コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

小坂奇石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

小坂 奇石(こさか きせき、1901年1月13日 - 1991年10月6日)は、日本書家徳島県海部郡美波町(旧由岐町)出身。本名は小坂 光太郎(みつたろう)。関西大学中退。書道研究璞社(ぼくしゃ)初代会長。

娘の小坂淳子徳島県立文学書道館名誉館長。「奇石体」と呼ばれる独自の書風を確立し、書家としては初めて日本芸術院恩賜賞を受賞した。

経歴

[編集]
  • 1901年明治34年)1月13日 - 徳島県海部郡三岐田町(由岐町から現・美波町)に生まれる。
  • 1914年大正03年) - 阿部捉龍に師事。
  • 1917年(大正06年) - 黒木拝石に師事(1945年(昭和20年)まで)。
  • 1921年(大正10年) - 関西大学専門部入学(1923年病気中途退学)。
  • 1924年(大正13年) - 徳島三岐田町に臨濤書会をつくり主宰。
  • 1927年昭和02年) - 関西書道会で入賞。
  • 1929年(昭和04年) - 漢学者梅見有香、土田江南、増田半劍、長岡参寥、土屋竹雨師事。
  • 1935年(昭和10年) - 東方書道会展特選入賞(以後4年連続特選入賞)。
  • 1937年(昭和12年) - 関西書道会理事審査員。
  • 1941年(昭和16年) - 東方書道会理事。
  • 1947年(昭和22年) - (社)日本書芸院創立・理事・審査員。
  • 1948年(昭和23年) - 第4回日展(書道参加第1回)「牀屏山水図歌」入選。
  • 1949年(昭和24年) - 大阪市主催関西展審査員。
  • 1950年(昭和25年) - 第6回日展「白楽天詩」特選。師黒木拝石没。
  • 1951年(昭和26年) - 有魚会(璞社の前身)発足。
  • 1955年(昭和30年) - 璞社設立。
  • 1956年(昭和31年) - 日展審査員。
  • 1957年(昭和32年) - 現代書道二十人展(朝日新聞主催)第一回展より出品。没年まで(例外が一回?)出品。
  • 1960年(昭和35年) - 奈良学芸大学(現・奈良教育大学)助教授、日展評議員。
  • 1961年(昭和36年) - 還暦記念個展(大阪高島屋画廊))日本書芸院顧問・審査員。
  • 1962年(昭和37年) - 奈良教育大学教授(昭和41年まで)。
  • 1966年(昭和41年) - 徳島大学講師(昭和54年まで)。
  • 1967年(昭和42年) - 書道研究誌『書源』創刊。大阪(府・市合同)芸術賞。
  • 1970年(昭和45年) - 高野山大学教授。「寒山詩」で日展文部大臣賞。万国博迎賓館並自治体館に作品陳列。
  • 1971年(昭和46年) - 古稀記念個展(東京日本橋三越画廊)。
  • 1972年(昭和47年) - 四国女子大学講師。
  • 1976年(昭和51年) - 日展参与。讀賣書展審査員、由岐町名誉町民。
  • 1978年(昭和53年) - (社)日本書芸院名誉顧問。
  • 1980年(昭和55年) - 徳島県文化賞受賞。
  • 1981年(昭和56年) - 奈良教育大学名誉教授。第25回現代書道二十人展開催。「寒山詩二首」で日本芸術院賞恩賜賞を受賞[1]、受賞作品を日本藝術院が買上。(社)日展参事、(社)日本書芸院顧問。紺綬褒章受章。小松島市に史跡、旧跡、名勝顕彰の石碑を書く。
  • 1982年(昭和57年) - 勲三等瑞宝章
  • 1984年(昭和59年) - 読売書法会名誉会員。
  • 1990年平成02年) - 璞社名誉会長。
  • 1991年平成03年) - 10月6日死去。戒名は常照院光寿奇石居士。従五位
  • 1997年(平成09年) - 遺作寄贈(徳島県立文学書道館、リーヴスギャラリー小坂奇石記念館(大阪市法楽寺)財)、驥山館長野県篠ノ井))。

故郷徳島の徳島県立文学書道館には、書作品三百余点とコレクション・蔵書などが小坂淳子から寄贈され、奈良市自宅の書斎を再現した「奇石窟」が設置されている。

主な門弟

[編集]

著書・作品集

[編集]
  • 『奇石・鐵山墨遊展』小坂奇石、1970年4月。 
  • 『小坂奇石作品集』小坂奇石〈小坂奇石個展図録〉、1971年3月。 
  • 『黙語室雑記 喜寿記念文集』璞社、1978年2月。 
  • 『小坂奇石作品集』小坂奇石〈喜寿記念個展図録〉、1978年2月。 
  • 『小坂奇石作品集成』講談社、1980年3月。 
  • 『小坂奇石作品集』小坂奇石〈小坂奇石書作展図録〉、1980年9月。 
  • 『小坂奇石 現代の巨匠 墨』芸術新聞社 48号〉、1984年5月。 
  • 小坂奇石臨書集』 巻1、西東書房〈現代名家臨書範〉、1987年2月。ISBN 978-4-88098-205-2http://seitoshobo.jp/gendai/978-4-88098-205-2.html 
  • 小坂奇石臨書集』 巻2、西東書房〈現代名家臨書範〉、1987年8月。ISBN 978-4-88098-206-9http://seitoshobo.jp/gendai/978-4-88098-205-2.html 
  • 『性霊集語録 書の手本』 乾、書藝界、1987年。 
  • 『性霊集語録 書の手本』 坤、書藝界、1987年。 
  • 『黙語堂雑記 米寿記念文集』璞社、1988年2月。 
  • 『黙語堂雑記 米寿記念文集』璞社、1989年4月。 
  • 『小坂奇石作品集 米寿記念』璞社、1989年4月。 
  • 由岐町編 編『小坂奇石作品集 卒寿記念』由岐町・由岐町教育委員会、1990年11月。 
  • 江口大象編 編『和雅の境地小坂奇石 人と作品』同朋舎出版、1992年8月。 
  • 『小坂奇石の生涯』璞社、1993年6月。 
  • 『小坂奇石作品集 徳島県収蔵』 第1集、小坂淳子、1997年9月。 
  • 『小坂奇石作品集 徳島県収蔵』 第2集、小坂淳子、2003年1月。 
  • 『「書の求道者・小坂奇石の世界」展』徳島県立文学書道館、2003年1月。 
  • 『小坂奇石文集』 上、徳島県立文学書道館〈ことのは文庫〉、2008年3月。 
  • 『小坂奇石文集』 下、徳島県立文学書道館〈ことのは文庫〉、2008年3月。 
  • 小坂奇石』芸術新聞社〈墨 ニュークラシック・シリーズ〉、2012年12月。ISBN 978-4-87586-349-6http://www.gei-shin.co.jp/books/ISBN978-4-87586-349-6.html 

脚注

[編集]
  1. ^ 『朝日新聞』1981年3月4日(東京本社発行)朝刊、22頁。

関連項目

[編集]