンダコがごく短期間飼育されるのみである[732][733][734][735]。
しかし、前述の通りマダコでも完全養殖は難しく、稚仔の飼育の難易度が高いため、ミズダコなどでは世代を回した飼育は行われていない[724]。
哺乳類の動物飼育の現場では、その飼育環境を良くする「エンリッチメント」が叫ばれているが、タコについても知能が高いため、退屈しないように刺激を絶やさないようにする工夫が行われることがある[286]。
タコは脊椎動物のような骨を持たず柔軟であるため[124]、口器が通る大きさなら非常に狭い空間でも通り抜ける事ができ[736]、水族館で飼育されているタコが脱走することもある[419][721][737]。脱走の最中に死んでしまうこともままある[719]。
バイオミメティクス
[編集]タコの腕はあらゆる方向に自在に曲げることができ、2倍にも伸長することができるうえ、失っても完全に再生する能力を持つため、神経学の研究やロボットのモデルにも用いられている[738]。しなやかに曲がり、吸盤を具えたタコの腕に着想を得た、あらゆるものを掴むことのできるソフトロボットなどが開発されている[739][740]。
腕は脳神経節がすべて制御しているわけではなく、それぞれの腕の先端にまで神経索が通り、脳と無関係に運動できる[738]。また、繊細な作業も力強い行動も行うことができ、それぞれの腕同士を連携させることもできる[738]。この腕同士のコミュニケーションや分散知能システムについても自律型ロボットへの応用が期待され、研究されている[738]。
腕に並んだ吸盤も工学的に研究され、ロボットのモデルとなっている。吸盤はそれぞれに思い思いに伸びたり、物を撮んだり放したりすることができる[738]。タコの吸盤を模倣したロボットハンド(真空グリッパ)が開発されている[741]
また、タコは素早く精巧な体色変化を行い、反射性や質感、明るさを周囲の環境に合わせて変化させることができる[245]。超音波による探知器は古くから軍事的な研究がなされてきたため、それを回避する技術の開発が進められている[742]。しかし、そういった仕組みを用いないタコの擬態も軍事利用を目指して、アメリカ海軍などから資金提供を受けた研究が進んでいる[743]。タコは瞬時に周囲の背景に合わせた体色変化ができるため、眼を経由した視覚情報以外にも、皮膚で光や色を感知できる仕組みがあるのではないかと考えられている[744]。タコの擬態の仕組みを模倣し、色や光を感じ取ってその通りに模倣できる新素材の開発が進められている[743]。
文化
[編集]タコはその見た目から、世界各地でキャラクターのモチーフとなっており、神話や伝承にも登場する。
地中海沿岸諸国では古来、タコは食用であり、身近な存在であった[45]。例えば、紀元前1,600年頃のクレタ文明やミノア文明では貨幣にタコが描かれ、紀元前1,200年頃のミケーネ文明でも鐙壺の図案に用いられた[466]。キプロスやクノッソスの古陶にもタコが描かれる[745]。また、アリストテレス(紀元前384年 - 紀元前322年)は著作『動物誌』 (Historia Animalium) の中でアオイガイ属 Argonauta やイチレツダコ Eledone について述べている[45]。
日本では食材としての身近さから、「タコ文化」が根付いている[494]。その形態がユーモラスであり、様々なキャラクターに用いられる[494]。漫画の主人公として登場するほか、玩具や商品キャラクターにもなっている[746]。茹でると真っ赤になるなどといった性質から、茹でたあとの赤色で表現されることがほとんどで[745]、しばしば、胴体を「頭」に、漏斗を突き出た「口」に準え、額に当たる部分に鉢巻を巻いた姿で描かれ[745][47]、しばしば擬人化される[36]。例えば、歌川貞秀『新板化物づくし』には鉢巻をした巨大な蛸が舟を襲う様子が描かれている[747]。タコの姿を模した公園の遊具(滑り台)は「タコ滑り台」や「タコ遊具」と呼ばれ、日本各地に200基ほど見られる[748][749]。また、飾り切りをしたソーセージは「たこさんウィンナー」と呼ばれ、しばしば弁当に入れて親しまれる[750]。
日本ではタコは縁起物として用いられ、おせち料理などにも入れられる[751][752]。茹で上げると赤くなり、めでたい紅白模様であるとされるほか、赤は魔除けの意味があり、墨を吐く生態を「苦難を煙に巻く」と捉え、また名は「多幸」に通ずるとされる[751][752]。
それに対し、ヨーロッパ中北部では「悪魔の魚 (devilfish)」とも呼ばれ、忌み嫌われてきた[593][161][16][36]。これはタコは近づく魚を引き寄せて捕食するため、誘惑者や裏切り者、悪魔と同一視されたことによるとされる[556]。下記のクラーケンが船を襲うとされるように[753]、西洋文学ではタコは海の悪魔として描かれてきた[754]。日本でのタコのイメージとは違い、8本の腕とそれについた吸盤が強調されて描かれる傾向がある[755]。また、多くの長い腕を持つ姿から、1877年にイギリスのフレデリック・ローズにより敵国であるロシアを巨大なタコの姿に描いた風刺地図が描かれた[756]。それを基にフランスや日本、ナチス政権下のドイツなどで、多くの地図製作者に踏襲され、プロパガンダの意図を持ち侵略者をタコに準えた地図が制作された[756]。日本でも、日露戦争開戦直後の1904年に発行された『滑稽欧亜外交地図』がよく知られる[757]。
しかし、近年ではそういった国でも多くのタコをテーマとした商品が急増し、受け入れられている[466][758]。帽子、スカーフやネクタイ、Tシャツ、クッションなどの柄だけでなく、マウスパッドや携帯電話のケースなどコンピューターアクセサリ、マグカップや皿などの食器など、タコをモチーフとした様々な製品が作られている[400]。タトゥーの図案にもなっている[466]。2015年にはユニコードコンソーシアムにより、国際的な文字コードの業界標準規格である Unicode にタコの絵文字(🐙、U+1F419)が追加された[402]。
神話・伝承
[編集]その特徴的な姿は人間の想像力をかきたて、世界各地の様々な伝承に登場し、またモチーフとされる[35][16]。
例えば、何本もの腕を持つ北欧の伝説に登場する海の怪物、クラーケンはよく知られ、文学や伝説、絵画や映画の至る所に登場する[35]。巨大なタコとイカを合体させたような姿で描かれ、深海に潜んで船を追いかけ、船員を貪り食うとされる[753]。これは13世紀のアイスランドの伝説上の生物ハーヴグーヴァが基になったと考えられており[759]、古代の北欧神話には登場しない。フランスの船乗りたちがアンゴラ沖で巨大なタコに襲われたという話が伝わり、ピエール・ドニ・ド・モンフォールにより「巨大タコ (Le Poulpe Colossal)」の仕業とされ、1810年に著作中で描かれた[759][753][760]。モンフォールは巨大タコとクラーケンの2種の大蛸を区別したが[759][760]、後世には同一視されることもあった[761]。
またタコは、『オデュッセイア』に登場する12本足6頭の怪物スキュラと混同されることもあった[36]。ダニエル・コーエンはギリシア神話のヒュドラはタコがモチーフとしている[548]。
大プリニウス(紀元23年–79年)の『博物誌』には、270 kg 以上の体重を持ち、村人から魚を奪う巨大な蛸についての記述もある[35]。また、ここにはタコは自分の腕を食べて、再生するとも書かれ、それゆえキリスト教世界では守銭奴の象徴ともされた[36]。
イタリアリグーリア州のテッラーロでは、巨大蛸が教会の鐘を鳴らして迫りくる敵の侵攻を報せ、村を救ったと伝わる[35]。そのため、テッラーロではドアの装飾など様々なところでそのオマージュが見られる[35]。
西インド諸島のアンドロス島では、多くの巻いた腕で人間を捕える「ルクサ (Lucsa)」と呼ばれる怪物が伝えられ、これは巨大なタコともされる[762]。
ハワイの神話では、タコは神代の唯一の生き残りとされる[35]。ハワイの創造神話に登場する海神はカナロアと呼ばれる[763]。キリバスのギルバート諸島では、タコの神ナ・キカが海底から島々を強く押し上げたと伝わる[35]。
ネズミとタコ
[編集]オセアニアの各地では、「ネズミとタコ」の伝説が知られ、タコはネズミに深い恨みを持っているとされる[482][666][667]。地域によっては詳細が異なり、様々なバリエーションが存在する。ネズミと小鳥とタコがココヤシの殻を舟にして海へ出た[666]。しかし、小鳥がココヤシの殻をつついて舟に穴を開けて沈んでしまった[666]。小鳥は翼で飛び立ってしまったが、親切なタコは泳ぎの苦手なネズミを乗せて岸まで運んであげた[666]。しかし、ネズミは礼を言うどころかタコを「禿げ頭!」と罵って立ち去った[666]。そのためタコは憤慨し、ネズミを恨み続けるようになったため、タコはマカフェケと呼ばれるネズミを模した漁具で捕獲されると伝わる[666]。
ニューカレドニア島イヤンゲーヌに伝わる話「ネズミとサギ」では、登場する鳥はサギであり、ネズミと二人でサトウキビでできた舟に乗って魚を捕りに行く[667]。サギが魚を捕っている間、空腹のネズミがサトウキビでできた舟をかじって無くなってしまった[667]。呆れたサギが飛んで帰ってしまい、泣いたネズミの涙がタコに届いた[667]。タコは親切にネズミを運ぶが、この話でもやはり「禿げ頭」と罵られて逃げられ憤慨する[667]。
サモアでは鳥はクイナであり、ヤドカリとクイナとネズミの3匹が舟で旅に出る[764]。舟は嵐で沈んでしまい、ヤドカリは潜って、クイナは飛んで去ってしまう[764]。ネズミは現れたタコに浜まで運んでもらうが、ネズミは途中でこっそりタコの頭に糞をして、陸に着くとそれを馬鹿にした[764]。マーシャル諸島では同様の言い伝えからタコの墨汁嚢の内容物を「ネズミの糞」と呼び、これを食べる人間は卑しまれる[764]。
日本の大蛸
[編集]日本でも、古くから大蛸の伝説などの説話や俗信が伝わる[209][16][762]。多くの場合、巨大な蛸入道の姿で波打ち際や海上の船の前に現れる[765]。牛馬や猿を驚かせたり捕らえたりすることもあれば、人を海中に引き込む話も多い[765]。例えば、津軽では大蛸が牛を捕えた伝承が伝わる[16]。『大和本草』には、夜に海辺に忍び込んで牛馬を攫う大蛸が巨大な蟒蛇と格闘し、海中に引き込んだという伝説が記される[16]。また、江戸中期の『日本山海名産図会』では、「滑川の大蛸」と呼ばれるタコが描かれる[766][16]。
人間が捕らえられる伝承の多くは、昼寝をしている大蛸の足(腕)を1日1本ずつ切り取って食べたところで欲が出て、最後の日に残った足で海中に引き込まれるというものである[16][765]。香川県には、「ヤザイモン蛸」という大蛸の怪が伝わる[767]。八左兵門という男が昼寝している大蛸の足を1日1本ずつ足を切って持って帰り、あと1本というときに、大蛸が八左兵門を海に引き込んだという[767]。同様に神奈川県旧北下浦村(現横須賀市)でも、漁師が磯で大蛸を見つけ、1本で桶がいっぱいになる大きな腕を一本ずつ切っていったところ、8日目に海に引きずり込まれたという話が伝わり、この場所を七桶の里という[765]。千葉県南部では、タコは恐ろしい動物で人の命を取ると言われ、次のような話が伝わる[548]。千葉県館山市布良の番太の女房が海辺にいた大蛸の足を毎日1本ずつ切っては帰り、食べていたところ、8日目に最後の1本を切ろうとしたときに高波に呑まれ、タコの足に巻かれて沖に連れ去られた[548]。
愛媛県今治市の大三島では、大蛸の足という話が伝わる[768]。大三島の沖のじじ岩、ばば岩(婆ヶ岩[765])の名で知られる二つ岩の近くに潮干狩りに出かけた17歳の娘、お浜が二つ岩の主の大蛸に見つめられて逃げ帰ったところ、後日大蛸が家を訪れて婚姻を迫った[768]。返事をしなかったところ大蛸が暴れて暴風を起こしたので、嫁に行くことになったが、その際大蛸の8本足が2本足になるまで足を切り落とさせてくれと約束した[768]。毎日1本ずつ切っていったが、6本目を切り終えた次の日に残りの足も切ろうとしたところ、大蛸はお浜を攫って海へ消えて行った[768]。
福井県旧東浦村(現敦賀市)に伝わる話では、貝を採るために潜った孫介がなかなか浮き上がってこないので探してみると、水面下三尺のところを回っており、周囲五尺の柱に繋がれていた[765]。引き上げてみると柱と思っていたのは大蛸の足だった[765]。
兵庫県明石市では、蛸壺漁の由来に関して「明石の大ダコ」の言い伝えがある[486][769]。林崎に西窓后と東窓后の2人の后が住んでいたが、8–12 km の腕を持つ明石の海にすむ大蛸が后たちに思いを寄せ、毎晩腕を伸ばしてちょっかいをかけた[486][769]。二見浦の武士、浮須三郎左衛門が退治しようと追いかけると、大蛸は壺に隠れてしまった[486][769]。蛸壺に隠れた大蛸を陸に引き上げ、生捕りにしたものの腕を伸ばして暴れたので、三郎左衛門は一本ずつ刀で切り落としたが、大蛸が暴れて蛸壺をひっくり返してしまった[769]。大蛸は山伏に姿を変え遁走したが、林神社のあたりで追いつめ、4つに叩き切ると、そのまま大きな石になった[769]。これが元となり、蛸壺漁が始まったと伝わる[486][769]。
新潟県佐渡島の相川では、大蛸が馬を捕えて乗り回して暴れていたので獲らえたところ、町内全戸に配っても余るほどだったと書かれた「蛸配帳(たこくばりちょう)」が明和まで伝えられていたとされる[16][770]。また、佐渡では天保8年に、眼が3寸の大蛸を退治対峙した記録があり、眼は金色に光り、頭はカボチャ大で怒ると朱くなったとされる[762]。越後や佐渡では、海坊主は大蛸が変化したものだという俗説が伝わる[762]。
京都府与謝郡には、「衣蛸」(ころもだこ)という蛸の妖怪が伝わる[771]。船が近づくと、大蛸に変化して海中に引きずり込むとして恐れられる[771]。
アイヌの伝承にはラートシカムイやアッコㇿカムイと呼ばれる巨大な蛸が登場する[772][773][774]。
蛇蛸
[編集]蛇が水際で蛸に変わる「蛇蛸(蛇だこ[548]、へびだこ)」の伝説も各地に伝わる[765][775]。こうして変化したタコは7本足で人を襲うとも言われ、北陸から北日本にかけて広まる[36][548]。『笈埃随筆』には、蛇が蛸に変化する伝説が記されている[16]。越前に行った商人が、地元の人々が誘い合わせて蛇が蛸になるのを見に行くのを耳にしてついていった[16]。すると山の裾から蛇が現れて海へ泳ぎ出て、尾で何度か水面を叩くと、尾が裂けて脚のようになった[16]。やがて半身が蛇、半身が蛸になり、完全に蛸に変化した[16]。壱岐でもカラスヘビが海辺で尾を石に打ち付けて割き、海に入ってタコになるのを見たと伝わる[548]。若狭の小浜では、梅雨になると蛇が海でタコになるとされ、住民はそれを見分けて蛇のほうは食べなかったとされる[548]。佐渡ではこれを蛇だこと呼び、その正体はムラサキダコではないかともいわれる[548]。
竜宮伝説
[編集]タコにまつわる竜宮伝説も各地に伝わる[16]。宮城県南三陸町の志津川湾に浮かぶ竹島にも竜宮伝説が知られる[16]。浜の若者が次々行方不明になり、不審に思った気丈夫な男が月下に海を見張ると、音楽が聞こえてきた[16]。小舟で音楽の方へ向かうと御殿があり、美女に馳走を振舞われた[16]。美女の視線が冷たいことを怪しみ懐の小刀で突いたところ、気を失ってしまい目が覚めると散乱する白骨の脇でタコが死んでいたと伝わる[16]。
松前のカッパ
[編集]北海道松前郡では、海中で婦人がタコの足に触れると妊娠するという迷信がある[776]。医者が婦人の難産を治療したところ、タコの足が2本現れたので切断したが、残りの部分は出てこず、産婦は死んでしまった[776]。タコが腹に吸いついて出てこなかったのだという[776]。松前ではこのような異形を「カッパ」と呼び、それが海に入ると「ヤドリ」になるという[765][776]。
上陸するタコ
[編集]タコは陸上でも30分以上動き回ることができるため、「夜中に畑の大根を盗む」という逸話が知られる[777][475]。畑の芋を掘って食べたり、墓地に埋葬されたばかりの新仏を盗み海へ逃げ帰ったりする例も知られる[765]。
タコは里芋を好むともされ、6本の足で陸上を歩み、2本の腕で土を掘って芋を盗むとされる[36]。これは里芋と煮た料理が親しまれることからと考えられている[36]。漫画家の小野佐世男はタコが掘った芋を抱えて浜へ戻るのを見たという話をラジオ番組などで語っている[765]。
伊勢の飯野郡では、知恵を持ち力が強い7本足のタコがおり、悪行をなすため忌まれていた[548]。しかし悪い餌を食べていたため人が食べるわけにもいかず、年を経て化物になった[490]。7本足のタコは時々陸に上がって野の墓に行き、新仏を盗んでいくとされた[490]。また、青森県旧岩崎村(現深浦町)では、文化3–4年に病没者を火葬している際に沖から大蛸が現れて火を消し埋葬者を搦めて持ち出そうとしたが、村人が切り殺すと中から人馬の骨が見つかったと伝わる[765]。
三重県鳥羽市にある畦蛸(あだこ)では、「嵐の日に大波に乗って蛸が田圃の畦にやってきた」や「月夜になると蛸が畦の水路まで泳ぎ登ってきた」などの伝承が伝わり、その地名に名を残している[506][544]。
2002年に放送されたテレビ番組『フューチャー・イズ・ワイルド』では、空想上の1億年後の未来の生物として「スワンパス (swampus)」と呼ばれる半陸生のタコが登場する[778]。
信仰と行事
[編集]日本では古くからタコが民間療法にまつわる信仰対象とされてきた[513]。そのため、日本各地に蛸薬師や蛸地蔵が存在する[513]。
蛸薬師(たこやくし) は、祈願すると禿頭[209][490]や腫れ物などに霊験があると信じられている[513]。蛸薬師には、タコを食べないと誓ったり、蛸の絵の絵馬を上げたりして祈願される[209][513][538]。京都市中京区に所在する新京極の永福寺や、東京都目黒区の秋葉山成就院がよく知られる[209][513][490]。京都のものは、タコを禁食して祈れば疣や痔がすぐに治癒するとされ、『本朝俗諺志』(1746年)にも見える[513]。また、婦人病にも霊験あらたかとされる[779][36]。蛸薬師通の由来にもなった。目黒のものは薬師如来がタコに乗って海を渡ってきたと伝えられ、やはりタコを断って祈願すれば眼病や腫れ物に霊験があるとされる[513]。淡路島旧三原町にある薬師堂でも、絵馬にタコが描かれ、由来書には「漁夫の間には風習迷信があって、病を治すためには薬師如来に祈願し、ある期間や一生蛸を禁食するとか蛸を生け捕らない等の誓いを立てたものである」と書かれる[779]。
町田製薬の軟膏「吸出し青膏」は、「まるで蛸が吸い付くようにおできの膿を吸い出す」というイメージから「たこの吸出し」の愛称が付けられている[780][513][781][782]。たこ美とたこ之助という2匹のキャラクターが作られている[782]。
大阪府岸和田市にある天性寺は蛸地蔵(たこじぞう)と呼ばれる[513][783]。岸和田城落城の危機に、大蛸に乗った法師が数千のタコを従えて現れ、城を救ったという伝説がある[490][783]。この法師は地蔵の化身であり、後日城の堀から矢傷・玉傷を無数に負った地蔵が発見されたと言われる[783]。タコの絵馬が多く奉納され、家内安全や商売繁盛、安産などが祈願される[513]。また、南海本線蛸地蔵駅の由来にもなっている[513][784]。
愛媛県西予市明浜町(旧狩江村)にある春日神社では、あるとき御神体が上方に移そうと船で盗み出された際、三崎村名取で神罰を受けて難破し、御神体を海中に落してしまったところ、それを大蛸が海上に持ちあげ、地元の住民が拾って海岸に祀り、翌年狩江村民が現存する元の所に祀ったという伝承がある[513][785]。そのため狩江村民は蛸を捕まえず、今日に至るもタコを食べない習慣が残っている、と伝わる[513][785]。愛媛県三崎町正野の野坂権現でも同様の伝承が伝わり、海人はタコを口にしないと言われる[513]。岩手県久慈市宇部町でも漁師の守り神として「タコ神」が祀られ、漁師は決してタコを口にしない伝統が伝わる[513]。
愛知県知多郡南知多町の三河湾に浮かぶ日間賀島は「タコの島(多幸の島)」と呼ばれる[530][545][534]。日間賀島にはモニュメントやマンホールの蓋など、至る所でタコのキャラクターが見られる[530]。旧来タコ漁が盛んで、干ダコを作る伝統がある[641][786]。日間賀島では貞観4年の大地震で沈んだ寺の仏像が漁師によって引き上げられた時、仏像を守るように一匹の大蛸が巻きついていたという逸話があり[530][641]、それを曹洞宗安楽寺の阿弥陀座像の胎内仏として祀ったとされる[641][787]。そのため安楽寺は「たこ阿弥陀(章魚阿弥陀)」と通称される[530][786][787]。それ以来、旧暦正月3日に安楽寺にタコを供えて「蛸祭り」を行うようになった[641][787]。明治維新以降、この祭りは元日に日間賀神社で行われるようになり、同時に島にあるもう一社の八幡社にも干ダコが祀られる[641]。干ダコは蒸してから短冊状に切る「タコさばき」が行われ、神饌とされる[641][786]。もとは大漁祈願、安全長寿を祈る正月行事があり、それに安楽寺の由緒なども加わり発展したものだと考えられている[641][786]。昭和30年代まではこれが島の主要な行事であったが、現在ではタコ漁が衰退するとともに観光化が進み、夏(8月)に観光行事として、タコの供養と豊漁を祈願する「たこ祭り」が行われる[530][641][787]。ここでは、子供たちを対象とした蛸ダンスや蛸のつかみ取りなど娯楽イベントが行われる[641][787]。
『出雲国風土記』には、出雲国杵築御崎にいたタコを天羽々鷲(あめのはばわし)は捕らえ、運んで行った島を「蜛蝫島(たこしま)」[注釈 69]と呼んだとある[486][788]。蜛蝫島は現在の大根島とされ、「蜛蝫神社(たこじんじゃ)」がある[789]
タコは稲の成長の祈願にも関連している[513]。関西地方には半夏生にタコを食べる「半夏蛸」の習慣がある[513][790][475]。これはタコの腕を伸ばす様子を発育の良い稲に見立てたとも[513]、大地にタコのように吸い付いて[790]、稲の根が蛸足のようにしっかり根付くようにともされる[475][790]。愛媛県にも田植えのサンバイオロシ(田の神降ろし)の際に、タコの吸い付く習性に肖り苗の活着が早くなることを祈って、タコを供える呪術的風習が知られる[513]。
また、浴衣地に網目文を施した上にタコを描き、大漁を意図した図柄が用いられることもある[790]。歌川豊国『江戸名所百人美女 薬けんぼり』などに描かれる[790]。
日本では、タコを食べると瘧(マラリア)が再発するが、マラリア患者が1杯食べつくせば完治するという迷信があった[548]。また、伊勢山田では痰の薬に、沖縄には頭痛や虫下しの薬に用いた[548]。福岡県の玄界灘沿岸では「コヤスノガイ」と呼ばれるアオイガイの殻に水や湯を入れて妊婦に呑ませ、安産祈願を行う[225]。
愛媛県では、妊婦がタコの足を食べると生まれてくる子の髪の毛が縮れるという俗信があった[548]。朝鮮の俗信では、妊婦がタコを食べると骨のない子が生まれるとされた[556]。和歌山県では、タコを煮ている傍で笑うと顔が赤くなると言われた[548]。
かつて大阪では、春の彼岸と秋の彼岸に四天王寺境内に「蛸蛸(蛸々、たこたこ)」と呼ばれる大道芸人がいた[212][791]。一人は張りぼての大きな蛸を頭から被り、もう一人は戎の被り物をして張りぼての鯛を持ち踊った[212]。日清戦争以降は腰に張りぼての馬をつけ、玩具の剣を振り回す剣劇を行うようになった[212][791]。中国兵の首が落ちると「コレ一銭の泣き別れ」と言って入れ替りとなる[212]。それを「蛸々眼鏡」と呼ばれる万華鏡で覗かせ、見物料を稼いだ[212][791]。初めは1銭であったが、2銭、3銭となり、最後は5銭となって滅びた[212]。「天王寺名物、たこたこ眼鏡じゃい」[212]「とうさん、ぼんさん、眼鏡をお目々にしっかりつけて、ハイヨウ蛸ぢやいな、蛸ぢやいな」などの声で知られた[791]。
作品
[編集]日本ではタコは多くの場合、コミカルで親しみやすいキャラクターとして描かれる[521]。タコはそのものでなくても様々なキャラクターのモチーフとして登場する。例えば、日本では田河水泡の漫画『蛸の八ちゃん』や古谷三敏の『ダメおやじ』のキャラクター「タコ坊」などが挙げられる[494]。『蛸の八ちゃん』は海底から人間世界にやってきたタコの物語を描いた作品である[780]。1973年にぬいぐるみ劇として放送された日本の特撮テレビ番組『クレクレタコラ』では、公害によって怪獣化し陸に上がったフテクサレタコ「タコラ」が登場する[792]。巡音ルカの頭部だけをデフォルメし、髪の毛を脚に見立てたキャラクターは「たこルカ」と呼ばれる[793][794]。
ハワード・フィリップス・ラヴクラフトのクトゥルフ神話描かれる邪神クトゥルフはタコの頭部にコウモリの翼を持った巨大な軟体動物のような姿をしている[35]。これは他の作品にもオマージュされ、『サウスパーク』でもネタとして取り上げられている[35]。
小説・映画
[編集]西洋文学において、タコは長らく海の悪魔として描かれてきた[754]。かつては悪役であったタコは、現在では主人公としての立場を獲得することもある[795]。
ヴィクトル・ユゴーはクラーケンのイメージから、『海に働く人々』(1866年)で人間を襲うタコを描いた[36]。ジュール・ヴェルヌのSF小説『海底二万里』(1870年)では、タコが人間の太刀打ちできない敵として登場する[759][764][注釈 70]。それを基に制作された映画『海底六万哩』(1916年)では同様に敵はタコであったが、『海底二万哩』(1956年)ではイカをモチーフとしたクラーケンに変更されている[759]。『水爆と深海の怪物』(It Came from Beneath the Sea, 1955)でもジェット推進する巨大なタコが描かれている[797]。映画『テンタクルズ』(Tentacles, 1977)もクラーケンの伝説に由来し、大蛸が登場する[798]。アメリカのパニック映画『オクトパス』(Octopus, 2000)では、船や潜水艦を襲い、恐ろしい歯が生えた口に取り込むクラーケンが登場する[51]。ジェムソン・アイリッシュ・ウイスキーのコマーシャル映像でも巨大な酒好きのタコが登場する[51]。『メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス』(Mega Shark vs Giant Octopus, 2009)では巨大なタコがサメをも仕留めている[483]。
2009年のアカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされた『オクタポディ』(Oktapodi, 2007)では、タコの番が登場する[799]。2003年のディズニー映画『ファインディング・ニモ』にはオオメンダコのパールが[800][801]、『ファインディング・ドリー』にはミズダコのハンクが登場する[795][802]。ハンクは主人公ドリーの見方として、家族と再会させるべく人間を出し抜こうとする[795]。ニコロデオンのアニメ『スポンジ・ボブ』シリーズに登場するキャラクター「イカルド・テンタクルズ (Squidward J. Q. Tentacles)」は、どの言語でも名前からイカに間違われるが、タコがモチーフである[803]。2010年の『トイ・ストーリー3』では「ストレッチ (strech)」という名の紫色のタコのおもちゃが登場し、腕を伸ばしてお金をかき集める[736][804]。
映画「ジェームズ・ボンド」シリーズの『007/オクトパシー』には、女性窃盗密輸団の古い秘密指令の印にヒョウモンダコが用いられている[805]。シカゴ・フード映画祭で2011年に最優秀フード・ポルノ映画賞を受賞した短編映画『アモール・プルポ』(Amor pulpo, 2011)は女性がデートの支度をする場面の合間にタコが捕獲され調理されるシーンが映され、レストランにて供されるという作品である[806]。
1989年にディズニーが制作した映画『リトル・マーメイド』では、魔女アースラというキャラクターが登場するが、その動きはジャック・クストーが撮影したタコの動きがモデルであると言われる[807]。モバイルゲーム「ディズニー ツイステッドワンダーランド」では、『リトル・マーメイド』をテーマとした寮オクタヴィネルに、アースラのようにアズール・アーシェングロットというタコ脚(オクトピット)のキャラクターが登場する[808]。
俳句と詩
[編集]「蛸」や「章魚」は夏(三夏)の季語、「麦藁章魚」は仲夏の季語となっている[809]。
江戸時代の俳人である松尾芭蕉は、明石にて「蛸壺や はかなき夢を 夏の月」という俳句を詠み、柿本神社にその句碑が残っている[810][475]。出典は『猿蓑』で、「笈の小文」に収録されている[484]。正岡子規は「飯蛸の 手をひろげたる 檐端哉」や「冬枯や 蛸ぶら下る 煮賣茶屋」の句を詠み、『寒山落木』に収録される[811]。熊本県の俳人上村占魚は「章魚沈む そのとき海の 色をして」という句を詠んだ[484]。
萩原朔太郎の散文詩に「死なない蛸」がある[812][764]。水槽で餌を与えられないタコが自分の体を全て食べてしまい、意識だけの存在になって生き続ける[764]。
イギリスの詩では、やはりタコは恐ろしい存在として表現される。アルフレッド・テニスンはソネット The Kraken(1830年)を詠み、「数知れない巨大な突起 まどろむ青い海を巨大な腕でかき乱す (Unnumbered and enormous polypi Winnow with giant arms the slumbering green.)」と表現した[759]。
楽曲
[編集]1969年の『アビー・ロード』に収録されたビートルズの「オクトパス・ガーデン」はタコが蒐集したものを巣穴の周りに並べる様子がきっかけに生まれた楽曲である[813]。リンゴ・スターは『ビートルズアンソロジー』の中で当時を振り返り、サルデーニャ島での休暇中に船長から聞いた話を基に歌詞を書いたと語っている[814]。
日本では、「湖畔の宿」の替え歌として『タコ八の歌』が知られる[815]。
美術
[編集]伊藤若冲の『動植綵絵』「群魚図」には、様々な魚種に紛れて大きな泳ぐタコが描かれており、その一本の腕の先端にはもう1匹の小さなタコがしがみついている様子が描かれる[816][817]。歌川国芳の浮世絵『流行蛸のあそび』には、擬人化された様々なタコの様子が描かれる[818]。
タコの姿はパブリックアートのモチーフとしても見ることができる[402]。イタリアボローニャのモンタニョーラ公園にあるニンフの噴水の彫刻には、乙女の太腿に腕を巻き付かせるタコが彫られている[819]。スペインのビーゴには、前述の『海底二万里』を書いたヴェルヌとタコの銅像が設置されている[820]。テキサス州イーストオースティンの公園(ジェシー・アンドリュース・パーク)には、6 m の高さの紫色のタコの彫刻「オチョ (Ocho)」がある[402]。
ドキュメンタリー
[編集]ジャン・パンルヴェは、海洋生物のドキュメンタリーを得意としていた映画監督であり、タコを主題としたドキュメンタリーを制作している[736]。パンルヴェはタコの特性をしなやかなチューインガムのようだと形容した[736]。彼の処女作はまさに、『タコ』(La Pieuvre, 1928)であり、10分間のシュールレアリスム風なモノクロの短編サイレント映画であった[736]。パンルヴェによる短編映画『タコの性生活』(Les amours de la pieuvre, 1967)では、雄が雌の漏斗に交接腕を挿入する様子が描かれる[821]。
ドイツ・オーバーハウゼンの水族館 Sea Life Oberhausen で飼われていたOctopus vulgaris の「タコのパウル (Paul der Krake)」を主題とした長編ドキュメンタリー『超能力タコ、パウルの生涯』(The Life and Times of Paul the Psychic Octopus, 2012)が制作されている[822]。
2019年にアメリカのPBSが放映した Octopus: Making Contact は、生態学者のシールがタコを家に招待するドキュメンタリーである[795]。最初の放送で190万人に視聴され、インターネット上で大きな反響を得た[795]。
『オクトパスの神秘: 海の賢者は語る』(My Octopus Teacher, 2020)は、Netflixで配信されたドキュメンタリー映画で、南アフリカのケルプの森(ジャイアントケルプなどからなる藻場)で野生の O. vulgaris との信頼関係を築こうとする様子が描かれている[795]。この作品は2021年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を獲得した[795]。
2024年にはナショナル・ジオグラフィックが制作した『解明!神秘なるオクトパスの世界』(Secrets of the Octopus, 2024)がディズニープラスで配信されている[795][823]。水中で2年もの期間撮影され、知性を示すタコの姿が捉えられている[758]。
タコをモチーフとしたキャラクター
[編集]また、企業や自治体のキャラクターとなることもある。宮城県の南三陸復興ダコの会では、タコをモチーフにした「オクトパス君」というゆるキャラが存在する[824]。北海道函館市戸井地区では道内有数のミズダコ漁獲量を誇ることから、1988年の戸井町時代にタコが町魚に制定され[510]、合併後の現在もイメージキャラクター「トーパスちゃん」が親しまれる[825]。
サンリオのキャラクターには「チューチューターコ」がおり、ボーイフレンドはイカのコータくんである[826]。
ゲーム「ポケットモンスター」のシリーズでは、『ポケットモンスター 金・銀』からオクタンが登場する[827]。オクタンの名はオクトパスとタンクを掛け合わせたものだとされる[827]。また、『ポケットモンスター ソード・シールド』には、タタッコと、それが進化したオトスパスが登場する[828][829]。オトスパスはわざ「たこがため」を使う[829]。
腕と触手
[編集]タコの腕はスーパーヒーローや悪役のモデルになっている[738]。マーベル・コミックの作品にシリーズに登場するスパイダーマンの宿敵、ドクター・オクトパスは独立して動く腕を駆使する様子が描かれる[123]。この腕は3 t の物を持ち上げられるという設定がある[830]。
香港の公共交通機関が発行しているICカードは八達通(オクトパスカード)と名付けられ、様々な機能を持ち、タコの長く便利な腕を想起させるネーミングとなっている[123]。ポペットバルブの気密を保つために研磨を行う際、持ち手として取り付けるバルブラッパー(工具)はタコ棒という俗称で呼ばれる。先端にタコのような吸盤があり、これでバルブを吸いつけて作業する[831]。
また、タコの腕はしばしば淫らなイメージを持って扱われ、「触手もの」という一大ジャンルとなっている[832]。触手もののはじまりは19世紀初頭の日本の木版画である[832]。葛飾北斎の作とされる文化11年(1814年)に刊行された春画『喜能会之故真通』「蛸と海女」には女体に絡みつくタコが描かれている[521][832][16][548][注釈 71]。「蛸と海女」では海女が岩場で仰向けになり、両脚の間に大蛸が、口元には小蛸が、乳首や肢体には蛸の腕の先が巻き付いており、海女の両腕は大蛸の2本の腕を握りしめている[832]。昔の西洋の研究者はこれを凌辱の場面と誤解したが、合意のうえでの快楽を描いている[832]。これは根付のモチーフなどにもなっている[832]。現代でも、佐伯俊男や寺岡政美などの作品に受け継がれている[819]。
20世紀半ばにはアメリカのパルプマガジンやコミックの表紙にタコが用いられるようになった[832]。1936年8月号のスパイシー・アドベンチャーズ誌の表紙には赤い水着姿の女性に腕を巻き付けるタコが描かれている[832]。
漫画やアニメーションの世界でも触手ものは広がり、ロボットの腕が登場することもある[819]。更に暴力的な表現は「触手責め」と呼ばれ、フェティシズムの一つとなっている[819]。これは男性器を直接描写できない検閲規制から発展したと考えられることもある[819]。
吸盤を具えた腕で抱きしめ吸い上げるイメージから、タコそのものも好色的で淫らなイメージを持たれる[16][36][745]。そのため、西洋では食べると催淫作用があるという俗信があった[556]。 日本語の「蛸」は女陰の特殊なものを指す隠語として用い[209][836][837]、タコの吸盤のように引き付けるものを指す[538]。「蛸つび(蛸玉門)」[838]や「蛸壺」ともいう[538]。
「蛸」は私娼を指す例もある[836]。江戸中期の菅江眞澄の寄稿日記には、南部地方では古く遊女のことをタコと言った、と記される[16]。また、「閨中に入って妾はタコになる」や「章魚と麩を出してもてなす出合茶屋」などといった破礼句も知られる[16][538]。タコのように吸い付いて傍を離れない女郎を「蛸女郎(たこじょろう)」という[538]。日本以外でも、フランスのノルマンディーでは、漁師の間での隠語として、タコは男性の持つ全ての力を吸い取る強欲な女を意味する[16]。
タコと火星人
[編集]フィクションにおける火星人の姿はしばしば頭が大きく手足は細長く描かれ、「タコ型」と言及される[839][840]。これはイギリスのウェルズが書いた1898年のSF小説『宇宙戦争』の挿絵に由来するとされる[839][840]。
タコ型宇宙人は後世の様々な作品に転用されている。例えば、1939年の海野十三『火星兵団』に登場する火星人は「大蛸のような」と形容されている[841]。昭和30年代に少年雑誌「ぼくら』に連載された前谷惟光による「火星の八ちゃん」もタコをイメージした火星人が描かれている[780]。2021年のタイザン5の漫画『タコピーの原罪』に登場するキャラクター「タコピー」などにもその影響がみられる[842]。
日本語とタコ
[編集]タコは特徴的な姿や生態を持つため、様々な物事がタコに喩えられて用いられてきた。玩具の「凧(たこ)」は、長い尻尾を付けた様がタコに似ることから名付けられたとされる[843][216]。凧は上方では、「いか」や「いかのぼり」とも呼ばれる[161][216]。また、上代の旗には蛸旗(鮹旗、たこはた)と呼ばれるものがあり、吹流しに類するもので、こちらも旗の足が割れている様子をタコの腕が垂れている様子に喩えたものであるとされる[209][525]。
体にできる「胼胝(たこ)」も一説にはタコの手の裏に似ていることからともされる[2]。
また、日本語にはタコを冠する言葉やタコに関する諺も数多く知られる[216]。例えば、タコは骨を持たないことから、有り得ないことの喩えとして「タコのあら汁」、当たり前のこととして「タコに骨なし、海月に目なし」と言われる[216]。
胴体に由来する表現
[編集]蛸の「頭(胴体)」が坊主頭に似ていることから、坊主頭の者を嘲り、蛸入道や蛸坊主(たこ坊主)という[525][209][836][216]。蛸入道はタコそのものを指すこともあり[209]、坊主を蔑んで「蛸」ということもある[209][844][538][212]。蛸入道を略して「蛸入(たこにゅう)」ということもある[845][846]。「たこにゅう」は戦前の女学生ことばであるとされる[846]。なお、タコは料理をしても骨が残らず、魚臭もしないため、肉食をする「生臭坊主」でなくとも僧侶の間で重宝がられたという流言が伝わる[216]。また、大阪弁では値が張ることを「高うつく」というが、「坊主のはりつけでタコつく(蛸突く)」という駄洒落も知られる[212]。
また、タコの胴のように頂辺を丸く縫い上げた頭巾を蛸頭巾(たこずきん)という[209][525][216]。蛸頭巾には紫色を用いた[209]。オーバーコートやレインコートに付けて頭に被るフードを「蛸」ということもある[209]。
姿に由来する表現
[編集]杭を打ったり土や割栗石を突き固めるのに用いる道具(胴突き)は蛸(たこ、タコ)または蛸胴突(たこどうつき)と呼ばれる[847][209]。蛸搗(たこつき)とも呼ばれる[848][849][850]。直径30–40 cm の樫や欅の材を円筒形の棒にし、2–4本の把手を付け、先端に金輪をはめてできる[209][注釈 72]。数人で持ち上げるため柄が多くついており、それをタコに喩えたものであるとされる[848]。そのようにして搗き固める仕事を指して「蛸搗き(たこつき)」ということもある[853][854]。石製の土搗きの道具は「石蛸」と呼ばれる[849][850]。
着物の裾の周囲をまくり上げることを蛸絡(蛸絡げ、たこからげ)という[161][209][216]。蛸が腕を広げた姿に喩えたものである[216]。また、古くは蛸(章魚)は脚絆(股引)を指すこともあり[855][836]、蛸片(蛸衣、たこびら)と呼ばれた[836][856]。蛸片は獄衣を指すこともある[836][857][858]。
一つ(または少ない)ものを手に入れようと四方八方から争って引っ張るさまや、人気のある人物や物が多くの人に求められる状態をひっぱりだこ(引っ張り蛸、引張蛸)と言うが[859]、これは腕を竹串で張って干される干しダコの姿に由来するとされる[545][859]。また、近世以前は、「ひっぱりだこ」は磔刑およびその受刑者を意味する比喩表現であり、1687年の浮世草子『色道大皷』に見られる「三人の女房の敵おぼへたるかとひっはり蛸にして突通し捨ぬ」のように17世紀に用例が知られる[859]。前者の初出の実例は1802年の『俳諧觿』で、「引はり凧に風邪の流行医」の雑俳が知られる[859]。このように「引っ張り凧(引張凧)」と表記されることもある[859]。
大阪市北区中之島 (大阪府)の堂島川に面して生えていたクロマツは、タコが泳ぐ姿に似ていることから「蛸の松」という愛称で呼ばれている[860][861]。
腕に由来する表現
[編集]器物の足が蛸の足(腕)のような形になっているものや、1箇所からいくつも分岐している形をタコの腕に喩えて、蛸足(タコ足、たこあし)という[209][161]。特に1つのコンセントから多数のコードを引き、電気器具を接続することを蛸足配線という[161]。また、内燃機関において、等長化されたエキゾーストマニホールドは俗にタコ足と呼ばれる[862]。キャンパスが複数の箇所に分散している大学は蛸足大学と揶揄される[216]。腎臓の糸球体にある足細胞 (podocyte) は、数本の突起を放射状に毛細血管壁へ伸ばしていることから、「タコ足細胞」とも呼ばれている[863][864]。
また、古伊万里唐草に見られる、蔓に突起状の葉を加えた蛸の腕のような文様は、「蛸唐草」と呼ばれる[865]。
タコは自分の腕を食べるという逸話から、株主が自分の資本を食いつぶすことをそれに準えて、配当するだけの利益を上げていない株式会社が架空の利益を計上して資産から不当に株主へ配当することを「蛸配当」という[209][525][216][866]。「蛸配」や単に「蛸」ともいう[209][525][867]。また、自分の財産を食いつぶすことを「タコは身を食う」という[216]。
同様に自分の腕を食べるという逸話から、会食などで各自で持ち寄ったものを全て食べ終え、もう何も食べられるものがない状態を「タコの手食い」という[216]。
蛸壺に由来する表現
[編集]蛸を捕らえる蛸壺を元にした言葉もある。「蛸壺」は原義から転じ、戦場で兵士が一人だけ立ったまま潜み、そこから射撃できるように掘った塹壕を指す語としても用いられる[209][525]。
また、第二次世界大戦前に北海道や樺太の炭鉱に見られた、労働所を収容して重労働を強制した部屋を「蛸部屋(タコ部屋)」と呼ぶ[209][216]。これは蛸壺のタコのように抜け出せないことからと言われる[209][216][762]。蛸部屋は単に「蛸」とも呼ばれ、そこで働かされる人のことも「たこ」という[209][525][216][868]。
侮蔑語としてのタコ
[編集]「タコ」は、バカやアホに類する、相手を蔑む悪口にも用いられる[869][870]。この悪口の由来は諸説あり、江戸時代に将軍に謁見できない「御目見以下」である御家人のことを揶揄して旗本の子が「以下」と言ったことに対して、御家人の子が「タコ」と言い返したことから来た、という説明がなされることがある[870][871]。
野球では、安打が打てずに(凡打のみで)、凡退することを「タコ」という[216][869][872][873]。例えば、4打席4打数無安打の場合は「4タコ」と言う[874]。相手ピッチャーの手玉に取られ、骨抜きにされることを骨を持たない「タコ」に喩えたものだとされる[216][874]。
また、悪口、野球用語ともにタコは自分の腕を食べるという逸話に基づくという説もある[874][870]。
京都では「いけ好かない人」を「好かん蛸(すかんたこ)」という[875]。なお同じ語を大阪弁では「スカンタレ」という[875]。
麻雀においても、下手な人を「タコ」という[876][注釈 73]。同様に、自分の順位のことを考えないで和了ることを「タコ和了」、根拠なしにただ要らない牌を切っていくことを「タコツッパ」、考えが全くない副露を「タコ鳴き」という[876]。
その他
[編集]風呂に入ったり、酒に酔ったりして赤くなる様子を、茹でて赤くなったタコに喩えて「茹で蛸」と表現する[491][36]。「怒って茹で蛸になる」という表現も用いられる[491]。また、叱責する(される)ことを「蛸釣る(蛸吊る、たこつる)」、「蛸を釣る(章魚を釣る)」という[2][836][877][878][879][212]。これは叱られた者が茹で蛸を吊るしたように赤くなることからと考えられている[2]。兵舎の窓からおでん屋の煮蛸を釣り上げるところを見つかって叱られたことに起因するという談もある[2]。叱責されることを「たこつられた」や「たこ」ともいう[879]。もとは大阪の第四師団管下の兵卒の隠語として発生したといわれる[212]。
また「蛸釣(章魚釣り、たこつり)」は、先端に鉤を付けた竹竿で外から格子窓などを通じて室内の衣類などを盗み出すことを指す[209][525][880]。その犯人のこともいう[881]。似た語に「たこなり」があり、江差では窓から棒を利用して衣類を盗む賊をいう[882]。また持っているものを後ろから盗み取ることを蛸釣(たこつり)ということもある[883]。盗賊が住居に侵入するために使う縄梯子を「蛸」ということもある[884][885]。
大相撲の隠語で、思い上がって天狗になり、周囲の意見に聞く耳を持たなくなることを「タコになる」という[886][887][888][752]。自惚れて得意顔でいるが、他人からは卑しめられていることを「蛸の糞で頭へ上がる(たこのくそであたまへあがる)」という表現を用いる[209][161][538]。これは、タコの胴が頭と誤られていたので、糞が頭の方にあることから[538]。
大根の葉を「蛸巣(たこのす)」という[889]。富山県ではタコノテと呼ばれる[890]。
タコのようになるまで殴ることを俗に「タコ殴り」という[869]。また、痛めつけることを「タコ」といい、「タコにしたろか」などとして用いる[891]。
タコに因んだ生物
[編集]タコはまた、その姿に喩えて他の生物の和名にも用いられる。下記のものが挙げられる。
- タコノキ Pandanus boninensis などのタコノキ類(タコノキ目):単子葉植物。「蛸ノ木」の意で、茎の下部から気根斜めに出す様子をタコの腕に見立てたもの[525][892]。
- タコノアシ Penthorum chinense(ユキノシタ目):「蛸ノ足」の意で、花序に花が並んだ様子をタコの足(腕)に吸盤が並ぶ様子に見立てたもの[209][525][893]。
- タコヒトデ Plazaster borealis(マヒトデ目):22–39本のタコの腕を思わせる細長い腕を持つことから[894]。
- タコクラゲ Mastigias papua(根口クラゲ目):口腕と付属器が8本あり、外見がタコに似ていることから[895][896]。
タコノマクラ目の不正形ウニの1種であるタコノマクラ Clypeaster japonicus は、タコが枕にして寝るだろうという想像からの名であるとされる[209]。この名はかつてはヒトデ類を指し、『訓蒙図彙』などに用例がみられる[897]。その後クモヒトデ類やカシパン類を指したが、1883年の『普通動物学』で同属の Clypeaster subdepressus を指す和名として扱われた[897]。それが飯島魁 (1890)『中等教育 動物学教科書』により本種の名に用いられ、標準和名として広まった[897]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ なお、「八梢魚」は特にクモダコを表すとされる[12]。
- ^ なお、「章花魚」はイイダコとも読む[13]。
- ^ なお、「望潮魚」は普通イイダコを表すとされる[4][12]。
- ^ なお、「望潮」はシオマネキとも訓ずる[18]。
- ^ 1文字目「𠑃」は⿰亻⿱吉鳥。毛利梅園『梅園魚品図正』で臨海志を引用して[19]。
- ^ ラテン語の男性第2変化名詞は focus のように -us という語尾で終わり、複数形は foci のように -i で終わる[38]。octōpūs はギリシア語由来の第3変化名詞であり、これとは異なる変化を持つ。
- ^ ピグミー・オクトパスと呼ばれる Paroctopus digueti は外套長 74 mm、全長22 cm になる[55]。
- ^ 土屋 (2002, p. 94)では、最小クラスのものとして熱帯のピグミーオクトパスが外套長2 cm(センチメートル)程度で成熟するとされ、本種のことを指していると考えられる。
- ^ なお種小名の parvus はラテン語で「小さい」を意味する形容詞である[58]。
- ^ しかし、イカ類でもヤツデイカやタコイカの成体では触腕を失い、8本の腕を持つ[61][65]。
- ^ 腕の本数や[61]、鰭の有無には例外もある[72]。
- ^ 例外もあり、ヤワハダダコなどでは開眼となる[87]。
- ^ なお、本項における「マダコ」は日本近海のマダコ Octopus sinensis であることもあれば、地中海のチチュウカイマダコ Octopus vulgaris やアメリカ東海岸の Octopus americanus である場合も含まれると考えられる。何れも O. vulgaris 種群に含まれ、かつては汎存種とされていたが、近年は分類の整理が進み、隠蔽種が分離された[90]。元の出典でマダコや O. vulgais と表記されている種は、生息海域等により適宜正しいと考えられる方を用いているが、長らく同種とされてきたことからどちらか不明な曖昧もある。
- ^ 内側の縁歯とまとめて2対の縁歯を持つとされることもある[100]。
- ^ 省略した各部の略称は次の通り:r.s.g.d. 右の前唾腺管; s1g1d1 後唾腺管; r.s1g1d1 右の後唾腺管
- ^ ほかの軟体動物でも食道が食道神経環を貫いている[99]。
- ^ 省略した各部の略称は次の通り:m.s., e.m. 筋性の隔膜; m1, m.l., m.p., m.p.ex. 筋膜; P.C. 外套腔の後方連絡部; M.ep. 外套膜内面上皮; m.s.a. 隔膜の付属体; L.M. 側筋
- ^ 恐らく Octopus americanus。
- ^ Macrotritopus 属であることが示唆されている[201]。
- ^ 僧侶が蛸を食うことの隠語ともされる[210][211]。
- ^ ヒトでは高濃度の 7-DHC は、自傷行為を引き起こすスミス-レムリ-オピッツ症候群の原因物質であると考えられている[208]。
- ^ 種小名 mutilans は手足の切断を示すラテン語の分詞である[50]。
- ^ それに対し、イカの墨は拡散しにくく、墨の塊を「ダミー」として捕食者の眼を逸らせ、敵から逃げる[104][237]。
- ^ larger Pacific striped octopus(大型の太平洋シマダコ)または Harlequin octopus(道化ダコ)という英名から、池田 (2020, p. 110) で用いられた和名。
- ^ これは Young & Harman (1988) により提唱された用語である[86][320]。paralarva は定訳がなく、パララーバ[320]、稚仔、稚ダコ[185]、浮遊幼生[321]、仔稚期[322]などとも訳される。
- ^ ただし、Kröger et al. (2011) では八腕形上目の学名は Vampyropoda、有触毛亜目は Cirroctopoda、無触毛亜目は Octopoda となっている。また下記では、近年の分子系統解析で分離されるヒメイカ目を分離している。
- ^ かつては Stauroteuthidae Grimpe, 1916 と呼ばれる科を構成していたが、Verhoeff (2023) ではヒゲダコ科に内包される。また、瀧 (1999) ではこの種が「ジュウモンジダコ」と呼ばれた[79]。そのためこの科は和名ではジュウモンジダコ科と呼ばれたが[79][372][75]、ジュウモンジダコが Grimpoteuthis hippocrepium を指す和名となり[372]、ジュウモンジダコ属は Grimpoteuthis を指す[56]和名となったため、ジュウモンジダコ属やジュウモンジダコが所属しないにも拘わらずジュウモンジダコ科と呼ばれていた。
- ^ Sanchez et al. (2018) ではジュウモンジダコ属 Grimpoteuthis と Luteuthis はメンダコ科に内包されるが、Piertney et al. (2003) では、ジュウモンジダコ属 Grimpoteuthis と Luteuthis、Enigmatiteuthis の3属が Grimpoteuthidae に含められた[374][375]。Enigmatiteuthis は Grimpoteuthis に内包される[371]。
- ^ Sanchez et al. (2018)、Ibáñez et al. (2020) および Leite et al. (2021) による情報も加味している。
- ^ クラゲダコ科に含まれる3亜科は瀧 (1999) や 窪寺 (2013)、Norman et al. (2016) のように、旧来はクラゲダコ科、スカシダコ科 Vitreledonellidae Robson, 1932、フクロダコ科[373] Bolitaenidae Chun, 1911 と独立した科として扱われ、 Sanchez et al. (2018) でも踏襲されていたが、Strugnell et al. (2013) 以降の研究ではスカシダコ科、フクロダコ科を内包した1科として扱われることが多い[376][378][368]。この広義のクラゲダコ科は櫛歯族 Ctenoglossa と呼ばれることもあった[379][101][376]。
- ^ テナガヤワラダコ科 Idioctopodidae Iw. Taki, 1962 テナガヤワラダコ属 Idioctopus Iw. Taki, 1962 を内包し、クラゲダコとテナガヤワラダコは同種とされることもある[380]。
- ^ フクロダコ[381] Bolitaena microcotyla はシノニム[382]。
- ^ かつてはイイダコやテナガダコなど、本項でマダコ科とされる属の多くがマダコ属に含まれ、本項ではミズダコ科に置かれるミズダコでさえこの属に入れられていたが、分子系統解析の結果多系統であることが明らかとなった[39]。そのため分割され、Norman et al. (2016) などでは、マダコ近縁種群のみを含む属として扱われる[39]。しかし、このように取り扱うと、分子データのない種がどの属に含まれるか分からないほか、分類学的取扱いがなされていない種が生じるため、Norman et al. (2016) では所属不明の旧マダコ属を 'Octopus' と表記している[39]。
- ^ ワンダーパス[403]、ワンダーパス・オクトパス[91]とも。
- ^ Norman et al. (2016) では 'Octopus' minor とされるが、Kaneko et al. (2011) および Ibáñez et al. (2020) によりシマダコ属に内包されることが示されている。
- ^ テギレダコは 土屋 (2002) ではカクレダコ属 Abdopus に含められ、Abdopus mutilans とされた。Norman et al. (2016) では 'Octopus' mutilans とされる[410]。
- ^ かつてミズダコは Paroctopus に分類されたため、この属がミズダコ属と呼ばれたこともある[395]。
- ^ ほかにも日本近海の大卵性のクモダコ、ヤナギダコやオオメダコ、エンドウダコなどがこの属に分類されたが[417]、Norman et al. (2016) などではこれらは除外されている[418]。
- ^ 瀧 (1999) ではイッカクダコは Scaeurgus unicirrhus とされた[395]。
- ^ Strugnell et al. (2013)、Sanchez et al. (2018) および Leite et al. (2021) では解析に含まれていないが、Norman et al. (2016) に認められている。また、Sánchez-Márquez et al. (2022) の解析には含まれ、イッカクダコ属に近縁だとされる[424]。
- ^ 瀧 (1999) ではヤワハダダコ属は Berrya とされた[77]。
- ^ 瀧 (1999) ではセビロダコ属 Sasakinella に属し、Sasakinella eurycephala とされた[77]。
- ^ Norman et al. (2016) には収録されないが、日本では認識され[430]、独自のニハイチュウ相を持つ[142]。
- ^ 旧来マダコ科に含まれていたが、Strugnell et al. (2013) により独立させられた[384]。
- ^ 窪寺 (2013) では下記の種は全て Benthoctopus とされるが、この属は命名上の問題から Gleadall (2004) により Muusoctopus が設立され、Gleadall et al. (2010) により多くの種が本属に置き換えられた。
- ^ Gleadall et al. (2010) によりエゾダコの新参異名(ジュニアシノニム)とされたが、日本では普通独立種として扱われる[439][440][396]。
- ^ MolluscaBase は Gleadall et al. (2010) を引用し、Muusoctopus abruptus は Muusoctopus abruptus に組み替えられたとするが[443]、Gleadall et al. (2010) では言及されない。
- ^ 分子系統解析に基づくと、チヒロダコ属 Benthoctopus (=Muusoctopus) に内包される[445]。
- ^ 以下の種は何れも、かつてはパロクトプス属 Paroctopus とされていた。パロクトプス属も参照。
- ^ Norman et al. (2016) ではアマダコ 'Octopus' hongkongensis のシノニムとされるが[446]、日本では普通独立種とされ[448]、宿主特異性を持つニハイチュウ相も異なる[142]。
- ^ ワタゾコダコ Sasakiopus salebrosus が Bathypolypus 属に所属していたときは、本属がワタゾコダコ属と呼ばれた[77]。
- ^ ただし、Norman et al. (2016) では、佐々木望の記載したコシキワタゾコダコ Polypus validus Sasaki, 1920(=Bathypolypus validus (Sasaki, 1920)) はホッキョクワタゾコダコとワタゾコダコのどちらに近いのかはさらなる研究が必要とされる。
- ^ 多系統であることが示唆されている[362]。別の解析では単系統となることもある[450]。
- ^ Sanchez et al. (2018) では科を構成するほかの属とは異なる系統で、Velodona と姉妹群をなすことが示唆されている[362]。別の解析では、オオイチレツダコ属と姉妹群をなすこともある[450]。
- ^ Sanchez et al. (2018) では科を構成するほかの属とは異なる系統で、Thaumeledone と姉妹群をなすことが示唆されている[362]。別の解析では、本属と Adelieledone を除くほかの Megaleledonidae をまとめたクレードと姉妹群をなす[450]。
- ^ Strugnell et al. (2013) の解析には Aphrodoctopus Roper & Mangold, 1992 が含まれるが、Norman et al. (2016) では Eledone に内包され、Aphrodoctopus schultzei は E. schultzei として収録される[458]。
- ^ Sanchez et al. (2018) では側系統であることが示唆されている。
- ^ Norman et al. (2016) では Argonauta boettgeri は A. hians のシノニムとされる[459]。
- ^ 明石海峡以西の瀬戸内海でも、溝之口遺跡(加古川市)、大中遺跡(播磨町)、玉津田中遺跡・池上口ノ池遺跡(神戸市)などでも弥生時代の蛸壺が出土している[503]。
- ^ 麦藁蛸は新ダコや梅雨ダコとも呼ばれる[510]。
- ^ a b 蛸研究会により制定された7月2日のタコの日とは別に、三原観光協会により8月8日もタコの日として制定されている[515]。
- ^ ペンバ島近隣のミサリ島
- ^ この統計は、全国の漁業地区のうち、総水揚量が海面漁業生産量の約7割を占めるもののうち、対象品目ごとに上場水揚量の上位20漁業地区を選定し、そのうち調査該当品目が5品目以上ある漁業地区について調査されており、この調査区が便宜的に「漁港」として表示されている[642]。そのため、実際の「漁港」とは異なることに注意。
- ^ 原文では Octopus vulgaris であるが、細分化された O. vulgaris のうち、アメリカ大陸近海には O. americanus が分布する[90]。
- ^ 順にインドネシア、モーリタニア、モロッコがそれに次いで多いタコの漁獲量となっている[606]。
- ^ 沖縄のワモンダコは銛を使った漁でも漁獲される[679]。
- ^ 略してOCTPUS Actで「タコ法」
- ^ クレタ島イラクリオンにて紀元前1500年の地層より出土。ギリシャ、アテネ国立考古学博物館所蔵。
- ^ 蜛蝫は⿰虫居、⿰虫者
- ^ ヴェルヌの『海底二万里』に登場する頭足類はタコではなくイカだとされることもある[796]。
- ^ 『喜能会之故真通』は一般的には北斎作とされるが、美術史家の間での見解に差異があり、林美一や辻惟雄は、筆致が異なるとして北斎作ではなく、三女のお栄(葛飾応為)か門人渓斎英泉の作であろうという立場を取っている[833][834]。一方で浅野秀剛は画の緩みや弟子任せの箇所があったとしても部分的であり、北斎構想による高い完成度を示した作品であるとしている[835]。
- ^ 英語では rammer[851]及び punner[852] と呼ばれ、日本語でも「ランマー(ランマ[849]・ラマー・ラム)」や「プンナー」とも呼ばれることもある。
- ^ 漫画『ぎゅわんぶらあ自己中心派』でも「日本タコ友の会」が登場する。
出典
[編集]- ^ a b 奥谷 1988, pp. 253–254.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 前田 2005, p. 709.
- ^ a b 藤堂ほか 2011, p. 1396.
- ^ a b c d e f 奥谷 2002, p. 148.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『せたかむい』12月号 2004, p. 2.
- ^ a b 藤堂ほか 2011, p. 1826.
- ^ a b 藤堂ほか 2011, p. 1832.
- ^ a b c d e f g 加納 2007, p. 228.
- ^ 加納 2007, p. 227.
- ^ a b c d e f 杉本 2005, p. 385.
- ^ a b c 源順(承平)『和名類聚抄』
- ^ a b 平瀬徹斎 (1754)『日本山海名物図会』
- ^ 三省堂編修所(編)、1995年9月10日『何でも読める難読漢字辞典』三省堂、40頁。ISBN 4385135916。
- ^ a b c d 加納 2007, p. 72.
- ^ a b c 加納 2007, p. 190.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 神崎 1994, pp. 28–30, 異形とひとびとの想像力 タコの語源と伝説.
- ^ 井上頼圀 等(編)、1907年『難訓辞典』啓成社。
- ^ 三省堂編修所(編)、1995年9月10日『何でも読める難読漢字辞典』三省堂、38頁。ISBN 4385135916。
- ^ 下中 1994, p. 334.
- ^ a b 貝原益軒 (1699)『日本釈名』
- ^ a b 大槻文彦 (1932)『大言海』
- ^ 新井白石 (1717)『東雅』
- ^ 賀茂百樹 (1943)『日本語源』
- ^ 坂部甲次郎 (1962)『たべもの語源抄』
- ^ 吉田金彦 (2001)『語源辞典 動物編』
- ^ 松永貞徳 (1662)『和句解』
- ^ 和泉屋吉兵衛 (1835)『名言通』
- ^ 林甕臣 (1932)『日本語原学』
- ^ 菅泰翁(江戸後期)『紫門和語類集』
- ^ 大石千引 (1830–1834)『言元梯』
- ^ 『和語私臆鈔』
- ^ a b c d e f 『せたかむい』12月号 2004, p. 1.
- ^ a b c d e 奥谷 2002, p. 147.
- ^ ““八帶魚”字的解释 | 汉典” (中国語). www.zdic.net. 2021年6月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l カレッジ 2014, p. 10.
- ^ a b c d e f g h i j k l 千葉・荒俣 1988, p. 254.
- ^ モンゴメリー 2017, p. 7.
- ^ 田中 2002, p. 12.
- ^ a b c d e Norman et al. 2016, p. 40.
- ^ a b c d 土屋 2002, p. 6.
- ^ 佐々木 2008, pp. 86–95.
- ^ 佐々木 2010, p. 182.
- ^ 上島 2000, p. 169.
- ^ a b c d 佐々木 2010, p. 189.
- ^ a b c d 瀧 1999, p. 329.
- ^ a b c d 奥谷 2013, p. 3.
- ^ a b 奥谷 1994, pp. 21–23, 第1章.
- ^ a b c d e f g h 池田 2020, p. 28.
- ^ 奥谷 1994, p. 26, 第1章.
- ^ a b c d e f 土屋 2002, p. 94.
- ^ a b c d e f g h カレッジ 2014, p. 83.
- ^ a b “Largest octopus”. Guinness World Records Limited 2024. 2024年8月24日閲覧。
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 235.
- ^ 小野 2013, p. 176.
- ^ Norman et al. 2016, p. 160.
- ^ a b c d e f g h i j EVE CONANT, NGM STAFF(著)、黒田眞知(訳)「あなたの知らないオクトパス: 並外れた能力」『ナショナル ジオグラフィック日本版』第30巻第5号、日経ナショナルジオグラフィック、2024年5月、16–23頁。ISSN 1340-8399。
- ^ a b 小野 2013, p. 175.
- ^ 田中 2002, p. 204.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 157.
- ^ a b c d e f 広島大学生物学会 1971, Plate 80.
- ^ a b c d e f g h 佐々木 2010, p. 190.
- ^ a b c d e 池田 2020, p. 21.
- ^ a b c d e f 奥谷 2013, p. 6.
- ^ 小西 2010, p. 21.
- ^ 土屋 2002, p. 117.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 152.
- ^ Collins & Villaneuva 2006, p. 314.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 佐々木 2010, p. 192.
- ^ a b 池田 2020, p. 24.
- ^ a b 奥谷 2013, p. 7.
- ^ 土屋 2002, p. 46.
- ^ a b 瀧 1999, p. 331.
- ^ a b 池田 2020, pp. 25–26.
- ^ a b 池田 2020, p. 167.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 佐々木 2010, p. 56.
- ^ a b c d e f 土屋 2002, p. 87.
- ^ a b c d e f g h i j k 瀧 1999, p. 379.
- ^ a b c 土屋 2002, p. 119.
- ^ a b c d e f g h 瀧 1999, p. 374.
- ^ Jane J. Lee「タコの腕はなぜ絡まってしまわないのか」『ナショナルジオグラフィック』2014年5月16日。2014年5月17日閲覧。
- ^ 海遊館魚類担当飼育員 井上智子 (2022年6月25日). “吸着力が命 脱皮するマダコの吸盤”. 産経新聞. 産業経済新聞社. 2024年9月12日閲覧。
- ^ a b c 池田 2020, p. 17.
- ^ a b 池田 2020, p. 50.
- ^ a b c d e f g h 佐々木 2010, p. 250.
- ^ a b c d 土屋 2002, p. 123.
- ^ a b c d e 瀧 1999, p. 349.
- ^ a b c d e f g h i 瀧 1999, p. 350.
- ^ a b c 池田 2020, p. 155.
- ^ a b c d e 池田 2020, pp. 157–159.
- ^ a b c Avendaño et al. 2020, pp. 909–925.
- ^ a b c 窪寺 & 峯水 2014, p. 247.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 188.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 190.
- ^ a b 佐々木 2010, p. 214.
- ^ a b c d e f 佐々木 2010, p. 221.
- ^ a b c d e f g h 上島 2000, p. 183.
- ^ a b 小西 2010, p. 23.
- ^ a b c 瀧 1999, p. 336.
- ^ a b c d e f g h i 佐々木 2010, p. 222.
- ^ 巌佐ほか 2013, p. 585g.
- ^ a b c d 瀧 1999, p. 337.
- ^ a b c d e 瀧 1999, p. 339.
- ^ Kozloff 1990, pp. 447–462.
- ^ a b c d e f 佐々木 2010, p. 223.
- ^ a b 広島大学生物学会 1971, Plate 79.
- ^ a b 土屋 2002, p. 120.
- ^ 瀧 1999, p. 338.
- ^ a b c d 窪寺 & 峯水 2014, p. 241.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 225.
- ^ 土屋 2002, p. 93.
- ^ 島袋晃一、金城政樹、白瀬統星、大中敬子、仲宗根素子、大久保宏貴、赤嶺良幸、西田康太郎「タコ咬傷による難治性潰瘍を形成した3例」『整形外科と災害外科』第72巻第1号、2023年、112–114頁。doi:10.5035/nishiseisai.72.112。
- ^ a b c d e f g 瀧 1999, p. 353.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 242.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 226.
- ^ シュヴァイド 2014, p. 179.
- ^ a b 窪寺 & 峯水 2014, p. 256.
- ^ 佐々木 2010, p. 239.
- ^ a b c d e f g h i 佐々木 2010, p. 242.
- ^ a b 池田 2020, p. 30.
- ^ 池田 2020, p. 71.
- ^ a b 佐々木 2010, p. 243.
- ^ a b c 瀧 1999, p. 342.
- ^ a b c d カレッジ 2014, p. 184.
- ^ a b 池田 2020, p. 19.
- ^ 佐々木 2010, p. 211.
- ^ a b c 佐々木 2010, p. 212.
- ^ Kier 2016, pp. 6–8.
- ^ a b c d e 佐々木 2010, p. 237.
- ^ a b c Schmidt-Nielsen 1997, p. 117.
- ^ 佐々木 2010, p. 208.
- ^ シュヴァイド 2014, p. 18.
- ^ カレッジ 2014, p. 79.
- ^ 佐々木 2010, p. 203.
- ^ a b c 佐々木 2010, p. 206.
- ^ 巌佐ほか 2013, p. 988d.
- ^ a b 佐々木 2010, p. 233.
- ^ a b 瀧 1999, p. 341.
- ^ a b 古屋 1996, pp. 209–218.
- ^ カレッジ 2014, p. 80.
- ^ 古屋秀隆「中生動物ニハイチュウの形態と生活史の適応」『比較生理生化学』第21巻第3号、日本比較生理生化学会、2004a年、128–134頁。doi:10.3330/hikakuseiriseika.21.128。
- ^ 古屋 2010, pp. 128–134.
- ^ a b c d 古屋 2020, pp. 3–12.
- ^ 奥谷 2013, p. 2.
- ^ a b c d 佐々木 2010, p. 149.
- ^ 佐々木 2010, p. 175.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 92.
- ^ a b c Collins & Villaneuva 2006, p. 310.
- ^ a b c 奥谷 1994, p. 38, 第2章.
- ^ a b c d 佐々木 2010, p. 295.
- ^ a b c d e 土屋 2002, p. 8.
- ^ a b c d e f g 奥谷 2013, p. 8.
- ^ a b c d e f 瀧 1999, p. 354.
- ^ a b c d e “海の豆知識 Vol. 2 魚のことわざ〈その1〉”. 海洋生物環境研究所 (1999年12月1日). 2024年8月24日閲覧。
- ^ 窪寺 2014, p. 48.
- ^ a b c d e 奥谷 2013, p. 9.
- ^ 池田 2020, p. 18.
- ^ a b 土屋 2002, p. 9.
- ^ 佐々木 2010, p. 296.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, pp. 188–190.
- ^ a b 坂口 2013, p. 54.
- ^ a b c d e f g h i j k 新村 1998, p. 1641.
- ^ a b c d 土屋 2002, p. 104.
- ^ a b c 池田 2020, p. 73.
- ^ a b c d e f g 奥谷 2013, p. 23.
- ^ 池田 2020, p. 74.
- ^ Mather, J.A. (1991). "Navigation by spatial memory and use of visual landmarks in octopuses". J. Comp. Physiol. A. 168: 491–497. doi:10.1007/BF00199609. ISSN 0340-7594。
- ^ 池田 2020, p. 75.
- ^ a b c d 奥谷 2013, p. 14.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 120.
- ^ 荒俣 1994, p. 243.
- ^ a b c d e f g 石田 2017, pp. 56–58.
- ^ a b 神崎 1994, p. 114, 第7章.
- ^ 池田 2020, p. 82.
- ^ 土屋 2002, p. 100.
- ^ a b 瀬川 2013, p. 131.
- ^ a b 窪寺 & 峯水 2014, p. 265.
- ^ a b 池田 2020, p. 171.
- ^ 小野 2013, p. 173.
- ^ Huffard, C. L. (2006). "Locomotion by Abdopus aculeatus (Cephalopoda: Octopodidae): walking the line between primary and secondary defenses". J. Exp. Biol. 209 (19): 3697–3707. doi:10.1242/jeb.02435。
- ^ モンゴメリー 2024, p. 65.
- ^ 池田 2020, p. 172.
- ^ a b c 池田 2020, p. 39.
- ^ 池田 2020, pp. 40–41.
- ^ 水口 & 出月 2016, pp. 1–68.
- ^ a b c d 土屋 2002, p. 90.
- ^ 奥谷 1991, p. 28.
- ^ a b c 池田 2020, p. 65.
- ^ a b c 池田 2020, p. 66.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 219.
- ^ 池田 2020, p. 67.
- ^ カレッジ 2014, p. 220.
- ^ 上島 2000, p. 185.
- ^ a b 佐々木 2010, p. 229.
- ^ a b c d e f g h i j 瀧 1999, p. 351.
- ^ 巌佐ほか 2013, p. 585h.
- ^ a b 奥谷 1994, p. 43, 第2章.
- ^ 佐々木 2010, pp. 229–230.
- ^ 瀬川 2013, p. 138.
- ^ 土屋 2002, p. 121.
- ^ a b 佐々木 2010, p. 230.
- ^ a b c d Leite et al. 2021, p. 6.
- ^ a b 土屋 2002, p. 109.
- ^ a b 窪寺 & 峯水 2014, p. 210.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 39.
- ^ a b c d モンゴメリー 2024, p. 163.
- ^ Helena Kudiabor (2024年9月23日). “Octopuses and fish caught on camera hunting as a team”. Nature News. 2024年9月29日閲覧。
- ^ Sampaio, E.; Sridhar, V.H.; Francisco, F.A.; Nagy, M.; Sacchi, A.; Strandburg-Peshkin, A.; Nührenberg; Rosa, R et al. (2024). “Multidimensional social influence drives leadership and composition-dependent success in octopus–fish hunting groups”. Nat. Ecol. Evol.. doi:10.1038/s41559-024-02525-2.
- ^ a b c d e モンゴメリー 2024, p. 179.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 尚学図書 1981, p. 1547.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこのともぐひ【蛸の共食ひ】」『隠し言葉の字引』 (1929).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこのともぐい【蛸の共食い】」『符牒六千語 芸者からスリまで』 (1955).
- ^ a b c d e f g h i j k l 牧村 1979, p. 405.
- ^ a b 佐野 2013, p. 120.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 112.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 151.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 神崎 1994, pp. 44–46, タコを冠する ことばとことわざ.
- ^ a b Budelmann 1998, pp. 101–108.
- ^ a b c d e f g h 土屋 2002, p. 122.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 38.
- ^ a b c d e f g h 瀧 1999, p. 352.
- ^ a b 窪寺 & 峯水 2014, p. 269.
- ^ カレッジ 2014, p. 36.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 54.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 55.
- ^ a b 荒俣 1994, p. 256.
- ^ モンゴメリー 2017, p. 220.
- ^ 「サメを喰らうミズダコ | ナショジオ」(YouTube)、2020年4月17日。2023年11月29日閲覧。
- ^ ナショナル ジオグラフィック TV [@natgeotv_jp]「サメを襲うタコ」2019年8月8日。X(旧Twitter)より2023年11月29日閲覧。
- ^ a b 土屋 2002, p. 88.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 236.
- ^ モンゴメリー 2017, p. 81.
- ^ a b c Zullo & Impedadore 2019, pp. 193–199.
- ^ 野呂 2017, pp. 131–133.
- ^ 土屋 2002, p. 10.
- ^ “あわせて141本足!「多足ダコ」の標本展示再開”. 鳥羽水族館 (2012年4月29日). 2021年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月31日閲覧。
- ^ a b c d e 奥谷喬司 (2015年8月16日). “(3)【タコの墨と、イカの墨】この差って何?”. この差って何ですか?. TBSテレビ.html. 2024年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月11日閲覧。
- ^ a b c d e 土屋 2002, p. 92.
- ^ a b モンゴメリー 2017, p. 222.
- ^ モンゴメリー 2017, p. 232.
- ^ 奥谷 2013, p. 27.
- ^ a b c 奥谷 2013, p. 26.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 207.
- ^ a b c d e f 土屋 2002, p. 124.
- ^ a b c d e 土屋 2002, p. 101.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 96.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 73.
- ^ カレッジ 2014, p. 116.
- ^ カレッジ 2014, p. 119.
- ^ カレッジ 2014, p. 110.
- ^ a b 奥谷 1994, p. 98, 第6章.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 111.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 59.
- ^ カレッジ 2014, p. 105.
- ^ 土屋 2002, p. 108.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 175.
- ^ 土屋 2002, p. 112.
- ^ 池田 2020, p. 33.
- ^ カレッジ 2014, p. 107.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 50.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 51.
- ^ 土屋 2002, p. 126.
- ^ カレッジ 2014, p. 156.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 226.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 46.
- ^ “Octopus farming is immoral, given everything we know about this highly intelligent and solitary animal – Philip Lymbery”. 2022年11月25日閲覧。
- ^ シュヴァイド 2014, p. 44.
- ^ カレッジ 2014, p. 134.
- ^ 池田 2020, pp. 59–61.
- ^ a b c 池田 2020, p. 60.
- ^ Young, J.Z. (1963). "Some essentials of neural memory systems. Paired centres that regulate and address the signals of the results of action". Nature. 198 (626–630). doi:10.1038/198626a0。
- ^ 池田 2020, p. 59.
- ^ a b c d e 池田 2020, p. 61.
- ^ a b 池田 2020, p. 62.
- ^ 池田 2020, p. 63.
- ^ a b c d 池田 2020, p. 64.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 121.
- ^ カレッジ 2014, p. 136.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 138.
- ^ a b c 池田 2020, pp. 81–82.
- ^ カレッジ 2014, p. 154.
- ^ Finn, J. K.; Tregenza, T.; Norman, M. D. (2009). "Defensive tool use in a coconut-carrying octopus". Curr. Biol. 19 (23): R1069–R1070.
- ^ Gelineau, Kristen (2009-12-15). "Aussie scientists find coconut-carrying octopus". The Associated Press. 2009年12月15日閲覧。
- ^ Courage, Katherine Harmon (2009-12-14). "A tool-wielding octopus? This invertebrate builds armor from coconut halves". Scientific American. 2009年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ a b c d カレッジ 2014, p. 144.
- ^ 池田 2020, p. 144.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 145.
- ^ a b c d カレッジ 2014, p. 146.
- ^ a b c d e 池田 2020, p. 85.
- ^ Mather, J. A.; Anderson, R. C. (1999). "Exploration, Play, and Habituation in Octopuses (Octopus dofleini)". Journal of Comparative Psychology. 113 (3): 333–338. doi:10.1037/0735-7036.113.3.333。
- ^ カレッジ 2014, p. 147.
- ^ Kuba, M. J.; Byrne, R. A.; Meisel, D. V.; Mather, J. A. (2006). "When do octopuses play? Effects of repeated testing, object type, age, and food deprivation on object play in Octopus vulgaris". J. Comp. Psychol. 120 (3): 184–190. doi:10.1037/0735-7036.120.3.184。
- ^ a b 池田 2020, p. 86.
- ^ 池田 2020, pp. 87–88.
- ^ a b c Shamini Bundell (2023-06-30). “First glimpses inside octopus’s sleeping brains reveals human-like patterns”. Nature Video. doi:10.1038/d41586-023-02198-0 2023年7月2日閲覧。.
- ^ a b c Okinawa Institute of Science and Technology (OIST) Graduate University (2023年6月28日). “Octopus sleep is surprisingly similar to humans and contains a wake-like stage”. 2023年7月2日閲覧。
- ^ a b c Elizabeth Gibney (2023年6月28日). “Do octopuses dream? Neural activity resembles human sleep patterns”. 2023年7月2日閲覧。
- ^ 池田 2020, p. 106.
- ^ カレッジ 2014, p. 17.
- ^ 池田 2020, p. 107.
- ^ 池田 2020, p. 109.
- ^ a b c d 池田 2020, p. 110.
- ^ Moynihan, Martin (1982). The Behavior and Natural History of the Caribbean Reef Squid, Sepioteuthis Sepioidea, With a Consideration of Social, Signal, and Defensive Patterns for Difficult and Dangerous Environments. P. Parey. ISBN 9783489619369。
- ^ a b c 池田 2020, p. 111.
- ^ Scheel, D.; Chancellor, S.; Hing, M.; Lawrence, M.; Linquist, S.; Godfrey-Smith, P. (2017). "A second site occupied by Octopus tetricus at high densities, with notes on their ecology and behavior". Marine and Freshwater Behaviour and Physiology. 50 (4): 285–291. doi:10.1080/10236244.2017.1369851。
- ^ 池田 2020, p. 112.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 125.
- ^ 池田 2020, p. 119.
- ^ a b 池田 2020, pp. 115–116.
- ^ Edsinger, E.; Dölen, Gül (2018). "A Conserved Role for Serotonergic Neurotransmission in Mediating Social Behavior in Octopus". Current Biology. 28 (19): 3136–3142. doi:10.1016/j.cub.2018.07.061。
- ^ 大場 2015, pp. 102–103.
- ^ 大場 2015, p. 9.
- ^ a b 奥谷 2013, p. 15.
- ^ 大場 2015, p. 100.
- ^ a b c d 大場 2015, p. 103.
- ^ a b c d e f 大場 2015, p. 102.
- ^ Johnsen et al. 1999, pp. 113–114.
- ^ 瀧 1999, p. 346.
- ^ a b 池田 2020, p. 36.
- ^ 土屋 2002, p. 130.
- ^ a b 奥谷 2013, p. 20.
- ^ 水口 & 出月 2016, p. 76.
- ^ 奥谷喬司「頭足類の仔稚期 Paralarva とその周辺」『海洋と生物』第11巻第3号、1989年、192–195頁。
- ^ a b c 池田 2020, p. 37.
- ^ 奥谷 1991, p. 38.
- ^ 土屋 2002, pp. 129–130.
- ^ a b c 奥谷 1991, p. 39.
- ^ 大久保 1994, p. 58.
- ^ a b c d 佐々木 2010, p. 261.
- ^ 大久保 1994, p. 48.
- ^ a b c d e 佐々木 2010, p. 262.
- ^ a b c 土屋 2002, p. 107.
- ^ a b c d e f g h i j k 佐々木 2010, p. 263.
- ^ a b c d 巌佐ほか 2013, p. 452b.
- ^ a b c 奥谷 2013, p. 16.
- ^ a b 奥谷 1991, p. 35.
- ^ 瀧 1999, p. 344.
- ^ シュヴァイド 2014, p. 19.
- ^ 奥谷 1991, p. 36.
- ^ 窪寺 2014, p. 51.
- ^ 池田 2020, p. 23.
- ^ a b c 瀧 1999, p. 343.
- ^ a b c d e 池田 2020, p. 35.
- ^ a b 大久保 1994, p. 54.
- ^ a b 奥谷 2013, p. 21.
- ^ a b 土屋 2002, p. 128.
- ^ a b 土屋 2002, p. 129.
- ^ 大久保 1994, p. 52.
- ^ a b c d e 瀬川 2013, p. 130.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 201.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 205.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 232.
- ^ a b c 池田 2020, p. 38.
- ^ カレッジ 2014, p. 82.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 84.
- ^ a b c d e f 土屋 2002, p. 86.
- ^ カレッジ 2014, p. 258.
- ^ a b c 池田 2020, p. 16.
- ^ a b 瀧 1935, pp. 141–145.
- ^ a b 佐々木 2010, p. 54.
- ^ 池田 1890, pp. 479–482.
- ^ Kröger et al. 2011.
- ^ a b c d e Sanchez et al. 2018: e4331
- ^ 池田 2020, p. 15.
- ^ “Octopoda in WoRMS”. 2014年1月12日閲覧。
- ^ 小野 2013, p. 179.
- ^ a b c 瀧 1970, pp. 72–73.
- ^ a b c d e 奥谷 1988, p. 254.
- ^ a b Taite et al. 2023: 107729
- ^ 窪寺 2017, p. 1143.
- ^ a b 土屋 2002, p. 135.
- ^ a b c d e Verhoeff 2023, pp. 175–196.
- ^ a b c 窪寺 2013, p. 269.
- ^ a b c d e f 窪寺 2017, p. 1144.
- ^ Collins & Villaneuva 2006, p. 293.
- ^ Piertney et al. 2003, pp. 348–353.
- ^ a b c Strugnell et al. 2013, pp. 215–235.
- ^ Sutton et al. 2016, pp. 297–307.
- ^ Ibáñez et al. 2020, pp. 1–13.
- ^ Norman et al. 2016, p. 216.
- ^ “Idioctopus Iw. Taki, 1962”. UNESCO-IOC Register of Marine Organisms (URMO). 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b c d 瀧 1999, p. 377.
- ^ “Bolitaena microcotyla Steenstrup, 1886”. WoRMS. 2024年8月9日閲覧。
- ^ 窪寺 2017, p. 1145.
- ^ a b c d e 吉郷 2024, pp. 36–43.
- ^ a b Leite et al. 2008, pp. 63–74.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 101.
- ^ 窪寺 & 峯水 2014, p. 261.
- ^ 窪寺 2013, p. 218.
- ^ 窪寺 2013, p. 229.
- ^ 窪寺 2013, p. 231.
- ^ 窪寺 2013, p. 230.
- ^ 窪寺 2013, p. 228.
- ^ 窪寺 2013, p. 232.
- ^ 窪寺 2013, p. 233.
- ^ a b c d e f g 瀧 1999, p. 378.
- ^ a b c d e f 土屋 2002, p. 136.
- ^ Norman, M. D. (1992). "Ameloctopus litoralis gen. et sp. nov. (Cephalopoda: Octopodidae), a new shallow-water octopus from tropical Australian waters". Invertebrate Taxonomy. 6: 567–582. doi:10.1071/it9920567。
- ^ a b c 金子 & 窪寺 2007, pp. 38–43.
- ^ 奥谷 1994, p. 79.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 30.
- ^ 窪寺 2017, p. 1148.
- ^ a b c d モンゴメリー 2024, p. 29.
- ^ カレッジ 2014, p. 86.
- ^ 倉持 & 倉持 2019, pp. 110–112.
- ^ 窪寺 2013, p. 225.
- ^ 窪寺 2013, p. 224.
- ^ 池田 2020, p. 127.
- ^ 窪寺 2013, p. 226.
- ^ 窪寺 2013, p. 227.
- ^ a b Norman et al. 2016, p. 213.
- ^ Norman et al. 2016, p. 106.
- ^ “タイセイヨウテナガダコ(新称)”. デジタル図鑑 スリナム・ギアナ沖の甲殻類および軟体類. 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 開発調査センター. 2024年9月15日閲覧。
- ^ 奥谷 1994, p. 39.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 156.
- ^ シュヴァイド 2014, p. 10.
- ^ “メキシコマメダコ(新称)(Joubin's octopus)”. デジタル図鑑 スリナム・ギアナ沖の甲殻類および軟体類. 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 開発調査センター. 2024年9月16日閲覧。
- ^ 窪寺 2013, pp. 235–239.
- ^ Norman et al. 2016, p. 159.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 79.
- ^ Norman et al. 2016, pp. 166–167.
- ^ Norman et al. 2016, p. 135.
- ^ 窪寺 2013, p. 243.
- ^ 窪寺 2017, p. 1149.
- ^ Sánchez-Márquez et al. 2022, pp. 221–239.
- ^ 窪寺 2013, p. 241.
- ^ 窪寺 2013, p. 240.
- ^ Norman et al. 2016, p. 196.
- ^ Norman et al. 2016, p. 214.
- ^ 窪寺 2013, p. 213.
- ^ 窪寺 2013, p. 216.
- ^ 窪寺 2013, p. 217.
- ^ Norman et al. 2016, p. 215.
- ^ 窪寺 2013, p. 219.
- ^ Norman et al. 2016, p. 209.
- ^ 窪寺 2013, p. 221.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 8.
- ^ 窪寺 2013, p. 249.
- ^ 窪寺 2013, p. 250.
- ^ a b 窪寺 2013, p. 253.
- ^ a b c d e f g h i 窪寺 2017, p. 1150.
- ^ 窪寺 2013, p. 252.
- ^ 窪寺 2013, p. 251.
- ^ “source details: Gleadall I.G., Guerrero-Kommritz J., Hochberg F.G. & Laptikhovsky V.V. (2010) The inkless octopuses (Cephalopoda: Octopodidae) of the Southwest Atlantic. Zoological Science 27:528-553.”. MolluscaBase. 2024年9月14日閲覧。
- ^ a b カレッジ 2014, p. 21.
- ^ Strugnell, J,; Voight, J.R.; Collins, P.C.; Allcock, A.L. (2009). "Molecular phylogenetic analysis of a known and a new hydrothermal vent octopod: their relationship with the genus Benthoctopus (Cephalopoda: Octopodidae)". Zootaxa. 2096: 442–459. doi:10.11646/zootaxa.2096.1.27。
- ^ a b Norman et al. 2016, p. 210.
- ^ Gleadall 2004, pp. 99–112.
- ^ 窪寺 2013, p. 220.
- ^ 窪寺 2013, p. 248.
- ^ a b c Díaz-Santana-Iturrios et al. 2019: e8118
- ^ a b c d 窪寺 & 奥谷 1993, pp. 70–71.
- ^ Norman et al. 2016, pp. 148–149.
- ^ Norman et al. 2016, p. 162.
- ^ 窪寺 2013, p. 255.
- ^ 窪寺 2013, p. 254.
- ^ a b 守安 1984, pp. 189–192.
- ^ 『トルコ共和国水産資源調査報告書』(レポート)国際協力事業団、1993年11月 。2024年8月7日閲覧。
- ^ Norman et al. 2016, p. 121.
- ^ Norman et al. 2016, p. 232.
- ^ 荒俣 1994, p. 255.
- ^ 瀧 1999, p. 380.
- ^ a b Fuchs & Günter 2018, pp. 203–217.
- ^ a b Fuchs et al. 2019, pp. 31–92.
- ^ a b Fuchs et al. 2009, pp. 65–81.
- ^ a b 土屋 2023, pp. 130–131.
- ^ a b c d カレッジ 2014, p. 14.
- ^ Kluessendorf, J.; Doyle, P. (2000). "Pohlsepia mazonensis, An Early 'Octopus' From The Carboniferous Of Illinois, USA". Palaeontology. 43 (5): 919–926. doi:10.1111/1475-4983.00155。
- ^ Klug, C.; Landman, N. H.; Fuchs, D.; Mapes, R. H.; Pohle, A.; Guériau, P.; Reguer, S.; Hoffmann, R. (2019). "Anatomy and evolution of the first Coleoidea in the Carboniferous". Communications Biology. 2: 280. doi:10.1038/s42003-019-0523-2。
- ^ Whalen, C. D.; Landman, N. H. (2022). "Fossil coleoid cephalopod from the Mississippian Bear Gulch Lagerstätte sheds light on early vampyropod evolution". Nature Communications. 13: 1107. doi:10.1038/s41467-022-28333-5。
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 43.
- ^ a b c d e f g h i 畑中 1994, p. 82.
- ^ 山我哲雄「旧約聖書とユダヤ教における食物規定(カシュルート)」『宗教研究』第90巻第2号、2016年、183–207頁。doi:10.20716/rsjars.90.2_183。
- ^ a b c d e f カレッジ 2014, p. 54.
- ^ a b 奥谷 2013, p. 25.
- ^ a b c d e f g h i j k l “「明石だこ」と半夏生”. 明石商工会議所. 2024年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e 四釜裕子、長尾美穂、内山さつき『12か月のきまりごと歳時記 五感でたのしむ季節の事典』〈現代用語の基礎知識 2008年版別冊付録〉、株式会社自由国民社、2008年1月1日、65頁。
- ^ a b c “たこザンギ”. 公益社団法人 北海道栄養士会. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c 小西 2010, p. 206.
- ^ 小西 2010, p. 217.
- ^ 小西 2010, p. 212.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 57.
- ^ a b c d e f g 畑中 1994, p. 83.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 55.
- ^ a b c “食べ物のタコ、イカにまつわることわざやそれを詠んだ和歌、俳句、川柳などがあれば何でも知りたい”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館 (2011年4月1日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 神崎 1994, p. 128, 第8章.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 荒俣 1994, p. 245.
- ^ a b c “蛸(たこ)のゆで方”. 伯方塩業. 2012年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月6日閲覧。
- ^ 神崎 1994, p. 126, 第8章.
- ^ “タコの茹で方”. 伯方塩業株式会社. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 荒俣 1994, p. 247.
- ^ a b c 「茹で蛸」『デジタル大辞泉』 。コトバンクより2024年8月27日閲覧。
- ^ “かつては悪魔の魚と呼ばれていたタコ 今では世界の人気食材に”. umito.. マルハニチロ. 2024年8月24日閲覧。
- ^ a b 神崎 1994, p. 127, 第8章.
- ^ a b c d 池田 2020, p. 13.
- ^ 奥谷 1991, pp. 27–28.
- ^ a b c d 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 283.
- ^ a b c 石田 & 遠藤 2003, pp. 27–48.
- ^ 鈴木 1978, p. 9.
- ^ 武田 2013, p. 184.
- ^ a b 坂口 2013, p. 42.
- ^ 小野 2013, pp. 161–164.
- ^ a b c d e f g h i 奥谷 2013, p. 22.
- ^ a b 神崎 1994, p. 112, 第7章.
- ^ “大阪湾の生き物カタログ マダコ”. 大阪府立環境農林水産総合研究所. 2014年1月12日閲覧。
- ^ a b 神崎 1994, p. 113, 第7章.
- ^ a b c d e f g “たこ飯 三重県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 鈴木 1988, p. 254.
- ^ a b c d e f g 神崎 1994, p. 129, 第8章.
- ^ 神崎 1994, p. 123, 第8章.
- ^ a b c d e f g h i 神崎 1994, p. 132, 第8章.
- ^ a b c d “「半夏生」ってどんな日か知ってる? 関西で半夏生にタコを食べる人が多い理由”. ウェザーニュース (2024年7月1日). 2024年8月23日閲覧。
- ^ 『序章 大阪エコライフ(魚庭(なにわ)の水編)』(レポート)大阪府 。2024年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 神崎 1994, pp. 62–64, タコのいぼも信心から タコと信仰.
- ^ 武田 2013, p. 192.
- ^ a b “【特集】名物!たこと地酒”. 三原観光navi. 一般社団法人 三原観光協会. 2024年9月14日閲覧。
- ^ a b “たこめし 愛媛県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 小西 2010, p. 208.
- ^ a b c d e f 平野 2000, p. 212.
- ^ a b c d e カレッジ 2014, p. 11.
- ^ 小西 2010, p. 214.
- ^ a b c 奥谷 1991, p. 27.
- ^ a b 神崎 1994, p. 124, 第8章.
- ^ a b c d e f g 池田 2020, p. 11.
- ^ a b 神崎 1994, p. 133, 第8章.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 新村 1998, p. 1642.
- ^ 神崎 1994, p. 135, 第8章.
- ^ 神崎 1994, p. 134, 第8章.
- ^ a b c d 神崎 1994, p. 131, 第8章.
- ^ “たこめし 兵庫県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “たこ飯 愛知県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b “たこめし 広島県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b “たこめし 岡山県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e “たこ飯 熊本県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c “たこ飯”. 食育ネットあいち. 農業水産局農政部食育消費流通課. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 神崎 1994, pp. 131–132, 第8章.
- ^ “蛸もみうり 奈良県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 小西 2010, p. 211.
- ^ a b c d e f g h i j 大久保 & 木下 2014, p. 594.
- ^ “いもたこ 香川県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 土屋 2002, p. 99.
- ^ a b 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 279.
- ^ a b c d e f 水産技術センター. “干しダコの作りかた”. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “下津井のたこ・干しだこ”. 岡山観光WEB. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c “海産物_たこ”. 鳥羽磯部漁業協同組合. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c “ひっぱりだこ”. 日間賀島観光ナビ. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 瀬川 2013, p. 132.
- ^ 土屋 2002, p. 84.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 荒俣 1994, p. 246.
- ^ a b “タコのホルモン!?「タコの道具」知ってますか?見た目のインパクト大!その味と食感を大学生が体験”. ATV (2023年2月21日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b カレッジ 2014, p. 181.
- ^ 小西 2010, p. 144.
- ^ “Jjukkumi Bokkeum: Stir-Fried Baby Octopus”. Gwangju News (2021年3月10日). 2024年9月13日閲覧。
- ^ “Octopus Porridge (Muneo-juk)”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ Ho, Chuan-Wen; Cheng, Chen-Cheng; Lu, Chung-Cheng (2006年). "Species complex of Octopus minor (Cephalopoda: Octopodidae) from Taiwan waters, including two new species" (PDF). Cephalopod International Advisory Council Symposium 2006: 36.
- ^ a b Chiamer (2019年2月14日). “在地澎湖味─石鮔燉排骨湯”. 上下游News&Market. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 荒俣 1994, p. 244.
- ^ “白灼章魚 bái zhuó zhāng yú [ゆでだこ]”. 世界の食べ物. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b 神崎 1994, p. 10, はじめに.
- ^ a b “Adobong pugita”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 冨田竹二郎、赤木攻(編)『タイ日大辞典 改訂版』株式会社めこん、819頁。ISBN 978-4839603342。
- ^ “Pla muek yang”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b Pita et al. 2021: 105820
- ^ a b 池田 2020, p. 212.
- ^ カレッジ 2014, pp. 22–24.
- ^ カレッジ 2014, p. 25.
- ^ 速水裕樹 (2016年8月31日). “伊サンタルチアの伝統料理 タコのマリネ ポルピ・アッラ・ルチャーナ”. 産経新聞. 産業経済新聞社. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Polpo alla luciana”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b 神崎 1994, p. 137, 第8章.
- ^ カレッジ 2014, p. 256.
- ^ “Polpi in purgatorio”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Cucina molisana Ricette della Cucina molisana”. 池ノ上のイタリアン「ペペロッソ(PepeRosso)」 (2019年3月15日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Polvo à Lagareiro”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Quarnita-bit-tewm”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Salade de poulpe”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ パウエル中西裕一 (2021年9月3日). “キリスト教の原点「ギリシャ正教」ってどんな宗教?”. 幻冬舎plus. 幻冬舎. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “正教について 第七章”. ルーマニア観光局. 2024年9月13日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 62.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 65.
- ^ “Grilled Octopus (Chtapodi sti schara)”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 鈴木董『世界の食文化―⑨ トルコ』農山漁村文化協会、2003年10月23日、95頁。ISBN 4540032186。
- ^ Rémillard, François (2000年). New York City 2000-2001. Ulysses Travel Guides. ISBN 978-2-89464-236-8。
- ^ a b “Štokalj s jajima”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b “Sušeni štokalj”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b “Hobotnica na novaljski”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Octopus under the bell (Hobotnica ispod peke)”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Octopus salad (Salata od hobotnice)”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Pijana hobotnica”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 川村明子・室田万央里 (2019年7月2日). “スープもタコのクスクスも濃厚。太陽のようなチュニジア食堂「Tounsia」”. 朝日新聞デジタル. 2024年8月23日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 9.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 20.
- ^ Valeria Necchio (2017年). “Folpetti Recipe”. Great Italian Chefs. 2024年8月23日閲覧。
- ^ 瀧 1999, p. 330.
- ^ a b 池田 2020, p. 91.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 44.
- ^ a b c d Guard & Mgaya 2002, pp. 528–536.
- ^ a b 竹村 2004, pp. 31–65.
- ^ 藤本麻里子「ザンジバルの漁村で出会える極上おやつ (PDF)」『フィールドで出会う風と人と土』総合地球環境学研究所、2017年、65–70頁。
- ^ 『セーシェル共和国』(レポート)外務省、7頁 。2024年8月23日閲覧。
- ^ 青木ゆり子. “モーリシャスの料理”. e-food.jp. 2024年8月23日閲覧。
- ^ Chef Papounet. “Vindaye ourite mauricien”. Chef Simon.com. 2024年8月23日閲覧。
- ^ a b “Kari koko zourit”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ Masters, Tom (2006年). Maldives. Lonely Planet. ISBN 978-1-74059-977-1。
- ^ “Miruhulee boava”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 土屋 2002, p. 96.
- ^ a b c d e f g カレッジ 2014, p. 46.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r Willer et al. 2023, pp. 179–189.
- ^ “Kadon gamson”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 16.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 60.
- ^ カレッジ 2014, p. 255.
- ^ “Octopus in Almond Sauce (Pulpo almendrado)”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c “Octopus”. Instituto Brasil a Gosto. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 小西紀郎(著)「ペルー海岸地域」。山本紀夫(編)『世界の食文化⑬ 中南米』農山漁村文化協会、2007年3月15日、173–181頁。ISBN 978-4-540-07001-3。
- ^ “Octopus ceviche (Ceviche de pulpo)”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Anticuchos de pulpo”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “Chicharrón de pulpo”. tasteatlas. AtlasMedia Ltd.. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “自分で食べるだけなら・・・レジャー感覚でも「密漁」に!?知っておきたい遊漁のルール”. 政府広報オンライン (2023年8月1日). 2024年9月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 奥谷 2013, p. 24.
- ^ a b c d e “水産物流通調査(2023年)1産地上場水揚量・卸売価格(147漁港)(2)漁港別品目別上場水揚量・卸売価格”. 水産物流通調査. 水産庁. 2024年9月13日閲覧。
- ^ 佐野 2013, p. 93.
- ^ a b c 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 271.
- ^ a b 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 282.
- ^ a b 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 277.
- ^ “羽幌町 北海道の漁港”. 北海道漁港漁場協会. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “「釣りをする。」”. 羽幌町観光協会. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “落石漁協の概要”. 落石漁業協同組合. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “「金たこ」今季初出荷 歯舞漁協 ブランド化目指す”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2024年8月10日). 2024年9月13日閲覧。
- ^ 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 281.
- ^ a b c d 神崎 1994, p. 104, 第7章.
- ^ a b c 神崎 1994, p. 106, 第7章.
- ^ 池田 2020, p. 12.
- ^ a b c 武田 2013, p. 182.
- ^ “海賊気分で明石海峡を周遊 旧たこフェリー乗り場発着、16日就航”. 神戸新聞NEXT. 神戸新聞社 (2021年7月16日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ 武田 2013, p. 193.
- ^ “夏においしい“常磐もの” 別名…デビルフィッシュ? 豆知識と共に海の恵みを召し上がれ【福島県】”. 中テレNEWS NNN (2024年7月16日). 2024年9月12日閲覧。
- ^ a b “「ふくしま常磐もの」を知る、出張レポート <相馬編>”. さかな通信 by UOPOCHI (2019年10月31日). 2024年9月12日閲覧。
- ^ “2006 福島県の漁港”. 福島県 (2006年). 2024年9月12日閲覧。
- ^ “ミズダコ初水揚げ 全国的に有名な宮城・南三陸町”. khb東日本放送 (2023年7月3日). 2024年9月12日閲覧。
- ^ “「西の明石、東の志津川」といえば_マダコ_初水揚げ 「順調に大きく育ってる」大ぶりマダコが次々続々、地元は豊漁に期待 宮城・南三陸町”. TBS NEWS DIG. JNN (2023年11月2日). 2024年9月12日閲覧。
- ^ “涼を呼ぶ 酸味で食す極上タコ”. ごはんジャパン. テレビ朝日 (2015年7月11日). 2024年9月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 神崎 1994, pp. 117–120, 日間賀島の蛸祭り タコの神事.
- ^ “産地水産物調査概要”. 水産物流通調査. 水産庁. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “平成15年水産物流通統計年報”. e-Stat 政府統計の総合窓口. 独立行政法人統計センター. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “水産物流通調査(2013年)1産地上場水揚量・卸売価格(211漁港)(2)漁港別品目別上場水揚量・卸売価格”. 水産物流通調査. 水産庁. 2024年9月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g カレッジ 2014, p. 45.
- ^ a b c d 竹内ほか 2004, p. 192.
- ^ a b 武田 2013, p. 189.
- ^ a b c 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 272.
- ^ a b c d e f g h i 神崎 1994, p. 110, 第7章.
- ^ a b c d e 神崎 1994, p. 109, 第7章.
- ^ a b Norman & Finn 2016, p. 11.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n FAO 2016, pp. 15–17.
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 18.
- ^ a b c d e 神崎 1994, p. 116, 第7章.
- ^ a b c d e f g h カレッジ 2014, p. 48.
- ^ a b c d カレッジ 2014, p. 49.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 26.
- ^ カレッジ 2014, p. 27.
- ^ a b c d e f g h カレッジ 2014, p. 47.
- ^ a b c d e 畑中 1994, p. 85.
- ^ 畑中 1994, p. 84.
- ^ 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』光文社、2017年、246頁。ISBN 978-4-334-03989-9。
- ^ a b c d e 畑中 1994, p. 86.
- ^ a b c d e f “【モーリタニア】実は日本から伝わった!? モーリタニアのタコ漁”. ちきゅうラジオ. NHK (2024年1月21日). 2024年8月24日閲覧。
- ^ a b 『政府開発援助(ODA)国別データブック 2012』(PDF)(レポート)外務省、659–665頁 。2024年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 神崎 1994, p. 108, 第7章.
- ^ a b c d e f g 塚本 2014, pp. 45–56.
- ^ a b c d 秋道智彌「漁具―海のアートを探る (PDF)」『月刊みんぱく』第46巻第10号、国立民族学博物館、2022年10月1日、6–7頁。
- ^ 『ミクロネシア連邦水産業の現状』(レポート)農林水産省、4頁 。
- ^ a b c d e 川上 1975, pp. 143–147.
- ^ 畑中 1994, p. 89.
- ^ a b c 佐野ほか 2017, pp. 361–366.
- ^ a b c d e f カレッジ 2014, p. 19.
- ^ カレッジ 2014, pp. 19–20.
- ^ a b c d 平野 2000, p. 50.
- ^ a b “イイダコ漁獲量、10年前の1割以下に激減…釣り客にも注意呼びかけ”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2020年10月5日). 2020年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月11日閲覧。
- ^ 小西 2010, p. 139.
- ^ 小西 2010, p. 163.
- ^ a b 小野 2013, p. 161.
- ^ 小西 2010, p. 161.
- ^ 小野 2013, p. 168.
- ^ 小野 2013, p. 163.
- ^ a b 安東 2023, pp. 10–13.
- ^ a b c “ヤナギダコ:たこ漁業(やなぎだこ空釣り縄)”. 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 水産研究本部 (2013年3月1日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ a b c d 北海道立水産試験場研究員 1991, p. 278.
- ^ 神崎 1994, p. 107, 第7章.
- ^ a b ““塩を吹きかけ捕まえる”「マメダコ」漁が シーズン 五島市”. 長崎 NEWS WEB. NHK (2023年9月19日). 2023年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月11日閲覧。
- ^ 神崎 1994, p. 111, 第7章.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 257.
- ^ シュヴァイド 2014, p. 103.
- ^ カレッジ 2014, p. 85.
- ^ a b c 池田 2020, p. 216.
- ^ 坂口 2013, p. 49.
- ^ a b c d e 池田 2020, p. 214.
- ^ a b c 伊丹ほか 1963, pp. 514–520.
- ^ a b 竹内ほか 2004, p. 352.
- ^ a b c d 池田 2020, p. 215.
- ^ Iglesias, J.; Otero, J.J.; Moxica, C.; Fuentes, L.; Sánchez, F.J. (2004年). "The Completed Life Cycle of the Octopus (Octopus vulgaris, Cuvier) under Culture Conditions: Paralarval Rearing using Artemia and Zoeae, and First Data on Juvenile Growth up to 8 Months of Age". Aquaculture International. 12: 481–487. doi:10.1023/B:AQUI.0000042142.88449.bc。
- ^ “日本水産、マダコの完全養殖の技術構築に成功”. 日本経済新聞 (2017年6月8日). 2024年8月23日閲覧。
- ^ “日本水産、世界で類を見ない「マダコの完全養殖」に成功”. ITmedia ビジネスオンライン (2017年6月8日). 2024年8月30日閲覧。
- ^ a b 脇本哲朗 (2020年8月13日). “タコの養殖が商業的に成功していないワケ 技術自体は確立されている?”. TSURINEWS. 株式会社週刊つりニュース. 2024年7月27日閲覧。
- ^ a b c d e 池田 2020, p. 217.
- ^ a b 池田 2020, p. 218.
- ^ “First Octopus Farms Get Growing”. 2015年6月16日閲覧。
- ^ “世界初のタコ養殖場がオープンしたというニュースに「知性を持つ生き物が食用に養殖されるべきではない」と科学者が落胆”. GIGAZINE (2021年12月21日). 2024年7月27日閲覧。
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 178.
- ^ Low, P. (2012年7月7日). The Cambridge Declaration on Consciousness. Proceedings of the Francis Crick Memorial Conference (PDF). Churchill College, Cambridge University. pp. 1–2. 2024年9月14日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 177.
- ^ “Review of the Evidence of Sentience in Cephalopod Molluscs and Decapod Crustaceans” (PDF). 2021年12月27日閲覧。
- ^ a b “The world's first octopus farm - should it go ahead?”. 2021年12月27日閲覧。
- ^ “World's first octopus farm proposals alarm scientists”. 2023年3月26日閲覧。
- ^ “Whitehouse, Murkowski Introduce Bipartisan Bill Banning Commercial Octopus Farming” (英語). Senator Sheldon Whitehouse. 2024年9月28日閲覧。
- ^ “世界で需要増加も…米で「タコ養殖禁止法」成立 ナゼ?”. 日テレNEWS NNN. 日本テレビ (2024年9月28日). 2024年10月6日閲覧。
- ^ “タコの養殖を禁止する「オクトパス法案」がアメリカ議会に提出される、「タコに自由を」と科学者”. GIGAZINE (2024年7月26日). 2024年7月27日閲覧。
- ^ “Washington State Prohibits Octopus Farming: A Major Victory for Animals”. 2024年3月21日閲覧。
- ^ 日本テレビ. “タコ養殖反対派の急先鋒 米・マイアミ大学ジャクエット教授に聞く|日テレNEWS NNN”. 日テレNEWS NNN. 2024年9月28日閲覧。
- ^ “「知的な生物」米カリフォルニア州でタコ養殖禁止法が成立「社会的な絆を大切にする」”. 産経新聞. 産経新聞社 (2024年10月3日). 2024年10月6日閲覧。
- ^ “Octopus Farming Ban Introduced in California”. 2024年2月23日閲覧。
- ^ a b 鈴木 1978, p. 7.
- ^ “マダコ|常設展示|展示・館内紹介”. 海遊館. 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b “マダコ - いきもの紹介”. 四国水族館. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “ミズダコを展示しています”. 海遊館 (2015年2月19日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ “「吸盤くっついた」 ミズダコ触って観察、むろみん水族館”. Webむろみん 電子版. 室蘭民報社 (2023年6月5日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b “水族館にミズダコ専門館、1億2000万円で建設した施設は巨大なタコが侵入してくるデザイン”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2024年1月29日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “Octopus”. SEA LiFE London Aquarium. 2023年11月22日閲覧。
- ^ “Octopus”. SEA LiFE Paris. 2023年11月22日閲覧。
- ^ Wolfgang_Slany (2023年9月18日). “Octopus vulgaris cognitive expriment tank in Austria (Europe)”. TONMO: The Octopus News Magazine Online. 2023年11月22日閲覧。
- ^ “California Two-spot Octopus”. Online Learning Center. Aquarium of the Pacific. 2024年8月28日閲覧。
- ^ 森滝丈也 (2022年1月25日). “ヒョウモンダコを展示しています”. 鳥羽水族館 飼育日記. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “貝かぶったタコ 貴重なお披露目 「アオイガイ」・新潟の水族館”. 毎日新聞 (2019年11月8日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ 森滝丈也 (2016年9月27日). “タコブネを展示しました”. 鳥羽水族館 飼育日記. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “沼津港深海水族館が”メンダコ”展示の世界記録更新中 カメラを向け続けると死ぬくらい繊細、記録更新の秘訣は?”. ねとらぼ (2016年7月1日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ 株式会社サンシャインシティ (2022年3月15日). “サンシャイン水族館飼育「メンダコ」死亡のお知らせ 国内最長展示76日間”. PR TIMES. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “世界初! メンダコが孵化する瞬間の撮影に成功!! 葛西”. 東京ズーネット (2020年8月20日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ “いわき市の水族館の「オオメンダコ」飼育が国内最長記録を更新”. 福島 NEWS WEB. NHK (2023年12月21日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b c d e カレッジ 2014, p. 73.
- ^ Wajeeha Malik (2016年4月19日). “水族館脱走タコ、愛嬌ある性格で人気の若者だった”. ナショナルジオグラフィック日本版. 2024年8月7日閲覧。
- ^ a b c d e f カレッジ 2014, p. 180.
- ^ モンゴメリー 2024, p. 70.
- ^ “タコのように曲がり吸盤を駆使する触手ロボット ハーバード大など開発”. ITmedia NEWS (2020年6月10日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ “タコの吸盤を模倣したロボットハンド”. 関西大学システム理工学部 機械工学科 ロボット・マイクロシステム研究室. 2024年8月29日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 123.
- ^ a b カレッジ 2014, p. 124.
- ^ カレッジ 2014, p. 127.
- ^ a b c d 鈴木 1978, p. 8.
- ^ 奥谷 1994, p. 35, 第2章.
- ^ “蛸;タコ,鉢巻き;ハチマキ”. 怪異・妖怪画像データベース. 国際日本文化研究センター. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “タコ滑り台の「聖地」足立区、誕生のきっかけは区担当者の「頭をつけてタコにしろ」”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2022年5月2日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ “タコ遊具がある公園”. 北九州市. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 池田 2020, p. 3.
- ^ a b “「酢だこ」の意味・いわれ”. おせちの豆知識 - 郵便局のネットショップ. 日本郵政グループ. 2024年8月24日閲覧。
- ^ a b c “若元春が初の無傷5連勝 染め抜きのデザインを「蛸」に 凧のように舞い上がる?/夏場所”. サンケイスポーツ. 産業経済新聞社 (2023年5月18日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c カレッジ 2014, p. 68.
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 20.
- ^ 奥谷 1994, p. 96, 第6章.
- ^ a b “20世紀の戦争プロパガンダ地図12点、敵はタコ”. ナショナルジオグラフィック日本版 (2016年10月6日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “授業で使える当館所蔵地図 ・ No.11 『滑稽欧亜外交地図』” (pdf). 岐阜県図書館. 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b モンゴメリー 2024, p. 33.
- ^ a b c d e f モンゴメリー 2017, p. 14.
- ^ a b 荒俣 1994, p. 248.
- ^ Hamilton, Robert (1839年). The Naturalist's Library. Vol. 25.
- ^ a b c d e 荒俣 1994, p. 249.
- ^ Dixon, Roland Burrage [in 英語] (1916年). The Mythology of All Races - Oceanic -. Vol. 9. Marshall Jones. p. 15.
- ^ a b c d e f g 荒俣 1994, p. 252.
- ^ a b c d e f g h i j k l 広川英一郎(著)「たこ【蛸、章魚】」『日本怪異妖怪大事典』小松和彦 監修、東京堂出版、2013年7月20日、343–344頁。ISBN 978-4490108378。
- ^ “所蔵資料紹介 Vol.2 滑川の大蛸”. 滑川市. 滑川市役所 (2024年1月24日). 2024年9月9日閲覧。
- ^ a b 北條令子「海と山の妖怪話」『香川の民俗』第通巻44号号、香川民俗学会、1985年、4頁。
- ^ a b c d 水木しげる『水木しげるの妖怪事典』東京堂出版、1981年8月30日、72頁。ISBN 449010149X。
- ^ a b c d e f “明石の大ダコ 三郎左衛門の知恵”. 兵庫県立歴史博物館. 兵庫県教育委員会. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “蛸配り帳 - 新潟県の昔話”. 民話の部屋. 2024年9月9日閲覧。
- ^ a b 「衣蛸」『デジタル大辞泉プラス』 。コトバンクより2024年8月27日閲覧。
- ^ 松谷みよ子『松谷みよ子の本 第9巻 伝説・神話』講談社、1995年。ISBN 978-4-06-251209-1。
- ^ “アイヌ語辞典 動物編 §258 タコ”. アイヌ民族博物館. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 遠藤志保(著)「アッコㇿカムイ」『日本怪異妖怪大事典』小松和彦 監修、東京堂出版、2013年7月20日、11頁。ISBN 978-4490108378。
- ^ 広川英一郎(著)「へびだこ【蛇蛸】」『日本怪異妖怪大事典』小松和彦 監修、東京堂出版、2013年7月20日、502頁。ISBN 978-4490108378。
- ^ a b c d 深瀬春一「松前怪談十種」『旅と伝説』第3巻第10号、三元社、1930年10月1日、74–85頁。
- ^ 奥谷 2013, p. 10.
- ^ “The Future is Wild, Waterland”. BBC Two. 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b 奥谷 & 神崎 1994, p. 5.
- ^ a b c 奥谷 & 神崎 1994, p. 7.
- ^ “たこの吸出し”. 家庭薬ロングセラー物語. 日本家庭薬協会. 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b “町田製薬公式サイト”. 町田製薬. 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b c 観光課 観光振興担当 (2009年3月3日). “天性寺”. きしわだSIDE. 岸和田市. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “蛸地蔵駅”. 南海電鉄. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b “春日神社”. 愛媛県神社庁. 2024年8月21日閲覧。
- ^ a b c d 鈴木利奈、野崎健太郎「三河湾内の日間賀島(愛知県南知多町)の伝統的な食生活 (PDF)」『矢作川研究』第11巻、2007年、5–12頁。
- ^ a b c d e “見てみよう!歴史災害記録と旬のあいち2017年8月”. 名古屋大学 減災連携研究センター (2017年8月). 2024年9月9日閲覧。
- ^ “大根島の由来”. 大根島. 2024年9月13日閲覧。
- ^ “大根島・江島の神社”. 大根島. 2024年9月13日閲覧。
- ^ a b c d e 狩野博幸、並木誠士、今橋理子『江戸の美術 大図鑑』河出書房新社、2017年6月30日、240頁。ISBN 978-4309255767。
- ^ a b c d “「蛸々眼鏡」で戦前大阪の風を見る”. 日本玩具博物館 (2023年5月29日). 2024年9月9日閲覧。
- ^ そらゆめ (2016年11月28日). “特撮TV番組『クレクレタコラ』CROSSクラウドファンディングより手帳型スマートフォンケース、トートバッグ、Tシャツの申込受付スタート!”. PR TIMES. 2024年8月27日閲覧。
- ^ ねとらぼ (2009年2月9日). “巡音ルカが“たこ化”「たこルカ」人気”. ITmedia. 2024年8月26日閲覧。
- ^ haruYasy. (2013年10月29日). “「たこルカのガチャガチャ作ってみた」がかわいすぎて生きるのがつらいレベル ロット買いしたいくらい。”. ねとらぼ. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h モンゴメリー 2024, p. 32.
- ^ カレッジ 2014, p. 67.
- ^ カレッジ 2014, p. 87.
- ^ 奥谷 1994, p. 42, 第2章.
- ^ カレッジ 2014, p. 15.
- ^ カレッジ 2014, p. 70.
- ^ “パール”. ディズニーキッズ. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “ハンク|ファインディング・ドリー”. ディズニー. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “SQUIDWARD J. Q. TENTACLES”. Nickelodeon. 2024年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月27日閲覧。
- ^ “ストレッチ - トイ・ストーリー”. ディズニーキッズ. 2024年8月29日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 71.
- ^ カレッジ 2014, p. 59.
- ^ カレッジ 2014, p. 76.
- ^ 株式会社テイクアップ (2023年10月26日). “『ディズニー ツイステッドワンダーランド』コレクションジュエリー第6弾☆「オクタヴィネル寮」「スカラビア寮」の寮生たちをイメージしたリングが登場!”. PR TIMES. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “~5000季語 一覧集~” (pdf). 国土交通省 東北地方整備局. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 武田 2013, p. 183.
- ^ 正岡子規. “寒山落木 卷一”. 青空文庫. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 萩原朔太郎. “宿命”. 青空文庫. 2024年9月9日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 152.
- ^ カレッジ 2014, p. 153.
- ^ 武田 2013, p. 205.
- ^ モンゴメリー 2017, p. 341, 訳者あとがき.
- ^ 奥谷 & 神崎 1994, p. 4.
- ^ “C0032016 流行蛸の遊び”. 東京国立博物館画像検索. 2024年9月10日閲覧。
- ^ a b c d e カレッジ 2014, p. 239.
- ^ カレッジ 2014, p. 23.
- ^ カレッジ 2014, p. 235.
- ^ カレッジ 2014, p. 12.
- ^ “解明!神秘なるオクトパスの世界を視聴”. Disney+(ディズニープラス) (2024年). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “オクトパス君”. ゆるキャラグランプリ公式サイト. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 戸井支所 地域振興課 (2024年2月1日). “戸井地区イメージキャラクター「トーパスちゃん」”. 函館市. 2024年9月11日閲覧。
- ^ “チューチューターコ”. サンリオ. 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b “『ポケモン』史上最も不可解!?魚からタコに進化するテッポウオとオクタンの謎”. インサイド (2022年4月11日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “タタッコ”. ポケモンカードゲーム公式ホームページ. 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b “オトスパス”. ポケモンカードゲーム公式ホームページ. 2024年8月29日閲覧。
- ^ カレッジ 2014, p. 221.
- ^ “吸排気バルブ分解時はクリーニング。「タコ棒」使って擦り合わせよう”. Webikeプラス (2021年10月29日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h カレッジ 2014, p. 238.
- ^ 林 2011, p. 127.
- ^ 浅野 2005, p. 12.
- ^ 浅野 2005, p. 13.
- ^ a b c d e f g 藤木 1958, pp. 46–55.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこ⑧」『日本性語大辞典』 (1928).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこつび」『日本性語大辞典』 (1928).
- ^ a b “火星人はなぜタコ型? 最接近はいつ? ふしぎな惑星「火星」のナゾ”. Honda Kids. 本田技研工業. 2024年8月27日閲覧。
- ^ a b “宇宙の質問箱 火星編 V. 火星人はいるのですか?”. 国立科学博物館. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 海野十三. “火星兵団”. 青空文庫. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 足立守正 (2022年5月28日). “タイザン5『タコピーの原罪』が導く、正解のない人生”. クイック・ジャパン・ウェブ. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 前田 2005, p. 708.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこ②」」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこにゅう」『東京語辞典』 (1917).
- ^ a b 米川 2021, p. 219.
- ^ 新村 1998, pp. 1641–1642.
- ^ a b 尚学図書 1981, p. 1547, 「蛸搗」.
- ^ a b c 岡本直樹「締固め機械史 2:突固め系の機械化 (PDF)」『建設機械施工』第73巻第1号、2021年、78–85頁。
- ^ a b 房前和朋、竹林征三「労働歌 ・どんつき節の変遷からみる築堤工法の土木史」『土木史研究』第15巻、1995年、491–498頁。
- ^ "ram". 新英和大辞典 (4 ed.). 研究社. 1960. p. 1472.
- ^ "punner". 新英和大辞典 (4 ed.). 研究社. 1960. p. 1442.
- ^ 米川 2021, p. 89.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「タコツキ」『続労働用語集』 (1932).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 700, 「たこ①」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこびら②」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこびら⓪」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこびら①」.
- ^ a b c d e 「引っ張り蛸」『精選版 日本国語大辞典』 。コトバンクより2024年8月26日閲覧。
- ^ “「蛸の松」の由来”. 「蛸の松」HP. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “〈6〉蛸の松 1世紀経て「二代目」”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2018年5月19日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ 土田康弘 (2022年3月1日). “「鬼キャン」「タコ足」「USDM」! もはや「暗号化」された自動車カスタム用語7つ”. Auto Messe Web. 株式会社交通タイムス社. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 藤田恒夫、徳永純一、三好萬佐行「走査電子鏡による腎糸球体のタコ足細胞の観察」『Archivum histologicum japonicum』第32巻第2号、1970年、99–113頁。doi:10.1679/aohc1950.32.99。
- ^ 矢尾板永信 (2017年10月30日). “腎臓のタコ足細胞を培養で再現することに成功 -糸球体濾過調節の研究に新たな道を拓く”. 新潟大学医学部医学科 大学院医歯学総合研究科. 2024年8月27日閲覧。
- ^ 『古伊万里唐草 -暮らしのうつわ- 展 (PDF)』(プレスリリース)、戸栗美術館、2016年7月2日。2024年8月27日閲覧。
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこはいとう」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこはい」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこ⑩」『警察隠語類集』 (1956).
- ^ a b c 見坊豪紀、市川孝、飛田良文、山崎誠、飯間浩明、塩田雄大(編)、2021年12月20日『三省堂国語辞典 第八版』株式会社三省堂、891頁。ISBN 978-4-385-13928-9。
- ^ a b c “悪口で「タコ」と言うのはなぜか。”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館 (2021年10月23日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ 大野敏明『知って合点江戸ことば』〈文春新書 145〉、文藝春秋、2000年12月1日、32–35頁。ISBN 978-4166601455。
- ^ 小早川宗一郎 (2024年1月21日). “【DeNA】 たこ焼き大好き平良拳太郎、マウンドでは「27タコ」目標に凡打の山築く”. 日刊スポーツ. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “ヤクルト・真中監督、「験担ぎしないことが験担ぎ」もタコは×”. サンケイスポーツ. 産業経済新聞社 (2017年3月31日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c “(2021/01/13)本日の水揚&「〇タコ」の語源について。”. 水揚げNews. 相馬双葉漁業協同組合 (2021年1月13日). 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b 牧村 1979, p. 349.
- ^ a b 麻雀ウォッチ編集部 (2016年9月11日). “麻雀用語辞典 78.卓割れ、竹屋の火事、タコ、タコ和了、タコツッパ、タコ鳴き”. 麻雀ウォッチ. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこをつる」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこつる」『隠語輯覧』 (1915).
- ^ a b 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこつる【蛸釣】」『隠語構成の様式并其語集』 (1935).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこつり②」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこつり⓪」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこなり」『隠語符牒集』 (1948).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこつり①」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこ⑦」『隠語輯覧』 (1915).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 701, 「たこ【蛸】」」『隠語構成の様式并其語集』 (1935).
- ^ 米川 2021, p. 87.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「タコニナル」『なんでもわかる相撲百科〈「相撲」別冊〉』 (1962).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこになる」『生きている隠語と符牒〈週刊読売〉』 (1968).
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「たこのす」.
- ^ 木村 & 小出 2000, p. 702, 「タコノテ」『日本隠語集』 (1892).
- ^ 大迫秀樹(著)『消えゆく日本の俗語・流行語辞典』テリー伊藤 監修、東方出版株式会社、2004年8月15日、177頁。ISBN 4809403874。
- ^ 牧野富太郎(著)本田正次(編)『原色牧野植物大圖鑑 続編』(3版版)、北隆館、1987年10月31日、234頁。
- ^ 牧野富太郎(著)本田正次(編)『原色牧野植物大圖鑑』(5版版)、北隆館、1986年10月30日、161頁。
- ^ 今島実「タコヒトデ」『改訂新版 世界大百科事典』平凡社 。コトバンクより2024年8月11日閲覧。
- ^ “タコ?クラゲ?「タコクラゲ」を展示中!”. 海遊館ニュース. 海遊館 (2022年8月24日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ 島崎周 (2021年11月5日). “タコクラゲ、桜島を背にゆらり 鹿児島湾近くで大量発生”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2024年8月11日閲覧。
- ^ a b c 磯野直秀「タコノマクラ考 : ウニやヒトデの古名」『慶應義塾大学日吉紀要. 自然科学』第39巻、2006年、53–79頁。
参考文献
[編集]- Avendaño, O.; Roura, Á.; Cedillo-Robles, C.E.; Rodríguez-Canul, R.; Velázquez-Abunader, I.; Guerra, Á (2020). "Octopus americanus: a cryptic species of the O. vulgaris species complex redescribed from the Caribbean". Aquat. Ecol. 54: 909–925. doi:10.1007/s10452-020-09778-6。
- Budelmann, B.U. (1998). "Autophagy in Octopus". South African Journal of Marine Science. 20 (1): 101–108. doi:10.2989/025776198784126502。
- Collins, M.A.; Villaneuva, R. (2006). "Taxonomy, ecology and behaviour of the cirrate octopods". In Gibson, R.N., R.J.A. Atkinson & J.D.M. Gordon (ed.). Oceanography and Marine Biology: An Annual Review. Vol. 44. London: Taylor and Francis. pp. 277–322.
- Díaz-Santana-Iturrios, M; Salinas-Zavala, C.A.; García-Rodríguez, F.J.; Granados-Amores, J. (2019). "Taxonomic assessment of species of the genus Octopus from the northeastern Pacific via morphological, molecular and morphometric analyses". PeerJ. 29: e8118. doi:10.7717/peerj.8118。
- FAO (2016). Jereb, P.; Roper, C.F.E.; Norman, M.D.; Finn, J.K. (eds.). Cephalopods of the world. An annotated and illustrated catalogue of cephalopod species known to date. Volume 3. Octopods and Vampire Squids (PDF). FAO Species Catalogue for Fishery Purposes. No. 4, Vol. 3. Rome: Food and Agriculture Organization of the United Nations. ISBN 978-92-5-107989-8。
- Norman, M.D.; Finn, J. K. (2016). "World octopod fisheries". In Jereb, P.; Roper, C.F.E.; Norman, M.D.; Finn, J.K. (ed.). Cephalopods of the world. An annotated and illustrated catalogue of cephalopod species known to date. Volume 3. Octopods and Vampire Squids. FAO Species Catalogue for Fishery Purposes. No. 4, Vol. 3. Rome: Food and Agriculture Organization of the United Nations. pp. 9–14. ISBN 978-92-5-107989-8。
- Hochberg, F.G.; Norman, M.D.; Finn, J.K. (2016). "2.2 Cirrate octopods". In Jereb, P.; Roper, C.F.E.; Norman, M.D. & Finn, J.K. (ed.). Cephalopods of the world. An annotated and illustrated catalogue of cephalopod species known to date. Volume 3. Octopods and Vampire Squids. FAO Species Catalogue for Fishery Purposes. No. 4, Vol. 3. Rome: FAO. pp. 244–267. ISBN 978-92-5-107989-8。
- Norman, M.D.; Finn, J. K.; Hochberg, F.G. (2016). "Family Octopodidae". In Jereb, P.; Roper, C.F.E.; Norman, M.D.; Finn, J.K. (ed.). Cephalopods of the world. An annotated and illustrated catalogue of cephalopod species known to date. Volume 3. Octopods and Vampire Squids. FAO Species Catalogue for Fishery Purposes. No. 4, Vol. 3. Rome: Food and Agriculture Organization of the United Nations. pp. 36–215. ISBN 978-92-5-107989-8。
- Fuchs, D.; Bracchi, G.; Weis, R. (2009). “New octopods (Cephalopoda: Coleoidea) from the Late Cretaceous (Upper Cenomanian) of Hâkel and Hâdjoula, Lebanon”. Palaeontology 52 (1): 65–81. doi:10.1111/j.1475-4983.2008.00828.x.
- Fuchs, D.; Günter, S. (2018). “First Middle–Late Jurassic gladius vestiges provide new evidence on the detailed origin of incirrate and cirrate octopuses (Coleoidea)”. PalZ 92 (2): 203–217. doi:10.1007/s12542-017-0399-8. ISSN 0031-0220.
- Fuchs, D.; Iba, Y.; Heyng, A.; Iijima, M.; Klug, C.; Larson, N. L.; Schweigert, G.; Brayard, A. (2019). “The Muensterelloidea: phylogeny and character evolution of Mesozoic stem octopods”. Papers in Palaeontology 6 (1): 31–92. doi:10.1002/spp2.1254. ISSN 2056-2802.
- Gleadall, I.G. (2004). "Some Old and New Genera of Octopus". Interdisciplinary Information Sciences. 10 (2): 99–112.
- Gleadall, I.G.; Guerrero-Kommritz, J.; Hochberg, F.G.; Laptikhovsky, V.V. (2010). "The inkless octopuses (Cephalopoda: Octopodidae) of the southwest Atlantic". Zoological science. 27 (6): 528–553. doi:10.2108/zsj.27.528。
- Guard; Mgaya (2002). "The Artisanal Fishery for Octopus cyanea Gray in Tanzania". Ambio. Royal Swedish Academy of Sciences. 31 (7–8): 528–536.
- Ibáñez, C.M.; Fenwick, M.; Ritchie, P. A.; Carrasco, S. A.; Pardo-Gandarillas, M. C. (2020). "Systematics and Phylogenetic Relationships of New Zealand Benthic Octopuses (Cephalopoda: Octopodoidea)". Front. Mar. Sci. 7 (182): 1–13. doi:10.3389/fmars.2020.00182。
- Johnsen, S.; Balser, E. J.; Widder, E. A. (1999). "Light-emitting suckers in an octopus". Nature. 398 (6723): 113–114. doi:10.1038/18131。
- Kaneko, N.; Kubodera, T.; Iguchi, A. (2011). "Taxonomic Study of Shallow-Water Octopuses (Cephalopoda: Octopodidae) in Japan and Adjacent Waters using Mitochondrial Genes with Perspectives on Octopus DNA Barcoding". Malacologia. 54 (1–2): 97–108. doi:10.4002/040.054.0102。
- Kier, W. M. (2016-02-18). "The Musculature of Coleoid Cephalopod Arms and Tentacles". Front. Cell Dev. Biol. 4 (10): 1–16. doi:10.3389/fcell.2016.00010。
- Kozloff, Eugene N. (1990). Invertebrates. Saunders College Pub.
- Kröger, B.; Vinther, J.; Fuchs, D. (2011). "Cephalopod origin and evolution: A congruent picture emerging from fossils, development and molecules". Bioessays. 33: 602–613. doi:10.1002/bies.201100001。
- Leite, T. S.; Haimovici, M.; Molina, W.; Warnke, K. (2008). "Morphological and genetic description of Octopus insularis, a new cryptic species in the Octopus vulgaris complex (Cephalopoda: Octopodidae) from the tropical southwestern Atlantic". J. Molluscan Stud. 74 (1): 63–74. doi:10.1093/mollus/eym050。
- Leite, T. S.; Vidal, E. A. G.; Lima, F. D.; Lima, S. M. Q.; Dias, R. M.; Giuberti, G. A.; de Vasconcellos, D.; Mather, J. A.; Haimovici, M. (2021). "A new species of pygmy Paroctopus Naef, 1923 (Cephalopoda: Octopodidae): the smallest southwestern Atlantic octopod, found in sea debris". Mar. Biodivers. 51 (68). doi:10.1007/s12526-021-01201-z。
- Piertney, S.B.; Hudelot, C.; Hochberg, F.G.; Collins, M.A. (2003). "Phylogenetic relationships among cirrate octopods (Mollusca: Cephalopoda) resolved using mitochondrial 16S ribosomal DNA sequences". Molecular Phylogenetics and Evolution. 27 (2): 348–353. doi:10.1016/S1055-7903(02)00420-7。
- Pita, C.; Roumbedakis, K.; Fonseca, T.; Matos, F. L.; Pereira, J.; Villasante, S.; Pita, P.; Bellido, J. M.; Gonzalez, A. F.; García-Tasende, M.; Lefkaditou, E.; Adamidou, A.; Cuccu, D.;Belcari, P.; Moreno, A.; Pierce, G.J. (2021). "Fisheries for common octopus in Europe: socioeconomic importance and management". Fisheries Research. 235: 105820. doi:10.1016/j.fishres.2020.105820。
- Sanchez, G.; Setiamarga, D. H. E.; Tuanapaya, S.; Tongtherm, K.; Winkelmann, I. E.; Schmidbaur, H.; Umino, T.; et al. (2018). "Genus-level phylogeny of cephalopods using molecular markers: current status and problematic areas". PeerJ. 6: e4331. doi:10.7717/peerj.4331。
- Sánchez-Márquez, A.; Navarro, J.; Kaliontzopoulou, A.; Farré, M.; Taite, M.; Escolar, O.; Villanueva, R.; Allcock, A. L.; Fernández-Álvarez, F. Á. (2022). "Unravelling the phylogenetic and ecological drivers of beak shape variability in cephalopods". Rev. Fish Biol. Fisheries. 33: 221–239. doi:10.1007/s11160-022-09744-5。
- Schmidt-Nielsen, K. (1997). Animal Physilogy-Adaptation and environment (5th ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521570980。
- Strugnell, J. M.; Norman, M.D.; Vecchione, M,; Guzik, M.; Allcock, A. L. (2013). "The ink sac clouds octopod evolutionary history". Hydrobiologia. 725 (1): 215–235. doi:10.1007/s10750-013-1517-6。
- Sutton, M.; Perales-Raya, C.; Gilbert, I. (2016). "A phylogeny of fossil and living neocoleoid cephalopods". Cladistics. 32: 297–307.
- Taite, M.; Fernández-Álvarez, F.Á.; Braid, H.E.; Bush, S.L.; Bolstad, K.; Drewery, J.; Mills, S.; Strugnell, J.M.; Vecchione, M.; Villanueva, R.; Voight, J.R. & Allcock, A.L. (2023). "Genome skimming elucidates the evolutionary history of Octopoda". Molecular Phylogenetics and Evolution. 182: 107729. doi:10.1016/j.ympev.2023.107729。
- Verhoeff, T. J. (2023). "The molecular phylogeny of cirrate octopods (Cephalopoda: Octopoda: Cirrata) using COI and 16S Sequences". Folia Malacol. 31 (4): 175–196. doi:10.12657/folmal.031.026。
- Willer, D. F.; Aldridge, D. C.; Gough, C.; Kincaid, K. (2023). "Small-scale octopus fishery operations enable environmentally and socioeconomically sustainable sourcing of nutrients under climate change". Nature food. 4: 179–189. doi:10.1038/s43016-022-00687-5。
- Zullo, Letizia; Impedadore, Pamela (2019). "14 Regeneration and Healing". In Gestal, C.; Pascual, S.; Guerra, Á.; Fiorito, G.; Vieites, J. M. (eds.). Handbook of Pathogens and Diseases in Cephalopods. Springer. pp. 193–199. doi:10.1007/978-3-030-11330-8. ISBN 978-3-030-11329-2。
- 荒俣宏(著)下中弘(編)『世界大博物図鑑 別巻2 [水生無脊椎動物]』平凡社、1994年6月22日。
- 安東祐太郎「空釣り縄漁場の海洋環境とヤナギダコの移動実態 (PDF)」『北水試だより』第107巻、北海道立総合研究機構、2023年、10–13頁。
- 池田作次郎 (1890). "理科大学動物学教室備附頭脚類目録". 動物学雑誌. 25 (2).
- 池田譲『タコは海のスーパーインテリジェンス 海底の賢者が見せる驚異の知性』〈DOJIN 選書 08〉、化学同人、2020年12月25日。ISBN 978-4-7598-1688-4。
- 石田惣(著)「3 蛸つぼを使ったタコ漁」。大阪市立自然史博物館(編)『瀬戸内海の自然を楽しむ』〈第48回特別展「瀬戸内海の自然を楽しむ」解説書〉、大阪市立自然史博物館、2017年7月15日、56–58頁。
- 石田敏則、遠藤克彦「常磐海域におけるミズダコ及びヤナギダコについて (PDF)」『福島水試研報』第11巻、2003年、27–48頁。
- 伊丹宏三、井沢康夫、前田三郎、中井昊三「マダコ稚仔の飼育について」『日本水産学会誌』第29巻第6号、1963年、514–520頁。doi:10.2331/suisan.29.514。
- 巌佐庸、倉谷滋、斎藤成也、塚谷裕一『岩波生物学辞典 第5版』岩波書店、2013年2月26日。ISBN 9784000803144。
- 上島励(著)「21. 軟体動物門」。白山義久(編)『無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)』裳華房、169–192頁。ISBN 4785358289。
- 大場裕一『光る生き物 DVD付』〈学研の図鑑LITE〉、学研プラス、2015年11月27日。ISBN 978-4054061712。
- 奥谷喬司『泳ぐ貝、タコの愛―軟体動物の不思議な生態』株式会社晶文社、1991年9月10日。ISBN 4-7949-6069-7。
- 奥谷喬司、神崎宣武(編)、1994年2月25日『タコは、なぜ元気なのか―タコの生態と民俗』草思社。ISBN 978-4794205438。
- 奥谷喬司(著)「第1章 タコという生きもの/第2章 世界のタコ 日本のタコ/第4章 タコの変人列伝/第6章 タコの能力と感覚/あとがき」。奥谷喬司、神崎宣武(編)『タコは、なぜ元気なのか―タコの生態と民俗』草思社、1994年2月25日、19–27, 31–43, 65–80, 91–102, 138–139頁。
- 大久保修三(著)「第3章 タコの一生」。奥谷喬司、神崎宣武(編)『タコは、なぜ元気なのか―タコの生態と民俗』草思社、1994年2月25日、47–61頁。
- 畑中寛(著)「第5章 世界のタコを食べまくる日本人」。奥谷喬司、神崎宣武(編)『タコは、なぜ元気なのか―タコの生態と民俗』草思社、1994年2月25日、81–90頁。
- 神崎宣武(著)「はじめに/第7章 タコ漁のいろいろ/第8章 日本人のタコの食習慣/日本人とタコ」。奥谷喬司、神崎宣武(編)『タコは、なぜ元気なのか―タコの生態と民俗』草思社、1994年2月25日、10–12, 28–30, 44–46, 62–64, 103–120, 121–137頁。
- 奥谷喬司「5章 イカの方言行脚―和名、地方名、市場名の混迷」『虫の名、貝の名、魚の名 ―和名にまつわる話題』東海大学出版会、2002年11月20日、129–148頁。ISBN 4486015924。
- 奥谷喬司(編)、2013年6月5日『日本のタコ学』東海大学出版会。ISBN 978-4486019411。
- 奥谷喬司(著)「第1章 タコという動物 ―タコQ&A」。奥谷喬司(編)『日本のタコ学』東海大学出版会、2013年6月5日、1–28頁。ISBN 978-4486019411。
- 坂口秀雄(著)「第2章 ボーン・フリー ―タコの子供たち」。奥谷喬司(編)『日本のタコ学』東海大学出版会、2013年6月5日、29–59頁。ISBN 978-4486019411。
- 佐野稔(著)「第4章 巨大タコの栄華 ―寒海の主役」。奥谷喬司(編)『日本のタコ学』東海大学出版会、2013年6月5日、91–124頁。ISBN 978-4486019411。
- 瀬川進(著)「第5章 イイダコの日々」。奥谷喬司(編)『日本のタコ学』東海大学出版会、2013年6月5日、125–140頁。ISBN 978-4486019411。
- 小野奈都美(著)「第7章 サンゴ礁にタコを探して」。奥谷喬司(編)『日本のタコ学』東海大学出版会、2013年6月5日、157–180頁。ISBN 978-4486019411。
- 武田雷介(著)「第8章 なぜタコは「明石」なのか ―系譜と実像」。奥谷喬司(編)『日本のタコ学』東海大学出版会、2013年6月5日、181–209頁。ISBN 978-4486019411。
- 窪寺恒己(著)「第9章 日本のタコ図鑑」。奥谷喬司(編)『日本のタコ学』東海大学出版会、2013年6月5日、211–269頁。ISBN 978-4486019411。
- 金子奈都美、窪寺恒己「マダコ科カクレダコ属(新称)Abdopus の2種カクレダコ(新称)A. abaculus (Norman and Sweeney, 1997) とウデナガカクレダコ(新称)A. aculeatus (d'Orbigny, 1834) の日本からの初記録」『タクサ』第22巻、2007年、38–43頁。
- キャサリン・ハーモン・カレッジ(著)『タコの才能─いちばん賢い無脊椎動物』〈ヒストリカル・スタディーズ10〉、高瀬素子(訳)、太田出版、2014年4月30日。ISBN 978-4-7783-1402-6。
- 川上武彦「世界のイカ・タコ (PDF)」『水産海洋研究会報』第26巻、1975年、143–147頁。
- 窪寺恒己(著)「頭足類」。松浦啓一(編)『標本学 第2版 自然史標本の収集と管理』東海大学出版会、2014年1月20日、48–51頁。ISBN 9784486020196。
- 窪寺恒己(著)「頭足綱」。奥谷喬司(編)『日本近海産貝類図鑑 第二版』東海大学出版会、2017年1月26日、1131–1151頁。ISBN 978-4486019848。
- 窪寺恒己、奥谷喬司「南大洋産イチレツダコ類の分類および分布 (PDF)」『平成5年度 イカ類資源・漁海況検討会議』70–71頁。
- 窪寺恒己、峯水亮『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』株式会社エクスナレッジ、2014年6月30日。ISBN 978-4-7678-1804-7。
- 倉持卓司; 倉持敦子 (2019). “相模湾から採集されたサメハダテナガダコ Callistoctopus luteus(軟体動物門,マダコ科,テナガダコ属)の記録”. 南紀生物 61 (2): 110–112.
- 小西英人(著)『イカ・タコ識別図鑑』〈釣り人のための遊遊さかなシリーズ〉、土屋光太郎 監修・西潟正人 料理、株式会社エンターブレイン、2010年8月18日。ISBN 978-4047267169。
- 佐々木猛智「軟体動物の解剖 : コウイカ・サザエ・ホタテガイ」『化石』第84巻、日本古生物学会、2008年、86–95頁。doi:10.14825/kaseki.84.0_86。
- 佐々木猛智『貝類学』東京大学出版会、2010年8月10日。ISBN 978-4-13-060190-0。
- 佐野稔、梅田有宏、佐々木隆浩「北海道北部日本海沿岸のたこ箱漁場におけるミズダコの鉛直分布の季節変化」『日本水産学会誌』第83巻第3号、2017年、361–366頁。doi:10.2331/suisan.16-00058。
- 下中弘(編)、1988年4月28日『世界大百科事典 17』(1988年版版)、平凡社。ISBN 4582027008。
- 奥谷喬司(著)「タコ [構造・生態・分類]」。下中弘(編)『世界大百科事典 17』平凡社、1988年4月28日、253–254頁。
- 鈴木晋一(著)「タコ [食用]」。下中弘(編)『世界大百科事典 17』平凡社、1988年4月28日、254頁。
- 千葉徳爾・荒俣宏(著)「タコ [民俗,伝説]」。下中弘(編)『世界大百科事典 17』平凡社、1988年4月28日、254頁。
- リチャード・シュヴァイド(著)『タコの教科書』土屋晶子(訳)、エクスナレッジ、2014年7月4日。ISBN 978-4-7678-1824-5。
- 鈴木克美『イタリアの蛸壺 海とさかなの随筆』東海大学出版会、1978年9月20日。ASIN B000J8M8GC。
- 瀧巌「日本産頭足類屬名表」『Venus』第5巻第2–3号、1935年、141–145頁。
- 瀧巌「抄録と紹介 ジェレツキー 1966. 化石鞘形類の比較形態・系統と分類」『Venus』第29巻第2号、1970年、72–73頁。
- 瀧巌(著)「第8綱 頭足類」『動物系統分類学 第5巻上 軟体動物(I)』内山亨・山田真弓 監修、中山書店、1999年1月30日、327–391頁。ISBN 4521072313。
- 竹内俊郎、中田英昭、和田時夫、上田宏、有元貴文、渡部終五、中前明(編)、2004年5月31日『水産海洋ハンドブック』株式会社生物研究社。ISBN 4915342441。
- 土屋光太郎(著)『イカ・タコガイドブック』山本典瑛・阿部秀樹(写真)、株式会社阪急コミュニケーションズ、2002年4月27日。ISBN 978-4-484-02403-5。
- 土屋健『生物ミステリープロ 地球生命 無脊椎の興亡史』技術評論社、2023年8月5日、130–131頁。ISBN 978-4-297136123。
- 野呂恭成「腕の一部が短いミズダコの形態観察」『平成27年度青森県産業技術センター水産総合研究所事業報告』2017年、131–133頁。
- 林美一『【江戸艶本集成】第九巻 葛飾北斎』中野三敏・小林忠監修、河出書房新社、2011年。ISBN 978-4-309-71269-7。
- 平野由幸『釣り仕掛け集』ナツメ社、2000年8月16日。ISBN 9784816328381。
- 広島大学生物学会(編)、1971年9月22日『日本動物解剖図説』池田嘉平・稲葉明彦 監修、森北出版株式会社。
- 「古平のタコ漁 | 年表で読む古平の歴史」『せたかむい』183巻(12月号)、古平町史編纂室、2004年12月1日。
- 古屋秀隆「ニハイチュウ(中生動物)の生物学」『比較生理生化学』第13巻第3号、日本比較生理生化学会、1996年、209–218頁。doi:10.3330/hikakuseiriseika.13.209。
- 古屋秀隆「中生動物ニハイチュウの分類、系統、生活史」『Jpn. J. Vet. Parasitol.』第9巻第1号、日本獣医寄生虫学会、2010年、128–134頁。
- 古屋秀隆「熊野灘産頭足類にみられるニハイチュウ類」『タクサ』第48巻、日本動物分類学会、2020年、3–12頁。doi:10.19004/taxa.48.0_3。
- 北海道立水産試験場研究員(著)長澤和也・鳥澤雅(編)『漁業生物図鑑 北のさかなたち』北日本海洋センター、1991年6月12日。
- 水口憲哉、出月浩夫『マダコの地着きと渡り (PDF)』東京水産振興会、2016年8月1日。ISSN 1343-6074。
- 守安実己郎「地中海北西域で採集されたイチレツダコ (Eledone cirrhosa) の産卵中雌の胃中から出た卵嚢について」『貝類学雑誌』第43巻第2号、1984年、189–192頁。
- サイ・モンゴメリー [英語版](著)『愛しのオクトパス ー海の賢者が誘う意識と生命の神秘の世界』小林由香利(訳)、株式会社亜紀書房、2017年3月1日。ISBN 978-4-7505-1503-8。
- サイ・モンゴメリー [英語版](著)尾崎憲和、川端麻里子(編)『神秘なるオクトパスの世界』定木大介(訳)、池田譲 日本語版監修、日経ナショナル ジオグラフィック、2024年4月15日。ISBN 9784863136106。
- 吉郷英範「ご近所の生物誌②:八元八凱,備後地域で見られるタコ類)」『びんごの自然誌』第2巻、2024年、36–43頁。
言語に関するもの
[編集]- 大久保忠国、木下和子(編)、2014年9月20日『江戸語辞典』(新装普及版)、東京堂出版。ISBN 978-4490108514。
- 加納喜光『動物の漢字語源辞典』東京堂出版、2007年10月25日。ISBN 978-4-490-10731-9。
- 木村義之、小出美河子(編)、2000年4月15日『隠語大辞典』皓星社。ISBN 4774402850。
- 尚学図書(編)、1981年12月10日『国語大辞典』小学館。
- 新村出(編)、1998年11月11日『広辞苑 第五版』岩波書店。ISBN 4000801112。
- 杉本つとむ『語源海』東京書籍株式会社、2005年3月1日。ISBN 4487797438。
- 藤堂明保、松本昭、竹田晃、加納喜光『漢字源』(改訂第5版)、学研教育出版、2011年1月1日。ISBN 9784053031013。
- 田中利光『ラテン語初歩 改訂版』岩波書店、2002年3月20日(原著1990年2月26日)。ISBN 4-00-002412-4。
- 藤木三郎「還俗 ―元禄五年の路通に就て」『連歌俳諧研究』第17号、1958年、46–55頁。doi:10.11180/haibun1951.1958.17_46。
- 前田富祺『日本語源大辞典』小学館、2005年4月1日。ISBN 4095011815。
- 牧村史陽(編)、1979年7月15日『大阪ことば事典』講談社。
- 米川明彦『俗語百科事典』朝倉書店、2021年7月1日。ISBN 978-4254510683。
文化に関するもの
[編集]- 浅野秀剛『葛飾北斎・春画の世界』洋泉社、2005年。ISBN 4-89691-903-3。
- 下中弘(編)、1994年8月25日『彩色 江戸博物学集成』平凡社。ISBN 4582515045。
- 竹村景子「チャアニ村の食生活 : 一家族における献立とその食材」『スワヒリ&アフリカ研究』第14巻、大阪外国語大学地域文化学科 スワヒリ語・アフリカ地域文化研究室、2004年、31–65頁。
- 塚本晃久「ネズミとタコ―ニューカレドニア島イヤンゲーヌの民話―」『南半球評論』2014年、45–56頁。
関連項目
[編集]- 人物
- たこ八郎
- 横山ノック - 禿げ上がった頭から漫才(漫画トリオ)で「タコ」と呼ばれた。
- タコ社長 - 日本映画『男はつらいよ』に登場する太宰久雄が演じた零細企業の社長(cf. 男はつらいよの主要人物)の愛称。
- 中河美芳 - プロ野球選手。一塁守備で足を大きく前後に開くさまと、どんな送球も吸い付くように捕球することから、「タコ足」「タコの中河」と呼ばれていた。
- 新海幸藏 - 力士。足癖を得意としたため、「タコ足の新海」のあだ名が付いた。
- 工藤由愛 - ハロー!プロジェクトの女性アイドルグループ・Juice=Juiceのメンバー。無類のタコ好きで、自ら「タコ(ちゃん)」という愛称を付けている。
- その他
- 卍固め(オクトパス・ホールド) - アントニオ猪木の必殺技。タコが絡みつくように固める。
- 水銀整流器 - 多陽極式水銀整流器は胴部(冷却部)と多足(多陽極)の形状からタコと呼ばれることがある。
- スカンタコ - 『ドラえもん』のひみつ道具。京言葉の「好かん蛸」から。