中央本線
中央本線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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中央東線の特急「スーパーあずさ」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
路線総延長 | 424.6 (422.6) km | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
軌間 | 1067 mm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電圧 | 1500 V(直流) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最大勾配 | 25 パーミル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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中央本線(ちゅうおうほんせん)は、東京都千代田区の東京駅から新宿区の新宿駅、長野県塩尻市の塩尻駅を経由して愛知県名古屋市中村区の名古屋駅までを結ぶ鉄道路線(幹線)である。
このうち東京駅 - 塩尻駅間は東日本旅客鉄道(JR東日本)、塩尻駅 - 名古屋駅間は東海旅客鉄道(JR東海)の管轄となっている。なお、塩尻駅はJR東日本の管轄である。「中央東線」や「中央西線」、「中央線快速」など、区間や系統別に様々な呼称がある(後述)。
『鉄道要覧』上は、重複する東京駅 - 神田駅間は東北本線、代々木駅 - 新宿駅間は山手線となっている(詳しくは概要を参照)。
概要
東京から西へ延び、甲州街道(東京 - 下諏訪間)・中山道(下諏訪 - 名古屋間)に沿って山梨県、長野県南部、岐阜県南部を経由して名古屋までを結ぶ鉄道路線である。東京・名古屋の両都市から沿線各地域や信州地区を結ぶ特急列車が頻繁に運転されているほか、両都市圏では都心部への通勤輸送の役割も担う。また、日本貨物鉄道(JR貨物)による貨物列車も運転されている。
国鉄分割民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画、および国土交通省監修『鉄道要覧』では、東京駅 - 神田駅間は東北本線、代々木駅 - 新宿駅は山手線となっている。これは先行敷設路線との営業距離の重複計上を行わないためのものであり、線路は独立している。ただ、マルスのシステム上の経路表示における「中央(東)線」は、「東京 - 神田 - 代々木 - 新宿 - 韮崎 - 」となっており、東京駅 - 神田駅間は東北本線と重複、山手線の代々木駅 - 新宿駅間は分断されている。なお、金山駅に東海道本線のホームが設けられたことで、同様に東海道本線と重複することになった金山駅 - 名古屋駅間(ただし同駅間にある尾頭橋駅に中央本線ホームはない)は、現在も重複計上されている。
東京駅 - 韮崎駅間は旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「東京近郊区間」であり、そのうち東京都内である東京駅 - 高尾駅間が電車特定区間、加えて東京駅 - 新宿駅間が東京山手線内に含まれており、それぞれ区間外よりも割安な近距離運賃が適用される。御茶ノ水駅 - 三鷹駅間は、快速電車や特急列車が走行する急行線と各駅停車が走行する緩行線に分離された線路別複々線となっている。また、東京近郊区間はIC乗車カード「Suica」の首都圏エリア、中央西線の中津川駅 - 名古屋駅間は同「TOICA」のエリアとなっている。
東線と西線
同じ区間を結ぶ東海道本線と比較して山間部を走る路線であり、勾配もきつく距離も長いため、全線を通しての通過輸送はほとんどない(1964年の東海道新幹線開業前は東海道本線のバイパスとしても利用されていたが、東海道新幹線開業後そのような機能はなくなった)。しかし、東京と山梨県・長野県中南部、あるいは名古屋・京阪神と長野県を結ぶ重要な輸送ルートになっている。
こうした性格は、中央本線の輸送形態にも現れている。松本駅に連絡する篠ノ井線との連絡駅であり、JR東日本とJR東海の境界駅でもある塩尻駅を境に東京駅 - 塩尻駅を中央東線(ちゅうおうとうせん)、塩尻駅 - 名古屋駅間を中央西線(ちゅうおうさいせん)と呼び区別することがある。
中央東線と中央西線では、塩尻駅の駅位置移転(1982年5月17日)以降、どちらの線の列車も、大半が塩尻駅から篠ノ井線松本方面に直通しており、両線を直通する旅客列車は2009年現在では基本的にはない。ただし、貨物列車や団体臨時列車などの一部の列車は旧塩尻駅構内(いわゆる塩尻大門)の両線直通用の単線線路を通り、塩尻駅のホームを経由せず塩尻駅自体を通過する形で両線を直通している。また、後述の臨時急行列車「たてしな」と臨時特急列車「あずさ木曽」は、塩尻駅4番線ホームで折り返して運転した。なお、中央西線区間については、国鉄時代から、列車番号を路線本来の方向とは逆に、名古屋から塩尻へ至る方向(距離標の数字が下がっていく方向)を「下り」(奇数)としている。
支線
元来、岡谷駅から塩尻駅までの間は辰野駅を経由する約28kmもの迂回ルートで開通したが、1983年7月に全長約6kmの塩嶺トンネルを抜けるみどり湖駅経由の短絡線が開通し、同駅間が約12kmに短縮されたことで、大幅な時間短縮が実現した。どちらの線区も中央本線に属し、旧来の区間(辰野駅経由)は支線となっている。
この支線は「辰野支線」または「辰野線」、あるいはみどり湖駅・塩嶺トンネル経由を「新線」と呼ぶのに対して「旧線」などと呼ばれる。また新線が開業するまで、この区間はZ字型に蛇行していたが、この路線を伊藤大八という代議士が誘致したという話から大八廻りとも呼ばれた。
中央線と中央本線
本路線は「中央線」と「中央本線」の2通りの名称で呼ばれている。国土交通省などの公文書や鉄道要覧では中央線の名称が使用されることが多いが、JR各社を始めとする民間では、両方の名称が混用されているのが実態である。
一方、本路線の東京近郊を走る通勤形電車(各駅停車、快速電車)については中央線と呼ばれ、中央本線とは呼ばれていない。ただし、これは路線の名称ではなく列車の名称として用いられているもので、特急形車両や近郊形車両については同じ区間を走っていても、中央本線と呼ばれることがある。
この複雑な使い分けは、歴史的な経緯によるものである。国鉄時代の線路名称公告では、中央本線(本路線)とその支線(五日市線など)を指す総称として、中央線の名称が使用されていた。また、東京近郊を走る通勤形電車(国電)も中央線と呼ばれていた。しかし、国鉄分割民営化の際に策定された「日本国有鉄道の事業等の引継ぎ並びに権利及び義務の承継等に関する基本計画」[1]において、本路線の名称が中央線とされたため、従来は中央本線と呼ばれていた本路線に対しても、公文書を中心に中央線という名称が使われるようになったのである。
路線データ
*印は鉄道要覧上のデータ。全長には括弧内の第二種鉄道事業のキロ程は含まない。
- 管轄・路線距離(営業キロ)
- 東京駅 - 名古屋駅間:全長424.6km
- 神田駅 - 代々木駅・新宿駅 - 名古屋駅間:全長422.6km *
- 東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 東京駅 - 塩尻駅間:222.1km
- 神田駅 - 代々木駅間:8.3km *
- 新宿駅 - 塩尻駅間:211.8km *
- 岡谷駅 - 辰野駅 - 塩尻駅間:27.7km
- 東京駅 - 塩尻駅間:222.1km
- 東海旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 塩尻駅 - 名古屋駅間:174.8km (金山駅 - 名古屋駅間3.3kmは東海道本線と並行)
- 日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者)
- 新宿駅 - 塩尻駅間: (211.8km)
- 岡谷駅 - 辰野駅 - 塩尻駅間: (27.7km)
- 塩尻駅 - 名古屋駅間: (174.8km)
- 駅数:112(起終点駅含む)
- JR東日本:73(東京駅含む)
- JR東海:39(塩尻駅除く)
- 複線区間:
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:(複線および単線)自動閉塞式
- 保安装置:
- 最高速度(電車または気動車):
- 東京駅 - 八王子駅間:95km/h
- 八王子駅 - 塩尻駅間:優等列車130km/h、普通列車100km/h
- 塩尻駅 - 中津川駅間:優等列車120km/h、普通列車95km/h
- 中津川駅 - 名古屋駅間:特急・セントラルライナー130km/h、快速・普通列車110km/h
- 御茶ノ水駅 - 三鷹駅間(緩行線):95km/h
- 岡谷駅 - 辰野駅 - 塩尻駅間(支線):95km/h
- 運転指令所:
旅客鉄道会社の支社ごとの管轄は以下のようになっている。
- 東京駅 - 西荻窪駅間:JR東日本東京支社
- 吉祥寺駅 - 小淵沢駅間:JR東日本八王子支社
- 信濃境駅 - 塩尻駅間(支線含む):JR東日本長野支社
- 塩尻駅 - 名古屋駅間:JR東海東海鉄道事業本部(直轄)
沿線概況
東京駅 - 高尾駅間
起点の東京駅を北に出発し、神田で山手線などと分かれて一路西へと向かい、武蔵野台地の東端の谷にある御茶ノ水駅から複々線に入る。新宿駅までは山手線の内側を横断する形でS字型に路線が敷かれており、神田川や江戸城旧外堀などに沿って都心を走る。四ツ谷駅付近で地下鉄丸ノ内線をくぐり、トンネルを抜ける。代々木駅付近まで首都高と並行する。特急のほとんどが発着する新宿駅でまた北向きになり、山手線をくぐって西に曲がって、東中野駅付近から立川駅付近まで線路はほぼ東西に直線となる。このあたりまでは、「ヨドバシカメラ」の歌にも織り込まれている。沿線は中野、杉並など東京のベッドタウンである。複々線は用地は直線だがホームに付帯する曲線がある。三鷹で複々線は終わり、三多摩地区に入ると高い建物が減り、各駅の前後を除いてほぼ完全な直線区間となる。2010年11月7日、立川駅まで上下線の高架化を完了した。立川で南西に曲がって多摩川を渡り、日野から登り勾配にかかって多摩川と浅川の間の日野台地を切通しで越えると八王子盆地に入る。八王子駅の西側からは上り急勾配が始まる。
高尾駅 - 甲府駅間
東京都市圏輸送と郊外輸送の分界点となっている高尾駅を過ぎると、沿線は急に山岳地帯となり、遥か先の愛知県の高蔵寺駅に入るまで平野は途絶え、間には甲府盆地・諏訪盆地・松本盆地・木曾谷・東濃地域などに中小都市が並ぶ。上野原市・大月市などは、昭和末期ごろより東京への通勤圏となり、四方津・猿橋など宅地開発が進んだ駅も目立ち、朝夕などは東京方面への列車が頻繁に運行されているなど、沿線風景からは想像できない長距離通勤客も多い。
中央東線は、東京から甲信地方へ向かう路線としてビジネスや観光に利用されているが、並行する中央自動車道経由高速バス(中央高速バス)との競争が激化しており、その対策として格安の回数券・「トクトクきっぷ」が設定されている。
中央自動車道を北に見ながら小仏トンネル(小仏峠)を通過すると、関東平野から出て、神奈川県の北部をかすめ山梨県に入る。通勤形車両のE233系で、東京駅から大月駅や、さらに富士急行線の河口湖駅まで直通する列車もある。しかし、高尾駅 - 大月駅間は大雨による運転規制がかかりやすく、防災上の問題点を抱えており、これを解消するための防災工事も継続して行われている。この区間は相模川・桂川の河岸段丘上に路線が敷かれており、短いトンネルが断続してカーブも多い。
大月駅を出るとリニアの実験線とも並行するがトンネルの間の防音カバーが見えるのみである。ここから元スイッチバック駅が多数存在し、現在の各駅はホームが急勾配上に設けられている。なお旅客用ではないが初狩駅では道床に敷くバラストを運ぶ工事用臨時列車用のスイッチバックが今も現役である。
笹子峠を長いトンネルで越えて甲斐大和駅をすぎるとまたトンネル、抜けるとようやく山が開け、甲府盆地を見晴らして下り勾配で滑り込む。この勾配のため路線は塩山駅へと大きく迂回している。甲斐大和駅 - 勝沼ぶどう郷駅間の下り線は1997年2月、新しいトンネル経由の新線へ切替えられた。
沿線は山の景色が素晴らしく、深田久弥の名著『日本百名山』でも車窓から見える甲斐駒ヶ岳と八ヶ岳が絶賛されている。また甲斐大和駅付近から甲府盆地越しに見る南アルプスも壮観。甲府盆地は桃の栽培が盛んで、春には線路の両側がピンクに包まれ、文字どおり「桃源郷」の雰囲気を味わえる。またブドウの栽培も盛んで、線路沿いにブドウ棚を見ることもでき、富士山も海側に見える。
酒折駅を出てしばらく行った地点で、南から来た身延線としばらく並走して、金手駅を通過し、甲府駅に到着。特急「かいじ」は一部を除いてここが終着である。
甲府駅 - 塩尻駅間
甲府駅を過ぎると路線は竜王駅付近までは比較的平坦だがその後は次第に急勾配で北上し、Suica利用可能西限駅である韮崎駅からは八ヶ岳の尾根筋(七里岩)を上り、八ヶ岳の麓の高原地帯である小淵沢駅を過ぎると長野県に入る。この周辺区間では白樺林が絶景であり、標高も900mを越えて夏でも比較的涼しい高原地帯である。
富士見駅からは下りに入り、飯田線からの直通列車が折り返す東限の茅野駅から特急停車駅が並ぶ。単線区間に入って諏訪湖沿いを走りつつ、日本のスイスとも呼ばれる諏訪市や岡谷市を抜ける。甲州街道はここ諏訪地方までで、ここから西は、北の高原を佐久から回り込んできた中山道と合流する。ただし、国道20号は中山道に合流して塩尻市まで進む。一方、中央自動車道は岡谷から西側は飯田線と並行して飯田を経由し恵那山トンネルを抜けて中津川に至る。
塩嶺トンネルや辰野周りの旧線で松本平に入り、旧駅跡と名古屋方へつながる電留線を左手に、塩尻駅で「東線」と「西線」が背向する。東京方面から東線を走ってきた定期列車はここから篠ノ井線を松本方面に向かい、逆に西線を木曽福島・中津川・名古屋方面に向かう定期列車が松本方面から直通してくる。なお塩尻駅の乗り場案内は、ラインカラー青が中央東線に、橙が中央西線に当てられている。
塩尻駅 - 中津川駅間
塩尻駅を出ると国道19号沿いに路線は南下し、鳥居峠を越えると深い木曽谷に入り、木曽川の渓谷に沿って渓谷美が楽しめる。単線も残り、旧線のままで制限速度が厳しい場所もある。森林鉄道のあった上松を通りすぎると、名勝「寝覚の床」があり、すぐ上を通るポイントでは、ダイヤに余裕があれば「(ワイドビュー)しなの」も速度を落としてゆっくり見せてくれる。田立駅 - 坂下駅間で岐阜県に入り、険しい山々が開けて中津川に着く。さらに、中津川から先は中央自動車道とも並行して走る。
中津川駅 - 名古屋駅間
岐阜県に入り木曽川と分かれると、線形が良くなり、徐々に沿線も宅地化が進んでくる。盆地や台地を頻繁に上り下りし、庄内川の上流、土岐川が並行するようになる。多治見駅を過ぎ、玉野渓谷に入り、愛岐トンネルを抜けると愛知県に入り、愛知環状鉄道と接続する高蔵寺駅を過ぎると完全に濃尾平野内の名古屋都市圏に差し掛かる。次の神領駅には車両基地(神領車両区)があり、春日井駅を過ぎたあたりから、次第に都会の喧噪に引き戻される。なお高蔵寺駅 - 勝川駅間は、瀬戸市と稲沢を結ぶ瀬戸線(一部は現在の愛知環状鉄道線と東海交通事業城北線として開業)が並走する計画だったため、線路の脇に線増できるよう土地が確保してあったが、現在は大半が民間に払い下げられ住宅が建ち並んでいる。庄内川と矢田川を越え、日本唯一のガイドウェイバスの起点がある大曽根駅を過ぎる。なお当駅を経由しナゴヤドームへ向かう人も多いため、ここから名古屋駅までの区間は試合のある時間帯は非常に混雑する。また大曽根駅 - 名古屋駅間の各駅で名古屋市営地下鉄の各線や基幹バスと接続するため相互間の利用も終日にわたって多い。そのため、快速以下はすべて各駅に停車する。金山駅で東海道本線と合流、そのまま名鉄名古屋本線を挟んで並走しながら程なくして両者の下をくぐり、南西から来る関西本線と合流すると、当線の終点である名古屋駅に到着する。
運行形態
車両形式・系列は特記なければ電車。
広域輸送
中央本線として全線を通して運行する列車は臨時列車のみである。「中央東・西線直通列車」の節を参照。
中央東線(JR東日本)
特急「あずさ」・「スーパーあずさ」が、新宿駅(「あずさ」のうち1本は千葉駅)を起点に塩尻駅から篠ノ井線に乗り入れ、松本駅や、大糸線白馬駅・南小谷駅まで運転されている(土・休日や多客期には増発される。上り「あずさ」には東京・千葉行きもある)ほか、これを補完する形で新宿駅(一部は東京駅)からの特急「かいじ」が土・休日のみの横浜方面からの「はまかいじ」とともに途中の甲府駅(一部は竜王駅、「はまかいじ」は松本駅)まで運転されている。また、長野県内の広域輸送として、信越本線長野駅と飯田線飯田駅、または天竜峡駅とを結ぶ快速「みすず」が、みどり湖駅を経由して塩尻駅 - 辰野駅間(途中の岡谷駅で方向転換)で運転されている。
また、主な臨時列車として以下の列車が運行される。
中央西線(JR東海)
名古屋駅(一部大阪駅)から篠ノ井線を経由して、信越本線長野駅まで特急「(ワイドビュー)しなの」が運転されている。また、臨時「しなの」の一部は大糸線方面まで乗り入れる列車もある。また、名古屋駅 - 中津川駅間では「セントラルライナー」が運転されているほか、休日には名古屋駅 - 中津川駅間運行の定期列車の延長で塩尻駅まで快速「ナイスホリデー木曽路」が運転されている。また、ホームライナーも多数運行されている。
また、主な臨時列車として、以下の列車がある。
地域輸送
JR東日本管内
東京駅 - 高尾駅 (大月駅) 間
東京都市圏輸送区間であり、通勤電車が高頻度(1時間あたり20本以上)で運転される。御茶ノ水駅 - 三鷹駅間は複々線であり、緩急分離運転が行われている。線路は「緩行線」「急行線」と呼ばれ、緩行線を各駅停車の電車(中央・総武緩行線、旅客案内上は「中央・総武線各駅停車」)が、急行線を快速電車(中央線快速電車)が走行する。
各駅停車は、御茶ノ水駅から総武本線の緩行線に乗り入れ、千葉駅まで相互直通運転を行う。また早朝夜間には複線区間の立川駅まで運転される。中野駅 - 三鷹駅間では、東京地下鉄東西線との相互直通運転も実施されている。
快速電車は、東京駅から高尾駅までが旧来からの運転区間であるが、都市圏の拡大により大月駅まで運転する本数が増えた。さらに一部は、大月駅から富士急行大月線に乗入れ、河口湖駅まで直通運転を行なっている。
高尾駅(立川駅・八王子駅) - 塩尻駅間
中距離列車を中心に運転される区間である。飯田線直通の「みすず」の一部を除き、全列車が普通列車で運転区間内の全駅に停車する。高尾駅(一部立川駅、八王子駅)から甲府駅を経て塩尻駅、篠ノ井線松本駅まで一体的に運転される。甲府・小淵沢・富士見始発や飯田線直通の列車の中には松本駅からさらに篠ノ井線を進み、信越本線長野駅まで運転される列車や、大糸線と直通運転する列車もある。岡谷駅 - 塩尻駅間は先述のとおり原則的に本線(みどり湖駅)を経由して運転されており、支線区間(後述)とは半ば分断されている。支線区間へは、飯田線への直通列車(茅野、上諏訪・岡谷・塩尻・長野始発)と一部の辰野経由の列車のみが直通運転する。
立川駅・高尾駅発着列車は6両編成が基本となるが、山梨・長野県内で完結する列車については3両編成の運用もある。この区間で使用される115系は冬季のみドアが駅停車時に乗客自身が開閉できる半自動になる(厳密には、小淵沢駅以東は特急列車の待ち合わせなど長時間停車する場合のみ半自動となる。小淵沢駅以西はドア扱いが半自動となる)。快速電車用のE233系のドア扱いは通年半自動になる。1時間あたりの運転本数は高尾駅 - 小淵沢駅間では2 - 3本、小淵沢駅 - 塩尻駅間では飯田線直通列車を除いておおむね1本である。
1993年11月30日までは新宿駅発着で三鷹駅・立川駅と八王子駅以西の各駅に停車する中距離列車(普通列車)が設定され、115系で運転されていた。国鉄時代は新宿駅・立川駅・八王子駅・高尾駅のみ停車、1986年11月1日の改正で三鷹駅、JR移行後の1988年3月13日から西八王子も停車するようになった。その名残で現在でもJTBなどの旅客向け時刻表における「中央本線」のページの新宿駅 - 立川駅間では、特急だけではなく、高尾駅以西に直通する快速も三鷹駅のみ時刻が掲載されている。これらの中距離列車は、201系などの通勤電車の高尾駅以西への乗り入れ拡大により取って代わられ姿を消した。
支線区間(辰野支線)
支線区間では辰野駅で運行系統がほとんど分断されており、全区間通して運転される定期列車はわずかしか設定されていない。地元住民には必要な生活の足となっている。
岡谷駅 - 辰野駅間を走る列車の大半は飯田線に直通する。同区間はJR東日本の管轄、飯田線はJR東海の管轄のため飯田線直通列車は辰野駅で乗務員交代が行われる。一部は岡谷駅から茅野駅や上諏訪駅まで直通する列車もある。また、一部列車では、JR東海の119系によるワンマン運転が行われる。1時間あたり1本程度の運転である。
辰野駅 - 塩尻駅間は、中央本線の中では優等列車も含めた運転本数が最も少ない区間であり、普通列車が1 - 2時間に1本程度運転されるのみである。地元では「辰野線」と呼称され、この区間外から乗り入れる列車(主に篠ノ井線直通列車)は「小野経由」と案内されることが多い。ほとんどの列車がこの区間のみの折り返し運転となっているが、朝夕を中心に松本駅や岡谷駅まで直通する列車が設定されている。主に日中に辰野駅 - 塩尻駅間を往復する列車には、荷物車を改造した2ドアロングシートの123系(クモハ123-1)によるワンマン運転が行われ、「ミニエコー」の愛称で呼ばれている。
JR東海管内
塩尻駅 - 中津川駅間
塩尻駅から中津川駅までの間は、普通列車の運転本数は少ない。基本的に313系2両編成によるワンマン列車で、1往復を除いて篠ノ井線松本駅まで乗り入れている。なおワンマン運転区間は中央本線の区間のみで塩尻駅 - 松本駅間は車掌が乗務する。またJR東日本長野総合車両センター所属の115系も運用に入り、こちらの場合は全区間車掌が乗務する。一部には松本駅 - 木曽福島駅・上松駅間、中津川駅 - 坂下駅・南木曽駅間の区間運転列車(一部名古屋駅からの直通もある)や南木曽駅から名古屋駅まで直通する列車と中津川駅より南の神領駅から松本駅まで運転される列車(ともに早朝)もある。全列車が運転区間内の全駅に停車する。日中は2時間に1本程度の運転、中津川駅 - 南木曽駅間は区間列車も合わせて1時間あたり1本程度の運転となる。
中津川駅 - 名古屋駅間
中津川駅から名古屋駅までは、名古屋圏の通勤路線として快速のほか、座席指定制の「セントラルライナー」・「ホームライナー」が運転されている。
名古屋駅には昼間1時間あたりセントラルライナー1本・快速3本・普通5本が発着するが、高蔵寺駅・多治見駅・瑞浪駅以東で輸送力が低下し、瑞浪駅 - 中津川駅間は昼間時間帯で快速列車とセントラルライナーがそれぞれ1本(いずれも多治見駅 - 中津川駅間で各駅停車。セントラルライナーも当該区間では乗車券のみで利用可能)となる。朝には上りのみ坂下駅・南木曽駅から直通運転される快速列車もある。
2005年の愛知万博の開催時には、名古屋駅から高蔵寺駅経由で愛知環状鉄道線万博八草駅(現在の八草駅)まで直通する「エキスポシャトル」が運行された。同線への直通運転は、万博閉幕後も現在まで続いている。
貨物輸送
貨物列車の運行系統は、関東地方から南松本方面と、稲沢駅から南松本方面の2つに分かれている。定期貨物列車は、東線国立駅 - 塩尻駅間、辰野支線塩尻駅 - 辰野駅間、西線塩尻駅 - 名古屋駅間である。
コンテナ輸送も行われているが、寒冷地の山梨県・長野県への石油(灯油・重油・ガソリンなど)輸送が盛んである。石油は、京葉地区や京浜地区、中京地区にある製油所から内陸の油槽所へ送られている。輸送の高速化のために、タキ1000形貨車で編成された高速貨物列車も設定されている。
また、春日井にある製紙工場の製品を輸送する、コンテナ車やワム80000形有蓋貨車を連結する専用貨物列車も稲沢駅 - 春日井駅間に設定されている。
中央線の定期貨物列車が発着する駅は、八王子駅、竜王駅、辰野駅、多治見駅、春日井駅である。
使用車両
団体専用列車用車両(ジョイフルトレイン)は除く。なお、キハとあるのは気動車、客車などの車種が記されていないものはすべて電車である。
中央東線
現在の車両
- 中央線快速
- E233系:豊田車両センター所属。諏訪湖祭湖上花火大会・全国新作花火競技大会各当日のみ小淵沢駅 - 明科駅間でも運行
- 中央・総武線各駅停車
- 209系(500番台):三鷹車両センター所属
- E231系:三鷹車両センター所属
- 地下鉄東西線からの直通(三鷹駅まで)
- E231系800番台:三鷹車両センター所属
- 東京地下鉄05系:東京地下鉄深川車両基地所属
- 東京地下鉄07系:東京地下鉄深川車両基地所属
- 東京地下鉄15000系:東京地下鉄深川車両基地所属
- 甲府・中信地区普通列車
- 特急あずさ・かいじ、中央ライナー・青梅ライナー
- E257系:松本車両センター所属
- 特急スーパーあずさ
- E351系:松本車両センター所属
- 特急成田エクスプレス(一部の列車が高尾駅まで運行)
- 臨時列車
過去の車両
101系以後の定期運用があった系列は以下のとおり。甲府電化以降の旧形車両では72系、70系、80系電車や、EF64形やさらにはEF13形、ED16形などの電気機関車にけん引された客車列車があった。
- 中央線快速
- 中央・総武線各駅停車
- 地下鉄東西線との直通(三鷹駅まで)
- 103系1000番台
- 103系1200番台
- 301系
- 東京地下鉄5000系
- 東京地下鉄8000系(本来は半蔵門線用であるが、1987年から1988年の間、半蔵門線の紫色のラインのまま先行して東西線に配属され、三鷹や津田沼へも乗り入れた)
- 甲府・中信地区普通列車
- 急行列車(各列車の詳細はあずさを参照)
- 特急あずさ・かいじ、中央ライナー・青梅ライナー
- 189・183系:2002年12月に中央本線の定期特急運用から撤退。
- 特急成田エクスプレス
- 253系:2010年6月末に成田エクスプレスから撤退。
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201系
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E233系
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209系500番台
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E231系
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115系(長野車)
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115系(豊田車)
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E257系
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E351系
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183系(グレードアップあずさ色)
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165系急行「かいじ」
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急行「かわぐち」用に使用されたキハ58003(写真は有田鉄道時代のキハ58003)
中央西線
現在の車両
過去の車両
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313系
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383系
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381系(パノラマ車)
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211系5000番台(東海車)
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313系8000番台(セントラルライナー車)
貨物列車
現在の車両
東線の高尾から西線の中津川までにかけては勾配のきつい山岳路線となるため、牽引定数や抑速ブレーキの関係上、乗り入れ可能な機関車が次のように限定されている。
- EF64形(西線のみ。かつては東線でも使用。重連総括運転が基本)
- EF64形1000番台(東線では単機牽引が基本だが、秋・冬季は一部列車で空転対策のため重連総括運転となる。西線では重連総括運転が基本)
- EH200形(東線のみ)
ただし、東線の国立駅 - 八王子駅間と西線の名古屋駅 - 多治見駅間は山岳区間に入る手前の平坦線区のため、南武線や武蔵野線、および東海道本線から乗り入れる次の平坦線区向け機関車も入線することができる。
-
EF64形1000番台
-
EH200形
過去の車両
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山岳区間の対応車両
高尾駅 - 南木曽駅間には、非電化時代に断面の小さく作られたトンネルを路盤の掘り下げや改修をせずに特殊な架線(π架線)を使用して電化した区間が多数存在するため、電車においては高尾駅以東から直通する車両を含め、パンタグラフの取り付け部分または車両全体が低屋根化された車両や、パンタグラフを折りたたみ高さの小さい特殊なもの(PS23、PS24、シングルアーム)に交換するなどの対策がされた車両しか入線できない。このため車両製造会社の工場において落成した新車や私鉄などの転属車を回送する甲種輸送のルートからも中央本線は基本的に外される(例外的に新潟県中越地震の直後にE231系が通過した。同車は設計上はこの区間の走行も可能である)。ただし、構造上もともと一般型より車高が低い直流電気機関車や特急形車両(交直流電車や屋根上にヘッドライトを持つ車両などの例外を除く)はその限りではない。
該当区間を通過する車両は、東線ではE233系・115系(PS16形パンタが搭載された一部の初期型(モハ114形0番台)は入線不可)・183・189系(2003年以降各種臨時列車のみ)・E351系(スーパーあずさ)・E257系(2003年以降のあずさ・かいじ)の各電車のほか、185系(はまかいじ)・215系(ビューやまなし)・255系の各電車(臨時かいじ)(いずれも臨時列車のみ)がある。また253系・E259系(ともに成田エクスプレス用)・E231系なども営業運行の実績はないが、設計上は通過可能である。名古屋方面からは381系、383系および211系低屋根構造車(5600番台など)、311系、313系の各電車などが乗り入れる。JR東海所属の車両は小限界トンネル寸法に準拠したシングルアーム式パンタグラフの開発によって1995年に登場した373系より通常規格の設計が可能となり、中央線以上に限界制約がある身延線用の車両を含めて従来行われていたパンタグラフ取付部の低屋根化が不要となった。電気機関車 (EH200、EF64) は通過可能である。なお、通過できる車両には、車体に表記される車号の前に◆マークが付けられている。
歴史
年表
JR東日本管轄区間(中央東線)
甲武鉄道
- 1889年(明治22年)4月11日:甲武鉄道新宿駅 - 立川駅間(16M74C≒27.24km)開業。中野駅・境駅(現在の武蔵境駅)・国分寺駅・立川駅を開業
- 8月11日:立川駅 - 八王子駅間(6M3C≒9.72km)延伸開業、八王子駅を開業
- 1890年(明治23年)1月6日:日野駅を開業
- 1891年(明治24年):立川駅 - 日野駅間に多摩川信号所を開設
- 12月21日:荻窪駅を開業
- 1894年(明治27年)
- 1895年(明治28年)
- 1896年(明治29年)9月25日:軍用線の管理受託が終了
- 1897年(明治30年)2月2日:新宿駅 - 青山駅間を開業、青山仮停車場(初代)を開業、英照皇太后大葬の御柩列車の始発駅として1日限りの営業で翌2月3日廃止
- 1899年(明治32年)12月30日:吉祥寺駅を開業
- 1901年(明治34年)2月22日:豊田駅を開業
- 1902年(明治35年)11月12日:営業距離の表示をマイル・チェーン表記からマイル表記のみに簡略化、一部営業マイル修正(26M77C→27.0M)
- 1904年(明治37年)
- 1906年(明治39年)
八王子駅 - 塩尻駅間
- 1901年(明治34年)8月1日:官設鉄道が八王子駅 - 上野原駅間(14M0C≒22.53km)を開業。浅川駅(現在の高尾駅)・与瀬駅(現在の相模湖駅)・上野原駅を開業
- 1902年(明治35年)
- 1903年(明治36年)2月1日:大月駅 - 初鹿野駅間(11.3M≒18.19km)を延伸開業、笹子駅・初鹿野駅(現在の甲斐大和駅)を開業
- 1904年(明治37年)
- 12月21日:韮崎駅 - 富士見駅間(21.5M≒34.60km)を延伸開業。日野春駅・小淵沢駅・富士見駅を開業
- 1905年(明治38年)11月25日:富士見駅 - 岡谷駅間(17.1M≒27.52km)を延伸開業、青柳駅・茅野駅・上諏訪駅・下諏訪駅・岡谷駅を開業[4]
- 1906年(明治39年)6月11日:岡谷駅 - 塩尻駅間(16.9M≒27.20km)を延伸開業。辰野駅・小野駅を開業。既開業の篠ノ井駅 - 塩尻駅間鉄道を編入し、八王子駅 - 篠ノ井駅間鉄道 (159.0M) となる
甲武鉄道国有化以降
- 1906年(明治39年)10月1日:甲武鉄道御茶ノ水駅 - 八王子駅間を鉄道国有法に基づき買収・国有化し八王子駅 - 篠ノ井駅間鉄道に編入、御茶ノ水駅 - 篠ノ井駅間鉄道となる
- 1907年(明治40年)
- 11月1日:下諏訪駅 - 岡谷駅間を改マイル(-0.1M≒0.16km)
- 12月26日:大月駅 - 笹子駅間に広河原仮信号所を開設
- 1908年(明治41年)
- 1909年(明治42年)
- 1910年(明治43年)
- 1911年(明治44年)5月1日:宮ノ越駅 - 木曽福島駅間の延伸開業に伴い、塩尻駅 - 篠ノ井駅間を篠ノ井線として分離、中央西線を編入し昌平橋駅 - 塩尻駅 - 名古屋駅間が中央本線となる
- 1912年(明治45年)4月1日:万世橋駅 - 昌平橋駅間(0.2M≒0.32km)電車線を延伸開業、万世橋駅を開業、昌平橋駅を廃止
- 1912年(大正元年)9月13日:千駄ヶ谷駅 - 青山駅間を開業、青山仮停車場(2代目)を開業、青山葬場殿で明治天皇の大喪が行われた。2日間の営業で、9月15日廃止
- 1913年(大正2年)
- 1916年(大正5年)3月3日:立川駅 - 多摩川原駅間貨物支線(3.7km。立川駅 - 多摩川信号場間は本線との二重戸籍区間)を開業、多摩川信号場・(貨)多摩川原駅を開業
- 1917年(大正6年)
- 1918年(大正7年)12月11日:長坂駅を開業
- 1919年(大正8年)
- 1920年(大正9年)5月26日:貨物支線(下河原線)国分寺駅 - 下河原駅間(4.2M≒6.76km)を開業、(貨)下河原駅を開業
- 1921年(大正10年)12月1日:下河原線国分寺駅 - 下河原駅間を廃止し国分寺駅の貨物側線扱いに変更、下河原駅を廃止
- 1922年(大正11年)
- 1923年(大正12年)10月28日:川岸駅を開業
- 1924年(大正13年)4月4日:武蔵小金井仮乗降場を開業
- 1926年(大正15年)
- 1927年(昭和2年):東京駅 - 国分寺駅間の架線電圧を600Vから1200Vに昇圧
- 1927年(昭和2年)2月7日:代々木駅 - 新宿御苑駅間を開業、新宿御苑仮停車場・東浅川仮停車場を開業。新宿御苑仮停車場は大正天皇大喪列車のホームとして使用され、2月9日廃止
- 1928年(昭和3年)
- 1929年(昭和4年):東京駅 - 国分寺駅間の架線電圧を1200Vから1500Vに昇圧
- 1930年(昭和5年)
- 1931年(昭和6年)4月1日:浅川駅 - 甲府駅間を電化、電気機関車で運行
- 1933年(昭和8年)
- 1934年(昭和9年)
- 1937年(昭和12年)6月1日:立川駅 - 豊田駅間を複線化
- 8月30日:武蔵境駅 - 武蔵小金井駅間に境仮信号場を開設
- 12月1日:境仮信号場を廃止
- 1939年(昭和14年)
- 3月31日:豊田駅 - 浅川駅間を複線化
- 4月1日:西八王子駅を開業
- 7月1日:小野駅 - 塩尻駅間に東塩尻信号場を開設
- 1943年(昭和18年)
- 7月15日:藤野駅を開業
- 11月1日:万世橋駅を休止(実質上廃止)
- 1944年(昭和19年)10月1日:支線国分寺駅 - 東京競馬場前駅間を休止
- 1945年(昭和20年)6月10日:韮崎駅 - 穴山駅間に新府信号場を開設
- 1946年(昭和21年)6月1日:貨物支線 立川駅 - 多摩川信号場 - 多摩川原駅間 (3.7km) を休止(実質上廃止)、多摩川原駅休止、多摩川信号場廃止
- 1947年(昭和22年)4月24日:支線国分寺駅 - 東京競馬場前駅間の運行を再開
- 1949年(昭和24年)
- 1月21日:富士見仮信号場を仮乗降場に変更し富士見仮乗降場を開業
- 4月1日:梁川駅を開業
- 1951年(昭和26年)
- 1952年(昭和27年)
- 7月1日:貨物支線国分寺駅 - 北府中信号場 - 下河原駅間 (7.1km) を開業(国分寺駅 - 北府中信号場間は東京競馬場前駅への支線との二重戸籍区間)、富士見仮乗降場を廃止、北府中信号場に変更
- 7月15日:浅川駅 - 与瀬駅間に小仏信号場を開設
- 1954年(昭和29年)12月1日:別田駅(現在の春日居町駅)を開業
- 1955年(昭和30年)4月1日:信濃川島駅を開業
- 1956年(昭和31年)
- 4月10日:与瀬駅を相模湖駅に改称
- 9月1日:北府中信号場を駅に変更し北府中駅を開業、貨物支線国分寺駅 - 下河原駅間の起点を北府中駅に変更(-3.3km、国分寺駅 - 東京競馬場前駅間の支線との二重戸籍解消)、支線国分寺駅 - 北府中駅間の貨物営業を開始
- 1957年(昭和32年)2月5日:東山梨駅を開業
- 1959年(昭和34年)11月1日:支線三鷹駅 - 武蔵野競技場前駅間 (3.2km) を廃止、武蔵野競技場前駅を廃止
- 1960年(昭和35年)9月10日:東浅川仮停車場を廃止
- 1961年(昭和36年)3月20日:浅川駅を高尾駅に改称
- 1962年(昭和37年)
- 1963年(昭和38年)9月30日:猿橋駅 - 大月駅間を複線化
- 1964年(昭和39年)
- 1965年(昭和40年)
- 1966年(昭和41年)
- 1967年(昭和42年)9月22日:木船信号場 - 茅野駅間を複線化、木船信号場を廃止
- 1968年(昭和43年)
- 1969年(昭和44年)
- 1970年(昭和45年)
- 1971年(昭和46年)
- 9月8日:新府信号場 - 穴山駅間を複線化
- 9月28日:穴山駅 - 日野春駅間を複線化
- 1972年(昭和47年)9月10日:新府信号場を駅に変更し新府駅を開業
- 1973年(昭和48年)4月1日:西国分寺駅開業、支線国分寺駅 - 北府中駅 - 東京競馬場前駅間 (5.6km) 、東京競馬場前駅廃止。北府中駅 - 下河原駅間 (3.8km) の貨物支線は武蔵野線に移籍し、その後1976年9月20日に廃止
- 1980年(昭和55年)9月25日:信濃境駅 - 富士見駅間を複線化、線路付け替えにより改キロ (-0.2km)
- 1982年(昭和57年)5月17日:塩尻駅移転により小野駅 - 塩尻駅間を改キロ (+0.5km)
- 1983年(昭和58年)
- 1985年(昭和60年)10月31日:すずらんの里駅を開業
民営化以降
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により神田駅 - 代々木駅間、新宿駅 - 塩尻駅間、岡谷駅 - 辰野駅 - 塩尻駅間を東日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が飯田町駅 - 代々木駅間、新宿駅 - 塩尻駅間、岡谷駅 - 辰野駅 - 塩尻駅間の第二種鉄道事業者となる。東京駅 - 神田駅間、代々木駅 - 新宿駅間の二重戸籍解消
- 1990年(平成2年)3月10日:201系電車の富士急行乗り入れを開始。辰野駅 - 塩尻駅間で一部列車除き、ワンマン運転を開始
- 1993年(平成5年)
- 1994年(平成6年)12月3日:E351系電車を「スーパーあずさ」として本格的に運用開始
- 1996年(平成8年)3月16日:八高線・八王子駅 - 高麗川駅間の電化に伴い、東京駅 - 高麗川駅間(青梅線経由)の直通列車を新設
- 1996年(平成8年)12月14日:東京駅 - 甲府駅間でATOSを試験的に導入、翌1997年(平成9年)本格的に使用開始
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)3月:中央・総武緩行線でE231系電車の営業運転を開始
- 2001年(平成13年)4月:中央・総武緩行線での103系電車の運転終了
- 2002年(平成14年)
- 中央・総武緩行線での201系(カナリア色)・205系電車の運転終了
- 12月1日:「あずさ」「かいじ」のE257系電車への置き換えが完了(臨時列車については183・189系電車も引き続き使用)
- 2003年(平成15年)5 - 7月:営団地下鉄(現在の東京メトロ)東西線直通用の103系・301系電車をE231系電車(800番台)へ置き換え
- この置き換えにより、営団地下鉄(現在の東京メトロ)で使用される車両は千代田線北綾瀬支線用の6000系電車3両を除くすべてが回生制動車両となる
- 2004年(平成16年)10月16日:東京近郊区間の拡大に併せてSuicaの運用範囲を拡大、新たに大月駅 - 韮崎駅間で運用開始
- 2005年(平成17年)9月1日:平日朝、新宿駅に7:30 - 9:30に到着する快速・通勤特快52本の先頭1号車を女性専用車とする。
- 2006年(平成18年)12月26日:E233系電車の営業運転開始、201系電車(オレンジ色)を順次置き換え
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 1月4日:相模湖駅 - 大月駅間でE233系電車に限り乗客用ドアを半自動化
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
JR東海管轄区間(中央西線)
塩尻駅 - 宮ノ越駅間
この区間は当初、中央東線として延伸開業したが、中央本線となった全線開通以降は、この区間を含めて塩尻駅 - 名古屋駅間が中央西線と通称されることになる。
木曽福島駅 - 名古屋駅間
- 1900年(明治33年)7月25日:名古屋駅 - 多治見駅間(22M42C≒36.25km)を開業、千種駅・勝川駅・高蔵寺駅・多治見駅を開業
- 1902年(明治35年)
- 11月12日:営業距離の表示をマイル・チェーン表記からマイル表記のみに簡略化(22M42C→22.5M)
- 12月21日:多治見駅 - 中津駅間(27.2M≒43.77km)を延伸開業、土岐津駅(現在の土岐市駅)・瑞浪駅・釜戸駅・大井駅(現在の恵那駅)・中津駅(現在の中津川駅)を開業
- 1907年(明治40年)2月:千種駅 - 名古屋駅間に古渡信号所を開設
- 1908年(明治41年)
- 1909年(明治42年)
- 1910年(明治43年)
- 10月5日:須原駅 - 上松駅間(7.1M≒11.43km)を延伸開業、上松駅を開業
- 11月25日:上松駅 - 木曽福島駅間(4.6M≒7.40km)開業、木曽福島駅を開業
- 1911年(明治44年)4月9日:大曽根駅を開業
全通後
- 1911年(明治44年)
- 1912年(明治45年)7月15日:千種駅 - 名古屋駅間に古渡聯絡所を開設
- 1913年(大正2年)
- 9月10日:坂下駅 - 中津川駅間に落合川仮信号所を開設
- 10月1日:洗馬駅 - 贄川駅間に日出塩信号所を開設
- 1914年(大正3年)5月1日:上松駅 - 須原駅間に立町信号所を開設
- 1917年(大正6年)
- 1919年(大正8年)
- 1920年(大正9年)8月15日:玉野信号所を仮停車場に変更し定光寺仮停車場を開業
- 1922年(大正11年)
- 1923年(大正12年)7月1日:読書仮信号場を廃止
- 1924年(大正13年)1月1日:定光寺仮停車場を駅に変更し定光寺駅を開業
- 1926年(大正15年)4月1日:竹折信号場を駅に変更し武並駅を開業
- 12月21日:日出塩信号場を駅に変更し日出塩駅を開業
- 1927年(昭和2年)
- 5月1日:勝川駅 - 大曽根駅間に守山信号場を開設
- 12月16日:鳥居松駅を開業
- 1928年(昭和3年)
- 1929年(昭和4年)12月3日:野尻駅 - 三留野駅間に十二兼信号場、三留野駅 - 坂下駅間に田立信号場を開設
- 1930年(昭和5年)6月5日:木曽平沢駅を開業
- 1932年(昭和7年)7月10日:守山信号場を廃止
- 1937年(昭和9年)2月1日:名古屋駅を移転、同時に同駅付近の路線を東海道本線の東側から西側へ移設
- 4月21日:鶴舞駅を開業
- 1940年(昭和15年)10月10日:多治見駅 - 定光寺駅間に池田信号場を開設
- 1941年(昭和16年)8月26日:定光寺駅 - 高蔵寺駅間に高座仮信号場を開設
- 1942年(昭和17年)1月27日:高座仮信号場を廃止
- 1943年(昭和18年)10月1日:高蔵寺駅 - 鳥居松駅間に神領信号場を開設
- 1946年(昭和21年)5月1日:鳥居松駅を春日井駅に改称
- 1948年(昭和23年)9月1日:立町信号場・十二兼信号場・田立信号場をそれぞれ駅に変更し倉本駅・十二兼駅・田立駅を開業
- 1949年(昭和24年)7月12日:神領信号場を仮乗降場に変更し神領仮乗降場を開設
- 1951年(昭和26年)
- 9月1日:大桑駅を開業
- 12月15日:神領仮乗降場を駅に変更し神領駅を開業
- 1952年(昭和27年)4月1日:池田信号場を駅に変更し古虎渓駅を開業
- 1955年(昭和30年)4月21日:原野駅を開業
- 1961年(昭和36年)9月1日:千種駅を移転(改キロなし)
- 1962年(昭和37年)
- 1963年(昭和38年)11月1日:大井駅を恵那駅に改称
- 1964年3月2日:金山駅 - 山王信号場間を複線化
- 1965年(昭和40年)7月1日:土岐津駅を土岐市駅に改称
- 1966年(昭和41年)
- 3月8日:多治見駅 - 古虎渓駅間を複線化
- 3月10日:下畑信号場駅 - 瑞浪駅間を複線化、釜戸駅 - 瑞浪駅間に下畑信号場を開設
- 3月12日:古虎渓駅 - 定光寺駅間を複線化
- 3月17日:瑞浪駅 - 土岐市駅間を複線化
- 3月20日:福島駅 - 上松駅間に中平信号場を開設
- 3月22日:定光寺駅 - 高蔵寺駅間を複線化
- 3月24日:土岐市駅 - 多治見駅間を複線化
- 3月28日:与ヶ根信号場 - 美乃坂本駅 - 二軒屋信号場間を複線化、中津川駅 - 美乃坂本駅間に与ヶ根信号場を、美乃坂本駅 - 恵那駅間に二軒屋信号場を開設
- 3月30日:大羽根信号場 - 釜戸駅間を複線化、武並駅 - 釜戸駅間に大羽根信号場を開設
- 5月14日:多治見駅 - 名古屋駅間を電化
- 7月1日:瑞浪駅 - 多治見駅間を電化
- 9月25日:小野ノ滝信号場 - 倉本駅間を複線化。上松駅 - 倉本駅間に小野ノ滝信号場を開設
- 9月27日:藪原駅 - 山吹山信号場間を複線化、藪原駅 - 宮ノ越駅間に山吹山信号場を開設
- 1968年(昭和43年)
- 1969年(昭和44年)
- 1970年(昭和45年)9月29日:原野駅 - 木曽福島駅間を複線化
- 1973年(昭和48年)
- 1974年(昭和49年)8月20日:十二兼駅 - 中津川駅間にCTC導入
- 1975年(昭和50年)2月25日:塩尻駅 - 洗馬駅間を複線化
- 1978年(昭和53年)9月14日:日出塩駅 - 贄川駅間を複線化
- 1979年(昭和54年)10月15日:木曽福島駅 - 中平信号場間を複線化
- 1980年(昭和55年)3月23日:80系電車のさよなら運転が行われ、名古屋口の新性能化完了
- 1982年(昭和57年)5月17日:塩尻駅移転により塩尻駅 - 洗馬駅間を改キロ (-0.1km)
- 9月29日:中平信号場 - 上松駅間を複線化・改キロ (-0.2km) 、中平信号場を廃止
民営化以降
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、塩尻駅 - 名古屋駅間を東海旅客鉄道が承継、日本貨物鉄道が同区間の第二種鉄道事業者となる
- 1988年(昭和63年)3月13日:JR発足後初のダイヤ改正で211系のJR東海仕様新造車を導入
- 1989年(平成元年)7月9日:東海道本線金山駅開設により金山駅 - 名古屋駅間が二重戸籍区間となる
- 1992年(平成4年)12月6日:中津川駅 - 名古屋駅間にCTC導入
- 1996年(平成8年)12月1日:特急「しなの」を381系電車から383系電車に置き換え(臨時列車については381系も引き続き使用される)。383系電車の充当列車は「(ワイドビュー)しなの」となる
- 1997年(平成9年)11月29日:急行「ちくま」を客車から383系に置き換え
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)3月11日:塩尻駅 - 中津川駅間の一部列車でワンマン運転開始
- 2003年(平成15年)10月1日:急行「ちくま」を臨時列車に格下げ、車両も381系電車に変更
- 2005年(平成17年)3月1日:愛・地球博来場客輸送のためエキスポシャトル運転開始(9月30日まで)
- 2006年(平成18年)
- 2008年(平成20年)5月:JR東海所属の381系電車が営業運転を終了
- 2009年(平成21年)10月23日:勝川駅付近上り線を高架化
東京の複々線区間
輸送力の増強を計る目的で関東大震災の復興計画に盛り込まれており、その一環として御茶ノ水駅 - 中野駅で複々線が建設され、1933年に完成した。また、一部時間帯に急行電車(現在の快速電車)を運行させた。また、この計画と同時に総武本線両国駅 - 御茶ノ水駅間についても高架鉄道として建設され、この結果、東京始発のものを一部の時間帯は急行電車として運転することとなり、各駅に停車する列車は一部の時間帯は総武本線に乗り入れることとなった。
第二次世界大戦後、俗に言う「通勤五方面作戦」で中野駅以西の輸送力の増強を計ることになり、1966年に中野駅 - 荻窪駅間の複々線化が完成し、中央緩行線電車と営団地下鉄東西線乗り入れの列車がこの区間に運行されている。1969年には複々線区間が三鷹駅まで延長された。
1999年3月より三鷹駅 - 立川駅間の連続立体交差化に着手している。これは、既存の複線の路線を主に高架にすることで道路との立体交差を実現し、踏切の解消を目的としているので、この工事が完成しても複々線とはならない。本来は高架敷地捻出のために設置した仮線部分が複々線用地であったが、用地取得を行っている1980年代に国民の環境意識が大きく変化し、日照権や騒音問題に関する環境基準が著しく厳しくなった。このため、高架を建設する際には一定幅の緩衝帯を設置しなければならなくなり、中央線高架の完成後も、仮線跡は側道や緑地帯に転用される見通しである。三鷹駅 - 国分寺駅間が2009年12月、国分寺駅 - 立川駅間が2010年11月に完成した。
これとは別に三鷹駅 - 立川駅の複々線化を計画中である。複々線は高規格な地下路線となる予定で、この複々線化が実現した場合は、中野駅 - 立川駅間を運行している快速電車の停車駅にも変更を迫られると見られる。2014年ごろまでの完成を計画していたが、これは高架工事を行う実情から見込みが立っていない。また、この複々線を利用する特急電車などの優等列車が、三鷹駅から大深度地下を利用した高速地下鉄道によって新宿駅を経由し、東京駅の京葉線ホームにいたるという大計画もある。
大八廻り
元々は、現在支線となっている辰野駅経由の別称「大八廻り」の方が本線だった。この部分については次のような話がある。
中央本線の敷設時、諏訪付近から名古屋までの路線を木曾谷を通すか伊那谷を通すかで論争となり、結局木曾谷側が勝ってこちらに線路を敷くことになった。しかし、これで納得しなかった伊那谷出身の代議士で鉄道局長の伊藤大八が、下諏訪から塩尻峠をトンネルで抜けて塩尻へ向かう案を撤回させて、伊那谷の入口である辰野を経由させるようにした。そのため、この辰野を通るための迂回部分は、伊藤大八の名前を取って「大八廻り」とも呼ばれることとなった。
ただし、当時の技術力では塩尻峠を貫く長いトンネルを掘れなかったので、塩尻峠を避けるために迂回させただけであるという説もある。実際、この区間にトンネルを開削すると約6kmの長さになり(1983年に開通した塩嶺トンネルは5,994m)、当時日本一の長さを誇っていた同線の笹子トンネル(長さ4,656m)を凌ぐものになる上、糸魚川静岡構造線を跨ぐ事から地盤も悪かったため、実現したとしていても開業が相当遅れていた可能性が高い。
中央東・西線直通列車
この路線は1911年5月1日に全通(東京駅乗り入れは1919年3月1日)して以降、東京駅 - 塩尻駅 - 名古屋駅間を通しで運行された列車は、東京側の列車発車駅であった飯田町駅(現在の東京都千代田区飯田橋・ホテルメトロポリタンエドモント付近。飯田橋駅も参照のこと) - 名古屋駅間を1938年まで運行された夜行普通列車701・702列車(列車番号は何度か変更され、末期は813 - 410列車・423 - 324列車と塩尻駅でそれが変わり、さらに名古屋行きは甲府始発で、いずれも松本・長野方面の列車と塩尻駅まで併結していた)が唯一の例とされている。
ただし、東京側からの東西直通運転自体は第二次世界大戦期間中の一時中断(1938年 - 1945年6月)を経て始発駅を飯田町駅(1933年に貨物専用駅になったため)から新宿駅に変更して1956年ごろまで続いた。
また、1954年から1961年には準急「きそ」の一部の車両が名古屋駅 - 新宿駅間を直通運転していた。
その後、1965年ごろから1974年ごろの毎年夏季に名古屋駅 - 茅野駅もしくは小淵沢駅間(一部の列車は小海線や飯田線に直通)で東・西線直通運転を実施しており、このころから途中の観光地への直通を主眼に置くようになる。
1982年5月17日の塩尻駅改修(それ以前の東京方向と名古屋方向と直通する形から東京・名古屋方向と篠ノ井線方向へ直通する形となった)後は以下の列車が運行された。以降は、以下の例や貨物・団体専用列車を除き東西直通運転される列車は存在しない。
その他列車の沿革
下記各項目を参照のこと。
- 「あずさ」・「スーパーあずさ」、「かいじ」・「はまかいじ」 中央東線の昼行優等列車
- 「しなの」 中央西線の昼行優等列車
- 「みすず」 中央東線および支線の快速列車
- 「ちくま」 中央西線の夜行列車
- 「ムーンライト信州」 中央東線の夜行快速・普通列車
駅一覧
- 駅名 … ◆・◇・■:貨物取扱駅(◇は定期貨物列車の発着なし、■はオフレールステーション)
- 線路 … ∥:複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、|:単線区間(列車交換不可能)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線
東日本旅客鉄道
東京駅 - 高尾駅間
ここでは駅名と主要な駅(主に支線・他路線の分岐点や運行上の拠点駅)の東京駅からの営業キロのみを記す。停車駅・接続路線・駅所在地などの詳細については「中央線快速#駅一覧」を参照。
東京駅 (0.0) - 神田駅 (1.3) - 御茶ノ水駅 (2.6) - 水道橋駅 - 飯田橋駅 - 市ケ谷駅 - 四ツ谷駅 - 信濃町駅 - 千駄ケ谷駅 - 代々木駅 (9.6) - 新宿駅 (10.3) - 大久保駅 - 東中野駅 - 中野駅◇ (14.7) - 高円寺駅 - 阿佐ケ谷駅 - 荻窪駅 - 西荻窪駅 - 吉祥寺駅 - 三鷹駅 (24.1) - 武蔵境駅◇ - 東小金井駅 - 武蔵小金井駅 - 国分寺駅 - 西国分寺駅 (32.8) - 国立駅 (34.5) - 立川駅 (37.5) - 日野駅 - 豊田駅 - 八王子駅◆■ (47.4) - 西八王子駅 - 高尾駅 (53.1)
高尾駅 - 塩尻駅間
- 停車駅
駅名 | 駅間営業キロ | 東京 からの 営業キロ |
接続路線 | 線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
高尾駅 | - | 53.1 | 東日本旅客鉄道:中央線(東京方面) 京王電鉄:高尾線 |
∥ | 東京都 八王子市 | |
相模湖駅 | 9.5 | 62.6 | ∥ | 神奈川県 相模原市緑区 | ||
藤野駅 | 3.7 | 66.3 | ∥ | |||
上野原駅 | 3.5 | 69.8 | ∥ | 山梨県 | 上野原市 | |
四方津駅 | 4.2 | 74.0 | ∥ | |||
梁川駅 | 3.6 | 77.6 | ∥ | 大月市 | ||
鳥沢駅 | 3.6 | 81.2 | ∥ | |||
猿橋駅 | 4.1 | 85.3 | ∥ | |||
大月駅 | 2.5 | 87.8 | 富士急行:大月線(高尾方面と直通あり) | ∥ | ||
初狩駅◇ | 6.1 | 93.9 | ∥ | |||
笹子駅 | 6.5 | 100.4 | ∥ | |||
甲斐大和駅 | 6.1 | 106.5 | ∥ | 甲州市 | ||
勝沼ぶどう郷駅 | 6.0 | 112.5 | ∥ | |||
塩山駅 | 4.4 | 116.9 | ∥ | |||
東山梨駅 | 3.2 | 120.1 | ∥ | 山梨市 | ||
山梨市駅 | 2.1 | 122.2 | ∥ | |||
春日居町駅 | 2.8 | 125.0 | ∥ | 笛吹市 | ||
石和温泉駅◇ | 2.8 | 127.8 | ∥ | |||
酒折駅 | 3.4 | 131.2 | ∥ | 甲府市 | ||
甲府駅 | 2.9 | 134.1 | 東海旅客鉄道:身延線 | ∥ | ||
竜王駅◆ | 4.5 | 138.6 | ∥ | 甲斐市 | ||
塩崎駅 | 4.1 | 142.7 | ∥ | |||
韮崎駅 | 4.3 | 147.0 | ∥ | 韮崎市 | ||
新府駅 | 4.2 | 151.2 | ∥ | |||
穴山駅 | 3.5 | 154.7 | ∥ | |||
日野春駅 | 5.4 | 160.1 | ∥ | 北杜市 | ||
長坂駅 | 6.2 | 166.3 | ∥ | |||
小淵沢駅 | 7.4 | 173.7 | 東日本旅客鉄道:小海線 | ∥ | ||
信濃境駅 | 4.5 | 178.2 | ∥ | 長野県 | 諏訪郡 富士見町 | |
富士見駅 | 4.7 | 182.9 | ∥ | |||
すずらんの里駅 | 3.2 | 186.1 | ∥ | |||
青柳駅 | 1.9 | 188.0 | ∥ | 茅野市 | ||
茅野駅 | 7.2 | 195.2 | ∥ | |||
普門寺信号場 | - | 198.9 | ∨ | 諏訪市 | ||
上諏訪駅 | 6.7 | 201.9 | ◇ | |||
下諏訪駅 | 4.4 | 206.3 | ◇ | 諏訪郡 下諏訪町 | ||
岡谷駅■ | 4.1 | 210.4 | 東日本旅客鉄道:中央本線(辰野方面) | ∧ | 岡谷市 | |
みどり湖駅 | 7.8 | 218.2 | ∥ | 塩尻市 | ||
塩尻駅◇ | 3.9 | 222.1 | 東日本旅客鉄道:篠ノ井線(松本駅・信越本線長野駅まで直通) ・中央本線支線(辰野方面) 東海旅客鉄道:中央本線(木曽福島方面) |
∥ |
過去の接続路線
辰野支線
- 標高の単位は m(メートル)
- 全列車、全駅に停車する。
- 全駅長野県内に所在。
駅名 | 駅間営業キロ | 累計 営業キロ |
標高 | 接続路線 | 線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
岡谷 から |
東京 から | ||||||
岡谷駅 | - | 0.0 | 210.4 | 766.2 | 東日本旅客鉄道:中央本線(本線) | ◇ | 岡谷市 |
川岸駅 | 3.5 | 3.5 | 213.9 | 757.4 | ◇ | ||
辰野駅◆ | 6.0 | 9.5 | 219.9 | 722.8 | 東海旅客鉄道:飯田線[** 1] | ◇ | 上伊那郡 辰野町 |
信濃川島駅 | 4.3 | 13.8 | 224.2 | 769.9 | | | ||
小野駅 | 4.0 | 17.8 | 228.2 | 813.2 | ◇ | ||
塩尻駅◇ | 9.9 | 27.7 | 238.1 | 715.8 | 東日本旅客鉄道:中央本線(みどり湖方面)・篠ノ井線 東海旅客鉄道:中央本線(木曽福島方面) |
∧ | 塩尻市 |
- ^ 飯田線の一部列車は岡谷駅・茅野駅まで乗り入れ
東海旅客鉄道
塩尻駅 - 中津川駅間
- 停車駅
- 普通…すべての駅に停車
- 南木曽・坂下から名古屋方面へ直通する快速も下表の区間内では全駅に停車。ただし、臨時快速「ナイスホリデー木曽路」は、この区間では南木曽、上松、木曽福島、薮原、奈良井、木曽平沢、塩尻にのみ停車する。
- 特急…「しなの (列車)」参照
- 普通…すべての駅に停車
駅名 | 駅間営業キロ | 累計 営業キロ |
標高 | 接続路線 | 線路 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名古屋 から |
東京から | |||||||
塩尻駅◇ | - | 174.8 | 222.1 | 715.8 | 東日本旅客鉄道:篠ノ井線(一部を除き松本駅まで直通) ・中央本線(岡谷方面)・中央本線支線(辰野方面) |
∥ | 長野県 | 塩尻市 |
洗馬駅 | 4.2 | 170.6 | 226.3 | 762.5 | ∥ | |||
日出塩駅 | 4.7 | 165.9 | 231.0 | 811.6 | ∥ | |||
贄川駅 | 5.2 | 160.7 | 236.2 | 871.6 | ∨ | |||
木曽平沢駅 | 5.2 | 155.5 | 241.4 | 914.9 | ◇ | |||
奈良井駅 | 1.8 | 153.7 | 243.2 | 933.8 | ∧ | |||
藪原駅 | 6.6 | 147.1 | 249.8 | 924.2 | ∥ | 木曽郡 木祖村 | ||
宮ノ越駅 | 5.7 | 141.4 | 255.5 | 859.6 | ∨ | 木曽郡 木曽町 | ||
原野駅 | 2.8 | 138.6 | 258.3 | 837.3 | ∧ | |||
木曽福島駅 | 5.5 | 133.1 | 263.8 | 775.3 | ∥ | |||
上松駅 | 7.3 | 125.8 | 271.1 | 708.6 | ∥ | 木曽郡 上松町 | ||
倉本駅 | 6.6 | 119.2 | 277.7 | 610.2 | ∨ | |||
須原駅 | 4.8 | 114.4 | 282.5 | 562.9 | ◇ | 木曽郡 大桑村 | ||
大桑駅 | 3.3 | 111.1 | 285.8 | 527.2 | ◇ | |||
野尻駅 | 3.0 | 108.1 | 288.8 | 522.2 | ◇ | |||
十二兼駅 | 3.7 | 104.4 | 292.5 | 474.4 | ∧ | 木曽郡 南木曽町 | ||
南木曽駅 | 5.5 | 98.9 | 298.0 | 408.4 | ∥ | |||
田立駅 | 6.3 | 92.6 | 304.3 | 350.2 | ∥ | |||
坂下駅 | 2.8 | 89.8 | 307.1 | 326.6 | ∥ | 岐阜県 中津川市 | ||
落合川駅 | 6.1 | 83.7 | 313.2 | ∥ | ||||
中津川駅 | 3.8 | 79.9 | 317.0 | 東海旅客鉄道:中央本線(名古屋方面) | ∥ |
過去の接続路線
中津川駅 - 名古屋駅間
ここでは駅名と主要な駅の東京駅からの営業キロのみを記す。停車駅・接続路線・駅所在地などの詳細は「中央線 (名古屋地区)#駅一覧」を参照。
中津川駅 (317.0) - 美乃坂本駅 - 恵那駅 - 武並駅 - 釜戸駅 - 瑞浪駅 - 土岐市駅 - 多治見駅◆ (360.7) - 古虎渓駅 - 定光寺駅 - 高蔵寺駅 (372.9) - 神領駅 - 春日井駅◆ - 勝川駅 - 新守山駅◇ - 大曽根駅 - 千種駅 - 鶴舞駅 - 金山駅 (393.6) - (山王信号場) - 名古屋駅◇ (396.9)
廃止区間
括弧内は起点からの営業キロ。「下河原線」も参照。
- 支線(1959年廃止)
- 三鷹駅 (0.0) - 武蔵野競技場前駅 (3.2)
- 貨物支線(1946年休止)
- 立川駅 (0.0) - 多摩川信号場 (1.7) - 多摩川原駅 (3.7)
新線付け替え区間
- 梁川駅 - 猿橋駅間
- 初狩駅 - 笹子駅間
- 甲斐大和駅 - 勝沼ぶどう郷駅間
- 穴山駅 - 日野春駅間
- 小淵沢駅 - 富士見駅間
- 贄川駅 - 木曽平沢駅間
- 藪原駅 - 奈良井駅間
- 木曽福島駅 - 倉本駅間
- 南木曽駅 - 坂下駅間
- 多治見駅 - 定光寺駅間
廃駅
#廃止区間にある駅を除く。括弧内は東京駅起点の営業キロ。
- 万世橋駅:神田駅 - 御茶ノ水駅間 (1.9)
- 昌平橋駅:神田駅 - 御茶ノ水駅間(約2.1)
- 飯田町駅:水道橋駅 - 飯田橋駅間 (3.9)
- 牛込駅:飯田橋駅 - 市ヶ谷駅間(約4.7)
- 東浅川仮停車場:西八王子駅 - 高尾駅間 (52.0)
- 甲斐善光寺仮停車場:酒折駅 - 甲府駅間(約131.8)
- 鶴舞公園仮停車場:鶴舞駅付近(約391.2)
廃止信号場
- 本線(括弧内は東京駅起点の営業キロ)
- 境仮信号場:武蔵境駅 - 東小金井駅間 (27.0)
- 多摩川信号場:立川駅 - 日野駅間 (39.2)
- 小仏信号場:高尾駅 - 相模湖駅間 (57.2)
- 広河原仮信号所:大月駅 - 笹子駅間(約98.9)
- 滝ノ前信号場:長坂駅 - 小淵沢駅間 (172.0)
- 木船信号場:青柳駅 - 茅野駅間 (192.1)
- 山吹山信号場:藪原駅 - 宮ノ越駅間 (253.1)
- 中平信号場:木曽福島駅 - 上松駅間(木曽福島駅から7.3、上松駅まで4.8[5])
- 小野ノ滝信号場:上松駅 - 倉本駅間 (274.9)
- 読書仮信号場:南木曽駅 - 田立駅間(約300.4)
- 与ヶ根信号場:中津川駅 - 美乃坂本駅間 (321.7)
- 二軒屋信号場:美乃坂本駅 - 恵那駅間 (325.4)
- 大羽根信号場:武並駅 - 釜戸駅間 (336.4)
- 下畑信号場:釜戸駅 - 瑞浪駅間 (343.6)
- 高座仮信号場:定光寺駅 - 高蔵寺駅間 (371.6)
- 守山信号場:勝川駅 - 新守山駅間 (384.2)
- 古渡信号場:鶴舞駅 - 金山駅間 (392.8)
- 辰野支線(括弧内は岡谷駅起点の営業キロ)
- 平出信号場:川岸駅 - 辰野駅間 (6.5)
- 東塩尻信号場:小野駅 - 塩尻駅間 (22.7)
脚注
参考文献
- 中村建治『中央線誕生-甲武鉄道の開業に賭けた挑戦者たち』本の風景社、8月 2003。ISBN 978-4-925187-31-2。