芝祐靖
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芝 祐靖 | |
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文化勲章受章に際して 公表された肖像写真 | |
基本情報 | |
別名 | 祁笛(きてき) |
生誕 | 1935年8月13日 |
出身地 | 東京府 |
死没 | 2019年7月5日(83歳没) |
学歴 |
宮内庁式部職楽部 楽生科卒業 |
ジャンル | 雅楽 |
職業 |
雅楽師 作曲家 |
担当楽器 |
横笛 左舞 琵琶 古代歌謡 作曲 |
活動期間 | 1955年 - 2019年 |
事務所 | ブルーシート |
公式サイト | SUKEYASU SHIBA - 芝祐靖(Sukeyasu Shiba)は雅楽の龍笛・横笛奏者、作曲家。宮内庁楽部を退官後、伶楽舎を創設。代表作に「一行の賦」、「敦煌琵琶譜による音楽」、皇太子殿下・美智子妃殿下「御成婚祝典序曲」等。長野五輪で君が代演奏。2017年文化勲章。[註釈 1] |
芝 祐靖(しば すけやす、1935年〈昭和10年〉8月13日 - 2019年〈令和元年〉7月5日)は、日本の雅楽師、作曲家。勲等は文化勲章。株式会社ブルーシート所属、日本芸術院会員、文化功労者。筆名として祁笛(きてき)を用いることもある。
宮内庁式部職楽部楽師、東京芸術大学音楽学部講師、一般社団法人伶楽舎代表理事、国立音楽大学音楽学部招聘教授などを歴任した。
概要
[編集]東京府出身の雅楽師である。日本芸術院会員である芝祐泰の三男として生まれた。宮内庁の式部職にて楽部の予科、本科を経て楽生科を卒業し、のちに楽部にて楽師を務めた。また、東京芸術大学や国立音楽大学で教鞭を執り[1]、後進を育てた。雅楽演奏集団である「伶楽舎」の結成に参画すると、その音楽監督を務めるとともに、代表理事などを歴任した。なお、音楽事務所である「ブルーシート」に所属していた。その業績に対しては、芸術選奨文部大臣賞や日本芸術院賞・恩賜賞などが授与されており、2017年には雅楽師として史上初めて文化勲章を受章した。また、父と同じく日本芸術院会員に選任されていた。
来歴
[編集]狛氏の一族で代々続く雅楽師の家柄。祖父・芝祐夏の代から宮内庁楽部で楽師を務める[1]。自身も10歳から横笛や琵琶などを習う[1]。雅楽に仕える一方で、オーケストラ作品も作曲している[2]。宮中晩餐会において、天皇と国賓が豊明殿に入場する際に演奏される曲「親愛」は、同氏が作曲したものである[3]。
2019年7月5日、悪性リンパ腫のため東京都の自宅で死去[4]。83歳没。
略歴
[編集]- 1935年(昭和10年) - 東京府にて誕生。
- 1951年(昭和26年) - 薗広進、上近正、薗広茂に師事。
- 1955年(昭和30年) - 宮内庁楽部楽生科卒。
- 1958年(昭和33年) - 宮内庁楽部楽師。
- 1960年(昭和35年) - 楽部の有志とともに紫絃会を結成[1]。
- 1978年(昭和53年) - 東京芸術大学非常勤講師。
- 1984年(昭和59年) - 宮内庁楽部退職。
- 1985年(昭和60年) - 雅楽団体「伶楽舎」を結成して音楽監督[1]。
- 1988年(昭和63年) - 国立音楽大学客員教授(2001年まで)。
- 1989年(平成元年) - フィンランド・クフモ音楽祭、イタリア・ペルージア音楽祭などで雅楽を紹介演奏。
- 1997年(平成9年) - 雅楽廃絶曲17曲を編纂、『遠楽の復曲』(訳譜・編曲、龍鳴舎)を出版[5]
- 1998年(平成10年) - 冬季長野オリンピック開会式で「君が代」演奏。
- 2000年(平成12年) - 東京芸術大学退職。
- 2003年(平成15年) - 日本芸術院会員。
- 2019年(令和元年) - 東京都にて死去。
賞歴
[編集]- 1964年(昭和39年) - 芸術祭奨励賞。=「舞楽風組曲」
- 1971年(昭和46年) - 芸術祭賞優秀賞。=「横笛三章」
- 1988年(昭和63年) - 芸術選奨文部大臣賞。=コンサート「笛ライブ'87」などの成果
- 1993年(平成5年) - 第5回飛騨古川音楽大賞特別功労賞[5]。
- 1997年(平成9年) - 第27回モービル音楽賞(邦楽部門)。
- 1999年(平成11年) - 第19回伝統文化ポーラ賞。
- 2002年(平成14年) - 第20回中島健蔵音楽賞特別賞。
- 2003年(平成15年) - 日本芸術院賞・恩賜賞。
栄典
[編集]著書
[編集]- 楽家類聚 東儀俊美, 芝祐靖(著), 林陽一 (写真) 東京書籍 2006年
- 図説 雅楽入門事典 遠藤徹, 宮丸直子, 笹本武志(著), 芝祐靖 (監修) 柏書房 2006年
- 伶倫楽遊 芝祐靖と雅楽の現代 寺内直子(編著) アルテスパブリッシング 2017年
ディスコグラフィー
[編集]- 『復元正倉院楽器のための 敦煌琵琶譜による音楽』伶楽舎 2011年。
- 『古典雅楽様式による雅楽組曲「呼韓邪單于」 -王昭君悲話-』伶楽舎 2011年。
- 『幻遥 オーケストラ作品集』日本伝統文化振興財団 2016年。 芝祐靖作曲、十束尚宏指揮、オーケストラ・アンサンブル金沢
脚注
[編集]註釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e 日外アソシエーツ現代人物情報
- ^ 『幻遥』発売に際して(じゃぽブログ)
- ^ 自然体で親善深められ 即位後初の宮中晩餐会(産経ニュース)
- ^ 芝祐靖さん死去=雅楽演奏家、83歳:時事ドットコム - 2019年7月10日[リンク切れ]
- ^ a b 読売人物データベース
- ^ “平成21年春の叙勲 旭日中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 2 (2009年4月29日). 2009年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月9日閲覧。
- ^ “文化勲章に丸谷才一さん、大滝秀治さんら功労者”. YOMIURI ONLINE (2011年10月25日). 2011年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月12日閲覧。
外部リンク
[編集]- SUKEYASU SHIBA - 芝祐靖(Sukeyasu Shiba)は雅楽の龍笛・横笛奏者、作曲家。宮内庁楽部を退官後、伶楽舎を創設。代表作に「一行の賦」、「敦煌琵琶譜による音楽」、皇太子殿下・美智子妃殿下「御成婚祝典序曲」等。長野五輪で君が代演奏。2017年文化勲章。 - 公式ウェブサイト。ウェブサイトの名称についてはtitleタグに準拠。
- 伶楽舎について | 伶楽舎 - 芝を紹介する伶楽舎のページ